JPH07302004A - 画像形成装置の転写前ガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 摩擦性能，帯電性能，磨耗性能のいづれにも
優れた転写前ガイドを提供する。 【構成】 転写前ガイド１２は，全面的にテフロン塗装
又は含浸処理がなされたその通紙部に，画像形成装置に
供給される最小サイズの転写紙の幅より幾分狭い幅の低
摩擦部材シート１３が貼り付けられている。この低摩擦
部材は，耐久性のよい材料，例えばテフロン等のフッ素
系樹脂，ルミラ等により構成され，１０^16-18Ω／ｃｍ
程度の電気抵抗のものが採用される。また上記低摩擦部
材の部分以外の部分は，１０¹⁰Ω／ｃｍ以下の抵抗率を
持つ半導性または良導性の部材で構成される。例えばテ
フロンの含浸や，塗付を行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，静電複写方式による画
像形成装置の転写部に転写紙を導入する転写前ガイドの
改良に係り，特に摩擦性能，帯電性能，磨耗性能のいづ
れにも優れた転写前ガイドを提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は，静電複写方式による画像形成装
置に用いられる感光ドラム含む転写機構の側面図であ
る。図に示すように転写紙Ｐは，レジストロ−ラ対１か
ら転写前ガイド２で案内されて感光ドラム３と転写チャ
ージャ４との間の転写部５を経て図面左側の図示しない
定着部へ送られる。この時転写紙Ｐの剛性が高いと，転
写紙の後端Ｐ′が上記レジストロ−ラ対１を離れた時，
感光ドラム３の搬送力が小さいので転写紙Ｐと転写前ガ
イド２との摩擦により転写紙Ｐがスリップし，像が圧縮
される。その為，従来は上記転写前ガイド２の表面にテ
フロンを塗付又は含浸させることにより，転写前ガイド
の摩擦係数を低下させているが，このようなテフロンの
含浸等は薄いため転写紙との摩擦により早期に磨耗し，
転写前ガイド２を頻繁に交換しなければならないという
問題点があった。そのため最近は，テフロンの含浸や塗
付よりも，所定厚さのテフロンテープ（シート），ルミ
ラなどを転写前ガイド２の表面に張り付ける場合が多
い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし，上記のような
テフロン，ルミラのテープやシートはある程度の厚さと
なると電気的絶縁性が高くなるため，転写紙の通過によ
り帯電を生じ，空気中に浮遊するトナーがこの転写前ガ
イド２の表面に堆積し，転写紙Ｐが汚れるという不都合
がある。このような転写紙の汚れは，小さいサイズの転
写紙による複数回の転写が行われた時，転写前ガイド２
の転写紙の幅から外れた部分に生じるもので，そのよう
な汚れの生じた部分に大きいサイズの転写紙Ｐが通過す
る時，その転写紙が汚れるものである。従って、本発明
の目的は、上記したような問題点のない摩擦性能，帯電
性能，磨耗性能のいづれにも優れた転写前ガイドを提供
することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に本発明にかかる転写前ガイドは，画像形成装置の転写
部へ転写紙を案内する転写前ガイドにおいて，該転写前
ガイドの通紙領域に，当該画像形成装置に供給される最
小サイズの転写紙の幅より幾分狭い長さで，耐久性のよ
い低摩擦材料よりなる所定厚さの薄層を形成し，それ以
外の領域を半導性または良導性の部材で構成したことを
特徴とする画像形成装置の転写前ガイドとして構成され
ている。

【０００５】

【作用】この発明では転写前ガイドの通紙部に所定厚さ
の低摩擦部材の薄層が形成されているので，転写前ガイ
ドに案内される転写紙と該転写前ガイドとは主として上
記低摩擦部材の部分で接触する。この低摩擦部材の部分
は従来の含浸や塗付とは異なりある程度の層厚があり，
磨耗に対する耐久性がよい。またこの低摩擦部材以外の
部分は半導性または良導性の部材で構成されているの
で，小さいサイズの転写紙が使用された場合でも，この
部分にトナーの堆積等は生じない。また低摩擦部材の部
分は最小サイズの転写紙の幅より狭いので，常に転写紙
に拭かれることになりトナーの堆積等は生じず，転写紙
が汚れるといった不都合も回避される。

