JPH0730836B2 - 車両用変速機における流体トルクコンバータ用クラッチの作動制御装置 - Google Patents

車両用変速機における流体トルクコンバータ用クラッチの作動制御装置

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JPH0730836B2
JPH0730836B2 JP2251587A JP2251587A JPH0730836B2 JP H0730836 B2 JPH0730836 B2 JP H0730836B2 JP 2251587 A JP2251587 A JP 2251587A JP 2251587 A JP2251587 A JP 2251587A JP H0730836 B2 JPH0730836 B2 JP H0730836B2
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valve
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oil
opening
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浩一 船津
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンで駆動される車両用変速機に備える
流体トルクコンバータに、その入力側と出力側とを機械
的に連結すべく設ける流体トルクコンバータ用クラッチ
の作動制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、特開昭59−86737号公報に見られるように、流体
トルクコンバータに設けるクラッチを所定車速以上で作
動させ、流体トルクコンバータの滑り量を減少させて燃
費性を向上させると共に、アクセルペダルを戻しての減
速時に、エンジン側からの駆動が行われる状態から駆動
輪側からの逆駆動トルクの伝達が行われる状態に切換え
られることによって生ずるトルク変動に起因した車体の
揺り戻しが発生しないよう、所定車速以上の領域であっ
ても少なくとも低車速域ではスロットル開度が所定の低
開度以下になったときクラッチの作動を解除し、流体ト
ルクコンバータの滑りによりトルク変動を吸収して車体
の揺り戻しを防止し得るようにしたものは知られる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、スロットル開度を低開度として低速クルーズ
走行を行うことがあり、この場合上記のものではスロッ
トル開度の僅かな変化でこれが上記した所定の低開度を
下回ったり上回ったりして、クラッチの断続的な作動を
生じ、その度にエンジン回転数が変動して乗り心地が悪
くなる問題がある。
本発明は、かかる問題点を解決したクラッチの作動制御
装置を提供することをその目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記の目的を達成すべく、エンジンで駆動さ
れる車両用変速機に備える流体トルクコンバータに、該
トルクコンバータの入力側と出力側とを機械的に連結す
べく作動するクラッチを設け、該クラッチを所定車速度
以上で作動させると共に、該所定車速以上の領域のうち
少なくとも低車速域ではエンジンのスロットル開度が所
定の低開度以下になったとき該クラッチの作動を解除す
るようにしたものにおいて、スロットル開度と車速との
少なくとも一方の変化度合を検出する手段と、該変化度
合が設定値より大きな状態でスロットル開度が該所定の
低開度を下回って該クラッチの作動が解除されたときに
はその後スロットル開度が該所定の低開度を上回ったと
きに該クラッチの作動を許可するが、該変化度合が該設
定値より小さい状態でスロットル開度が該所定の低開度
を下回って該クラッチの作動が解除されたときにはその
後スロットル開度が該所定の低開度より高開度の第2の
設定開度を上回るまで該クラッチの作動を禁止する制御
手段と、を備えることを特徴とする。
(作 用) スロットル開度を低開度として低速クルーズ走行を行っ
ている場合は、スロットル開度の変化度合や車速の変化
度合は共に小さく、この場合スロットル開度が所定の低
開度を下回ってクラッチの作動が一旦解除されると、ス
ロットル開度が第2の設定開度を上回るまではクラッチ
は不作動状態に保持され、かくて該設定開度と該所定の
低開度との偏差をクルーズ走行時のスロットル開度の変
化幅より大きめに設定しておけば、クルーズ走行時に該
所定の低開度の近傍でスロットル開度が増減しても、ク
ラッチの断続的な作動は生じない。
(実施例) 第1図を参照して、(1)はエンジン(2)に流体トル
クコンバータ(3)を介して連結される補助変速機を示
し、該流体トルクコンバータ(3)と該補助変速機
(1)とでエンジン(2)からの動力を車両の駆動軸
(4)に伝達する車両用変速機を構成した。
該補助変速機(1)は、流体トルクコンバータ(3)に
連なる入力軸(1a)と、駆動輪(4)にデフギア(5)
を介して連結される出力軸(1b)との間に前進用の1速
乃至4速の伝動系(G1)(G2)(G3)(G4)と後進伝動
系(GR)とを備え、前進用の各伝動系(G1)(G2)(G
3)(G4)に油圧係合要素たる1速乃至4速の各油圧ク
ラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)を介入して、該各油圧
クラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)の係合により該各伝
動系(G1)(G2)(G3)(G4)を選択的に確立させるよ
うにし、又後進伝動系(GR)は、4速伝動系(G4)と4
速油圧クラッチ(C4)を共用するものとし、該両伝動系
