JPH07305189A - 鉄−含有コア及び鉛−含有コーティングから成る電極、その製造法、ならびにオレフィン性反応体の還元的カップリング方法 - Google Patents

鉄−含有コア及び鉛−含有コーティングから成る電極、その製造法、ならびにオレフィン性反応体の還元的カップリング方法

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JPH07305189A
JPH07305189A JP6133324A JP13332494A JPH07305189A JP H07305189 A JPH07305189 A JP H07305189A JP 6133324 A JP6133324 A JP 6133324A JP 13332494 A JP13332494 A JP 13332494A JP H07305189 A JPH07305189 A JP H07305189A
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ソファー デイヴィット
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Klaus Harth
ハルト クラウス
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イェーガー ペーター
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクリロニトリルからアジポジニトリルを経
済的に製造可能とし、高い消耗・腐食抵抗性を有する電
極を提供する。 【構成】 電極は、本質的に鉄を含む導電性コア及び本
質的に鉛を含む導電性コーティングより成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本質的に鉄を含む導電
性のコア及び本質的に鉛を含む導電性のコーティングよ
り成る改善された電極に関する。
【0002】本発明は、さらに、新規な電極の製造方
法、オレフィン性反応体の還元的カップリング(red
uctive coupling)のためのその使用及
びオレフィン性反応体の還元的カップリングのための改
善された方法に関する。
【0003】
【従来の技術】電気化学的方法、例えばアクリロニトリ
ルのアジポジニトリル(ADN)へのエレクトロヒドロ
二量化(electrohydrodimerizat
ion)における鉛カソードの使用は既知である。例え
ば、米国特許第3193481号、同第3193482
号及び同第3193483号明細書は、純粋な鉛がカソ
ードとして使用されている、分割された電池(cel
l)におけるADNの電気化学的製造を記載している。
バイザー(Baizer)及びランド(Lund)の編
集による有機電気化学(Organic Electr
ochemistry)、マーセルデッカー(Marc
el Dekker)、ニューヨーク、1984、第9
86頁では、ADNの類似の製造のためにアンチモン7
重量%を含む鉛カソードが使用されている。
【0004】ドイツ特許出願公開第2338341号明
細書には、ADNの製造のために分割されていない電池
で純粋の鉛カソードを使用することが記載されている。
【0005】上述の電極の欠点は、カソードが鉛又は他
の材料、例えばカドミウムで構成されているか否かにか
かわらず、反応中にアノードとカソードは消耗・腐食さ
れ(corrosion)、やっかいな分解生成物を生
成し、これは、とりわけ電極上に沈積をもたらす。特
に、アクリロニトリルのエレクトロヒドロ二量化におい
て、これらの沈積はアジポジニトリルに関し選択性の減
少をもたらし、水素の生成を増大させうる。それゆえ、
電極の分解により生ずる沈積、とりわけカソード表面に
おける沈積を防止することが重要である。
【0006】かかる沈積を防止しうる方法は、米国特許
第3898140号明細書に記載されており、その方法
ではキレート化剤としてエチレンジアミン四酢酸(ED
TA)が使用される。同様の作用を有するトリアルキロ
ールアミンの使用は英国特許第1501313号明細書
に記載されている。
【0007】しかしながら、かかるキレート化剤の欠点
は、鉛カソードが極めて急速に消費されることである
(特開昭59−59888号公報)。この欠点を改善す
るために、キレート化剤の使用は、キレート含有樹脂を
含むカラム内に通ずることにより電極分解生成物を連続
的に電極から取り除くことが提案された。
【0008】分割されていない電気化学的電解槽におけ
るADNの製造の他の発展は、ヨーロッパ特許出願公開
第270390号明細書に記載されている。この文献は
カソードとして、1重量%以下の銅及びテルルを含む鉛
合金を権利主張している。ここでの欠点は、エレクトロ
ヒドロ二量化は一定量のエチルトリブチルアンモニウム
塩の存在下で実施しなければならないことである。これ
らの状況の下でも、消耗腐食速度は依然としてあまりに
も早い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉛又
は鉛合金から成るカソードよりも高い消耗・腐食抵抗性
を有する電極を提供することである。特に、アクリロニ
トリルのエレクトロヒドロ二量化によるアジポジニトリ
ルの製造はより経済的になされるべきであり、結果とし
てより環境にやさしくすべきである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、本質的に鉄
