JPH07310300A - 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板 - Google Patents

難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板

Info

Publication number
JPH07310300A
JPH07310300A JP10277394A JP10277394A JPH07310300A JP H07310300 A JPH07310300 A JP H07310300A JP 10277394 A JP10277394 A JP 10277394A JP 10277394 A JP10277394 A JP 10277394A JP H07310300 A JPH07310300 A JP H07310300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
paper
resin
base paper
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10277394A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Uematsu
謙一郎 植松
Isao Morikawa
勲 森川
Mina Yoshida
美奈 吉田
Manabu Mizutani
学 水谷
Riyouko Shimooke
陵子 下桶
Hiroyuki Fukuzumi
浩之 福住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP10277394A priority Critical patent/JPH07310300A/ja
Publication of JPH07310300A publication Critical patent/JPH07310300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性と耐水性に優れた積層板用原紙、及び
難燃性、半田耐熱性、絶縁抵抗等の特性に優れた積層板
を提供する。 【構成】 紙基材と、メチロール基を有する合成樹脂お
よび燐酸ジシアンジアミドメチロール化物からなる難燃
剤を1:0.4〜2.0の重量比率で混合した混合物と
を含み、前記混合物が、紙基材中に、その絶乾重量に対
し2〜12重量%の含有率で含有され、かつ不溶化され
ている積層板用原紙、およびこの積層板用原紙に熱硬化
性樹脂を含浸させて得られた複数枚のプリプレグを、積
層熱圧着により硬化・一体化成形した積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性と耐水性に優れ
た積層板用原紙、及び難燃性、半田耐熱性及び絶縁抵抗
に優れた積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、紙を基材として使用し、熱硬化性
樹脂の含浸硬化物を含む金属箔張り積層板は、セルロー
スパルプ、特に広葉樹晒クラフトパルプを原料として未
叩解で湿式抄紙して得られ、0.4〜0.6g/cm3
極めて低い見かけ比重を有する積層板用原紙に、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸し、こ
れを加熱乾燥して半硬化状態にし(この状態のものをプ
リプレグと称する)、このプリプレグを複数枚積層し、
これを金属箔と共に加熱加圧成形して製造される。
【0003】この場合、紙基材からなる積層板用原紙
も、それに含浸される樹脂も、共に可燃性材料であるた
め、得られる積層板を難燃化するためには、無機及び/
或いは有機の難燃性物質を原紙に担持させ、しかも難燃
性の熱硬化性樹脂を使用するか、又は難燃剤を樹脂液に
添加することが行われている。これらの難燃性樹脂及び
難燃剤としてはハロゲン化合物を含有しているものが一
般的に使用されている。
【0004】このような難燃性積層板用原紙としては、
セルロースパルプと難燃性の有機物質や無機物質とを湿
式で抄紙して得られたものが知られている。このような
難燃化原紙を用いた積層板としては無機物質として水酸
化アルミニウム10〜90重量%とセルロースパルプ9
0〜10重量%とを混合、抄紙して得られた混抄紙、又
は抄紙後にこれをシランカプリング剤で処理してシラン
カプリング剤処理混抄紙に、熱硬化性樹脂溶液を含浸せ
しめたのち、これを積層、加熱硬化させる積層板(特開
昭59−71332号公報)、及び水酸化アルミニウム
70〜90重量%、無機繊維1〜10重量%およびセル
ロースパルプ9〜28重量%からなる混抄紙に、フェノ
ール樹脂を含浸させ、これを積層、加熱成形させた積層
