JPH0731025Y2 - 多重巻きベローズ管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一般に自動車の排気管或いは振動の伴う各種
機械、装置等の配管及びその接続にあって、排気音の減
衰及び振動吸収或いは可撓性の保持等に関連して使用さ
れる多重巻きベローズ管の構造の改良に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、この種のベローズ管としては第４図及び第５図に
示すように、金属帯材或いは板材を同軸状に巻回して互
いに接合した多重壁による管体（11）によって、その長
手方向の周面を波形壁（12）となして構造されていた。
尚（13）は外側端縁である。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の技術においては、単に
巻回して互いに接合したに過ぎない多重壁の構造並びに
外側端縁（13）部での一重壁構造とにより、管体（11）
を膨出して波形壁（12）を成形するに際し、前記外側端
縁（13）部に第５図に示すような剥離（浮き上り）（1
4）を生ぜしめることとなり、著しく品質価値を損う問
題を有するものであった。

本考案は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされたも
ので、波形壁における外側端縁部での剥離（浮き上り）
を抑制して品質価値を向上することのできる多重巻きベ
ローズ管を提案することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、金属帯材或いは板材
を同軸状に巻回重合して多重壁に成形した管体の長手方
向の周面に波形壁を設けてなるベローズ管において、前
記管体をなす多重壁の全体を互いに圧接状に密合せし
め、且つ外側端縁部を折返して重合壁となし、該端縁部
を波形壁の膨出面と密着するよう構成した多重巻きベロ
ーズ管を要旨とするものである。

（作用） 本考案はこのような構成によるため、多重壁全体を互い
に圧接状に密合せしめ、しかも外側端縁部を折返して重
合壁となす管体によって波形壁を形成することにより、
前記圧接状の巻回重合と、外側端縁部での折返し重合壁
による剛性の増大とによって、波形壁の成型にあって該
波形壁部における前記外側端縁部での剥離（浮き上り）
を効果的に抑制することとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、第
１図は本考案の多重巻きベローズ管の一部の平面図、第
２図は第１図Ａ−Ａ線の拡大断面図であり、第３図は第
１図Ｂ−Ｂ線の一部の切欠きによる拡大断面図であっ
て、（１）は管体であり、金属帯材或いは板材を同軸状
に巻回重合して多重壁に成形したもので、該多重壁全体
を互いに圧接状に密合せしめてなるものである。そして
その長手方向の周面にその後のロール加工或いはバルジ
加工等に伴って波形壁（２）を設けてなるものである。
（３）は前記巻回した外側端縁部での二重からなる折返
し重合壁であり、予め巻回に先達って帯材或いは板材の
状態で設けるものであって外側端縁部での剛性を増大し
て前記波形壁（２）のなす膨出面に密着するようにした
ものである。

（考案の効果） 以上説明したように本考案による多重巻きベローズ管
は、多重壁全体を互いに圧接状に密合せしめ、しかも外
側端縁部を折返し重合壁（３）となした管体（１）によ
って波形壁（２）を形成して構成するため、前記圧接状
の巻回重合と、外側端縁部での折返し重合壁（３）によ
る剛性の増大した構造とにより、波形壁（２）の成型に
よる該波形壁における外側端縁部での剥離（浮き上り）
を効果的に抑制することができ、該端縁部の膨出面での
密着により品質価値を向上することができる極めて有用
な多重巻きベローズ管である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る多重巻きベローズ管の
一部の平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線の拡大断面図、
第３図は第１図Ｂ−Ｂ線の一部の切欠きによる拡大断面
図、第４図は従来例の管体の横断面図、第５図は第４図
の管体使用による波形壁の外側端縁部附近での一部の切
欠きによる拡大横断面図である。 （１）…管体、（２）…波形壁、（３）…折返し重合壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属帯材或いは板材を同軸状に巻回重合し
   て多重壁に成形した管体の長手方向の周面に波形壁を設
   けてなるベローズ管において、前記管体（１）をなす多
   重壁の全体を互いに圧接状に密合せしめ、且つ外側端縁
   部を折返して重合壁（３）となして構成したことを特徴
   とする多重巻きベローズ管。