JPH073082A - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH073082A
JPH073082A JP14946493A JP14946493A JPH073082A JP H073082 A JPH073082 A JP H073082A JP 14946493 A JP14946493 A JP 14946493A JP 14946493 A JP14946493 A JP 14946493A JP H073082 A JPH073082 A JP H073082A
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polyolefin resin
resin composition
component
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aluminum borate
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JP14946493A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsuruta
田 浩 之 鶴
Itsushi Imamura
村 五 士 今
Yoshimi Tomishige
重 誼 冨
Akira Kinoshita
下 暁 木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面外観が良好で、かつ剛性、強度、耐熱性
に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記の成分(a) 〜成分(d) からなるポリオレ
フィン系樹脂組成物。 成分(a) :成分(b) 以外のポリオレフィン樹脂 100重量部に対して、 成分(b) :MFRが0.5〜300g/10分のプロピレン系重合体で、少なく とも一部が不飽和有機酸又はその誘導体若しくは不飽和有機シラン化合物で変性 されたプロピレン重合体 0.05〜20重量部 成分(c) :硼酸アルミニウム 3〜30重量部 成分(d) :エチレン系又はスチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種 のエラストマー 2〜30重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリオレフィン
系樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、本発
明は表面外観が良好で、かつ剛性、強度、耐熱性に優れ
たポリオレフィン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂組成物には物
性の向上や増量等の目的で、種々の無機充填剤が配合さ
れている。そのような無機充填剤の中でも、特にタル
ク、ガラス繊維が安価な充填剤として一般に用いられて
いる。上記タルクを配合したポリオレフィン樹脂組成物
は、表面外観が良好であるという長所を有しているが、
剛性、強度、寸法安定性などの機械的物性、或いは耐熱
性が未だ十分であるとはいえない。
【0003】一方、上記ガラス繊維を配合したポリプロ
ピレン樹脂組成物は、剛性、耐熱性、寸法安定性につい
ては十分であるが、表面外観を著しく悪化させてしまう
という欠点があった。従って、これらのポリオレフィン
樹脂組成物の成形品は、工業材料や日用品材料、自動車
用部材等の、特に機械的強度、更に良好な外観の要求さ
れる製品にも使用されているが、高価であるために極め
て一部のものに限られていた。このような課題を解決す
べく試験研究がなされ、特開平1−118557号公報
には、ポリプロピレン樹脂とエチレン・プロピレン樹脂
とが混合された樹脂組成において、5〜15重量%のチ
タン酸カリウムウィスカーを混合した樹脂組成物が開示
されている。
【0004】また、特開昭62−9260号公報、特開
平3−146536号公報、特開平3−250040号
公報には、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー又は硼酸
アルミニウムウィスカーを、ポリプロピレン、エチレン
・プロピレン共重合樹脂、タルクと配合したポリプロピ
レン樹脂組成物が提案されている。更に、特開平1−3
19552号公報には炭酸カルシウムウィスカーにより
強化されたポリプロピレン樹脂組成物が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
50040号公報等の樹脂組成物は、ウィスカーを特別
の処理を施すことなく添加したものであり、ウィスカー
の特性を百パーセント引き出しているとはいい難い。ま
た、特開平1−118557号公報のチタン酸カリウム
ウィスカーを混合した樹脂組成物は、比剛性が十分とは
言えず、更にウィスカー自体がアルカリ性であるために
ポリプロピレンを黄変させる傾向が強く外観を悪化させ
てしまう。特開昭62−9260号公報及び特開平3−
146536号公報に記載される塩基性硫酸マグネシウ
ムウィスカーを用いた樹脂組成物は、比剛性は十分だ
が、耐熱性が悪く、ある温度を超えると結晶水を放出し
