JPH07303683A - 輸液容器及びその製造方法 - Google Patents
輸液容器及びその製造方法Info
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- JPH07303683A JPH07303683A JP6100273A JP10027394A JPH07303683A JP H07303683 A JPH07303683 A JP H07303683A JP 6100273 A JP6100273 A JP 6100273A JP 10027394 A JP10027394 A JP 10027394A JP H07303683 A JPH07303683 A JP H07303683A
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- Japan
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- container
- capsule
- vial
- drug
- hydrogen peroxide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便な方法により製造でき、かつ、十分な殺
菌状態を確保しうる輸液容器およびその製造方法を提供
する。 【構成】 薬剤を封入する薬剤容器3と、液体を収納す
る可撓性容器1と、薬剤容器3を収容し、可撓性容器と
気密的に結合して該薬剤と該液体とを混合するカプセル
2と、を有する輸液容器において、カプセル2の内部か
つ薬剤容器3の外部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水
溶液を封入して構成する。
菌状態を確保しうる輸液容器およびその製造方法を提供
する。 【構成】 薬剤を封入する薬剤容器3と、液体を収納す
る可撓性容器1と、薬剤容器3を収容し、可撓性容器と
気密的に結合して該薬剤と該液体とを混合するカプセル
2と、を有する輸液容器において、カプセル2の内部か
つ薬剤容器3の外部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水
溶液を封入して構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療の分野において点
滴注射等に用いられる輸液容器に係り、より詳細にはキ
ット製品と呼ばれるプレフィルドディスポーザブルシリ
ンジの殺菌技術に関する。
滴注射等に用いられる輸液容器に係り、より詳細にはキ
ット製品と呼ばれるプレフィルドディスポーザブルシリ
ンジの殺菌技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、点滴注射に用いられるシステムと
して、薬液をあらかじめ注射筒内に充填した形で提供す
るプレフィルドディスポーザブルシリンジが注目されて
いる。このシステムの一部として用いられる輸液容器と
して、粉末薬剤等の薬剤の入った薬剤用容器(以下、バ
イアルという)と生理食塩水等の溶解液の入った容器と
を無菌状態下で結合し、薬剤を溶解するものがある。こ
の種の輸液容器においては、薬剤の入ったバイアルは内
部が無菌状態に保たれたカプセル内に収容されており、
溶解液は可撓性容器に充填されている。カプセル内に収
納されたバイアルと可撓性容器とは連結管等の連結部材
により連結され、薬剤と溶解液とが混合されて薬液が生
成される。
して、薬液をあらかじめ注射筒内に充填した形で提供す
るプレフィルドディスポーザブルシリンジが注目されて
いる。このシステムの一部として用いられる輸液容器と
して、粉末薬剤等の薬剤の入った薬剤用容器(以下、バ
イアルという)と生理食塩水等の溶解液の入った容器と
を無菌状態下で結合し、薬剤を溶解するものがある。こ
の種の輸液容器においては、薬剤の入ったバイアルは内
部が無菌状態に保たれたカプセル内に収容されており、
溶解液は可撓性容器に充填されている。カプセル内に収
納されたバイアルと可撓性容器とは連結管等の連結部材
により連結され、薬剤と溶解液とが混合されて薬液が生
成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような輸液容器に
ついては、生成される薬液の用途等から、容器内が十分
に殺菌され、無菌状態が確保されることが不可欠であ
る。しかしながら、上記従来の輸液容器においては、容
器内の無菌状態を確保するためには、まず、バイアル外
面、カプセル内部、連結部材を構成する個々のパーツ等
について十分な殺菌を施される。そして、複数のパーツ
それぞれについて個々に殺菌、減菌処理が行われた後、
さらに組立段階での菌の付着、混入を防止するため、組
立環境を無菌状態に維持しつつ、注意深く組立を行う必
要がある。従って、組立作業が複雑となり、また、作業
効率もあまりよくない。
