JP2574612B2 - 電子音響集積回路およびその製造方法 - Google Patents

電子音響集積回路およびその製造方法

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JP2574612B2
JP2574612B2 JP27400392A JP27400392A JP2574612B2 JP 2574612 B2 JP2574612 B2 JP 2574612B2 JP 27400392 A JP27400392 A JP 27400392A JP 27400392 A JP27400392 A JP 27400392A JP 2574612 B2 JP2574612 B2 JP 2574612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IIIーV化合物半導体
を用いたトランジスタなどの電子素子と共振子やフィル
タなどの電気音響素子を一体に集積した電子音響集積回
路で、特に電圧制御発振器などの発振回路や高周波増幅
回路の小型軽量化、高性能化に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気音響素子を用いた電子回路、
例えば水晶の共振子を用いた発振器などの発振回路や、
水晶のフィルタを用いた高周波増幅回路では、発振を起
こしたり増幅するための電子素子であるトランジスタ、
および希望の周波数で発振させるための共振子や、希望
の周波数のみを取り出すためのフィルタと、若干のコン
デンサや抵抗などの電気部品より構成される。ここに用
いられる共振子やフィルタは、その振動周波数あるいは
選択周波数として、所定の値を持ち、その性能が十分長
期間安定であるように、金属管などの容器に密封されて
いる。そのため共振子やフィルタの形状寸法が共振子や
フィルタそのものの大きさの数倍にもなってしまい、自
動車電話、携帯電話など小型であることが極めて重要な
装置においては、その小型化が極めて重要な課題となっ
ている。
【0003】一方、Siなどの半導体基板上にスパッタ
リングなどの薄膜技術により、ZnOやAlNなどの圧
電体薄膜を形成し、この圧電薄膜で共振子などを形成し
て、Si電子素子と電気音響素子を一体に集積化する例
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、容器に収
納した共振子やフィルタとトランジスタおよび関連部品
を個別に基板上に接続する方法で構成した発振回路や高
周波増幅回路では、大きくかつ重くなるため、自動車電
話、携帯電話など小型、軽量を最も重要な要素とする装
置においては、好ましくないという課題があった。
【0005】また薄膜形成技術により、Siなどの半導
体基板上に集積化する方法では、形成できる膜がZnO
やAlNなどの一部の材料に限られており、またその特
性はバルクの特性よりも劣るものであり、また電気音響
的性質の優れた水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
チウム、ほう酸リチウムなどにおいては良好な薄膜は得
られていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、トランジスタなどの電子素子を有するIIIーV化合
物半導体基板上に、電気音響特性に優れた水晶、ニオブ
酸リチウム、タンタル酸リチウム、ほう酸リチウムなど
の単結晶圧電体基板を用いた電気音響素子を、直接接合
することにより集積化したものである。
【0007】
【作用】上記のような構成とすることにより、小型軽
量、高性能の電子音響集積回路、特に発振回路や高周波
増幅回路が得られる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例の電子音響集積回路、特
に発振回路や高周波増幅回路に適用した場合の構成とそ
の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0009】(実施例1) 本実施例の発振回路の構造の第1の例を図1に示す。図
1(a)は本実施例の構造の側面図、図1(b)はその
斜視図である。図において、1はIII−V化合物半導
体であるGaAs基板、2はGaAs基板1の上に直接
接合された単結晶圧電体である水晶基板からなる表面弾