て樹脂成形体の外観を悪化させる傾向がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意研
究を重ねた結果、特定のポリオレフィン樹脂に、硼酸ア
ルミニウムを配合することにより、タルク等の粒子状或
いは板状のフィラーを充填した樹脂組成物の表面外観を
損なうことなく、かつ大幅に剛性、強度等の機械的性質
や耐熱性を向上させることができ、工業部品や日用品分
野の材料に使用可能なポリオレフィン樹脂組成物が得ら
れることを見出して本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、下記の成
分(a) 〜成分(d) からなるものである。 成分(a) :成分(b) 以外のポリオレフィン樹脂 100重量部に対して、 成分(b) :MFRが0.5〜300g/10分のプロピレン系重合体で、少なく とも一部が不飽和有機酸又はその誘導体若しくは不飽和有機シラン化合物で変性 されたプロピレン重合体 0.05〜20重量部 成分(c) :硼酸アルミニウム 3〜30重量部 成分(d) :エチレン系又はスチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種 のエラストマー 2〜30重量部
【0007】〔発明の具体的説明〕 [I] ポリオレフィン系樹脂組成物 (1) 構成成分 成分(a) :ポリオレフィン樹脂 本発明において用いられる成分(a) のポリオレフィン樹
脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オ
クテン−1等のα−オレフィンの単独重合体、或いは、
共重合体、若しくは、これらα−オレフィンとビニルエ
ステル(酢酸ビニル、酪酸ビニル等)、不飽和カルボン
酸又はその誘導体(例えば、アクリル酸、無水マレイン
酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)、芳香
族不飽和単量体(例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン等)等の他の不飽和単量体とのランダム又はブロック
共重合体、或いは、その共重合体の鹸化物又は金属イオ
ン化物等の樹脂を挙げることができる。但し、α−オレ
フィンと他の不飽和単量体との共重合体からは後記の成
分(b) に該当するものは除かれる。具体的には、超低密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ3−メチルペンテン
−1、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体等
がある。中でも好適な具体例は、ポリプロピレン、プロ
ピレン・エチレンブロック又はランダム共重合体、プロ
ピレン・エチレン・ブテン共重合体等のプロピレン重合
体があり、特にプロピレン・エチレン共重合体が好まし
い。
【0008】触 媒 これらのプロピレン重合体は、通常、チーグラー・ナッ
タ触媒にて製造されるが、この触媒には塩化マグネシウ
ム等の担体に触媒成分を担持させたものを使用すること
ができる。
【0009】重合法 重合法としては、溶媒中で重合させるスラリー重合法、
プロピレンモノマー中で重合させる液相法や気相法のい
ずれの方法でもかまわない。
【0010】密 度 このポリオレフィン樹脂の密度は0.907g/cm3
以上が好ましい。また、MFR(LIS−K7210,
230℃,2.16kg荷重)は0.5〜100g/1
0分が好ましく、特に1〜80g/10分が最適であ
る。ここでポリオレフィンの密度が0.907cm3
満のものは、樹脂組成物の剛性や耐熱性が劣り、不適格
である。また、MFRが0.5g/10分未満のものは
成形性が劣り、100g/10分を超えるものは衝撃強
度が劣ったものとなる。
【0011】成分(b) :変性プロピレン重合体 本発明において成分(b) の変性プロピレン重合体として
は、プロピレン系重合体を変性剤により変性したもので
ある。
【0012】変性剤 上記変性剤としては、不飽和有機酸又はその誘導体、若
しくは、不飽和有機シラン化合物、具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、トリメ
トキシ・ビニルシラン等の不飽和有機酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和有機
酸無水物、アクリル酸メチル、フマル酸モノアミド等の
不飽和有機酸のアミド、イタコン酸イミド等の不飽和有
機酸イミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン等の不飽和有機シラン化合物等を挙げるこ
とができる。これらの中でも、アクリル酸、無水マレイ
ン酸、ビニルトリメトキシシランを用いて変性するのが
好ましい。
【0013】変性法 変性法としては、特に限定されないが、例えばプロピレ
ン重合体の融点以上の温度下で加熱溶融混練する方法や
溶融混合法等がある。特に変性効率の点で後者がより好
ましい。上記変性剤化合物をプロピレン系重合体100
重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.