ついては、生成される薬液の用途等から、容器内が十分
に殺菌され、無菌状態が確保されることが不可欠であ
る。しかしながら、上記従来の輸液容器においては、容
器内の無菌状態を確保するためには、まず、バイアル外
面、カプセル内部、連結部材を構成する個々のパーツ等
について十分な殺菌を施される。そして、複数のパーツ
それぞれについて個々に殺菌、減菌処理が行われた後、
さらに組立段階での菌の付着、混入を防止するため、組
立環境を無菌状態に維持しつつ、注意深く組立を行う必
要がある。従って、組立作業が複雑となり、また、作業
効率もあまりよくない。
【0004】また、プラスチック製のパーツ類はエチレ
ンオキサイドガス滅菌やγ線滅菌法により殺菌が可能で
あるが、バイアルについてはその内部に既に薬剤粉末が
封入された状態で外面の殺菌を行わなければならないた
め、上記の殺菌法を使用することができず、ホルムアル
デヒドを使用しなければならない等、簡便に殺菌を行う
ことが困難であった。
ンオキサイドガス滅菌やγ線滅菌法により殺菌が可能で
あるが、バイアルについてはその内部に既に薬剤粉末が
封入された状態で外面の殺菌を行わなければならないた
め、上記の殺菌法を使用することができず、ホルムアル
デヒドを使用しなければならない等、簡便に殺菌を行う
ことが困難であった。
【0005】本発明の目的は、簡便な方法により製造で
き、かつ、十分な殺菌状態を確保しうる輸液容器および
その製造方法を提供することにある。
き、かつ、十分な殺菌状態を確保しうる輸液容器および
その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題に鑑み、本発
明は、薬剤を封入する薬剤容器と、液体を収納する可撓
性容器と、前記薬剤容器を収容し、前記可撓性容器と気
密的に結合して該薬剤と該液体とを混合するカプセル
と、を有する輸液容器において、前記カプセル内部かつ
前記薬剤容器外部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水溶
液を封入して構成される。また、かかる輸液容器は、薬
剤容器内に薬剤を封入し、可撓性容器内に液体を収納
し、前記薬剤容器をカプセル内に収容し、前記カプセル
内部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水溶液を封入し、
前記カプセルと前記可撓性容器とを気密的に結合して製
造される。
明は、薬剤を封入する薬剤容器と、液体を収納する可撓
性容器と、前記薬剤容器を収容し、前記可撓性容器と気
密的に結合して該薬剤と該液体とを混合するカプセル
と、を有する輸液容器において、前記カプセル内部かつ
前記薬剤容器外部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水溶
液を封入して構成される。また、かかる輸液容器は、薬
剤容器内に薬剤を封入し、可撓性容器内に液体を収納
し、前記薬剤容器をカプセル内に収容し、前記カプセル
内部に微量の過酸化水素(H2 O2 )水溶液を封入し、
前記カプセルと前記可撓性容器とを気密的に結合して製
造される。
【0007】
【作用】本発明によれば、薬剤の封入されたバイアルを
カプセル内に収容して輸液容器を組み立てる際、ごく微
量の過酸化水素(H2 O2 )水溶液をカプセル内部に滴
下し、溶解液の充填された容器と結合する。カプセル内
部に封入された過酸化水素は、所定条件下で放置される
ことにより気化しカプセル内部に充満してカプセル内部
及びバイアル外面を殺菌する。これにより、バイアル内
部は無菌状態に保たれる。
カプセル内に収容して輸液容器を組み立てる際、ごく微
量の過酸化水素(H2 O2 )水溶液をカプセル内部に滴
下し、溶解液の充填された容器と結合する。カプセル内
部に封入された過酸化水素は、所定条件下で放置される
ことにより気化しカプセル内部に充満してカプセル内部
及びバイアル外面を殺菌する。これにより、バイアル内
部は無菌状態に保たれる。
【0008】
【実施例】原理説明 まず、本発明の基本原理について説明する。
【0009】本発明においては、輸液容器を構成するバ
イアル、カプセル、連結部材等のパーツ類の組立工程に
おいてバイアルをカプセル内に収納する際、カプセル内
面にごく微量の過酸化水素(H2 O2 )を滴下し、必要
なパーツを取付けた後、カプセルを密封する。このよう
にすると、カプセル内に封入された微量の過酸化水素
(H2 O2 )が気化し、カプセル内部に充満して殺菌効
果を発揮するので、バイアルの外面を確実に殺菌するこ
とができ、また、カプセル内部も無菌状態に保たれる。
イアル、カプセル、連結部材等のパーツ類の組立工程に
おいてバイアルをカプセル内に収納する際、カプセル内
面にごく微量の過酸化水素(H2 O2 )を滴下し、必要
なパーツを取付けた後、カプセルを密封する。このよう
にすると、カプセル内に封入された微量の過酸化水素
