JPH07308507A - 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法 - Google Patents

高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法

Info

Publication number
JPH07308507A
JPH07308507A JP12973094A JP12973094A JPH07308507A JP H07308507 A JPH07308507 A JP H07308507A JP 12973094 A JP12973094 A JP 12973094A JP 12973094 A JP12973094 A JP 12973094A JP H07308507 A JPH07308507 A JP H07308507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
viscosity liquid
high viscosity
liquid
metal ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12973094A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yokoyama
正幸 横山
Toshitaka Ootsuki
豪孝 大槻
Akiyuki Kiyasu
章幸 喜安
Tatsuro Matsui
達郎 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Thiokol Co Ltd
Original Assignee
Toray Thiokol Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Thiokol Co Ltd filed Critical Toray Thiokol Co Ltd
Priority to JP12973094A priority Critical patent/JPH07308507A/ja
Publication of JPH07308507A publication Critical patent/JPH07308507A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 25℃で1〜5,000 ポアズの非水溶性高粘度
液中の水溶性金属イオンの除去方法であって、高粘度液
中に水を平均分散粒子径1〜50μmに微細化して分散さ
せ、50℃以上に加熱し、次いで遠心分離して水に溶解
した水溶性金属イオンを水とともに除去する方法。 【効果】 高粘度液中に水を細分化して分散し、高粘度
液中の水溶性金属イオンを水に溶出させ除去するため、
少量の水により高粘度液中の金属イオンを効率的に除去
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高粘度液中に含まれる水
溶性金属イオンを少量の水で効率よく除去する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】工業的
には、製造工程内で目的とする高粘度液中に大量の水溶
性金属イオンが混入する例が多く見受けられる。
【0003】例えば、ウレタン原料のオリゴマーを製造
する際には、酸化エチレン、酸化プロピレン及びテトラ
ヒドロフラン等を開環重合するために、アルカリ金属、
錫系等の触媒を用いるので、目的物質中に数百〜数千pp
m の金属イオンが残留する。
【0004】また、接着剤、コーティング剤として幅広
く用いられるエポキシ樹脂は、ビスフェノールA又はビ
スフェノールFに大過剰のエピクロルヒドリンを加えて
加熱還流させ、これに高濃度苛性ソーダを滴下して作ら
れるが、得られたエポキシ樹脂には数%〜数十%のナト
リウムイオンが残留する。
【0005】さらに、最近シーリング材、接着剤に用い
られる変性シリコーンの製造方法は、特公平2-14932 号
等に詳しく述べられているが、この工程はポリオキシプ
ロピレングリコールに苛性ソーダまたは苛性カリを添加
して加温する工程を含むため、目的物質中に数%のアル
カリ金属イオンが残留する。
【0006】また、接着剤、コーティング材として古く
からよく用いられている液状ポリサルファイドポリマー
の製造方法は、High Polymer Vol.XIII, Polyethers Pa
rt III, Iterscience Publishes (1962)に詳述されてい
るが、それは、多硫化ソーダとビス−2−クロロエチル
ホルマールと少量のトリクロロプロパンで重合して、ラ
テックスを作り、このラテックスを十分洗浄し、水硫化
ソーダと亜硫酸ソーダを用いて分子を切断し、中和した
後、分子量4,000 〜5,000 の液状ポリサルファイドとし
て得られる。しかし、得られたポリサルファイドポリマ
