JPH0730111A - 絶縁ゲート形電界効果トランジスタ - Google Patents

絶縁ゲート形電界効果トランジスタ

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JPH0730111A
JPH0730111A JP5175120A JP17512093A JPH0730111A JP H0730111 A JPH0730111 A JP H0730111A JP 5175120 A JP5175120 A JP 5175120A JP 17512093 A JP17512093 A JP 17512093A JP H0730111 A JPH0730111 A JP H0730111A
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silicon carbide
effect transistor
insulated gate
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Masahiro Nagasu
正浩 長洲
Masanori Takada
正典 高田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】炭化珪素を用いた半導体デバイスにおいて、炭
化珪素と結晶整合性のよい材料をデバイスの構成要素に
使用することで、炭化珪素が有する物理的性能を効果的
に引き出し、大電力変換容量を有し、かつ高速動作する
高性能な半導体素子を実現すること。 【構成】高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的導電性
に優れた炭化チタンを基板とし、ドレイン領域になるn
形の炭化珪素層と,ウェル層になるp形の炭化珪素層
と,ソース領域になるn形の炭化珪素層が順次重ねられ
た構造の絶縁ゲート形電界効果トランジスタにおいて、
素子の表面からドレイン領域へ達するように掘り込まれ
た凹部にゲート電極を設け、さらにソース電極とp形の
ウェル層の電気的接続に炭化珪素と結晶整合性のよい炭
化チタンを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電力−直流電力,
交流電力−交流電力,直流電力−交流電力および直流電
力−直流電力変換を行う電力変換装置の心臓部である自
己消弧機能を有する半導体スイッチング素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電気学会技術報告(2部)第449号
(1992)、日立評論 Vol.70,1033〜1
076(1988).に記載された内容をもとに、従来
技術の説明を行う。
【0003】電力変換装置に使用される半導体スイッチ
ング素子の能力は、素子の電力変換容量と動作周波数で
評価できる。一般に、電力変換容量が大きい素子ほど動
作周波数は低く、小さなものほど大きくなるという関係
にある。
【0004】このうち素子の電力変換容量は、素子がオ
フ状態の時に印加できる最大電圧(素子耐圧)とオン状
態の時に通電できる最大電流で決定される。これらの間
には、素子面積が一定の場合、一方を大きくするともう
一方が小さくなる、いわゆるトレードオフの関係が存在
する。これは、次の理由による。
【0005】オフ状態の時に素子に加わる電圧は、素子
内に形成される空乏層で保持される。そのため、素子耐
圧を高めるほど、空乏層形成部の層厚を厚くする必要が
生じる。空乏層形成部は、オフ時の電圧保持の一方で、
オン時には、素子を流れる電流の通路になり、電気抵抗
発生の原因になる。素子の耐圧を高めるには、空乏層形
成部の層厚を厚くする必要があることから、素子の耐圧
を高めるほど、電気抵抗が増加し、結果として、素子内
部で発生する電力損失が増大することになる。電力用に
用いられる素子の場合、素子に流せる最大電流密度は、
素子内部で発生する電力損失によって制限される。この
ため、耐圧を増すことによって素子の電気抵抗が増加し
た分、素子に流せる電流密度を低くする必要が生じる。
このように素子耐圧と最大電流量の間にはトレードオフ
の関係が存在し、電力変換容量を制限する要因となって
いる。このようなトレードオフ関係にともなう変換容量
の制限を打破するため、サイリスタやゲートターンオフ
サイリスタ(GTO)では、素子のラッチアップ機能を
利用して、空乏層形成部の電気抵抗を大幅に減少させて
いる。
【0006】サイリスタは、現在最も大きな電力変換能
力を有する半導体素子である。しかし、素子自体に自己
消弧機能がなく、その動作周波数も100Hz前後とか
なり低い。
【0007】自己消弧機能を有する半導体スイッチング
素子の中で、最も大きな電力変換容量を実現している素
子はゲートターンオフサイリスタである。この素子も、
ラッチアップ現象を利用して大きな電力変換容量を実現
している。しかし、ラッチアップ現象は、電力変換容量
を改善する一方で、素子がオンしているときの空乏層形
成部でのキャリア密度を増大させる。このキャリアは、
ターンオフ時に高電界条件下で、素子外に吐き出される
ため、素子のターンオフ電力損失を増大させることにな
る。ターンオフ損失は、素子のターンオフ毎に発生する
ため、素子の動作周波数を制限する。このような動作周
波数の制限から、素子耐圧4kV,電流容量3kA程度
のゲートターンオフサイリスタの場合、その動作周波数
は、現状約500Hzである。
【0008】また、ゲートターンオフサイリスタをター
ンオフさせるためには、ゲート電極を用いて、カソード
電極からのキャリア注入を抑制するとともに、素子内部
のキャリアを引き抜く必要がある。このとき、ゲート電
極は、アノード電極からカソード電極に流れていた電流
の一部を受け持つことになり、一般的なゲートターンオ
フサイリスタの場合、このゲート電流の大きさは、アノ
ード電流の30〜50%になる。前述程度の素子でこの
電流を求めると、約1kAになる。このような大きなゲ
ート電流は、ゲートターンオフサイリスタのゲート回路
を大型にするため、電力変換装置全体の小型化という今
日的な要求を実現する上での大きな問題点となってい
る。このように、ゲートターンオフサイリスタは大きな
電力変換容量を有する一方で、動作周波数が低く、かつ
ゲート電流が大きいという課題を抱えている。
【0009】ゲートターンオフサイリスタが本質的に持
ってる課題を解決する素子として、絶縁ゲート形バイポ
ーラトランジスタ(IGBT)や絶縁ゲート形電界効果
トランジスタ(MOSFET)がある。これらの素子
は、ゲート電極部が素子本体と電気的に絶縁されてた構
造となっており、ターンオフのために、ゲート電極から
素子内のキャリアを引き抜く必要がない。素子のオン・
オフは、ゲート電極と素子本体で構成されているコンデ
ンサを充放電することだけでよいので、ゲート制御電流
がゲートターンオフサイリスタに比べ大幅に小さくな
る。その結果、ゲート制御回路の大幅な小型化が実現で
きる。
【0010】また、これらの素子は、動作速度に関して
も、ゲートターンオフサイリスタに比べ優れた性能を有
している。これは、素子の動作原理の違いに由来してお
り、その理由に付いて簡単に説明する。
【0011】ゲートターンオフサイリスタでは蓄積キャ
リアによって大きなターンオフ損失が発生するが、絶縁
ゲート形電界効果トランジスタでは、ドレイン電極側か
らのキャリア注入がないため、素子内へのキャリアの蓄
積現象が生じない。そのため、絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタのターンオフ電力損失は極めて小さくなる。
ターンオフ電力損失が少ないことから、動作周波数の増
加にともなう電力損失の増大がおさえられ、結果とし
て、高速動作が可能となる。
【0012】絶縁ゲート形バイポーラトランジスタの場
合、ゲートターンオフサイリスタと同様にコレクタ電極
側からのキャリア注入がある。しかし、絶縁ゲート形バ
イポーラトランジスタでは、エミッタ電極側に設けられ
たベース層領域で電子と正孔の通路を分離することで、
完全なラッチアップ状態に至らないようにして、素子の
オン動作が行われる。そのため、オン状態の時に素子内
に蓄積されるキャリア量はゲートターンオフサイリスタ
に比べ少なく、ターンオフ電力損失は小さくなる。この
ターンオフ電力損失低減の結果として、高速動作が可能
となる。
【0013】このように、絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタや絶縁ゲート形バイポーラトランジスタは、ゲー
ト回路の小型化とともに、電力変換システムのキャリア
周波数の高速化に大きな貢献をはたしてきた。
【0014】また、絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
や絶縁ゲート形バイポーラトランジスタは、電流密度が
低く抑えられていることから、従来、ワイヤボンディン
グの手法を使用して、素子のパッケージが行われてい
る。この方法は、簡便なパッケージ技術であり、現在広
く利用されている。
【0015】しかし、高速動作の一方で、絶縁ゲート形
電界効果トランジスタや絶縁ゲート形バイポーラトラン
ジスタには、素子を高耐圧化した場合、オン時の電気抵
抗が大きくなり、そのためオン電力損失が増大するとい
う、極めて重大な問題がある。このような問題を防止す