を含む導電性のコア及び本質的に鉛を含む導電性コーテ
ィングより成る電極により達成されることが見い出され
た。
【0011】更に、この電極の製造方法、オレフィン性
反応体の還元的カップリングのための新規な電極の使用
及びオレフィン性反応体の還元的カップリングのための
改良方法が見い出された。
【0012】新規な電極は、本質的に鉄を含む導電性の
コア及び本質的に鉛を含む導電性のコーティングより成
る。
【0013】今日までの観察によると、使用される鉄の
選択は重要でないことが示されている。しかしながら、
特に消耗・腐食抵抗性の鉄スチールを使用するのが有利
である多くの方法がある。
【0014】電極のデザインも同様に重要ではなく、熟
達した作業員であれば平板を重ねた(Plane−pa
ralled)プレート、チューブ、ネット及びディス
クのような多くの慣用の電極タイプから適当な電極の型
を選択しうる。平板を重ねたプレートが好適に選択され
る。
【0015】導電性のコーティングは、本発明によれば
本質的に鉛から成る。鉛に加えて、コーティングはさら
に他の元素、例えば銅、銀、セレン、テルル、ビスマス
及びアンチモンを、3.5重量%まで、好適には0.5
〜2重量%、特に好適には0.8〜1.5重量%の量で
含有しうる。今までの観察によれば以下の組成を有する
コーティングが好ましい:96.5〜99.5重量%、
好ましくは98〜99.5重量%の鉛、0.3〜3重量
%、好ましくは0.5〜2重量%の銅及び0〜3重量
%、好ましくは0〜2重量%の銀及び/又はビスマス及
び/又はセレン及び/又はテルル及び/又はアンチモ
ン。
【0016】導電性コーティングは、常法で使用でき
る。電気めっき、即ち電解的に行う使用、及び蒸着、ス
パッタリング(Sputtering)(即ち、金属蒸
気の析出)及びアークコーティングより成る群から選ば
れる物理的析出方法による適用が特に好ましい。
【0017】電気めっき方法は例えばモダンエレクトロ
プレーティング(Modern Electropla
ting)(編者:Lowenheim,J.ワイリ
ー、ニューヨーク、1974)により十分に知られてお
り、それゆえ、この観点で更に記載するのは冗長であ
る。加えて、今までの観察では電気めっき電解槽の型の
重要性は比較的少ないことが示されている。
【0018】カソードとして鉄又はスチールのシート
を、又アノードとして鉛小片(strip)を有する電
気めっき電解槽が好適に使用され、2個の電極は好適に
は互いに平行に置かれる(モダンエレクトロプレーティ
ングを参照)。
【0019】電解溶液は、通常は析出される鉛及び所望
により水溶性の塩の形態の他の元素を含む。
【0020】フルオロ珪酸水溶液、フルオロホウ酸塩溶
液又はメタン−、エタン−、プロパン−又はブタンスル
ホン酸溶液のような炭素数1〜4のアルカンスルホン酸
溶液が電解液として好適に使用され、メタンスルホン酸
溶液が好ましい。
【0021】フルオロホウ酸塩電解槽においては、電解
溶液は一般に、本質的にフルオロホウ酸鉛から構成され
る。また、好適には、電解液は、フルオロホウ酸、ホウ
酸のような慣用の助剤、及びヘプトン、レゾルシノール
又はヒドロキノンのような慣用の有機添加剤を、微細粒
子の平滑な析出を達成するために含有させる。
【0022】以下に記載する濃度は、他に記載がない場
合には、電解液1 l当たりに関するものである。
【0023】フルオロホウ酸鉛は、通常5〜100g/
l、好ましくは20〜400g/lの濃度で使用され
る。フルオロホウ酸は、一般には10〜150g/l、
好ましくは15〜90g/lの範囲で使用される。ホウ
酸は概して5〜50g/l、好ましくは10〜30g/
lの範囲で使用される。慣用の有機添加物は、一般に
0.1〜5g/lの量で使用される。
【0024】銅、銀、セレン、テルル、ビスマス及び/
又はアンチモンのような、鉛に加えて可能な他の元素
は、有利にはフルオロホウ酸塩、酸化物、水酸化物又は
炭酸塩の形態で、0.1〜10g/l、好適には0.5
〜10g/lの濃度で使用される。
【0025】炭素数1〜4のアルカンスルホン酸電解槽
の場合には、特にメタンスルホン酸電解槽では、鉛は通
常メタンスルホン酸の塩の形態で、10〜200g/
l、好適には10〜60g/lの量で使用される。フル
オロホウ酸電解槽と同様に、電解液は相応の炭素数1〜
4のアルカンスルホン酸、概してメタンスルホン酸のよ
うな慣用の助剤を20〜150、好適には30〜80g
/lの量で、界面活性剤、例えばLutensol(登
録商標)AP10(BASF社)のようなアルキルフェ
ノールエトキシレートに基づくものを1〜20g/l、
好適には5〜15g/lの量で含有する。鉛に加えて、
電極コーティングは銅、銀、セレン、テルル、ビスマス
及び/又はアンチモンのような他の上述の元素を含有す
ることができ、これらは好適には相応の炭素数1〜4の
アルカンスルホン酸塩、酸化物、水酸化物又は炭酸塩の
形態にして、0.1〜20g/l、好適には0.5〜1
0g/lの量で電解液に添加する。
【0026】電気めっきの場合、0.5〜20ボルト、
好適には1〜10ボルトのDC電圧が一般に電極に適用
される。電気めっきの間の電流密度は、概して1〜20
0mA/cm2、好適には5〜40mA/cm2である。
【0027】電気めっきの持続時間は、選ばれた反応パ
ラメータ、及びコーティングの所望の層の厚さに依存
し、一般に0.5〜10時間である。一般に、層の厚さ