ー中には数%〜数十%のナトリウムイオンが残留する。
【0007】このような水溶性金属イオンは、高粘度液
の透明性を阻害したり、容器に沈殿して金属容器を腐食
したり、湿気を吸収して濁りを発生したり、高粘度液の
品質を劣化させたり、高粘度液を更に新たな化学物質と
反応(例えば、ウレタン化反応、水添反応、酸化反応、
エポキシ開環反応等)させる際に反応妨害となったりす
るため、除去する必要がある。この場合、通常は目的物
質中の水溶性金属イオンを数十ppm 以下にすることが望
まれる。
【0008】水溶性金属イオンを除去する方法として
は、金属イオンが水に溶けている場合には、静置分離又
は遠心分離操作によって、高粘度液と水とを分離して粗
分離する方法が考えられる。また、水溶性金属イオンが
塩として析出している場合には、濾過又は遠心分離によ
って粗分離する方法が考えられる。しかし、このような
操作によってだけでは、目的物質から水溶性金属イオン
を高粘度液に対して数十ppm 以下まで除去することは不
可能である。
【0009】一般にこのような金属イオンは水溶性なの
で、新たな水を添加して抽出して除去することが行われ
ている。例えば、特開昭53-25385号、高粘度液を熱水で
6回洗浄し、更に中和後、4回水洗する方法を開示して
いる。しかし、この方法では大量の水を使用するので、
多量の目的物質が、高粘度液が水に溶けたりあるいは分
散したりして、捕捉されることなく、洗浄水とともに流
出してしまうため、目的とする高粘度物質の収率が著し
く低い。また、洗浄後の排水量が多いため、排水処理が
大変である。
【0010】このような非効率的な洗浄法を改善する方
法として、例えば特開昭61−29371号は、高粘度液を溶
解する溶剤を使用して、粘度を下げて洗浄する方法を開
示している。しかし、このような方法においては、溶剤
の回収等に負担がかかり、経済的に有利ではない。
【0011】したがって、本発明の目的は、洗浄に用い
る水を極力少なくし、水溶性金属イオンを効率良く洗浄
除去することにより、高粘度液のロスが少なく、洗浄後
の排水処理の負荷が少ない高粘度液中の水溶性金属イオ
ンの除去方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、高粘度液中に少量の水を添加し
て微細に分散させ、得られた水の微細分散粒子内に水溶
性金属イオンを溶解させ、最後にその水を除去すれば、
少量の水で高粘度液の回収率を低下することなく効率良
く金属イオンを除去できることを見い出し、本発明に想
到した。
【0013】すなわち、本発明の高粘度液中の水溶性金
属イオンの除去する本発明の方法は、前記高粘度液は2
5℃で1〜5,000 ポアズの非水溶性であり、前記高粘度
液中に水を微細化して分散させ、前記高粘度液中の水溶
性金属イオンを水で溶解除去することを特徴とする。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] 高粘度液 本発明の方法の対象となる高粘度液としては、25℃で1
〜5,000 ポアズの粘度を有する液状の非水溶性ポリマー
が挙げられる。粘度が1ポアズ未満であると高粘度液を
撹拌しても水が撹拌・拡散されず、また、5,000 ポアズ
を超えると高粘度液の撹拌が困難である。高粘度液の好
ましい粘度は1〜1,000 ポアズである。
【0015】粘度がこの範囲にありかつ非水溶性であれ
ば、いかなる高粘度液に対しても本発明の方法は適用で
きるが、特に硫黄含有液状ポリマーが適している。その
ようなポリマーとしては下記のものが挙げられる。
【0016】(A) ウレタン原料のオリゴマー 酸化エチレン、酸化プロピレン及びテトラヒドロフラン
等を開環重合し、分子量1,000 〜20,000の主としてウレ
タン原料となるオリゴマーを製造する際に、アルカリ金
属、錫系等の触媒を用いるので目的物質に数百〜数千pp
m の金属イオンが残留する。
【0017】(B) エポキシ樹脂 エポキシ樹脂は、ビスフェノールA又はビスフェノール
Fに大過剰のエピクロルヒドリンを入れて加熱還流さ
せ、これに高濃度の苛性ソーダを滴下して作られるが、
得られたエポキシ樹脂に対して数%〜数十%のナトリウ
ムイオンが残留する。
【0018】(C) シリコーン樹脂 シリコーンオリゴマー又はシリコーン樹脂は、下記式の
ようなシリコーンモノマーの縮重合: ≡SiOH + HOSi≡ ──> ≡SiOSi≡
+ H2 O あるいは環状シロキサンの開環重合によって得られる
が、一般には数十から数千ppm の金属触媒が残留する。
【0019】(D) 変性シリコーン 分子量5,000 〜15,000のアリル末端オリゴマーを中間体
として作られる。このアリル末端オリゴマーは、平均分
子量3,000 のポリオキシプロピレングリコールに苛性ソ
ーダ又は苛性カリを添加して加温し、その後ブロモクロ
ロメタンを用いて分子量を5,000 〜15,000にし、最後に
