JPH07310023A - 青色系色素組成物 - Google Patents

青色系色素組成物

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JPH07310023A
JPH07310023A JP10536394A JP10536394A JPH07310023A JP H07310023 A JPH07310023 A JP H07310023A JP 10536394 A JP10536394 A JP 10536394A JP 10536394 A JP10536394 A JP 10536394A JP H07310023 A JPH07310023 A JP H07310023A
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genipin
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JP10536394A
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English (en)
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Masaaki Takami
正明 高見
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Aはゲニピン残基を表す。)で示されるリン脂
質誘導体またはその塩を、第1級アミノ基を有する化合
物と反応させることにより得られる青色系色素組成物。 【効果】 親油性でありかつ細胞親和性を有することか
ら、食品、化粧品などの分野に広く使用できる青色系色
素組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青色系色素組成物、該
青色系色素組成物の製造方法および該青色系色素組成物
の合成中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】アカネ科植物Geinpa americana L. の樹
液、抽出液等は、アミノ基を含有する物質と反応させる
ことにより濃青色に変化するが、その樹液または抽出液
の成分として、ゲニピンが単離、構造決定されている
[ジャーナル オブ オーガニックケミストリー(J. O
rg. Chem. )、25巻、2174-2177 頁(1960年)、および
同26巻、1192-1206 頁(1961年)参照]。該ゲニピンと
各種アミノ酸とを反応させることにより、青色色素を調
製することが試みられており、例えば、クチナシ果実の
抽出物を原料とし、これを酵素で処理することによりゲ
ニピンを遊離し、次いで第1級アミノ基を有する物質と
反応させることにより、水溶性青色色素を得たことが知
られている(特開昭52−53934号公報参照)。
【0003】また、ゲニピンは、利胆作用[ジャーナル
オブ ファルマコバイオ ダイナミックス(J. Phar
m. Dyn.)、3巻、423-433 頁(1980年)および同11
巻、186-190 頁(1988年)参照]、血清脂質低下作用
[和漢医薬学会誌、4巻、302-303頁(1987年)参
照]、胃液分泌抑制作用[ジャーナル オブ ファルマ
コバイオダイナミックス(J. Pharm. Dyn.)、3巻、42
3-433 頁(1980年)参照]、連続ストレス負荷マウスの
性行動および学習行動低下に対する予防効果[薬学雑
誌、108 巻、572-585 頁(1988年)参照]、抗癌作用
[ジャーナル オブ ナチュラル プロダクツ(J. Na
t. Prod. )、54巻、1677-1680 頁(1991年)参照]、
ラット肝毒性[フード アンド ケミカル トキシコロ
ジー(Food Chem. Toxicol. )、28巻、515-519 頁(19
90年)参照]等の生理作用を有することが明らかにされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】各種色素を食品、化粧
品等に使用する場合に、該色素は親油性であり、生体に
親和性を有するものであることが好ましい。しかしなが
ら、ゲニピンを第1級アミノ基含有物質と作用させて得
られる従来公知の青色色素は水溶性であるため、食品、
化粧品用途への使用が限られていた。しかして、本発明
の目的は、従来知られている青色色素と同等またはそれ
以上の優れた色彩を有し、かつ親油性で生体に親和性を
有する青色系色素組成物、該青色系色素組成物の製造方
法および該青色系色素組成物の合成中間体となる化合物
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、 下記一般式(I)
【0006】
【化7】
【0007】[式中、Aはゲニピン残基を表し、Rは下
記一般式(II)または一般式(III )
