JP4416816B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4416816B2
JP4416816B2 JP2007252950A JP2007252950A JP4416816B2 JP 4416816 B2 JP4416816 B2 JP 4416816B2 JP 2007252950 A JP2007252950 A JP 2007252950A JP 2007252950 A JP2007252950 A JP 2007252950A JP 4416816 B2 JP4416816 B2 JP 4416816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
crank
carbon
main bearing
impregnated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007252950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009085039A (ja
Inventor
博 高安
昇 馬場
健一 大島
敏昭 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2007252950A priority Critical patent/JP4416816B2/ja
Priority to CN2008102109501A priority patent/CN101397995B/zh
Publication of JP2009085039A publication Critical patent/JP2009085039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4416816B2 publication Critical patent/JP4416816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/42Pumps with cylinders or pistons

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、冷媒圧縮機に係り、特に空調用,冷凍用及び給湯機用に用いられる冷媒圧縮機に好適なものである。
従来の冷媒圧縮機として、特開2002−147354号公報(特許文献1)に示されたものがある。この冷媒圧縮機は、密閉容器内に、塩素を含まない冷媒を圧縮する圧縮機部と、この圧縮機部を駆動する回転軸と、この回転軸を軸支する軸受と、前記回転軸を回転運動させる電動機とを備えている。
回転軸は、電動機のロータに固着された主軸部と、圧縮機部に係合されたクランク部とを有している。回転軸の軸受は、電動機の圧縮機部側の主軸部を軸支する主軸受と、クランク部を軸支するクランク軸受とを有している。主軸受及びクランク軸受として、カーボン軸受材や樹脂軸受材や裏金付き樹脂複合軸受材などが用いられることが開示されている。
特開2002−147354号公報
従来の冷媒圧縮機において、主軸受及びクランク軸受の全てにカーボン軸受を用いた場合には、カーボン軸受が高価であるという問題があった。
また、主軸受及びクランク軸受の全てに樹脂軸受材や裏金付き樹脂複合軸受材を用いた場合には、境界潤滑状態における耐摩耗性や耐焼付き性などの信頼性を確保することが難しいという問題があった。
最近では、冷媒としてR410A,二酸化炭素,プロパンなどの冷媒が用いられ、圧縮機性能を向上させるために軸受の負荷が増大してきており、面圧が高い部分で潤滑油による潤滑膜が部分的に途切れ、軸受と回転軸とが局部的に直接接触する、所謂境界潤滑状態になり易くなっており、特に、冷媒圧縮機の運転開始(起動)時や過大な冷媒の混入によって境界潤滑状態となり易かった。
また、低コスト化の関点からクランク軸受及びクランク側主軸受に金属含浸カーボン軸受を用い、電動機側主軸受部に安価な巻きブッシュを用いる複合組合わせでは、フレームに圧入後、内面を同時に機械加工する工程において、金属含浸カーボンと巻きブッシュでは、組成が異なることや、硬さが異なることから加工精度がでないという問題があった。
本発明の目的は、安価で加工精度を低下させずに信頼性を確保できる冷媒圧縮機及びこれを用いた空調機,冷凍機並びに給湯機を提供することにある。
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様を示す冷媒圧縮機は、密閉容器内に、塩素を含まない冷媒を圧縮する圧縮機部と、前記圧縮機部を駆動する回転軸と、前記回転軸を軸支する軸受と、前記回転軸を回転運動させる電動機とを備え、前記回転軸は、前記電動機のロータに固着された主軸部と、前記圧縮機部に係合されたクランク部とを有し、前記回転軸を軸支する軸受は、前記主軸部を軸支する主軸受と、前記クランク部を軸支するクランク軸受とを有している。
そして、前記主軸受は、クランク側主軸受とこのクランク側主軸受に隣接した電動機側主軸受とで構成され、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は黒鉛を含む炭素質基材の気孔に金属を含浸したカーボン軸受で構成され、前記電動機側主軸受は無含浸カーボンまたは、金属含浸カーボンで構成されているものである。
また、別形態の冷媒圧縮機は、密閉容器内に塩素を含まない冷媒を圧縮する圧縮機部と、前記圧縮機部を駆動する回転軸と、前記回転軸を軸支する軸受と、前記回転軸を回転運動させる電動機とを備え、前記回転軸は、前記電動機のロータに固着された主軸部と、前記圧縮機部に係合されたクランク部とを有し、前記回転軸を軸支する軸受は、前記主軸部を軸支する主軸受と、前記クランク部を軸支するクランク軸受とを有しているものであって、前記主軸受は、クランク側主軸受と、このクランク側主軸受に隣接した電動機側主軸受とで構成され、前記クランク軸受,前記クランク側主軸受及び前記電動機側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に金属を含浸した金属含浸カーボン軸受で構成されていることを特徴とする。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記圧縮機部は台板に渦巻状ラップを立設した固定スクロールと台板に渦巻状ラップを立設した旋回スクロールとをそれぞれのラップを噛み合わせて構成され、前記クランク軸受は前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられたボス部内に設置され、前記主軸受は前記電動機より圧縮機部側で前記回転軸を軸支し、前記回転軸は前記密閉容器内に貯留された潤滑油を差圧により前記クランク軸受及び前記主軸受に供給するように油通路を有している。