アリルクロライドを添加してを得ることができる。この
製造工程ではアルカリ金属イオンが生成し、アリル末端
オリゴマー中に数%残留する。この製造方法は、特公平
2-14932 号に詳述されている。
【0020】(E) -(CH2 CH(OH)CH2 -Sx)- により表され
る構造単位(ただしxは1〜5の整数である。)と、末
端に -CH2 CH(OH)CH2 -SH により表されるチオール基と
を有するチオール基含有ポリエーテル。
【0021】チオール基含有ポリエーテルポリマー中の
X はジスルフィドが好ましく、また、Sx/メルカプ
タン含量の重量比が1.06以上であるのが好ましい。この
チオール基含有ポリエーテルは、特公昭47−48279 号に
記載の方法により合成することができる。すなわちポリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポ
リアルキレングリコールにエピクロロヒドリン、エピブ
ロモヒドリン等のエピハロヒドリンを付加した後に、水
硫化ナトリウム、水硫化カリウム等の水硫化アルカリ
(MSH、ただしMはNa、K等のアルカリ金属)、お
よび/またはアルカリ金属の硫化物(M2 x 、ただし
xは1〜5の整数を表す。)と反応させることにより、
例えば下記一般式(1) で表される構造の末端にチオール
基を有するポリエーテルポリマーが得られる。このよう
にして得られたポリマーの主鎖には一部ポリスルフィド
結合が含まれている。
【化1】 (ただし、R1 は水素又はメチル基であり、mは6〜20
0 の整数であり、nは0〜2であり、xは1〜5で整数
である。)
【0022】(F) 下記式(2) に示すようなポリサルファ
イドポリマー。 HS(C2 H4 OCH2 OC2 H4 Sx ) m C2 H4 OCH2 OC2 H4 SH ・・・(2) (但し、mは1〜50の整数であり、xは1〜5の整数で
ある。)
【0023】ポリサルファイドポリマーは、室温で流動
性を有し、分子量が 100〜 200,000、好ましくは 400〜
50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの
好ましい例は米国特許第 2,466,963号に記載されてい
る。
【0024】(G) (i) − ( R2 O)n −(但し、 R2 は炭
素数2〜4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示
す。)で表されるポリエーテル部分と、(ii)−( C2 H
4 OCH2OC2 H4 -Sx )−及び−(CH2 CH(OH)CH2 -
Sx )− (但し、xは1〜5の整数である。) で表され
る構造単位とを有し、かつ末端に、(iii) −C 2 H 4 OC
H 2 OC2 H 4 -SH 及び/又は−CH2 CH(OH)CH2 -SH で表
されるチオール基を有するポリサルファイドポリエーテ
ル。
【0025】このポリサルファイドポリエーテルポリマ
ーの数平均分子量は、通常600 〜200,000 であり、好ま
しくは800 〜50,000である。このようなポリサルファイ
ドポリエーテルポリマーは、特願平2-109461号に記載さ
れているように、以下の2通りの方法により製造するこ
とができる。
【0026】ポリサルファイドポリエーテルポリマーを
製造する第一の方法は、 (a) HS(C2 H4 OCH2 OC2 H4 -Sx ) m C2 H4 OCH2
OC2 H4 SH (但し、xは1〜5の整数であり、その平均は約2であ
り、mは1〜50の整数である。) で示されるポリサルフ
ァイドポリマー出発物質と、(b) 主鎖中に、−( R3 O
n − (但し、 R3 は炭素数2〜4のアルキレン基、
nは6〜200 の整数を示す。)で表されるポリエーテル
部分と、−CH2 CH(OH)CH2 -SX −で表される構造単位と
を有し、かつ、末端に−CH2 CH(OH)CH2 -SH で表される
チオール基を有するポリエーテルポリマーとを、(a) /
(b) =95/5〜5/95の重量比で反応させることからなる。
【0027】ポリサルファイドポリマー出発物質と、チ
オール基含有ポリエーテルポリマーとの反応は、30〜15
0 ℃、好ましくは50〜120 ℃で、2〜48時間、好ましく
は4〜10時間、撹拌することにより行う。
【0028】また上記ポリサルファイドポリエーテルポ
リマーを製造する第二の方法は、前述の方法においてチ
オール基含有ポリエーテルポリマーを合成する際に、ポ
リサルファイドポリマー出発物質を加えておくことによ
り、一段で反応を行うものである。第二の方法では、主
鎖が−( R3 O )n −( 但し、 R3 は炭素数2〜4のア
ルキレン基であり、nは6〜200 の整数を示す。) で、
末端に2個以上の水酸基を有するポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリ
コールに、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等
のエピハロヒドリンを付加して得られるハロゲン末端プ
レポリマーと、MSH(Mはアルカリ金属原子)で表さ
れる水硫化ナトリウム、水硫化カリウム等の水硫化アル
カリおよび/またはM2 X (xは1〜5の整数を示
す)で表される多硫化ナトリウム、多硫化カリウム等の
多硫化アルカリを反応させて、末端チオール化を行う。
その際に例えば、HS(C2 H4 OCH2 OC2 H4 Sx ) m C
2 H4 OCH2 OC2 H4 SH(但し、xは1〜5の整数であ
り、mは1〜50の整数である。)で表されるポリサルフ
ァイドポリマーを加えて反応させる。
【0029】[2] 水溶性金属イオンの除去方法 本発明の方法は、(1) 高粘度液への水の分散工程、(2)
水の遠心分離工程、及び必要に応じて(3) 高粘度液の乾
燥・濾過工程とからなる。
【0030】(1) 高粘度液への水の分散工程 非水溶性液体中の水溶性金属イオンを効率的に水に溶出
させるには、一般に一方を連続相とし他方を分散相とし
て、両者の接触面積を大きくするのが良い。しかしなが
ら、高粘度液を大量の水の中で撹拌しても、撹拌による
剪断力が高粘度液に伝わらないので、高粘度液を細かく
分散できず、水/高粘度液の接触面積が大きくならな
い。一方、水を高粘度液中に分散させると、高粘度液の
流動で水が剪断され微細な粒子となる。そのため、本発
明では高粘度液を連続相とし、水を分散相として洗浄処
理を行う。
【0031】(a) 水の平均粒子径 高粘度液中に分散する水の平均粒子径は1〜50μmとす
るのが好ましく、より好ましくは1〜30μmとする。平
均粒子径が1μm未満であると、洗浄後に水を物理的方
法で分離することが難しく、一方50μmを超えると、水
/高粘度液の接触面積が小さいため水溶性金属イオンの
洗浄効率が下がるだけでなく、また水の分散粒子が不安
定となる。
【0032】(b) 水の混合量 水と高粘度液との容積比は0.02:1〜1:1とするのが
好ましく、より好ましくは0.1 :1〜0.8 :1とする。
水と高粘度液との容積比が0.02:1未満であると、撹拌
により水の平均粒子径が小さくなりすぎる。また、容積
比が1:1を超えると水の平均粒子径が大きくなりすぎ
る。
【0033】(c) 洗浄処理時間 洗浄処理時間は特に限定されないが、30秒〜60分程度が
好ましく、より好ましくは1分〜30分である。処理時間
が短すぎると高粘度液中の水溶性金属イオンを十分に水
で抽出することができず、また長すぎると処理中の高粘
度液の粘度が上昇する等の問題が生ずる。
【0034】(d) 洗浄処理温度 洗浄処理温度は特に限定しないが、0〜150 ℃とするの
が好ましく、より好ましくは50〜120 ℃とする。処理温
度が低すぎると、粘度が高すぎて撹拌に大きなエネルギ
ーを必要とし不経済であり、一方処理温度が高すぎる
と、高粘度液の品質劣化等の問題が発生する。特に50℃
以上とすることにより、撹拌時の抵抗を低下することが
できる。
【0035】(e) 分散装置 高粘度液中に水を分散・撹拌する装置としては、プロペ
ラ、タービン、アンカー、ヘリカルリボン等の撹拌翼の
付いた槽であればよく、高粘度の液体の場合にはアンカ
ー型、ヘリカルリボン型が好ましい。短時間で水を分散
させるには、ホモ・ミキサー(特殊機化工業(株)製)
が好ましい。
【0036】(2) 水の遠心分離工程 高粘度液中の水溶性金属イオンを大量に溶解した水の分
散粒子は比較的安定であり、自然沈降で分離するのは難
しいが、遠心分離機では容易に分離できる。遠心分離に
おける軽液と重液の分離性能は分散粒子径、連続相の粘
度、遠心力及び処理時間に依存する。本発明のように連
続相が高粘度の場合には、遠心分離時に粘度を小さくす
ると分離性能が大きく向上する。有機溶剤を添加して粘
度を下げることもできるが有機溶剤の回収をする必要が
あるため得策ではないので、本発明では温度を上げるこ
とにより分散系の粘度を下げる。
【0037】遠心分離中処理液の粘度を50ポアズ以下に
保持するため、処理温度を室温〜150 ℃にするのが好ま
しく、より好ましくは50〜120 ℃とする。また、遠心力
は、1,000 〜30,000Gとするのが好ましく、より好まし
くは3,000 〜15,000Gとする。さらに、処理時間は30秒
〜30分が好ましく、より好ましくは1〜5分である。
【0038】上記条件で遠心分離を行う遠心分離機は特
定のタイプのものに限定されず、化学工学便覧(丸善
(株))に記載されている円筒型、分離板型、デカンタ
ー型及びバスケット型のいずれでもよい。高遠心力が得
られ、構造が簡単で、安価であるという理由から、円筒
型の遠心分離機が好ましい。
【0039】(3) 高粘度液の乾燥・濾過工程 遠心分離工程後に高粘度液を自然乾燥させてもよいが、
乾燥を促進するために強制的に乾燥したり、場合によっ
ては更に濾過してもよい。強制乾燥としては、50〜130