板(但し、積層板中のフェノール樹脂含有量は、積層板
重量の25〜60%である)(特開昭59−71333
号公報)などが知られている。
【0005】しかしながら、一般にこのような無機質難
燃剤を含有する混抄紙を積層板用原紙として使用した場
合、所望の難燃性を達成するために必要とされる無機粉
体の含有率が高いために、得られる原紙の機械的強度の
低下、および無機粉体の脱落は避けることはできず、こ
のために含浸用熱硬化性樹脂の含浸加工時に原紙の取扱
いに多大の注意を要すること、及び得られる積層板自体
の強度が不十分であるという問題がある。
【0006】一方、特開昭59−2843号公報には、
水酸化アルミニウムを5〜30重量%内添した基材紙
に、メラミン樹脂及び/またはグアナミン樹脂を塗布若
しくは含浸せしめ乾燥させて、積層単位体を作製し、別
にトリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフ
ォスフェート等の燐酸エステル系の難燃剤、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA等
のハロゲン系難燃剤を、単独で或いはその2種以上を併
用して、フェノール樹脂に添加することにより難燃化し
たフェノール樹脂を調製し、これを前記積層単位体に塗
布若しくは含浸し、これを乾燥してプリプレグを作成
し、複数個のプリプレグを積層し、加熱、加圧、成形す
ることによって難燃性フェノール樹脂積層板の製法が開
示されている。しかしながら、水酸化アルミニウムを3
0重量%程度添加し、抄造して得られる無機質混抄紙
は、強度の問題はそれ程重大とはならないかもしれない
が、得られる無機質混抄紙の難燃性が低く、これを積層
板用原紙として用いると、得られる積層板の難燃性を優
れたものとすることができない。また、その上フェノー
ル樹脂を含浸する際に原紙から無機粉体が脱落するとい
う問題が依然として残されている。
【0007】さらに、特公昭62−60417号公報に
は、原紙に耐燃性を付与するために抄造時に三酸化アン
チモンのような無機物、或いはハロゲン、リン、窒素等
を含有する有機化合物を添加、もしくは塗布することが
行なわれること、及び原紙に熱硬化性樹脂を含浸させる
際に、樹脂に難燃性を付与するためテトラブロモビスフ
ェノール等のハロゲン化物、トリフェニルフォスフェー
ト等のリン化合物及び三酸化アンチモン等の難燃剤を樹
脂に添加し併用することが開示されている。しかしなが
ら、この方法による積層板用原紙は、難燃性が不十分で
あり、かつフェノール樹脂を含浸させる際に難燃剤の一
部分が溶出するという問題がある。更に、この原紙を用
いて得られる積層板にも、その難燃性が不十分であると
いう問題がある。
【0008】一方、原紙を難燃化するための他の手段と
して、水溶性の難燃剤(スルファミン酸グアニジン、燐
酸グアニジン等)を含浸液として用い、これをサイズプ
レスにより紙に含浸塗布する方法もあるが、このように
すると、前記水溶性の難燃剤が紙中に含有されることに
なり、従ってフェノール樹脂を含浸する時に、紙に含有
されている難燃剤が溶出してしまうという不都合を生
じ、更に加工後においても積層板が水に濡れた際に前記
難燃剤が溶出する(耐煮沸試験の成績不良)という欠点
を有する。
【0009】上述のような積層板製造のために用いられ
る熱硬化性の樹脂としては、一般にレゾール型フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂が用いられるが、その他にも
例えば、通常のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等から適宜選択して
用いることができる。又、積層板の打ち抜き加工特性を
改善するために、熱硬化性樹脂を油変性して樹脂に多少
の可撓性を与えておくことも行なわれている。更に、金
属箔としては、銅、アルミニウム、真鍮等の電気良導体
の金属箔が用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の積層板用原紙及び積層板の特性を損なうことな
く、難燃性と耐水性に優れた積層板用原紙、及び難燃
性、半田耐熱性と絶縁抵抗に優れた積層板を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな現状に鑑み、紙基材からなるフェノール積層板用原
紙及び積層板の難燃化について鋭意研究した結果、メチ
ロール基を有する合成樹脂と燐酸ジシンジアミドメチロ
ール化物からなる難燃剤との混合物を原紙中に含有さ
せ、前記合成樹脂および難燃剤化合物のメチロール基自
体による架橋反応、合成樹脂のメチロール基、および難
燃剤化合物のメチロール基と、パルプ繊維との間に架橋