(2)前記無含浸カーボンは、黒鉛を10〜90重量%含む炭素質で構成されている。
(3)前記無含浸カーボンは、熱膨張係数が、3×10-6/℃で構成されている。
(4)前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸したカーボン軸受で構成する。
(5)前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸し、ショア硬さが65〜120であるカーボン軸受で構成する。
(6)前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸し、気孔率が0.05〜2体積%のカーボン軸受で構成する。
(7)前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にし、V及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸したカーボン軸受で構成する。
(8)前記冷媒はR410A,二酸化炭素,プロパンの何れか1つの冷媒である。
また、係る本発明の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
また、係る本発明の第2の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(9)特に、別の形態における電動機側主軸受の前記金属含浸カーボンは、黒鉛を50〜90重量%含む炭素質で構成されている。
(10)特に、別の形態における電動機側主軸受の前記金属含浸カーボンは、ショア硬さが60〜90で構成されている。
(11)特に、別の形態における電動機側主軸受の前記金属含浸カーボンは、気孔率が0.05〜2体積%で構成されている。
また、本発明の第3の態様は、上記本発明の第1の態様及びその好ましい具体例の中の
何れかの冷媒圧縮機を用いた空調機にある。
また、本発明の第4の態様は、上記本発明の第1の態様及びその好ましい具体例の中の
何れかの冷媒圧縮機を用いた冷凍機にある。
また、本発明の第5の態様は、上記本発明の第1の態様及びその好ましい具体例の中の
何れかの冷媒圧縮機を用いた給湯機にある。
本発明によれば、安価で加工精度を低下させずに信頼性を確保できる冷媒圧縮機及びこれを用いた空調機,冷凍機並びに給湯機を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態の冷媒圧縮機について図を用いて説明する。
本実施形態の冷媒圧縮機10は、図1及び図2に示すように、密閉容器1内に、塩素を含まない冷媒を圧縮する圧縮機部2と、この圧縮機部2を駆動する回転軸7と、この回転軸7を軸支する旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2,副軸受6dと、クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2を支持する上フレーム6Aと、軸受6dを支持する下フレーム6Bと、回転軸7を回転運動させる電動機9とを主要構成要素として備えている。
塩素を含まない冷媒としては、R410A,二酸化炭素,プロパンの何れか1つの冷媒が用いられる。密閉容器1の底部には、潤滑油が貯留されている。
この冷媒圧縮機10は、圧縮機部2を上方に電動機9を下方に配置し、垂直に設けられた回転軸7を介して圧縮機部2と電動機9とを連設して構成された縦型スクロール圧縮機である。電動機9は、密閉容器1に固定されたステータ9aと、ステータ9aの内側に回転自在に配置されたロータ9bとからなっている。
圧縮機部2は、台板5aに渦巻状ラップ5bを直立した固定スクロール5と、台板4aに渦巻状ラップ4bを直立した旋回スクロール4とを、渦巻状のラップ5b,4bを互いに噛み合わせて配置している。
固定スクロール5と旋回スクロール4との間に圧縮室が形成される。固定スクロール5の外周部には吸入口5dが形成され、中央部には吐出口5eが形成されている。固定スクロール5は上フレーム6Aにボルトにより固定されている。旋回スクロール4は、固定スクロール5と上フレーム6Aとの間に配置され、固定スクロール5により支持されている。
上フレーム6Aは密閉容器1に溶接などにより固定されている。固定スクロール5,旋回スクロール4及び上フレーム6は、鋳鉄又はSiを5〜15重量%含むAl基合金によって構成されている。
自転防止機構としてのオルダム継ぎ手8は、旋回スクロール4が固定スクロール5に対して自転することなく旋回運動をするための継ぎ手で、旋回スクロール4の台板4aの背面キー溝4dと上フレーム6Aの台座キー溝との間に係合されている。
回転軸7は、電動機9のロータ9bに固着された主軸部7aと、圧縮機部2に係合されたクランク部7bとを有している。回転軸7にはバランスウエイト3が設けられている。主軸部7aは、ロータ9bを貫通して上下に延び、下端部に油導入管7cを装着している。クランク部7bは、主軸部7aの上側端部に一体に設けられ、旋回スクロール4の反ラップ側に突出して設けられたボス部4eに係合されている。
主軸部7aは、ロータ9bの上側が主軸受6cで軸支され、ロータ9bの下側が副軸受6dで軸支されている。主軸受6cは、クランク側主軸受6c1と、このクランク側主軸受6c1に隣接した電動機側主軸受6c2とで構成されている。
クランク側主軸受6c1は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に金属を含浸したカーボン軸受で構成されている。このクランク側主軸受6c1は、具体的には、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族、及びSnから選ばれる1種又はこれらの金属を主にしてV及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸し、ショア硬さが65〜120、気孔率が0.05〜2体積%であるカーボン軸受で構成されている。