℃での加熱や、0.1 〜400 Torrでの真空引き等を単独で
又は組み合わせて行うことができる。
【0040】
【作用】25℃で1〜5,000 ポアズの非水溶性高粘度液
から水溶性金属イオンを除去する本発明の方法は、高粘
度液中に水を微細化して分散させ、前記金属イオンを水
の分散粒子に溶解させることより除去するので、通常の
撹拌により容易に高粘度液と水の接触面積を大きくで
き、もって少量の水により高粘度液中の金属イオンを効
率的に除去することができる。そのため水に溶けて流出
する高粘度液の量を少なくして高粘度液の収量を上げる
とともに、洗浄後の排水量を少なくして排水処理を容易
にすることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】実施例1 表1に示す初期水分量及びNaイオン濃度(NaCl、N
2 2 3 を主体とする)を有し、25℃での粘度が40
0 〜500 ポアズのポリサルファイド液状ポリマー(高粘
度液)と水とを3:1の重量比で混合し、T.K.ホモ
ミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて 8,000 rpm
で5分間撹拌し、ポリサルファイド液状ポリマー中に水
を分散させた。水分散粒子の平均粒径は5μmであっ
た。ポリサルファイド液状ポリマー/水の分散物から遠
心分離機により8,050 G (12,000 rpm)で40分間水を遠心
分離した。このようにして洗浄したポリサルファイド液
状ポリマー中の水分量及びNaイオン濃度を以下の方法に
より測定した。測定結果を表1に示す。
【0043】高粘度液中の水分量の測定 高粘度液50mgを採取して、カール・フィッシャー法によ
り、窒素流通下(50N−ml/時間)、試料温度120 ℃で
測定した。
【0044】高粘度液中の金属イオン濃度の測定 高粘度液をエバポレーターで乾燥して水を0.1 重量%以
下にした後、高粘度液2.5 gを白金ルツボに採取して、
電気炉を用いて600 ℃で2時間焼成した。焼成後0.01N-
HCl 25mlで溶解した後、原子吸光法により測定し、高粘
度液中の金属イオン濃度を求めた。
【0045】実施例2 表1に示す初期水分量及びNaイオン濃度を有し、25℃で
の粘度が400 〜500 ポアズのポリサルファイド液状ポリ
マー(高粘度液)と水とを1:3の重量比で混合し、実
施例1と同様にして 8,000 rpmで5分間撹拌し、ポリサ
ルファイド液状ポリマー中に水を分散させた。水分散粒
子の平均粒径は5μmであった。ポリサルファイド液状
ポリマー/水の分散物から遠心分離機により1,800 G
(3,000 rpm) で20分間水を遠心分離した。このようにし
て洗浄したポリサルファイド液状ポリマー中の水分量及
びNaイオン濃度を上記と同じ方法で測定した。測定結果
を表1に示す。
【0046】実施例3 表1に示す初期水分量及びNaイオン濃度を有し、25℃で
の粘度が700 ポアズのポリサルファイド液状ポリマー
(高粘度液)と水とを3:1の重量比で混合し、実施例
1と同様にして 8,000 rpmで5分間撹拌し、ポリサルフ
ァイド液状ポリマー中に水を分散させた。水分散粒子の
平均粒径は5μmであった。ポリサルファイド液状ポリ
マー/水の分散物を95℃に昇温し、次いで遠心分離機に
より13,200G で連続的に滞留時間1分間で水を遠心分離
した。このようにして洗浄したポリサルファイド液状ポ
リマー中の水分量及びNaイオン濃度を測定した。結果を
表1に示す。
【0047】実施例4 実施例3と同じ高粘度液を使用し、遠心分離時間を2分
とした以外は実施例3と同じ条件で分散及び遠心分離を
行った。このようにして洗浄したポリサルファイド液状
ポリマー中の水分量及びNaイオン濃度を測定した。測定
結果を表1に示す。また、遠心分離した高粘度液をもう
一度30℃で2分間遠心分離したが、高粘度液中の水分量
及びNaイオン濃度はほとんど変化しなかった。
【0048】比較例1 表1に示す初期水分量及びNaイオン濃度(NaCl、N
2 2 3 を主体とする)を有し、25℃での粘度が40
0 〜500 ポアズのポリサルファイド液状ポリマー(高粘
度液)と水とを1:10の重量比で混合し、90℃のバス
中で、6枚タービン型撹拌翼にて 500 rpmで30分間撹拌
した。このようにして洗浄したポリサルファイド液状ポ
リマー中の水分量及びNaイオン濃度を測定した。測定結
果を表1に示す。
【0049】 表1 洗浄前 遠心分離後 水分量 Naイオン濃度 水分量 Naイオン濃度 例NO. (重量%) (ppm) (重量%) (ppm) 実施例1 1.8 1,500 3.0 20 実施例2 1.5 1,800 8.3 240 実施例3 3.79 1,700 12.75 650 実施例4 3.79 1,700 1.15 50 比較例1 3.6 360 7.58 475
【0050】表1から明らかなように、本発明の方法に