るため、絶縁ゲート形電界効果トランジスタや絶縁ゲー
ト形バイポーラトランジスタでは、オン時に流れる電流
の密度を低く抑えている。絶縁ゲート形バイポーラトラ
ンジスタおよび絶縁ゲート形電界効果トランジスタのオ
ン時の電流密度は、ゲートターンオフサイリスタが10
0A/cm2 を越えるのに対し、それぞれ数十A/cm2
数A/cm2 程度となっている。そのため、電力変換容量
も制限を受け、絶縁ゲート形バイポーラトランジスタお
よび絶縁ゲート形電界効果トランジスタの変換容量は、
それぞれゲートターンオフサイリスタの1/10および
1/100程度となっている。また、絶縁ゲート形電界
効果トランジスタや絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タのパッケージに利用されているワイヤボンディング方
法は、簡便なパッケージ技術である一方で、素子の片側
がワイヤを使用して外部との電気的接触がとられている
ため、素子の冷却効果や電流密度を制限するという問題
を抱えている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ゲートターンオフサイ
リスタは、ラッチアップ現象を積極的に利用してオン時
の電気抵抗を大幅に低減することで、大きな電力変換容
量を実現していた。しかし、ラッチアップ現象による蓄
積キャリアのため、ターンオフ電力損失が増大し、動作
周波数が大きく制限を受けるとともに、ターンオフ時に
蓄積キャリアを引き抜く必要があることからゲート電流
が大きくなるという問題を抱えていた。これに対し、絶
縁ゲート形バイポーラトランジスタや絶縁ゲート形電界
効果トランジスタは、素子内部への蓄積キャリアが少な
いこと、ターンオフ時に蓄積キャリアを引き抜く必要が
ないことから、素子の高速動作が可能であるとともに、
少ないゲート電流で制御可能であるという特徴を有して
いた。しかし、その一方で、素子を高耐圧化した場合、
オン時の電気抵抗が増大し、それとともに定常オン時の
電力損失が増大し、電力変換容量が制限を受けるという
問題を抱えていた。また、絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタや絶縁ゲート形バイポーラトランジスタのパッケ
ージには、ワイヤボンディングの手法が使われていた
が、この手法には熱放散性や大電流化上の課題を抱えて
いた。
【0017】さらに、炭化珪素は、キャリア提供に有効
な元素に対して拡散定数が極めて小さく、実用的な拡散
速度を得るためには、炭化珪素の熱分解が生じる温度以
上にする必要がある。そのため、現実的には熱拡散技術
を用いて素子を作成することは不可能である。また、炭
化珪素のドーパントとなる不純物の不純物準位が深く、
総合的なドーパントのイオン化率が小さい。そのため、
素子形成に有効なキャリア密度を達成するためには、極
めて高濃度の不純物を注入する必要がある。不純物が多
くなるほど、イオン注入部に発生した結晶欠陥を修復す
ることが困難になることから、イオン注入技術を利用し
て炭化珪素内に不純物を導入するためには、越えなけれ
ばならない大きな技術的課題が山積している。
【0018】本発明の目的は、基板材料に炭化珪素(S
iC)を使用して、大電力変換,高速動作、および容易
なゲート制御性を有する素子を実現することである。
【0019】本発明の他の目的は、素子構造においては
ゲート電極部が存在する平面位置とソース電極部が存在
する平面位置とを分離した素子構造とし、パッケージ構
造においては素子をソース電極とカソード電極の両面か
ら圧接するパッケージ構造とし、これらの方法によっ
て、素子の大電流密度および冷却性能を大きく高めるこ
とである。
【0020】本発明の別の目的は、絶縁ゲート形電界効
果トランジスタを実現するために必要不可欠なソース電
極と第2の半導体層との電気的な接触のために、炭化チ
タンなどの電気伝導性に優れかつ炭化珪素との結晶整合
性のよい物質を用いることで、両面圧接時に素子に加わ
る圧力によって素子が破壊することを防止することであ
る。
【0021】本発明のさらに別の目的は、素子の構成要
素の一部に、炭化珪素と結晶整合性がよい例えば炭化チ
タンなどの部材を用いることで、素子をパッケージする
ときに素子に加わる圧力によって素子が破壊することを
防止することである。
【0022】本発明のもう一つの目的は、素子の製造に
おいては、炭化珪素で利用困難な製造技術である熱拡散
およびイオン注入技術を用いないで素子を作成するこ
と、電力変換装置においては、装置の発生する騒音の抑
制とともに、装置本体およびその冷却設備の小型化を実
現することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】これらの目的を達成する
ため、本発明では、第1に、素子材料として炭化珪素を
用いる。第2に、炭化珪素が基本的に有する物理的特徴
を引き出すため、パッケージ構造としては、両面圧接型
とする。第3に、両面圧接パッケージを実現するため、
ゲート電極部がソース電極部の存在する平面位置が分離
され、ソース電極と絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
のウェル層との電気的接続のために炭化珪素との結晶整
合性のよい炭化チタンを用いた素子構造とする。これら
の構造の目的は、それぞれ、圧接部材によるソース電極
とゲート電極が短絡するのを防ぐ、圧接時に素子に加わ
る圧力によって素子が破壊するのを防ぐためである。第
4に、高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的導電性に
優れた炭化チタンを基板とし、その上にエピタキシャル
成長によって積層された3層の炭化珪素層と、最上位炭
化珪素そうから3層目の炭化珪素層へ達するように掘り
込まれた凹部と、この凹部の表面を覆うゲート絶縁膜
と、このゲート絶縁膜を介し凹部に作り込まれたゲート
電極部と、最上位の炭化珪素層と基板とに接続された一
対のソースとドレイン電極部と、ソース電極と第2の半
導体層が炭化チタンで電気的に接続された構造とする。
【0024】炭化珪素を用いることで、電力変換容量と
動作周波数間のトレードオフ関係の大幅な改善および容
易なゲート制御性が実現できることについて、若干の説
明を加える。
【0025】炭化珪素は、バンドギャップ幅が大きく、
絶縁破壊強度が珪素(Si)に比べ約1桁大きいという
特徴を有している。この特徴のため、耐圧保持のために
必要な素子の空乏層形成部の幅を小さくすることができ
るとともに、そこでの不純物濃度も大きくできる。その
ため、素子の定常オン時の電気抵抗は珪素に比べ約3桁
程度小さくなる。珪素においては、ラッチアップ現象を
用いてオン抵抗の低減を実現していたが、炭化珪素を基
板材料とすることでも大幅な抵抗の低減がはかれる。こ
の電気抵抗の値は、ラッチアップ現象を利用したSi−
GTOより小さい値であり、炭化珪素を用いることで、
ゲートターンオフサイリスタの電力変換容量を越える絶
縁ゲート形電界効果トランジスタが実現できることを示
している。絶縁ゲート形電界効果トランジスタは、素子
内へのキャリアの蓄積現象がなく、ゲート制御電流が小
さいことから、炭化珪素を用いることで、大電力変換,
高速動作、およびゲート制御回路の小型化が同時に実現
できることになる。
【0026】次に、このような特性を引き出すために
は、次のような素子構造、およびパッケージ構造が必要
であることについて、若干の説明を加える。
【0027】従来の絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タや絶縁ゲート形電界効果トランジスタは、素子の電気
抵抗が大きいことから電流密度が低く抑えられていた。
そのため、ワイヤーボンディングを用いた素子のパッケ
ージ手法で、素子性能を十分に引き出すことができた。
しかし、SiC−MOSFETの場合、電流密度はSi−GTOのそれ
を越える。このような大電流密度を従来からあるワイヤ
ーボンディング手法で実現することは、ワイヤーに流せ
る電流量を考慮すると大きな問題になる。また、炭化珪
素は、熱の伝導性がよく、熱伝導率は珪素の約3倍にな
る。ワイヤーボンディング手法では、ワイヤー接続面か
らの熱放散性が悪化するため、炭化珪素の優れた熱伝導
性を活かすことができない。したがって、炭化珪素の有
する特性を効果的に引き出すためには、両面圧接パッケ
ージが可能な素子構造が必要不可欠となる。
【0028】
【作用】本発明では、素子の基本材料に炭化珪素を使用
し、さらにソース領域とゲート領域の存在する平面位置
を空間的に分離するとともに、第2の半導体層とソース
電極との電気的接触のために電気伝導性および熱伝導性
に優れ炭化珪素との結晶整合性のよい炭化チタンを用い
て両面圧接が可能な素子構造とした。その結果、炭化珪
素の有する大きな電力変換容量,大きな電流容量,高い
熱放散性,高速動作性という優れた特性を引き出すこと
が可能となり、素子の冷却性能に優れ、大電力変換容量
を有し、かつ高速に動作する半導体素子の実現が可能と
なる。この場合の、電力変換容量は従来のゲートターン
オフサイリスタと同等、動作周波数は従来の絶縁ゲート
形電界効果トランジスタと同等になる。
【0029】また、本発明では、第2の半導体層とソー
ス電極との電気的接触のために、電気伝導性に優れかつ