反応を行なわせることにより、難燃剤化合物が原紙中に
固定され、水系溶媒に溶出することがなく、従って、優
れた耐水性と難燃性とを原紙に付与することができるこ
とを見出した。更にこのような難燃性原紙に熱硬化性樹
脂を含浸させて、積層板とすることにより優れた難燃性
と金属張り積層板特性を備えた積層板が得られることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明の難燃性積層板用原紙は、紙基材
と、メチロール基を有する合成樹脂、および燐酸ジシア
ンジアミドメチロール化物からなる難燃剤を、前記合成
樹脂;前記難燃剤=1:0.4〜2.0の重量比率で含
む混合物とからなり、前記混合物が、前記基材中に、そ
の絶乾重量に対し2〜12重量%の含有率で含有され、
かつ不溶化されていることを特徴とするものである。
【0013】本発明の難燃性積層板は、前記難燃性積層
板用原紙の複数枚と、それに含浸された熱硬化性樹脂に
より構成され、前記複数枚の熱硬化性樹脂含浸積層板用
原紙が互に積層され、加熱圧着により、硬化・一体化成
形されていることを特徴とするものである。
【0014】本発明の積層板原紙に用いられる紙基材に
はセルロースパルプが主として用いられるが、このよう
なセルロースパルプとしては、製紙用に一般に用いられ
ている、針葉樹材及び広葉樹材晒クラフトパルプをその
まま使用することができる。この晒クラフトパルプは未
叩解で湿式抄紙機において抄造され、好ましくは見掛け
密度が0.4〜0.6g/cm3 の原紙とされる。セルロ
ースパルプの他に、ポリプロピレン繊維、ポリエステル
繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維等の有機繊維を混用
してもよい。紙基材の米坪量は、熱硬化性樹脂を含浸し
て熱圧成形して得られる積層板の所望の厚さ、および用
途によって適宜に設定し得るが、一般に50〜250g
/m2の範囲内にあることが好ましい。
【0015】本発明で用いられるメチロール基を有する
合成樹脂としては、水溶性のポリアクリルアミドのメチ
ロール化物、並びにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、
尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂、アミノフェノール−ホルムアルデヒド樹脂
等のようなメチロール化熱硬化性樹脂を挙げることがで
きる。これらの中から、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂との密着性、パルプ及び燐酸ジシアンジアミドメチ
ロール化物との反応性を考慮して、1種又は2種以上の
メチロール基含有合成樹脂が適宜選択されて使用され
る。
【0016】本発明で用いられる燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物は、燐酸とジシアンジアミドメチロール
化物とを、モル比1:1〜3で混合し反応させて得られ
る水溶性の難燃剤である。ジシアンジアミドメチロール
化物の燐酸に対するモル比が1未満では、難燃性は良好
なものとなるが、メチロール基含有合成樹脂と燐酸ジシ
アンジアミドメチロール化物との間の架橋が不十分とな
り、このため紙基材中に固定された合成樹脂/難燃剤混
合物の耐水性が不十分になり、難燃剤が水に溶出すると
いう不都合を生ずることがある。又、パルプ繊維に対す
る難燃効果は、一般的に窒素ガスによる酸素遮蔽効果に
比べ、燐酸による脱水炭化の寄与の方が高いため、ジシ
アンジアミドメチロール化物の燐酸に対するモル比を3
を超えて大きくすると、得られる難燃剤中の燐酸の含有
割合が低くなって難燃性が不十分になることがある。
【0017】本発明においては、メチロール基を有する
合成樹脂と燐酸ジシアンジアミドメチロール化物とを、
絶乾重量比がメチロール基を有する合成樹脂:燐酸ジシ
アンジアミドメチロール化物=1:0.4〜2.0にな
るように混合し、この混合物を水溶液の形で用いて前記
紙基材中に含有させる。燐酸ジシアンジアミドメチロー
ル化物のメチロール基含有合成樹脂に対する重量比が
0.4未満では所望の難燃効果を発現することが困難に
なる。一般に、燐酸ジシアンジアミドメチロール化物
は、架橋によるパルプ繊維への定着力が弱いため、メチ
ロール基を有する合成樹脂との架橋によって紙基材内に
固定されるが、上記重量比が2.0を超えると、相対的
にメチロール基含有樹脂の含有量が少なくなるので、燐
酸ジシアンジアミドメチロール化物からなる難燃剤の紙
基材中への固定が不十分となる。従って、このような積
層板用原紙にフェノール樹脂を含浸する際に、フェノー
ル樹脂液中に難燃剤が溶出するという不都合を生ずる。