【0008】
【化8】
【0009】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原
子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表
す。ただし、R1 およびR2 の両方が水素原子であるこ
とはない。)で示される基(以下、これらの基をグリセ
リド部分(II)またはグリセリド部分(III )と略称す
ることがある。)を表す。]で示されるリン脂質誘導体
(以下、これをリン脂質誘導体(I)と略称することが
ある。)またはその塩を、第1級アミノ基を有する化合
物と反応させることにより得られる青色系色素組成物、 リン脂質誘導体(I)またはその塩を、第1級アミノ
基を有する化合物と反応させることを特徴とする青色系
色素組成物の製造方法、および リン脂質誘導体(I)またはその塩を提供することに
より達成される。
【0010】本発明の青色系色素組成物の製造原料とな
るリン脂質誘導体(I)において、Aが表すゲニピン残
基とは、下記式
【0011】
【化9】
【0012】で示される基を表す。
【0013】リン脂質誘導体(I)においてRが表すグ
リセリド部分(II)またはグリセリド部分(III )にお
いて、R1 およびR2 がそれぞれ表すアルキル基、アル
ケニル基およびアルキニル基は、直鎖状であっても分岐
鎖状であってもよい。かかるアルキル基としては、例え
ば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、3,7,11−トリメチル
ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基、アラキル基、ドコシル基、テトラコシル基、
トリアコンチル基、2−エチルヘキシル基、2−オクチ
ルドデシル基、2−ウンデシルヘキサデシル基、2−テ
トラデシルオクタデシル基、2−メチルヘプタデシル基
などの炭素数5〜36の基が挙げられる。好ましくは、
オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシ
ル基、オクタデシル基などの炭素数8〜22の基が挙げ
られる。
【0014】R1 およびR2 がそれぞれ表すアルケニル
基としては、例えば、ヘキセニル基、オクテニル基、デ
セニル基、ゲラニル基、ドデセニル基、ファルネシル
基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、テトラコセ
ニル基、トリアコンテニル基などの炭素数5〜36の基
が挙げられる。好ましくは、オクテニル基、ゲラニル
基、ファルネシル基などの炭素数8〜22の基が挙げら
れる。また、アルキニル基としては、オクチニル基、ウ
ンデシニル基などの炭素数8〜22の基が好ましい。
【0015】リン脂質誘導体(I)において、Rが表す
グリセリド部分(II)またはグリセリド部分(III )
は、大豆レシチン、卵黄レシチンなどの天然脂質に由来
するグリセリド部分であってもよく、また、合成した脂
質に由来するグリセリド部分であってもよい。
【0016】リン脂質誘導体(I)の塩としては、例え
ばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカ
リ金属原子の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリ
ウム塩などのアルカリ土類金属原子の塩;メチルアンモ
ニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウ
ム塩、ジエチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム
塩、ジプロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム
塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ヒドロキシプロ
ピルアンモニウム塩などのアルキル基もしくはヒドロキ
シアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム塩な
どが挙げられる。
【0017】また、第1級アミノ基を有する化合物と
は、第1級アミノ基を有している化合物であれば特に制
限されないが、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジ
ン、ヒドロキシリジン、アルギニン、システイン、シス
チン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリ
プトファン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリ
ンなどのアミノ酸;メチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベ
ンジルアミンなどのアルキルアミン;エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミンなどのアルキレンジアミン;ア
ニリン、置換アニリンなどの芳香族アミン;グルコサミ
ン;セミカルバジドなどを挙げることができる。また、
蛋白質またはオリゴペプチドの加水分解物を用いること
もできる。
【0018】本発明の青色系色素組成物は、リン脂質誘
導体(I)またはその塩を、有機溶媒中で、第1級アミ
ノ基を有する化合物と反応させることにより得ることが
できる。反応温度は10〜100℃、好ましくは25〜
80℃の範囲である。第1級アミノ基を有する化合物の
使用量は、リン脂質誘導体(I)またはその塩に対し
て、0.01〜100重量倍、好ましくは0.1〜10
重量倍である。
【0019】かかる反応に用いられる有機溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール
類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;ヘキ
サン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;四塩化
炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭
化水素類;酢酸エチルなどのエステル類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピ
ルエーテルなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、アセトアミドなどのアミド
類;ジメチルスルホキシドなどより選ばれた1種または
これらの混合溶媒が挙げられる。
【0020】該製造方法において原料となるリン脂質誘
導体(I)は新規化合物であり、例えば次の反応工程に
したがって製造することができる。
【0021】
【化10】
【0022】(上記反応工程中、Xはアミノ基、ヒドロ
キシル基またはカルボキシル基で置換されていてもよい
低級アルキル基、コリン残基、セリン残基またはイノシ
トール残基を表し、AおよびRは前記定義のとおりであ
る。)
【0023】すなわち、一般式(IV)で示されるリン脂
質をホスホリパーゼDの存在下、一般式(V)で示され
るゲニピンと反応させることにより、リン脂質誘導体
(I)を得ることができる。
【0024】リン脂質と1級アルコール化合物とのホス
ホリパーゼDによるホスファチジル基転移反応について
は、既に多くの例が報告されており、特に低分子量アル
コール化合物では非常に高い効率で起こる事が明らかに
されている[特公平2−7633号公報、ドイツ特許出
願公開第2717547号明細書、バイオケミカルジャ
ーナル(Biochem. J. )、102 巻、205-210 頁(1967
年)、およびジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(J. Biol. Chem.)、242 巻、477-484 頁(19
67年)参照]。これらの報告によれば、ホスホリパーゼ
Dはその由来により反応性が異なるが、ホスファチジル
基転移反応にはキャベツ由来およびストレプトマイセス
属菌由来のホスホリパーゼDを用いることができる。ま
た、ホスホリパーゼDを産生する微生物またはその抽出
物、植物抽出物、動物抽出物などをそのまま反応に用い
ることもできる。
【0025】上記反応工程をさらに詳しく説明する。ま
ず、ゲニピン(V)を適当なバッファー水溶液に溶解
し、pH4.0〜8.0、好ましくはpH4.5〜7.
5に調整した後、有機溶媒およびリン脂質(IV)を加え
る。該反応液に、ホスホリパーゼDを加えて、10〜8
0℃、好ましくは25〜50℃で撹拌する。反応後、生
成物を有機層に抽出し、リン脂質誘導体(I)を得るこ
とができる。なお、有機層に未反応のリン脂質(IV)が
存在する場合があるので、その場合には、リン脂質(I
V)を分離すればよい。
【0026】かかる反応に用いられる有機溶媒は、水と
の相互溶解性の乏しい溶媒であればよく、例えば、四塩
化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化
炭化水素類;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化
水素類;酢酸エチルなどのエステル類;メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテルなどのエーテル類などより選ばれた1種
またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0027】かかる反応に用いられるリン脂質(IV)
