JPH07307159A - 固体電解質型燃料電池と製造方法 - Google Patents
固体電解質型燃料電池と製造方法Info
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- JPH07307159A JPH07307159A JP5264430A JP26443093A JPH07307159A JP H07307159 A JPH07307159 A JP H07307159A JP 5264430 A JP5264430 A JP 5264430A JP 26443093 A JP26443093 A JP 26443093A JP H07307159 A JPH07307159 A JP H07307159A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【構成】
【目的】反りや割れのない電極板と固体電解質体の二層
集合体を得る。 【構成】 電極板は多孔質体で、多孔質体セラミックス
の粗粉を焼結助剤の微粉を介して焼結し、固体電解質体
は緻密質体で、ジルコニア系固体電解質の粗粉をジルコ
ニア系固体電解質の微粉を介して焼結する。
集合体を得る。 【構成】 電極板は多孔質体で、多孔質体セラミックス
の粗粉を焼結助剤の微粉を介して焼結し、固体電解質体
は緻密質体で、ジルコニア系固体電解質の粗粉をジルコ
ニア系固体電解質の微粉を介して焼結する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、支持膜方式平板型固
体電解質型燃料電池およびその製造方法に係り、特に電
極板と電極板に支持された固体電解質体の二層集合体と
その製造方法に関する。
体電解質型燃料電池およびその製造方法に係り、特に電
極板と電極板に支持された固体電解質体の二層集合体と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池は電解質として固
体のジルコニアを用い、800ないし1000℃の高温
で作動させる燃料電池であり、電解質の支持や腐食の問
題がなく作動中の活性化過電圧を下げる触媒が不要であ
るなどの優れた特徴があり活発に研究されている。
体のジルコニアを用い、800ないし1000℃の高温
で作動させる燃料電池であり、電解質の支持や腐食の問
題がなく作動中の活性化過電圧を下げる触媒が不要であ
るなどの優れた特徴があり活発に研究されている。
【0003】図4は従来の固体電解質型燃料電池を示す
分解斜視図である。ニッケルと固体電解質であるジルコ
ニアからなる多孔質のアノード電極板1と、イットリア
安定化ジルコニアYSZ の薄板からなる固体電解質体2
と、ランタンストロンチウムマンガナイトLa(Sr)MnO3か
らなるカソード電極板3と、カソード電極板3に積層さ
れたセパレータ4からなる。セパレータ4はランタンカ
ルシウムクロマイトLa(Ca)CrO3を用いて製造される。ア
ノード電極板1は多孔質体であり、イットリア安定化ジ
ルコニアYSZ の薄板は緻密質体である。固体電解質体2
はアノード電極板1の上に積層され、アノード二層集合
体を形成する。同様にセパレータ4はカソード電極板3
の上に積層されカソード二層集合体を形成する。支持膜
方式固体電解質型燃料電池と称される所以である。
分解斜視図である。ニッケルと固体電解質であるジルコ
ニアからなる多孔質のアノード電極板1と、イットリア
安定化ジルコニアYSZ の薄板からなる固体電解質体2
と、ランタンストロンチウムマンガナイトLa(Sr)MnO3か
らなるカソード電極板3と、カソード電極板3に積層さ
れたセパレータ4からなる。セパレータ4はランタンカ
ルシウムクロマイトLa(Ca)CrO3を用いて製造される。ア
ノード電極板1は多孔質体であり、イットリア安定化ジ
ルコニアYSZ の薄板は緻密質体である。固体電解質体2
はアノード電極板1の上に積層され、アノード二層集合
体を形成する。同様にセパレータ4はカソード電極板3
の上に積層されカソード二層集合体を形成する。支持膜
方式固体電解質型燃料電池と称される所以である。
【0004】従来このような二層集合体はアノード電極
板1やカソード電極板3を形成したのちにそれぞれ固体
電解質体2やセパレータ4を溶射法によって積層して製
造していた。
板1やカソード電極板3を形成したのちにそれぞれ固体
電解質体2やセパレータ4を溶射法によって積層して製
造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな従来の製造方法にあっては電極板の上に固体電解質
体やセパレータを積層する際に溶射時の熱衝撃により電
極板に割れが発生するという問題があった。この問題を
解決するために電極板上に固体電解質体やセパレータの
スラリをコーティングして焼成することも試みられた
が、電極板と固体電解質体、電極板とセパレータとの焼
成収縮率不一致のため二層集合体の固体電解質体やセパ
レータに割れが発生する。
うな従来の製造方法にあっては電極板の上に固体電解質
体やセパレータを積層する際に溶射時の熱衝撃により電
極板に割れが発生するという問題があった。この問題を
解決するために電極板上に固体電解質体やセパレータの
スラリをコーティングして焼成することも試みられた
が、電極板と固体電解質体、電極板とセパレータとの焼
成収縮率不一致のため二層集合体の固体電解質体やセパ
レータに割れが発生する。
【0006】この発明は上述の点に鑑みてなされ、その
目的は焼成収縮率の一致を図って同時焼成により二層集
合体が形成可能な固体電解質型燃料電池およびその製造