炭化珪素との結晶整合性のよい炭化チタンを用いてい
る。このため、炭化珪素−炭化チタン接触界面での結晶
欠陥が少なくなり、両面圧接時の素子破損耐性に優れ、
かつ良好な電気的接触特性をもつFETが実現できる。
さらに、素子の製造方法においては、炭化珪素において
困難な技術である熱拡散およびイオン注入技術を使用し
ないで製造することができる。また、電力変換装置へ本
発明の素子を応用した場合、素子自身が小さくなるこ
と、ゲート制御電力が小さいこと、および高温動作が可
能なことから、変換装置本体の小型化とともに素子の冷
却設備の小型化が同時に実現できる。
【0030】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0031】実施例1 図1は本発明による絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
の断面図である。図は、本発明の素子のパッケージ構造
も同時に示している。
【0032】ここで述べる実施例は、素子の基板として
強いn形にドープされた炭化珪素または炭化珪素と結晶
整合性のよい炭化チタン12を基板に用いた一例であ
る。本発明による絶縁ゲート形電界効果トランジスタ1
1は、電気導電性に優れ、機械的強度の高い部材ででき
たドレイン電極層18と、強いn形にドープされた炭化
珪素または炭化珪素と結晶整合性のよい炭化チタンから
なる基板12と、基板12上にn形の所定不純物濃度で
ドープされた炭化珪素のエピタキシャル層からなる第1
の半導体層13と、逆のp形の高不純物濃度にドープさ
れた炭化珪素のエピタキシャル層からなる第2の半導体
層14と、n形の高不純物濃度にドープされた炭化珪素
のエピタキシャル層からなる第3の半導体層15と、電
気導電性のよい部材でできたソース電極層17とが順次
重なった構造となっている。また、第3の半導体層15
から第2の半導体層14を通して第1の半導体層13へ
達するように掘り込まれた凹部111、この凹部111
の表面を覆うように作られた薄いゲート絶縁膜110、
このゲート絶縁膜110上に電気導電性のよい部材を用
いてゲート電極19が設けられる。また、本発明のパッ
ケージは、ソース側電極部材112,ドレイン側電極部
材113,側壁115、およびゲート用リード線などか
ら構成される。
【0033】図1の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
では、第1の半導体層13と基板12がn形のドレイン
領域、第2の半導体層14がp形のウェル、第3の半導
体層15がn形のソース領域を構成する。この絶縁ゲー
ト形電界効果トランジスタ11は、ゲート絶縁膜110
を介してゲート電極19と対向するp形の第2の半導体
層14をチャネル形成領域とするnチャネル形である。
通常の絶縁ゲート形電界効果トランジスタと同様に、ゲ
ート電極19に印加する電圧によってチャネルの形成を
制御して、ソース電極17とドレイン電極18を遮断ま
たは導通状態とすることによって素子動作が行われる。
導通時には、電流が基板12から第1の半導体層13を
通って第3の半導体層15に向けて縦方向にながれる縦
形の絶縁ゲート形電界効果トランジスタである。遮断時
には、第2の半導体層14と第1の半導体層13の接触
界面から第1の半導体層13内に空乏層が広がる。この
空乏層によって、素子に加わる電圧が保持される。
【0034】ゲート電極19は、第3の炭化珪素半導体
層15から第2の炭化珪素半導体層14を通して第1の
炭化珪素半導体層13へ達するように掘り込まれた凹部
111に、電気導電性のよい部材で作成する。ゲート電極
19と第3の炭化珪素半導体層15,第2の炭化珪素半
導体層14、および第1の炭化珪素半導体層13との間
には、薄いゲート絶縁膜110が付けられる。さらにソ
ース電極17と第2の炭化珪素半導体層14は、炭化珪
素と結晶整合性のよい炭化チタンによって電気的接触が
とられ、ゲート電極に電圧が印加されたときに、第2の
炭化珪素半導体層14とゲート絶縁膜110との近傍に
n形反転層が形成されるようにする。
【0035】次に、本発明の絶縁ゲート形電界効果トラ
ンジスタ11によって得られる発明の効果について説明
する。
【0036】炭化珪素は、バンドギャップ幅が大きく、
絶縁破壊電界が大きい。珪素の絶縁破壊電界が3×10
5V/cmであるのに対し、炭化珪素のそれは2.5×10
6 V/cmであり、珪素の約10倍にもなる。絶縁ゲート
形電界効果トランジスタ11に印加される電圧は、第1
の半導体層13内に広がる空乏層によって保持されるの
で、第1の半導体層13の幅は、この領域のすべてが空
乏化したとき、この領域で絶縁破壊が生じない幅が最低
必要となる。物質中の電界は、これに加える電圧に比例
し、その幅に反比例する。したがって、素子耐圧が同じ
素子を考えた場合、耐圧保持のために必要な第1の半導
体層13の幅は、絶縁破壊電界に反比例する。炭化珪素
の絶縁破壊電界は珪素に比べ1桁大きいので、結果とし
て、炭化珪素を用いた絶縁ゲート形電界効果トランジス
タ11の第1の半導体層13の厚さは、珪素の場合に比
べ1桁薄くすることができる。このように、炭化珪素を
用いることによって、素子の大きさを小さくすることが
できる。
【0037】炭化珪素を用いることで、珪素に比べ、素
子のソース電極17とドレイン電極18間の電気抵抗が
2桁以上小さくできることについて、以下に述べる。
【0038】素子の耐圧保持の役割をはたす空乏層の幅
は、不純物密度の2乗に反比例する。また、前述したよ
うに第1の半導体層13は、目的の耐圧保持のために必
要な空乏層の幅と同じ幅が最低限必要である。さらに、
目的とする素子の耐圧が同じ場合、耐圧保持のために必
要な第1の半導体層13の幅は、絶縁破壊電界に反比例
する。これらの条件から、目的とする素子耐圧が同じ場
合、第1の半導体層13の不純物密度は、絶縁破壊電界
の2乗に比例するという結果が得られる。半導体の電気
抵抗率は、不純物密度にほぼ反比例するので、この結果
は、目的とする耐圧が同じ素子を考えた場合、第1の半
導体層13の電気抵抗率は絶縁破壊電界の2乗に反比例
すると言い替えることができる。
【0039】本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジス
タの場合、電流は第1の半導体層13を縦方向に流れ、
絶縁ゲート形電界効果トランジスタのおけるオン時のソ
ース電極17とドレイン電極18間の電気抵抗は、多く
の場合、ソース領域やチャネル領域の電気抵抗は無視で
き、第1の半導体層13の電気抵抗となる。第1の半導
体層13の電気抵抗はその幅とその電気抵抗率の積にな
ることから、オン時のソース電極17とドレイン電極1
8間の電気抵抗は絶縁破壊電界の3乗に反比例するとい
う結果が得られる。
【0040】炭化珪素の絶縁破壊電界は珪素に比べ約1
桁大きい。したがって、本発明の絶縁ゲート形電界効果
トランジスタ11のオン時のソース電極17とドレイン
電極18間の電気抵抗は、従来の珪素で作られた素子よ
り3桁小さくなる。しかし、ここでは、移動度の効果を
含めずに議論してきた。移動度を考慮すると、オン時の
ソース電極17とドレイン電極18間の電気抵抗は、絶
縁破壊電界の3乗に反比例し移動度に比例するという結
果が得られる。炭化珪素の移動度は珪素のほぼ1/2程
度であるので、これを考慮すると若干効果が減殺される
が、それでも、本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジ
スタ11のオン時のソース電極17とドレイン電極18
間の電気抵抗は、珪素型の絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタに比べ2桁以上小さくなるという結果が得られ
る。
【0041】次に、本発明の絶縁ゲート形電界効果トラ
ンジスタ11が、現状のゲートターンオフサイリスタと
程度の電力変換容量を有することについて説明する。電
力用素子の場合、素子の最大電力変換容量は、素子内部
で発生する電力損失によって制限される。また、電力損
失は、素子が定常オン状態のときに発生するオン電力損
失とターンオフするときに発生するターンオフ損失に分
けられるが、絶縁ゲート形電界効果トランジスタの場
合、ターンオフ電力損失は極めて小さく、通常、定常オ
ン時に発生するオン電力損失によって占められる。素子
のオン電力損失はオン抵抗と通電電流の2乗に比例する
ことから、素子で発生する電力を一定とすると、オン抵
抗が小さくなった分だけ通電電流を多くできる。前述し
たように、本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
11のオン抵抗は、従来の絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタに比べ、2桁以上オン抵抗が小さくなるので、電
流は1桁以上多く電流を流せることになる。この値は、
従来のゲートターンオフサイリスタの電流値に相当し、
本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタの電力変換
容量が従来のゲートターンオフサイリスタと同程度にな
ることを意味する。
【0042】炭化珪素は、オン時の電気抵抗が小さいだ
けでなく、電力用素子として必要不可欠な熱放散性にも
優れている。炭化珪素の熱伝導率は、珪素のそれが1.
