JPH07300632A - 圧縮機の摺動部材 - Google Patents

圧縮機の摺動部材

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JPH07300632A
JPH07300632A JP9229994A JP9229994A JPH07300632A JP H07300632 A JPH07300632 A JP H07300632A JP 9229994 A JP9229994 A JP 9229994A JP 9229994 A JP9229994 A JP 9229994A JP H07300632 A JPH07300632 A JP H07300632A
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JP
Japan
Prior art keywords
graphite
compressor
sliding member
preform
volume content
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Pending
Application number
JP9229994A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Komatsubara
健夫 小松原
Masazo Okajima
政三 岡島
Yoshinobu Obokata
芳信 小保方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、耐磨耗性等の磨耗状況が良好で、
しかも全酸価が低くスラッジ量が少ない圧縮機の摺動部
材を提供することを目的とする。 【構成】この発明は、炭化珪素ウィスカーの集合プリフ
ォームに体積含有率25〜40%のアルミニウム基金属
を含浸し、かつ、体積含有率0.1〜10%の黒鉛を添
加して形成して圧縮機の摺動部材を形成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は空調機器や冷凍機器等
に使用される圧縮機の摺動部材に関し、特に冷媒に1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(以下R134aと
いう)等のHFC系とし、かつこの冷媒との相溶性のあ
る冷凍機油組成物を使用した圧縮機の摺動部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば回転式圧縮機の摺動部材と
してベーンやローラがある。即ち、回転式圧縮機は、シ
リンダ内を偏心回転するローラと、スプリング等に付勢
されて前記ローラの外周面に常時その先端を当接し、シ
リンダ内を高圧側と低圧側とに区分するベーンとの摺動
部材が具備されている。
【0003】このような摺動部材は主として鉄系材料で
製作されるが、軽量化や高速化に対応してアルミニウム
合金やチタン合金製のロータやベーンが提案されてい
る。(特開昭61−155687号公報参照) しかし、このような合金製の摺動部材は回転時の慣性力
の低減及びベーンの追随性向上の点では有利であるが、
線膨張係数が鉄に比べて大きいため、温度変化に対する
摺動クリアランスの変化が大きくガスリーク等の問題が
あると共に、耐磨耗性も鉄系材料に比べて必ずしも十分
なものとは言えなかった。
【0004】そこで、本発明者等はこれらの諸問題に対
応するものとして、炭化珪素ウィスカー(以下SiCウ
ィスカーという)の集合プリフォームに体積含有率25
〜40%のアルミニウム基金属を含浸して形成した圧縮
機の摺動部材を発明した。(特開昭63−230983
号公報参照) 一方、冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用の圧縮機
は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン(以下R1
2という)を多く使用していた。このR12はオゾン層
の破壊の問題からフロン規制の対象となっている。そし
て、このR12の代替冷媒としてR134aで代表され
るHFC系冷媒が冷凍機用として検討されている(例え
ば、特開平1−271491号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなSiCウィスカーの集合プリフォームに体積含有
率25〜40%のアルミニウム基金属を含浸して形成し
た圧縮機の摺動部材は、アムスラー磨耗試験において、
磨耗状況は良好な結果を示すが、全酸価が高くスラッジ
量が多い傾向があることが判明し、冷凍サイクル中の蒸
発器等で目詰まりを起こして冷凍能力低下の原因となる
という問題があった。
【0006】特に、冷凍サイクルの冷媒をR134a等
のHFCとし、これに対応してエステル油等を使用した
場合は顕著となる。
【0007】この発明は上記の問題を解決するもので、
耐磨耗性等の磨耗状況が良好で、しかも全酸価が低くス
ラッジ量が少ない圧縮機の摺動部材を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は請求項1の構
成により、SiCウィスカーの集合プリフォームにアル
ミニウム基金属を含浸し、かつ、黒鉛を添加して圧縮機
の摺動部材を形成したものである。
【0009】また、SiCウィスカーの集合プリフォー