方法を提供することにある。
目的は焼成収縮率の一致を図って同時焼成により二層集
合体が形成可能な固体電解質型燃料電池およびその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的は第一の発明
によれば、平板型の固体電解質型燃料電池であって、
(1)電極板と、(2)固体電解質体とを有し、電極板
は多孔質体で、多孔質体セラミックスの粗粉を焼結助剤
の微粉を介して焼結してなり、固体電解質体は緻密質体
で、ジルコニア系固体電解質の粗粉をジルコニア系固体
電解質の微粉を介して焼結してなるとすることにより達
成される。
によれば、平板型の固体電解質型燃料電池であって、
(1)電極板と、(2)固体電解質体とを有し、電極板
は多孔質体で、多孔質体セラミックスの粗粉を焼結助剤
の微粉を介して焼結してなり、固体電解質体は緻密質体
で、ジルコニア系固体電解質の粗粉をジルコニア系固体
電解質の微粉を介して焼結してなるとすることにより達
成される。
【0008】また第二の発明によれば平板型の固体電解
質型燃料電池の製造方法であって、(1)造粒工程と、
(2)ペースト調製工程と、(3)湿式成型工程と、
(4)スラリ調製工程と、(5)スプレ工程と、(6)
焼成工程とを有し、造粒工程は電極板の多孔質体セラミ
ックスの粗粉を調製し、ペースト調製工程は焼結助剤微
粉と前記多孔質体セラミックスの粗粉とを含む水系ペー
ストを調製し、湿式成型工程は前記水系ペーストを多孔
質の成型用樹脂型に充填し且つプレスして電極板の成型
体を調製し、スラリ調製工程はジルコニア系固体電解質
の粗粉と微粉を用いてスプレ用の水系スラリを調製し、
スプレ工程は水系スラリを前記電極板の成型体にスプレ
して且つ乾燥し、焼成工程は前記スプレ工程を経た電極
板の成型体を酸化雰囲気中で焼成する工程であるとする
ことにより達成される。
質型燃料電池の製造方法であって、(1)造粒工程と、
(2)ペースト調製工程と、(3)湿式成型工程と、
(4)スラリ調製工程と、(5)スプレ工程と、(6)
焼成工程とを有し、造粒工程は電極板の多孔質体セラミ
ックスの粗粉を調製し、ペースト調製工程は焼結助剤微
粉と前記多孔質体セラミックスの粗粉とを含む水系ペー
ストを調製し、湿式成型工程は前記水系ペーストを多孔
質の成型用樹脂型に充填し且つプレスして電極板の成型
体を調製し、スラリ調製工程はジルコニア系固体電解質
の粗粉と微粉を用いてスプレ用の水系スラリを調製し、
スプレ工程は水系スラリを前記電極板の成型体にスプレ
して且つ乾燥し、焼成工程は前記スプレ工程を経た電極
板の成型体を酸化雰囲気中で焼成する工程であるとする
ことにより達成される。
【0009】
【作用】ジルコニア系固体電解質における粗粉と微粉の
配合、多孔質体セラミックスの粗粉と焼結助剤微粉との
配合を最適化することにより、電極板と固体電解質体の
焼成収縮率を整合させることができる。湿式成型により
電極板を製造するので歪みのない電極板を成型すること
ができ焼結の際に反りや割れが発生しない電極板を製造
することができる。
配合、多孔質体セラミックスの粗粉と焼結助剤微粉との
配合を最適化することにより、電極板と固体電解質体の
焼成収縮率を整合させることができる。湿式成型により
電極板を製造するので歪みのない電極板を成型すること
ができ焼結の際に反りや割れが発生しない電極板を製造
することができる。
【0010】
実施例1 次にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。厚さ
3mm のアノード電極板1の平面に厚さ100 μm ないし20
0 μm のジルコニアからなる緻密質の固体電解質体2が
形成される。アノード電極板1のガス供給側には溝5が
形成される。
3mm のアノード電極板1の平面に厚さ100 μm ないし20
0 μm のジルコニアからなる緻密質の固体電解質体2が
形成される。アノード電極板1のガス供給側には溝5が
形成される。
【0011】固体電解質体/アノード電極板の二層集合
体は以下のようにして調整される。9 モル%マグネシア
MgO で部分安定化されたジルコニアMSZ (TZ-9MG, 東ソ
ー製)をアルミナ坩堝に加圧しないように入れ、酸化雰
囲気中で1600℃,2h仮焼し、目開き300 μm の篩いを通
過させ、平均粒子径が50〜100 μm の範囲に位置するよ
うに造粒されたジルコニア粗粉を得る。このMSZ 粗粉
は、アノード電極板中においてマトリクスとして機能す
る。
体は以下のようにして調整される。9 モル%マグネシア
MgO で部分安定化されたジルコニアMSZ (TZ-9MG, 東ソ
ー製)をアルミナ坩堝に加圧しないように入れ、酸化雰
囲気中で1600℃,2h仮焼し、目開き300 μm の篩いを通
過させ、平均粒子径が50〜100 μm の範囲に位置するよ
うに造粒されたジルコニア粗粉を得る。このMSZ 粗粉
は、アノード電極板中においてマトリクスとして機能す
る。
【0012】アノード材としては、酸化ニッケル(特
級、和光純薬工業製)及びイットリア安定化ジルコニア
(TZ-8Y,東ソー製)を2:1 の質量比で秤量し、バインダ
としてポリビニルブチラールPVB 、ポリエチレングリコ
ールPEG を添加したエタノール中で湿式混合する。更に
これに上記MSZ 粗粒粉を5 重量%添加し、湿式混合後風
乾し、更に加熱乾燥する。得られた粉末を金型に入れて
98MPa の圧力にて常温3分間一軸プレスすることによっ
てディスク状の成形体を得た。この成形体を更にスタン
プミル、叉はカッターミルにより粗粉砕し、それらの粉