は、アルカリ金属原子の塩、アルカリ土類金属原子の塩
またはアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換
されていてもよいアンモニウムの塩であってもよい。具
体的には前記リン脂質誘導体(I)の塩と同様の塩が挙
げられる。また、リン脂質(IV)においては、例えばホ
スファチジルコリンの様に、水素原子が脱離して分子内
でイオン対を形成していてもよい。
【0028】リン脂質(IV)において、Xが表すアミノ
基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基で置換されて
いてもよい低級アルキル基のアルキル基部分は、炭素数
1〜6であるものが好ましく、具体的には、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、ヒドロキシ
エチル基、ヒドロキシプロピル基、カルボキシメチル
基、カルボキシエチル基などが挙げられる。リン脂質
(IV)の具体例としては、例えば、大豆レシチンおよび
卵黄レシチンなどの天然由来のもの;ホスファチジルコ
リン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジ
ルエタノール、ホスファチジルイノシトール、ホスファ
チジルセリン、ホスファチジン酸などが挙げられる。
【0029】また、ゲニピン(V)としては、Geinpa a
mericana L. の果実抽出物;ゲニポシドまたはその関連
物質を化学的に、または微生物、酵素等を作用させて分
解し、ゲニピンを生成させたものを用いることができ
る。ここで、ゲニポシドの関連物質としては、例えば、
ゲニポシド、メチルデアセチルアスペルロシデイト、デ
アセチルアスペルロシデイト、ガーデノシド、ゲニピン
ゲンチオビオシド、ゲニポシド酸、スカンドシドメチル
エステルなどを挙げることができる。すなわち、ゲニピ
ン(V)は、単離・精製されたゲニピンであっても、ゲ
ニピン含有組成物であってもよく、得られるリン脂質誘
導体(I)とは、かかるゲニピン含有組成物にリン脂質
(IV)を反応させて得られるリン脂質誘導体をも包含す
るものである。
【0030】リン脂質誘導体(I)の塩は、自体既知の
手段によって製造することができる。
【0031】このようにして得られたリン脂質誘導体
(I)またはその塩は、必要に応じて単離・精製を行う
ことができるが、単離・精製することなく、次の反応に
使用することもできる。
【0032】本発明のリン脂質誘導体(I)またはその
塩は、後述の試験例から明らかなように、Hela細
胞、HTLV−1感染MT−4細胞およびヒト胎児肺線
維芽細胞(HEL)に対して、ゲニピンの6〜50倍の
高い細胞毒性を示した。また、本発明のリン脂質誘導体
(I)は、生体成分のリン脂質を構成要素に持つことに
より、親油性、生体親和性であり、かつ生体内で蓄積さ
れることなく分解されることが期待できる。したがっ
て、リン脂質誘導体(I)またはその塩は、優れた活性
を有し、かつ副作用の少ない抗ウイルス剤、抗癌剤とし
て用いることができる。さらに、リン脂質誘導体(I)
は、前記のゲニピンが有する多様な生理活性について
も、より高い活性を持つことが期待できる。
【0033】本発明のリン脂質誘導体(I)またはその
塩を医薬として用いる場合、通常、その有効成分量を担
体、賦形剤、希釈剤等と混合して、散剤、顆粒剤、錠
剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、外用剤、注射剤、
点滴用剤などの形態をとることができる。
【0034】投与量は投与経路、剤形等により変動し得
るが、一般に経口剤の場合、リン脂質誘導体(I)また
はその塩として、1日当り1〜300mg/kg、好ま
しくは10〜100mg/kgである。投与回数は、1
日1〜3回の範囲で適宜選択し得る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0036】実施例1 ジパルミトイルホスファチジルゲニピン(以下、DPP-ゲ
ニピンと略記することがある)の合成 ゲニピン1gおよびジパルミトイルホスファチジルコリ
ン(日本精化株式会社製)1gを、酢酸エチル30ml
および0.2M 酢酸バッファー(pH5.6、4%C
aCl2 )30mlの混合溶液に加え、35℃でよく撹
拌した。ストレプトマイセス属菌由来ホスホリパーゼD
(旭化成工業株式会社製)50uを溶解した100μl
の0.2M 酢酸バッファー(pH5.6)を前記混合
溶液に加え、同温度で3時間反応させた。反応混合物に
1N 塩酸50mlおよびクロロホルム/メタノールの
3:1混合溶液100mlを加え抽出した。クロロホル
ム層を3回水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、クロ
