JPH0730354A - 複合単結晶圧電基板の製造方法 - Google Patents

複合単結晶圧電基板の製造方法

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JPH0730354A
JPH0730354A JP17406493A JP17406493A JPH0730354A JP H0730354 A JPH0730354 A JP H0730354A JP 17406493 A JP17406493 A JP 17406493A JP 17406493 A JP17406493 A JP 17406493A JP H0730354 A JPH0730354 A JP H0730354A
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JP
Japan
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crystal piezoelectric
piezoelectric substrate
silicon
substrate
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Application number
JP17406493A
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Inventor
Kazuo Eda
和生 江田
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Akihiro Kanahoshi
章大 金星
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 界面のボイド発生が少なく、製造歩留まりが
高く、接合強度が大きく、また熱処理時の加熱を急速に
行うことができることから、生産性の良い複合単結晶圧
電基板の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 特定の材料からなる第1の単結晶圧電基板1
および第2の基板2の表面の、接合予定部を極めて清浄
にした後、さらに疎水化し、重ね合わせて加熱すること
により、第1の単結晶圧電基板1を第2の基板2直接接
合したり、第1の単結晶圧電基板1および第2の基板2
の表面の、少なくとも一方の接合予定部表面に、珪素ま
たは珪素化合物膜を形成し、その表面ならびに他方の接
合予定表面を極めて清浄にし、さらに疎水化し、重ね合
わせて加熱することにより、第1の単結晶圧電基板1を
第2の基板2に、珪素または珪素化合物層を介して接合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱や機械的振動に対す
る安定性に優れた複合単結晶圧電基板に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子に代表される圧電効果を利用
した振動素子は、各種発振器の共振器や共振型のフィル
タとして、無線通信機器に広く利用されている。これら
の素子は機械的に振動するため、その固定をどう行うか
がその性能と密接に関連している。バネやねじで機械的
に固定する方法は、簡便であるが、熱的変化や機械的振
動にたいして長期間安定なものを得るのは困難である。
各種有機系接着剤を用いて固定する方法も知られている
が、これらの接着剤は、やはり耐熱性が十分でなく半田
リフローなどを行うと、振動の周波数が変化したり、ま
たそこからガスが発生して、気密封止された振動部分に
影響を与え、特性を変化させることがある。
【0003】これらの問題点を解決する一つの方法とし
て、特開平4−283957号公報に、水晶をシリコン
に直接接合する方法が知られている。これらの構造は、
熱的および機械的変化に対して極めて安定であるといっ
た優れた特徴を有している。しかしながらここで記述さ
れている製造方法は、接合する水晶またはガラスまたは
シリコンの表面を清浄化したのち、接合予定表面を親水
化処理して重ね合わせ熱処理を行う方法が記述されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、親水化処理に
より表面に吸着した水構成成分の分子間力によって初期
接合を室温で行い、そのままの状態で、加熱処理をする
ことにより、接合強度を上げる方法がとられている。し
かしながらこの方法では、吸着した水構成成分の量が多
かったり、加熱過程が急速に行われると、水構成成分の
接合界面からの離脱が遅れ、界面に閉じ込められて、そ
れがガス化し、界面にボイドを形成することがあり、生
産歩留まりを落としたり、十分な接合強度が得られない
などの課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、特定の材料からなる第1の単結晶圧電基板および第
2の基板の、接合予定部を極めて清浄にした後、さらに
疎水化し、重ね合わせて加熱することにより、前記第1
の単結晶圧電基板を前記第2の基板に直接接合したり、
前記第1の単結晶圧電基板および前記第2の基板の表面