03〜15重量%添加してグラフト共重合法等により変
性する。ここで変性剤の濃度が0.01重量部未満で
は、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の剛性、耐熱
性が劣る。また、変性剤の濃度が20重量部を超えても
性能の改善が見られないばかりか生産コストも上昇する
ので不適当である。この際、変性の度合いを促進させる
ためにベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド等の有機過酸化物を用いるのが好ましい。この変性
プロピレン重合体のMFRは0.5〜300g/10
分、好ましくは2〜200g/10分である。MFRが
上記範囲未満であると硼酸アルミニウムの分散性に対す
る効果が期待できない。また、上記範囲を超えるとブリ
ードアウトにより最終的なポリオレフィン系樹脂組成物
の外観を悪化させる。
【0014】成分(c) :硼酸アルミニウム 本発明において用いられる成分(c) の硼酸アルミニウム
としては、通常使用されるものであれば構わないが、本
発明の効果がより奏される点で繊維径が一般に0.05
〜5μm、特に1〜3μm、繊維長さが一般に5〜15
0μm、特に10〜100μm、アスペクト比が4以
上、好ましくは5以上のウィスカー状(柱状又は針状)
の硼酸アルミニウムが好ましい。この硼酸アルミニウム
は合成品であるため寸法が極めて均一なものを製造でき
る場合が多く、その結果としてポリプロピレンに配合し
た際に、組成物の剛性、耐熱性が向上すると共に表面が
非常に平滑な成形体が得られる。
【0015】表面が多孔質アルミナで被覆された硼酸ア
ルミニウム 特に、この硼酸アルミニウムの製造過程において洗浄液
のpHを中性に、水温を70℃以上にコントロールする
ことにより、表層部分に多孔質のアルミナ層(厚みは数
オングストローム〜数十オングストローム)を持つ硼酸
アルミニウムが得られる。洗浄後の焼成温度により特に
表層のアルミナの形態が変化するが本用途には何等問題
はない。耐熱性を必要とする用途には、この多孔質アル
ミナ被覆硼酸アルミニウムを従来品に替えて使用するこ
とが好ましい。また、硼酸アルミニウムのポリオレフィ
ン樹脂に対する分散性を改良するためにシラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸金属塩等で処理することも何等の支障も存在
しない。
【0016】成分(d) :エラストマー 本発明において用いられる成分(d) のエラストマーとし
ては、エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)
やエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム
(EPDM)、エチレン・ブテン‐1二元共重合ゴムや
エチレン・プロピレン・ブテン‐1三元共重合ゴム等の
エチレン系エラストマー及び水素添加スチレン・ブタジ
エンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレン
ブロック共重合体等のスチレン系エラストマーから選ば
れた少なくとも一種のエラストマーを用いることができ
る。
【0017】エチレン系エラストマー 前記エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)は
プロピレン含量が20〜60重量%、好ましくは22〜
55重量%で、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が3
0〜100、好ましくは35〜100、特に好ましくは
60〜100のものである。エチレン・プロピレン・非
共役ジエン三元共重合ゴム(EPDM)では、沃素価が
20以下、特に18以下のものが好ましい。エチレン・
ブテン‐1二元共重合ゴムは、ブテン‐1含有量が5〜
30重量%、好ましくは10〜25重量%のものが好適
である。エチレン・プロピレン・ブテン‐1三元共重合
ゴムは、プロピレン含有量が20〜55重量%、好まし
くは25〜50重量%、ブテン‐1含有量が3〜15重
量%、好ましくは5〜12重量%のものが好適である。
ここで、エラストマーの共重合成分の含有量は、赤外線
吸収スペクトル分析法やNMR法等の常法により測定さ
れる値である。また、これらのゴムの結晶化度は全体に
対して30重量%以下のものが好ましい。これらの製法
や形状は特に限定されない。ここでプロピレン含有量が
20重量%未満のものや、60重量%を超えるものは得
られる樹脂組成物の衝撃強度が不十分であり、ムーニー
粘度が30未満のものは成形時にデラミネーションを発
生し易く、ムーニー粘度が100を超えるものはフロー
マークが発生し易く不適当である。
【0018】スチレン系エラストマー 水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体及び水
素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体として
