JPH0731034A - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内部配線部材として印刷配線材を使
用する電気接続箱の改良に関し、例えば配線の平面交差
が出来ないという制限を緩和し、併せて部品点数の削
減、組立作業性の向上などを目的とする。 【構成】 電気接続箱は、箱体（メインカバー１）の周
壁に外部回路の入出力用の複数の端子４を配置し、所定
の端子相互を電気的に接続する手段を備えている。この
電気的接続手段はポリエステルシートなどの可撓性絶縁
基材５の両面に配線パターン６を形成した可撓性印刷配
線材７から成る。配線パターン６と上記端子４とを電気
的に接続するため、可撓性印刷配線材７の縁に沿って配
列した接続部９にそれぞれ対応する端子４を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤハーネスの配
線、接続に使用される電気接続箱、殊に内部配線部材と
して印刷配線材を使用する電気接続箱の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術による電気接続箱の例を図６の
分解斜視図に示す。電気接続箱の箱体は、メインカバー
１、アンダーカバー２からなり、メインカバー１には、
複数のレセプタクル３が設けられ、レセプタクル３に
は、それぞれ複数の端子４が配置される。各レセプタク
ル３は、図示されない外部コネクタにそれぞれ対応し、
外部コネクタがレセプタクル３に接合されることによ
り、各端子４が対応する外部回路と電気的に接続され
る。

【０００３】上記端子４は、所定の端子相互が電気接続
箱の内部で電気的に接続されているので、上記端子と外
部回路との電気的接続によって、入出力の分配が行われ
る。上記電気接続箱内部の電気的接続には、板状または
シート状の絶縁性基材１０の表面に配線パターン１１を
形成した印刷配線板１２が用いられ、配線パターン１１
は印刷配線板１２の長手方向に延びるブスバー状に形成
される。端子４は弾性金属材料で製作され、弾性を持っ
た両脚状に形成された接触部８を有し、この両脚で縦向
きに配置された印刷配線板１２を挟むことにより、上記
配線パターン１１との電気接続が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】電気接続箱内部の電気
的接続は一般に複数の回路の群となるから、上記配線パ
ターン１１も２以上の独立した回路が必要であり、かつ
平面の印刷配線では線の交差が許されないから、印刷配
線板１２の縁に平行した複数の直線状配線パターン１１
とならざるを得ない。従って端子の接触部８は、接続す
べき配線パターン１１の印刷配線板１２の縁からの距離
の相違に応じて、形状寸法の異なる複数の種類が必要と
なり、部品種類の増加と組立て作業性の低下を来す。

【０００５】また、印刷配線板１２の長手方向と直交す
る方向にある別の並びに属する端子相互の渡り接続のた
めには、例えばワイヤで接続するなど別途の接続手段が
必要となるという欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
従来技術の欠点を解消するため、請求項１に記載のよう
に、箱体の周壁に外部回路の入出力用の複数の端子が配
置され、所定の端子相互を電気的に接続する手段を箱内
に備えた電気接続箱において、前記電気的接続手段はポ
リエステルシートなどの可撓性絶縁基材の両面に配線パ
ターンを形成した可撓性印刷配線材からなり、該配線パ
ターンと上記端子とを電気的に接続するための、可撓性
印刷配線材の縁に沿って配列された接続部が、それぞれ
対応する前記端子と電気的に接続されている構成を採用
した。

【０００７】上記構成を図１を参照して具体的に説明す
ると、電気接続箱内部の電気的接続には、ポリエステル
シートなどの可撓性絶縁基材５の両面に配線パターン６
を形成した両面型の可撓性印刷配線材７を用い、端子４
の両脚状接触部８が、その弾性により可撓性印刷配線材
７を挟むことにより、両面の配線パターン６との電気接
続が同時に行われるように構成する。

【０００８】接触部８が接触する配線パターン６の一部
である接続部９は、可撓性印刷配線材７の互いに平行す
る２辺の縁に直交するように分配配列され、所定の接続
部９が相互に表裏何れかに配置された配線パターン６の
適宜な取回しによって接続される。接続部９が配列され
た２辺が平行する向きに可撓性印刷配線材７がＵ字状に
曲げられ、一方の辺に配列された接続部９が対応する並
びの端子４とそれぞれ電気的に接続され、他方の辺に配
列された接続部９が対応する別の並びの端子４とそれぞ
れ電気的接続がなされるように構成される。