体を目開き300 μm の篩いを通過させ造粒する。得られ
た粗粒粉をアルミナ坩堝に加圧しないように入れ、空気
中1300℃、2h仮焼し、その仮焼粉を更に目開き300 μm
の篩いを通過させる。
級、和光純薬工業製)及びイットリア安定化ジルコニア
(TZ-8Y,東ソー製)を2:1 の質量比で秤量し、バインダ
としてポリビニルブチラールPVB 、ポリエチレングリコ
ールPEG を添加したエタノール中で湿式混合する。更に
これに上記MSZ 粗粒粉を5 重量%添加し、湿式混合後風
乾し、更に加熱乾燥する。得られた粉末を金型に入れて
98MPa の圧力にて常温3分間一軸プレスすることによっ
てディスク状の成形体を得た。この成形体を更にスタン
プミル、叉はカッターミルにより粗粉砕し、それらの粉
体を目開き300 μm の篩いを通過させ造粒する。得られ
た粗粒粉をアルミナ坩堝に加圧しないように入れ、空気
中1300℃、2h仮焼し、その仮焼粉を更に目開き300 μm
の篩いを通過させる。
【0013】得られた顆粒の湿式成形に必要な可塑性を
付与するため、微生物産生多糖類(β-1,3グルカン:商
品名カードラン)を主成分とする成形助剤(商品名ビオ
ポリー、武田薬品製)を0.5 重量%添加した。溶媒とし
て蒸留水(pH5.8 )を用い、ペーストの固形分は、84重
量%とした。解膠剤としては、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩(商品名Aron A6114, 東亜合成製)を用いた。ペ
ーストに対する添加量は0.2 重量%とした。
付与するため、微生物産生多糖類(β-1,3グルカン:商
品名カードラン)を主成分とする成形助剤(商品名ビオ
ポリー、武田薬品製)を0.5 重量%添加した。溶媒とし
て蒸留水(pH5.8 )を用い、ペーストの固形分は、84重
量%とした。解膠剤としては、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩(商品名Aron A6114, 東亜合成製)を用いた。ペ
ーストに対する添加量は0.2 重量%とした。
【0014】乾燥強度を向上させハンドリングを容易に
するため、結合剤としてオリゴ糖アルコール(SC-5, 日
研化成)を用い、0.1 重量%添加した。なお本実験では
成形助剤,解膠剤,及び結合剤の添加量は、ペーストに
対する添加剤の重量%を用いた。所定量の成形助剤、解
膠剤、結合剤を蒸留水を溶解し、上記仮焼粉、並びに焼
結助剤を加え、卓上型万能ミキサにて撹拌混合した。こ
こで焼結助剤は、平均粒径5 μm 以下のアルミナ,シリ
カ,マグネシア,カルシア,ジルコニア,タルク,天然
及び人工粘土,陶石,カオリン,ベントナイト,長石,
ムライト,ステアタイト,またはコージェライトからな
る群から選定され、その添加量は0.5 〜3重量%の範囲
で選定される。本実施例では蛙目粘土を用い、添加量は
1 重量%とした。
するため、結合剤としてオリゴ糖アルコール(SC-5, 日
研化成)を用い、0.1 重量%添加した。なお本実験では
成形助剤,解膠剤,及び結合剤の添加量は、ペーストに
対する添加剤の重量%を用いた。所定量の成形助剤、解
膠剤、結合剤を蒸留水を溶解し、上記仮焼粉、並びに焼
結助剤を加え、卓上型万能ミキサにて撹拌混合した。こ
こで焼結助剤は、平均粒径5 μm 以下のアルミナ,シリ
カ,マグネシア,カルシア,ジルコニア,タルク,天然
及び人工粘土,陶石,カオリン,ベントナイト,長石,
ムライト,ステアタイト,またはコージェライトからな
る群から選定され、その添加量は0.5 〜3重量%の範囲
で選定される。本実施例では蛙目粘土を用い、添加量は
1 重量%とした。
【0015】得られたペーストを多孔質樹脂型(商品名
CeraPlast,ニッコー製)に充填し、約0.1MPaの圧力を印
加し、脱離する水分を多孔質樹脂型から吸引する事によ
り除去する。多孔質樹脂型は成形層と内面層の二層構造
を有しており成形層の気孔率と平均空孔径は25〜30% と
3 μm 、内面層の気孔率と平均空孔径は20〜30% と 150
μm であり成形層表面にガス流路用溝が形成されてい
る。
CeraPlast,ニッコー製)に充填し、約0.1MPaの圧力を印
加し、脱離する水分を多孔質樹脂型から吸引する事によ
り除去する。多孔質樹脂型は成形層と内面層の二層構造
を有しており成形層の気孔率と平均空孔径は25〜30% と
3 μm 、内面層の気孔率と平均空孔径は20〜30% と 150
μm であり成形層表面にガス流路用溝が形成されてい
る。
【0016】なおアノード電極板に用いるジルコニア
は、安定化剤としてイットリア,マグネシアの他にカル
シア,セリアにより部分安定化、或いは完全安定化され
たジルコニアを用いることができる。固体電解質のスラ
リの調製法を以下に述べる。固体電解質としては、8 モ
ル%のイットリア安定化ジルコニアYSZ を用い、焼成収
縮率を制御するため微粉と粗粉を粒度配合した。微粉と
しては、平均粒子径0.3 μm のYSZ 粉(TZ-8YS、東ソー
製)、粗粉としては平均粒子径3.4 μm のYSZ 粉(NS-8
YS, 日本触媒製)を用いた。YSZ スラリには、溶媒とし
て蒸留水を、解膠剤としてポリカルボン酸アンモニウム
塩(商品名Aron A6114, 東亜合成製)を用いた。
は、安定化剤としてイットリア,マグネシアの他にカル
シア,セリアにより部分安定化、或いは完全安定化され
たジルコニアを用いることができる。固体電解質のスラ
リの調製法を以下に述べる。固体電解質としては、8 モ
ル%のイットリア安定化ジルコニアYSZ を用い、焼成収