は、それぞれ完全又は部分的に水素添加されたものであ
り、例えばスチレン・ブチレンブロック共重合体、スチ
レン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合
体と表現されるものである。通常その水添率は95%以
上であるが、99%以上のものが好ましい。また、エチ
レン含量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜50
重量%のものが好ましい。
【0019】(2) 量 比 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物における上記成分
(b) 〜成分(d) の各成分の配合割合は、ポリオレフィン
樹脂100重量部に対して下記に示す通りである。
【0020】すなわち、本発明のポリオレフィン樹脂組
成物における成分(b) の変性プロピレン重合体の配合量
は、ポリオレフィン樹脂成分(a) 100重量部に対して
0.05〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部
の割合にて使用される。変性プロピレン重合体成分(b)
の配合量が上記範囲未満では硼酸アルミニウムとポリオ
レフィン樹脂との密着性が不十分となり硼酸アルミニウ
ムの分散性が低下する。また、上記範囲を超えると、ポ
リオレフィン樹脂組成物の衝撃強度を著しく損なうばか
りでなく不経済である。
【0021】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物にお
ける成分(c) の硼酸アルミニウムの配合量は、ポリオレ
フィン樹脂成分(a) 100重量部に対して3〜30重量
部、好ましくは5〜20重量部、特に好ましくは5〜1
5重量部の割合にて使用される。成分(c) の配合量が上
記範囲未満では補強効果が不十分であり、機械的強度が
低下する。また、上記範囲を超えると、ポリオレフィン
樹脂組成物の衝撃強度を著しく損なうばかりでなく、密
度も大きくなり過ぎ、実用性、更には不経済で不適当で
ある。
【0022】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物にお
ける成分(d) のエラストマー成分の配合量は、ポリオレ
フィン樹脂成分(a) 100重量部に対して2〜30重量
部、好ましくは5〜25重量部、特に好ましくは5〜2
0重量部の割合にて使用される。成分(d) の配合量が上
記範囲未満では成形体の衝撃強度が不十分である。ま
た、上記範囲を超えると、耐熱性、剛性が著しく損なう
ばかりでなく、不経済であり不適当である。
【0023】(3) 付加的成分 (a) 板状の無機質充填剤 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、反り変形の
改良を目的として板状の無機質充填剤を加えることがで
きる。板状の無機質充填剤としては、アルミナ、水酸化
アルミニウム、カオリンクレー、酸化鉄、セリサイト、
二硫化モリブデン、バライト(硫酸バリウム)、ひる
石、タルク、マイカ、ガラスフレーク等を挙げることが
できる。これらの中でも特にタルク、マイカ、ガラスフ
レーク等を使用することが好ましい。これらの無機質充
填剤は一種を単独で使用しても、或いは、二種以上を併
用しても良い。これらの板状無機質充填剤の板状形態と
しては、縦又は横いずれかの長さと厚みの比を示すアス
ペクト比の平均値は好ましくは3以上、特に好ましくは
4以上である。中でも比表面積が35,000cm2
g以上、平均粒径が0.2〜2.5μm、粒度分布は全
体が実質的に15μm以下であって、10μm以下が9
5%以上、5μm以下が80%以上、1μm以下が5〜
50%で、かつアスペクト比が5以上のタルクが好まし
い。板状無機質充填剤を加えた場合の本発明のポリオレ
フィン系樹脂組成物における配合は、ポリオレフィン樹
脂100重量部に対して板状無機充填剤5〜30重量
部、好ましくは10〜20重量部の割合である。板状無
機質充填剤が上記範囲未満の割合には反り変形の低減効
果が少ない。また、上記範囲を超えると、ウェルド外観
が悪くなり、フローマークが発生し易くなる。
【0024】(b) その他の配合成分 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は発明の目的を著
しく損なわない範囲内であれば、前記以外のその他のエ
ラストマー、各種無機質充填剤、各種添加剤等を含有さ
せることができる。上記その他のエラストマーとして
は、例えばポリエステル系エラストマー、ポリアミド系
エラストマー等を挙げることができる。その他の無機質
充填剤としては、例えば珪酸カルシウム、酸化マグネシ
ウム、不定形、立方状或いは紡錘状、繊維状の炭酸カル
シウム、石膏、カーボンブラック、酸化チタン、石英等
を所望に応じて配合しても良い。また、添加剤としては
熱安定剤、加工安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外