5W/cm℃であるのに対し、5.0W/cm℃ であり、珪
素の3倍以上である。このような炭化珪素の高い熱放散
性を活かすためには、絶縁ゲート形電界効果トランジス
タに用いられていたパッケージ手法にまでさかのぼって
考える必要がある。従来の絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタは、ソース電極とゲート電極がワイヤを用いて外
部回路と接続されていた。しかし、以上で述べたよう
に、炭化珪素を用いた本発明の絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタ11は、従来の珪素で作られた絶縁ゲート形
電界効果トランジスタにない高い電流密度を実現できる
とともに、高い熱伝導特性を有している。これらの電力
用半導体素子として有効な特性は、従来から用いられて
いたパッケージ手法では、十分に引き出すことができな
い。そこで、大電流化が実現でき、かつ熱放散性に優れ
たパッケージ手法である両面圧接パッケージに注目し、
図1に示す素子構造を発明した。
【0043】本実施例によれば、ゲート電極19が凹部
111に設けられているので、ソース電極17とゲート
電極19の存在する平面位置が空間的に分離され、ソー
ス電極との接触側が平面構造であるソース側電極部材1
12による、ソース電極17とゲート電極19の電気的
接触を阻止することができる。また、ソース電極17と
チャネルが形成される第2の半導体層14との電気的接
触が、炭化珪素との結晶整合性のよい炭化チタン層16
で形成されているため、炭化珪素と炭化チタンの接合界
面の格子欠陥が発生せず、圧着時の機械的圧力に対する
高い機械的強度を得ることができる。さらに、炭化チタ
ンは、熱伝導特性に優れていることから、ソース電極1
7側からの熱放散を阻害する要因にはならない。
【0044】図1に示した本発明は、図2のように図1
で示した凹部111を、図1で示したゲート電極19と
同一物質あるいは電気的導電性に優れた物質で埋め込ん
でもよい。この場合、ソース電極17の存在する平面位
置とゲート電極21の最表面の位置は、空間的に分離さ
れるようにして、ソース側電極部材112によるソース
電極17とゲート電極21の電気的接触を防いでいる。
【0045】図2は、図1で示した凹部111を、図1
で示したゲート絶縁膜110と同じ物質あるいは他の絶
縁物31で埋め込んだ場合の素子構造である。本発明
は、このような構造にしても実施できる。
【0046】図2,図3は、パッケージ内の本発明の素
子のみを示し、パッケージは図1と同様である。
【0047】実施例2 図1では、第2の半導体層14とソース電極17間の電
気的接触を炭化チタン層16を用いて行った。しかし、
この部分は必ずしも炭化チタンである必要はなく、電気
伝導性に優れかつ炭化珪素との結晶整合性に優れた他の
物質でもよい。たとえば、図4に示すように、炭化タン
タル,炭化ニオブ、あるいは窒化チタン41などは、電
気伝導性,結晶整合性に優れた材料であ。これらの物質
の電気抵抗率は、それぞれ30μΩcm,74μΩcm,2
1.7μΩcm であり、炭化チタンの180μΩcmよりも
小さく、電気伝導性に優れている。一方、炭化珪素との
結晶定数差は、それぞれ約2.2%,2.5%,2.7%
であり、炭化チタンの0.7%より大きく、結晶整合性は
やや劣る。しかし、本発明の素子の第3の半導体層15
は数百nmと薄くてよいことを考慮すると、この程度の
結晶整合性があれば、本発明の効果はなんら問題なく実
施できる。このように、炭化チタンに変えて、炭化タン
タル,炭化ニオブ、あるいは窒化チタンを用いることで
も、本発明の目的とするところの両面圧接構造に対し
て、なんら問題を生じない。
【0048】図4の素子においても図1の場合と同様、
凹部111を、電気的導電性に優れた優れた物質、ある
いは電気的絶縁性に優れた物質で埋め込んでもよく、こ
の場合の素子構造を、それぞれ図5および図6に示す。
【0049】実施例3 図1では、第2の半導体層14とソース電極17間の電
気的接触を炭化チタン層16を用いて行った。しかし、
この炭化チタン層16は、図7に示すように炭化珪素で
あってもよい。本実施例は、nチャネル形であるため、
この例では、第2の半導体層14と同じp形の炭化珪素
を使用している。
【0050】本発明の特徴の一つは、熱拡散技術とイオ
ン注入技術を使用しないで作成することであるが、図7
の素子も熱拡散とイオン注入技術を使用しないで作成す
ることができる。この素子は、第1の半導体層13上に
第2の半導体層14をエピタキシャル技術を用いて図1
よりも厚く積層し、次に必要な部分をエッチングし、次
に第3の半導体層15をエピタキシャル成長し、その
後、ソース電極17を形成する部分を第2の半導体層1
4の一部が現れるまでエッチングすることで作成するこ
とができる。その他の構造部分は図1で示した素子と同
様に作成する。また、本発明のもう一つの特徴である、
両面圧接構造に対してもなんら問題を生じない。
【0051】図7の素子においても図1の場合と同様、
凹部111を、電気的導電性に優れた優れた物質、ある
いは電気的絶縁性に優れた物質で埋め込んでもよく、こ
の場合の素子構造を、それぞれ図8および図9に示す。
【0052】実施例4 本発明は、図10に示すように凹部111の一方の壁面
を、第3の半導体層15から第2の半導体層14の一部
に接するようにソース電極102を設け、凹部111の
もう一方の壁面に、ゲート電極101を設けた素子構造
でも実行できる。ただし、ゲート電極101は、絶縁膜
103上に設けられる。ソース電極とドレイン電極間の
電流の通路になるチャネルの利用効率が、図1から図9
の場合の1/2になる。しかし、ゲート電極101とソ
ース電極102はパッケージのソース側電極部材112
で電気的に短絡されないように空間的に分離されている
ので、炭化珪素の持つ大電流密度,高速動作,高い熱放
散性を十分に引き出すという両面圧接構造を実現するう
えでなんら問題にはならない。
【0053】また、図10の素子において、凹部111
を電気的絶縁性に優れた物質で埋め込んでもよく、この
場合の素子構造を、それぞれ図11に示す。
【0054】実施例5 図10においては、凹部111の一方の側壁のすべてを
使用して、ソース電極第2の半導体層の電気的接触を実
現した。しかし、この接触部に流れる電流は第2の半導
体層と第ゲート電極間の作るコンデンサの充放電電流で
あるため、その値は小さい。そのため、図10のよう
に、凹部111の片側のすべてを使用して電気的接触を
とる必要はない。そこで、図12のように、ソース電極
121とゲート電極123が交互に第2の半導体層14
に接するようにしても、本発明の効果を得ることができ
る。また、この構造は、両面圧接を行う上でも、なんら
問題を生じない。
【0055】図12の凹部111は、これまでの実施例
と同様、絶縁物で埋め込んでもよい。また、ソース電極
121とゲート電極123が、凹部111内で接触しな
いような条件であれば、ゲート電極123を導電性物質
で埋め込んでもよい。
【0056】実施例6 図1から図12までの実施例は、絶縁ゲート形電界効果
トランジスタに関するものであった。しかし、本発明
は、図13のように第1の半導体層13に接するように
炭化珪素の層132を設けてもよい。この実施例はnチ
ャネル形であるため、この場合はp形の炭化珪素を使用
する。
【0057】図13の素子は絶縁ゲート形バイポーラト
ランジスタ131である。この素子では、第1の半導体
層13と基板12がn形のコレクタ領域,第2の半導体
層14がp形のベース,第3の半導体層15がn形のエ
ミッタ領域を構成する。この絶縁ゲート形バイポーラト
ランジスタ131は、ゲート絶縁膜110を介してゲー
ト電極19と対向するp形の第2の半導体層14をチャ
ネル形成領域とするnチャネル形である。
【0058】この素子の動作は、通常の絶縁ゲート形バ
イポーラトランジスタと同様である。ゲート電極19に
印加する電圧によって、第2の半導体層14とゲート絶
縁膜110との接触界面にチャネル形成して、ソース電
極17側からこのチャネルを通して電子を第1の半導体
層13内に注入する。すると、この電流が、第2の半導
体層14,第1の半導体層13、およびp形の炭化珪素
層132から構成されるpnpトランジスタのベース電
流となり、この効果によって、p形の炭化珪素層132
から正孔が第2の半導体層14に向けて注入される。そ
のため、コレクタ電極133,基板12、p形の炭化珪
素層132,第1の半導体層13,第2の半導体層1
4,炭化チタン層16、およびエミッタ電極134から
なる、正孔の通路が構成される。一方、電子は、ソース
電極17,第3の半導体層15,第2の半導体層14に
形成されたn形のチャネル、第1の半導体層13,p形
の炭化チタン層132,基板12、およびコレクタ電極
133を通って流れる。この状態が、導通状態である。
【0059】ゲート電極19に印加している電圧を取り
除くと、第2の半導体層14に形成されたチャネルが閉
じ、第1の半導体層13への電子注入が止まる。そのた
め、p形の炭化珪素層132,第1の半導体層13、お
よび第2の半導体層14から構成されるpnpトランジ
スタのベース電流がなくなり、p形の炭化珪素層132か
らの正孔注入が止まり、最終的に、素子は遮断状態にな