縮率を制御するため微粉と粗粉を粒度配合した。微粉と
しては、平均粒子径0.3 μm のYSZ 粉(TZ-8YS、東ソー
製)、粗粉としては平均粒子径3.4 μm のYSZ 粉(NS-8
YS, 日本触媒製)を用いた。YSZ スラリには、溶媒とし
て蒸留水を、解膠剤としてポリカルボン酸アンモニウム
塩(商品名Aron A6114, 東亜合成製)を用いた。
【0017】固体電解質体として緻密で且つ均質性の高
いYSZ 層を形成するため、また焼成での収縮率を低くす
るためにも、粒子充填率の高い成形体を作製する必要が
ある。このため低粘性且つ高濃度のスラリが調製され
る。まず高濃度スラリを得るため、YSZ 粉への水分添加
テストを行い、スラリ化限界YSZ 量を検討し、次にE 型
粘度計を用いてスラリの粘性特性を調べ、解膠剤添加量
を検討した結果スラリ中のYSZ 量は、40体積%, 解膠剤
添加量は、0.4 重量%とした。スラリの分散処理には、
原料と同等質のイットリア部分安定化ジルコニアPSZ ボ
ール(10mmφ)及びPSZ ポット(0.3l)を用い、粉体15
0gと所定量の蒸留水及び解膠剤を加え、約24h ボールミ
ル混合を行なった。
いYSZ 層を形成するため、また焼成での収縮率を低くす
るためにも、粒子充填率の高い成形体を作製する必要が
ある。このため低粘性且つ高濃度のスラリが調製され
る。まず高濃度スラリを得るため、YSZ 粉への水分添加
テストを行い、スラリ化限界YSZ 量を検討し、次にE 型
粘度計を用いてスラリの粘性特性を調べ、解膠剤添加量
を検討した結果スラリ中のYSZ 量は、40体積%, 解膠剤
添加量は、0.4 重量%とした。スラリの分散処理には、
原料と同等質のイットリア部分安定化ジルコニアPSZ ボ
ール(10mmφ)及びPSZ ポット(0.3l)を用い、粉体15
0gと所定量の蒸留水及び解膠剤を加え、約24h ボールミ
ル混合を行なった。
【0018】アノード電極板成形体上に、エアコムプレ
ッサに連結した小型スプレガン(W-61-1G,IWATA 製)を
用いて空気を搬送ガスとして、調製したYSZ スラリをコ
ーティングし、一定膜厚のYSZ 層を有する二層成形体を
得た。乾燥後、空気中1475℃で2h焼成し、直径100mm,厚
さ3mm のアノード電極板上に厚さ150 μm の均一なYSZ
固体電解質体を有する二層集合体を得た。
ッサに連結した小型スプレガン(W-61-1G,IWATA 製)を
用いて空気を搬送ガスとして、調製したYSZ スラリをコ
ーティングし、一定膜厚のYSZ 層を有する二層成形体を
得た。乾燥後、空気中1475℃で2h焼成し、直径100mm,厚
さ3mm のアノード電極板上に厚さ150 μm の均一なYSZ
固体電解質体を有する二層集合体を得た。
【0019】従来イットリア安定化ジルコニアYSZ は、
高濃度スラリを調製しても、原料粉が微粉であるため、
約20% の焼成収縮率があった。そこで、YSZ の粒度配合
を行い、粗粉に微粉を添加していったときの焼成収縮率
を検討した。図1は焼成収縮率のYSZ 微粉添加量依存性
を示す線図である。調製したスラリをフッ素樹脂型(φ
30mm×5mm )に注型したのち、自然乾燥した成形体を14
50,1475,1550℃の各温度で焼成し、直径方向の相対収縮
率を測定した結果を示す。微粉の割合が多くなり、焼成
温度が高くなる程、焼成収縮率が大きくなる。粒度配合
比と焼成温度を変えることにより、YSZ の収縮率を10〜
19% の範囲で制御できることがわかった。
高濃度スラリを調製しても、原料粉が微粉であるため、
約20% の焼成収縮率があった。そこで、YSZ の粒度配合
を行い、粗粉に微粉を添加していったときの焼成収縮率
を検討した。図1は焼成収縮率のYSZ 微粉添加量依存性
を示す線図である。調製したスラリをフッ素樹脂型(φ
30mm×5mm )に注型したのち、自然乾燥した成形体を14
50,1475,1550℃の各温度で焼成し、直径方向の相対収縮
率を測定した結果を示す。微粉の割合が多くなり、焼成
温度が高くなる程、焼成収縮率が大きくなる。粒度配合
比と焼成温度を変えることにより、YSZ の収縮率を10〜
19% の範囲で制御できることがわかった。
【0020】図2は焼成収縮率の蛙目粘土添加量依存性
を示す線図である。焼結助剤無添加のアノード電極板の
焼成収縮率は、約10% である。これに蛙目粘土を、各々
1,2,3 重量%添加した湿式成形体を、自然乾燥後、145
0,1475,1550℃の各温度で焼成し、直径方向の相対収縮
率を測定した結果を示す。粘土添加量が多く、焼成温度
が高くなる程、焼成収縮率が大きいことがわかる。粘土
添加量と焼成温度を変えることにより、アノード基板の
焼成収縮率を8 〜14.5% の範囲で制御できることがわか
った。
を示す線図である。焼結助剤無添加のアノード電極板の
焼成収縮率は、約10% である。これに蛙目粘土を、各々
1,2,3 重量%添加した湿式成形体を、自然乾燥後、145
0,1475,1550℃の各温度で焼成し、直径方向の相対収縮
率を測定した結果を示す。粘土添加量が多く、焼成温度
が高くなる程、焼成収縮率が大きいことがわかる。粘土
添加量と焼成温度を変えることにより、アノード基板の
焼成収縮率を8 〜14.5% の範囲で制御できることがわか
った。
【0021】蛙目粘土を1 重量%添加し、水分散系湿式
成形したφ40mmの成形体の焼成収縮率は、約14% である
ことから、YSZ の粒度配合比として、微粉の割合を15〜
25重量%の範囲で選定すれば良いことが分かる。本実施
例では、粗粉:微粉=80:20の粒度配合比とした。この