性波共振子、3はGaAs基板上に形成されたトランジ
スタ、4は電圧により靜電容量の変化する可変容量ダイ
オードチップ、5はコンデンサやインダクタ、抵抗など
の受動チップ部品、6は表面弾性波共振子の電極、7は
表面弾性波共振子の電極とGaAs基板上の配線とを接
続する接続ワイヤーである。図では各部品の代表的配置
の例のみを示したもので、実際には図2の回路図に示す
電圧制御発振器の構成になるように、各部品が配置され
各電極が接続されている。また抵抗やコンデンサ、可変
容量ダイオードなどは、GaAs基板に一体に作り込む
ことも可能である。また接続ワイヤーを用いずに基板上
の金属薄膜により配線することも可能である。可変容量
ダイオードに加わる電圧を変えることにより、静電容量
を変え、発振周波数を変えることができる。GaAs基
板1と水晶基板2は、実施例3で記述の方法、すなわち
接合部表面の親水処理、および重ね合わせ熱処理によ
り、直接接合されている。このように一体に集積化され
たものを密封容器に収納することにより超小型の電圧制
御発振器が得られる。このような構造とすることによ
り、発振回路部と共振子を一体として集積化できるた
め、従来よりも大幅な小型化が可能となった。このよう
な構成とすることにより、従来のように表面弾性波共振
子を容器に密閉したものを個別につけたものに比べ、体
積で約1/10、重量で約1/5となる。
【0010】接合を一般の樹脂などの接着剤を用いて行
うと、耐熱性や耐薬品性の面から、その後は半導体プロ
セスが行えないなどの問題点があるが、本実施例の方法
を用いれば、GaAs基板と水晶基板は、直接接合され
たものであり、そのような問題が大幅に改善される。
【0011】また樹脂などの接着剤を用いて接着する
と、GaAs基板とその上に貼り付けた水晶基板の平行
度が悪くなり、その後に水晶基板上に、ホトリソグラフ
ィーで形成する櫛型電極の寸法精度が悪くなる。例え
ば、共振周波数が1GHz程度になると、電極寸法は約
1ミクロン以下の幅となる。したがって平行度が悪い
と、準マイクロ波帯の表面弾性波共振子を形成すること
はできない。しかし本実施例の方法では、直接接合され
ており基板表面の加工精度できまり、この精度は十分高
くすることができる。したがって以上のような問題が解
決される。この効果は特に高周波で大きい。
【0012】また樹脂の接着剤を用いた場合、熱に弱い
問題や、熱膨張係数が有機物である樹脂と無機のGaA
s基板や水晶基板で大きく異なることによる、機械的歪
による長期信頼性の問題などがあったが、本実施例で
は、そのような問題も解決される。
【0013】本実施例では図2に示す回路構成の発振回
路の例を示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に
一体化して集積化できることは明らかである。
【0014】またGaAs基板はSi基板よりも電子移
動度が約6倍程度速いため、高周波のトランジスタを作
ることが容易であり、とくに高周波回路に適している。
【0015】また本実施例では電気音響素子として、表
面弾性波素子の例を示したが、バルク型振動素子を形成
することも可能である。
【0016】(実施例2) 本実施例の高周波増幅回路への適用例を、図3に示す。
図3は、フィルタと増幅回路直結したものであり、構成
部品は、フィルタ、トランジスタおよびコンデンサであ
る。したがって実施例1と同様、GaAs基板に各種電
子素子を、水晶基板に表面弾性波フィルタを形成し、そ
れらを図3に示す高周波増幅回路になるように配線する
ことにより、フィルタと増幅回路を一体に集積化した電
子音響集積回路が得られる。GaAs基板と水晶基板の
接合は、実施例1と同様、実施例3で記述の方法、すな
わち接合部表面の親水処理、および重ね合わせ熱処理に
より、直接接合することができ、その効果も実施例1と
同様である
【0017】(実施例3)本実施例の発振回路の製造方
法の他の例を示す。
【0018】まずGaAs基板の所定の箇所にエッチン
グなどにより凹部を設け、その内部に、直接接合のため
の熱処理温度以上で行うプロセス、例えば、拡散プロセ
スなどを含めて、一連の半導体プロセス処理を行い、ト
ランジスタおよび可変容量ダイオードなどを形成する。
拡散プロセスは、通常1000℃以上の高温で行われ
る。次に、各種電子素子を形成したGaAs部に保護膜
を形成する。その後、接合するGaAs基板および水晶