線吸収剤、分散剤、表面処理剤、帯電防止剤、滑剤、難
燃剤、着色剤等を所望に応じて配合しても良い。
【0025】[II] ポリオレフィン系樹脂組成物の製造 (1) 配合・混練 (a) 配合・混練方法 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記成分(a)
〜成分(d) の各構成成分を所定料配合し、予め、ヘンシ
ェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、タ
ンブラー等で配合しブレンドした後、一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグ
ラフ、ロール、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練
することにより得られるのが一般的である。各成分の分
散を良好にする混練方法を選ぶのが好ましく、このよう
な方法には一般に二軸押出機が用いられる。特に好まし
い混練方法は、ポリオレフィン樹脂等の成分の所定量と
硼酸アルミニウム成分の所定量とを別々に分け、次に、
混練機の押出口から遠い位置にある材料供給口(第1材
料供給口)にポリオレフィン樹脂等の成分(成分(a) 、
(b)及び(d) )を供給し、押出口に近い位置にある材料
供給口(第2材料供給口)に硼酸アルミニウム(成分
(c) )を供給することにより、ポリオレフィン樹脂成分
等がスクリューにより押し進められて溶融状態になった
ところで、硼酸アルミニウムが導入され、これらを混練
することによって製造される。このような混合方法を採
用することによって、ポリオレフィン系樹脂組成物中で
硼酸アルミニウムの形状を保ち、本発明のポリオレフィ
ン系樹脂組成物の効果をより十分に発揮させることがで
きる。なお、タルク等の板状形態を有する無機充填剤を
使用する場合は、第1材料供給口或いは第2材料供給口
のいずれから供給しても良い。
【0026】(b) 配合・混練条件 特に造粒条件に制限があるわけではないが、一般にポリ
オレフィン樹脂の溶融温度180〜250℃、好ましく
は190〜240℃の温度で混練することにより行なわ
れる。
【0027】(2) 成形体 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形することに
よって得られる成形体は、表面外観、ウェルド外観が良
好で、反り変形が無く、剛性、強度、耐熱性、寸法安定
性に優れたものである。本発明のポリオレフィン系樹脂
組成物を用いた成形体の成形は、通常の方法によって行
うことができる。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出
成形(シート成形、ブロー成形)等のいずれの方法も可
能であるが、これらの中でも特に射出成形用材料に適し
たものである。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
をより具体的に説明する。なお、ここで使用した必須原
材料及び評価法は次に示すとおりである。 (1) 必須原材料 (a) 成分 a1:プロピレン・エチレンブロック共重合体(エチレ
ン含有量9.5重量%、MFR30g/10分)
【0029】(b) 成分 b1:マレイン酸変性プロピレン重合体(変性量4%、
分子量8,000) b2:マレイン酸変性プロピレン重合体(変性量0.6
%、分子量20,000) b3:ビニルトリメトキシシラン変性プロピレン重合体
(変性量2.5%、分子量250,000)
【0030】(c) 成分 c1:硼酸アルミニウム(平均繊維径0.5〜1.5μ
m、平均繊維長さ10〜30μm) c2:表面多孔アルミナコーティング硼酸アルミニウム
(平均繊維径0.5〜1.5μm、平均繊維長さ10〜
30μm) c3:塩基性硫酸マグネシウム(平均繊維径0.5〜1
μm、平均繊維長さ10〜100μm) c4:チタン酸カリウム(平均繊維径0.2〜0.5μ
m、平均繊維長さ10〜25μm) c5:炭酸カルシウムフィスカー(平均繊維径0.5〜
1μm、平均繊維長さ10〜15μm)
【0031】(d) 成分 d1:ムーニー粘度ML1+4 (100℃)60、プロピ
レン含量27重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴム
(EPM) d2:スチレン含量30重量%の水素添加スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体
【0032】(2) 評価方法 (a) MFR 成形体試片についてJIS−K6758に準拠して測定
した。 (b) 曲げ弾性率 成形体試片についてJIS−K7203に準拠して測定
した。 (c) アイゾット衝撃強度(切削ノッチ付き) 成形体試片についてJIS−K7110に準拠して測定
した。 (d) 熱変形温度 成形体試片についてJIS−K7207に準拠して測定
した。ファイバーストレスは4.6kg/cm2 であ
る。 (e) 反り変形量 120×120mm、厚さ1.8mmの射出成形シート
