JPH07307199A - 誘導プラズマの発生方法および装置 - Google Patents

誘導プラズマの発生方法および装置

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JPH07307199A
JPH07307199A JP7055361A JP5536195A JPH07307199A JP H07307199 A JPH07307199 A JP H07307199A JP 7055361 A JP7055361 A JP 7055361A JP 5536195 A JP5536195 A JP 5536195A JP H07307199 A JPH07307199 A JP H07307199A
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昌広 宮本
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守 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】誘導プラズマの点弧源としてラジオ周波数領域
の高周波電源を用いなくても済むようにする。 【構成】絶縁管22と、この絶縁管22の軸方向の一方
端に設けられたプラズマトーチ100と、絶縁管22の
外周に巻回されたコイル15と、このコイル15に接続
され周波数が500kHz以下の交番電流を出力する交流
電源14とにより構成され、プラズマトーチ100が、
その間隙にシードガス7が吹き込まれる電極対103
と、この電極対103に並列接続された直流電源104
と、直流電圧の印加によってプラズマ化した電極間のシ
ードガス7を絶縁管22の内部に向けて射出するノズル
108とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波電圧の誘導に
よってプラズマを発生させる方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波電圧によって空間に電界を形成す
ると、その空間内で電子が往復運動を行う。この電子が
中性ガスと衝突電離をくり返すことによって、イオンが
増大し、プラズマが形成される。高周波電圧によって誘
導されるプラズマは、空間に直接、電極を配す必要がな
いので、電極から発生する不純物の混入を避けることが
できる。そのために、プラズマ化学やプラズマCVDの
分野では材料の成膜やエッチング処理にこの高周波誘導
プラズマがしばしば用いられている。
【0003】図5は従来の誘導プラズマの発生装置の構
成を示す断面図である。円筒状の絶縁容器2の上下にフ
ランジ4,9が取り付けられ、上部のフランジ4には上
蓋5が被さっている。フランジ4,9の中心には絶縁管
11が固定されている。絶縁管11と絶縁容器2との間
には冷却水3とともに、図示されていない支えを介して
第1コイル1が配されている。第1コイル1は絶縁被覆
された導体でもって絶縁管11の外周を軸方向にらせん
状に巻回されたものであり、その両端は高周波電源10
に接続されている。
【0004】また、図5において、上蓋5の中心にキャ
リアガス8を通すための絶縁管8Aと、シードガス7を
通すための絶縁管13とが配されている。さらに、上蓋
5には絶縁管11の内部に連通する横穴7A,6Aが設
けられてあり、それぞれシードガス7,シースガス6を
絶縁管11の内部に導いている。絶縁管11の上部内周
面と絶縁管13の外周面との間には、スペーサ6Bが介
装されている。このスペーサ6Bは、らせん状に形成さ
れてあり、これによってシースガス6をらせん状に流す
ように誘導している。なお、図5の装置全体は図示され
ていない真空容器内に収納されている。
【0005】図5を用いて絶縁管11内部に誘導プラズ
マ12が形成されるメカニズムを次に説明する。横穴7
Aを介してシードガス7が絶縁管11内部の真空中に流
される。シードガス7は、例えばArなどの不活性気体
が用いられ、誘導プラズマ12の種(シード)になるも
のである。また、同時に横穴6Aを介してArなどのシ
ースガス6も絶縁管11内部に流される。このシースガ
ス6はらせん状のスペーサ6Bの介在によって絶縁管1
1の内壁面に沿ったらせん状の流れ(点線で示す)にな
る。この状態で高周波電源10から第1コイル1に高周
波電流を流すと、絶縁管11の内部に軸方向の高周波磁
界が発生する。さらに、この磁界を打ち消すために絶縁
管11の中心軸のまわりを環状に誘導電流が流れる。シ
ードガス7は、初期は分子自体が中性であるが、このガ