ムに体積含有率25〜40%のアルミニウム基金属を含
浸し、かつ、体積含有率0.1〜10%の黒鉛を添加し
て圧縮機の摺動部材を形成したものである。
【0010】また、SiCウィスカーの集合プリフォー
ムに体積含有率25〜40%のアルミニウム基金属を含
浸し、かつ、体積含有率0.4〜5%の黒鉛を添加して
圧縮機の摺動部材を形成したものである。
【0011】
【作用】この発明は上記のように構成したことにより、
耐磨耗性等の磨耗状況が良好で、しかも全酸価が低くス
ラッジ量が少ない圧縮機の摺動部材を提供でき、冷凍サ
イクル中の蒸発器の目詰まりを防止して冷凍能力を向上
できる。
【0012】
【実施例】以下この発明を図に示す実施例に基いて説明
する。
【0013】図1は回転型圧縮機の縦断面図である。図
2は図1の回転型圧縮機をA−A線に沿って切断した断
面図である。図1及び図2において、1は密閉容器で、
この容器内には上側に電動要素2が、下側にこの電動要
素によって駆動される回転圧縮要素3が夫々収納されて
いる。電動要素2は有機系材料で絶縁された巻線4を有
する固定子5とこの固定子の内側に設けられた回転子6
とで構成されている。回転圧縮要素3はシリンダ7と、
回転軸8の偏心部9によってシリンダ7の内壁に沿って
回転させるローラ10と、このローラの周面に圧接され
てシリンダ7内を吸込側と吐出側とに区画するようにバ
ネ11で押圧されるベーン12と、シリンダ7の開口を
封じるとともに、回転軸8を軸支する上部軸受13及び
下部軸受14とで構成されている。
【0014】そして、上部軸受13にはシリンダ7の吐
出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上
部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、こ
の吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられて
いる。
【0015】ここで、ローラ10は鋳鉄焼き入れ材で形
成されており、ベーン12は下記の材料で形成されてい
る。
【0016】即ち、ベーン12はSiCウィスカーの集
合プリフォームに体積含有率25〜40%のアルミニウ
ム基金属を含浸し、かつ、体積含有率0.1〜10%の
黒鉛を添加して形成されている。
【0017】具体的な態様は下記及び表1に記載した実
施例1、2に示すものである。 実施例1:SiCウィスカーの集合プリフォームに体積
含有率29.7%のアルミニウム基金属を含浸し、か
つ、体積含有率0.4%の黒鉛を添加して形成したも
の。
【0018】実施例2:SiCウィスカーの集合プリフ
ォームに体積含有率28.5%のアルミニウム基金属を
含浸し、かつ、体積含有率2.2%の黒鉛を添加して形
成したもの。
【0019】実施例3:SiCウィスカーの集合プリフ
ォームに体積含有率26.0%のアルミニウム基金属を
含浸し、かつ、体積含有率5.0%の黒鉛を添加して形
成したもの。 ここで、上記の複合強化材となるSiCウィスカーは、
例えばSiO2含有粉末をカーボンブラックのような炭
材と共に高温反応させる方法で得られる密度3.19の
SiC針状単結晶で、直径0.1〜1.0μm、アスペ
クト比50〜300の微細繊維性状を備えるものであ
る。
【0020】一方、マトリックスに適用されるアルミニ
ウム基金属としては、純Alの他、AlとMg、Cu、
Si等の一種または二種以上の成分系からなる合金が挙
げられる。
【0021】上記本発明の実施例1,2,3は以下の方
法で製造される。
【0022】まず、SiCウィスカーを所定形状に集合
成形させたプリフォームを形成する。このプリフォーム
形成にはSiCウィスカーを水又は適宜なバインダー成
分を含む有機溶媒に分散したのち、常圧又は加圧下に濾
過し、残留する湿潤ウィスカーケーキをそのままもしく
は所定密度に圧縮して乾燥する方法が有効に用いられ
る。
【0023】ついで、SiCウィスカーのプリフォーム
を鋳型内にセットし、黒鉛を所定量添加し、溶融したア
ルミニウム基金属溶湯を注入した後、加圧下に保持しな
がら含浸、凝固して複合化する。
【0024】斯る実施例1,2,3は、部材中のマトリ
ックスとしてアルミニウム合金を使用しているので、軽
量化を促進でき、Si分を多くすることによって耐磨耗
性を向上し、SiCウィスカーを配合することによって
耐磨耗性を更に向上すると共に鉄系材料と線膨張係数が
近似したものとなるため、設計の自由度が向上する。し
かも、黒鉛によって油中の全酸価を低く押さえスラッジ
量を減少させることができ、冷凍サイクル中の蒸発器の
目詰まりを防止して冷凍能力を向上できる。
【0025】密閉容器1内の底部には、ポリオールエス
テル油が封入されている。
【0026】また、上記油には必要に応じて0.1〜
1.0重量%のトリクレジルフォスフェイト(TCP)
が添加される。
【0027】そして、オイル18は回転圧縮要素3の摺
動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑
している。
【0028】回転圧縮要素3のシリンダ7内に流入して
ローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒はエ
ステル油18と相溶性のあるR134aで形成されてい
る。
【0029】19は密閉容器1に取付けてシリンダ7の
吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上
壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素
2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管であ
る。
【0030】このように構成された回転型圧縮機に使用
される冷凍機油組成物において、吸込管19からシリン
ダ7内の吸込側に流入した冷媒R134aはローラ10
とベーン12との協働で圧縮され、吐出孔15を通って
吐出弁16を開放して吐出マフラ17内に吐出される。
この吐出マフラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管2
0から密閉容器1外に吐出される。そして、オイル18
は回転圧縮要素3のローラ10やベーン12等の摺動部
材の摺動面に供給されて潤滑を行っている。また、シリ
ンダ7内で圧縮された冷媒が低圧側にリークしないよう
にしている。
【0031】ここで、ベーン12は上記実施例1、2の
材料であるが、その他に下記比較例1,2を実験的に確
認した。 比較例1:SiCウィスカーの集合プリフォームに体積
含有率30.0%のアルミニウム基金属だけを含浸して
形成したもの。
【0032】比較例2:SiCウィスカーの集合プリフ
ォームに体積含有率24.0%のアルミニウム基金属を
含浸し、かつ、体積含有率8.7%の黒鉛を添加して形
成したもの。 下記表1は図3に示す方法によるアムスラー型摩耗試験
機で行った性能評価の結果である。
【0033】
【表1】
【0034】21はベーンに相当する固定片で、この固
定片の先端は半径4.7mmの曲面で形成され、100
kgの荷重Lを受けている。22はローラに相当する回
転片で、この回転片は直径45mmで固定片21との圧
接部にエステル油のオイル23を毎分120ccづつ供
給しながら毎分400回転の速さで20時間回転させて
いる。
【0035】この結果、固定片の磨耗幅や回転片の外形
寸法で表される磨耗状況は、実施例1が平均0.60m
m、実施例2が平均0.68mm、実施例3が平均0.
58mmであり、良好な結果を示したのに対し、比較例
1は平均0.88mm、比較例2は1.20mmで磨耗
幅が大きかった。
【0036】一方、比較例2は曲げ強度が各々26.8
kgf/cm2と、26.5kgf/cm2という具合に
弱く耐久性に問題がある。
【0037】更に、重要な点として、実施例1,2,3
においては、試験後の油の全酸価が各々0.017mg
KOH/g、0.008mgKOH/g、0.006m
gKOH/gという具合に低くスラッヂ量も9.3m
g、7.0mg、6.3mgという具合に少ないのに対
し、比較例1、2は各々全酸価が0.036mgKOH
/g、0.050mgKOH/gと高く、スラッヂ量も
各々12.6mg、18.3mgと多いことが確認され
た。
【0038】特に、実施例3は、磨耗状況並びにスラッ
ヂ量の双方で優れた結果が得られた。
【0039】この理由は、黒鉛によって自己潤滑性が向
上したことに起因する。但し、黒鉛は10体積%を越え
て混合すると曲げ強度が著しく低下するという問題があ
るためこれ以下に調整する必要があり、特に、5体積%
以下に留めるのが望ましい。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、耐磨耗
性等の磨耗状況が良好で、しかも全酸価が低くスラッジ
量が少ない圧縮機の摺動部材を提供でき、冷凍サイクル
中の蒸発器の目詰まりを防止して冷凍能力を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回転型圧縮機の縦断
面図である。
【図2】この発明の回転型圧縮機の横断面図である。
【図3】アムスラー型試験機の平面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器 3 回転圧縮要素 10 ローラ 12 ベーン 18 オイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素ウィスカーの集合プリフォームに
    アルミニウム基金属を含浸し、かつ、黒鉛を添加して形
    成したことを特徴とする圧縮機の摺動部材。
  2. 【請求項2】炭化珪素ウィスカーの集合プリフォームに
    体積含有率25〜40%のアルミニウム基金属を含浸
    し、かつ、体積含有率0.1〜10%の黒鉛を添加して
    形成したことを特徴とする圧縮機の摺動部材。
  3. 【請求項3】炭化珪素ウィスカーの集合プリフォームに
    体積含有率25〜40%のアルミニウム基金属を含浸
    し、かつ、体積含有率0.4〜5%の黒鉛を添加して形
    成したことを特徴とする圧縮機の摺動部材。
JP9229994A 1994-04-28 1994-04-28 圧縮機の摺動部材 Pending JPH07300632A (ja)

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JP9229994A JPH07300632A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 圧縮機の摺動部材

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