JPH0738360A - 圧電複合基板の製造方法 - Google Patents

圧電複合基板の製造方法

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JPH0738360A
JPH0738360A JP17779693A JP17779693A JPH0738360A JP H0738360 A JPH0738360 A JP H0738360A JP 17779693 A JP17779693 A JP 17779693A JP 17779693 A JP17779693 A JP 17779693A JP H0738360 A JPH0738360 A JP H0738360A
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piezoelectric
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substrates
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JP17779693A
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Inventor
Akihiro Kanahoshi
章大 金星
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Kazuo Eda
和生 江田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電体基板の結晶性を保ったまま、接着剤を
使用せずに複合することを可能にする。 【構成】 2枚の圧電体11、12の平坦な表面を清浄
化して重ね合せ、その後接合界面に電圧を加えることに
より直接接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合基板の製造方法に
関し、特に圧電体複合基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウム(LiNbO3)ある
いはタンタル酸リチウム(LiTaO3)などの表面弾
性波を利用したSAWデバイス、例えばSAWフィルタ
ーや、水晶などの体積波を利用したバルク波デバイス、
例えば水晶振動子などに代表される圧電デバイスは、移
動体通信機器の小型化の鍵を握る重要なデバイスであ
り、その高性能化、小型化に向けて、様々な研究がなさ
れている。ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムは、
その電気機械結合係数が大きいために、SAWデバイス
とした場合の損失が小さくすむという利点があるが、温
度変化に対する共振周波数の変化が大きいという欠点が
ある。これに対し、水晶は、そのカット角度を適当に選
ぶことによって温度変化に対する共振周波数の変化を非
常に小さく抑えることができるが、その電気機械結合係
数が小さいために、損失が大きい。このように各々の材
料によってその特徴に一長一短があり、理想的な特性を
持つ材料は未だ得られていない。
【0003】また、屈曲振動子と呼ばれる圧電デバイス
には、圧電体基板の表裏でその分極方向が違うような構
造が必要である。このような構造にすることによって、
板の両側に電圧を印加すると、ある分極方向の部分が伸
びるとき、反対方向の分極の部分は縮むことになるの
で、屈曲振動が励振される。従来上記のような構造を得
るために、圧電体基板同士をその分極方向を互いに向か
い合わせにした状態で接着剤で固定したものが使われて
おり、実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】異なる特徴を持つ二つ
以上の材料を適切な条件を求めて複合させれば、それぞ
れの利点を合わせ持つ理想的な材料が得られると考えら
れる。例えばニオブ酸リチウムと水晶を複合して、電気
機械結合係数が大きく、しかも周波数の温度特性も良い
ような圧電複合基板が得られる。このことから、エピタ
キシャル法や配向膜を形成させる方法など、様々な方法
によって圧電体基板上に別の圧電体材料を形成させる努
力がなされてきた。しかしながらこのような方法では、
基板上に形成した材料はその結晶性が十分でないため
に、本来持つべき特徴を引出せないばかりでなく、圧電
体として動作させることができる材料は、窒化アルミニ
ウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)などに限られると
いう問題があった。
【0005】また、屈曲振動子においては、二つの圧電
体基板を固定している接着層によって、振動子の共振先
鋭度(Q値)が低下し、さらに共振周波数がばらついて
しまうという問題があった。
【0006】上記のように、様々な種類の、あるいは同
じ種類の圧電体基板を接合できれば、その応用範囲は非
常に大きい。しかしながら、これまで得られている複合
基板は、一方の基板の結晶性が不十分であったり、ある
いは固定のために接着剤を用いているために、どれも十
分な特性が得られていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような問題を解決
するために本発明の圧電複合基板の製造方法は、少なく
とも2枚の圧電体の平坦な表面を清浄化し、あるいは少
なくとも2枚の圧電体の少なくとも一方の平坦な表面