【０００９】また別の実施態様として、図５のように、
接続部９が配列されている辺の縁の一部が切り欠かれ、
この部分に対応する端子４の並びには別の可撓性印刷配
線材７の辺に配列された接続部９′が対応する端子４′
とそれぞれ電気的に接続される。

【００１０】

【作用】接続部９が全て可撓性印刷配線材７の縁に沿っ
て配列されるから、全ての端子の接触部８は唯１種類の
みの形状寸法でよく、部品種類の減少と組立て作業性の
向上に寄与する。可撓性印刷配線材７の両面に配線パタ
ーン６を配置出来るから、上記縁に沿って配列した接続
部９相互の接続配線において、配線の交差の制限が緩和
され、多数の独立した回路を設けることが容易になる。
可撓性印刷配線材７の長手方向に垂直方向の別の並びの
端子相互の渡り接続も、可撓性印刷配線材７の２辺に配
列した接続部９相互を、配線パターン６を用いて接続出
来るから、ワイヤ接続などの別途の手段を用いる必要が
無くなる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の第１実施例を示す電気接続箱
の分解斜視図である。電気接続箱の本体となる箱体は、
メインカバー１とアンダーカバー２とにより構成され、
メインカバー１には図示されない複数の外部コネクタに
それぞれ対応する複数のレセプタクル３が設けられ、各
レセプタクル３には、それぞれ接続される外部回路の数
に相当する端子４が配置される。

【００１２】所定の端子４相互を電気接続箱の内部で電
気的に接続し、これにより所定の入出力の分配が行われ
るように、本実施例における可撓性印刷配線材７の配線
パターン６は次のように構成される。

【００１３】図２は第１実施例における可撓性印刷配線
材７の表面配線パターン６ｒ、６ｓ、６ｔの配置を、図
３は同裏面配線パターン６ｕ、６ｖの配置を表面から見
た透視図を示す。配線パターン６ｒ、６ｓ、６ｔ、６
ｕ、６ｖと端子４との電気的接続のための接続部９ｂ、
９ｃ、９ｄ、９ｅ、９ｆ、９ｉ、９ｊ、９ｌ、９ａ´、
９ｄ´、９ｅ´、９ｆ´、９ｇ´、９ｈ´、９ｋ´が、
可撓性印刷配線材７の平行する２つの縁に沿って分配配
列されるように、かつ図示の相互接続関係になるよう
に、パターン形成と同一工程で、形成される。

【００１４】可撓性印刷配線材７は、図４に示すように
Ｕ字状に曲げられ、前記接続部９ｂ、９ｃ、９ｄ、９
ｅ、９ｆ、９ａ´、９ｄ´、９ｅ´、９ｆ´の並びが、
端子４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ、４ｆの並びと対応
し、前記接続部９ｉ、９ｊ、９ｌ、９ｇ´、９ｈ´、９
ｋ´の並びが、端子４ｇ、４ｈ、４ｉ、４ｊ、４ｋ、４
ｌと対応するように配置される。 但し図４では、図を
見易くする目的で、端子４ｉ、４ｊ、４ｋ、４ｌを、対
応する位置から引き離して描いてある。

【００１５】各端子の接触部８が対応する接続部９（９
ｂ、９ｃ…）を挟むことで、下記の端子群毎の４回路の
内部電気接続が完成する。 第１回路： 端子４ａ、４ｄ、４ｅ、４ｆ 第２回路： 端子４ｂ、４ｉ 第３回路： 端子４ｃ、４ｊ、４ｌ 第４回路： 端子４ｇ、４ｈ、４ｋ

【００１６】第１実施例において、例えば端子４ｊ、４
ｌ相互の接続及び端子４ｇ、４ｈ、４ｋ相互の接続で代
表的に示されるように、本発明においては両面に独立回
路としての配線パターン６ｓ、６ｖを配置出来るから、
従来技術におけるような配線の交差の制限がなく、接続
部９ｊ、９ｌ及び接続部９ｇ´、９ｈ´、９ｋ´が何れ
も可撓性印刷配線材７の１つの縁に沿って配列されてい
て、端子の接触部８の形状寸法は１種類のみで済む。