二層集合体の上にカソードとして、ストロンチウムをド
ープしたランタンマンガナイトLa0.85Sr0.15MnO3を塗布
法を用いて形成し、空気中1200℃で2h焼成し、カソード
を形成したところ、二層集合体には、反り, クラック,
電極の剥離等は見られなかった。叉、二層集合体単独で
水素雰囲気中1000℃、1h熱処理を施し、NiO をNiに還元
したが、反り, クラック, 固体電解質体の剥離等も全く
観察できなかった。これはアノード電極板1と固体電解
質体2の熱膨張率が整合していることを示す。 実施例2 焼結助剤として、天然の粘土に替わり、人工粘土を用い
た例を説明する。
成形したφ40mmの成形体の焼成収縮率は、約14% である
ことから、YSZ の粒度配合比として、微粉の割合を15〜
25重量%の範囲で選定すれば良いことが分かる。本実施
例では、粗粉:微粉=80:20の粒度配合比とした。この
二層集合体の上にカソードとして、ストロンチウムをド
ープしたランタンマンガナイトLa0.85Sr0.15MnO3を塗布
法を用いて形成し、空気中1200℃で2h焼成し、カソード
を形成したところ、二層集合体には、反り, クラック,
電極の剥離等は見られなかった。叉、二層集合体単独で
水素雰囲気中1000℃、1h熱処理を施し、NiO をNiに還元
したが、反り, クラック, 固体電解質体の剥離等も全く
観察できなかった。これはアノード電極板1と固体電解
質体2の熱膨張率が整合していることを示す。 実施例2 焼結助剤として、天然の粘土に替わり、人工粘土を用い
た例を説明する。
【0022】人工粘土の主成分である合成カオリナイト
は、天然粘土に比べ、Pb,Ti 等の不純物が極めて少ない
利点を有する上に、その結晶は天然粘土に認められるカ
オリナイトに類似した構造不整を持つカオリナイトで微
細な板状であるため、分散性が良好で優れた可塑性を有
しており、成形助剤としても機能する。本実施例に用い
た合成カオリナイト(T-2,人工粘土合成技術研究組合)
は、比表面積50m2/g、平均粒径0.5 μm 、カオリナイト
化率88% 、カオリナイトの不整の程度を表すヒンクレー
結晶度指数0.59の諸特性を有している。
は、天然粘土に比べ、Pb,Ti 等の不純物が極めて少ない
利点を有する上に、その結晶は天然粘土に認められるカ
オリナイトに類似した構造不整を持つカオリナイトで微
細な板状であるため、分散性が良好で優れた可塑性を有
しており、成形助剤としても機能する。本実施例に用い
た合成カオリナイト(T-2,人工粘土合成技術研究組合)
は、比表面積50m2/g、平均粒径0.5 μm 、カオリナイト
化率88% 、カオリナイトの不整の程度を表すヒンクレー
結晶度指数0.59の諸特性を有している。
【0023】アノード電極板への人工粘土添加量は1 重
量%として、以下実施例1と同様な方法により湿式成形
を行い、アノード電極板を得た。この人工粘土1%添加ア
ノード電極板の1475℃の焼成温度での収縮率は蛙目粘土
同様に約14% であったため、実施例1と同様に、粗粉:
微粉=80:20の粒度配合比のYSZ スラリを用い、アノード
成形体に小型スプレガンを使用してイットリア安定化ジ
ルコニアYSZ からなる固体電解質体2を形成し、乾燥後
1475℃で2h焼成し、直径100mm,厚さ3mm のアノード電極
上に、厚さ150 μm の均一な固体電解質体2を有する二
層集合体を得た。 実施例3 多孔質体セラミックスとしてペロブスカイト系複合酸化
物を用いた。これはカソード電極板となる。ペロブスカ
イト系複合酸化物にはアルカリ土類もしくは希土類がド
ープされたランタンマンガナイトLaMnO3,ランタンニッ
ケライトLaNiO3,ランタンコバルタイトLaCoO3,ランタ
ンクロマイトLaCrO3もしくはこれらの混合物が用いられ
る。好ましいドーパントとしてはストロンチウムSr,カ
ルシウムCa等がある。ランタンストロンチウムマンガナ
イトLa(Sr)MnO3について以下に説明する。酸化ランタン
La2O3 ,炭酸マンガンMnCO3,炭酸ストロンチウムSrCO3
を用い、La0.85Sr0.15MnO3の組成となるように秤量し、
水を加えて湿式混合し乾燥後解砕したものを空気中1250
℃、6h仮焼し、仮焼粉を得た。この仮焼粉を解砕して目
開き30μmの篩を通過させランタンストロンチウムマン
ガナイトLa(Sr)MnO3の粗粉を得た。得られた粗粉はX線
回折によりペロブスカイト単相であることを確認した。
量%として、以下実施例1と同様な方法により湿式成形
を行い、アノード電極板を得た。この人工粘土1%添加ア
ノード電極板の1475℃の焼成温度での収縮率は蛙目粘土
同様に約14% であったため、実施例1と同様に、粗粉:
微粉=80:20の粒度配合比のYSZ スラリを用い、アノード
成形体に小型スプレガンを使用してイットリア安定化ジ
ルコニアYSZ からなる固体電解質体2を形成し、乾燥後
1475℃で2h焼成し、直径100mm,厚さ3mm のアノード電極
上に、厚さ150 μm の均一な固体電解質体2を有する二
層集合体を得た。 実施例3 多孔質体セラミックスとしてペロブスカイト系複合酸化
物を用いた。これはカソード電極板となる。ペロブスカ
イト系複合酸化物にはアルカリ土類もしくは希土類がド
ープされたランタンマンガナイトLaMnO3,ランタンニッ
ケライトLaNiO3,ランタンコバルタイトLaCoO3,ランタ
ンクロマイトLaCrO3もしくはこれらの混合物が用いられ
る。好ましいドーパントとしてはストロンチウムSr,カ
ルシウムCa等がある。ランタンストロンチウムマンガナ
