JPH07304579A - 建物用車椅子移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、建物の入口から歩道との間
に階段を設けるようにした建物であってもその建物の入
口まで車椅子を簡単に移送させることのできる建物用車
椅子移送装置を提供することにある。 【構成】 本発明の特徴は、歩道２から建物１の入口ま
での間に設けた階段３の近くに設置され、かつ、車椅子
が載置可能である載置台６と、少なくとも歩道２から前
記階段３の上段までの高さ間で、前記載置台６を昇降さ
せる昇降装置５と、前記載置台６を前記階段３の上段ま
で上昇させた状態で前記載置台６と前記建物１の入口と
の間にある溝部を覆う覆体８とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の入口を歩道など
の地面より高い位置に設けてなる建物に好適な建物用車
椅子移送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、高齢者が増えるに伴い、車椅子を
利用して社会活動する人口が増大してきているととも
に、３世代住宅などの建物も増大してきている。そし
て、３世代住宅などの建物では、その構造が半地下や３
階建てとなっており、しかも玄関などの入口を２階に設
け、その入口と歩道との間を階段とするものが多く見ら
れるようになってきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記建物においては、
歩道から建物の入口までの間が階段となっているため
に、車椅子利用者が１人で建物の入口内に入ることがで
きないとともに、介護者が車椅子を持ち上げて階段をの
ぼるようにすると、その介護者の労力負担がきわめて大
きくなるという問題点があった。そこで階段部分をゆる
い斜面とする改造が考えられるが、ゆるい斜面とするた
めには、広い空間が必要となるため既設の建物では上記
改造が困難であるという問題点を有していた。

【０００４】本発明の目的は、上記問題点に対処し、建
物の入口から歩道との間に階段を設けるようにした建物
であってもその建物の入口まで車椅子を簡単に移送させ
ることのできる建物用車椅子移送装置を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的は、歩道から建
物の入口までの間に設けた階段の近くに設置され、か
つ、車椅子が載置可能である載置台と、少なくとも歩道
から前記階段の高さ間で前記載置台を昇降させる昇降装
置と前記載置台と地面との間にある溝部及び前記載置台
を前記階段の上段まで上昇させた状態で前記載置台と前
記建物の入口との間にある溝部を覆う覆体を具備するこ
とによって達成される。

【０００６】

【作用】車椅子利用者は、建物の入口までが階段になっ
ているときは、第１の覆体を歩道側に倒して歩道と載置
台との間に生ずる溝を覆う。その後、車椅子利用者は、
車椅子を操作して、車椅子が第１の覆体上を移動するよ
うにすれば、載置台と歩道との間に生ずる溝に邪魔され
ることなく円滑に車椅子を載置台にのせることができ
る。

【０００７】載置台上に車椅子をのせた後、第１の覆体
を起こし、昇降装置を操作して載置台を階段の上段の高
さまで上昇させる。この状態で第２の覆体を建物側に倒
して、載置台と建物との間に生ずる溝を覆う。その後車
椅子利用者は、車椅子を操作して、車椅子が第２の覆体
上を移動するようにすれば、載置台と建物との間に生ず
る溝に邪魔されることなく円滑に車椅子を建物の入口に
移動させることができる。又、建物入口から歩道側へ降
りる場合は、逆の手順により移動させることができる。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の一実施例の載置台６が歩道
２の高さにある状態を示す説明図である。歩道２から建
物１の入口４までにある階段３の近くに設置され、車椅
子利用者が、歩道２から建物１の入口４に行こうとする
際、リモートコントローラー（図示せず。以下リモコン
と略す。）操作により、第１の覆体７を歩道２側へ倒
す。第１の覆体７は、第１の覆体駆動用モータ９によ
り、第１の覆体駆動スプロケット１１、第１の覆体駆動
チェーン１５、第１の覆体従動スプロケット１３を介し
駆動される。第１の覆体７が、倒れた状態で、車椅子利
用者は、車椅子を操作し第１の覆体７上を移動するよう
にすれば、載置第６と歩道２との間に生ずる溝に邪魔さ
れることなく円滑に車椅子を、載置台６上に移動させる
ことができる。載置台６上に車椅子を載せ終えた後、前
記リモコン操作により第１の覆体７を起こす。第１の覆
体７が完全に起き上がった後、前記リモコンの載置台上
昇操作（尚、リモコンによる操作は、第１の覆体７の
上、下、第２の覆体８の上、下、載置第６の上昇、下降
の計６種の操作ができることとする。）をし、載置台６
を階段３の上段の高さまで、上昇させる。載置台６の駆
動方式は、油圧の直接式とし、油タンク（図示せず。）
内の油（作動油）を油圧ジャッキ５に送りその油圧によ
り載置台６を上昇、又は下降させる。尚、載置台６の走
行中に載置台６の外へ転落する恐れがあるため、載置台
６上で、第１の覆体７、第２の覆体８がある面以外に
は、転落防止柵１６を設けており、第１の覆体７、第２
の覆体８がある面は、走行中第１の覆体７、第２の覆体
８が起き上がり、転落防止柵の役目を果たす。