(G4)(GR)は出力軸(1b)上のセクレタギア(6)の
図面で左方の前進位置と右方の後進位置とへの切換動作
で選択的に確立されるようにした。
図面で(7)は1速伝動系(G1)に介入したワンウェイ
クラッチで、出力軸(1b)側のオーバー回転を許容すべ
く作動する。
前記各油圧クラッチ((C1)(C2)(C3)(C4)は、第
2図に示す油圧回路によりその給排油を制御されるもの
で、これを詳述するに、該油圧回路は、油圧源(8)
と、図示しないレンジ切換レバーにより第3図に明示す
るパーキング用の「P」、後進用の「R」、ニュートラ
ル用の「N」、自動変速用の「D」と「S」、2速保持
用の「2」の6位置に切換操作自在なマニアル弁(9)
と、1速−2速切換用の第1シフト弁(101)と、2速
−3速切換用の第2シフト弁(102)と、3速−4速切
換用の第3シフト弁(103)と、前記セレクタギア
(6)を連結した前後進切換用のサーボ弁(11)とを備
え、マニアル弁(9)を「D」位置とする「D」レンジ
では、油圧源(8)に連なる給油用の第1油路「L1」が
該弁(9)の環状溝(9a)を介して第1シフト弁(1
01)に連なる第2油路(L2)に接続され、第1油路(L
1)から第2油路(L2)にレギュレータ弁(12)で一定
のライン圧に調圧された圧油が供給されて、第2油路
(L2)から分岐した第3油路(L3)を介して1速油圧ク
ラッチ(C1)への給油と、第1乃至第3シフト弁(1
01)(102)(103)を介して2速乃至4速の油圧クラッ
チ(C2)(C3)(C4)への給油とが行われるようにし
た。
第1シフト弁(101)は右方の1速位置と左方の2速位
置とに切換自在に、第2シフト弁(102)は右方の2速
位置と左方の3速位置とに切換自在に、第3シフト弁
(103)は右方の3速位置と左方の4速位置とに切換自
在構成されるもので、第1油路(L1)に接続したモジュ
レータ弁(13)からのモジュレータ圧(ライン圧より低
い一定圧)を、該弁(13)の出力側の第4油路(L4)に
オリフィス(141)を介して連なる第5油路(L5)を介
して第1シフト弁(101)と第2シフト弁(102)の右端
の油室(101a)(102a)と、第4油路(L4)に別のオリ
フィス(142)を介して連なる第6油路(L6)を介して
第1シフト弁(101)の左端の油室(101b)と第3シフ
ト弁(103)の右端の油室(103a)とに入力するように
し、該第5油路(L5)に電磁式の常閉型第1大気開放弁
(151)と、該第6油路(L6)に電磁式の常閉型第2大
気開放弁(152)とを接続して、該両大気開放弁(151
(152)の開閉によりこれらシフト弁(101)(102)(1
03)を各変速段に対応して以下の如く切換えるようにし
た。
即ち、1速段では、第1大気開放弁(151)を開、第2
大気開放弁(152)を閉とするもので、これによれば第
1第2シフト弁(101)(102)の右端の油室(101a)
(102a)へのモジュレータ圧の入力が断たれ、第1シフ
ト弁(101)の左端の油室(101b)と第3シフト弁(1
03)の右端の油室(103a)とにモジュレータ圧が入力さ
れ、第1シフト弁(101)が右端のばね(101c)に抗し
て右方の1速位置と、第2のシフト弁(102)が左端の
ばね(102c)の付勢力で右方の2速位置と、第3シフト
弁(103)が左端のばね(103c)に抗して左方の4速位
置とに切換動作される。この状態では、第1シフト弁
(101)の流入側の前記第2油路(L2)と流出側の第7
油路(L7)との連通が絶たれ、第3油路(L3)を介して
1速油圧クラッチ(C1)のみに給油され、1速伝動系
(G1)が確立される。
2速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共に
開とするもので、これによれば第1シフト弁(101)の
左端の油室(101b)と第3シフト弁(103)の右端の油
室(103a)とへのモジュレータ圧の入力も断たれ、第1
シフト弁(101)と第3シフト弁(103)とが夫々ばね
(101c)(103c)の付勢力で左方の2速位置と右方の3
速位置に切換動作され、第2シフト弁(102)は上記と
同様に2速位置に保持される。この状態では、第2油路
(L2)が第1シフト弁(101)の環状溝(101d)を介し
て第7油路(L7)に接続され、マニアル弁(9)の
「D」位置で第7油路(L7)に該弁(9)の切欠溝(9
b)を介して接続される第8油路(L8)と、該第8油路
(L8)に第2シフト弁(102)の2速位置で該弁(102
の環状溝(102d)を介して接続される第9油路(L9)と
を介して2速油圧クラッチ(C2)に給油され、2速伝動
系(G2)が確立される。この場合、前記ワンウェイクラ
ッチ(7)の作用により1速伝動系(G1)を介しての動
力伝達は自動的に停止される。
3速段では、第1大気開放弁(151)を閉、第2大気開
放弁(152)を開とするもので、これによれば第1第2
シフト弁(101)(102)の右端の油室(101a)(102a)
にモジュレータ圧が入力され、第2シフト弁(102)が
ばね(102c)に抗して左方の3速位置に切換動作され、
第1シフト弁(101)と第3シフト弁(103)は夫々2速
位置と3速位置に保持される。この状態では、第8油路
(L8)が第2シフト弁(102)の環状溝(102e)を介し
て第3シフト弁(103)に連なる第10油路(L10)に接続
され、第3シフト弁(103)の3速位置で該弁(103)の
環状溝(103d)を介して該第10油路(L10)に接続され
る第11油路(L11)を介して3速油圧クラッチ(C3)に
給油され、又2速油圧クラッチ(C2)に連なる前記第9
油路(L9)が第2シフト弁(102)の環状溝(102d)を