イトLa(Sr)MnO3について以下に説明する。酸化ランタン
La2O3 ,炭酸マンガンMnCO3,炭酸ストロンチウムSrCO3
を用い、La0.85Sr0.15MnO3の組成となるように秤量し、
水を加えて湿式混合し乾燥後解砕したものを空気中1250
℃、6h仮焼し、仮焼粉を得た。この仮焼粉を解砕して目
開き30μmの篩を通過させランタンストロンチウムマン
ガナイトLa(Sr)MnO3の粗粉を得た。得られた粗粉はX線
回折によりペロブスカイト単相であることを確認した。
【0024】実施例1と同様な成型助剤、解膠剤,結合
剤を蒸留水に加え、さらにランタンストロンチウムマン
ガナイトLa(Sr)MnO3の粗粉と焼結助剤微粉を加え、攪拌
混合した。焼結助剤としてはタルクを用いた。得られた
ペーストは成型用樹脂型に充填し、プレスしてカソード
電極板の成型体を得た。図3は焼成収縮率のタルク添加
量依存性を示す線図である。焼結助剤添加量と焼成温度
を変えることによりカソード電極板の焼成収縮率を8 な
いし16%の範囲で制御できることがわかる。
剤を蒸留水に加え、さらにランタンストロンチウムマン
ガナイトLa(Sr)MnO3の粗粉と焼結助剤微粉を加え、攪拌
混合した。焼結助剤としてはタルクを用いた。得られた
ペーストは成型用樹脂型に充填し、プレスしてカソード
電極板の成型体を得た。図3は焼成収縮率のタルク添加
量依存性を示す線図である。焼結助剤添加量と焼成温度
を変えることによりカソード電極板の焼成収縮率を8 な
いし16%の範囲で制御できることがわかる。
【0025】タルクを3 %添加しカソード電極板成型体
の1475℃の焼成収縮率は14%である。従って固体電解質
体の粗粉と微粉の配合割合いを80対20にしてYSZ のスラ
リを調製した。カソード電極板成形体上に、エアコムプ
レッサに連結した小型スプレガン(W-61-1G,IWATA 製)
を用いて空気を搬送ガスとして、調製したYSZ スラリを
コーティングし、一定膜厚のYSZ 層を有する二層成形体
を得た。乾燥後、空気中1475℃で2h焼成し、直径100mm,
厚さ3mm のカソード電極板上に厚さ150 μm の均一なYS
Z 固体電解質体を有する二層集合体を得た。
の1475℃の焼成収縮率は14%である。従って固体電解質
体の粗粉と微粉の配合割合いを80対20にしてYSZ のスラ
リを調製した。カソード電極板成形体上に、エアコムプ
レッサに連結した小型スプレガン(W-61-1G,IWATA 製)
を用いて空気を搬送ガスとして、調製したYSZ スラリを
コーティングし、一定膜厚のYSZ 層を有する二層成形体
を得た。乾燥後、空気中1475℃で2h焼成し、直径100mm,
厚さ3mm のカソード電極板上に厚さ150 μm の均一なYS
Z 固体電解質体を有する二層集合体を得た。
【0026】
【発明の効果】第一の発明によれば平板型の固体電解質
型燃料電池であって、(1)電極板と、(2)固体電解
質体とを有し、電極板は多孔質体で、多孔質体セラミッ
クスの粗粉を焼結助剤の微粉を介して焼結してなり、固
体電解質体は緻密質体で、ジルコニア系固体電解質の粗
粉をジルコニア系固体電解質の微粉を介して焼結してな
るとするので、ジルコニア系固体電解質における粗粉と
微粉の配合、多孔質体セラミックスの粗粉と焼結助剤微
粉との配合を最適化して電極板成形体と固体電解質体成
形体の焼成収縮率を整合させることができその結果同時
焼成により緻密質固体電解質体と多孔質電極板の二層集
合体を製造することが可能になる。
型燃料電池であって、(1)電極板と、(2)固体電解
質体とを有し、電極板は多孔質体で、多孔質体セラミッ
クスの粗粉を焼結助剤の微粉を介して焼結してなり、固
体電解質体は緻密質体で、ジルコニア系固体電解質の粗
粉をジルコニア系固体電解質の微粉を介して焼結してな
るとするので、ジルコニア系固体電解質における粗粉と
微粉の配合、多孔質体セラミックスの粗粉と焼結助剤微
粉との配合を最適化して電極板成形体と固体電解質体成
形体の焼成収縮率を整合させることができその結果同時
焼成により緻密質固体電解質体と多孔質電極板の二層集
合体を製造することが可能になる。
【0027】また第二の発明によれば平板型の固体電解
質型燃料電池の製造方法であって、(1)造粒工程と、
(2)ペースト調製工程と、(3)湿式成型工程と、
(4)スラリ調製工程と、(5)スプレ工程と、(6)
焼成工程とを有し、造粒工程は電極板の多孔質体セラミ
ックスの粗粉を調製し、ペースト調製工程は焼結助剤粉
体と前記多孔質体セラミックスの粗粉とを含む水系ペー
ストを調製し、湿式成型工程は前記水系ペーストを多孔
質の成型用樹脂型に充填し且つプレスして電極板の成型
体を調製し、スラリ調製工程はジルコニア系固体電解質
の粗粉と微粉を用いてスプレ用の水系スラリを調製し、
スプレ工程は水系スラリを前記電極板の成型体にスプレ
して且つ乾燥し、焼成工程は前記スプレ工程を経た電極
板の成型体を酸化雰囲気中で焼成する工程であるとする
ので、湿式成型により歪みのない電極板を成型して焼結
の際に反りや割れが発生しない電極板を製造することが
できる。多孔質の成型用樹脂型には予めガス流路用溝を
形成しておくことができガス流路用溝に対する焼結後の
機械加工を簡略化することができる。また水系ペースト
や水系スラリを用いることにより環境を汚染することな
く固体電解質型燃料電池を製造することができる。
質型燃料電池の製造方法であって、(1)造粒工程と、
(2)ペースト調製工程と、(3)湿式成型工程と、
(4)スラリ調製工程と、(5)スプレ工程と、(6)
焼成工程とを有し、造粒工程は電極板の多孔質体セラミ