に、珪素もしくは珪素化合物膜を形成し、それぞれの表
面を清浄化した後に、重ね合せて接触させ、接触界面に
電圧を加えることにより直接接合したことを特徴とする
ものであり、または少なくとも2枚の圧電体の平坦な表
面を清浄化し、あるいは少なくとも2枚の圧電体の少な
くとも一方の平坦な表面に、珪素もしくは珪素化合物膜
を形成し、それぞれの表面を清浄化した後、表面を親水
化して重ね合せて接合し、その後接合界面に電圧を加え
ることにより直接接合を強化したことを特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】上記のような方法によって、複合する圧電体基
板は、その種類を様々に選ぶことができ、さらに複合さ
れた前記圧電体基板のどちらも結晶性が良いために、各
々の良好な電気的、機械的な特性を保ったまま、それぞ
れの基板の長所を合わせ持ったような複合基板、例えば
ニオブ酸リチウムと水晶を複合して、電気機械結合係数
が大きく、さらに周波数温度特性も良いような圧電デバ
イス基板が得られる。また、接合に接着剤を用いていな
いので、同じ基板でもその結晶軸の方向を変えたり、結
晶内にイオン注入してその電気的、光学的性質を変えた
ような基板同士を複合したような基板、例えば二枚のニ
オブ酸リチウム基板の分極方向を互いに向かい合わせに
接合して、振動子の共振先鋭度(Q値)が低下せず、さ
らに共振周波数がばらつかないような非常に特性の良い
屈曲振動子用圧電基板が得られる。
【0009】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に
ついて、図面を用いて詳しく説明する。図1は、本実施
例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。図
1において、11、12は圧電体基板である。本実施例
においては、圧電体基板11、12は、大きさ2イン
チ、厚さ350μmのニオブ酸リチウム(LiNb
3)基板である。各々の基板の接合する面は、平坦に
鏡面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油
膜、あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。
その後、圧電体基板11、12を重ね合せてその接合面
同士を接触させ、電圧印加のための治具に固定して真空
槽の中に入れた。次に真空槽を真空引きし、接触させた
界面に直流電圧を印加して、圧電体基板11、12を直
接接合した圧電複合基板を得た。
【0010】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図2は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図2において、21、22は圧電体基板である。本実施
例においては、圧電体基板21、22は、大きさ2イン
チ、厚さ350μmのタンタル酸リチウム(LiTaO
3)基板である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡
面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、
あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。その
後、圧電体基板21、22を重ね合せてその接合面同士
を接触させ、電圧印加のための治具に固定して真空槽の
中に入れた。次に真空槽を真空引きし、接触させた界面
に直流電圧を印加して、圧電体基板21、22を直接接
合した圧電複合基板を得た。
【0011】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図3は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図3において、31、32は圧電体基板である。本実施
例においては、圧電体基板31、32は、大きさ2イン
チ、厚さ350μmの水晶基板である。各々の基板の接
合する面は、平坦に鏡面研磨し、また十分に洗浄して有
機物的な汚れ、油膜、あるいは微細な付着物などを可能
な限り除去した。その後、圧電体基板31、32を重ね
合せてその接合面同士を接触させ、電圧印加のための治
具に固定して真空槽の中に入れた。次に真空槽を真空引
きし、接触させた界面に直流電圧を印加して、圧電体基
板31、32を直接接合した圧電複合基板を得た。
【0012】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図4は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図4において、41、42は圧電体基板である。本実施
例においては、圧電体基板41、42は、大きさ2イン
チ、厚さ350μmのほう酸リチウム(LiBO3)基
板である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡面研磨
し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、あるい
は微細な付着物などを可能な限り除去した。その後、圧
電体基板41、42を重ね合せてその接合面同士を接触
させ、電圧印加のための治具に固定して真空槽の中に入
れた。次に真空槽を真空引きし、接触させた界面に直流
電圧を印加して、圧電体基板41、42を直接接合した