ロホルムを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにかけ、クロロホルムで溶出することによ
り、下記の物性を有するジパルミトイルホスファチジル
ゲニピン0.71gを得た。
【0037】1H−NMR(CDCl3 )δ 7.48(1H, s, 3-CH), 5.88(1H, s, 7-CH), 5.24(1H, m,
glycerol 2-CH), 4.74(1H, d, J=3.1Hz, 1-CH), 4.64(2
H, m, 10-CH2), 4.34(2H, m, glycerol 3-CH2),4.04(2
H, m, glycerol 1-CH2), 3.71(3H, s, OCH3), 3.12(1H,
m, 5-CH), 2.85(1H, m, 9-CH), 2.68(1H, t, J=3.1Hz,
6=CH2), 2.30(4H, m, palmitoyl CH2), 2.01(1H, m, 6
-CH2), 1.58(4H, m, palmitoyl CH2), 1.25(48H, m, pa
lmitoyl CH2), 0.88(6H, t, J=2.5Hz, palmitoyl CH3)13 C−NMR(CDCl3 )δ 174.0(palmitoyl C=O), 173.7(palmitoyl C=O), 167.9
(genipin C=O), 152.8(4-C), 139.7(8-C), 131.6(3-C
H), 110.6(7-CH), 96.6(1-CH), 70.3(glycerol 2-CH),
65.1(10-CH2), 64.6(glycerol 3-CH2), 62.7(glycerol
1-CH2), 51.3(genipin OCH3), 46.5(5/9-CH), 39.2(5/9
-CH), 36.3(6-CH2), 22.9-34.4(palmitoyl CH2), 14.3
(palmitoyl CH3) 質量スペクトル(m/z) 895 [(M−2H)・
Ca] UV測定値(λmax:nm、CHCl3 ) 249 IRスペクトル(cm-1) 1741、1711
【0038】実施例2 青色系色素の調製 DPP-ゲニピン4mg(4.7μmol)およびL−フェ
ニルアラニン0.8mg(4.8μmol)をクロロホ
ルム2mlに加え、40℃で24時間撹拌した(得られ
た反応液を、「DPP-ゲニピン+L-Phe/クロロホルム」と
略記することがある。)。同時にゲニピン1.06mg
(4.7μmol)およびL−フェニルアラニン0.8
mg(4.8μmol)をクロロホルム2mlまたはP
BS2mlに加え、同様に撹拌した(得られた反応液
を、「ゲニピン+L-Phe/クロロホルム」または「ゲニピ
ン+L-Phe/PBS」と略記することがある。)。青色系
色素の形成を600nmの吸光度でモニターした。図1
に示したように、ゲニピン+L-Phe/クロロホルムにおい
ては、色素形成は見られなかったが、DPP-ゲニピン+L-P
he/クロロホルムおよびゲニピン+L-Phe/PBSでは、
青色系色素の形成が見られた。得られたDPP-ゲニピン+L
-Phe/クロロホルムおよびゲニピン+L-Phe/PBSを、
それぞれ1N塩酸およびクロロホルムで洗浄し、ガーデ
ニアブルー(登録商標;和光純薬工業株式会社製)と対
比して可視スペクトルを測定した。図2に示すように、
DDP-ゲニピン+L-Phe/クロロホルムはλmax 615
nm(クロロホルム中)、ゲニピン+L-Phe/PBSはガ
ーデニアブルーと同様のλmax596nmを示した。
【0039】これら2種類の青色系色素溶液DPP-ゲニピ
ン+L-Phe/クロロホルムおよびゲニピン+L-Phe/PBS
をそれぞれPBSおよびクロロホルムで抽出したとこ
ろ、DPP-ゲニピン+L-Phe/クロロホルムからは、青色が
一部PBS層に移行し、その割合は一定となった。移行
した青色はλmax 596nm(PBS中)を示し
た。一方、ゲニピン+L-Phe/PBSからは、クロロホル
ム層への青色の移行は見られなかった。結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】また、2種の青色系色素の薄層クロマトグ
ラフィー[シリカゲル60F254(メルク社製);展
開溶液(クロロホルム:メタノール:H2 O=2:1:
0.2)]による分析より、青色系色素のRf値は、DD
P-ゲニピン+L-Phe/クロロホルムから得られた色素とゲ
ニピン+L-Phe/PBSから得られた色素とに大きな差異
が見られ、前者のRf値が大であった(図3および図
4)。
【0042】試験例1 細胞毒性 ヒト胎児肺線維芽細胞(HEL)およびHela細胞
は、10%ウシ胎児血清(FCS、Flow Labo
ratories社製)、100ユニット/mlのペニ
シリンGおよび50mg/mlのストレプトマイシンを
含有するEME培地(ニッスイ製薬社製)で培養維持し