ックスの粗粉を調製し、ペースト調製工程は焼結助剤粉
体と前記多孔質体セラミックスの粗粉とを含む水系ペー
ストを調製し、湿式成型工程は前記水系ペーストを多孔
質の成型用樹脂型に充填し且つプレスして電極板の成型
体を調製し、スラリ調製工程はジルコニア系固体電解質
の粗粉と微粉を用いてスプレ用の水系スラリを調製し、
スプレ工程は水系スラリを前記電極板の成型体にスプレ
して且つ乾燥し、焼成工程は前記スプレ工程を経た電極
板の成型体を酸化雰囲気中で焼成する工程であるとする
ので、湿式成型により歪みのない電極板を成型して焼結
の際に反りや割れが発生しない電極板を製造することが
できる。多孔質の成型用樹脂型には予めガス流路用溝を
形成しておくことができガス流路用溝に対する焼結後の
機械加工を簡略化することができる。また水系ペースト
や水系スラリを用いることにより環境を汚染することな
く固体電解質型燃料電池を製造することができる。
【図1】焼成収縮率のYSZ 微粉添加量依存性を示す線図
【図2】焼成収縮率の蛙目粘土添加量依存性を示す線図
【図3】焼成収縮率のタルク添加量依存性を示す線図
【図4】従来の固体電解質型燃料電池を示す分解斜視図
1 アノード電極板 2 固体電解質体 3 カソード電極板 4 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 一志 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 吉田 静安 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】平板型の固体電解質型燃料電池であって、 (1)電極板と、 (2)固体電解質体とを有し、 電極板は多孔質体で、多孔質体セラミックスの粗粉を焼
結助剤の微粉を介して焼結してなり、 固体電解質体は緻密質体で、ジルコニア系固体電解質の
粗粉をジルコニア系固体電解質の微粉を介して焼結して
なることを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 【請求項2】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
いて、多孔質体セラミックスはジルコニアまたはアルカ
リ土類もしくは希土類がドープされたランタンマンガナ
イトLaMnO3,ランタンニッケライトLaNiO3,ランタンコ
バルタイトLaCoO3,ランタンクロマイトLaCrO3もしくは
これらの混合物であることを特徴とする固体電解質型燃
料電池。 - 【請求項3】請求項2記載の固体電解質型燃料電池にお
いて、多孔質体セラミックスは酸化ニッケル−ジルコニ
アNiO-ZrO2を担持してなることを特徴とする固体電解質
型燃料電池。 - 【請求項4】請求項2または3に記載の固体電解質型燃
料電池において、ジルコニアはイットリア,マグネシ
ア,カルシア,もしくはセリアにより部分安定化または
完全安定化されたジルコニアであることを特徴とする固
体電解質型燃料電池。 - 【請求項5】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
いて、焼結助剤はシリカ,アルミナ,カルシア,マグネ
シア,ジルコニア,タルク,天然及び人工粘土,陶石,
カオリン,ベントナイト,長石,ムライト,ステアタイ
トもしくはコージュライトまたはこれらの混合物である
ことを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 【請求項6】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
いて、ジルコニア系固体電解質の粗粉と微粉はイットリ
ア安定化ジルコニアYSZ であることを特徴とする固体電
解質型燃料電池。 - 【請求項7】平板型の固体電解質型燃料電池の製造方法
であって、 (1)造粒工程と、 (2)ペースト調製工程と、 (3)湿式成型工程と、 (4)スラリ調製工程と、 (5)スプレ工程と、 (6)焼成工程とを有し、 造粒工程は電極板の多孔質体セラミックスの粗粉を調製
し、 ペースト調製工程は焼結助剤微粉と前記多孔質体セラミ
ックスの粗粉とを含む水系ペーストを調製し、 湿式成型工程は水系ペーストを多孔質の成型用樹脂型に
充填し且つプレスして電極板の成型体を調製し、 スラリ調製工程はジルコニア系固体電解質の粗粉と微粉
を用いてスプレ用の水系スラリを調製し、 スプレ工程は水系スラリを前記電極板の成型体にスプレ
して且つ乾燥し、 焼成工程は前記スプレ工程を経た電極板の成型体を酸化
雰囲気中で焼成する工程であることを特徴とする固体電
解質型燃料電池の製造方法。 - 【請求項8】請求項7記載の製造方法において、多孔質
体セラミックスの粗粉は50ないし100μmの範囲に
平均粒子径を有することを特徴とする固体電解質型燃料
電池の製造方法。 - 【請求項9】請求項7記載の製造方法において、焼結助
剤微粉はその粒径が5μm以下であることを特徴とする
固体電解質型燃料電池の製造方法。 - 【請求項10】請求項7記載の製造方法において、焼結
助剤と多孔質体セラミックスの配合は焼結助剤が1.0
ないし3重量%であることを特徴とする固体電解質型燃
料電池の製造方法。 - 【請求項11】請求項7記載の製造方法において、ジル
コニア系固体電解質の粗粉と微粉はそれぞれ平均粒子径
2 〜3 μm で比表面積6m2/gのイットリア安定化ジルコ
ニアYSZ と平均粒子径0.3 〜0.5 μm で比表面積5m2/g
のイットリア安定化ジルコニアYSZ であることを特徴と