は1〜500μm、好適には20〜200μmで選ばれ
る。
【0028】電気めっきの間の温度は、好ましくは10
〜70℃であるように選択され、反応は好適には室温で
実施される。
【0029】選択された圧力の範囲は、一般には重要で
ないが、大気圧が好適には使用される。
【0030】pHは、使用される電極及び添加剤に本質
的に依存し、概して0〜2である。
【0031】DC電圧に代えて、パルス化電流方法も使
用しうる(J.−C.Puippe,Pulse−Pl
ating,E.Lenze Verlag,Saul
gau、1990を参照)。
【0032】他の好適な態様は、カチオン又はアニオン
交換膜、好適にはアニオン交換膜のようなイオン交換膜
で分割された電解槽内における電気化学的析出を含む。
この方法は、使用する元素の望ましくないアノード上へ
の析出を抑制しうるという利点を有する。
【0033】原則的に、この目的のために適当な電気め
っき用電解槽のいずれの形態も、特には上述の他の電気
めっき用電解槽が、電気めっき用電解槽として使用でき
る。プロセスパラメーターは、一般に上述のものと同一
である。
【0034】使用されるアニオン交換膜は、市販のアニ
オン交換膜、例えばSelemion(登録商標)AM
V(Asahi Glass),Neosepta(登
録商標)ACH45T AM1、AM2又はAM3(T
okoyama Soda)又はAciplex(登録
商標)A101又は102(Asahi Chemic
al)であってもよい。
【0035】他の好適な態様において、新規な電極の製
造は、蒸着、スパッタリング又はアークコーティングの
ような物理的析出方法により実施できる。
【0036】スパッタリングは、5オングストロームな
いし100μmの電極コーティング層の厚さを達成可能
とする。さらに、スパッタリングは多成分層の簡単で再
現可能な製造を可能とし、これまでの知識に基づけば使
用する元素の数に制限はない。
【0037】さらに、電極コーティングの微細構造はス
パッタリング、プロセスガス圧を変えること及び/又は
負のバイアスの電圧を適用することにより影響される。
例えば、4・10~3〜8・10~3ミリバールのプロセス
ガス圧は、高い消耗・腐食安定性を有する極めて濃い、
微細な結晶状の層をもたらす。
【0038】コーティングの間の負のバイアス電圧の適
用は、一般に基質の強いイオン衝撃を生じ、概してこれ
は極めて濃密な層をもたらし、適用された層と基質の完
全な結合をもたらす。
【0039】その上、スパッタリング手段により、鉛に
加えて少くとも1つの他の元素が使用される場合、電極
コーティングが複数の層から構成され、個々の層の厚さ
が上述の範囲内で変化しうるように電極コーティングの
構造を調節可能にする。
【0040】スパッタリングの場合には、コーティング
材料は、一般にターゲットとしてプラズマシステムのカ
ソードに固体として適用され、次いでプロセスガス大気
の中で減圧下、例えば1×10~4〜1、好適には5×1
0~4〜5×10~2ミリバールにてプラズマを使用してス
パッターさせ、コーティングされる基質(アノード)上
に析出させる(R.F.Bhunshah等、Depo
sition Technologies For F
ilms and Coatings,Noyes P
ublications、1982)。一般に、プロセ
スガスとして、ヘリウム、ネオン又はアルゴンのような
少くとも一種の希ガス、好適にはアルゴンが選択され
る。
【0041】プラズマは、一般には、充填された(イオ
ン及び電子)及び中性の(フリーラジカルを含む)プロ
セスガスから構成され、これは衝撃及び照射方法により
互いに相互作用させる。
【0042】マグネトロンスパッタリング、DC及びR
Fスパッタリング又はバイアススパッタリングのような
種々の型のスパッタリング並びにそれらの組みあわせ
が、電極コーティングの製造のために使用できる。一般
にマグネトロンスパッタリングにおいて、スパッタされ
るターゲットは外部磁気領域に存在し、この領域はター
ゲットの範囲内にプラズマを集中させ、それゆえスパッ
タリング速度を増大させる。DC及びRFスパッタリン
グにおいて、スパッタリングプラズマは一般にDC電圧
又はAC電圧(RF)により、例えば10KHz〜10
0MHz、好適には13.6MHzの周波数を有するA
C電圧により励起される。バイアススパッタリングにお
いて、コーティングされる基質には通常バイアス電圧が
提供され、これは一般に負であり、コーティングの間に
イオンにより基質の強い衝撃がもたらされる。
【0043】鉛に加えて他の元素を有する電極コーティ
ングの製造するために、一般に、鉛及び少くとも一種の
他の元素を含有する複数成分ターゲットがスパッタされ
る。適当なターゲットの例は、融解(fusion)又
は粉末治金方法による既知の態様で製造され得る均一の
合金ターゲット及び一般に種々の化学組成物のより小さ
いフラグメントを結合することによる又は均一なターゲ
ット上に小さなディスク状の材料片を載置又は固着する
ことにより製造できる不均一モザイクターゲットであ
る。これらの方法の代替方法として、異なる組成を有す
る2又はそれ以上のターゲットも同時にスパッタさせう
る(同時スパッタリング)。
【0044】電極コーティングの所望の層の厚さ及び化
学組成及び微細構造は、本質的にプロセスガス圧、スパ
ッタリング電力、スパッタリング仕様、基質温度及びコ
ーティング時間により影響される。
【0045】スパッタリング電力は、プラズマを励起さ