【0018】前記混合物を紙基材に含有させる方法とし
ては、原紙の抄造工程において、パルプスラリーに所定
量の混合物を添加して含有させてもよく、或いは原紙を
抄紙した後に、これに前記混合物を含有させてもよい。
この場合、具体的には、公知のサイズプレス、ゲートロ
ールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エア
ーナイフコーター等の装置をオンマシン或いはオフマシ
ンで用いることによって、公知の方法で上記混合物を紙
基材に含有させることができる。或は、抄造した紙基材
を前記混合物の水溶液を含む浴に含浸させた後、前記混
合物の含有量をしぼり機で所定値に調整してもよい。
【0019】又、紙基材中の前記混合物の含有量は、固
形分で紙基材の絶乾重量当り2〜12重量%、好ましく
は3〜10重量%の範囲である。この含有量が2重量%
未満では、所望の難燃性の効果が得られず、一方、この
含有量が12重量%を超えると、紙基材の難燃性向上効
果が飽和し、かつ前記混合物のパルプ繊維への定着量が
多すぎるため、パルプ繊維とフェノール樹脂との密着を
阻害し、得られる積層体の電気絶縁性及び耐熱性を損な
う恐れがある。
【0020】上述のようにして前記混合物を含有させた
積層板原紙を、ドライヤーで90〜180℃の温度で加
熱乾燥して、合成樹脂中のメチロール基を脱水縮合させ
てそれ自身の架橋反応(硬化)を行なわせるとともに、
合成樹脂と難燃剤、及び合成樹脂とパルプ繊維とを架橋
反応させることによって、難燃剤含有混合物が原紙中に
しっかりと固定される。従って、耐水性、難燃性及び機
械的強度に優れた積層板用原紙を得ることができる。上
記の架橋反応は、前記温度範囲で数秒から10分程度の
時間により完結する。原紙の水分含有量を3〜8重量%
に調整するには公知の乾燥設備を用いることができる。
乾燥温度が90℃未満では、メチロール基自体の架橋反
応及び樹脂と難燃剤の架橋反応が不十分となることがあ
る。
【0021】本発明の積層板のために用いられる熱硬化
性樹脂としては、公知のレゾール型フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂を挙げることができるが、その他の例え
ば、通常のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリイミド樹脂等から適宜選択して用い
ることができる。又、これらの樹脂は、油変性、メラミ
ン変性して樹脂に可撓性を付与して、積層板の打ち抜き
特性を改善しても良い。又、前記熱硬化性樹脂の難燃性
を改善する目的でテトラブロモビスフェノールA、テト
ラクロロビスフェノールA等のハロゲン化物、トリフェ
ニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ク
レジルジフェニルフォスフェート等の燐酸エステル系の
公知の難燃剤を単独で、或いは併用して熱硬化性樹脂に
添加して使用することができる。
【0022】前記熱硬化性樹脂をメタノール、アセトン
等の溶媒に溶解させ、この溶液を積層板用原紙に含浸
し、絞りにより含浸量を調整し、積層板とした時の熱可
塑性樹脂含有量を、好ましくは固形分換算で絶乾積層板
重量の35〜65重量%の範囲で、熱圧成形後に所望の
厚みが得られるように調整する。このように熱硬化性樹
脂により含浸された含浸紙基材を、温度90〜160℃
において、数秒〜30分間半乾燥してプリプレグを作製
する。この場合に、熱硬化性樹脂の積層板用原紙への含
浸性を改善するために、2回以上の含浸処理を施してプ
リプレグを得てもよい。
【0023】更に、このようにして得られた2枚以上の
所定の枚数(例えば、8枚)のプリプレグを互に重ね、
必要に応じて更にその上に接着剤を塗布した銅箔のよう
な金属箔を乗せ、これに例えば温度120〜180℃、
時間30〜180分、圧力10〜200kg/cm2 の条件
で加圧および加熱下に圧締して、樹脂の縮合による硬化
を行なわしめながら一体化成形し、積層板が製造され
る。
【0024】
【作用】本発明において用いられる燐酸ジシアンジアミ
ドメチロール化物からなる難燃剤は、メチロール基を有
する合成樹脂との架橋反応により、樹脂と難燃剤とがし
っかりと紙基材中に固定されているので、熱硬化性樹脂
を原紙に含浸する際に難燃剤が熱硬化性樹脂水溶液中に
溶出することはない。更に、前記難燃剤が紙に難燃性を
付与する機構は、燐酸により原紙を構成するパルプ繊維
の脱水炭化を促して紙を難燃化することに加え、ジシア
ンジアミドが難燃時に窒素ガスを生成して燃焼が継続で
きないように酸素濃度を低下させることにあると考えら
れるが、このようにして得られる原紙の難燃性は、これ
を積層板とした時にも十分有効に発揮される。また、他
の難燃剤との併用により一層優れた難燃性を積層板に付