圧電複合基板を得た。
【0013】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図5は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図5において、51、52は圧電体基板である。本実施
例においては、圧電体基板51は、大きさ2インチ、厚
さ350μmのニオブ酸リチウム(LiNbO3)基板
であり、圧電体基板52は、大きさ2インチ、厚さ35
0μmのタンタル酸リチウム(LiTaO3)基板であ
る。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡面研磨し、ま
た十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、あるいは微細
な付着物などを可能な限り除去した。その後、圧電体基
板51、52を重ね合せてその接合面同士を接触させ、
電圧印加のための治具に固定して真空槽の中に入れた。
次に真空槽を真空引きし、接触させた界面に直流電圧を
印加して、圧電体基板51、52を直接接合した圧電複
合基板を得た。
【0014】(実施例6)以下、本発明の第6の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図6は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図6において、61、62は圧電体基板、63は圧電体
基板62上に形成した珪素膜である。本実施例において
は、圧電体基板61は、大きさ2インチ、厚さ350μ
mのニオブ酸リチウム基板であり、珪素膜63は圧電体
基板62の接合しようとする表面を平坦に鏡面研磨した
上に珪素をCVD法によって形成した厚さ1μmの非晶
質珪素膜である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡
面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、
あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。その
後、圧電体基板61と珪素膜63を形成した圧電体基板
62とを重ね合せてその接合面同士を接触させ、電圧印
加のための治具に固定して真空槽の中に入れた。次に真
空槽を真空引きし、接触させた界面に直流電圧を印加し
て、圧電体基板61、62を珪素膜63を介して直接接
合した圧電複合基板を得た。
【0015】珪素膜63を形成しない場合には接合界面
に存在する洗浄によって除去しきれなかった1μm以下
の微細な付着物によって接合界面に微細な未接合部が存
在することがあったが、接合界面に珪素膜63を形成す
ることにより、微細な付着物が存在しても珪素膜63内
に取り込まれることによって接合界面は完全に接合し、
微細な未接合部の発生を抑えられるという新たな効果が
あった。
【0016】(実施例7)以下、本発明の第7の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図7は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図7において、71、72は圧電体基板、73は圧電体
基板72上に形成した珪素膜である。本実施例において
は、圧電体基板71は、大きさ2インチ、厚さ350μ
mのニオブ酸リチウム基板であり、珪素膜73は圧電体
基板72の接合しようとする表面を平坦に鏡面研磨した
上に珪素をCVD法によって形成した厚さ1μmの多結
晶珪素膜である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡
面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、
あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。その
後、圧電体基板71と珪素膜73を形成した圧電体基板
72とを重ね合せてその接合面同士を接触させ、電圧印
加のための治具に固定して真空槽の中に入れた。次に真
空槽を真空引きし、接触させた界面に直流電圧を印加し
て、圧電体基板71、72を珪素膜73を介して直接接
合した圧電複合基板を得た。
【0017】珪素膜73を形成しない場合には接合界面
に存在する洗浄によって除去しきれなかった1μm以下
の微細な付着物によって接合界面に微細な未接合部が存
在することがあったが、接合界面に珪素膜73を形成す
ることにより、微細な付着物が存在しても珪素膜73内
に取り込まれることによって接合界面は完全に接合し、
微細な未接合部の発生を抑えられるという新たな効果が
あった。
【0018】(実施例8)以下、本発明の第8の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図8は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図8において、81、82は圧電体基板、83は前記圧
電体基板82上に形成した珪素化合物膜である。本実施
例においては、圧電体基板81は、大きさ2インチ、厚
さ350μmのニオブ酸リチウム基板であり、珪素化合
物膜83は圧電体基板82の接合しようとする表面を平
坦に鏡面研磨した上に酸化珪素をスパッタによって形成
した厚さ1μmの酸化珪素膜である。各々の基板の接合