する固体電解質型燃料電池の製造方法。 - 【請求項12】請求項7記載の製造方法において、ジル
コニア系固体電解質の粗粉と微粉の配合は微粉が15な
いし25重量%であることを特徴とする固体電解質型燃
料電池の製造方法。 - 【請求項13】請求項7記載の製造方法において、焼成
温度は1450ないし1550℃であることを特徴とす
る固体電解質型燃料電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26443093A JP3254456B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 固体電解質型燃料電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26443093A JP3254456B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 固体電解質型燃料電池の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07307159A true JPH07307159A (ja) | 1995-11-21 |
JP3254456B2 JP3254456B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=17403080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26443093A Expired - Lifetime JP3254456B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 固体電解質型燃料電池の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254456B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003263991A (ja) * | 2002-03-04 | 2003-09-19 | Sulzer Hexis Ag | 燃料電池で使用されるアノードのための組織化物体 |
JP2006082040A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Noritake Co Ltd | 酸化物イオン伝導体および酸素分離膜エレメント |
WO2011074445A1 (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-23 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池セル及び固体酸化物型燃料電池 |
CN113877568A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-01-04 | 中船动力(集团)有限公司 | 多孔耐高温催化剂及其制备方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101047699B1 (ko) | 2008-12-26 | 2011-07-08 | 두산중공업 주식회사 | 용융탄산염 연료전지용 전해질 함침형 다공성 건식 전극의 제조 방법 |
-
1993
- 1993-10-22 JP JP26443093A patent/JP3254456B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003263991A (ja) * | 2002-03-04 | 2003-09-19 | Sulzer Hexis Ag | 燃料電池で使用されるアノードのための組織化物体 |
JP4495914B2 (ja) * | 2002-03-04 | 2010-07-07 | ヘクシス アクチェンゲゼルシャフト | 燃料電池で使用されるアノードのための組織化物体 |
JP2006082040A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Noritake Co Ltd | 酸化物イオン伝導体および酸素分離膜エレメント |
WO2011074445A1 (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-23 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池セル及び固体酸化物型燃料電池 |
JP4820463B2 (ja) * | 2009-12-16 | 2011-11-24 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池セル及び固体酸化物型燃料電池 |
CN113877568A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-01-04 | 中船动力(集团)有限公司 | 多孔耐高温催化剂及其制备方法 |
CN113877568B (zh) * | 2021-10-28 | 2024-05-14 | 中船动力(集团)有限公司 | 多孔耐高温催化剂及其制备方法 |
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---|---|
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