せるための電力であり、一般に50Wないし10KWで
ある。
【0046】基質温度は、一般に室温ないし350℃、
好適には150ないし250℃であるように選ばれる。
【0047】コーティング時間は、所望の層の厚さに本
質的に依存する。典型的なスパッタリングにおけるコー
ティング速度は、通常0.1〜100nm/Sである。
【0048】他の好適な態様は蒸着による電極コーティ
ングの製造である(L.Holland,Vacuum
Deposition of Thin Film
s,Chapman及びHay Ltd.、197
0)。コーティング材料は、好適には、電気的に加熱さ
れた蒸発ボート又は電子ビーム蒸発装置のような、適当
な蒸着源に常法で導入される。次いで、コーティング物
質は減圧下、通常10~7〜10~3ミリバールで蒸発さ
せ、真空ユニットに導入された電極上で所望のコーティ
ングを形成させる。
【0049】複数成分フィルムの製造において、蒸発さ
せる材料は共通のソースから適当な組成で、又は異なる
ソースから同時に蒸発させることができる。
【0050】蒸着の典型的な速度は、一般に10nm/
S〜10μm/Sである。
【0051】特別の好適な態様において、コーティング
される基質はフィルムの微細構造及び接着を改良するた
めに、RFプラズマ手段又は慣用のイオン銃手段により
蒸着工程の前又はその間にイオンで衝撃を与えることが
可能である。さらに、フィルムの微細構造及び接着は基
質を加熱することにより影響され得る。
【0052】新規な電極はオレフィン性反応体の還元的
カップリングに使用しうる。ここで、オレフィン性反応
体は一般に、アノード及びカソードとして新規な電極を
有する電気分解電解槽内で電気分解させることにより、
慣用のエレクトロヒドロ二量化方法にて反応させる。
【0053】好適に使用されるオレフィン性反応体は、
次式R12C=CR3Xであり、ここでR1、R2及びR3
は同一又は異なって、それぞれ水素又はC原子数1〜4
のアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル
又はtert−ブチルであり、Xは−CN、−CONR
12又は−COOR1である。この例は、アクリロニト
リル、メタアクリロニトリル、クロトノニトリル、2−
メチレンブチロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−
メチレン−バレロニトリル及び2−メチレンヘキサンニ
トリルのようなオレフィン性ニトリル、アクリレート又
はメチルあるいはエチルアクリレートのようなオレフィ
ン性カルボキシレート、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド及びN,N−ジ
エチルアクリルアミドのようなオレフィン性カルボキサ
ミドであり、特に好適なものはアクリロニトリルであ
る。
【0054】特に好ましい態様において、新規な電極を
用いてアクリロニトリルのエレクトロヒドロ二量化によ
りアジポジニトリルが製造される。それゆえ、以下のデ
ータはこの方法に関するものである。
【0055】今までの観察では電解槽の型は重要ではな
く、このため熟達した作業者は市販の電解槽から選択し
うる。電解槽の好適な態様は、分画されていない電解槽
であり、プレートを積み重ねた(platestac
k)電解槽又はキャピラリーギャップ電解槽が特に好ま
しい。かかる電解槽は、例えばJ.Electroch
em.Soc.131(1934)、435C及びJ.
Appl.Electrochem.2、(197
4)、59に詳細に記載されている。
【0056】使用されているアノードは、既知のアノー
ドであり得る;分割されていない電解槽において、低い
酸素過電圧を有する物質、例えば炭素鋼、スチール、プ
ラチナ、ニッケル、磁鉄鉱、鉛、鉛合金又は二酸化鉛が
一般に好適に使用される(ヒドロカーボンプロセッシン
グ(1981)、161を参照)。
【0057】新規な電極はカソードとして使用され、今
までの観察では以下の型の組成物を好適に使用しうるこ
とが示されている:96.5〜100重量%好適には9
8〜99.5重量%の鉛、0.3〜3重量%、好適には
0.5〜2重量%の銅、0〜3、好適には0〜2重量%
の銀及び/又はビスマス及び/又はセレン及び/又はテ
ルル及び/又はアンチモン。
【0058】一般に、電解溶液は導電性塩を含み、特に
アジポジニトリルの製造の場合に導電性塩を含む。なぜ
ならば、そうでない場合には、形成される主要生成物は
一般にはプロピオニトリルであり、増大した水素形成が
ありうるからである。一般に導電性塩は1〜100ミリ
モル/kg、好適には5〜50ミリモル/kgの電解質
水溶液の量で使用される。
【0059】適当な導電性塩の例は、テトラブチルアン
モニウム塩及びエチルトリブチルアンモニウム塩のよう
な四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム塩及びビ
ス第四級アンモニウム及びホスホニウム塩であり、ヘキ
サメチレンビス(ジブチルエチルアンモニウムヒドロキ
サイド)等である(ヒドロカーボンプロセッシング(1
981)、161;J.Electrochem.So
c.131(1984)、435Cを参照)。
【0060】さらに、電解質溶液は通常、リン酸水素
塩、又は重炭酸塩のような緩衝剤を、好適にはそのナト
リウム塩の形態で、特に好適にはリン酸水素二ナトリウ
ムを、10〜150g/kg、好適には30〜100g