る。遮断時には、第2の半導体層14と第1の半導体層
13の接触界面から第1の半導体層13内に空乏層が広
がる。この空乏層によって、素子に加わる電圧が保持さ
れる。
【0060】最も大きな電気抵抗を発生する部分は第1
の半導体層13であるが、本構造の素子では、第1の半
導体層13に電子と正孔が同時に注入されるため、層内
のキャリア濃度が増加し、電気抵抗が先の絶縁ゲート形
電界効果トランジスタに比べ大幅に小さくなる。前述し
たように、炭化珪素は絶縁ゲート形電界効果トランジス
タであっても導通時に大きな電流を流せる。図13の実
施例の素子の場合、導通時の電気抵抗がさらに小さくな
ることから、さらに大きな電流を流すことができ、本発
明の両面圧接できる素子構造が必要不可欠となる。
【0061】実施例7 図1の絶縁ゲート形電界効果トランジスタは、図2から
図12のような構造でも、本発明の効果を有効に活かす
ことができた。図13で示した絶縁ゲート形バイポーラ
トランジスタにおいても、同様に、図14から図24の
ような構造で本発明の効果を得ることができる。図14
は図13において凹部111を導電性物質で埋めたも、
図15は図13において凹部111を絶縁物で埋めたも
の、図16は第2の半導体層14と第3の半導体層15
の接触界面に炭化珪素層を埋め込んでも、図17は図1
6において凹部111を導電性物質で埋めたもの、図1
8は図16において凹部111を絶縁物で埋めたもの、
図19はソース電極と第2の半導体層14との電気的接
触を炭化珪素で実行したもの、図20は図19において
凹部111を導電物質で埋めたもの、図21は図19に
おいて凹部111を絶縁物で埋めたもの、図22は凹部1
11の一方の側面を利用してソース電極と第2の半導体
層14の電気的接触をとったもの、図23は図22にお
いて凹部111を絶縁物で埋めたもの、さらに図24
は、凹部111の側面を第2の半導体層14およびゲー
ト電極123によるチャネル形成部とソース電極121
および第2の半導体層14の電気的接触部に交互に分離
したものである。このような、図14から図24の素子
構造においても、本発明は、なんの問題もなく達成でき
る。
【0062】実施例8 次に、本発明の素子を複合構造にした場合の構造図を示
す。図25から図27はそれらの上面図である。図25
はソース電極251を縦縞模様に配置した場合の実施
例、図26はソース電極261が正方形でそれらを複数
配置した場合の実施例、図27は、ソース電極271
が、六角形でそれ等を複数配置した場合の実施例であ
る。本発明の効果を効果的に引き出すためには、ここで
示した形状にとどまらず、この発明の趣旨の範囲内の形
状でもよい。
【0063】実施例9 炭化珪素は、キャリア提供に有効な元素に対して拡散定
数が極めて小さく、実用的な拡散速度を得るためには、
炭化珪素の熱分解が生じる温度以上にする必要がある。
そのため、現実的には熱拡散技術を用いて素子を作成す
ることは不可能である。また、炭化珪素のドーパントと
なる不純物の不純物準位が深く、総合的なドーパントの
イオン化率が小さい。そのため、素子形成に有効なキャ
リア密度を達成するためには、極めて高濃度の不純物を
注入する必要がある。不純物が多くなるほど、イオン注
入部に発生した結晶欠陥を修復することが困難になるこ
とから、イオン注入技術を利用して炭化珪素内に不純物
を導入するためには、越えなければならない大きな技術
的課題が山積している。
【0064】本実施例の炭化珪素絶縁ゲート形電界効果
トランジスタは、エピタキシャル結晶成長,エッチン
グ,絶縁膜作成技術だけで作成可能で、熱拡散技術やイ
オン注入技術を使用する必要がない。この点を明かにす
るため、以下、図28を用いて、本発明の絶縁ゲート形
電界効果トランジスタ11の作成方法を説明する。
【0065】図28(a)は、昇華法、あるいはエピタ
キシャル成長法などで作成した基板12上に、n形にな
るように第1の半導体層13,p形のドーパントを含む
ように第2の半導体層14、さらにその上に炭化チタン
層16をエピタキシャル成長させた状態を示す。炭化珪
素層のエピタキシャル成長は、例えばシランとメタンな
どを含む原料ガスを用いるCVD法で実現でき、この気
相成長用の原料ガス中に不純物を混合しておくことによ
って炭化珪素膜中に所望の濃度の不純物のドープが行え
る。ドープ後のイオン化率などを考慮すると、n形不純
物としては窒素,p形不純物としてはアルミが最も適す
る。
【0066】図28(b)は、炭化チタンのエッチング
工程を示す。この工程は、化学的エッチングでも可能で
あるが、塩素系のガスを用いたドライエッチング法を利
用して、必要な部分だけを残して炭化チタン層16を取
り除くのがよい。この図では省略されているが、このエ
ッチングは、もちろんフォトレジスト膜などをマスクと
して行う。
【0067】図28(c)は、所望の不純物濃度になる
ようにn形層をエピタキシャル成長させた状態を示す。
この層は第3の半導体層15になる。成長は第1の半導
体層13および第2の半導体層14と同様に行う。図2
8(d)は、炭化チタン層が現れるまで表面をエッチン
グした状態を示す。このエッチングも、化学的エッチン
グが可能であるが、ドライエッチング法を利用して行う
のがよい。
【0068】図28(e)は凹部111の掘り込み工程
を示す。このエッチングは、フォトレジスト膜などを利
用して、異方性エッチング条件化で、第1の半導体層1
3が現れるまでドライエッチングするのがよい。
【0069】図28(f)はゲート絶縁膜110,ゲー
ト電極19,ソース電極17、およびドレイン電極18
の作成工程を示す。ゲート絶縁膜110は、シリコンの
場合と同様に熱酸化膜とするのが作成が最も簡単であ
る。酸素雰囲気内での短時間の熱酸化により、ゲート絶
縁膜110として適する例えば0.05〜0.1μmの厚
さの酸化シリコン膜が、炭化珪素においてもシリコンと
同様に形成することができる。ソース電極17,ゲート
電極19、およびドレイン電極18は、シリコン素子で
多用されている例えばスパッタリング法などを用いて、
アルミで形成してもよい。また、多結晶シリコン,モリ
ブデンシリサイド,タングステンシリサイドなどの電気
的導電性のよい部材を用いてもよい。
【0070】最後に、ソース側電極部材112とドレイ
ン側電極部材で挟むことで素子のパッケージングを行
う。以上のように、本実施例の素子は、熱拡散やイオン
注入技術を使用することなく作成できるという特徴を有
している。
【0071】図29は、本発明の絶縁ゲート形バイポー
ラトランジスタ131の作成方法を示している。この素
子の作成方法は、図29(a)において、第1の半導体
層13に先だってp形の炭化珪素層132をエピタキシ
ャル成長する工程が増えるだけで、その他は、図28で
示した絶縁ゲート形電界効果トランジスタ11の作成方
法と同じである。
【0072】さらに、図中で示した他の実施例の構造の
素子においても、炭化珪素において困難な技術である熱
拡散やイオン注入技術を使用せずに製造できることを推
測することは容易である。
【0073】実施例10 本発明の最も基本とするところは、電気伝導性がよく、
かつ炭化珪素と結晶整合性のよい部材、例えば炭化チタ
ンとの接触を素子の基本構成要素に使用することによっ
て、素子に加わる圧力に起因して素子が破壊に至のを防
止することである。したがって、本発明は、前記実施
例、例えば図1〜図27に示した素子構造に限定される
ものではない。本発明において重要なことは、素子の構
成要素の一部に、電気伝導性がよくかつ炭化珪素との結
晶整合性に優れた部材と炭化珪素との接触部を有するこ
とである。
【0074】図30は、本発明のこのようなコンセプト
をもとに示す他の実施例である。この素子は、305と
306からなる一対の電極と炭化チタンからなる基板3
02と基板302と接するように設けられたn型の炭化
珪素層303とn型の炭化珪素層303と接するように
設けられたp型の炭化珪素層304とから成るpn接合
を有するダイオード301であり、次のように動作す
る。
【0075】電極306に対して電極305へ正の電位
を印加すると、p型の炭化珪素層304とn型の炭化珪
素層303から成るpn接合は順バイアスされ、電極30
6,p型の炭化珪素層304,n型の炭化珪素層30
3,基板302、および電極306を通って電流が流れ
る。この状態がダイオード301のオン状態である。一
方、電極306に対して電極305へ負の電圧を印加し
た場合、p型の炭化珪素層304とn型の炭化珪素層3
03からなるpn接合は逆バイアスされ、素子を通して
流れる電流が阻止される。この状態が、ダイオード30
1のオフ状態である。このように、本発明のダイオード
301は、従来のダイオードと同様に動作する。
【0076】図30の素子においても、本発明の実施例
1で述べた、炭化珪素の有する低いオン時の電気抵抗お
よび高い熱伝導性を有効に引き出すことが可能であり、
結果として、大電力制御が実現できるこを推測すること
は容易である。
【0077】本実施例で示したダイオードにおいて、炭
化チタンからなる基板302,n型の炭化珪素層30
3、およびp型の炭化珪素層304との順番はここに示
したものに限ったものではなく、n型の炭化珪素層30
3とp型の炭化珪素層304との順番を入れ替えてもよ