する面は、平坦に鏡面研磨し、また十分に洗浄して有機
物的な汚れ、油膜、あるいは微細な付着物などを可能な
限り除去した。その後、圧電体基板81と珪素化合物膜
83を形成した前記圧電体基板82とを重ね合せてその
接合面同士を接触させ、電圧印加のための治具に固定し
て真空槽の中に入れた。次に真空槽を真空引きし、接触
させた界面に直流電圧を印加して、圧電体基板81、8
2を珪素化合物膜83を介して直接接合した圧電複合基
板を得た。
【0019】珪素化合物膜83を形成しない場合には接
合界面に存在する洗浄によって除去しきれなかった1μ
m以下の微細な付着物によって接合界面に微細な未接合
部が存在することがあったが、接合界面に珪素化合物膜
83を形成することにより、微細な付着物が存在しても
珪素化合物膜83内に取り込まれることによって接合界
面は完全に接合し、微細な未接合部の発生を抑えられる
という新たな効果があった。
【0020】(実施例9)以下、本発明の第9の実施例
について、図面を用いて詳しく説明する。図9は、本実
施例における圧電複合基板の製造方法の模式図である。
図9において、91、92は圧電体基板、93は圧電体
基板92上に形成した珪素化合物膜である。本実施例に
おいては、圧電体基板91は、大きさ2インチ、厚さ3
50μmのニオブ酸リチウム基板であり、珪素化合物膜
93は圧電体基板92の接合しようとする表面を平坦に
鏡面研磨した上に窒化珪素をスパッタすることによって
形成した厚さ1μmの窒化珪素膜である。各々の基板の
接合する面は、平坦に鏡面研磨し、また十分に洗浄して
有機物的な汚れ、油膜、あるいは微細な付着物などを可
能な限り除去した。その後、圧電体基板91と珪素化合
物膜93を形成した圧電体基板92とを重ね合せてその
接合面同士を接触させ、電圧印加のための治具に固定し
て真空槽の中に入れた。次に真空槽を真空引きし、接触
させた界面に直流電圧を印加して、圧電体基板91、9
2を珪素化合物膜93を介して直接接合した圧電複合基
板を得た。
【0021】前記珪素化合物膜93を形成しない場合に
は接合界面に存在する洗浄によって除去しきれなかった
1μm以下の微細な付着物によって接合界面に微細な未
接合部が存在することがあったが、接合界面に珪素化合
物膜93を形成することにより、微細な付着物が存在し
ても珪素化合物膜93内に取り込まれることによって接
合界面は完全に接合し、微細な未接合部の発生を抑えら
れるという新たな効果があった。
【0022】(実施例10)以下、本発明の第10の実
施例について、図面を用いて詳しく説明する。図10
は、本実施例における圧電複合基板の製造方法の模式図
である。図10において、101、102は圧電体基
板、103は圧電体基板102上に形成したガラス膜で
ある。本実施例においては、圧電体基板101は、大き
さ2インチ、厚さ350μmのニオブ酸リチウム基板で
あり、ガラス膜103は圧電体基板102の接合しよう
とする表面を平坦に鏡面研磨した上に珪酸ガラスをスパ
ッタすることによって形成した厚さ1μmの珪酸ガラス
膜である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡面研磨
し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、あるい
は微細な付着物などを可能な限り除去した。その後、圧
電体基板101とガラス膜103を形成した圧電体基板
102とを重ね合せてその接合面同士を接触させ、電圧
印加のための治具に固定して真空槽の中に入れた。次に
真空槽を真空引きし、接触させた界面に直流電圧を印加
して、圧電体基板101、102をガラス膜103を介
して直接接合した圧電複合基板を得た。
【0023】ガラス膜103を形成しない場合には接合
界面に存在する洗浄によって除去しきれなかった1μm
以下の微細な付着物によって接合界面に微細な未接合部
が存在することがあったが、接合界面にガラス膜103
を形成することにより、微細な付着物が存在してもガラ
ス膜103内に取り込まれることによって接合界面は完
全に接合し、微細な未接合部の発生を抑えられるという
新たな効果があった。
【0024】(実施例11)以下、本発明の第11の実
施例について、図面を用いて詳しく説明する。図11
は、本実施例における圧電複合基板の製造方法の模式図
である。図11において、111、112は圧電体基板
である。本実施例においては、圧電体基板111、11
2は、大きさ2インチ、厚さ350μmのニオブ酸リチ
ウム基板である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡
面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、
あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。この
時、最終処理として基板表面を親水化するような親水化
処理液を用いて、圧電体基板111、112の表面を親
水化した。本実施例においては、親水化処理液として、
過酸化水素水とアンモニア水と水の混合液を60℃程度
まで加熱したものを用いた。その後、十分に洗浄して、
圧電体基板111、112を重ね合せてその接合面同士
を接触させ、圧電体基板111および112の表面に形
成された親水基同士の水素結合によって直接接合した。
このままでもかなりの強度があるが、接合を強化するた
めに、電圧印加のための治具に固定して真空槽の中に入