【００１７】また例えば、端子４ｂ、４ｉ相互の接続に
おいて代表的に示されるように、可撓性印刷配線材７長
手方向に垂直方向の別の並びの端子相互の渡り接続も、
本発明においては可撓性印刷配線材７の２辺に配列した
接続部９ｂ、９ｉ相互を、配線パターン６ｒを用いて接
続することで処理出来るから、ワイヤ接続などの別途の
手段を用いる必要が無い。

【００１８】図５は本発明の第２の実施例を示す電気接
続箱の斜視図である。第１の実施例との相違は、可撓性
印刷配線材７の接続部９が配列された辺の縁の一部が切
り欠かれ、この部分に対応する端子４´の並びには、他
の可撓性印刷配線材７´の辺に配列された接続部９が対
応する端子４´とそれぞれ電気的接続されている。

【００１９】第２実施例で代表的に示されるように、可
撓性印刷配線材７長手方向に垂直方向の３以上の別の並
びの端子相互の渡り接続も、本発明においては可撓性印
刷配線材７の配線パターン６を用いて接続出来るから、
ワイヤ接続などの別途の手段を用いる必要が無い。

【００２０】

【発明の効果】電気接続箱に接続される入出力の分配を
行うための、電気接続箱内部の電気的接続は、一般に複
数の独立した回路が必要であり、これを従来技術の印刷
配線で処理しようとすると、配線の平面交差が出来ない
という制限から、端子と配線パターンとの接触部は形状
寸法の異なる複数の種類が必要であり、また並びの異な
る端子相互の渡り接続のためには、例えばワイヤで接続
するなど別途の接続手段が必要であり、部品種類の増
加、作業性の低下等産業上解決を要する問題があった。

【００２１】本発明によれば、可撓性印刷配線材の両面
に印刷配線パターンを配置することにより、上記配線の
交差の制限が除かれ、多数の独立した回路を設けること
が容易になり、また縁の一部が切り欠かれた複数の可撓
性印刷配線材を組み合わせることにより、３以上の並び
の端子相互の渡り接続も印刷配線パターンを用いて処理
出来るなど、電気接続箱としての入出力の分配の自由度
が向上して産業上の応用範囲が広くなる。

【００２２】また端子と配線パターンとの接続部を、全
て可撓性印刷配線材の縁に沿って配列出来るから、端子
の接触部は唯１種類のみの形状寸法で良く、部品種類の
減少と組立て作業性の向上に寄与し、産業に適用してコ
スト上多大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明電気接続箱の第１の実施例を示す分解斜
視図である。

【図２】本発明に係る可撓性印刷配線材の表面配線パタ
ーン例の平面図である。

【図３】本発明に係る可撓性印刷配線材の裏面配線パタ
ーン例の透視図である。

【図４】本発明に係る可撓性印刷配線材の接続部と端子
との接続関係を説明する斜視図である。

【図５】本発明電気接続箱の第２の実施例を示す部分斜
視図である。

【図６】従来技術電気接続箱の例を示す分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

４ 端子 ５ 可撓性絶縁基材 ６ 配線パターン ７ 可撓性印刷配線材 ９ 接続部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】箱体の周壁に外部回路の入出力用の複数の
   端子が配置され、所定の端子相互を電気的に接続する手
   段を箱内に備えた電気接続箱において、 前記電気的接続手段はポリエステルシートなどの可撓性
   絶縁基材の両面に配線パターンを形成した可撓性印刷配
   線材からなり、該配線パターンと上記端子とを電気的に
   接続するための、可撓性印刷配線材の縁に沿って配列さ
   れた接続部が、それぞれ対応する前記端子と電気的に接
   続されていることを特徴とする電気接続箱。
2. 【請求項２】可撓性印刷配線材の互いに平行する２辺に
   沿って、端子との接続部が分配配列され、これら２辺が
   平行する向きに可撓性印刷配線材がＵ字状に曲げられ、
   一方の辺に配列された接続部が、対応する並びの端子と
   それぞれ電気的に接続され、他方の辺に配列された接続
   部が対応する別の並びの端子とそれぞれ電気的接続され
   ている請求項１記載の電気接続箱。
3. 【請求項３】可撓性印刷配線材の接続部が配列された辺
   の縁の一部が切り欠かれ、この部分に対応する端子の並
   びには他の可撓性印刷配線材の辺に配列された接続部が
   対応する端子とそれぞれ電気的に接続されている請求項
   ２記載の電気接続箱。