い。また、基板としては炭化チタンに限ったものではな
く、炭化タンタル,炭化ニオブ、あるいは窒化チタンな
どの電気伝導性がよく炭化珪素との結晶整合性のよい部
材を用いてもよい。
【0078】さらに、本発明は図1〜図27および図3
0で示した構造に限るものではなく、炭化珪素と結晶整
合性がよい部材と炭化珪素との接触面を、素子の構成要
素の一部に用いたものであっても、炭化珪素の有する低
いオン時の電気抵抗および高い熱伝導性を有効に引き出
せることは同様であり、本発明の効果を得るためになん
ら問題を生じない。例えば、炭化珪素と結晶整合性がよ
い部材と炭化珪素との接触面を有する、サイリスタ,ゲ
ートターンオフサイリスタ(GTO),トランジスタ,
ショットキー障壁ゲート形電界効果トランジスタ(ME
SFET),pn接合ゲート形電界効果トランジスタ
(JFET),静電誘導サイリスタ(SIサイリス
タ),静電誘導トランジスタ(SIT),MOS制御サイ
リスタ(MCT)であってもよい。
【0079】実施例11 図31は、本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
11を使用した電力変換装置の一実施例である。図にお
いて、311は本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジ
スタ11,312は絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
を保護するためのフリーホイールダイオード、313は
例えば直流電源、314は例えばモーターなどからなる
負荷を示す。本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジス
タ11は、ここで示した構成の電力変換装置への使用に
制限されるものでなく、交流を直流に、交流を交流に、
直流を交流にまたは直流を直流に変換するための電力変
換装置のすべてに使用することができる。本発明の素子
を電力変換装置に使用することによって、素子本体だけ
でなく、変換装置のゲート駆動回路および冷却装置を大
幅に小型化することができる。以下、これらについて説
明する。
【0080】はじめに、素子本体の大きさについて考察
する。本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタは、
従来の絶縁ゲート形電界効果トランジスタに比べ、素子
に通電可能な電流密度が1桁以上大きくできることを実
施例1で説明した。素子の電力変換容量は素子の耐圧と
通電可能な電流の積であり、電流値は電流密度と電流が
流れる素子面積の積であることから、本発明の絶縁ゲー
ト形電界効果トランジスタ11は従来の絶縁ゲート形電
界効果トランジスタに比べ、1桁以上素子の面積を小さ
くできることになる。また、実施例1で示したように、
本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ11は、従
来の絶縁ゲート形電界効果トランジスタに比べ、素子の
厚さが1桁小さくできる。素子の体積は、素子の電流が
流れる面積と素子の厚さの積になることから、本発明の
絶縁ゲート形電界効果トランジスタ11は、従来の絶縁
ゲート形電界効果トランジスタに比べ、2桁以上素子体
積を小さくできることになる。
【0081】次に、ゲート回路の小型化について考察す
る。従来、絶縁ゲート形電界効果トランジスタは、オン
時の電気抵抗が大きいことから、大電力変換用途の電力
変換装置には使用されず、通常数kW程度の装置に使用
されていた。しかし、本発明の絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタ11は、数〜数十MWの大電力変換用途に使
用されるゲートターンオフサイリスタと同程度の電力変
換容量を実現できることから、ゲート回路の小型化に関
しては、ゲートターンオフサイリスタと比較する必要が
ある。
【0082】ゲート回路の規模は、素子のスイッチング
動作のためにゲートに加える必要のある電力量の大小で
考えることができる。また、この電力量は、素子のター
ンオン時,ターンオフ時,定常オン時、および定常オフ
時に必要なゲート電力に分割できる。ゲートターンオフ
サイリスタの場合、定常オフ時には、カソードとゲート
間、およびアノードとゲート間のpn接合が逆バイアス
され、ゲート電流が流れないので、ほとんどゲート電力
を必要としない。しかし、ターンオン時、定常オン時、
およびターンオフ時にはその状態を保つためにゲート電
力が必要となる。ゲートに加える電力量の大きさは、ゲ
ートに流し込む電荷量にほぼ依存したいので、電荷量の
大小で、ゲート電力量の大小を測ることができる。4〜
5kV,1kA程度の現状のゲートターンオフサイリス
タの場合、ターンオフ、および定常オン時に必要な電荷
量はどちらも数mCであり、またターンオン時は、それ
より1桁小さい。そのため、前記程度の容量を有するゲ
ートターンオフサイリスタのスイッチング動作に必要な
電荷量は、1パルス当り10mC程度になる。
【0083】一方、本発明の絶縁ゲート形電界効果トラ
ンジスタ11においては、次のようになる。本発明の絶
縁ゲート形電界効果トランジスタ11のスイッチング動
作に必要なゲート電荷量は、従来の絶縁ゲート形電界効
果トランジスタのデータから求めることができる。絶縁
ゲート形電界効果トランジスタの場合、定常オン時,定
常オフ時に必要となるゲート電荷量は、ゲート絶縁膜を
通して流れるリーク電流によって発生するが、この値は
極めて小さく、通常無視できる。そのため、ターンオン
時,ターンオフ時に必要な電荷量を考えればよく、これ
は、ゲート入力容量を充電するために必要な電荷量であ
る。絶縁ゲート形電界効果トランジスタのゲート入力容
量とドレイン電流の間にはほぼ比例関係があり、従来の
絶縁ゲート形電界効果トランジスタのデータからこの比
例定数を求めるとほぼ100pF/Aとなる。この関係
は基板材料の誘電率に依存するが、本発明の素子に使用
されている炭化珪素と珪素の誘電率はほぼ同じであるこ
とから、この関係は本発明の絶縁ゲート形電界効果トラ
ンジスタ11にも用いることができる。したがって、本
発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ11で、電流
容量1000A程度の素子を作成したときの入力容量
は、100nFとなる。絶縁ゲート形電界効果トランジ
スタは、数Vのゲート電圧で制御されることから、前記
程度の容量の素子ターンオン,ターンオフ時に必要な電
荷量は、どちらも数百nCとなる。この値は、前述した
ゲートターンオフサイリスタのそれよりも4桁程度小さ
い値である。このように、本発明の絶縁ゲート形電界効
果トランジスタ11は極めて小さな電力で素子のスイッ
チング動作を行えることから、本発明の絶縁ゲート形電
界効果トランジスタ11を電力変換装置に用いること
で、ゲート制御回路の大幅な小型化が実現できるでこと
は容易に推測できる。
【0084】次に、冷却装置の小型化について説明す
る。スイッチング素子は本質的に電力損失を発生し、こ
の損失は素子温度を上昇させる。素子温度の増加ととも
に、素子を構成している半導体材料の価電子帯から伝導
帯へ熱的に励起されるキャリア量が増加し、素子特性が
悪化するので、何らかの方法で素子を冷却する必要があ
る。素子から取り出せる熱量は、素子の温度とその周囲
の温度との差、および素子の熱伝導率に比例する。つま
り、次の関係式が成り立つ。
【0085】 Q=κ(T−T0)=κΔT … (1) ここで、Qは素子から取り出せる熱量、κは熱伝導率、
Tは素子の温度、T0は素子の周囲温度である。(1)
式は、素子の動作温度が高く、熱伝導率κが大きいほ
ど、素子の冷却が容易になることを示している。
【0086】珪素の場合、リーク電流などの制限から、
素子の最大動作温度は、100℃程度に制限されてい
る。素子のリーク電流は、価電子帯から伝導帯に熱的に
励起されるキャリアに起因しているため、基板材料のバ
ンドギャップ幅が大きいほど少なくできる。珪素のバン
ドギャップが1.12eV であるのに対して、立方晶系
の結晶構造(3C−SiCといわれる)の炭化珪素のバ
ンドギャップは2.2eVである。このことから、炭化
珪素の場合の、最大動作温度を求めると約500℃が得
られる。素子の周囲の温度を室温(20℃)とすると、
炭化珪素の場合の温度差ΔTは、珪素のそれが80℃で
あるのに対し、約480℃と、珪素の8倍にすることが
できる。また、実施例1で説明したように、炭化珪素の
熱伝導率は、珪素に比べ、約3倍になる。以上のことか
ら、炭化珪素で作成した本発明の絶縁ゲート形電界効果
トランジスタ11は、従来の素子に比べ、20倍程度冷
却効率が改善できることになる。このように、本発明の
絶縁ゲート形電界効果トランジスタ11は冷却が容易で
あり、ひいては冷却設備の小型化に大きく寄与すること
は容易に推測できる。
【0087】以上の説明は、電力変換装置に絶縁ゲート
形電界効果トランジスタ11を使用した場合について説
明したが、これに限ったものではなく、本発明の実施例
で示した他の構造の素子を使用した電力変換装置でもよ
く、この場合も、ここで示した効果が同様に得られる。
【0088】
【発明の効果】本発明は、炭化珪素あるいは炭化珪素と