電動機側主軸受6c2は、無含浸カーボン軸受または、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に金属を含浸したカーボン軸受で構成されている。この電動機側主軸受6c2は、具体的には、無含浸カーボンは、黒鉛を10〜90重量%含む炭素質基材でショア硬さが65〜90であるカーボン軸受で構成されている。また、電動機側主軸受6c2は、具体的には、黒鉛を50〜90重量%含む炭素黒鉛質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族、及びSnから選ばれる1種または、これらの金属を主にしてV及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸し、ショア硬さが60〜90、気孔率が0.05〜2体積%であるカーボン軸受で構成されている。
クランク部7bは、ボス部4e内に設置されたクランク軸受を構成する旋回軸受4cにより軸支されている。この旋回軸受4cは、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に金属を含浸したカーボン軸受で構成されている。この旋回軸受4cは、具体的には、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種又はこれらの金属を主にしてV及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸し、ショア硬さが65〜120、気孔率が0.05〜2体積%であるカーボン軸受で構成されている。
旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2は、何れも5mm以上の長さを有する滑り軸受で構成されている。これによって、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1に負荷される高負荷の面圧を許容でき、信頼性の高い冷媒圧縮機とすることができる。
回転軸7は、密閉容器1内の底部に貯留された潤滑油を、差圧により、副軸受6d,主軸受6c,旋回軸受4c及び圧縮機部2などに供給するように、回転軸7の中心部に上下に貫通して油通路7dを形成している。この油通路7dは油導入管7cに連通されている。
係る構成の冷媒圧縮機において、電動機9により回転軸7が回転されて冷媒圧縮機10が起動されると、クランク部7bの偏心回転により、旋回スクロール4は、自転することなく、固定スクロール5に対し旋回運動を行う。これによって、外部の冷凍サイクルの冷媒ガスは、吸入管11を通して吸入口5dより圧縮機部2に吸込まれ、圧縮機部2の圧縮室で圧縮されて吐出口5eより密閉容器1内に吐出される。吐出された冷媒ガスは吐出管12から外部の冷凍サイクルに吐出される。
そして、密閉容器1内が高圧の冷媒ガスで満たされると、密閉容器1の底部の潤滑油は、差圧により、油導入管7c及び油通路7dを通して、副軸受6d,主軸受6c,旋回軸受4c及び圧縮機部2などに供給され、これらの摺動部を潤滑する。しかし、起動時や冷媒の吐出圧力が高い場合に、潤滑油の供給が不足して摩耗や焼付きなどの損傷が発生し易い。特に、軸受の面圧の高い高負荷部分で摩耗や焼付きなどの損傷が発生し易い。
そこで、本実施形態では、面圧の高い高負荷部となるクランク軸受4c及びクランク側主軸受6c1を、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の気孔に高融点の金属を含浸したカーボン軸受で構成することにより、境界潤滑状態における耐摩耗性や耐焼付き性などの信頼性を確保すると共に、面圧の低い低負荷部となる電動機側主軸受6c2を、黒鉛を10〜90重量%含む無含浸カーボン軸受または、黒鉛を50〜90重量%含む炭素質基材の気孔に高融点の金属を含浸したカーボン軸受で構成する複合使いとする。
軸受部において片荷重により高負荷がかかる部位は経験的に分かっており、カーボン軸受の耐摩耗性は、高負荷部では黒鉛量や硬さに大きく依存するが、低負荷部での依存は少なく、軸受長すべてに耐摩耗性の優れる高価な軸受材を使用する必要はなく耐摩耗性の異なるカーボン軸受材料を組合わせる複合使いで軸受部の信頼性は確保できる。
主軸受側のフレームに圧入されたカーボン軸受は、機械研削で最終仕上げを行い使用される。このように主軸受部の複合使いでカーボン同士の加工となるため、組成の異なる巻きブッシュとの組合わせに比べて、格段に切削性が向上し、機械加工で加工精度を損なうことはない。また、旋回軸受4cや主軸受6cの全軸受長へ、従来のように黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材に高融点金属を含浸した軸受を使用する必要がなく、含浸の省略や加工性が改善されることから生産性が向上するとともに全体に軸受は安価なものとなる。
次に、本実施形態で用いられる旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1及び電動機側主軸受6c2の製造方法を説明する。
まず、真空炉中で金属や合金の素材を入れたるつぼをこれらの金属や合金の溶融温度に対して100℃高い温度に加熱し、これらの金属や合金を溶湯状態にする。次いで、これらの金属や合金の溶湯中に、所定の長さの円柱体または長方体で構成された黒鉛を含む炭素質基材を浸し、窒素ガスによって加圧することにより、炭素質基材の気孔にこれらの金属や合金を含浸させる。その後、るつぼから炭素質基材を取り出し、この炭素質基材を切削加工して円筒形状に形成することにより、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1及び電動機側主軸受6c2とする。
なお、炭素質基材は、ニアネットシェイプにより円柱形状に成形した後、所定の長さに切断して形成するようにしてもよい。さらに、炭素質基材は、ニアネットシェイプの一個押し成形法により、円筒体又は円柱体に成形するようにしてもよい。
次に、本実施形態で用いられる旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1を構成する軸受材である実施例1〜7の各種軸受性能を、比較例1〜4と比較しながら説明する。
表1に、比較例1〜4及び実施例1〜8における、含浸金属(又は含浸合金)の種類とショア硬度を示す。
Figure 0004416816