ス中に微小に含まれている初期電子が高周波磁界によっ
て絶縁管11内で周方向に振動する。この電子が中性分
子と衝突電離し、イオンおよび電子の増大によってシー
ドガス7がプラズマ状態になる。図5の誘導プラズマ1
2は上述のメカニズムによって形成されたものであり、
この誘導プラズマ12内には誘導電流が流れジュール加
熱によって、その領域の温度は数千から数万度にも達す
る。
【0006】シースガス6は、誘導プラズマ12が絶縁
管11の内壁面に直接触れないようにするためのもので
ある。シースガス6を絶縁管11の内壁面に沿ってらせ
ん状に流すことによって誘導プラズマ12の外周側を冷
却し、誘導プラズマ12を絶縁管11の中心軸側へ定在
させている。冷却水3を流すことによって、第1コイル
1および絶縁管11を冷却するとともに、シースガス6
も冷やし、シースガス6自体がプラズマ化することも防
いでいる。
【0007】図5において、誘導プラズマ12が形成さ
れると、絶縁管11の上部から、キャリアガス8を流
し、誘導プラズマ12中に混入させる。誘導プラズマ1
2の高温によって、キャリアガス8とシードガス7とを
反応させ、その反応ガスを絶縁管11の下部により取り
出す。キャリアガス8は、ガス単独の場合もあれば、ガ
スと粉末との混合体である場合もある。この誘導プラズ
マ12は、例えば半導体表面の成膜やエッチングなどの
プラズマ処理に使われる。オゾン層の破壊原因とされて
いるフロンをプラズマによって分解する装置などにも使
用することができる。
【0008】しかしながら、前述した図5の装置は、直
径の大きい誘導プラズマを形成すると、誘導プラズマ内
の温度分布が不均一になるという問題があった。図5の
装置において、第1コイル1にはMHzオーダ以上、一
般的には10MHzオーダのラジオ周波数領域の高周波
電流が流されていた。そのために表皮効果により誘導電
流のほとんどが誘導プラズマの外周表面を流れ、高温領
域が外周側に片寄り、内部の温度上昇が充分でなかっ
た。したがって、従来は直径にして50〜60mmの誘
導プラズマが実用に供されるのが限界であった。プラズ
マ処理などの実用装置においては、温度分布が均一で、
かつ出来るだけ直径の大きい誘導プラズマを用いた方が
そのプラズマ処理能力が向上する。
【0009】図6は、従来の異なる誘導プラズマの発生
装置の構成を示す断面図である。この装置は、直径が大
きくなっても温度分布が均一な誘導プラズマを形成する
ことができるものであり、その発生原理は発明者が文献
1に公表している。 文献1・・・作田他「低周波・大容量誘導プラズマの安
定発生条件」 日本AEM学会誌 Vol.1, No.1, P.25
〜P.30 June 1993 図6はプラズマ発生装置が2段に構成されたものであ
り、上段の装置は図5と同様な構成となっている。した
がって、同じ部分は同一参照符号に用いることにより説
明は省略する。下段にもう一つの絶縁容器21が設けら
れ、この絶縁容器21はフランジ41と42とで挟持さ
れている。絶縁容器21の内部には絶縁管22,23が
設けられるとともに絶縁管22,23との間にらせん状
のスペーサ60Bが介装されている。フランジ41には
キャリアガス80を通すための横穴80Aと、シースガ
ス60を通すための横穴60Aとが設けられ、いずれも
絶縁管22の内部に連通している。一方、絶縁容器21
の内側には冷却水20に浸された第2コイル15が配さ
れ、交流電源14に接続されている。第2コイル15は
絶縁被覆された導体よりなり、絶縁管22の外周を巻回
している。なお、図5ではキャリアガス8は上蓋5から
送り込まれていたが、図6の装置ではフランジ41の横
穴80Aから送り込まれている。また、第1コイル1に
はMHzオーダないし数10MHzのラジオ周波数領域の高
周波電流が流され、第2コイル15には500kHz以下
である非ラジオ周波数領域の交番電流が流されている。
【0010】図6において、第1コイル1の内側に形成
される誘導プラズマ18は、図5における誘導プラズマ
12と同様のメカニズムにて形成される。この誘導プラ
ズマ18は、シードガス7の流れに従って下方に進み、
内径の広い絶縁管22の中に送り込まれ、横穴80Aか
ら流し込まれるキャリアガス80と混ざり合う。絶縁管
22の内部にプラズマ状態のものが流れ込んでくるの
で、絶縁管22の外周に配された第2コイルによる磁界
形成によって誘導電流が絶縁管22内に誘起される。こ
れによって、誘導プラズマ19が発生する。絶縁管22
の内径は絶縁管11のそれより大きいので、誘導プラズ
マ18は半径方向に大きく広がった誘導プラズマ19に