(H2 O2 )が気化し、カプセル内部に充満して殺菌効
果を発揮するので、バイアルの外面を確実に殺菌するこ
とができ、また、カプセル内部も無菌状態に保たれる。
【0010】これにより、従来行われていた輸液容器の
組立工程前の各パーツの殺菌を省略することができる。実施例 次に、図面を参照して本発明の好適な実施例について説
明する。
組立工程前の各パーツの殺菌を省略することができる。実施例 次に、図面を参照して本発明の好適な実施例について説
明する。
【0011】図1は、本発明の適用される一の輸液容器
の要部断面図である。同図において、1は溶解液を入れ
る可撓性容器であり、軟質の塩化ビニル樹脂等の可撓性
に富む材料で形成されている。2はカプセルであり、該
カプセル内部に薬剤容器としての薬剤バイアル3(以
下、バイアルという)が収容される。バイアル3は、ガ
ラス製又はプラスチック製であり、内部には粉末状の薬
剤が封入されている。ここで、バイアル3の上部には、
キャップ4が設けられており、このキャップ4およびカ
プセル2によりカプセル2内部が気密空間となる。
の要部断面図である。同図において、1は溶解液を入れ
る可撓性容器であり、軟質の塩化ビニル樹脂等の可撓性
に富む材料で形成されている。2はカプセルであり、該
カプセル内部に薬剤容器としての薬剤バイアル3(以
下、バイアルという)が収容される。バイアル3は、ガ
ラス製又はプラスチック製であり、内部には粉末状の薬
剤が封入されている。ここで、バイアル3の上部には、
キャップ4が設けられており、このキャップ4およびカ
プセル2によりカプセル2内部が気密空間となる。
【0012】カプセル2内部の空間には、微量の過酸化
水素(H2 O2 )水溶液が封入されている。この過酸化
水素(H2 O2 )水溶液は、バイアル3をカプセル2内
に収容する際に、少なくともカプセル内面、さらに要す
ればバイアル外面等に数滴滴下されてバイアルと共にカ
プセル2内に封入される。カプセル2内部に封入された
過酸化水素(H2 O2 )水溶液は、カプセル2を所定条
件下で放置することにより経時的に気化してカプセル2
内に充満し、カプセル2内部を殺菌する。ガス化した過
酸化水素は、しばらくの間カプセル2内に滞留するの
で、カプセル内の微小かつ複雑な形状の部分まで十分に
殺菌がなされる。一方、時間が経過するにつれ、ガス化
した過酸化水素は徐々に分散し、消失する。従って、カ
プセル2の内部が十分に殺菌され、しかもカプセル2内
に過酸化水素が残留することもない。このようにして、
カプセル2内の空間が殺菌され、無菌状態に維持され
る。
水素(H2 O2 )水溶液が封入されている。この過酸化
水素(H2 O2 )水溶液は、バイアル3をカプセル2内
に収容する際に、少なくともカプセル内面、さらに要す
ればバイアル外面等に数滴滴下されてバイアルと共にカ
プセル2内に封入される。カプセル2内部に封入された
過酸化水素(H2 O2 )水溶液は、カプセル2を所定条
件下で放置することにより経時的に気化してカプセル2
内に充満し、カプセル2内部を殺菌する。ガス化した過
酸化水素は、しばらくの間カプセル2内に滞留するの
で、カプセル内の微小かつ複雑な形状の部分まで十分に
殺菌がなされる。一方、時間が経過するにつれ、ガス化
した過酸化水素は徐々に分散し、消失する。従って、カ
プセル2の内部が十分に殺菌され、しかもカプセル2内
に過酸化水素が残留することもない。このようにして、
カプセル2内の空間が殺菌され、無菌状態に維持され
る。
【0013】バイアル3のおよび可撓性容器1の口部
は、いずれもゴム栓等の刺通可能な部材により密封され
ている。バイアル3は、カプセル2内で、口部17を下
向きにして制動手段により支持されている。また、カプ
セル2と可撓性容器1の結合部は図示しない係合部材に
より固定され、両者の口部により液体通路部11が形成
されている。また、液体通路部11内には、バイアル3
の口部と可撓性容器1の口部の双方を刺通する中空の両
頭針17が設けられている。
は、いずれもゴム栓等の刺通可能な部材により密封され
ている。バイアル3は、カプセル2内で、口部17を下
向きにして制動手段により支持されている。また、カプ
セル2と可撓性容器1の結合部は図示しない係合部材に
より固定され、両者の口部により液体通路部11が形成
されている。また、液体通路部11内には、バイアル3
の口部と可撓性容器1の口部の双方を刺通する中空の両
頭針17が設けられている。
【0014】薬剤と溶解液を混合させる時には、キャッ
プ4を回転させ、あるいは押し下げることにより、バイ
アル3は下降し、両頭針17がバイアル3の口部を刺通
する(図2B参照)。さらにキャップ4を回転すると、
バイアル3が制動手段6に係合した後、制動手段6ごと
下降し、両頭針17が可撓性容器1の口部を刺通する。
これにより、バイアル3と可撓性容器1との間に通路が
形成され、薬剤と溶解液の混合が可能となる。このよう