ここで、実施例1,6におけるSnは、重量で、99%である。実施例7におけるCuは、重量で、99.9%である。実施例2〜5における青銅(BC3)は、重量で、Sn10%、亜鉛2%及びPb0.2%を含み、残部がCuである。なお、実施例3,4におけるV及びTi量は、合金に対して各々0.1%である。
また、含浸金属の無い比較例1〜3の軸受材及び実施例8の気孔率は、後述する図7に示すように6〜11%を有し、気孔率が多い程硬さが低くなる。炭素質基材の含浸前の気孔率は、体積率で、実施例1〜3が11%、実施例5〜7が6%である。その含浸後の気孔率は、体積率で、実施例1が1.1%、実施例2が1.2%、実施例3が0.6%、実施例4が7%、実施例5が1.3%、実施例6が1.5%、実施例7が0.7%である。
炭素質基材の黒鉛量は、重量で、実施例1〜7が35%である。含浸金属の無い比較例1〜4の軸受材の硬さは、気孔率,黒鉛,ピッチ,タール等の量によって異なるものである。
図3は、比較例1〜3及び実施例1〜8における、ショア硬度と無潤滑状態での摩擦係数との関係を示す。図3では、無潤滑状態として、塩素分を含まない冷媒の一例としてR410Aの気体中で摩擦係数の評価を実施した。なお、図3から図7において、三角印は比較例の軸受材であり、丸印は実施例の軸受材である。これらの各印に付けられた数字は、比較例又は実施例の表1に示す番号である。
軸受材の無潤滑における摩擦係数は、実施例及び比較例共に、ショア硬度が大きくなるほど小さくなる傾向があることが図3から判る。この傾向は炭化水素系の冷媒の気体中で摩擦評価した場合も同様であった。青銅(BC3)を用いたものは、ショア硬さが65以上、好ましくは80以上と高い方が摩擦係数が小さい傾向にある。
図4は、比較例1〜5及び実施例1〜8の軸受材における、ショア硬度と無潤滑中での摩耗量との関係を示す。摩耗試験は、高圧雰囲気摩耗試験機を用い、試験片として固定片(10mm×10mm×36mm)に炭素質基材、可動片にSCM415の構造用鋼の浸炭焼き入れ材とし、面圧9.8MPa,摺動速度1.2m/s,R410A冷媒雰囲気中で10時間行い、試験後の摩耗量を測定した。摩耗量は、軸受材のショア硬度が高いほど少なくなることが図4から判る。青銅(BC3)を用いたものは、ショア硬さが65以上、好ましくは80以上と高い方が摩耗量が少ないことが判る。
図5は、比較例1〜3及び実施例1〜8の軸受材における、ショア硬度と潤滑油中での摩擦係数との関係を示す。図5から明らかなように、金属を含浸していない比較例2,3及び実施例8は、ショア硬度が65以上にもかかわらず、摩擦係数が0.1以上と高い。
これは、比較例1〜4の軸受材における気孔率が図7に示すように高いため、潤滑油中での摺動において油が切れて油膜が薄くなり、混合潤滑となるからであり、好ましくない。青銅(BC3)を用いたものは、ショア硬度が65以上、好ましくは80以上の軸受材は摩擦係数が小さい。実施例5は含浸金属として青銅(BC3)を用いたものであり、潤滑油中の摩擦係数が低い。
図6は、比較例1〜3及び実施例1〜8の軸受材における、ショア硬度と潤滑油中での摩耗量との関係を示す。この図6では、R410A冷媒+合成油の混合潤滑中で、1.2m/sの摺動速度で面圧を98MPaまで0.15MPa/sの負荷速度で負荷した耐荷重試験の摩耗量を示すものである。
青銅(BC3)を用いたものは、ショア硬度が65以上、好ましくは80以上の軸受材は摩耗量が少ない。実施例5は含浸金属として青銅(BC3)を用いたものであり、潤滑油中の摩耗量が最も少ない。従って、ショア硬度が高いものほど軸受材料として適していることが判った。
図7は、比較例1〜3及び実施例1〜8の軸受材における、残存気孔率と潤滑油中での過酷条件における摩耗試験での摩擦係数の関係を示す。潤滑油としては合成油を用い、該油はR410Aフロン冷媒に適合したものである。
この気孔率の測定は、FISONS社製[(株)アムコ]のポロシメータ2000型を用いて行った。この方法にて採取した細孔分布曲線から、「累積気孔容積」×「かさ密度」×100(%)により気孔率を算出した。気孔率が小さいほど油膜保持力が向上し潤滑油中での摩擦係数が小さいことが確認できる。
また、青銅にVもしくはTiを添加した合金を含浸した実施例3や実施例4は、含浸時にVやTiの炭化物(VC,TiC)を作り、炭素質基材と濡れ性が良くなり、VもしくはTiを添加しない実施例1や実施例5に比べ気孔率が小さくなり、潤滑中での油膜保持力が向上し、摩擦係数が小さくなる。このV又はTiを添加した合金を含浸した炭素質基材の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、炭素質基材と合金との界面にVやTiの炭化物(VC,TiC)が確認された。
図8は含浸金属の融点と最も苛酷な潤滑条件である無潤滑状態での摩擦係数との関係を示す。図中の数字は、金属を含浸する前の炭素質基材のショア硬度を示す。含浸する前の炭素質基材のショア硬度が異なっても、含浸金属の違いによる摩擦係数の傾向はほぼ同様であった。融点を900℃以上にしたCuやCu合金では低融点金属と同程度の摩擦係数となることが判った。
なお、融点の高い材料としてCuを用いたが、他の高融点金属でも含浸が可能であれば、炭素質基材と組合わせることにより耐摩耗性と低摩擦を実現することができる。
本実施形態では、含浸のプロセスとして溶融金属中に炭素質基材を浸漬すると同時に加圧することで、金属を含浸する方法を採用している。このプロセスでは、本来できるだけ融点を低くすることが生産性の向上に有効である。
従って、CuにSnを添加して若干融点を低くして軸受材を作製することが好ましい。含浸金属に合金を用いることで含浸金属の強度も向上するため、軸受全体の硬度向上にも効果がある。さらに、含浸金属に切削性を向上させる元素を添加することで軸受材の摩擦面表面の加工仕上げ状態が平滑かつ良好になり、より信頼性の高い軸受部を構成することが可能である。
図9は、黒鉛を含む炭素質基材を構成し、これに青銅(BC3)又はCuを含浸した軸受材について、各黒鉛含有率と無潤滑摩擦係数との関係を示す。No.5は前述の実施例5であり、5−1〜5−4は追加データである。
図9に示す様に摩擦係数は黒鉛含有率が20〜50重量%、特に20〜40重量%で極小値を示す。