介して第1排油路(LD1)に接続されて2速油圧クラッ
チ(C2)からの排油が行われ、3速伝動系(G3)が確立
される。
4速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共に
閉とするもので、これによれば第1シフト弁(101)と
シフト弁(102)は3速段と同様に夫々2速位置と
3速位置に保持され、第3シフト弁(103)が右端の油
室(103a)へのモジュレータ圧の入力で左方の4速位置
に切換動作される。尚、第1シフト弁(101)は、その
両端の油室(101a)(101b)へのモジュレータ圧の入力
によりモジュレータ圧による左方と右方の押圧力がバラ
ンスして、ばね(101c)の付勢力により2速位置に保持
される。この状態では、前記第10油路(L10)が第3シ
フト弁(103)の環状溝(103e)を介して第12油路(L1
2)に接続され、マニアル弁(9)の「D」位置で該弁
(9)の切欠溝(9c)を介して該第12油路(L12)に接
続される第13油路(L13)を介して4速油圧クラッチ(C
4)に給油され、又3速油圧クラッチ(C3)に連なる前
記第11油路(L11)が第3シフト弁(103)の環状溝(10
3d)を介して第2排油路(LD2)に接続されて3速油圧
クラッチ(C3)からの排油が行われ、4速伝動系(G4)
が確立される。
尚、4速→3速のシフトダウン時は、第12油路(L12)
が3速位置に存する第3シフト弁(103)の環状溝(103
e)を介して第3排油路(LD3)に接続されて4速油圧ク
ラッチ(C4)からの排油が行われ、又3速→2速のシフ
トダウン時は、3速位置に存する第3シフト弁(103
の環状溝(103d)を介して第11油路(L11)に接続され
る第10油路(L10)が2速位置に存する第2シフト弁(1
02)の環状溝(102e)を介して第4排油路(LD4)に接
続されて3速油圧クラッチ(C3)からの排油が行われ、
又2速→1速シフトダウン時は、2速段で上記の如く第
2油路(L2)に接続されていた第7油路(L7)が第1シ
フト弁(101)の1速位置への切換動作で該弁(101)の
環状溝(101d)を介して排油ポート(101e)に接続さ
れ、ここで該第7油路(L7)は2速段と同様に第8油路
(L8)と第9油路(L9)とを介して2速油圧クラッチ
(C2)に接続されているため、これら油路(L9)(L8)
(L7)を介して2速油圧クラッチ(C2)からの排油が行
われる。
以上の如く「D」レンジでは、第1第2大気開放弁(15
1)(152)の開閉により1速乃至4速の伝動系(G1)
(G2)(G3)(G4)が選択的に確立され、第4図示の如
きマイクロコンピュータから成る電子制御回路(16)に
エンジンのスロットル開度センサ(16a)からの信号
(エンジン負荷に関係した吸気管負圧等の他の信号でも
良い)と、車速センサ(16b)からの信号と、レンジ切
換レバーのポジションセンサ(16c)からの信号とを入
力し、該制御回路(16)により、例えば第6図に示す如
き変速特性が得られるように該両大気開放弁(151)(1
52)を開閉制御する。
図面で(A1)(A2)(A3)(A4)は各油圧クラッチ(C
1)(C2)(C3)(C4)の給排油時における急激な圧変
化を緩衝すべく設けたアキュムレータ、(17)は第1油
路(L1)にマニアル弁(9)を介して接続される第14油
路(L14)から入力されるライン圧をスロットル開度に
応じた第5図示の如きスロットル圧に調圧して出力する
スロットル弁を示し、該スロットル弁(17)からのスロ
ットル圧を2速乃至4速用のアキュムレータ(A2)(A
3)(A4)に背圧として作用させ、更に第2油路(L2)
に該スロットル圧で右方の開き側に押圧される減圧弁
(18)を介入し、スロットル開度の低開度領域では該第
2油路(L2)の下流側への供給圧を低下させるようにし
た。尚、該減圧弁(18)は特開昭59−166750号で公知で
あり、その詳細な説明は省略する。
前記各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)には、夫々
排油制御弁(191)(192)(193)(194)とこれに並列
のオリフィス(201)(202)(203)(204)とを介入
し、該各制御弁(191)(192)(193)(194)の閉弁と
開弁とで該各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)の管
路抵抗を増減制御し得るようにした。
これを更に詳述するに、3速→4速のシフトアップ時に
3速油圧クラッチ(C3)に接続される第2排油路(LD
2)に介設した第2排油制御弁(192)は、係合側の4速
油圧クラッチ(C4)の油圧(以下4速圧と記す)で左方
の開き側に押圧され、3速→4速のシフトアップ時に4
速圧の所定圧への上昇で該制御弁(192)が開弁され、
その前後で解放側の3速油圧クラッチ(C3)の油圧(以
下3速圧と記す)の降圧特性に緩急の差がつけられ、3
速油圧クラッチ(C3)の解放タイミングが適切にコント
ロールされて、エンジンの吹上りや必要以上の共噛みに
よるエンジンストールを生ずることなく円滑な変速が得
られるようにした。又、4速→3速のシフトダウン時に
4速油圧クラッチ(C4)に接続される第3排油路(LD
3)に介設した第3排油制御弁(193)は、係合側の3速
圧で左方の開き側に押圧されて3速圧の昇圧で開弁さ
れ、4速→3速のシフトダウンを上記と同様に円滑に行
わせるべく機能する。ところで、走行条件、例えば急激
なアクセル操作等に際し、3速を飛越して2速と4速の
間での変速が行われるように変速特性が設定されること
があり、そこで2速油圧クラッチ(C2)に対応する第1
排油路(LD1)に介設した第1排油制御弁(191)は、2