れ、次に真空槽を真空引きし、接触させた界面に直流電
圧を印加した。この様にして、圧電体基板111および
112とを直接接合した圧電複合基板を得た。
【0025】(実施例12)以下、本発明の第12の実
施例について、図面を用いて詳しく説明する。図12
は、本実施例における圧電複合基板の製造方法の模式図
である。図12において、121、122は圧電体基
板、123は圧電体基板122上に形成した珪素膜であ
る。本実施例においては、圧電体基板121、122
は、大きさ2インチ、厚さ350μmのニオブ酸リチウ
ム基板であり、珪素膜123は圧電体基板122の接合
しようとする表面を平坦に鏡面研磨した上に酸化珪素を
CVD法によって形成した厚さ1μmの非晶質珪素膜で
ある。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡面研磨し、
また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、あるいは微
細な付着物などを可能な限り除去した。この時、最終処
理として基板表面を親水化するような親水化処理液を用
いて、圧電体基板121および珪素膜123を形成した
122の表面を親水化した。本実施例においては、親水
化処理液として、過酸化水素水とアンモニア水と水の混
合液を60℃程度まで加熱したものを用いた。その後、
十分に洗浄して、圧電体基板121と珪素膜123を形
成した圧電体基板122とを重ね合せてその接合面同士
を接触させ、圧電体基板121および珪素膜123の表
面に形成された親水基同士の水素結合によって直接接合
した。このままでもかなりの強度があるが、接合を強化
するために、電圧印加のための治具に固定して真空槽の
中に入れ、次に真空槽を真空引きし、接触させた界面に
直流電圧を印加した。この様にして、圧電体基板121
および122とを珪素膜123を介して直接接合した圧
電複合基板を得た。
【0026】珪素膜123を形成しない場合には接合界
面に存在する洗浄によって除去しきれなかった1μm以
下の微細な付着物によって接合界面に微細な未接合部が
存在することがあったが、接合界面に珪素膜123を形
成することにより、微細な付着物が存在しても珪素膜1
23内に取り込まれることによって接合界面は完全に接
合し、微細な未接合部の発生を抑えられるという新たな
効果があった。
【0027】(実施例13)以下、本発明の第13の実
施例について、図面を用いて詳しく説明する。図13
は、本実施例における圧電複合基板の製造方法の模式図
である。図13において、131、132は圧電体基板
である。本実施例においては、圧電体基板131、13
2は、大きさ2インチ、厚さ350μmのニオブ酸リチ
ウム基板である。各々の基板の接合する面は、平坦に鏡
面研磨し、また十分に洗浄して有機物的な汚れ、油膜、
あるいは微細な付着物などを可能な限り除去した。その
後、圧電体基板131、132を重ね合せてその接合面
同士を接触させ、電圧印加と加熱のための治具に固定し
て真空槽の中に入れた。次に真空槽を真空引きし、50
0℃まで加熱してから接触させた界面に直流電圧を印加
して、圧電体基板131、132を直接接合した圧電複
合基板を得た。
【0028】このように、電圧を印加する前に接合しよ
うとする基板を加熱することによって、基板全面が接合
するのに要する時間を短縮することができ、接合強度も
向上するという新たな効果があった。
【0029】
【発明の効果】上記のような方法とすることによって、
複合する圧電体基板は、その種類を様々に選ぶことがで
き、さらに複合された圧電体基板のどちらも結晶性が良
いために、各々の良好な電気的、機械的な特性を保った
まま、それぞれの基板の長所を合わせ持ったような複合
基板が得られる。また、接合に接着剤を用いていないの
で、同じ基板でもその結晶軸の方向を変えたり、結晶内
にイオン注入してその電気的、光学的性質を変えたよう
な基板同士を複合したような基板が得られる。
【0030】また、本発明の効果は、結晶性を保ったま
ま様々な圧電体基板を接着剤を使用せずに複合できるこ
とに特徴があるのであって、その応用を上記のような構
成に限定するものではない。
【0031】なお、本発明の実施例においては、用いた
圧電体基板としてニオブ酸リチウム基板、タンタル酸リ
チウム、水晶、ほう酸リチウムを選んでいるが、圧電体
の基板であれば、同じ種類であっても、または異なる種
類の組み合わせであっても、その目的に合わせて任意に
選べることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図2】本発明の第2の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図3】本発明の第3の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図4】本発明の第4の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図5】本発明の第5の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図6】本発明の第6の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図7】本発明の第7の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図8】本発明の第8の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図9】本発明の第9の実施例の圧電複合基板の製造方