の、少なくとも一方の接合予定部表面に、珪素または珪
素化合物膜を形成し、その表面ならびに他方の接合予定
表面を極めて清浄にし、さらに疎水化し、重ね合わせて
加熱することにより、前記第1の単結晶圧電基板を前記
第2の基板に、珪素または珪素化合物層を介して接合す
るようにしたものである。
【0006】
【作用】上記のような製造方法とすることにより、水構
成成分が接合界面に介在しないことから、界面のボイド
発生が低減し、製造歩留まり、接合強度が向上し、また
熱処理時の加熱を急速に行うことができることから、生
産性が向上するものである。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例の複合単結晶圧電基板の
製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0008】(実施例1)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第1の実施例の断面構
造を図1に示す。図1において、1は水晶、ニオブ酸リ
チウム、タンタル酸リチウムの群から選ばれた第1の単
結晶圧電基板、2は前記同一群より選ばれた第2の単結
晶圧電基板で、前記第1の単結晶圧電基板1に直接接合
されている。このような構成の複合単結晶圧電基板は、
種々の用途に用いられる。具体的には、例えば、図2に
示す様な圧電振動子がある。図2において、1、2は図
1と同様、第1および第2の単結晶圧電基板であり、3
および4はその上下両面に形成された励振用電極であ
る。このように複合単結晶圧電基板の上下両面に対向電
極を設けることにより、単一基板では得られない種々の
特性を有する単結晶圧電振動子が得られる。例えば温度
係数の異なる材料を組み合わせて、温度依存性を変えた
り、電気機械結合係数の大きなものと温度依存性の小さ
い基板を組み合わせることにより、電気機械結合係数が
ある程度大きくて、温度依存性の比較的小さい振動子を
得ることもできる。
【0009】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板を研磨によ
り平坦化し、さらに表面が鏡面状態になるまで研磨す
る。次に接合予定部表面を、洗剤、各種溶剤により極め
て清浄にする。次に各基板表面を疎水化する。具体的に
は、基板表面の結合の一部をフッ素で置換してやれば良
い。さらに具体的には水を含有しないか水含有量の少な
い(10%以下)弗酸(HF)に浸してやれば良い。水
晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムはいずれ
も、HFにより表面がゆっくりとエッチングされる。そ
の時、水がないか少ないと表面の結合の一部にフッ素が
取り込まれるため、表面が疎水化される。その後窒素ブ
ローなどにより表面のHFを除去する。この後、清浄な
雰囲気中で重ね合わせて加熱することにより、水分子を
介さずに界面での基板同士の接合が行われ強化される。
100℃−1000℃程度の温度で数分から数時間熱処
理することにより、接合は強化される。水晶、ニオブ酸
リチウム、タンタル酸リチウムの組合せであればいずれ
の組合せにおいても、本実施例の製造方法により良好な
直接接合を得ることができた。熱処理温度は結晶が圧電
性を保つ範囲内で、高温で行うほど接合強度が向上す
る。
【0010】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、親水化処理をして、純水洗浄などにより表面に
水構成分子を付着させて直接接合した場合に比べ、接合
界面に水分子が介在しないため、特に高温での熱処理時
のボイドの発生が少なく、製造歩留まりが向上し、また
急速に加熱しても界面からのガス発生がないことから生
産性が向上し、また接合強度が上がるなどの効果が得ら
れた。具体的には、500℃以上で熱処理した時の歩留
まりが10%以上向上した。また熱処理時の昇温に要す
る時間を1/2以下にすることが可能であり、生産性が
向上した、また同じ条件で、例えば500℃で熱処理し
たときの接合強度は、平均すると10%以上向上した。
【0011】本製造方法で得られた接合界面は、接着剤
を用いずに原子オーダーの接合が得られるため、熱的変
化や機械的振動にたいして安定な複合単結晶圧電基板が
得られた。
【0012】(実施例2)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第2の実施例の断面構
造を図3に示す。図3において、1および2は実施例1
と同様、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム
の群から選ばれた単結晶圧電基板である。5は、その界
面に設けられた珪素もしくは珪素化合物からなる層であ
り、極めて薄く0.1−5μm程度である。単結晶圧電
基板の厚みは通常数10μmから数100μmである。
このような構成の複合単結晶圧電基板は、やはり実施例
1でのべたと同様の種々の圧電振動子などに用いること
により、好ましい特性が得られる。