【０００６】

【実施例】続いて，添付した図面を参照して，本発明を
具体化した実施例について説明し，本発明の理解に供す
る。ここに図１は，本発明の一実施例にかかる転写前ガ
イドの斜視図である。図１に示した転写前ガイド１２
は，全面的にテフロン塗装又は含浸処理がなされたその
通紙部に，当該画像形成装置に供給される最小サイズの
転写紙の幅より幾分狭い幅の低摩擦部材シート１３が貼
り付けられている。この低摩擦部材は，耐久性のよい材
料，例えばテフロン等のフッ素系樹脂，ルミラ等により
構成され，１０^16-18 Ω／cm程度の電気抵抗のものが採
用される。また上記低摩擦部材の部分以外の部分は，１
０¹⁰Ω／cm以下の抵抗率を持つ半導性または良導性の部
材で構成される。例えばテフロンの含浸や，塗付を行う
こともできる。尚，上記低摩擦部材の材質としては，上
記フッ素系樹脂の一例であるテフロン（ＰＴＦＥ），ル
ミラ（ＰＥＴフィルム）等も採用される。そしてその形
状は上記シート状のものの他，テープ状のもの等，実質
的に所定厚さの薄層を形成しうるものであればよい。上
記低摩擦部材シート１３の幅は，最小サイズの原稿の幅
よりも例えば８mm程度狭く設定される。また，その厚み
は接着剤層等の厚みを含んで例えば０．１mm程度であ
る。

【０００７】上記低摩擦部材１３は，転写前ガイド１２
の中央部にその両側よりも僅かに突出する薄層として形
成されているが，上記薄層の部分もその両側の部分も低
摩擦材で構成されているので，転写紙との接触にによる
摩擦力は問題とならない。この低摩擦部材の部分は上記
のように例えば０．１mmに薄層化しており，従来のテフ
ロン等の含浸とは異なり，ある程度の層厚があり，磨耗
に対する耐久性がよい。またこの低摩擦部材以外の部分
は半導性または良導性の部材で構成されているので，小
さいサイズの転写紙が使用された場合でも，この部分に
トナーの堆積等は生じず，転写紙が汚れるといった不都
合も回避される。

【０００８】

【発明の効果】本発明では，転写前ガイドの中央に設け
た低摩擦部材を介して転写前ガイドが転写紙と接触する
ので，転写紙に対する摩擦力が少なく，画像の圧縮とい
った問題は生じない。また上記低摩擦部材は当該画像形
成装置に供給される最小サイズの転写紙の幅より短く形
成されているので，常に転写紙でその表面が拭かれるこ
とになり，トナー等の付着がないので，転写紙を汚すと
言った不都合がない。さらに上記低摩擦部材は所定厚さ
の薄層により形成されているので，磨耗寿命も長く，度
々交換する手間が必要ない。さらにまた，従来のテフロ
ン塗装された転写前ガイドでは，テフロンが摩耗した
際，ガイド全体を交換しなければならなかったが，本考
案では，シート部材を接着あるいは交換するだけでよい
ので，保守性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例にかかる転写前ガイドの斜
視図。

【図２】 本発明の背景をなす画像形成装置の転写機構
部分の側面図。

【符号の説明】

１２…転写前ガイド １３…低摩擦部材 １…レジストロ−ラ対 ３…感光ドラム ４…転写チャージャ ５…転写部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 英樹 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号三 田工業株式会社内 (72)発明者 坂上 英和 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号三 田工業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成装置の転写部へ転写紙を案内す
   る転写前ガイドにおいて，該転写前ガイドの通紙領域
   に，当該画像形成装置に供給される最小サイズの転写紙
   の幅より幾分狭い長さで，耐久性のよい低摩擦材料より
   なる所定厚さの薄層を形成し，それ以外の領域を半導性
   または良導性の部材で構成したことを特徴とする画像形
   成装置の転写前ガイド。
2. 【請求項２】 上記低摩擦材料よりなる薄層がシート或
   いはテープ状の薄層により構成されている請求項１記載
   の転写前ガイド。
3. 【請求項３】 上記低摩擦材料がフッ素系樹脂である請
   求項１または２記載の転写前ガイド。
4. 【請求項４】 上記低摩擦材料がポリエチレンである請
   求項１または２記載の転写前ガイド。