にバイアル3と可撓性容器1とが連通した後可撓性容器
1を圧迫すると、可撓性容器1内の溶解液の一部がバイ
アル3内へ移動し、薬液が生成される。さらに可撓性容
器1の圧迫等を繰り返すと、バイアル3内の液薬が可撓
性容器1内へ戻る。この繰り返しにより得られた液薬
は、チューブ等により外部へ輸液として排出され、利用
される。
プ4を回転させ、あるいは押し下げることにより、バイ
アル3は下降し、両頭針17がバイアル3の口部を刺通
する(図2B参照)。さらにキャップ4を回転すると、
バイアル3が制動手段6に係合した後、制動手段6ごと
下降し、両頭針17が可撓性容器1の口部を刺通する。
これにより、バイアル3と可撓性容器1との間に通路が
形成され、薬剤と溶解液の混合が可能となる。このよう
にバイアル3と可撓性容器1とが連通した後可撓性容器
1を圧迫すると、可撓性容器1内の溶解液の一部がバイ
アル3内へ移動し、薬液が生成される。さらに可撓性容
器1の圧迫等を繰り返すと、バイアル3内の液薬が可撓
性容器1内へ戻る。この繰り返しにより得られた液薬
は、チューブ等により外部へ輸液として排出され、利用
される。
【0015】図1は、キャップ4を回転させると図示し
ない押し出し機構によりバイアル3が下降するタイプの
輸液容器であり、図2は、キャップ4を単純に押し下げ
ることによりバイアル3を下降せしめるタイプの輸液容
器である。また、図3に示すように、ジャバラ構造の押
し込み機構によりバイアルを下降せしめるものもある
が、バイアルをカプセル内に収容し、該カプセルと可撓
性容器を連結して薬液を生成するタイプの輸液容器であ
れば、その組立方法、連結方法の如何を問わず本発明の
適用が可能である。
ない押し出し機構によりバイアル3が下降するタイプの
輸液容器であり、図2は、キャップ4を単純に押し下げ
ることによりバイアル3を下降せしめるタイプの輸液容
器である。また、図3に示すように、ジャバラ構造の押
し込み機構によりバイアルを下降せしめるものもある
が、バイアルをカプセル内に収容し、該カプセルと可撓
性容器を連結して薬液を生成するタイプの輸液容器であ
れば、その組立方法、連結方法の如何を問わず本発明の
適用が可能である。
【0016】次に、かかる輸液容器の製造方法について
説明する。まず初めに、バイアル3の内部に薬剤を封入
し、次に、バイアル3をカプセル2内に収容し、カプセ
ル2内部に過酸化水素(H2 O2 )水溶液を滴下する。
カプセル2内の過酸化水素水溶液は、当該輸液容器を使
用するまでに気化、消失していればよいので、封入する
過酸化水素溶液の量、濃度等は、カプセル内部の容積、
容器を放置する環境の温度、湿度、放置時間等を考慮し
て決定する。なお、過酸化水素はカプセル内で気化し、
充満して殺菌効果を発揮するので、封入時には過酸化水
素水溶液は必ずしもカプセル内に均一に存在している必
要はない。従って、過酸化水素水溶液の封入は、カプセ
ル内の任意の箇所に数滴滴下する等の簡単な作業により
行うことができる。
説明する。まず初めに、バイアル3の内部に薬剤を封入
し、次に、バイアル3をカプセル2内に収容し、カプセ
ル2内部に過酸化水素(H2 O2 )水溶液を滴下する。
カプセル2内の過酸化水素水溶液は、当該輸液容器を使
用するまでに気化、消失していればよいので、封入する
過酸化水素溶液の量、濃度等は、カプセル内部の容積、
容器を放置する環境の温度、湿度、放置時間等を考慮し
て決定する。なお、過酸化水素はカプセル内で気化し、
充満して殺菌効果を発揮するので、封入時には過酸化水
素水溶液は必ずしもカプセル内に均一に存在している必
要はない。従って、過酸化水素水溶液の封入は、カプセ
ル内の任意の箇所に数滴滴下する等の簡単な作業により
行うことができる。
【0017】過酸化水素(H2 O2 )水溶液の滴下が終
了すると、制動手段等の必要な部材をカプセル内外に取
付け、カプセルを密封する。さらにカプセルを可撓性容
器と連結し、所定条件下で放置する。この放置段階で、
過酸化水素は気化し、カプセル内の殺菌が行われる。従
って、各パーツの組立は必ずしも無菌環境下で行う必要
はない。実験例 以下に、本発明の一実験例を示す。
了すると、制動手段等の必要な部材をカプセル内外に取
付け、カプセルを密封する。さらにカプセルを可撓性容
器と連結し、所定条件下で放置する。この放置段階で、
過酸化水素は気化し、カプセル内の殺菌が行われる。従
って、各パーツの組立は必ずしも無菌環境下で行う必要
はない。実験例 以下に、本発明の一実験例を示す。
【0018】本実験においては、図1に示すカプセル
(内容積100ml)に、体積35mlのバイアルをセ
ットした。そして、10%H2 O2 1μlを滴下して密
封した後、溶解液用容器と結合した。この容器を、37
℃で2日間保存後、カプセル内にトリプトソイブイヨン
培地を注入し、55℃で7日間培養した。なお、バイア
ルにはあらかじめ、Bacillus stearothermophilus の芽