【0013】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板を研磨によ
り平坦化し、さらに表面が鏡面状態になるまで研磨す
る。次に接合予定部表面を、洗剤、各種溶剤により極め
て清浄にし、接合する基板の少なくとも一方の面に、珪
素もしくは珪素化合物の膜を、スパッタリング、真空蒸
着、化学気相成長法などにより形成する。珪素は多結晶
でも非晶質でもよい。珪素化合物としては、酸化珪素、
窒化珪素などである。形成した膜表面を同様にきわめて
清浄にした後、その接合予定表面を疎水化する。具体的
には、実施例1と同様、接合予定表面の結合の一部をフ
ッ素で置換してやれば良い。さらに具体的には水を含有
しないか水含有量の少ない(10%以下)弗酸(HF)
に浸してやれば良い。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタ
ル酸リチウムに加えて、珪素および酸化珪素、窒化珪素
などの珪素化合物のいずれも、水がないか水の少ないH
Fに浸すことにより、表面の結合の一部にフッ素が取り
込まれるため、表面が疎水化される。その後、窒素ブロ
ーなどにより表面のHFを除去する。この後、実施例1
と同様にして、清浄な雰囲気中で、珪素もしくは珪素化
合物膜を介して重ね合わせて加熱することにより、水分
子を介さずに界面での基板同士の接合が行われ強化され
る。100℃−1000℃程度の温度で数分から数時間
熱処理することにより、接合は強化される。水晶、ニオ
ブ酸リチウム、タンタル酸リチウムと珪素もしくは酸化
珪素、窒化珪素などの珪素化合物との組合せであればい
ずれの組合せにおいても、本実施例の製造方法により良
好な直接接合を得ることができた。
【0014】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、実施例1と同様、親水化処理をして、純水洗浄
などにより表面に水構成分子を付着させて直接接合した
場合に比べ、接合界面に水分子が介在しないため、特に
高温での熱処理時のボイドの発生が少なく、製造歩留ま
りが向上し、また急速に加熱しても界面からのガス発生
がないことから生産性が向上し、また接合強度が上がる
などの効果が得られた。
【0015】本製造方法で得られた接合界面も、やは
り、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得られるた
め、熱的変化、機械的振動に対して安定な複合単結晶圧
電基板が得られた。
【0016】(実施例3)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第3の実施例の断面構
造を図4に示す。図4において、1は実施例1と同様、
水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムの群から
選ばれた単結晶圧電基板、6はガラス基板である。この
ような構成の複合単結晶圧電基板は、例えば、図5に示
すような、保持構造に優れ、熱的、機械的に安定な圧電
振動子として用いられる。図5において、1は単結晶圧
電基板、6はガラス基板であり、7はガラス基板6の一
部に設けられた貫通孔である。3、4は複合単結晶圧電
基板の上下両面に設けた電極である。圧電振動子を保持
部に固定する場合、各種接着剤を用いて保持部に固定す
るのが普通であるが、接着剤を用いての固着は、熱的お
よび機械的安定性に問題がある。図5に示す直接接合で
の保持は、このような問題がないという好ましい特性が
得られる。
【0017】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板とガラス基
板を研磨により平坦化し、さらに表面が鏡面状態になる
まで研磨する。次に接合予定部表面を、洗剤、各種溶剤
により極めて清浄にし、次にその接合予定表面を疎水化
する。具体的には、実施例1と同様、接合予定表面の結
合の一部をフッ素で置換してやれば良い。さらに具体的
には水を含有しないか水含有量の少ない(10%以下)
弗酸(HF)に浸してやれば良い。水晶、ニオブ酸リチ
ウム、タンタル酸リチウムに加えて、ガラスも、水がな
いか水の少ないHFに浸すことにより、表面の結合の一
部にフッ素が取り込まれるため、表面が疎水化される。
その後、窒素ブローなどにより表面のHFを除去する。
この後、実施例1と同様にして、清浄な雰囲気中で、重
ね合わせて加熱することにより、水分子を介さずに界面
での基板同士の接合が行われ強化される。100℃以上
でガラス基板の軟化点温度以下の温度で数分から数時間
熱処理することにより、接合は強化される。水晶、ニオ
ブ酸リチウム、タンタル酸リチウムとガラス基板との組
合せであればいずれの組合せにおいても、本実施例の製
造方法により良好な直接接合を得ることができた。
【0018】用いるガラス基板の熱膨張率は、接合しよ
うとする単結晶圧電基板の熱膨張率に合わせた方が、高
温での熱処理が可能となることから、接合強度のより強
固なものが得られる。
【0019】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、実施例1と同様、親水化処理をして、純水洗浄