よれば、洗浄用に分散する水の量を少なくすることによ
り、かえって多量の水を添加したとき以上の水溶性金属
イオンの洗浄効果が得られる。また、本発明の方法によ
り洗浄した高粘度液から遠心分離にて短時間で水を低濃
度まで取り除くことができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明の高粘度液
中の水溶性金属イオンの除去方法によれば、高粘度液中
に水を細分化して分散し、高粘度液中の金属イオンを水
に溶出させるため、少量の水により高粘度液中の金属イ
オンを効率的に除去できる。それにより、水に溶けて流
出する高粘度液の量を少なくして高粘度液の収量を上げ
るとともに、洗浄後の排水量を少なくして排水処理を容
易にする。また、洗浄処理後の高粘度液から遠心分離に
て短時間で水を低濃度まで取り除くことができるため、
後の乾燥・濾過工程が容易になる。このように、本発明
の高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法は、金属イ
オンを含有する液状ポリマー、特に硫黄含有液状ポリマ
ーの洗浄に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜安 章幸 千葉県市原市千種海岸2の3 東レチオコ ール株式会社千葉工場内 (72)発明者 松井 達郎 千葉県市原市千種海岸2の3 東レチオコ ール株式会社千葉工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方
    法であって、前記高粘度液は25℃で1〜5,000 ポアズ
    の非水溶性であり、前記高粘度液中に水を微細化して分
    散させ、前記高粘度液中の水溶性金属イオンを水で溶解
    除去することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高粘度液中の水溶性金
    属イオンの除去方法において、前記高粘度液中に微細化
    して分散させる水の平均分散粒子径を1〜50μmとする
    ことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高粘度液中の水
    溶性金属イオンの除去方法において、前記高粘度液中の
    水溶性金属イオンを水に溶解除去した後に、遠心分離し
    て前記高粘度液から水を除去することを特徴とする方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の高粘度液中の水
    溶性金属イオンの除去方法において、遠心分離の前に前
    記高粘度液と水との混合物を50℃以上に加熱すること
    を特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の高粘度液中の水
    溶性金属イオンの除去方法において、前記高粘度液は硫
    黄含有液状ポリマーであることを特徴とする方法。
JP12973094A 1994-05-19 1994-05-19 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法 Pending JPH07308507A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12973094A JPH07308507A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12973094A JPH07308507A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07308507A true JPH07308507A (ja) 1995-11-28

Family

ID=15016787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12973094A Pending JPH07308507A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07308507A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7067615B1 (en) 2005-06-13 2006-06-27 Eastman Chemical Company Hydrotreating polyester precursors
US7390869B2 (en) 2005-06-13 2008-06-24 Eastman Chemical Company Process for removing metal species in the presence of hydrogen and a porous material and polyester polymer containing reduced amounts of metal species