/kgの電解質水溶液の量で含有する。
【0061】また、電解質溶液は、好適には、その目的
で既知のホウ酸のようなアノード腐食抑制剤(ヒドロカ
ーボンプロセッシング(1981)、161を参照)
を、5〜50g/kg、好適には10〜30g/kgの
電解水溶液の量で、好適にはジホウ酸二ナトリウム及び
正ホウ酸を含有する。
【0062】電解質溶液は、さらに好適には、鉄及び鉛
イオンの析出を防止するために錯化剤(Complex
ing agent)を含有する。この例は、エチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)、トリエタノールアミン
(TEOA)及びニトリロトリアセテートであり、好適
には0〜50g/kg、好適には2〜10g/kgの電
解質水溶液の量でのEDTAであり、及び/又は0〜1
0g/kgの好適には0.5〜3g/kgの電解質水溶
液の量でのTEOAである。
【0063】アクリロニトリルは、一般には有機相に基
づいて10〜50重量%、好適にはは20〜30重量%
の量で使用される。
【0064】反応温度は、概して、30〜80℃、好適
には50〜60℃に選択される。
【0065】pHは、本質的に電解質溶液の組成に依存
し、一般には6〜10、好適には7.5〜9である。
【0066】今までの観察では、反応圧力は重要でない
ことが示されている。一般には、大気圧ないし10バー
ルの範囲で選ばれる。
【0067】電流密度は、一般に1〜40A/dm2
好適には5〜30A/dm2であるように選択される。
【0068】連続方法における流動速度は、一般に、
0.5〜2m/秒、好適には0.8〜1.5m/秒であ
る。
【0069】新規の電極の利点は、アクリロニトリルの
アジポジニトリルへのエレクトロヒドロ二量化におい
て、それをカソードとして使用するとき、カソードの消
耗・腐食は、完全に鉛又は鉛合金から成る電極を使用す
る場合よりも実質的に少なく、長い寿命及びより少量の
重金属をもたらすことである。
【0070】
【実施例】電極の上述の消耗・腐食速度は原子吸光分光
手段により決定され(消耗・腐食により放出される鉛イ
オン(カソード)及び鉄イオン(アノード)の濃度の決
定)、反応の完了後の電極の重量の損失を決定すること
により測定された。
【0071】上述の選択性は、ガスクロマトグラフィー
により測定される。
【0072】例1 フルオロホウ酸電解槽から電気化学的析出による新規鉛
電極の製造 使用したカソードは円形のスチールディスク(直径20
mm)であり、これは電気めっき前に油をとり、常法で
酸洗いを行った(pickled)。使用したアノード
は、カソードと同じ大きさの鉛小片(strip)であ
った。電極はタンク中に互いに平行に取り付けた。槽中
の反応混合物は機械的撹拌により撹拌し、槽温度は25
℃であった。
【0073】コーティング電解槽(1 l)は以下の組
成を有していた: 遊離(free)フルオロホウ酸 20g/l ホウ酸 30g/l フルオロホウ酸鉛 90g/l ペプトン 0.5g/l 水 1 l迄 電気めっきは、10mA/cm2の電流密度を使用して
2.5時間実施した。フィルムの厚さは50μmであっ
た。
【0074】例2 1.8重量%の銅を含有する、新規鉛電極の電気化学的
析出による製造 コーティング電解槽が付加的に2.6g/lのフルオロ
ホウ酸銅を含有することを除いて、例1のように行っ
た。フィルムの厚さは50μmであった。
【0075】例3 0.8重量%の銅を含有する、新規な鉛電極の電気化学
的析出による製造 コーティング電解槽が付加的に0.7g/lのフルオロ
ホウ酸銅を含有することを除いて、例1と同様に行っ
た。フィルムの厚さは50μmであった。
【0076】例4 1.3重量%の銅を含有する、新規な鉛電極の電気化学
的析出による製造 コーティング電解槽が付加的に1.6g/lのフルオロ
ホウ酸銅を含有することを除き、例1のとおりに行っ
た。フィルムの厚さは50μmであった。
【0077】例5 3.7重量%の銅を含有する、新規鉛電極の電気化学的
析出による製造 コーティング電解槽が付加的に5.6g/lのフルオロ
ホウ酸銅を含有することを除き、例1のとおりに実施し
た。フィルムの厚さは50μmであった。
【0078】例6 2.2重量%の銅及び1.3重量%のビスマスを含有す
る、新規な鉛電極の電気化学的析出による製造 1.25g/lのフルオロホウ酸銅及び0.5g/lの
硝酸ビスマスをコーティング電解槽が付加的に含有する
ことを除き、例1のとおりに行った。フィルムの厚さは
50μmであった。
【0079】例7 1.3重量%の銅及び0.5重量%のテルルを含有す
る、新規な鉛電極の電気化学的析出による製造 コーティング電解槽が付加的に1.5g/lのフルオロ
ホウ酸銅及び0.65g/lの二酸化テルルを含有する
ことを除き、例1のとおりに実施した。フィルムの厚さ
は50μmであった。
【0080】例8 1.3重量%の銅及び0.1重量%のセレンを含有す
る、新規な鉛電極の電気化学的析出による製造 コーティング電解槽が付加的に2.7g/lのフルオロ
ホウ酸及び0.15g/lの二酸化セレンを含有するこ
とを除いて、例1のとおりに行った。フィルムの厚さは
50μmであった。
【0081】例9 電気化学的析出による新規な鉛の製造 (a)カソードとしてスチールシート(3cm×80c
m)が使用されることを除き、例1のように実施した。
アノードは同じ大きさの鉛小片から構成された。電流密
度は20mA/cm2であり、コーティング時間は2.
