JPH07300570A - 塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物 - Google Patents

塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物

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JPH07300570A
JPH07300570A JP9345894A JP9345894A JPH07300570A JP H07300570 A JPH07300570 A JP H07300570A JP 9345894 A JP9345894 A JP 9345894A JP 9345894 A JP9345894 A JP 9345894A JP H07300570 A JPH07300570 A JP H07300570A
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JP
Japan
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chlorinated polyolefin
organic solvent
weight
emulsion
water
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JP9345894A
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English (en)
Inventor
Hirohiko Mori
浩彦 森
Yoshiki Tachibana
佳樹 橘
Hiroo Takeshita
裕男 竹下
Kazuo Hoshino
一夫 星野
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAIDEN KAGAKU KK
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
SAIDEN KAGAKU KK
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質基材、旧塗膜及び上塗り塗料に対して
良好な付着性を有し、かつ低臭で保存安定性に優れた塩
素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物を得る。 【構成】 塩素含有量が50〜71重量%の塩素化ポリ
オレフィンを、水に対する溶解度が18.5%以下であ
る有機溶剤に溶解させた後、界面活性剤の存在下にエマ
ルション化し、該エマルション中でビニル系モノマーを
重合反応して得られることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場生産による建材用
ボードの塗装、あるいは建築外装用塗料のシーラー等に
使用される、塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物
及び水性エマルション並びに該水性塗料組成物の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場生産による建材用ボードの塗装、あ
るいは建築現場における建材、モルタル、コンクリート
等の基材表面に塗装等する場合、従来より塩素化ポリオ
レフィン系樹脂を含有した下塗りシーラーが広く使用さ
れている。このような塩素化ポリオレフィン系樹脂を含
有した下塗りシーラーは、上塗り塗料として塗布される
水性艶有り塗料、単層弾性塗料、複層弾性中塗り塗料等
の低顔料容積濃度エマルション塗料、あるいは溶剤系ラ
ッカー塗料等の多岐に渡る塗料に対し付着性に優れてお
り、この点から広範囲に使用されている。
【0003】これらの塩素化ポリオレフィン系樹脂を含
有する下塗りシーラーは、塩素化ポリオレフィン系樹脂
が極めて高い疎水性を有するため、トルエン、キシレン
等の有機溶剤の溶液として用いられるか、あるいは界面
活性剤を用いて塩素化ポリオレフィン系樹脂の有機溶剤
溶液をエマルション化した水性シーラーとして用いられ
ている(特公平2−29702号公報)。
【0004】しかしながら、これらの有機溶剤を多量に
含むシーラーは作業環境を悪化させ、人体に対する安全
性を損なうおそれがあり、さらに大気汚染、火災、爆発
等の危険性も有している。このため、このような問題を
解決する手段として塩素化ポリオレフィン系樹脂の水性
化が提案されている。
【0005】このような塩素化ポリオレフィン系樹脂の
水性化方法として、特公昭63−58849号公報で
は、アクリル系モノマーに塩素化ポリオレフィン系樹脂
を溶解した後、懸濁重合することによってアクリル変性
塩素化ポリオレフィンを製造している。また特開平1−
256556号公報では、塩素化ポリオレフィンを有機
溶剤中でアクリル変性した後、水中でエマルション化す
る方法が開示されている。特開平5−209006号公
報では、アクリル系モノマーに塩素化ポリオレフィン及
びアクリル系オリゴマー類を溶解した後、懸濁重合する
方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアクリル変性塩素化ポリオレフィン系樹脂の水分散
物をシーラーとして用いる場合には、以下のような問題
があった。
【0007】すなわち、特公昭63−58849号公報
に記載されたシーラーは有機溶剤を含まないため、多孔
質基材に対する浸透性に問題があり、また特開平5−2
09006号公報に記載されたシーラーでは焼き付け工
程が必要であり、常温で使用するには多量の有機溶剤が
必要であった。特開平1−256556号公報に記載さ