結晶整合性のよい炭化チタンからなる基板上に、第1の
半導体層,第2の半導体層,第3の半導体層を導電形が
異なるように交互にエピタキシャル成長法を用いて作成
し、第2の半導体層とソース電極の電気的接触に炭化珪
素と結晶整合性のよい炭化チタンを用い、第3の半導体
層領域の範囲内から第1の半導体層に達するように凹部
を設け、この凹部の表面を絶縁物で覆い、かつこの絶縁
物上に電気的導電性に優れた物質でゲート電極を設けた
構造の絶縁ゲート形電界効果トランジスタとなってい
る。
【0089】また、本発明は、少なくとも一つの炭化珪
素から成る部分と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整
合性に優れかつ電気伝導性のよい例えば炭化チタンから
成る部分が接合する部分を、構成要素の一つとする素子
構造とすることで、次のような効果が得られた。
【0090】(1)ソース電極部とゲート電極部の存在
する空間的位置を分離し、かつソース電極と第2の半導
体層との電気的接触に炭化チタンを用いることで、両面
圧接パッケージが可能となった。
【0091】(2)両面圧接構造で可能な構造とするこ
とにより、炭化珪素が有する導通時の低い電気抵抗と高
い熱放散性を効果的に引き出すことができ、大電力容
量、かつ高速動作が可能となった。
【0092】(3)本発明の素子構造は、炭化珪素では
利用困難な熱拡散技術およびイオン注入技術を使用せ
ず、エピタキシャル成長技術,エッチング技術、および
う酸化膜形成技術だけで作成することができる。
【0093】さらに、本発明の素子を電力変換装置に使
用した場合、素子本体だけでなく、変換装置のゲート駆
動回路および冷却装置を大幅に小型化することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炭化珪素半導体を用いる絶縁ゲー
ト形電界効果トランジスタおよび素子のパッケージ構造
の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明による炭化珪素半導体を用いる絶縁ゲー
ト形電界効果トランジスタの他の実施例を示す断面図。
【図3】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図4】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図5】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図6】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図7】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図8】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図9】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図10】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図11】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図12】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図13】本発明による炭化珪素半導体を用いる絶縁ゲ
ート形バイポーラトランジスタおよび素子のパッケージ
構造の一実施例を示す断面図である。
【図14】本発明による炭化珪素半導体を用いる絶縁ゲ
ート形バイポーラトランジスタの他の実施例を示す断面
図である。
【図15】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図16】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図17】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図18】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図19】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図20】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図21】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図22】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図23】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図24】同じく他の実施例を示す断面図である。
【図25】本発明を複合構造の絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタあるいは絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タに適用した実施例の上面図である。
【図26】同じく実施例の上面図である。
【図27】同じく実施例の上面図である。
【図28】本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ
の作成方法を示す断面図である。
【図29】本発明の絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タの作成方法を示す断面図である。
【図30】本発明による炭化珪素半導体を用いる半導体
装置の実施例を示す断面図である。
【図31】本発明の半導体装置を用いた電力変換装置の
一実施例を示す概略回路図である。
【符号の説明】
11…本発明の絶縁ゲート形電界効果トランジスタ、1
2…炭化珪素あるいは炭化チタンからなる基板、13…
炭化珪素からなる第1の半導体層、14…炭化珪素から
なる第2の半導体層、15…炭化珪素からなる第3の半
導体層、16…ソース電極と第2の半導体層の電気的接
触をはたす炭化チタン層、17,102,121…ソー
ス電極、18,122…ドレイン電極、19,101,
123…ゲート電極、21,81…ゲート電極と同一あ
るいは電気的導電性に優れた部材、31,91,111
0,253,263,273…ゲート絶縁膜と同一ある
いは電気的絶縁性に優れた部材、41…第2の半導体層
と第3の半導体層の接触界面に埋め込まれた炭化チタン
領域、71…ソース電極と第2の半導体層の電気的接触
に利用される炭化珪素領域、110,103…ゲート絶
縁膜、111…凹部、112…ソース側電極部材、11
3…ドレイン側電極部材、114…リード線、115…
側壁、132…p形の炭化珪素層、133…コレクタ電
極、134…エミッタ電極、135…コレクタ側電極部
材、136…エミッタ側電極部材、251,261,2
71…ソース端子、252,262,272…ゲート端
子、301…pn接合形ダイオード、302…炭化チタ
ン基板、303…n形の炭化珪素層、304…p形の炭
化珪素層、305,306…電極、311…スイッチン
グ素子、312…フリーホイールダイオード、313…
電源、314…負荷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/812 21/337 29/808 29/80 9055−4M H01L 29/78 321 V 7376−4M 29/80 B 7376−4M C 7376−4M V

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的導
    電性に優れた炭化チタンを基板とし、一方の導電形の炭
    化珪素からなる第1の半導体層と、その上に重ねられた
    他方の導電形の炭化珪素からなる第2の半導体層と、そ
    の上に重ねられた一方の導電形からなる第3の半導体層
    と、第3の半導体層から第1の半導体層へ達するように
    掘り込まれた凹部と、この凹部の表面を覆うゲート絶縁
    膜と、このゲート絶縁膜を介し凹部に作り込まれたゲー
    ト電極部と、第3の半導体層と基板とに接続された一対
    のソースとドレイン電極部と、ソース電極と第2の半導
    体層が炭化チタンで電気的に接続された構造を特徴とす
    る絶縁ゲート形電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、凹部がゲート電極部と
    同一または電気的導電性に優れた部材で埋め込まれた構
    造を有することを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トラ
    ンジスタ。
  3. 【請求項3】請求項1において、凹部がゲート絶縁膜と
    同一または電気的絶縁性に優れた部材で埋め込まれた構
    造を有することを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トラ
    ンジスタ。
  4. 【請求項4】請求項1において、ソース電極と第2の半