た。これらの細胞株は、AmericanType C
ulture Collection(Rockvil
le,MD,USA)より得た。HTLV−1感染した
MT−4細胞は、山本博士(山口大学)より分与され
た。MT−4細胞は、10%FCSおよび20mg/m
lのゲンタマイシンを含有するRPMI1640 Du
tch 変法培地(FlowLaboratories
社製)で培養維持した。培養は37℃で、5%CO2
含む空気中、加湿下で行った。96穴プレートを用い
て、所定濃度の検体[DPP-ゲニピンおよびゲニピン]溶
液(上記培地)100μlに、5×104 個/mlの対
数増殖期のMT−4細胞溶液100μlを加え、37℃
で4日間培養した。接着性細胞であるHELおよびHe
la細胞は、96穴プレートで単層になるまで培養し、
培地を所定濃度の検体を含む新たな培地200μlに交
換し、6日間培養した。MT−4細胞およびHela細
胞に対する細胞毒性は、MTT法[ジャーナル オブ
バイロロジカル メソッズ(J. Virol. Methods )、33
巻、61-71 頁(1991年)参照]により測定し、HEL細
胞に対する細胞毒性は、細胞をトリパンブルーで染色し
生存細胞を顕微鏡下で数えて行った。結果を表2に示
す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の青色系色素組成物は、水溶性化
合物であるゲニピンに、親油性でありかつ細胞親和性を
有するリン脂質を結合させて得られたリン脂質誘導体
(I)から得られることにより、親油性でありかつ細胞
親和性を有し、食品、化粧品などの分野に広く使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた青色系色素の600nmに
おける吸光度を示す。
【図2】実施例2で得られた青色系色素の可視スペクト
ルを示す。
【図3】実施例2で得られた青色系色素(DPP-ゲニピン
+L-Phe/クロロホルム)の薄層クロマトグラフィーでの
測定結果を示す。
【図4】実施例2で得られた青色系色素(ゲニピン+L-P
he/PBS)の薄層クロマトグラフィーでの測定結果を
示す。
【符号の説明】
1:ゲニピン+L-Phe/PBSの吸光度 2:DPP-ゲニピン+L-Phe/クロロホルムの吸光度 3:ゲニピン+L-Phe/クロロホルムの吸光度 4:DPP-ゲニピン+L-Phe/クロロホルムの可視スペクト
ル 5:ガーデニアブルーの可視スペクトル 6:ゲニピン+L-Phe/PBSの可視スペクトル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 [式中、Aはゲニピン残基を表し、Rは下記一般式(I
    I)または一般式(III ) 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子、アルキル
    基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。ただし、
    1 およびR2 の両方が水素原子であることはない。)
    で示される基を表す。]で示されるリン脂質誘導体また
    はその塩を、第1級アミノ基を有する化合物と反応させ
    ることにより得られる青色系色素組成物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I) 【化3】 [式中、Aはゲニピン残基を表し、Rは下記一般式(I
    I)または一般式(III ) 【化4】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子、アルキル
    基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。ただし、
    1 およびR2 の両方が水素原子であることはない。)
    で示される基を表す。]で示されるリン脂質誘導体また
    はその塩を、第1級アミノ基を有する化合物と反応させ
    ることを特徴とする青色系色素組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(I) 【化5】 [式中、Aはゲニピン残基を表し、Rは下記一般式(I
    I)または一般式(III ) 【化6】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子、アルキル
    基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。ただし、
    1 およびR2 の両方が水素原子であることはない。)
    で示される基を表す。]で示されるリン脂質誘導体また
    はその塩。
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