基板表面を極めて清浄にし、GaAs基板接合部は硫酸
ー過酸化水素系エッチング液、水晶基板接合部は弗酸系
エッチング液により表面層をごくわずかにエッチング除
去するとともに、表面層を親水処理する。表面を親水処
理するのは、表面に水酸基を付着させるためである。硫
酸−過酸化水素系のエッチング液は、容易にGaAs表
面を親水化し、その後純水に浸すと容易に表面に水酸基
が付着する。水晶基板を弗酸系エッチング液で処理する
と、水晶の表面に容易にF原子が付着する。この状態で
純水に浸すと、F原子は容易に水酸基に置換される。し
たがって、このようにして接合部表面に水酸基を付着さ
せ、一様に重ね合わせることにより、容易に接合が得ら
れる。この状態で熱処理を行うことにより接合強度が強
化される。100から800℃の温度で熱処理を行う
と、その接合は更に強化される。熱処理温度が高い場
合、GaAs基板と水晶基板の熱膨張率の差があるた
め、形状、寸法などに多少の制約が加えられるが、基本
的には、高温で熱処理する場合ほど、水晶基板の厚みを
薄く、また面積を小さくしていけば、剥離や破損なく接
合強度の向上が可能である。次に、接合の熱処理温度以
下で処理する各種プロセス、例えば電極形成などを実施
し、その時あるいはその後、水晶基板表面に真空蒸着等
により、電極を形成し、さらに通常のホトリソグラフィ
ーにより、配線パターンを形成する。電極はアルミニウ
ムや金などが用いられる。接合強化の熱処理効果は、例
えば、200℃で、1時間程度保持するだけでも接合強
度は数倍に上がり、数10Kg/平方cmの強度が得ら
れる。
【0019】また温度が高くなるにつれ、Asが蒸発し
やすくなるため、その場合には、GaAsウェーハを上
に乗せるなどしてAsの蒸発を抑えるのが好ましい。
【0020】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は実施例3と同様に行えることは明らかである。
【0021】本実施例では共振子やフィルタとして、表
面弾性波素子の例で示したが、バルク波振動を利用した
電気音響素子に対してもほぼ同様にして適用できる。こ
の場合には、バルク型振動素子下部の半導体基板をエッ
チングなどにより、くり抜くことにより実現できる。
【0022】(実施例4) 本実施例の発振回路の構造の第3の例を図4に示す。図
4(a)は本実施例の構造の側面図、図4(b)はその
斜視図である。図において、1はシ−ス化合物半導体で
あるGaAs基板、2’はGaAs基板1の上に直接接
合された単結晶圧電体であるニオブ酸リチウムまたはタ
ンタル酸リチウムまたはほう酸リチウム単結晶圧電体基
板からなる表面弾性波共振子、3から7までの各構成要
素の機能と名称は実施例1と同様である。図では各部品
の代表的配置の例のみを示したもので、実際にはこの場
合にも実施例1と同様、図2の回路図に示す電圧制御発
振器の構成になるように、各部品が配置され各電極が接
続されている。また抵抗やコンデンサ、可変容量ダイオ
ードなどは、GaAs基板に一体に作り込むことも可能
である。GaAs基板1とニオブ酸リチウムまたはタン
タル酸リチウムまたはほう酸リチウム単結晶圧電体基板
2’は、両基板の表面を親水処理後、重ね合わせ熱処理
により直接接合されている。これにより実施例1と同様
の機能および効果が得られる。すなわちこのような構造
とすることにより、発振回路部と共振子を一体として集
積化できるため、従来よりも大幅な小型化が可能となっ
た。このような構成とすることにより、従来のように表
面弾性波共振子を容器に密閉したものを個別につけたも
のに比べ、体積で約1/10、重量で約1/5となる。
【0023】また直接接合の効果も実施例1と同様であ
る。本実施例では図2に示す回路構成の発振回路の例を
示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に一体化し
て集積化できることは明らかである。
【0024】またGaAs基板はSi基板よりも電子移
動度が約6倍程度速いため、高周波のトランジスタを作
ることが容易であり、とくに高周波回路に適している。
【0025】また実施例2と同様、図3に示す高周波増
幅回路に適用でき、同様の効果の得られることも明らか
である。
【0026】(実施例5)本実施例4の発振回路の製造
方法の例を示す。
【0027】製造プロセスは、基本的には実施例3とほ