図10は、比較例4,実施例2,実施例5及び実施例8の摩耗試験結果を示す。試験は、R410A冷媒,面圧9.8MPa、速度1.2m/sで2時間行い、摩耗量を測定した。黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材に高融点の青銅を含浸した実施例5が最も摩耗量が少ない。次いで、黒鉛を50〜90重量%含む炭素質基材に高融点の青銅を含浸した実施例2が少ない。黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の実施例8の摩耗量は、比較例4のPTFE系の巻きブッシュとほぼ同等の摩耗量である。
図11は比較例4,実施例2,実施例5及び実施例8の摩耗試験結果を示す。試験は、合成油/R410A混合で面圧30MPa、速度1.2m/sで2時間行った。本試験は高負荷を想定した場合の条件である。その結果、比較例4のPTFE系巻きブッシュの摩耗量が最も多く、実施例2,実施例5及び実施例8のカーボン軸受の摩耗量は、比較例4の1/2以下であり、高負荷条件において比較例4の巻きブッシュより実施例2,実施例5及び実施例8のカーボン軸受の方が耐摩耗性が良好であることが判る。
図12は、比較例4,実施例2,実施例5及び実施例8の表面をラッピングテープ#1000で研磨後、接触式の表面あらさ計で測定したあらさRz(μm)を示す。比較例4のPTFE系の巻きブッシュは最もあらい結果を示すが、黒鉛を50〜90重量%含む炭素質基材に高融点の青銅を含浸した実施例2、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材に高融点の青銅を含浸した実施例5及び黒鉛を10〜90重量%含む炭素質基材の実施例8は、ほぼ同程度の目標のあらさを示している。
図13は実施例5及び実施例8の気孔率と摩耗量の関係を示す。試験は、実機での高負荷条件を模擬し、R410A冷媒で速度が1.2m/sで低負荷を模擬した面圧9.8MPa及び合成油/R410Aで速度が1.2m/sで高負荷を模擬した30MPaである。
油/冷媒混合中での高負荷部を模擬した面圧が30MPaの試験においては、金属を含浸した実施例5の方が、気孔率が大きい無含浸の実施例8よりたい摩耗性が劣る。
しかし、油がないR410A冷媒雰囲気中での低負荷部を模擬した試験においては、気孔率が大きい無含浸の実施例8は、気孔率が小さい金属を含浸した実施例5と同等以上の耐摩耗性を示す。このように、無含浸カーボンと金属を含浸したカーボンの耐摩耗性は、負荷面圧に依存することが判る。
図14は比較例5と実施例2及び実施例5の黒鉛化度と耐荷重試験及び摩耗試験での摩耗量の関係を示す。カーボンの黒鉛化度は、X線回折により求め、土壌黒鉛で補正した。
耐荷重試験は、合成油/R410A冷媒混合中で、速度1.2m/sで、0.15MPa/sで98MPaまで負荷した時の摩耗量を測定するものである。また、摩耗試験は、R410A冷媒雰囲気中で面圧9.8MPa,速度1.2m/sで2時間試験した時の摩耗量を測定するものである。最大負荷時の面圧が過酷な耐荷重試験での摩耗量は、黒鉛化度が大きくなるとともに急激に増加する。
一方、R410A冷媒雰囲気中で面圧が9.8MPaでの摩耗量は、黒鉛化度が大きくなってもほとんど変わらない。このように、カーボンの耐摩耗性は、低負荷領域と高負荷領域では、黒鉛化度への依存が異なることが判る。
次に、実施例5の長さ14mmのカーボン軸受を実機圧縮機の旋回軸受4cに用い、実施例5の長さ21.5mmのカーボン軸受をクランク側主軸受6c1に用い、実施例8の黒鉛を10〜90重量%含む炭素質基材のカーボン軸受を電動機側主軸受6c2に用いた冷媒圧縮機の試験結果について説明する。
その試験は、R410A冷媒と合成油中で軸受の起動停止を模擬した苛酷な試験とした。その結果、旋回軸受4cの回転軸受側やクランク側主軸受6c1のクランク側端部においても異常摩耗は見られず、全ての旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2で健全であり、冷媒圧縮機の信頼性が確保できた。
この実機試験を二酸化炭素冷媒と合成油の雰囲気でも実施したところ、旋回軸受4cの回転軸受側やクランク側主軸受6c1のクランク側端部においても異常摩耗は見られず、全ての旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2で健全であり、冷媒圧縮機の信頼性が確保できた。
次に、実施例5の長さ14mmのカーボン軸受を実機圧縮機の旋回軸受4cに用い、実施例5の長さ21.5mmのカーボン軸受をクランク側主軸受6c1に用い、実施例2の黒鉛を50〜90重量%含む炭素質基材のカーボン軸受を電動機側主軸受6c2に用いた冷媒圧縮機の試験結果について説明する。その試験は、R410A冷媒と合成油中で軸受の起動停止を模擬した苛酷な試験とした。その結果、旋回軸受4cの回転軸受側やクランク側主軸受6c1のクランク側端部においても異常摩耗は見られず、全ての旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2で健全であり、冷媒圧縮機の信頼性が確保できた。
この実機試験を二酸化炭素冷媒と合成油の雰囲気でも実施したところ、旋回軸受4cの回転軸受側やクランク側主軸受6c1のクランク側端部においても異常摩耗は見られず、全ての旋回軸受4c,クランク側主軸受6c1,電動機側主軸受6c2で健全であり、冷媒圧縮機の信頼性が確保できた。
上述した実施形態によれば、高負荷領域における境界潤滑状態に於いても焼付きにくい炭素質基材の含有黒鉛量を摩擦係数が低減ならびに耐摩耗性を高くするように最適化し、該炭素質基材の気孔に潤滑油中で油膜を形成させやすくするために金属を含浸し、さらに鉛及びアンチモン以外の含浸金属の組成および組織,含浸量を摩擦係数が低減ならびに耐摩耗性が得られるように調整することで、摺動特性に優れた軸受が得られ、炭素質基材中の黒鉛が摩擦により薄く劈開することで摩擦係数を低減することができる。
そして、高荷重において黒鉛の含有量が多いと、炭素質基材自体が軟質になり変形抵抗が増大して摩擦が増大し、同時に摩耗が増大するため、高負荷領域で使用するカーボン軸受材は黒鉛の含有量は50重量%以下、より好ましくは35重量%以下が適当である。さらには、黒鉛含有量が20重量%未満では炭素質基材が硬くなり摩擦する相手の金属材を摩滅させるので、黒鉛の含有量を好ましくは20〜50%、より好ましくは20〜35%にすることで、低摩擦かつ耐摩耗性の高い軸受が得られ、信頼性の高い冷媒圧縮機を提供することができる。
また、軸受長における低負荷領域においては、黒鉛量は10〜90%、好ましくは50〜90%にすることで十分に信頼性の高い軸受が得られる。また、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1は長さを5mm以上とすることで高負荷の面圧を許容でき信頼性の高い冷媒圧縮機を得ることができる。