速→3速のシフトアップと2速→4速のシフトアップと
の何れにも対処し得るよう、特開昭61−84450号で知ら
れる如く3速圧と4速圧とで右方の開き側に押圧される
ものとし、又該制御弁(191)を2速油圧クラッチ(C
2)の油圧(以下2速圧と記す)で左方の閉じ側に押圧
し、2速→3速及び2速→4速のシフトアップ時に解放
側の2速圧の降下と係合側の3速圧や4速圧の上昇とで
その差圧が所定値以下になったとき開弁されるようにし
た。尚、かかる差圧応動型の排油制御弁は特開昭61−82
051号で公知である。
又、3速→2速のシフトダウン時に3速油圧クラッチ
(C3)に接続される第4排油路(LD4)に介設した第4
排油制御弁(194)は係合側の2速圧で左方の開き側に
押圧されるものとし、更に4速→2速のシフトダウンに
も対処し得るよう、4速油圧クラッチ(C4)に接続され
る前記第3排油路(LD3)を該制御弁(194)の共通の流
入ポート(194a)に分岐路(LD3a)を介して接続して該
第3排油路(LD3)に該制御弁(194)が第3排油制御弁
(193)と並列に介入されるようにし、4速→2速のシ
フトダウン時にも係合側の2速圧の上昇で解放側の4速
圧が速やかに降下されるようにした。この場合、3速→
2速のシフトダウン時に、第4排油制御弁(194)の開
弁前に第4排油路(LD4)から流入ポート(194a)と第
3排油路(LD3)とを介してオリフィス(203)から3速
油圧クラッチ(C3)の油が排出されて、3速圧の降下が
第4排油路(LD4)のオリフィス(204)で規定される降
圧特性よりも急にならないよう、分岐路(LD3a)に第4
排油路(LD4)からの油の逆流を阻止する逆止弁(211
を介設し、又同様に第4排油路(LD4)に第3排油路(L
D3)からの油の逆流を阻止する逆止弁(212)を介設す
る。
又、スロットル開度の低開度領域でのシフトダウンに際
しては、解放側のクラッチ圧を速やかに降下させた方が
円滑な変速が行われ、そこで特開昭61−127956号で知ら
れる如く、前記第3排油路(LD3)に第3排油制御弁(1
93)と並列に低スロットル開度で開かれる第5排油制御
弁(195)と、前記第4排油路(LD4)に第4排油制御弁
(194)と並列に低スロットル開度で開かれる第6排油
制御弁(196)とを各介設し、ここで該第6排油制御弁
(196)は、前記スロットル弁(17)を押圧するプラン
ジャで構成して、スロットル開度に連動する操作子(19
6a)により左方の閉じ側に押動されるものとし、第5排
油制御弁(195)も同様にスロットル開度に連動する操
作子(195a)により左方の閉じ側に押動されるものと
し、低スロットル開度では該各制御弁(195)(196)が
右方の開き位置に復帰されて、3速→2速、4速→3
速、4速→2速のシフトダウン時に3速圧や4速圧が該
各制御弁(195)(196)を介しての排油で速やかに降下
されるようにした。また、第5排油制御弁(195)は、
右端外周の小径の段部(195b)を備えるものとし、高ス
ロットル開度時に第3排油路(LD3)を該段部(195b)
を介して右方の大気開放口に接続して、4速からのシフ
トダウン時に際して4速圧の降下を早めるようにした。
これは、一般にスロットル開度が高開度になる程高車速
側での変速が行われるように変速特性が設定されてお
り、この場合車速が増す程シフトダウンの前後でのエン
ジン回転数の変化量が大きくなるため、高スロットル開
度でのシフトダウンに際しては、高速段側のクラッチ圧
を早期に降下させて低速段側のクラッチ圧の上昇による
低速段の確立前にニュートラル状態を僅かに形成し、こ
こでエンジンを多少吹上らせた方が低速段の油圧クラッ
チの入力側と出力側の回転差が減少されて該クラッチが
スムースに係合し、円滑なシフトダウンが行われるため
である。
又、3速→1速のシフトダウンが行われた場合、3速油
圧クラッチ(C3)に接続される第2排油路(LD2)に介
設した第2排油制御弁(192)は開弁されず、このまま
ではオリフィス(202)のみからの排油が行われて3速
圧の降下が遅くなり、アクセルペダルを踏込んでの3速
→1速へのキックダウン変速時に1速伝動系(G1)が確
立されるまでに時間がかかって加速性が悪くなる。そこ
で、該第2排油路(LD2)を第1シフト弁(101)の1速
位置で該弁(101)に形成した環状溝(101f)を介して
排油ポート(101g)に接続するようにし、かかるキック
ダウン時には3速油圧クラッチ(C3)の油を該排油ポー
ト(101g)から絞り抵抗なしに排油し、1速伝動系(G
1)をタイムラグなしに確立し得るようにした。尚、
「D」レンジで1速油圧クラッチ(C1)は常時係合され
ており、3速油圧クラッチ(C3)が開放された時点で1
速伝動系(G1)が確立される。
以上、「D」レンジでの油路構成について説明したが、
マニアル弁(9)を「S」位置とする「S」レンジでも
「D」レンジと同様な油路構成となり、第1第2大気開
放弁(151)(152)を開閉する電子制御回路(16)に記
憶されている変速特性の切換えにより、例えば第7図に
示す如き変速特性での1速乃至4速の自動変速を行う。
第7図の変速特性は、第6図のものより高速側での変速
が行われ、スポーティな走行や山岳走行に適するように
設定されている。
尚、「D」レンジで第7油路(L7)と第8油路(L8)と
は、マニアル弁(9)の切欠溝(9b)を介して接続され
ていたが、「S」レンジでは該弁(9)の環状溝(9d)
を介して該両油路(L7)(L8)が接続される。
マニアル弁(9)を「2」位置とする「2」レンジで
は、第1油路(L1)に該弁(9)の切欠溝(9e)を介し
て接続される第14油路(L14)が該弁(9)の環状溝(9
d)を介して第8油路(L8)に接続され、ライン圧が第