ぼ同じである。すなわち実施例3において、水晶基板の
かわりにニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムま
たはほう酸リチウム単結晶圧電体基板を用い、同様の親
水処理、純水洗浄、重ね合わせ熱処理により接合でき
る。各種電子回路および配線などの形成も同様にでき
る。ニオブ酸リチウムおよびタンタル酸リチウム基板表
面のエッチングは水晶同様、弗酸系エッチング液で処理
する。ほう酸リチウムの場合には、酢酸などの弱酸を用
いる。GaAs基板表面のエッチング処理は、実施例3
と同様である。また熱処理効果も実施例3と同様100
−800℃の間で良好な直接接合が得られる。
【0028】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は同様に行えることは明らかである。またバルク型振動
素子も実施例3で述べたと同様形成できる。
【0029】(実施例6)本実施例の発振回路の構造の
第4の例を図5に示す。図5(a)は本実施例の構造の
側面図、図5(b)はその斜視図である。図において、
1’はIIIーV化合物半導体であるInP基板、2はI
nP基板1の上に直接接合された水晶基板からなる表面
弾性波共振子、3から7までの各構成要素の機能と名称
は実施例1と同様である。図では各部品の代表的配置の
例のみを示したもので、実際にはこの場合にも実施例1
と同様、図2の回路図に示す電圧制御発振器の構成にな
るように、各部品が配置され各電極が接続されている。
また抵抗やコンデンサ、可変容量ダイオードなどは、I
nP基板に一体に作り込むことも可能である。InP基
板1’と水晶基板2は、両基板の表面を親水処理後、重
ね合わせ熱処理により直接接合されている。これにより
実施例1と同様の機能および効果が得られる。すなわち
このような構造とすることにより、発振回路部と共振子
を一体として集積化できるため、従来よりも大幅な小型
化が可能となった。このような構成とすることにより、
従来のように表面弾性波共振子を容器に密閉したものを
個別につけたものに比べ、体積で約1/10、重量で約
1/5となる。
【0030】また直接接合の効果も実施例1と同様であ
る。本実施例では図2に示す回路構成の発振回路の例を
示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に一体化し
て集積化できることは明らかである。
【0031】またInP基板はGaAs基板同様Si基
板よりも電子移動度が約2倍程度速いため、高周波のト
ランジスタを作ることが容易であり、とくに高周波回路
に適している。
【0032】また実施例2と同様、図3に示す高周波増
幅回路に適用でき、同様の効果の得られることも明らか
である。
【0033】(実施例7)本実施例6の発振回路の製造
方法の例を示す。
【0034】製造プロセスは、基本的には実施例3とほ
ぼ同じである。すなわち実施例3において、GaAs基
板のかわりにInP基板を用い、同様の親水処理、純水
洗浄、重ね合わせ熱処理により接合できる。各種電子回
路および配線などの形成も同様にできる。InP基板表
面のエッチング処理は、実施例3と同様、硫酸ー過酸化
水素系エッチングを用いる。また熱処理効果も実施例3
と同様100−800℃の間で良好な直接接合が得られ
る。
【0035】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は同様に行えることは明らかである。
【0036】(実施例8)本実施例の発振回路の構造の
第5の例を図6に示す。図6(a)は本実施例の構造の
側面図、図6(b)はその斜視図である。図において、
1’はIIIーV化合物半導体であるInP基板、2’は
InP基板1’の上に直接接合された単結晶圧電体であ
るニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムまたはほ
う酸リチウム単結晶圧電体基板からなる表面弾性波共振
子、3から7までの各構成要素の機能と名称は実施例1
と同様である。図では各部品の代表的配置の例のみを示
したもので、実際にはこの場合にも実施例1と同様、図
2の回路図に示す電圧制御発振器の構成になるように、
各部品が配置され各電極が接続されている。また抵抗や
コンデンサ、可変容量ダイオードなどは、InP基板に