胞の懸濁液をスプレーして、バイアル外面に1個当り1
×106 個付着させておいた。実験結果を表1に示す。
(内容積100ml)に、体積35mlのバイアルをセ
ットした。そして、10%H2 O2 1μlを滴下して密
封した後、溶解液用容器と結合した。この容器を、37
℃で2日間保存後、カプセル内にトリプトソイブイヨン
培地を注入し、55℃で7日間培養した。なお、バイア
ルにはあらかじめ、Bacillus stearothermophilus の芽
胞の懸濁液をスプレーして、バイアル外面に1個当り1
×106 個付着させておいた。実験結果を表1に示す。
【0019】
【表1】 表1に示されるように、過酸化水素(H2 O2 )水溶液
を滴下したカプセル内部は、殺菌されて無菌状態となっ
ていた。
を滴下したカプセル内部は、殺菌されて無菌状態となっ
ていた。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、バイアルをカプセル内に収容する際に、微量の過過
酸化水素(H2 O2 )溶液を滴下し、気化した過酸化水
素によりカプセル内部を殺菌することとしたので、従来
困難であったバイアルの外面の殺菌を容易に行うことが
できる。また、容器内の殺菌は、容器の密封後自動的に
行われるので、輸液容器を構成する各パーツをあらかじ
め殺菌しておく必要がなく、さらに組立等を無菌状態下
で行う必要がなくなり、生産性の向上にも寄与しうる。
は、バイアルをカプセル内に収容する際に、微量の過過
酸化水素(H2 O2 )溶液を滴下し、気化した過酸化水
素によりカプセル内部を殺菌することとしたので、従来
困難であったバイアルの外面の殺菌を容易に行うことが
できる。また、容器内の殺菌は、容器の密封後自動的に
行われるので、輸液容器を構成する各パーツをあらかじ
め殺菌しておく必要がなく、さらに組立等を無菌状態下
で行う必要がなくなり、生産性の向上にも寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される輸液容器の要部断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の適用される輸液容器の動作を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明の適用される他の輸液容器の要部断面図
である。
である。
1…可撓性容器 2…カプセル 3…バイアル 4…キャップ 6…制動手段 11…液体通路 17…両頭針
Claims (2)
- 【請求項1】 薬剤を封入する薬剤容器と、液体を収納
する可撓性容器と、前記薬剤容器を収容し、前記可撓性
容器と気密的に結合して該薬剤と該液体とを混合するカ
プセルと、を有する輸液容器において、前記カプセル内
部かつ前記薬剤容器外部に微量の過酸化水素(H
2 O2 )水溶液が封入されていることを特徴とする輸液
容器。 - 【請求項2】 薬剤容器内に薬剤を封入し、可撓性容器
内に液体を収納し、前記薬剤容器をカプセル内に収容
し、前記カプセル内部に微量の過酸化水素(H 2 O2 )
水溶液を封入し、前記カプセルと前記可撓性容器とを気
密的に結合することを特徴とする輸液容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6100273A JPH07303683A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 輸液容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6100273A JPH07303683A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 輸液容器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07303683A true JPH07303683A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14269605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6100273A Pending JPH07303683A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 輸液容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07303683A (ja) |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP6100273A patent/JPH07303683A/ja active Pending
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