5時間であった。フィルムの厚さは100μmであっ
た。
【0082】(b)コーティング槽(10 l)が以下
の組成を有することを除いて、例9(a)と同様に行っ
た: 遊離のメタンスルホン酸 32g/l メタンスルホン酸鉛 70g/l Lutensol(登録商標)AP10 10g/l このフィルムの厚さは100μmであった。
【0083】(c)コーティング電解槽(10 l)が
以下の組成を有することを除き、例9(b)と同様に行
った: 遊離のメタンスルホン酸 32g/l メタンスルホン酸鉛 70g/l メタンスルホン酸銅 5.2g/l Lutensol(登録商標)AP10 10g/l 12.5mA/cm2の電流密度を使用して、電気めっ
きを2時間実施した。フィルムの厚さは60μmであっ
た。コーティングは1重量%の銅を含有していた。
【0084】例10 20mmの直径を有する円形のスチール電極をスパッタ
ーリングユニットに導入した。頂部に置かれた銅小片
(直径2mm)を有する鉛から成る円形のモザイク(m
osiac)ターゲット(直径150mm)を60mm
の距離でスチール基質に平行に挿入した。パーセントで
カバーされる領域は第1表に示される。ユニットは、2
段階のポンプシステムで106ミリバールに排出した。
【0085】基質を200℃に加熱した。その後、アル
ゴンを9×10~3ミリバールで導入した。基質保持器
(holder)に500Wの電力でRF電圧を適用す
ることにより、基質は1分間のスパッターエッチング処
理を行った。この処理の終わりに、Ar圧力を5×10
~3ミリバールにした。ターゲットにDC電圧(1000
Wの電力)を、基質保持器にRF電圧(200Wの電
力)を適用し、スパッタープラズマを加熱し、10μm
の厚さの(Pb−Cu)フィルムをステンレススチール
基質上に析出させた。こうして製造された電極のCu含
量は第1表に示されている。
【0086】
【表1】
【0087】例11 完全に鉛で構成されたカソードを使用するアジポジニト
リルの製造(比較) 装置: 分割されていない電解槽 アノード: スチール カソード: 完全に鉛で構成される 電極領域: 各々の場合において3.14cm2 電極スペース: 2mm 流動速度: 1.1m/秒 電流密度: 20A/dm2 温度: 55℃ 電解液を電気分解槽へポンプ供給した。次いで、この電
解液を分離管に入れ、形成されたアジポジニトリルを有
機相として分離した。その後、水性電解液を電解槽に還
流させた。
【0088】水相は以下のものから成る:7重量%のリ
ン酸水素二ナトリウム、2重量%のジホウ酸(dibo
rate)ナトリウム、2重量%のアクリロニトリル、
0.4重量%のエチレンジアミン四酢酸、0.1重量%
のトリエタノールアミン及び10.5ミリモル/kgの
ヘキサメチレンビス(ジブチルエチルアンモニウム)ホス
フェート(導電性塩)。
【0089】pHはリン酸で8.5にした。
【0090】有機相は以下のものから成る:30容量%
のアクリロニトリル及び70容量%のスベロジニトリ
ル。スベロジニトリルは形成されたアジポジニトリルの
正確な測定を可能とした。反応を開始する前に、2つの
相を循環させて平衡化し、アクリロニトリルを水相に溶
解させた(約2重量%)。残りの成分を、2つの相の間
で分配平衡により分配した。特に、幾分かの導電性塩及
び4重量%の水が有機相に溶解し、そのため有機相中の
アクリロニトリル濃度は約26容量%であった。電気分
解の間、アクリロニトリルを有機相におけるその濃度が
23〜26容量%となるように計量しながら供給した。
さらに、EDTA、TEOA及び導電性塩を水相に計量
しながら供給した。
【0091】電気分解を連続的に90時間実施した。こ
の時間の後、完全に鉛から成るカソードの消耗・腐食速
度は0.35mm/年(0.2mg/Ah)であった。
アジポジニトリルの選択率は90.3%であった。
【0092】例12 スチール上に電気化学的に析出させた鉛フィルムが使用
されたことを除き(例1により製造)、例11と同様に
操作した。
【0093】電気分解は、連続的に90時間実施した。
この時間の後で、鉛コーティングの消耗・腐食速度は
0.25mm/年(0.14mg/Ah)であり、アジ
ポジニトリルの選択率は90.4%であった。
【0094】例13 100μmの厚さの鉛コーティングを有するカソードを
使用したことを除き(例9に従がって製造)、例12の
実験を繰り返した。電気分解を連続して103時間行っ
た。消耗・腐食速度は0.19mm/年(0.11mg
/Ah)であった。
【0095】例12及び13は、新規カソードでは少な
い消耗・腐食が生じたことを示している。
【0096】例14(比較実験) 装置: 分割されていない電解槽 アノード: 炭素鋼 カソード: 完全に鉛で構成 電極領域: 1.9cm×75cm各々 電極スペース: 1.3mm 流動速度: 1.15m/秒 電流密度: 21A/dm2 温度: 55℃ 電解液は電解槽へポンプで供給し、そこから分離管へ通
した。そこで、反応の間に形成されたガスを分離した。
電解液を混合用ユニットへ送り、そこでアクリロニトリ
ル及び電解質添加物を加えた。次いで電解液を熱交換器
に送り、そこで55℃に加熱した。その後、こうして加
熱した電解液を再び電解槽へポンプで戻した。
【0097】電解液(2.5 l)は、次の組成を有し
ていた:7重量%のリン酸水素二ナトリウム、2重量%
の正ホウ酸、0.4重量%のEDTA、0.1重量%の
TEOA及び10ミリモル/kgのヘキサメチレンビス
(ジブチルエチルアンモニウム)ホスフェート。
【0098】電解を行っている間、有機相の濃度が23
〜26容量%となるように計量してアクリロニトリルを