一体に作り込むことも可能である。InP基板1’とニ
オブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムまたはほう酸
リチウム単結晶圧電体基板2’は、両基板の表面を親水
処理後、重ね合わせ熱処理により直接接合されている。
これにより実施例1と同様の機能および効果が得られ
る。すなわちこのような構造とすることにより、発振回
路部と共振子を一体として集積化できるため、従来より
も大幅な小型化が可能となった。このような構成とする
ことにより、従来のように表面弾性波共振子を容器に密
閉したものを個別につけたものに比べ、体積で約1/1
0、重量で約1/5となる。
【0037】また直接接合の効果も実施例1と同様であ
る。本実施例では図2に示す回路構成の発振回路の例を
示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に一体化し
て集積化できることは明らかである。
【0038】またInP基板はSi基板よりも電子移動
度が約2倍程度速いため、高周波のトランジスタを作る
ことが容易であり、とくに高周波回路に適している。
【0039】また実施例2と同様、図3に示す高周波増
幅回路に適用でき、同様の効果の得られることも明らか
である。
【0040】(実施例9)本実施例8の発振回路の製造
方法の例を示す。
【0041】製造プロセスは、基本的には実施例3とほ
ぼ同じである。すなわち実施例3において、GaAs基
板のかわりにInP基板を、水晶基板のかわりにニオブ
酸リチウムまたはタンタル酸リチウムまたはほう酸リチ
ウム単結晶圧電体基板を用い、同様の親水処理、純水洗
浄、重ね合わせ熱処理により接合できる。各種電子回路
および配線などの形成も同様にできる。ニオブ酸リチウ
ムおよびタンタル酸リチウム基板表面のエッチングは水
晶同様弗酸系エッチング液で処理する。ほう酸リチウム
の場合には、酢酸などの弱酸を用いる。InP基板表面
のエッチング処理は、実施例7と同様である。また熱処
理効果も実施例3と同様100−800℃の間で良好な
直接接合が得られる。
【0042】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は同様に行えることは明らかである。
【0043】(実施例10)本実施例の発振回路の構造
の第6の例を図7に示す。図7(a)は本実施例の構造
の側面図、図7(b)はその斜視図である。図におい
て、1’’はIIIーV化合物半導体であるInGaAs
層を有するGaAs基板、2はInGaAs層を有する
GaAs基板1’’の上に直接接合された水晶基板から
なる表面弾性波共振子、3から7までの各構成要素の機
能と名称は実施例1と同様である。図では各部品の代表
的配置の例のみを示したもので、実際にはこの場合にも
実施例1と同様、図2の回路図に示す電圧制御発振器の
構成になるように、各部品が配置され各電極が接続され
ている。また抵抗やコンデンサ、可変容量ダイオードな
どは、InGaAs層を有するGaAs基板に一体に作
り込むことも可能である。InGaAs層を有するGa
As基板1’’と水晶基板2は、両基板の表面を親水処
理後、重ね合わせ熱処理により直接接合されている。こ
れにより実施例1と同様の機能および効果が得られる。
すなわちこのような構造とすることにより、発振回路部
と共振子を一体として集積化できるため、従来よりも大
幅な小型化が可能となった。このような構成とすること
により、従来のように表面弾性波共振子を容器に密閉し
たものを個別につけたものに比べ、体積で約1/10、
重量で約1/5となる。
【0044】また直接接合の効果も実施例1と同様であ
る。本実施例では図2に示す回路構成の発振回路の例を
示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に一体化し
て集積化できることは明らかである。
【0045】またInGaAs層はGaAs基板同様S
i基板よりも電子移動度が約3−5倍程度速いため、高
周波のトランジスタを作ることが容易であり、とくに高
周波回路に適している。
【0046】また実施例2と同様、図3に示す高周波増
幅回路に適用でき、同様の効果の得られることも明らか
である。
【0047】(実施例11)本実施例10の発振回路の
製造方法の例を示す。
【0048】製造プロセスは、基本的には実施例3とほ