与させることができる。
【0025】
【実施例】下記に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、本発明で用いられる「部」及び「%」
は、全て「重量部」および「重量%」である。
【0026】実施例1 積層板用原紙の製造 北海道産混合広葉樹チップから製造された晒クラフトパ
ルプ(LBKP)を離解して原料スラリーを調製し、こ
のパルプを未叩解のまま実験室角型手抄きマシンを用い
て坪量126g/m2、見かけ密度0.5g/cm3 の手抄
き紙を作製した。次に、メチロール基を有する合成樹脂
として、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(商品名:ユ
ーラミンP−6300、三井東圧製)50部に、難燃剤
として、燐酸ジシアンジアミドメチロール化物(商品
名:FG5316S(燐酸:ジシアンジアミドメチロー
ル化物モル比=1:2)、大日本インキ化学工業製)5
0部を混合し、合成樹脂と難燃剤の重量比が1:1.0
の混合物を含む水溶液(固形分濃度1.4%)を準備し
た。前記手抄き紙に合成樹脂と難燃剤との混合物を含む
水溶液を含浸させた後、ロール式しぼり機により含浸量
を所望値に調整し、合成樹脂と難燃剤の混合物が固形分
重量で手抄きシートの絶乾重量当り3%になるように含
有させ、次に、この含浸紙を表面温度120℃の実験用
ドラム型乾燥器を用いて90秒間加熱乾燥して、積層板
用原紙を作製した。
【0027】積層板の製造 固形分換算でフェノール100部とホルマリン70部と
を混合し、両者を反応させてレゾール型フェノール−ホ
ルムアルデヒド反応生成物Aを調製した。同様に、メラ
ミン100部とホルマリン100部とを混合し、両者を
反応させてメラミン−ホルムアルデヒド反応生成物Bを
調製した。これらの反応生成物A50部と反応生成物B
50部とを混合し、この混合物をメタノール水溶液(重
量比でメタノール:水=1:1)で希釈し、固形分濃度
15%の一次樹脂ワニスを調製した。この一次樹脂ワニ
ス浴中に前記積層板原紙を浸漬して、一次含浸させ、余
分のワニスを拭き取り除去し、この含浸物を温度135
℃の実験用乾燥器の中で30秒間加熱し、一次プリプレ
グを作製した。このプリプレグの樹脂含有量は、固形分
全重量の15%であった。
【0028】次に、フェノール100部とホルマリン8
0部とを混合し、両者を反応させ、かつ桐油変性したレ
ゾール型フェノール−ホルムアルデヒド反応生成物に、
トリフェニルフォスフェート10%と、テトラブロモビ
スフェノールA5%とを添加して、二次樹脂ワニスを調
製した。この二次樹脂ワニス浴中に一次プリプレグAを
浸漬して、二次含浸させ、その後余分の樹脂ワニスを拭
き取って除去し、この含浸物を温度155℃の実験用乾
燥器で100秒間加熱し、全樹脂含有率が絶乾重量当り
60%の二次プリプレグを作製した。次に、この二次プ
リプレグ8枚を互に重ね合わせ、その最上層に、接着剤
が塗布された厚さが0.035mmの銅箔を乗せ、圧力1
00kg/cm2 、温度160℃、時間60分の条件で圧締
成形し、1.6mmの厚さを有する電気用積層板を得た。
【0029】積層板原紙についてその難燃性と燐酸ジシ
アンジアミドメチロール化物の溶出性とを下記方法によ
り試験し、また積層板については、その難燃性、半田耐
熱性及び絶縁性を下記方法により試験し、それぞれ評価
した。 試験法 (1)積層板用原紙の難燃性 難燃性については、酸素指数方式燃焼性試験機(型式:
ON−1、スガ試験機製)を用い、JIS−K−720
1の「酸素指数による高分子材料の燃焼試験法」に従っ
て測定し、酸素指数(%)を求めた。酸素指数とは、所
定の試験条件下において、材料が燃焼を継続するのに必
要な最低酸素濃度(容量%)の数値のことで、数値が高
いほど難燃性に優れている。
【0030】(2)積層板用原紙の耐水性 積層板用原紙をフェノール−ホルムアルデヒド樹脂溶液
に浸漬し、この積層板用原紙に含浸されたフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂溶液を絞りだして、そのpHを測定
し、このpHの変化により難燃剤の溶出の状況を調べ耐水
性を評価した。すなわち市販のフェノール−ホルムアル
デヒド樹脂(商品名:ショウノールBRL−2854、
昭和高分子製)を水とメタノールの混合重量比が1:2
の混合メタノール液で希釈し、フェノール樹脂の固形分
濃度を30%となるように調整した。このフェノール樹
脂液100g中に積層板用原紙を5分間浸漬した後、含
浸紙を取出し、ロール式絞り機で含浸液を絞りだし、そ
のpHをpHメーター(型式:TPX−90、東興化学研究
所製)で測定した。メタノール液で希釈されたフェノー