成長する。なお、シースガス60はらせん状のスペーサ
60Bを介して流れ出るので、シースガス6の流れと同
様に絶縁管22の内壁面に沿ってらせん状に流れてい
る。このシースガス60によって、誘導プラズマ19が
絶縁管22に直接触れないようにしている。上述のよう
に、誘導プラズマ18は誘導プラズマ19の点弧源とな
っている。すなわち、第2コイル15に流される交番電
流の周波数は500kHz以下である非ラジオ周波数領域
にあるので、誘導プラズマ19はそれ単独では点弧しな
い。図6の構成にしておけば、上部の絶縁管11の内径
dを必ずしも50ないし60mm以下とする必要はな
い。誘導プラズマ18は点弧するだけでよく、その内部
の温度分布は均一でなくてもよい。プラズマ18が下方
に流れ誘導プラズマ19となったときに、第2コイル1
5による誘導電流によって全体が均一に加熱される。例
えば、絶縁管11の内径dを100mm、絶縁管22の
内径Dを300mmに構成しても、直径が数100mm
でかつ内部まで温度が均一な誘導プラズマを形成するこ
とができる。その理由は第1コイル1によって形成され
る誘導電流はMHzオーダ以上の高周波なので、表皮効果
により誘導プラズマ18の表面側だけを主として流れ
る。一方、第2コイル15によって形成される誘導電流
は500kHz以下と低周波になるので、その表皮効果が
薄れ誘導プラズマ19の内部まで誘導電流が流れやすく
なる。そのために、誘導プラズマ19は内部まで温度が
均一になる。交流電源14としては、数kHzから数百Hz
という低周波数のものを用いてもよい。交流電源14の
周波数が低周波側になるに従って表皮効果が薄れ、プラ
ズマ19の温度がより均一になる。したがって、図5の
従来の装置における絶縁管13の内径dは50〜60m
mが限度であったのが、図6の装置では絶縁管22の内
径Dを数100mmに拡大して構成しても、均一な誘導
プラズマ19を得ることができる。図6の装置によって
数100mmの直径の誘導プラズマを形成させても、全
体の温度が均一なのでプラズマ処理を広い面積で実施す
ることができ、プラズマ処理の効率が大幅に向上する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の装置は、高周波電源が必要であるという問題が
あった。高周波電源としては、その周波数が少なくとも
1MHzオーダ以上、好ましくは数MHzから数10MHzの
ラジオ周波数領域のものでないと、プラズマシードガス
が点弧しない。しかも、その出力容量としても数10k
W以上のものが必要であった。周波数が高くかつ容量も
大きくなると、その発生熱量も増加するので設備も大型
化しかつ高価なものになってくる。
【0012】この発明の目的は、誘導プラズマの点弧源
として高周波電源を用いなくても済むようにすることに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の方法によれば、絶縁管の軸方向の一方端
から絶縁管の内部へ直流電圧の印加によって予めプラズ
マ化されたシードガスを射出し、絶縁管の外周に巻回さ
れたコイルに周波数が500kHz以下の交番電流を流
し、絶縁管内に誘導プラズマを発生させることとすると
よい。
【0014】上記目的を達成するために、この発明によ
れば、絶縁管と、この絶縁管の軸方向の一方端に設けら
れたプラズマトーチと、絶縁管の外周に巻回されたコイ
ルと、このコイルに接続され周波数が500kHz以下の
交番電流を出力する交流電源とにより構成され、プラズ
マトーチが、その間隙にシードガスが吹き込まれる電極
対と、この電極対に並列接続された直流電源と、直流電
圧の印加によってプラズマ化した電極間のシードガスを
絶縁管の内部に向けて射出するノズルとを備えたものと
するとよい。
【0015】かかる構成において、プラズマトーチが複
数配されてなるものとしてもよい。
【0016】
【作用】この発明の構成によれば、絶縁管の軸方向の一
方端にプラズマトーチを設け、このプラズマトーチのノ
ズルから直流電圧の印加によってプラズマ化したプラズ
マシードガスを絶縁管の内部に向けて射出する。このプ
ラズマ化したシードガスが誘導プラズマの点弧源とな
り、周波数がMHzオーダ以上の高周波電源は必要なくな
り、かつ直流電源の出力容量も1kW程度のものでよ
い。したがって、設備も小型かつ安価なものになる。
【0017】かかる構成において、プラズマトーチが複
数配される。プラズマトーチのノズルを絶縁管の端面に
満遍なく一様に配しておけば、絶縁管の内径を大きくし
ても誘導プラズマが点弧しやすくなり、直径がどんなに