ぼ同じである。すなわち実施例3において、GaAs基
板のかわりにInGaAs層を表面に有するGaAs基
板を用い、同様の親水処理、純水洗浄、重ね合わせ熱処
理により接合できる。各種電子回路および配線などの形
成も同様にできる。InGaAs層表面のエッチング処
理は、実施例3と同様、硫酸ー過酸化水素系エッチング
を用いる。また熱処理効果も実施例3と同様100−8
00℃の間で良好な直接接合が得られる。電子素子はI
nGaAs層に形成する。InGaAs層の厚みは1−
5μm程度あれば各種電子素子の形成が可能である。
【0049】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は同様に行えることは明らかである。
【0050】(実施例12)本実施例の発振回路の構造
の第7の例を図8に示す。図8(a)は本実施例の構造
の側面図、図8(b)はその斜視図である。図におい
て、1’’はIIIーV化合物半導体であるInGaAs
層を有するGaAs基板、2’はInGaAs層を有す
るGaAs基板1’’の上に直接接合されたニオブ酸リ
チウムまたはタンタル酸リチウムまたはほう酸リチウム
単結晶圧電体基板からなる表面弾性波共振子、3から7
までの各構成要素の機能と名称は実施例1と同様であ
る。図では各部品の代表的配置の例のみを示したもの
で、実際にはこの場合にも実施例1と同様、図2の回路
図に示す電圧制御発振器の構成になるように、各部品が
配置され各電極が接続されている。また抵抗やコンデン
サ、可変容量ダイオードなどは、InGaAs層を有す
るGaAs基板に一体に作り込むことも可能である。I
nGaAs層を有するGaAs基板1’’と単結晶圧電
体基板2’は、両基板の表面を親水処理後、重ね合わせ
熱処理により直接接合されている。これにより実施例1
と同様の機能および効果が得られる。すなわちこのよう
な構造とすることにより、発振回路部と共振子を一体と
して集積化できるため、従来よりも大幅な小型化が可能
となった。このような構成とすることにより、従来のよ
うに表面弾性波共振子を容器に密閉したものを個別につ
けたものに比べ、体積で約1/10、重量で約1/5と
なる。
【0051】また直接接合の効果も実施例1と同様であ
る。本実施例では図2に示す回路構成の発振回路の例を
示したが、これ以外の発振回路の構成も同様に一体化し
て集積化できることは明らかである。
【0052】またInGaAs層はGaAs基板同様S
i基板よりも電子移動度が約3−5倍程度速いため、高
周波のトランジスタを作ることが容易であり、とくに高
周波回路に適している。
【0053】また実施例2と同様、図3に示す高周波増
幅回路に適用でき、同様の効果の得られることも明らか
である。
【0054】(実施例13)本実施例12の発振回路の
製造方法の例を示す。
【0055】製造プロセスは、基本的には実施例3とほ
ぼ同じである。すなわち実施例3において、GaAs基
板のかわりにInGaAs層を表面に有するGaAs基
板を、水晶基板の代わりにニオブ酸リチウムまたはタン
タル酸リチウムまたはほう酸リチウム単結晶圧電体基板
を用い、同様の親水処理、純水洗浄、重ね合わせ熱処理
により接合できる。各種電子回路および配線などの形成
も同様にできる。InGaAs層表面のエッチング処理
は、実施例3と同様、硫酸ー過酸化水素系エッチングを
用いる。また熱処理効果も実施例3と同様100−80
0℃の間で良好な直接接合が得られる。電子素子はIn
GaAs層に形成する。InGaAs層の厚みは1−5
μm程度あれば各種電子素子の形成が可能である。
【0056】高周波増幅回路の場合、電気音響素子とし
てフィルタを用い、回路構成が少し異なるだけで、製造
は同様に行えることは明らかである。
【0057】本実施例では、IIIーV化合物半導体とし
て、GaAs、InPおよびInGaAsの例を示した
が、化学的および電子的性質のよく似たこれ以外のIII
ーV化合物半導体にも広く適用できるものである。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような構成と製
造方法から成るので、以下に記載されるような効果を示
す。
【0059】いずれの実施例においても、まず第1に、
発振子やフィルタなどの電気音響素子とトランジスタな
どの電子素子を、一体に集積しているので、発振回路や