法の模式図
【図10】本発明の第10の実施例の圧電複合基板の製
造方法の模式図
【図11】本発明の第11の実施例の圧電複合基板の製
造方法の模式図
【図12】本発明の第12の実施例の圧電複合基板の製
造方法の模式図
【図13】本発明の第13の実施例の圧電複合基板の製
造方法の模式図
【符号の説明】
11 圧電体基板 12 圧電体基板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 9/17 G 7719−5J 9/19 A 7719−5J

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2枚の圧電体の平坦な表面を清
    浄化した後、重ね合せて接触させ、接触界面に電圧を加
    えることにより、直接接合したことを特徴とする圧電複
    合基板の製造方法。
  2. 【請求項2】圧電体がニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
    チウム、水晶、ほう酸リチウムのいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の圧電複合基板の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも2枚の圧電体の少なくとも一方
    の平坦な表面に、珪素もしくは珪素化合物膜を形成し、
    それぞれの表面を清浄化した後に、重ね合せて接触さ
    せ、接触界面に電圧を加えることにより直接接合したこ
    とを特徴とする圧電複合基板の製造方法。
  4. 【請求項4】圧電体がニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
    チウム、水晶、ほう酸リチウムのいずれかであることを
    特徴とする請求項3記載の圧電複合基板の製造方法。
  5. 【請求項5】珪素が非晶質もしくは多結晶であることを
    特徴とする請求項3記載の圧電複合基板の製造方法。
  6. 【請求項6】珪素化合物が酸化珪素あるいは窒化珪素で
    あることを特徴とする請求項3記載の圧電複合基板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】珪素化合物がガラスであることを特徴とす
    る請求項3記載の圧電複合基板の製造方法。
  8. 【請求項8】少なくとも2枚の圧電体の平坦な表面を清
    浄化した後、表面を親水化処理して重ね合せて接合さ
    せ、その後接合界面に電圧を加えることにより直接接合
    を強化したことを特徴とする圧電複合基板の製造方法。
  9. 【請求項9】圧電体がニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
    チウム、水晶、ほう酸リチウムのいずれかであることを
    特徴とする請求項8記載の圧電複合基板の製造方法。
  10. 【請求項10】少なくとも2枚の圧電体の少なくとも一
    方の平坦な表面に、珪素もしくは珪素化合物膜を形成
    し、それぞれの表面を清浄化した後、表面を親水化して
    重ね合せて接合し、その後接合界面に電圧を加えること
    により直接接合を強化したことを特徴とする圧電複合基
    板の製造方法。
  11. 【請求項11】圧電体がニオブ酸リチウム、タンタル酸
    リチウム、水晶、ほう酸リチウムのいずれかであること
    を特徴とする請求項10記載の圧電複合基板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】珪素が非晶質もしくは多結晶であること
    を特徴とする請求項10記載の圧電複合基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】珪素化合物が酸化珪素あるいは窒化珪素
    であることを特徴とする請求項10記載の圧電複合基板
    の製造方法。
  14. 【請求項14】珪素化合物がガラスであることを特徴と
    する請求項10記載の圧電複合基板の製造方法。
  15. 【請求項15】電圧印加時に接合部を加熱したことを特
    徴とする請求項1、3、8、10のいずれかに記載の圧
    電複合基板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1178135A1 (en) * 2000-05-30 2002-02-06 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Piezoelectric oxide single crystal wafer
US9595657B2 (en) 2012-06-13 2017-03-14 Ngk Insulators, Ltd. Composite substrate
KR20190132535A (ko) 2017-05-02 2019-11-27 엔지케이 인슐레이터 엘티디 탄성파 소자 및 그 제조 방법
WO2024106543A1 (ja) * 2022-11-18 2024-05-23 日本碍子株式会社 複合基板

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