大きい誘導プラズマでも形成することができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1は、この発明の実施例にかかるプラズマ発生装
置の構成を示す断面図である。プラズマトーチ100が
陰電極101(例えば、タングステンや銅一コンスタン
タン)および陽電極102(例えば、銅や黄銅)よりな
る電極対103と、この電極対103にスイッチ111
を介して並列接続された直流電源104と高電圧パルス
電源105とにより構成されている。陽電極102は容
器を形成し、絶縁体106を介して陰電極101を支持
している。また、陽電極102の絶縁管22側は横穴8
0A,60Aを形成するとともにプラズマジェット10
7を射出するノズル108を形成する穴を備えている。
さらに、陽電極102には、シードガス7が吹き込まれ
る吹き込み穴110が設けられている。その他の構成
は、図6に説明された従来の構成と同じである。同じ部
分には、同一参照符号を付けることにより詳細な説明を
繰り返すことは省略する。
【0019】図1において、シードガス7を吹き込み穴
110から陽電極102の内部へ吹き込み、ノズル10
8から絶縁管22の内部へシードガス7を吹き出させ
る。シードガス7の流量としては、毎分10〜30リッ
トル程度でよい。その状態でスイッチ111を投入し電
極対103に電圧を印加する。高電圧パルス電源105
からの高電圧パルスによって陰電極101の先端部と陽
電極102のノズル108付近との間にあるシードガス
7を絶縁破壊させ、シードガス7をプラズマ状態にす
る。ここで電極対103の電極間隔を例えば1mmとし
た場合、前記高電圧パルスの波周値は最低1000V程
度であればよい。また、シードガス7の圧力は、プラズ
マ発生の最初の段階では、印加電圧が直流でも放電しや
すい圧力、すなわち100〜200Paの圧力まで減圧
している。高電圧パルスが消えた後でも、直流電源10
4による直流電圧が電極対103に印加されているの
で、シードガス7のプラズマ状態は維持される。ここ
で、高電圧パルス印加により一旦プラズマが発生した後
シードガス7のプラズマ状態を維持するために必要な直
流印加電圧は、電極対103の電極間隔を例えば1mm
とした場合、最低20V程度であればよい。吹き込み穴
110からは、シードガス7が継続して吹き込まれるの
でノズル108からプラズマ化したシードガス7の射出
体であるプラズマジェット107が絶縁管22の軸中心
付近を下に伸びてくる。
【0020】図2は、図1のプラズマジェット107が
点弧源となって誘導プラズマ112が形成された状態を
示す断面図である。絶縁管22の内部にプラズマ状態の
プラズマジェットが流れ込んでくるので、絶縁管22の
外周に配されるとともに交流電源14(例えば、40な
いし50kW以上)が接続された第2コイル15による
磁界形成によって誘導電流が絶縁管22内に誘起され
る。これによって、誘導プラズマ112が発生する。絶
縁管22の内径(例えば、100mm以上)は絶縁管1
1のそれより大きいので、プラズマジェットはキャリア
ガス80とともに半径方向に大きく広がった誘導プラズ
マ112に成長する。
【0021】なお、図1の装置による誘導プラズマ発生
の実験では、直径が100mmでかつ内部まで温度が均
一な誘導プラズマを形成することができた。実験条件は
次の通りである。 絶縁管の内径a=100mm 誘導電流源の周波数f=42kHz また、上記実験での誘導プラズマの半径方向の温度分布
は、10、000K±500Kとほぼ一定であった。
【0022】以上のように本発明による誘導プラズマ発
生装置において、プラズマの加熱・維持のための誘導電
流源として、従来のラジオ周波数領域の高周波電源の代
わりに500kHz以下の低周波電源を用いることによ
り、高周波電源を使用した場合に実用可能な誘導プラズ
マの直径の限界50〜60mmをはるかに越える直径の
誘導プラズマが実用可能となることが実験で確認され
た。
【0023】上述のように、図1のプラズマジェット1
07は誘導プラズマ112の点弧源となっている。すな
わち、第2コイル15に流される交番電流の周波数は5
00kHz以下である非ラジオ周波数領域にあるので、誘
導プラズマ112はそれ単独では点弧しない。図1の構
成にすることによって、MHzオーダ以上の高周波電源が
必要なくなった。また、プラズマ発生の最初の段階で陰
電極101の先端部と陽電極102のノズル108付近
との間にあるシードガス7を絶縁破壊させ、シードガス
7をプラズマ状態にするための高電圧は、高電圧パルス
電源105の方から印加するようにしているので、高電