などにより表面に水構成分子を付着させて直接接合した
場合に比べ、接合界面に水分子が介在しないため、特に
高温での熱処理時のボイドの発生が少なく、製造歩留ま
りが向上し、また急速に加熱しても界面からのガス発生
がないことから生産性が向上し、また接合強度が上がる
などの効果が得られた。
【0020】本製造方法で得られた接合界面も、やは
り、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得られるた
め、熱的、機械的安定性の良好な複合単結晶圧電基板子
が得られた。
【0021】(実施例4)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第4の実施例の断面構
造を図6に示す。図6において、1および5は実施例3
と同様、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム
の群から選ばれた単結晶圧電基板とガラス基板である。
5は、実施例2と同様その界面に設けられた珪素もしく
は珪素化合物からなる層であり、極めて薄く0.1−5
μm程度である。単結晶圧電基板ならびにガラス基板の
厚みは通常数10μmから数100μmである。このよ
うな構成の複合単結晶圧電基板は、やはり実施例3での
べたと同様の種々の圧電振動子などに用いることによ
り、好ましい特性が得られる。
【0022】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板ならびにガ
ラス基板表面を研磨により平坦化し、さらに表面が鏡面
状態になるまで研磨する。次に接合予定部表面を、洗
剤、各種溶剤により極めて清浄にし、接合する基板の少
なくとも一方の基板表面に、珪素もしくは珪素化合物の
膜を、スパッタリング、真空蒸着、化学気相成長法など
により形成する。珪素化合物としては、酸化珪素、窒化
珪素などである。形成した膜表面を同様にきわめて清浄
にした後、その接合予定表面を疎水化する。具体的に
は、実施例1と同様、接合予定表面の結合の一部をフッ
素で置換してやれば良い。さらに具体的には水を含有し
ないか水含有量の少ない(10%以下)弗酸(HF)に
浸してやれば良い。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウム、ガラス、珪素および酸化珪素、窒化珪素な
どの珪素化合物のいずれも、水がないか水の少ないHF
に浸すことにより、表面の結合の一部にフッ素が取り込
まれるため、表面が疎水化される。その後、窒素ブロー
などにより表面のHFを除去する。この後、実施例1と
同様にして、清浄な雰囲気中で、珪素もしくは珪素化合
物膜を介して重ね合わせて加熱することにより、水分子
を介さずに界面での基板同士の接合が行われ強化され
る。熱処理は100℃以上で用いるガラス基板の軟化点
以下の温度で数分から数時間行うことにより、接合は非
常に強化される。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸
リチウムおよびガラスと珪素もしくは酸化珪素、窒化珪
素などの珪素化合物との組合せであればいずれの組合せ
においても、本実施例の製造方法により良好な直接接合
を得ることができた。
【0023】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、実施例1と同様、親水化処理をして、純水洗浄
などにより表面に水構成分子を付着させて直接接合した
場合に比べ、接合界面に水分子が介在しないため、特に
高温での熱処理時のボイドの発生が少なく、製造歩留ま
りが向上し、また急速に加熱しても界面からのガス発生
がないことから生産性が向上し、また接合強度が上がる
などの効果が得られた。
【0024】本製造方法で得られた接合界面も、やは
り、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得られるた
め、振動子にした場合、熱的、機械的に安定で良好な複
合単結晶圧電基板子が得られた。
【0025】(実施例5)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第5の実施例の断面構
造を図7に示す。図7において、1は実施例1と同様、
水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムの群から
選ばれた単結晶圧電基板、8は半導体基板で例えばシリ
コン基板である。このような構成の複合単結晶圧電基板
は、例えば、トランジスタなどの電子素子または電子回
路の形成された半導体基板に圧電素子を一体にした電子
ー音響集積回路などへ適用することができる。
【0026】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板と半導体基
板を研磨により平坦化し、さらに表面が鏡面状態になる
まで研磨する。次に接合予定部表面を、洗剤、各種溶剤
により極めて清浄にし、次にその接合予定部表面を疎水
化する。具体的には、実施例1と同様、接合予定表面の
結合の一部をフッ素で置換してやれば良い。さらに具体
的には水を含有しないか水含有量の少ない(10%以