【０００９】載置台６が階段３の上段へ到着したなら
ば、第２の覆体８を階段側へ、前記リモコン操作により
倒す。第２の覆体８は、第１の覆体７と同様に、第２の
覆体駆動モータ１０により、第２の覆体駆動用スプロケ
ット１２、第２の覆体駆動チェーン１６、第２の覆体従
動スプロケット１４を介し駆動される。第２の覆体８が
倒れた状態で、車椅子利用者は、車椅子を操作し、第２
の覆体８上を移動するようにすれば、載置台６と階段３
との間に生ずる溝に邪魔されることなく円滑に車椅子
を、建物１の入口４へ移動することができる。尚、第１
の覆体７と第２の覆体８には、車椅子が通過する際、段
差が生じないようにゆるやかな斜面がつけられている。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、歩道から
建物の入口までの間に階段があっても歩道から建物の入
口までの行き来を、車椅子利用者が難なく可能とする建
物用車椅子移送装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す載置台が、歩道の高さ
にある状態を示す説明図である。

【図２】本発明の一実施例を示す図１の載置台が上昇し
て階段の上段の高さにある状態を示す説明図である。

【図３】本発明の一実施例を示す載置台を上から見た状
態を示す説明図である。

【図４】本発明の一実施例を示す図３の断面Ａ−Ａ′で
覆体を起こした状態を示す詳細図である。

【図５】本発明の一実施例を示す図３の断面Ｂ−Ｂ′で
覆体を倒した状態を示す詳細図である。

【図６】本発明の一実施例を示す図３の断面Ｃ−Ｃ′で
覆体の断面図である。

【図７】本発明の一実施例を示す載置台に装備される覆
体、落下防止柵、覆体駆動モータ等の配置を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 建物 ２ 歩道（地面） ３ 階段 ４ 入口 ５ 油圧ジャッキ ６ 載置台 ７ 第１の覆体 ８ 第２の覆体 ９ 第１の覆体駆動モータ １０ 第２の覆体駆動モータ １１ 第１の覆体駆動スプロケット １２ 第２の覆体駆動スプロケット １３ 第１の覆体従動スプロケット １４ 第２の覆体従動スプロケット １５ 第１の覆体駆動チェーン １６ 第２の覆体駆動チェーン １７ 転落防止柵

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歩道から建物の入口までの間に設けた階
   段の近くに設置され、かつ、車椅子が載置可能である載
   置台と、少なくとも歩道から前記階段の高さ間で前記載
   置台を昇降させる昇降装置と前記載置台と地面との間に
   ある溝部及び前記載置台を前記階段の上段まで上昇させ
   た状態で前記載置台と前記建物の入口との間にある溝部
   を覆う覆体を具備することを特徴とする建物用車椅子移
   送装置。
2. 【請求項２】 前記入口は、建物の２階に設けた玄関で
   あり、しかも前記載置台は、建物の１階の地面から前記
   車椅子を載置可能な構成にしたものであることを特徴と
   する請求項１記載の建物用車椅子移送装置。
3. 【請求項３】 前記覆体は、前記載置台側から、前記地
   面及び前記建物側に延びるように前記載置台に設けたこ
   とを特徴とする請求項１若しくは、２記載の建物用車椅
   子移送装置。
4. 【請求項４】 前記載置台は、少なくとも車椅子及びそ
   の車椅子利用者を介護する１人の介護者が乗ることので
   きる面積を有していることを特徴とする請求項１、２、
   若しくは３記載の建物用車椅子移送装置。