圧の直流電源は不要であり、直流電源104は30ない
し50V,30A、すなわち、1kW程度の小容量のも
のでよい。しかも、誘導プラズマ112の点弧後は、ス
イッチ111を遮断しても誘導プラズマ112は継続す
る。そのため、直流電源104および高圧パルス電源1
05は誘導プラズマ112の点弧時だけに必要なもので
ある。さらに、プラズマトーチ100は、従来の装置の
ように第1コイルやその冷却水も不要であり、非常に簡
素な装置であるために安価である。
【0024】高周波電源を用いないで誘導プラズマを点
弧させる他の方法として、実開平1−168946号公
報に絶縁管22の軸方向の両端に高電圧を印加し、絶縁
管22の内部で発生する火花放電を点弧源とする方法が
記載されている。図1のプラズマトーチ100による方
法も高電圧パルス電源105が用いられているが、高電
圧を絶縁管22の軸方向の両端に印加するのではなく、
プラズマトーチ100内の電極対103に印加する点が
全く異なっている。そのために、プラズマトーチ100
内の電極対103のギャップ長を予め小さく設定してお
けば、それ程高い高電圧は必要ない。すなわち、高電圧
パルス電源105の発生電圧は絶縁管22の大きさに関
係せず、プラズマジェット107を点弧させるための最
低限の大きさでよい。絶縁管22内のプラズマジェット
107は絶縁管22の軸方向に長い方が誘導プラズマ1
12(図2)が点弧しやすい。このプラズマジェット1
07の長さは吹き込み穴110からのシードガス7の吹
き込み圧力を変えることによって簡単に調整することが
できる。なお、図1において、高電圧パルス電源105
は必ずしもなくてもよい。直流電源104の出力電圧を
一時的に昇圧させ、電極対103を絶縁破壊させた後に
直流電圧を下げ、プラズマジェット107が安定する電
圧に直流電源104を設定してもよい。
【0025】なお、シードガス7,シースガス60およ
びキャリアガス80は、いずれもArが一般的である
が、その他に、HeやNeなどの希ガスでもよい。シー
スガス60は、シードガス7と混ざるので同じ種類のガ
スが良い。また、キャリアガス80もシースガス60や
シードガス7と混ざるので同じ種類のガスが良い。図3
は、この発明の異なる実施例にかかる誘導プラズマ発生
装置の構成を示す断面図である。プラズマトーチ100
Aが陽電極102Aの内部に絶縁体106Aを介して配
された複数の陰電極101Aを備え、各陰電極101A
と陽電極102Aとがそれぞれ電極対103Aを形成し
ている。各電極対103Aにはスイッチ111Aを介し
てそれぞれ直流電源104Aと高電圧パルス電源105
Aが並列接続されている。陽電極102Aには各陰電極
101Aの下部先端部との対向部にノズル108Aが形
成されている。プラズマトーチ100Aの各ノズル10
8Aからは、それぞれプラズマジェット107Aが同一
の絶縁管22内部に射出されている。その他は図1の構
成と同じである。
【0026】図4は、図3のプラズマジェット107A
が点弧源となって誘導プラズマ112Aが形成された状
態を示す断面図である。プラズマジェット107Aが誘
導プラズマ112Aに成長するメカニズムは、図2にお
いて1本のプラズマジェット107について説明された
ことと全く同様である。図3において、同一の絶縁管2
2内に複数のプラズマジェット107Aを射出させるよ
うにしたので、絶縁管22の直径を極端に大きくして、
大きい直径の誘導プラズマ112Aを形成したい場合に
は非常に有効である。絶縁管22の内径が広い場合に、
1本のプラズマジェット107Aでも点弧は可能である
が、複数のプラズマジェット107Aを絶縁管22の端
面に満遍なく配した方が点弧しやすくなる。この構成に
より絶縁管22の内径が大きくても確実に誘導プラズマ
112Aが点弧されるようになる。さらに、プラズマジ
ェット107Aの射出後、誘導プラズマ112Aが形成
されるまでの時間も短かくなる。例えば、我々は、プラ
ズマジェットを2本とすると、プラズマジェットが1本
のときよりも、プラズマジェットの射出後、誘導プラズ
マが形成されるまでの時間を半減できることを実験で確
認した。誘導プラズマ112Aが点弧するまでは流した
シードガス7やシースガス60やキャリアガス80が無
駄になるが、この装置によって、それらのガス量も節約
できる。なお、図3のプラズマトーチ100Aは、陽電
極102Aを共通にして2個のプラズマトーチとして構
成されたものである。プラズマトーチの数は、その絶縁
管の内径に応じて一般に複数設置するとよい。この構成
によって、直径がどんな大きさの誘導プラズマでも形成