供給した。
【0099】上述の混合用ユニットにおいて、有機相を
有している電解質溶液の一部は連続的に分離され、デカ
ンターに移送され、そこで電解液から有機相を分離し、
補収集する一方、電解液は混合用ユニットへ再循環させ
た。
【0100】アジポジニトリルに基づく選択性は、合計
した有機相から決定した。消耗・腐食速度を混合用ユニ
ットから採取した電解液流から測定した。
【0101】3日後、0.25mm/年(0.15mg
/Ah)の鉛消耗・腐食速度を測定した。更に3日後、
この消耗腐食速度は2mm/年(1.2mg/Ah)に
増大した。その後、実験を終了した。アジポジニトリル
選択率は、当初の値の90.5%から最終値の89.5
%に低下した。
【0102】例15 例9(a)に従がって製造したカソードを使用したこと
を除き、例14の実験を繰り返した。加えて、エレクト
ロヒドロ二量化は200時間実施した。消耗・腐食率は
0.15mm/年(0.09mg/Ah)であり、アジ
ポジニトリル選択率は90.7%であった。
【0103】例16 例9(b)に従がって製造したカソードを使用したこと
を除き、例15の実験を繰り返した。加えて、エレクト
ロヒドロ二量化は240時間行った。消耗・腐食速度は
0.16mm/年(0.10mg/Ah)であり、アジ
ポジニトリル選択率は90.5%であった。
【0104】例17 電解質(2.5 l)が以下の組成を有することを除
き、例15の実験を繰り返した:10重量%のリン酸水
素二ナトリウム、3重量%の正ホウ酸及び10ミリモル
/kgのヘキサメチレンビス(ジブチルエチルアンモニ
ウム)ホスフェート。
【0105】エレクトロヒドロ二量化を700時間行っ
た。消耗・腐食速度は0.15mm/年(0.09mg
/Ah)であり、アジポジニトリル選択率は90.4%
であった。
【0106】例18(比較実験) 導電性塩として80ミリモル/kgのトリブチルエチル
アンモニウムホスフェートを添加したことを除き、例1
1のとおりにした。
【0107】電解は連続して90時間行った。この時間
の後、完全に鉛から成るカソードの消耗・腐食率は0.
9mm/年(0.5mg/Ah)であり、アジポジニト
リル選択率は89.4%であった。
【0108】例19 導電性塩として80ミリモル/kgのトリブチルエチル
アンモニウムホスフェートを添加したことを除き、例1
2のとおりにした。
【0109】電解は、連続して90時間行った。この時
間の後に、完全に鉛で構成されているカソードの消耗・
腐食率は0.21mm/年(0.12mg/Ah)であ
り、アジポジニトリル選択率は90.5%であった。
【0110】例20 例11のとおりにしたが、1.8重量%の銅を含む合金
カソード(例2に従がって製造した)を使用した。
【0111】電解は連続して200時間行った。この時
間の後で、消耗・腐食速度は0.05mm/年(0.0
3mg/Ah)であり、選択率は90.9%であった。
【0112】例21 例11のとおりにしたが、0.8重量%の銅を含む合金
カソード(実施例3に従がって製造した)を使用した。
【0113】電解を連続して209時間行った。この時
間の後で、鉛/銅カソードの消耗・腐食率は0.16m
m/年(0.09mg/Ah)であり、選択率は91.
4%であった。
【0114】例22 例11のとおりにしたが、1.3重量%の銅を含有する
合金カソード(例4に従がい製造)を使用した。
【0115】電解を連続して96時間行った。この時間
の後で、鉛/銅カソードの消耗・腐食速度は0.07m
m/年(0.04mg/Ah)であり、選択率は90.
4%であった。
【0116】例23(比較実験) 例11と同様に行ったが、3.7重量%の銅を含有する
合金カソード(例5に従がって製造)を使用した。
【0117】電解は連続的に90時間行った。この時間
の後で、鉛/銅カソードの消耗・腐食速度は0.05m
m/年(0.03mg/Ah)であり、選択率は88.
8%であった。
【0118】例24 例11と同様に行ったが、2.2重量%の銅及び1.3
重量%のビスマスを含有する三成分系の合金カソード
(例6に従がって製造)を使用した。
【0119】電解は連続的に96時間行った。この時間
の後で、鉛/銅カソードの消耗・腐食率は0.08mm
/年(0.045mg/Ah)であり、選択率は90.
0%であった。
【0120】例25 例11のとおりに行ったが、1.3重量%の銅及び0.
5重量%のテルルを含有する三成分系の合金カソード
(実施例7に従がって製造した)を使用した。
【0121】電解は連続して96時間行った。この時間
の終わりに、鉛/銅カソードの消耗・腐食速度は0.0
9mm/年(0.05mg/Ah)であり、選択率は9
0.9%であった。
【0122】例26 例11のとおりにしたが、1.3重量%の銅及び0.1
重量%のセレンを含有する三成分系の合金カソード(例
8に従がって製造した)を使用した。
【0123】電解は連続して96時間行った。この時間
の後で、鉛/銅カソードの消耗・腐食率は0.05mm
/年(0.03mg/Ah)であり、選択率は90.9
%であった。
【0124】例27 装置: 分割されていない電解槽 アノード: スチール カソード: 0.8重量%の銅を含み、スチール上
に電気化学的に析出した鉛/銅合金フィルム(例28に
より製造した) 電極領域: 80cm×2cm、各々 電極スペース: 1.3mm 流動速度: 1.1m/秒 電流密度: 21.8A/dm2 温度: 55℃ 水相は電解槽へポンプで供給した。形成されたアジポジ
ニトリルは分離管で有機相として分離された。電解質水
溶液は次いで電解槽へ再循環させた。
【0125】水相は以下のものから構成された:88.