ル樹脂原液のpHは8.2であった。酸性の難燃剤が溶出
すれば、最初樹脂液は中和されるが、やがてそのpHは酸
性側に傾く。従ってpHの低下が殆どないものを耐水性が
優れているものと評価した。
【0031】(3)積層板の半田耐熱性及び絶縁抵抗 JIS C 6481(プリント配線板用銅張積層板試
験法)の5.5及び5.11(沸騰蒸留水中で2時間煮
沸・・D−2/100)項により測定。 (4)燃焼性 UL法(サブジェクト94)により垂直燃焼試験を用い
て測定。 規格 94V−0:燃焼炎は試験片5個各2回、計10回の平
均5秒以下、最大(Max.)10秒以下。試験結果を
表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、合成樹脂と
難燃剤の混合物(固形分濃度2.9%の液使用)を、固
形分重量で手抄きシートの絶乾重量当り6%含有させ
た。試験結果を表1に示す。
【0033】実施例3 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、合成樹脂と
難燃剤の混合物(固形分濃度4.8%の液使用)を固形
分重量で手抄きシートの絶乾重量当り10%含有させ
た。試験結果を表1に示す。
【0034】実施例4 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、メチロール
基を有する合成樹脂として、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂50部に、難燃剤として、燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物30部を混合し、合成樹脂と難燃剤の重
量比が1:0.5の混合物からなる水溶液(固形分濃度
2.9%)を含浸液として用いた。また、合成樹脂と難
燃剤の混合物を固形分重量で手抄きシートの絶乾重量当
り6%含有させた。試験結果を表1に示す。
【0035】実施例5 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、メチロール
基を有する合成樹脂として、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂50部に、難燃剤として、燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物75部を混合し、合成樹脂と難燃剤の重
量比が1:1.5の混合物からなる水溶液(固形分濃度
2.9%)を含浸液として用い、また合成樹脂と難燃剤
の混合物を固形分重量で手抄きシートの絶乾重量当り6
%含有させた。試験結果を表1に示す。
【0036】実施例6 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、メチロール
基を有する合成樹脂として、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂50部に、難燃剤として、燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物95部を混合し、合成樹脂と難燃剤の重
量比が1:1.9の混合物からなる水溶液(固形分濃度
2.9%)を含浸液として用い、かつ合成樹脂と難燃剤
の混合物を固形分重量で手抄きシートの絶乾重量当り6
%含有させた。試験結果を表1に示す。
【0037】比較例1 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、合成樹脂と
難燃剤の混合物(固形分濃度0.5%液使用)を、固形
分重量で手抄きシートの絶乾重量当り1%含有させた。
試験結果を表1に示す。
【0038】比較例2 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、合成樹脂と
難燃剤の混合物(固形分濃度7.1%液使用)を、固形
分重量で手抄きシートの絶乾重量当り15%含有させ
た。試験結果を表1に示す。
【0039】比較例3 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、メチロール
基を有する合成樹脂として、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂50部に、難燃剤として、燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物20部を混合し、合成樹脂と難燃剤の重
量比が1:0.2の混合物からなる水溶液(固形分濃度
2.9%)を含浸液として用い、かつ合成樹脂と難燃剤
の混合物を固形分重量で手抄きシートの絶乾重量当り6
%含有させた。試験結果を表1に示す。