1シフト弁(101)を介さずに第2シフト弁(102)に入
力される。ここで、「2」レンジでは、第1第2大気開
放弁(151)(152)が共に開弁されて第2シフト弁(10
2)は右方の2速位置に存し、第8油路(L8)が第9油
路(L9)に接続され、2速油圧クラッチ(C2)に給油さ
れて2速伝動系(G2)が確立される。
尚、「2」レンジでは、マニアル弁(9)に形成した軸
孔から成る排油孔(9f)に第2油路(L2)が該弁(9)
の切欠溝(9g)を介して接続され、1速油圧クラッチ
(C1)には給油されない。又、「D」「S」レンジでは
マニアル弁(9)の切欠溝(9h)を介して排油孔(9f)
に接続されていた第2シフト弁(102)の左端の油室(1
02b)に連なる第15油路(L15)がマニアル弁(9)の環
状溝(9i)を介して第6油路(L6)に接続され、第2大
気開放弁(152)により該油室(102b)の油圧を制御し
得る状態となる。これは、何らかの故障で第1第2大気
開放弁(151)(152)のソレノイドへの通電が不能とな
って、該両大気開放弁(151)(152)が閉弁されたまま
になっても(「D」「S」レンジでの4速段の状態)、
「2」レンジにすることで2速伝動系(G2)を確立し
て、強い駆動力を得られるようにするためである。即
ち、「2」レンジでは、第1大気開放弁(151)の閉弁
により第2シフト弁(102)の右端の油室(102a)にモ
ジュレータ圧が入力されても、第2大気開放弁(152
の閉弁により左端の油室(102b)にもモジュレータ圧が
入力され、モジュレータ圧による左方と右方の押圧力が
バランスしてばね(102c)により第2シフト弁(102
が右方の2速位置に切換えられ、2速油圧クラッチ(C
2)への給油が行われる。
又、「2」レンジで第2シフト弁(102)を介して2速
油圧クラッチ(C2)に給油するようにしたのは、「2」
レンジにおいても電子制御回路のプログラム次第で3速
伝動系(G3)を確立し得るようにするためである。即
ち、「D」「S」レンジで高速走行中に「2」レンジに
切換えると、エンジンのオーバーランや大きな変速ショ
ックを生ずることがあり、これを回避するため例えば所
定の高車速以上では「2」レンジであっても3速伝動系
(G3)を確立し得るようにすることが考えられ、かかる
制御を可能にするためである。
この場合、「D」「S」レンジと同様に第1油路(L1)
を第2油路(L2)に接続して、第1シフト弁(101)を
介して第2シフト弁(102)に給油することも考えられ
るが、これでは1速油圧クラッチ(C1)の故障で万が一
これからの油洩れを生ずると、「D」「S」レンジのみ
ならず「2」レンジでもライン圧低下によって総ての油
圧クラッチが係合できなくなり、前進走行不能となる不
具合を生ずる。
然し、上記の構成によれば、「2」レンジでは第1シフ
ト弁(101)を介さずに第8油路(L8)を介して第2シ
フト弁(102)に直接給油されるため、少なくとも
「2」レンジでの前進走行は可能になり上記不具合は生
じない。
マニアル弁(9)を「R」位置とする「R」レンジで
は、第1油路(L1)がマニアル弁(9)の切欠溝(9j)
を介して第1シフト弁(101)に連なる第16油路(L16)
に接続され、この場合電子制御回路(16)により、第1
大気開放弁(151)は閉、第2大気開放弁(152)は開と
なって(「D」「S」レンジでの3速段の状態)第1シ
フト弁(101)は左方の2速位置に切換えられているた
め、該弁(101)の環状溝(101h)を介して第16油路(L
16)がサーボ弁(11)の左端の油室(11a)に連なる第1
7油路(L17)に接続され、該サーボ弁(11)が該第17油
路(L17)を介して入力されるライン圧によりばね(11
b)に抗して右動し、該サーボ弁(11)に連結したセク
レタギア(6)が右方の後進位置に切換えられると共
に、後進位置で第17油路(L17)が該油室(11a)に連な
るサーボ弁(11)の軸孔(11c)を介してマニアル弁
(9)に連なる第18油路(L18)に接続される。
該第18油路(L18)は、マニアル弁(9)の「R」位置
で切欠溝(9c)を介して4速油圧クラッチ(C4)に連な
る第13油路(L13)に接続されており、かくて4速油圧
クラッチ(C4)への給油とセレクタギア(6)の後進位
置への切換えとで後進伝動系(GR)が確立される。
尚、サーボ弁(11)の後進位置への右動によれば、第3
シフト弁(103)の左端の油室(103b)に連なる第19油
路(L19)がサーボ弁(11)の切欠溝(11d)とばね室
(11e)とを介して第14油路(L14)に接続され、マニア
ル弁(9)の「R」位置で該第14油路(L14)に環状溝
(9a)を介して接続される排油ポート(9k)により該油
室(103b)が大気開放されるが、「R」レンジから
「D」「S」レンジに切換えたとき、後記する如くサー
ボ弁(11)の前進位置への復帰が遅れると、「D」
「S」レンジでは第14油路(L14)に上記の如く第1油
路(L1)が接続されることから、第14油路(L14)から
上記とは逆に第19油路(L19)を介して該油室(103b)
にライン圧が入力され、第3シフトバルブ(103)が強
制的に右方の3速位置に保持されるようにした。その理
由は以下の通りである。
即ち、電子制御回路(16)より変速制御を行う変速機で
は、車速センサ(16b)の入力信号系統に異常を生ずる
と正常な変速制御を行い得なくなり、例えば高速走行中
に低速段にシフトダウンされてエンジンのオーバーラン
等の不具合を生ずることがあり、そこでかかる変速機で
は、入力信号系統の異常を検出する自己診断機能を電子
制御回路(16)に付加し、異常検出時は最高速段を確立
するように変速制御するを一般としており、図示の実施
例について考えれば、4速段の状態即ち第1第2大気開