高周波増幅回路を大幅に小型化、軽量化する事が可能と
なり、従来の容器に収納した共振子やフィルタを用いる
場合に比べ、容積で約1/10、重さで約1/5にする
ことは容易である。
【0060】本実施例の接合方法は、IIIーV化合物半
導体基板と水晶基板を直接接合しているので、平面性が
極めて良く、動作周波数の設定に必要な、サブミクロン
のホトリソグラフィーが可能となるとともに、熱や振動
などに対する信頼性も大幅に向上するものである。
【0061】本実施例では、電圧制御発振器の発振回路
および高周波増幅回路の構成の例を示したが、基本的に
は電気音響素子とトランジスタなどの電子素子を一体に
集積できるものであり、これらに限らず、広く電子音響
集積回路一般に適用できるものである。
【0062】また本実施例の方法では、電気音響特性に
優れた水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、
ほう酸リチウムなどの単結晶圧電体基板を用いることが
でき、またその結晶方位も自由に選べることから、限ら
れた材料でしか作れずまたバルクの特性に劣る性能しか
出せない薄膜方式のものよりも性能的に良いものが得ら
れるものである。
【0063】またIIIーV化合物半導体であるGaAs
やInPは、電子移動度が、Siよりも速く、高周波回
路により適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図
【図2】本発明の第1の実施例の回路構成図
【図3】本発明の第2の実施例の回路構成図
【図4】本発明の第3の実施例の構成図
【図5】本発明の第4の実施例の構成図
【図6】本発明の第5の実施例の構成図
【図7】本発明の第6の実施例の構成図
【図8】本発明の第7の実施例の構成図
【符号の説明】
1、1’、1’’ IIIーV化合物半導体基板 2、2’ 共振子 3 トランジスタ 4 可変容量ダイオード 5 受動部品 6 電極 7 配線ワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03F 3/195 H04R 17/00 H03H 9/25 H01L 41/08 D H04R 17/00 41/22 Z (72)発明者 小掠 哲義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−183915(JP,A) 特開 昭56−79487(JP,A) 特開 昭55−109021(JP,A) 特開 平4−283957(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】III−V化合物半導体基板に、水晶また
    はニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムまたはほ
    う酸リチウムからなる単結晶圧電基板が、それぞれの基
    板表面の親水処理ならびに重ね合わせ熱処理により直接
    接合されており、前記III−V化合物半導体基板に電
    子素子を、前記単結晶圧電基板に電気音響素子を有する
    ことを特徴とする電子音響集積回路。
  2. 【請求項2】III−V化合物半導体がGaAsまたは
    InPを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の
    電子音響集積回路。
  3. 【請求項3】III−V化合物半導体基板に電子素子を
    形成する工程と、前記III−V化合物半導体基板の接
    合する面、および水晶またはニオブ酸リチウムまたはタ
    ンタル酸リチウムまたはほう酸リチウムからなる単結晶
    圧電基板の接合する面を、親水処理する工程と、前記両
    基板を重ね合わせ熱処理により直接接合する工程と、前
    記単結晶圧電基板に電気音響素子を形成する工程と、前
    記III−V化合物半導体基板の電子素子と、前記電気
    音響素子を電気的に接続する工程とからなることを特徴
    とする電子音響集積回路の製造方法。
  4. 【請求項4】III−V化合物半導体がGaAsまたは
    InPを主成分とすることを特徴とする請求項3記載の
    電子音響集積回路の製造方法。
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