【0040】比較例4 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板用原紙を製造する際に、メチロール
基を有する合成樹脂として、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂50部に、難燃剤として、燐酸ジシアンジアミド
メチロール化物150部を混合し、合成樹脂と難燃剤の
重量比が1:3.0の混合物からなる水溶液(固形分濃
度2.9%)を含浸液として用い、かつ合成樹脂と難燃
剤の混合物を固形分重量で手抄きシートの絶乾重量当り
6%含有させた。試験結果を表1に示す。
【0041】比較例5 実施例1と同様にして積層板用原紙および積層板を作製
した。但し、積層板原紙を製造する際に、メチロール基
を有する合成樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)
と難燃剤(燐酸ジシアンジアミドメチロール化物)を含
有させなかった。試験結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、本発明による積
層板用原紙は21%以上の酸素指数を示し、難燃性に優
れ、熱硬化性樹脂の含浸に際し、熱硬化性樹脂液への難
燃剤の溶出が殆どなく、耐水性にも優れている。またこ
のような積層板用原紙から得られる銅張り積層板の特性
は、難燃性、半田耐熱性及び絶縁抵抗において優れたも
のであった。これに対し、メチロール基を有する合成樹
脂および難燃剤の含有量が少ない場合(比較例1)、お
よびまったく含有しない場合(比較例5)には、積層板
用原紙および積層板はともに難燃性が不良であった。従
って、積層板用原紙の耐水性には問題がなく、しかもこ
れらの原紙を用いて得られる積層板の半田耐熱性および
絶縁抵抗は優れていたが、難燃性が不十分であった。
【0044】前記合成樹脂と難燃剤の含有量が多すぎる
場合(比較例2)には、積層板用原紙および積層板の難
燃性は優れていたが、積層板としたとき半田耐熱性と絶
縁抵抗が極端に不良であって、積層板としては実用でき
ないものであった。一方、前記合成樹脂と難燃剤の含有
量が適正であっても、難燃剤の使用比率が低い場合(比
較例3)には、積層板用原紙および積層板は、ともに難
燃性が不良であり、この原紙を用いた積層板は、半田耐
熱性および絶縁抵抗において良好であったが難燃性不良
のために実用に適さないものであった。また、難燃剤の
使用比率が大きすぎる場合(比較例4)には、積層板用
原紙、および積層板の難燃性は優れていたが、積層板用
原紙の耐水性が不良であり、更にこの原紙を用いた積層
板は、半田耐熱性および絶縁抵抗において極端に不良で
あって実用に適さないものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、難燃性と耐水性に優れた
積層板用原紙が得られ、また、難燃性、半田耐熱性及び
絶縁抵抗に優れた積層板が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/04 Z 8413−4F C08J 5/24 D21H 21/34 (72)発明者 吉田 美奈 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王子 製紙株式会社東京商品研究所内 (72)発明者 水谷 学 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 下桶 陵子 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 福住 浩之 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材と、 メチロール基を有する合成樹脂、および燐酸ジシアンジ
    アミドメチロール化物からなる難燃剤を、前記合成樹
    脂;前記難燃剤=1:0.4〜2.0の重量比率で含む
    混合物とからなり、 前記混合物が、前記基材中に、その絶乾重量に対し、2
    〜12重量%の含有率で含有され、かつ不溶化されてい
    ることを特徴とする難燃性積層板用原紙。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の難燃性積層板用原紙の
    複数枚と、それに含浸された熱硬化性樹脂により構成さ
    れ、前記複数枚の熱硬化性樹脂含浸積層板用原紙が互に
    積層され、加熱圧着により硬化・一体化成形されている
    ことを特徴とする難燃性積層板。