また、本実施形態によれば、無潤滑や苛酷な摺動条件に曝される冷媒圧縮機において、無潤滑あるいは苛酷な摺動状態に於いても摩擦係数が小さく耐摩耗性も良好な炭素質基材と、潤滑油中で用いられる場合に黒鉛を含む炭素質基材に残存する気孔を通して潤滑油が排出され油膜の形成が困難になる事を防止するため、炭素質基材の気孔に、鉛及びアンチモンの各々が1重量%以下であり、1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種の金属又はこれらにV,Tiを0.2重量%以下添加した合金を溶融含浸した軸受材を用いて冷媒圧縮機の軸受を構成し、該軸受材の硬さをショア硬度で好ましくは65〜120、より好ましくは80以上、最も好ましくは100以上とすることで、無潤滑あるいは苛酷な摺動条件において摩擦係数を小さく保ち、かつ摩耗も最小限に押さえることで、高信頼性かつ長寿命な冷媒圧縮機を提供することができる。
また、量産性を考慮した場合には、ショア硬度が90以上になると加工性が落ちるので、該軸受材の硬さをショア硬度で好ましくは60〜90、より好ましくは80〜90にすることで耐摩耗性を具備しかつ生産性をも兼ね備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
また、電動機側主軸受は、ショア硬度が55〜90とすることで耐摩耗性及び生産性を兼ね備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、鉛及びアンチモンの含有量は好ましくは0.5%以下、ゼロが最も好ましいが、JIS規格材を用いることが生産上好ましい。
また、本実施形態よれば、冷媒圧縮機の定常運転状態において潤滑が潤沢に行われている場合にも軸受材の気孔を少なく制御する、すなわち、軸受材の黒鉛を含む炭素質基材の気孔率を0.05〜2体積%にすることで、潤滑油膜を安定に形成し摩耗を抑制することができるため、長寿命な冷媒圧縮機が得られる。
また、電動機側主軸受部に用いる無含浸カーボンは、気孔率が2体積%より大きくても、低負荷領域であるため十分な潤滑機能が得られ、信頼性のある冷媒圧縮機が得られる。
また、本実施形態よれば、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1に用いる炭素質基材の気孔に含浸する合金にVもしくはTiを0.2重量%添加することで、炭素質基材との濡れ性が向上し、気孔率が小さくなり、潤滑油膜をさらに安定に形成することができ、摩耗を抑制でき、高信頼性の冷媒圧縮機が得られる。
また、本実施形態よれば、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1における炭素質基材に含浸する金属及び合金の融点を900℃以上にすることで、苛酷な摺動状態が継続した場合に温度が上昇しても潤滑性と耐摩耗性を維持し冷媒圧縮機の信頼性を高めることができる。
1B族はCu,Au、VIII族はCo,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Ptからなるが、Cu,Au,Co,Niが好ましい。更に、合金は、重量で、銅80〜90%、錫5〜11%及び亜鉛3%以下を含み、鉛1.0%以下、好ましくは0.5%以下である合金が好ましい。これらの金属はCと化合物を形成しにくく、高い耐摩耗性と耐焼付き性を有し、含浸が容易なものである。
炭素質基材には気孔が存在するため、潤滑油がこの気孔に流入する。これにより油膜が消失するので、高負荷部の使用に当たっては、環境及び人体に対する影響が少ない銅を含浸する。銅のみでは含浸部が軟質であり、摩擦によって銅の部分が融着しやすいので合金化元素を添加して強化し融着さらには摩耗を防止した。融着がなくなることで境界潤滑状態に於いても摩擦係数を小さくすることができ、これを軸受として用いることで信頼性の高い冷媒圧縮機が得られる。
また、本実施形態よれば、旋回軸受4c及びクランク側主軸受6c1における炭素質基材に含浸する金属及び合金の融点を900℃以上にすることで、苛酷な摺動状態が継続した場合に温度が上昇しても、潤滑性と耐摩耗性を維持し、冷媒圧縮機の信頼性を高めることができる。
本発明は、耐焼付き性や耐摩耗性が要求される空調機用圧縮機,冷凍機用圧縮機及び給湯機用圧縮機に有効に適用され得る。
本発明の一実施形態の冷媒圧縮機の縦断面図である。 図1の冷媒圧縮機の要部拡大断面図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例及び比較例におけるショア硬度と無潤滑での摩擦係数との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例及び比較例におけるショア硬度と無潤滑での固定片摩耗量との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例及び比較例におけるショア硬度と潤滑油中の摩擦係数との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例及び比較例におけるショア硬度と潤滑油中の摩耗量との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例及び比較例における気孔率と軸受材の潤滑油中での摩擦係数との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例の融点と摩擦係数の関係を示す線図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例の黒鉛含有率と無潤滑での摩擦係数との関係を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例と比較例の無潤滑での摩耗量の比較を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の油/冷媒中で30MPaでの摩耗量を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例と比較例の研磨後のあらさの比較を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の実施例の冷媒で面圧9.8MPaと油/冷媒で30MPaでの気孔率と摩耗量を示す図である。 図1の冷媒圧縮機に用いる軸受材の結晶化度と耐荷重試験及び摩耗試験での摩耗量を示す図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮機部