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7067615B1 (en) 2005-06-13 2006-06-27 Eastman Chemical Company Hydrotreating polyester precursors
US7390869B2 (en) 2005-06-13 2008-06-24 Eastman Chemical Company Process for removing metal species in the presence of hydrogen and a porous material and polyester polymer containing reduced amounts of metal species
US8530609B2 (en) 2005-06-13 2013-09-10 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Process for removing metal species in the presence of hydrogen and a porous material and polyester polymer containing reduced amounts of metal species
US8921509B2 (en) 2005-06-13 2014-12-30 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Process for removing metal species in the presence of hydrogen and a porous material and polyester polymer containing reduced amounts of metal species

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4528364A (en) Removal of alkaline catalysts from polyether polyols and polyalkylene carbonate polyols
JP5713402B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
EP1452555A1 (en) Method of continuously cleansing polyarylene sulfide
JPH03168212A (ja) ポリエーテルグリコールの製法
US8367876B2 (en) Method for producing polyether
WO2003064499A1 (fr) Procédé de précipitation du polyphénylène éther
JPH07308507A (ja) 高粘度液中の水溶性金属イオンの除去方法
Hupfield et al. Ring-opening polymerization of siloxanes using phosphazene base catalysts
CN104975168A (zh) 含硫酸铅物质快速脱硫的方法
JPS6137290B2 (ja)
US4885354A (en) Epoxy resin compositions
CN114381000A (zh) 用于加工有机硅废物的升级改造方法
CN1220678A (zh) 具有窄分子量分布的聚芳基硫醚及其制法
JPH07242746A (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造方法
US11661482B2 (en) Separation and purification method of polyarylene sulfide
JPH026774B2 (ja)
CN1129477C (zh) 制备聚醚多元醇用的双金属氰化物催化剂
JP2501422B2 (ja) アミン末端ポリアリ―レンポリエ―テル
JP2005508735A (ja) ポリフェニレンエーテルポリマー樹脂を溶液から単離する方法
EP0947533B1 (en) Polymers of hexafluoropropene oxide, their manufacture and use
JP2602100B2 (ja) ポリエーテルスルホンの製造方法
US20200308351A1 (en) Process and apparatus for precipitation of poly(phenylene ether)
CN219323870U (zh) 一种聚苯醚的析出装置和生产系统
JP5095950B2 (ja) ポリエーテルの製造方法
JP2000273175A (ja) ポリアリーレンスルフィド系樹脂の精製方法