を室温23℃で48時間放置した後、シートを平板状に
置き、その一辺を押さえ他の一辺の反り変形の最大値を
測定した。
【0033】(3) 実験例 実施例1〜5,9及び比較例1,2,4〜8,11 表1に示す種類と配合量のポリオレフィン樹脂及びエラ
ストマーをヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練
機(神戸製鋼所、KTX44)の第一材料供給口から供
給し、表1に示す種類と配合量の成分(C) を第二材料供
給口から供給した。混練温度200℃、スクリュー回転
数250rpmで第一材料供給口から供給したポリオレ
フィン樹脂とエラストマーは第二材料供給口に到着した
時には溶融状態となっており、そこに供給された成分
(C) と混合され、押し出されたストランドをカッターで
切断してペレットを製造した。得られたペレットを射出
成形機により230℃の温度で物性評価用試験片及び反
り変形評価用試験片を成形した。この場合の成形サイク
ルは各々合計45秒及び50秒であった。その評価結果
を表1に示す。
【0034】実施例6〜8及び比較例3,9,10 表1に示す種類と配合量のポリオレフィン樹脂及びエラ
ストマー及び平均粒径が1.8μmのタルク、同17μ
mのマイカのフィラーをヘンシェルミキサーで混合した
後、二軸混練機(神戸製鋼所、KTX44)の第一材料
供給口から供給し、表1に示す種類と配合量の成分(C)
を第二材料供給口から供給し、実施例1と同様にしてペ
レットを製造した。実施例1と同様にして物性評価用試
験片及び反り変形評価用試験片を成形して評価した。そ
の評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】*1:銀条(シルバーストリーク) *2:黄変 *3:分散不良 *4:ウェルドやフローマーク目立つ
【0037】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、ポリオレフィン樹脂に特定の変性プロピレン重合
体、硼酸アルミニウム又は特殊な表面を持つ硼酸アルミ
ニウム及びエラストマーを混合することにより、表面外
観が良好で、反り変形が無く、機械的性質及び耐熱性に
優れた成形品、特に自動車部材に有用な優れたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木 下 暁 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(a) 〜成分(d) からなるポリオ
    レフィン系樹脂組成物。 成分(a) :成分(b) 以外のポリオレフィン樹脂 100重量部に対して、 成分(b) :MFRが0.5〜300g/10分のプロピレン系重合体で、少なく とも一部が不飽和有機酸又はその誘導体若しくは不飽和有機シラン化合物で変性 されたプロピレン重合体 0.05〜20重量部 成分(c) :硼酸アルミニウム 3〜30重量部 成分(d) :エチレン系又はスチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種 のエラストマー 2〜30重量部
  2. 【請求項2】ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン、
    プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン
    ・ブテン共重合体から選ばれた少なくとも一種のプロピ
    レン重合体樹脂である、請求項1に記載のポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂が、MFR0.5〜1
    00g/10分のポリオレフィン樹脂である、請求項1
    に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硼酸アルミニウムが、表面が多孔質アルミ
    ナで被覆されたものである、請求項1に記載のポリオレ
    フィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】硼酸アルミニウムが、ウィスカー状のもの
    である、請求項1又は4に記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】硼酸アルミニウムが、平均繊維径0.05
    〜5μm、平均繊維長さ5〜150μmのウィスカーで
    ある、請求項1、4又は5のいずれかに記載のポリオレ
    フィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】硼酸アルミニウム以外の板状の無機質充填
    剤5〜30重量部が更に配合した混合物が含まれてい
    る、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
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