下)弗酸(HF)に浸してやれば良い。水晶、ニオブ酸
リチウム、タンタル酸リチウムに加えて、シリコン基板
も、水がないか水の少ないHFに浸すことにより、表面
の結合の一部にフッ素が取り込まれるため、表面が疎水
化される。その後、窒素ブローなどにより表面のHFを
除去する。この後、実施例1と同様にして、清浄な雰囲
気中で、重ね合わせて加熱することにより、水分子を介
さずに界面での基板同士の接合が行われ強化される。1
00℃から1000℃程度の温度で数分から数時間熱処
理することにより、接合は強化される。水晶、ニオブ酸
リチウム、タンタル酸リチウムとシリコン基板との組合
せであればいずれの組合せにおいても、本実施例の製造
方法により良好な直接接合を得ることができた。
【0027】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、実施例1と同様、親水化処理をして、純水洗浄
などにより表面に水構成分子を付着させて直接接合した
場合に比べ、接合界面に水分子が介在しないため、特に
高温での熱処理時のボイドの発生が少なく、製造歩留ま
りが向上し、また急速に加熱しても界面からのガス発生
がないことから生産性が向上し、また接合強度が上がる
などの効果が得られた。
【0028】本製造方法で得られた接合界面も、やは
り、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得られるた
め、熱的、機械的安定性の良好な複合単結晶圧電基板が
得られた。
【0029】(実施例6)本発明の製造方法により得ら
れる複合単結晶圧電基板の構造の第6の実施例の断面構
造を図8に示す。図8において、1および8は実施例5
と同様、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム
の群から選ばれた単結晶圧電基板と半導体基板である。
5は、実施例2と同様その界面に設けられた珪素もしく
は珪素化合物からなる層であり、極めて薄く0.1−5
μm程度である。単結晶圧電基板ならびに半導体基板の
厚みは通常数10μmから数100μmである。このよ
うな構成の複合単結晶圧電基板は、やはり実施例5での
べたと同様の圧電応用素子に用いることにより、好まし
い特性が得られる。
【0030】このような構造の複合単結晶圧電基板の製
造方法を説明する。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウムの群から選ばれた単結晶圧電基板ならびに半
導体基板表面を研磨により平坦化し、さらに表面が鏡面
状態になるまで研磨する。次に接合予定部表面を、洗
剤、各種溶剤により極めて清浄にし、接合する基板の少
なくとも一方の面に、珪素もしくは珪素化合物の膜を、
スパッタリング、化学気相成長法などにより形成する。
珪素化合物としては、酸化珪素、窒化珪素などである。
半導体基板がシリコンでない場合、例えばGaAsやI
nPなどの3−5族化合物半導体の場合には、半導体基
板上に、珪素もしくは珪素化合物膜を形成した方が望ま
しい。形成した膜表面を同様にきわめて清浄にした後、
その接合予定表面を疎水化する。具体的には、実施例1
と同様、接合予定表面の結合の一部をフッ素で置換して
やれば良い。さらに具体的には水を含有しないか水含有
量の少ない(10%以下)弗酸(HF)に浸してやれば
良い。水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、
シリコン基板、珪素および酸化珪素、窒化珪素などの珪
素化合物のいずれも、水がないか水の少ないHFに浸す
ことにより、表面の結合の一部にフッ素が取り込まれる
ため、表面が疎水化される。半導体基板が3−5族化合
物半導体の場合、表面に珪素もしくは珪素化合物膜を形
成しておけば、この膜の表面を疎水処理することにより
同様に疎水化できる。その後、窒素ブローなどにより表
面のHFを除去する。この後、実施例1と同様にして、
清浄な雰囲気中で、珪素もしくは珪素化合物膜を介して
重ね合わせて加熱することにより、水分子を介さずに界
面での基板同士の接合が行われ強化される。100℃以
上で、用いる半導体基板の変成点以下の温度で数分から
数時間熱処理することにより、接合は強化される。水
晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびシリ
コン半導体基板もしくは珪素もしくは酸化珪素、窒化珪
素などの珪素化合物膜を形成した3−5族化合物半導体
基板との組合せであれば、いずれの組合せにおいても、
本実施例の製造方法により良好な直接接合を得ることが
できた。
【0031】このような方法で作成した複合単結晶圧電
基板は、実施例1と同様、親水化処理をして、純水洗浄
などにより表面に水構成分子を付着させて直接接合した
場合に比べ、接合界面に水分子が介在しないため、特に
高温での熱処理時のボイドの発生が少なく、製造歩留ま
りが向上し、また急速に加熱しても界面からのガス発生
がないことから生産性が向上し、また接合強度が上がる
などの効果が得られた。
【0032】本製造方法で得られた接合界面も、やは