5重量%の水、7重量%のリン酸水素二ナトリウム、2
重量%の正ホウ酸、2重量%のアクリロニトリル、0.
4重量%のエチレンジアミン四酢酸、0.1重量%のト
リエタノールアミン及び10.5ミリモル/kgのヘキ
サメチレンビス(ジブチルエチルアンモニウム)ホスフェ
ート及び8.5のpH。
【0126】有機相は以下で構成された:30容量%の
アクリロニトリル及び70容量%のアジポジニトリル。
【0127】反応前において、2個の相は循環させて平
衡化し、そのことによりアクリロニトリルを水相に溶解
させた(約2重量%)。残りの成分はその分配平衡に従
がって2つの相の間で分配させた。特に、一部の導電性
の塩及び約4重量%の水は有機相に溶解しており、その
結果、有機相でのアクリロニトリルの濃度は約24容量
%であった。
【0128】電解後、アクリロニトリルを有機相での濃
度が一定に保たれるようにするため、連続的に計量して
供給した。また、水相を連続的に置き代えた。流れを両
方の相から同時に採取した。
【0129】650時間後、合金電極の消耗・腐食速度
は0.05mm/年(0.03mg/Ah)であり、ア
ジポジニトリルの選択率は91.4%であった。
【0130】例28 アニオン交換膜で分割されたコーティング槽における電
気化学的析出による合金カソードの製造 製造は例9(c)のように行ったが、陰極液(cath
olyte)及び陽極液(anolyte)はアニオン
交換膜(Aciplex(登録商標)ACH−45T)
で分離されていた。これはコーティングの間のアノード
における銅の析出を抑制可能にした。
【0131】槽は以下の組成を有していた: 陰極液 遊離メタンスルホン酸 48g/l メタンスルホン酸鉛 64g/l メタンスルホン酸銅 5g/l Lutensol(登録商標)AP10 10g/l 陽極液 遊離メタンスルホン酸 42g/l メタンスルホン酸鉛 95g/l 電気めっきを、12.5mA/cm2の電流密度を使用
して2時間実施した。フィルムの厚さは、60μmであ
った。合金は0.8重量%の銅を有していた。
【0132】例29 例11のとおりにしたが、スパッターリングにより適用
した鉛の層を有するカソード(例10aに従がって製造
した)を使用した。
【0133】電解は連続して132時間実施した。この
時間の終わりで鉛コーティングの消耗・腐食速度は0.
14mm/年(0.08mg/Ah)であり、アジポジ
ニトリルの選択率は90.6%であった。
【0134】例30 例11のとおりに行ったが、2.4重量%の銅を有す
る、スパッタした鉛/銅カソードを使用した(例10e
に従がって製造した)。
【0135】電解は連続して90時間実施した。この
後、鉛/銅カソードの消耗・腐食速度は0.08mm/
年(0.045mg/Ah)であり、アジポジニトリル
の選択率は90.3%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドレアス ギーゼラー ドイツ連邦共和国 バート デュルクハイ ム カイザースラウタナー シュトラーセ 112 (72)発明者 ハルトムート ヒプスト ドイツ連邦共和国 シュリースハイム ブ ラニヒシュトラーセ 23 (72)発明者 クラウス ハルト ドイツ連邦共和国 アルトライニンゲン シュターレンヴェーク 6 (72)発明者 ペーター イェーガー ドイツ連邦共和国 バッテンベルク パノ ラマシュトラーセ 14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的に鉄を含む導電性コア及び本質的
    に鉛を含む導電性コーティングより成る電極。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電極を製造する方法にお
    いて、電気めっき又は蒸着、スパッタリング及びアーク
    コーティングより成る群から選択される物理的析出方法
    により、導電性コーティングを導電性コアに適用するこ
    とを特徴とする、請求項1記載の電極の製造法。
  3. 【請求項3】 本質的に鉄を含む導電性コア及び本質的
    に鉛を含む導電性コーティングより成る電極をカソード
    として使用することを特徴とする、常法のエレクトロヒ
    ドロ二量化によるオレフィン反応体の還元的カップリン
    グ方法。
JP6133324A 1993-06-16 1994-06-15 鉄−含有コア及び鉛−含有コーティングから成る電極、その製造法、ならびにオレフィン性反応体の還元的カップリング方法 Withdrawn JPH07305189A (ja)

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DE4319951A DE4319951A1 (de) 1993-06-16 1993-06-16 Elektrode, bestehend aus einem Eisen-haltigen Kern und einem Blei-haltigen Überzug
DE4319951.8 1993-06-16

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JP2014524517A (ja) * 2011-08-24 2014-09-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア γ−ヒドロキシカルボン酸エステル及びγ−ラクトンの電気化学的生成のための方法

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