    導体層との電気的接続部に炭化珪素との結晶整合性に優
    れかつ電気的伝導性に優れた部材を用いたこと特徴とす
    る絶縁ゲート形電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】請求項4において、ゲート電極部が形成さ
    れる凹部を請求項2あるいは請求項3と同じ構造にした
    ことを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】請求項1において、ソース電極と第2の半
    導体層との電気的接続部を、第2半導体層と同じ導電形
    の炭化珪素で実現したことを特徴とする絶縁ゲート形電
    界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】請求項6において、ゲート電極部が形成さ
    れる凹部を請求項2あるいは請求項3と同じ構造にした
    ことを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】請求項1において、ソース電極と第2の半
    導体層との電気的接続に炭化チタンを使用せず、ソース
    電極と同一あるいは電気的導電性に優れた部材を用い、
    凹部の一方の側壁を利用してソース電極と第2の半導体
    層との電気的接続実現したことを特徴とする絶縁ゲート
    形電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】請求項8において、凹部がゲート絶縁膜と
    同一または電気的絶縁性に優れた部材で埋め込まれた構
    造を有することを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トラ
    ンジスタ。
  10. 【請求項10】請求項8において、凹部の側壁をソース
    電極と第2の半導体層との電気的接触に使用する部分と
    チャネル形成に使用する部分として使用することを特徴
    とする絶縁ゲート形電界効果トランジスタ。
  11. 【請求項11】請求項10に記載された構造の絶縁ゲー
    ト形電界効果トランジスタにおいて、凹部がゲート絶縁
    膜と同一または電気的絶縁性に優れた部材で埋め込まれ
    た構造を有することを特徴とする絶縁ゲート形電界効果
    トランジスタ。
  12. 【請求項12】請求項1から請求項11のいずれか1項
    において、高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的導電
    性に優れた炭化チタンから成る基板と一方の導電形の炭
    化珪素からなる第1の半導体層との間に他方の導電形の
    炭化珪素部が設けられたことを特徴とする絶縁ゲート形
    バイポーラトランジスタ。
  13. 【請求項13】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするサイリスタ。
  15. 【請求項15】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするゲートターンオフサイリスタ。
  16. 【請求項16】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするトランジスタ。
  17. 【請求項17】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするショットキー障壁ゲート形電界効果トランジス
    タ。
  18. 【請求項18】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするpn接合ゲート形電界効果トランジスタ。
  19. 【請求項19】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とする静電誘導サイリスタ。
  20. 【請求項20】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とする静電誘導トランジスタ。
  21. 【請求項21】少なくとも一つの炭化珪素から成る部分
    と少なくとも一つの炭化珪素との結晶整合性に優れかつ
    電気伝導性のよい例えば炭化チタンから成る部分が接合
    する部分を、少なくとも一つの構成要素とすることを特
    徴とするMOS制御サイリスタ。
  22. 【請求項22】高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的
    導電性に優れた炭化チタンからなる基板上に、一方の導
    電形の炭化珪素からなる第1の半導体層をエピタキシャ
    ル成長させる工程と,第1の半導体層の上に他方の導電
    形の炭化珪素からなる第2の半導体層をエピタキシャル
    成長させる工程と,第2の半導体層の上に炭化珪素との
    結晶整合性に優れかつ電気伝導性のよい例えば炭化チタ
    ン層をエピタキシャル成長させる工程と,第2の半導体
    層の上にエピタキシャル成長された炭化珪素との結晶整
    合性に優れかつ電気伝導性のよい例えば炭化チタン層の
    必要な部分以外を第2の半導体層が現れるまで取り除く
    工程と,現れた第2の半導体層と残った炭化珪素との結
    晶整合性に優れかつ電気伝導性のよい例えば炭化チタン
    層の上に同じに一方の導電形の炭化珪素からなる第3の
    半導体層をエピタキシャル成長させる工程と,炭化珪素
    との結晶整合性に優れかつ電気伝導性のよい例えば炭化
    チタン層を避け第3の半導体層から第1の半導体層へ達
    するように凹部を掘り込む工程と,この凹部の表面をゲ
    ート絶縁膜で覆う工程と,このゲート絶縁膜を介し凹部
    にゲート電極となる電極膜を作り込む工程と,第3の半
    導体層と基板とに接続されたソースとドレイン用電極膜
    を作り込む工程とを含むことを特徴とする絶縁ゲート形
    電界効果トランジスタの製造方法。
  23. 【請求項23】請求項22において、凹部をゲート絶縁
    膜と同一あるいは電気絶縁性に優れた部材で埋め込む工
    程を含むことを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トラン
    ジスタの製造方法。
  24. 【請求項24】請求項23において、凹部をゲート電極
    と同一あるいは電気導電性に優れた部材で埋め込む工程
    を含むことを特徴とする絶縁ゲート形電界効果トランジ
    スタの製造方法。
  25. 【請求項25】高不純物濃度の炭化珪素あるいは電気的
    導電性に優れた炭化チタンからなる基板上に、他方の導
    電形の炭化珪素からなる半導体層をエピタキシャル成長
    させる工程と,一方の導電形の炭化珪素からなる第1の
    半導体層をエピタキシャル成長させる工程と,第1の半
    導体層の上に他方の導電形の炭化珪素からなる第2の半
    導体層をエピタキシャル成長させる工程と,第2の半導
    体層の上に炭化珪素との結晶整合性に優れかつ電気伝導
    性のよい例えば炭化チタン層をエピタキシャル成長させ
    る工程と,第2の半導体層の上にエピタキシャル成長さ
    れた炭化珪素との結晶整合性に優れかつ電気伝導性のよ
    い例えば炭化チタン層の必要な部分以外を第2の半導体
    層が現れるまで取り除く工程と,現れた第2の半導体層
    と残った炭化珪素との結晶整合性に優れかつ電気伝導性
    のよい例えば炭化チタン層の上に同じに一方の導電形の
    炭化珪素からなる第3の半導体層をエピタキシャル成長
    させる工程と,炭化珪素との結晶整合性に優れかつ電気
    伝導性のよい例えば炭化チタン層を避け第3の半導体層
    から第1の半導体層へ達するように凹部を掘り込む工程
    と,この凹部の表面をゲート絶縁膜で覆う工程と,この
    ゲート絶縁膜を介し凹部にゲート電極となる電極膜を作
    り込む工程と,第3の半導体層と基板とに接続されたソ
    ースとドレイン用電極膜を作り込む工程とを含むことを
    特徴とする絶縁ゲート形バイポーラトランジスタの製造
    方法。
  26. 【請求項26】請求項25において、凹部をゲート絶縁
    膜と同一あるいは電気絶縁性に優れた部材で埋め込む工
    程を含むことを特徴とする絶縁ゲート形バイポーラトラ
    ンジスタの製造方法。
  27. 【請求項27】請求項25において、凹部をゲート電極
    と同一あるいは電気導電性に優れた部材で埋め込む工程
    を含むことを特徴とする絶縁ゲート形バイポーラトラン
    ジスタの製造方法。
  28. 【請求項28】少なくとも1個のスイッチング素子と、
    スイッチング素子をオンオフ制御する制御回路とを有す
    るものにおいて、その構成要素として請求項1から請求
    項21のいずれか1項に記載のスイッチング素子を少な
    くとも一つ含むことを特徴とする電力変換装置。
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