放弁(151)(152)を共に閉弁する状態となる。
従って、入力信号系統の異常を生じた状態で「R」レン
ジから「D」「S」レンジに切換えると、4速油圧クラ
ッチ(C4)に引続き給油されることになり、この場合サ
ーボ弁(11)の油室(11a)から第17油路(L17)と2速
位置に存する第1シフト弁(101)の環状溝(101h)と
第16油路(L16)とマニアル弁(9)の切欠溝(9j)と
を介して排油ポート(9l)に排油されるが、低温で油の
粘性が高いと該油室(11a)からの排油、従ってサーボ
弁(11)の左方の前進位置への移動が遅れ、「D」
「S」レンジに切換えた後もセレクタギア(6)が後進
位置に残ることがあり、4速油圧クラッチ(C4)への給
油と相俟って引続き後進伝動系(GR)が確立され、一方
「D」「S」レンジへの切換えによれば1速油圧クラッ
チ(C1)にも給油されるから、後進伝動系(GR)と1速
伝動系(G1)とが同時確立されることになり、1速4速
の油圧クラッチ(C1)(C4)のクラッチディスクの焼損
や早期摩耗を生ずる。
然し、上記の構成によれば、サーボ弁(11)の前進位置
への移動が遅れると、第3シフト弁(103)の左端の油
室(103b)に第19油路(L19)を介してライン圧が入力
されるため、その右端の油室(103a)に第2大気開放弁
(152)の閉弁でモジュレータ圧が入力されても、ライ
ン圧とばね(103c)とによる右方への押圧力がモジュレ
ータ圧による左方への押圧力を上回って第3シフト弁
(103)は右方の3速位置に保持され、4速油圧クラッ
チ(C4)からの排油と3速油圧クラッチ(C3)への給油
とが行われて、3速伝動系(G3)が確立され、上記の不
具合を生じない。
マニアル弁(9)を「N」位置とする「N」レンジで
は、第1油路(L1)からモジュレータ弁(13)に給油さ
れるだけで、マニアル弁(9)の下流側の油路には一切
給油されず、これはマニアル弁(9)を「P」位置とす
る「P」レンジでも同様である。
以上で各レンジでの油路構成の説明を終り、次に流体ト
ルクコンバータ(3)に内蔵するクラッチ(22)につい
て説明する。
第2図を参照して、該クラッチ(22)は、流体トルクコ
ンバータ(3)の入力側の例えば入力ケース(3a)と出
力側の例えばタービン翼車(3b)とを機械的に連結する
もので、入力ケース(3a)とタービン翼車(3b)との間
隙にタービン翼車(3b)にダンパスプリング(22b)を
介して連結されるクラッチ板(22a)を軸方向に移動自
在に設けて構成され、該トルクコンバータ(3)の内部
空隙を該クラッチ板(22a)により翼車収納室(23)と
入力ケース(3a)側の背圧室(24)とに区分し、後記制
御弁(25)により該内部空隙に該背圧室(24)側からの
給油を行うクラッチ解放状態と、該収納室(23)側から
の給油を行うクラッチ係合状態とに切換自在とし、係合
状態では該収納室(23)の内圧(以下Paと記す)と該背
圧室(24)の内圧(以下Pbと記す)との差圧に応じた係
合力で該クラッチ板(22a)が入力ケース(3a)に摩擦
係合されるようにした。
該制御弁(25)は、レギュレータ弁(12)に連なる第20
油路(L20)を背圧室(24)に連なる第21油路(L21)に
接続して該背圧室(24)への給油を行う右方の解放位置
(図示の位置)と、第20油路(L20)を翼車収納室(2
3)に連なる第22油路(L22)に接続して該収納室(23)
への給油を行う左方の係合位置とに切換え自在であり、
該制御弁(25)の右端の油室(25a)に第4油路(L4)
を介してモジュレータ圧(以下Pmと記す)を入力すると
共に、その左端の油室(25b)にオリフィス(N)
を介して第4油路(L4)に接続される第23油路(L23)
を接続し、該第23油路(L23)に電磁式の常閉型第3大
気開放弁(153)を接続して、該弁(153)の開弁によれ
ば該両油室(25a)(25b)の差圧により制御弁(25)が
ばね(25c)に抗して係合位置に切換えられ、クラッチ
(22)が係合されるようにした。
図面で(27)はPaを比較的高圧の所定値に調圧すべく翼
車収納室(23)に連なる第5排油路(LD5)に介設した
チェック弁から成る第1調圧室、(28)はオイルクー
ラ、(29)はオイルリザーバー、(301)(302)はオイ
ルクーラー(28)や潤滑部への流入圧が過度に上昇しな
いように設けたリリーフ弁を示す。
ここで、クラッチ(22)の係合状態は、PaとPbの差圧の
増減による係合力の変化で該クラッチ(22)の入力側と
出力側とを直結する直結状態と、入力側と出力側の滑り
を許容する滑り状態とに切換えられるもので、この差圧
を走行状態に応じて可変制御すべく以下のように構成し
た。
即ち、制御弁(25)の係合位置において前記第21油路
(L21)に接続される第24油路(L24)と、前記第22油路
(L22)から分岐した第25油路(L25)とを設け、該両油
路(L24)(L25)を第2調圧弁(31)を介して接続し
て、背圧室(24)と翼車収納室(23)とを連通する連通
路を構成し、又前記第5排油路(LD5)に前記第1調圧
弁(27)に並列の第6排油路(LD6)を接続して、これ
に開閉弁(32)を介設し、ここで該開閉弁(32)は、右
端の油室(32a)に入力される前記スロットル弁(17)
からのスロットル圧(以下Pθと記す)で左方の閉じ側
と第4油路(L4)にオリフィス(262)を介して接続さ
れる第26油路(L26)を介して左端の油室(32b)に入力
されるPm及びばね(32c)で右方の開き側に押圧される
ものとし、該第26油路(L26)に電磁式の常閉型第4大
気開放弁(154)を接続して、該開放弁(154)が開弁さ
れ且つPθが所定値Ps以上(スロットル開度が所定開度
θs以上)のときのみ該開閉弁(32)が閉弁されるよう