れたシーラーでは重合様式が懸濁重合になり、生成物中
の粒子中に溶剤を含まないため、多孔質基材に対する浸
透性に問題がある。
【0008】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、低臭で、かつ非危険物であり、多孔質基材に
対する付着性が良好で、かつ旧塗膜及び上塗り塗料に対
して良好な付着性を有し、保存安定性の良好な塩素化ポ
リオレフィン含有水性塗料組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の塩素化ポリオレ
フィン含有水性塗料組成物は、塩素含有量が50〜71
重量%の塩素化ポリオレフィンを、水に対する溶解度が
18.5%以下である有機溶剤に溶解させた後、界面活
性剤の存在下にエマルション化し、該エマルション中で
ビニル系モノマーを重合反応させて得られることを特徴
としている。
【0010】本発明の塩素化ポリオレフィン含有水性エ
マルションは、塩素含有量が50〜71重量%の塩素化
ポリオレフィンを、水に対する溶解度が18.5%以下
である有機溶剤に溶解させた後、界面活性剤の存在下に
エマルション化し、該エマルション中でビニル系モノマ
ーを重合反応させて得られることを特徴としている。
【0011】本発明の製造方法は、塩素含有量が50〜
71重量%の塩素化ポリオレフィンを、水に対する溶解
度が18.5%以下である有機溶剤に溶解する工程と、
有機溶剤の溶液を界面活性剤の存在下にエマルション化
する工程と、該エマルション中でビニル系モノマーを重
合反応させる工程とを備えている。
【0012】本発明において、有機溶剤は、塩素化ポリ
オレフィン100重量部に対し、33〜300重量部使
用することが好ましい。有機溶剤の量が少なすぎると、
多孔質基材に対する浸透性が不十分になる場合がある。
また、有機溶剤の量が多すぎると、臭気及び安全性等の
面から好ましくない。
【0013】本発明において用いるビニル系モノマーの
量は、塩素化ポリオレフィン100重量部に対し、5〜
1000重量部が好ましい。ビニル系モノマーの量が少
なすぎると、生成物の性質が、後乳化物の性質そのもの
に支配されるため、例えば溶剤の量が少なくてすむこ
と、粒子が安定であること、粒子径を小さくできること
などの乳化重合エマルションの長所を生かすことが困難
になる。また、ビニル系モノマーの量が多すぎると、相
対的に塩素化ポリオレフィンの量が少なくなるため、上
塗り塗膜への密着性が不十分になる。
【0014】本発明に用いられる塩素化ポリオレフィン
は、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリプロピレン、
ポリエチレン等のオレフィンまたはジオレフィンの重合
物を塩素含有量が50〜71重量%となるように均一に
塩素化した塩素化物を用いることができる。また、塩素
化ポリオレフィンとしては、塩素化ポリオレフィンを無
水マレイン酸で変性し改質した変性塩素化ポリオレフィ
ンも使用することができる。塩素化ポリオレフィンの塩
素含有量が50重量%未満であると、凝集力が劣るた
め、十分な物性を持った塗膜を形成することができな
い。また塩素含有量が71重量%を超えると、塩化ゴム
や塩素化ポリプロピレンの場合、ビニリデン型の塩素置
換が起こるため、かえって物性が低下してしまう。また
塩素化ポリオレフィンとして塩素化ポリエチレンを用い
る場合には、塩素含有量が71重量%を超えると、溶解
性が低下するおそれがある。塩素含有量が61〜71重
量%の、いわゆる高塩素化ポリオレフィンを用いる場合
には、若干量の可塑剤を併用することにより、凝集力と
造膜性を調整することができる。
【0015】また、本発明で使用される塩素化ポリオレ
フィンの分子量は、3000〜100000の範囲内で
あることが好ましい。塩素化ポリオレフィンの分子量が
低すぎると、塗膜の十分な耐水性が得られない。また分
子量が高すぎると、有機溶剤に対する溶解性が著しく劣
るため、多量の有機溶剤を必要とし、有機溶剤を多量に
含有するシーラーと同様の問題が発生する。
【0016】本発明に使用される有機溶剤は、水に対す
る溶解度が18.5%以下である有機溶剤であり、より
好ましくは10.0%以下の溶解度を有する有機溶剤で
ある。
【0017】水に対する溶解度が高すぎると安定なエマ
ルションとすることが困難になる。また、本発明におい
て用いる有機溶剤は、塩素化ポリオレフィンを溶解した
後、エマルション化するため、塩素化ポリオレフィンを
溶解しやすく、かつ少量の有機溶剤で低粘度の溶液とな
るものが好ましい。さらに、低臭、非危険物化を達成す
るため、その引火点が50℃以上であることが好まし
い。これらの要求を満たす有機溶剤としては、例え
ば、、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3
−メチル−3メトキシブチルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチル3−エト
キシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の
グリコールエーテル類、グルタル酸ジメチルエステル、
アジピン酸ジメチルエステル、コハク酸ジメチルエステ
ル等の二塩基酸ジエステル類の中から選ばれた1種また
は2種以上の有機溶剤を単独または混合して使用するこ
とができる。
【0018】本発明では、塩素化ポリオレフィンを有機
溶剤に溶解させた後、界面活性剤の存在下にエマルショ
ン化する。このようなエマルション化は、界面活性剤の
存在下にホモミキサーを使用して機械的に乳化すること
により行うことができる。このようなエマルションは、
均一で微粒子であることが好ましい。その粒子径は0.