JP10277394A 1994-05-17 1994-05-17 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板 Pending JPH07310300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10277394A JPH07310300A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10277394A JPH07310300A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07310300A true JPH07310300A (ja) 1995-11-28

Family

ID=14336483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10277394A Pending JPH07310300A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07310300A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010110512A (ko) * 2000-06-07 2001-12-13 김광수 방염제
US9953744B2 (en) 2014-06-20 2018-04-24 Hitachi, Ltd. Electrical insulating paper and stationary induction electrical apparatus using the same
JP2020023187A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 株式会社大昭和加工紙業 紙加工品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010110512A (ko) * 2000-06-07 2001-12-13 김광수 방염제
US9953744B2 (en) 2014-06-20 2018-04-24 Hitachi, Ltd. Electrical insulating paper and stationary induction electrical apparatus using the same
JP2020023187A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 株式会社大昭和加工紙業 紙加工品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100403649B1 (ko) 적층판및그의제조방법
EP1006237A1 (en) Base material for manufacturing a laminate and process for producing the same
EP0045135B1 (en) Method of making a laminated sheet material
CN102149540B (zh) 覆金属酚醛树脂层叠板
US4410388A (en) Production of metal clad laminates
JPH07310300A (ja) 難燃性積層板用原紙及び難燃性積層板
JPS636577B2 (ja)
JPS60248740A (ja) 積層板の製造法
JPH0826167B2 (ja) フェノール樹脂銅張積層板
JPS6221814B2 (ja)
JP3509608B2 (ja) 紙基材積層板の製造方法
JP2940816B2 (ja) 難燃性フェノール樹脂銅張積層板およびその製造方法
JPH0538789A (ja) プリプレグの製造方法及び銀スルーホール印刷配線板用積層板
JPS5973940A (ja) 積層板の製造法
JPS63211400A (ja) 積層板用紙基材
JPS6151329A (ja) 積層板の製造法
JPH0531844A (ja) フエノール樹脂積層板の製造法
JPH08209587A (ja) 電気絶縁積層板原紙
JPH06287329A (ja) プリプレグの製造方法及びこのプリプレグを用いた電気用積層板の製造方法
JPH0243352B2 (ja)
WO1999046781A1 (en) Process of making a printed wiring board core stock and product formed therefrom
JPH06234189A (ja) 片面銅張積層板の製造方法
JPS58224747A (ja) 積層板の製造方法
JP2002293962A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JPH07112726B2 (ja) フェノ−ル樹脂銅張積層板