3 バランスウエイト
4 旋回スクロール
4a 台板
4b,5b 渦巻状のラップ
4c 旋回軸受(クランク軸受)
4d 背面キー溝
5 固定スクロール
5a 台板
5d 吸入口
5e 吐出口
6A 上フレーム
6B 下フレーム
6c 主軸受
6c1 クランク側主軸受(カーボン軸受)
6c2 電動機側主軸受(巻きブッシュ)
6d 副軸受
7 回転軸
7a 主軸部
7b クランク部
7c 油導入管
7d 油通路
8 オルダム継ぎ手
9 電動機
9a ステータ
9b ロータ
10 冷媒圧縮機

Claims (19)

  1. 密閉容器内に冷媒を圧縮する圧縮機部と、前記圧縮機部を駆動する回転軸と、前記回転軸を軸支する軸受と、前記回転軸を回転運動させる電動機とを備え、
    前記回転軸は、前記電動機のロータに固着された主軸部と、前記圧縮機部に係合されたクランク部とを有し、
    前記回転軸を軸支する軸受は、前記主軸部を軸支する主軸受と、前記クランク部を軸支するクランク軸受とを有している冷媒圧縮機において、
    前記主軸受は、クランク側主軸受と、このクランク側主軸受に隣接した電動機側主軸受とで構成され、
    前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を20〜50重量%含み炭素質基材の気孔に金属を含浸した気孔率が0.05〜2体積%の金属含浸カーボンで構成され、
    前記電動機側主軸受は、黒鉛を10〜90重量%含む炭素質の無含浸カーボンで構成されていることを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 請求項1において、前記圧縮機部は、台板に渦巻状ラップを立設した固定スクロールと、台板に渦巻状ラップを立設した旋回スクロールと、をそれぞれのラップを噛み合わせて構成し、前記クランク軸受は前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられたボス部内に設置され、前記主軸受は、前記電動機より圧縮機部側で前記回転軸を軸支し、前記回転軸は前記密閉容器内に貯留された潤滑油を差圧により前記クランク軸受及び前記主軸受に供給するように油通路を有していることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 請求項1において、前記無含浸カーボンは、ショア硬さが55〜110であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族及びSn、から選ばれる1種またはこれらの金属を主にした合金を含浸したカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  5. 請求項4において、前記クランク側軸受及び前記クランク側主軸受は、ショア硬さが65〜120であるカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  6. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にし、V及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸したカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  7. 請求項1において、前記冷媒はR410A,二酸化炭素,プロパンの何れか1つの冷媒であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  8. 請求項1〜6の何れかに記載の冷媒圧縮機を用いたことを特徴とする空調機。
  9. 請求項1〜6の何れかに記載の冷媒圧縮機を用いたことを特徴とする冷凍機。
  10. 請求項1〜6の何れかに記載の冷媒圧縮機を用いたことを特徴とする給湯機。
  11. 請求項1において、前記圧縮機部は台板に渦巻状ラップを立設した固定スクロールと、台板に渦巻状ラップを立設した旋回スクロールと、をそれぞれのラップを噛み合わせて構成し、前記クランク軸受は前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられたボス部内に設置され、前記主軸受は、前記電動機より圧縮機部側で前記回転軸を軸支し、前記回転軸は前記密閉容器内に貯留された潤滑油を差圧により前記クランク軸受及び前記主軸受に供給するように油通路を有していることを特徴とする冷媒圧縮機。
  12. 請求項1において、前記電動機側主軸受のカーボンは、黒鉛を50〜90重量%含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸しことを特徴とする冷媒圧縮機。
  13. 請求項1において、前記電動機側主軸受のカーボンは、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸し、ショア硬さが60〜90の炭素質であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  14. 請求項1において、前記電動機側主軸受のカーボンは、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、又はこれらの金属を主にした合金を含浸し、気孔率が0.05〜2体積%のカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  15. 請求項1において、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を20〜50重量%含む炭素質基材の気孔に、1B族,Feを除くVIII族及びSn、から選ばれる1種またはこれら金属を主にした合金を含浸したカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  16. 請求項1において、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、またはこれらの金属を主にした合金を含浸し、ショア硬さが65〜120であるカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  17. 