することができ、材料の広い範囲の成膜やエッチング処
理を一度に行うことができる。
【0027】なお、本装置のプラズマジェットには、電
極対から発生する不純物が多少含まれるが、直流電流の
必要容量が小さいのでその発生不純物は非常に少ない。
また、誘導プラズマ形成後、材料処理の間はプラズマジ
ェットを消弧させておくので、誘導プラズマ中には電極
対からの不純物は全くなくなる。そのために、本装置は
実用上不純物発生による支障は全く生じない。
【0028】また、図3、図4の装置では、高圧パルス
電源105A、直流電源104A、スイッチ111A
は、各陰電極101Aに対して別々になっているが、共
通に一つの高圧パルス電源105A、直流電源104
A、スイッチ111Aで構成してもよい。
【0029】
【発明の効果】この発明は前述のように、誘導プラズマ
の点弧源としてプラズマジェットを射出するプラズマト
ーチを絶縁管の一方端に配した。これにより、ラジオ周
波数領域の高周波電源が不用になり、設備が小型化する
とともに安価なものになった。また、プラズマの加熱・
維持のための誘導電流源として、ラジオ周波数領域の高
周波電源の代りに、500kHz以下の電源を用いるよう
にした。これにより、高周波電源を使用した場合におけ
る、周囲の金属が誘導加熱されることによる温度上昇が
生じ、かつ外部機器へのノイズ誘導により電源制御や、
電流・電圧、プラズマ温度計測がしにくいという、電源
周波数が高周波領域であることによる障害を軽減するこ
とができる。
【0030】かかる構成において、プラズマトーチを複
数配する。これにより、誘導プラズマが点弧しやすくな
り、直径がどんなに大きい誘導プラズマでも形成するこ
とができる。そのために、材料の広い範囲の表面処理が
一度に出来、処理工程の能率を高めることができる。ま
た、誘導プラズマの点弧時間が短いので、シースガスや
シードガスやキャリアガスなどの無駄も省くことができ
るという経済的効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる誘導プラズマ発生装
置の構成を示す断面図
【図2】図1のプラズマジェットが点弧源となって誘導
プラズマが形成された状態を示す断面図
【図3】この発明の異なる実施例にかかる誘導プラズマ
発生装置の構成を示す断面図
【図4】図3のプラズマジェットが点弧源となって誘導
プラズマが形成された状態を示す断面図
【図5】従来の誘導プラズマ発生装置の構成を示す断面
【図6】従来の異なる誘導プラズマ発生装置の構成を示
す断面図
【符号の説明】
22:絶縁管、100,100A:プラズマトーチ、1
5:第2コイル、14:交流電源、7:シードガス、1
03,103A:電極対、104:直流電源、107,
107A:プラズマジェット、101,101A:陰電
極、102,102A:陽電極、105,105A:高
電圧パルス電源、111,111A:スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 作田 忠裕 石川県松任市村井東2−3−7

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁管の軸方向の一方端から絶縁管の内部
    へ直流電圧の印加によって予めプラズマ化されたシード
    ガスを射出し、絶縁管の外周に巻回されたコイルに周波
    数が500kHz以下の交番電流を流し、絶縁管内に誘導
    プラズマを発生させることを特徴とする誘導プラズマの
    発生方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法を実施するものであっ
    て、絶縁管と、この絶縁管の軸方向の一方端に設けられ
    たプラズマトーチと、絶縁管の外周に巻回されたコイル
    と、このコイルに接続され周波数が500kHz以下の交
    番電流を出力する交流電源とにより構成され、プラズマ
    トーチが、その間隙にシードガスが吹き込まれる電極対
    と、この電極対に並列接続された直流電源と、直流電圧
    の印加によってプラズマ化した電極間のシードガスを絶
    縁管の内部に向けて射出するノズルとを備えたことを特
    徴とする誘導プラズマの発生装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のものにおいて、プラズマト
    ーチが複数配されてなることを特徴とする誘導プラズマ
    発生装置。
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