にし、該第4大気開放弁(154)の閉弁で左端の油室(3
2b)にPmが入力されているときは、スロットル開度が全
開になっても該開閉弁(32)は閉弁されないようにし
た。
前記第2調圧弁(31)は、第6排油路(LD6)に開閉弁
(32)の開弁で接続される第27油路(L27)を介して入
力される油圧即ちPaで右方の開き側と、第24油路(L2
4)に連なるパイロット油路(L24a)を介して入力され
る油圧即ちPbで左方の閉じ側とに押圧される差圧応動型
に構成されるものとし、更に該第2調圧弁(31)をスロ
ットル弁(17)からのPθで閉じ側と、前記第26油路
(L26)を介して入力されるPm及びばね(31a)で開き側
とに押圧するようにした。従って第2調圧弁(31)のPa
及びPbの受圧面積をS1、Pθ及びPmの受圧面積をS2、ば
ね(31a)の力をFとすると、第2調圧弁(31)に作用
する力の関係は、 PaS1+PmS2+F=PbS1+PθS2 となり、 の関係式が成立する。
前記第3大気開放弁(153)の開弁により上記の如く制
御弁(25)を係合位置に切換えてクラッチ(22)を係合
作動させる状態において、第4大気開放弁(154)を閉
弁させると、開閉弁(32)が開弁状態に保持され、Paは
第6排油路(LD6)を介しての排油により比較的低圧に
なり、又背圧室(24)への第2調圧弁(31)を介しての
給油が行われ、PaとPbの差圧は上記(1)式に従ってス
ロットル開度の増加に伴い増加し、クラッチ係合力がス
ロットル開度に応じたエンジンの出力トルクの増加に比
例して増加し、流体トルクコンバータ(3)の速度比が
出力トルクの増減に係りなく0.92〜0.93程度に保持され
るようにクラッチ(22)が滑り状態で作動する。
又、第4大気開放弁(154)を開弁してもスロットル開
度がθs以下の領域では、開閉弁(32)が開弁状態に保
持されるため、PaとPbの差圧は(1)式に従って変化す
るが、この場合第2調圧弁(31)へのPmの入力が第4大
気開放弁(154)の開弁によって停止されるため、
(1)式のPmの項が零になってその分PaとPbの差圧が増
加し、クラッチ(22)は流体トルクコンバータ(3)の
速度比を1.0にかろうじて保持するような疑似直結状態
で作動する。
第4大気開放弁(154)が開弁され且つスロットル開度
がθs以上になると、開閉弁(32)が閉弁され、第6排
油路(LD6)を介しての排油が停止されて、Paは第1調
圧弁(27)で設定される比較的高圧の値に保持され、ま
た第2調圧弁(31)への第27油路(L27)を介してのPa
の入力と、第26油路(L26)を介してのPmの入力とが停
止され、第2調圧弁(31)はPθ(Ps以上)によりばね
(31a)に抗して閉位置に押し切られて、排圧室(24)
への給油が停止され、Pbは大気圧に近い値となり、Paと
Pbの差圧が大きくなってクラッチ(22)は直結状態で作
動する。
上記した第3第4大気開放弁(153)(154)は、前記第
1第2大気開放弁(151)(152)と同様に電子制御回路
(16)により開閉制御されるもので、該制御回路(16)
は、第9図に示すプログラムに従い、所定時間間隔でス
ロットル開度等の入力信号の読込みストアと、変速制御
ルーチンと、クラッチ制御ルーチンとを順次実行し、次
いで変速制御ルーチンで出される第1第2大気開放弁
(151)(152)の開閉指令と、クラッチ制御ルーチンで
出される第3第4大気開放弁(153)(154)の開閉指令
とに応じた出力処理を実行し、各駆動回路(15b)を介
して各大気開放弁(151)(152)(153)(154)のソレ
ノイド(15a)の通電制御を行うようになっており、こ
の出力処理の状態は次の出力処理まで維持される。
ここで、変速制御ルーチンでは、走行レンジが「D」又
は「S」レジンであれば、それぞれ第6図又は第7図の
変速特性を記憶させた変速マップを検索し、その検索結
果に応じた第1第2大気開放弁(151)(152)の開閉指
令を出し、「D」「S」以外のレンジであれば、各レン
ジ毎に定められている第1第2大気開放弁(151)(1
52)の所定の開閉指令を出す。
又、クラッチ制御ルーチンでは、「D」レジン以外のレ
ジンのとき第3第4大気開放弁(153)(154)を共に閉
とする指令信号を出し、「D」レジンのとき、第8図の
作動特性を記憶させたマップを検索し、その検索結果に
応じた第3第4大気開放弁(153)(154)の開閉指令を
出すようになっており、「D」レジンにおける判定処理
を第10図に示す。図中S1は走行状態が第8図のa線より
高車速側のクラッチ作動領域に存するか否かを判別する
ステップ、S2は第8図のb線で囲われた直結領域に有す
るか否かを判別するステップ、S3は第1フラグF1が1か
否かを判別するステップ、S4はスロットル開度(以下θ
と記す)が全閉開度に近い所定の低開度(以下θと記
す)以下か否かを判別するステップ、S5は第2フラグF2
が1か否かを判別するステップ、S6は所定時間前に読込
んだθと今回読込んだθとの差(絶対値)即ちθの変化
度合(以下Δθと記す)が設定値α以下か否かの判別を
行うステップ、S7は所定時間毎に読込んだ車速と今回読
込んだ車速との差(絶対値)即ち車速Vの変化度合(以
下ΔVと記す)が設定値β以下か否かの判別を行うステ
ップ、S8はθがθより高開度の第2の設定開度(以下
θ′と記す)以下か否かの判定を行なうステップを示
す。
第8図のa線より低車速側のクラッチ不作動領域ではS1
→S9→S10→S11→S12の順に進み、S9で第1フラグF1
0、S10で第2フラグF2が1に書き換えられると共に、S
11で第4大気開放弁(154)と、S12で第3大気開放弁
(153)との閉弁指令が出され、該第3大気開放弁(1
53)の閉弁で制御弁(25)が解放位置に切換えられ、ク