請求項1において、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、またはこれらの金属を主にした合金を含浸し、気孔率が0.05〜2体積%のカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  18. 請求項1において、前記クランク軸受及び前記クランク側主軸受は、黒鉛を含む炭素質基材の気孔に1B族,Feを除くVIII族及びSnから選ばれる1種、またはこれらの金属を主にし、V及びTiの少なくとも一方を0.2重量%以下含む合金を含浸したカーボン軸受で構成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  19. 請求項1において、前記冷媒はR410A,二酸化炭素,プロパンの何れか1つの冷媒であることを特徴とする冷媒圧縮機。
JP2007252950A 2007-09-28 2007-09-28 冷媒圧縮機 Active JP4416816B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007252950A JP4416816B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 冷媒圧縮機
CN2008102109501A CN101397995B (zh) 2007-09-28 2008-08-15 制冷剂压缩机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007252950A JP4416816B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 冷媒圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009085039A JP2009085039A (ja) 2009-04-23
JP4416816B2 true JP4416816B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=40516773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007252950A Active JP4416816B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 冷媒圧縮機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4416816B2 (ja)
CN (1) CN101397995B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5993559B2 (ja) * 2011-10-05 2016-09-14 ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド 密閉型冷媒圧縮機及びこれに用いる軸受部材
CN105332892A (zh) * 2014-08-11 2016-02-17 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 往复式压缩机及具有其的电冰箱
CN106194659A (zh) * 2016-08-31 2016-12-07 安徽美芝制冷设备有限公司 用于往复式压缩机的曲轴和具有其的往复式压缩机

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3876756B2 (ja) * 2002-04-25 2007-02-07 株式会社日立製作所 Co2冷媒圧縮機用軸受とこれを用いた圧縮機及びその用途
JP4433184B2 (ja) * 2004-11-05 2010-03-17 株式会社富士通ゼネラル 圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009085039A (ja) 2009-04-23
CN101397995A (zh) 2009-04-01
CN101397995B (zh) 2010-12-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3876756B2 (ja) Co2冷媒圧縮機用軸受とこれを用いた圧縮機及びその用途
JP4995534B2 (ja) 冷媒圧縮機
WO2006098303A1 (ja) 摺動部材用組成物、摺動部材及び流体機械
JP4416816B2 (ja) 冷媒圧縮機
JP3878835B2 (ja) 冷媒圧縮機とこれを用いた空調機及び冷凍機並びにその軸受
JP2010084551A (ja) 冷媒圧縮機
JP5993559B2 (ja) 密閉型冷媒圧縮機及びこれに用いる軸受部材
JP3823325B2 (ja) 冷凍機用圧縮機の軸受および冷凍機用圧縮機
JP2009287483A (ja) 冷媒圧縮機
JP5640885B2 (ja) スクロール型圧縮機
KR19980024973A (ko) 스크롤 압축기
JP2020193626A (ja) 冷凍機用圧縮機の軸受
JP4839300B2 (ja) 冷媒圧縮機および軸受
JP2012509993A (ja) 軸受材料
KR20160051400A (ko) 압축기
CN100443726C (zh) 制冷剂压缩机及轴承、以及使用该压缩机的空调和制冷器
JP2008280846A (ja) 密閉型冷媒圧縮機
JP2005133586A (ja) 密閉型冷媒圧縮機
JP2021025502A (ja) スクロール圧縮機
JP2007092701A (ja) 密閉型冷媒圧縮機の製造方法
JPH07173509A (ja) 耐摩耗性材料,その製造方法およびその材料を使用した圧縮機
JP2012057474A (ja) 冷媒圧縮機
JP2009002288A (ja) 圧縮機の摺動部材
JPH07300632A (ja) 圧縮機の摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4416816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250