り、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得られるた
め、熱的、機械的に安定で良好な複合単結晶圧電基板子
が得られた。
【0033】本実施例では、複合単結晶圧電基板の特定
の応用例のみを示したが、これらに限定されるものでは
ない。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上記のような製造方法によ
り、水構成成分が接合界面に介在しないことから、界面
のボイド発生が低減し、製造歩留まり、接合強度が向上
し、また熱処理時の加熱を急速に行うことができること
から、生産性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構造図
【図2】本発明の第1の実施例の応用部品の構成図
【図3】本発明の第2の実施例の構造図
【図4】本発明の第3の実施例の構造図
【図5】本発明の第3の実施例の応用部品の構成図
【図6】本発明の第4の実施例の構造図
【図7】本発明の第5の実施例の構造図
【図8】本発明の第6の実施例の構造図
【符号の説明】
1 第1の単結晶圧電基板 2 第2の単結晶圧電基板 3 電極 4 電極 5 珪素もしくは珪素化合物膜 6 ガラス基板 7 貫通孔 8 半導体基板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた第1の単結晶圧電基板と、前記同
    一群より選ばれた第2の単結晶圧電基板の、接合予定部
    を極めて清浄にした後、さらに疎水化し、重ね合わせて
    加熱することにより、前記第1の単結晶圧電基板を前記
    第2の基板に直接接合することを特徴とする複合単結晶
    圧電基板の製造方法。
  2. 【請求項2】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた第1の単結晶圧電基板と、前記同
    一群より選ばれた第2の単結晶圧電基板の、少なくとも
    一方の接合予定部表面に、珪素または珪素化合物膜を形
    成し、その表面ならびに他方の接合予定部表面を極めて
    清浄にし、さらに疎水化し、重ね合わせて加熱すること
    により、前記第1の単結晶圧電基板を前記第2の基板
    に、珪素または珪素化合物層を介して接合することを特
    徴とする複合単結晶圧電基板の製造方法。
  3. 【請求項3】珪素化合物が、酸化珪素または窒化珪素で
    あることを特徴とする請求項2記載の複合単結晶圧電基
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた単結晶圧電基板と、ガラス基板
    の、接合予定部を極めて清浄にした後、さらに疎水化
    し、重ね合わせて加熱することにより、前記単結晶圧電
    基板を前記ガラス基板に直接接合することを特徴とする
    複合単結晶圧電基板の製造方法。
  5. 【請求項5】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた単結晶圧電基板と、ガラス基板
    の、少なくとも一方の接合予定部表面に、珪素または珪
    素化合物膜を形成し、その表面ならびに他方の接合予定
    部表面を極めて清浄にし、さらに疎水化し、重ね合わせ
    て加熱することにより、前記単結晶圧電基板を前記ガラ
    ス基板に、珪素または珪素化合物層を介して接合するこ
    とを特徴とする複合単結晶圧電基板の製造方法。
  6. 【請求項6】珪素化合物が、酸化珪素または窒化珪素で
    あることを特徴とする請求項5記載の複合単結晶圧電基
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた単結晶圧電基板と、半導体基板
    の、接合予定部を極めて清浄にした後、さらに疎水化
    し、重ね合わせて加熱することにより、前記単結晶圧電
    基板を前記半導体基板に直接接合することを特徴とする
    複合単結晶圧電基板の製造方法。
  8. 【請求項8】水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチ
    ウムの群から選ばれた単結晶圧電基板と、半導体基板
    の、少なくとも一方の接合予定部表面に、珪素または珪
    素化合物膜を形成し、その表面ならびに他方の接合予定
    部表面を極めて清浄にし、さらに疎水化し、重ね合わせ
    て加熱することにより、前記単結晶圧電基板を前記半導
    体基板に、珪素または珪素化合物層を介して接合するこ
    とを特徴とする複合単結晶圧電基板の製造方法。
  9. 【請求項9】半導体がシリコンまたは3−5族化合物半
    導体からなることを特徴とする請求項7または8記載の
    複合単結晶圧電基板の製造方法。
  10. 【請求項10】珪素化合物が、酸化珪素または窒化珪素
    であることを特徴とする請求項8記載の複合単結晶圧電
    基板の製造方法。
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