ラッチ(22)は作動しない。
クラッチ作動領域の直結領域に存するときは、S1→S2→
S13→S14の順に進み、S13で第4大気開放弁(154)と、
S14で第3大気開放弁(153)との開弁指令が出され、ク
ラッチ(22)はθがθs以上のとき直結状態で、θs以
下のとき疑似直結状態で作動する。
クラッチ不作動領域からクラッチ作動領域の滑り領域即
ち第8図のa線とb線の間の領域に移行すると、S1→S2
→S3の順に進み、この場合第1フラグF1は前回S9で0に
書き換えられているため、S3からS4に進む。ここでθが
θより大きい場合は、S4からS15→S16→S17に進み、S
15で第2フラグF2が0に書き換えられると共に、S16で
第4大気開放弁(154)の閉弁指令、S17で第3大気開放
弁(153)の開弁指令が出され、かくてクラッチ(22)
は滑り状態で作動する。
又、滑り領域でのクラッチ作動中にθがθを下回る
と、S4からS5に進み、この場合第2フラグF2は0になっ
ているためS5からS6に進む。
この際、アクセルペダルを戻しての減速走行時であれ
ば、Δθが設定値αを上回るためS6からS18に進み、又
Δθが設定値α以下であっても、実際に減速されてΔV
が設定値βを上回っていれば、S6からS7を経てS18に進
み、何れの場合もS18で第2フラグF2を1に書き換えた
後S11→S12に進み、第4大気開放弁(154)と第3大気
開放弁(153)とが共に閉弁されてクラッチ(22)の作
動が解除され、以後θがθ以下である限り、S5から直
接、S11→S12の順に進み、ΔθやΔVの大きさに係りな
くクラッチ(22)は不作動状態に保持される。又この状
態でθがθを上回れば、S4からS15→S16→S17に進
み、クラッチ(22)は滑り状態で作動する。
これに対し、ΔθとΔVとが夫々設定値α、β以下とな
るクルーズ走行状態でθがθを下回ったときは、S4か
らS5→S6→S7→S19の順に進み、S19で第1フラグF1を1
に書き換えた後、S19からS11→S12に進んでクラッチ(2
2)の作動が解除され、以後第1フラグF1が1になって
いるためS3からS8に進みθがθ′以下である限り、S8
から直接S11→S12に進んでクラッチ(22)は不作動状態
に保持され、θがθ′を上回ったととき、S8からS20
に進んで第1フラグF1を0に書き換えた後S16→S17に進
み、クラッチ(22)が滑り状態で作動される。
従ってクルーズ走行時にθがθを一旦下回れば、以後
θの僅かな変化でこれがθを上回ったり下回ったりし
てもクラッチ(22)は不作動状態に保持され、クラッチ
(22)の断続的な作動は生じない。
尚、Δθだけを見てクルーズ走行時か否かを判別し、Δ
θ<αでθ<θになったとき、θ>θ′になるまで
クラッチ(22)を不作動状態に保持するようにしても良
いが、上記実施例の如くS7のステップを設けて、ΔVも
制御パラメータとして用いた方がクルーズ走行か減速走
行かの判断をより正確に行ない得られ有利である。
図面で(33)は第1乃至第4大気開放弁(151)(152
(153)(154)とモジュレータ弁(13)及びスロットル
弁(17)の上流側に設けたオイルフィルターを示す。
(発明の効果) 以上の如く本発明によるときは、クルーズ走行時に、ス
ロットル開度が所定の低開度を下回って一旦クラッチの
作動が解除されれば、以後スロットル開度の僅かな変化
でこれが該所定の低開度を上回ってもクラッチは作動さ
れず、クルーズ走行時のクラッチの断続的な作動が防止
されて乗り心地が良好となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用する車両用変速機の1例の線図、
第2図はその油圧回路図、第3図はマニアル弁とシフト
弁との拡大図、第4図は変速制御と流体トルクコンバー
タ用クラッチの作動制御とを行う電子制御回路のブロッ
ク線図、第5図は油圧回路に設けたスロットル弁の出力
特性図、第6図と第7図は「D」レンジと「S」レンジ
とにおける変速特性図、第8図は流体トルクコンバータ
用クラッチの作動特性図、第9図は電子制御回路の全体
的なプログラムを示すフローチャート、第10図はクラッ
チ制御ルーチンのフローチャートである。 (2)……エンジン、(3)……流体トルクコンバータ (22)……クラッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンで駆動される車両用変速機に備え
    る流体トルクコンバータに、該トルクコンバータの入力
    側と出力側とを機械的に連結すべく作動するクラッチを
    設け、該クラッチを所定車速以上で作動させると共に、
    該所定車速以上の領域のうち少なくとも低車速域ではエ
    ンジンのスロットル開度が所定の低開度以下になったと
    き該クラッチの作動を解除するようにしたものにおい
    て、 スロットル開度と車速との少なくとも一方の変化度合を
    検出する手段と、 該変化度合が設定値より大きな状態でスロットル開度が
    該所定の低開度を下回って該クラッチの作動が解除され
    たときにはその後スロットル開度が該所定の低開度を上
    回ったときに該クラッチの作動を許可するが、該変化度
    合が該設定値より小さい状態でスロットル開度が該所定
    の低開度を下回って該クラッチの作動が解除されたとき
    にはその後スロットル開度が該所定の低開度より高開度
    の第2の設定開度を上回るまで該クラッチの作動を禁止
    する制御手段と、 を備えることを特徴とする車両用変速機における流体ト
    ルクコンバータ用クラッチの作動制御装置。
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