5μm以下であることが好ましい。0.5μmを超える
粒子径のエマルション中でビニル系モノマーを乳化重合
すると、重合体の粒子径が不均一となり、凝集粒子の発
生や粒子の沈降等の現象が起こり、製造上及び保管安定
上の問題を生じる場合がある。
【0019】本発明において使用する界面活性剤は、特
に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル等で代表される非イオン界面活性剤、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
(またはアルキルフェニル)エーテル硫酸エステル塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキ
シエチレンスチレン化クレゾールエーテル硫酸エステル
塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩等のアニオン界面活性剤
が挙げられる。微粒子で安定性の良い分散物を得るに
は、これらの界面活性剤の中から1種または2種以上の
アニオン界面活性剤及び1種または2種以上の非イオン
界面活性剤を併用し、界面活性剤のHLBが10〜18
の非イオン界面活性剤を使用することが好ましい。
【0020】また、本発明では、塩素化ポリオレフィン
の脱塩素化による分散系の不安定化を防止するため、安
定剤を添加することができる。このような安定剤として
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系化合物が
好ましいものとして挙げられる。
【0021】本発明に使用されるビニル系モノマーとし
ては、乳化(ラジカル)重合可能なもの、例えば単官能
(メタ)アクリレート類としての、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−(ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート等;カルボキシル基または酸無
水物基含有単官能モノマー類としての、アクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸等;官能基を有する単官能
性モノマーとしての、ビニルスルホン酸ソーダ、パラス
チレンスルホン酸ソーダ、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート等;他の共重合
可能な単官能性モノマーとしての、スチレン、α−メチ
ルスチレン、アクリロニトリル等が挙げられ、この中か
ら選ばれた1種または2種以上のモノマーを単独または
混合して使用される。
【0022】本発明では、以上のようにして形成したエ
マルション中でビニル系モノマーを重合反応する。ビニ
ル系モノマーは予めエマルションの液中に全量添加され
ていてもよいし、重合反応の進行とともにビニル系モノ
マーを逐次添加してもよい。このようなビニル系モノマ
ーは、界面活性剤により乳化した状態で添加することが
できる。このような界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等で代表される非イオン界面活性剤、ド
デシルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル(またはアルキルフェニル)エーテル硫酸エステル
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリ
オキシエチレンスチレン化クレゾールエーテル硫酸エス
テル塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩等のアニオン界面活
性剤が挙げられる。
【0023】また、本発明においては、重合度を制御す
るため、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤
としては、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプト
エタノール、n−ブチルメルカプタン、トリクロロメル
カプタン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0024】また、本発明においては、可塑剤を、塩素
化ポリオレフィンの溶解溶剤の補助剤及び塩素化ポリオ
レフィンの可塑剤として用いることができる。塩素化ポ
リオレフィンの溶解溶剤を可塑剤に全量置換することも
可能ではあるが、シーラー組成物から上塗り塗膜へ移行
して上塗り塗膜が軟化されて汚染しやすくなるため、適
度な可塑効果をもたらす使用量が望ましい。上塗り塗膜
への移行性や、上塗り塗膜に対する汚染性等が少なく、
しかも耐黄変性や可塑化効果に優れた可塑剤として塩素
化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル
等の含塩素系可塑剤、あるいはフタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジヘプシル等のフ
タル酸エステル類が好ましいものとして挙げられる。
【0025】また、本発明において重合反応を開始させ
るために使用される重合開始剤としては、一般の乳化重
合に用いられる重合開始剤を使用することができ、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、
過酸化水素、パーオキシエステル類等の過酸化物、また
は塩化第二鉄、硫酸第二鉄、重亜硫酸ナトリウム、L−
アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリ
ソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等の還元剤と上
記過酸化物との併用による酸化還元型開始剤が挙げられ
る。
【0026】本発明における重合方法としては、塩素化
ポリオレフィンを有機溶剤に溶解せしめた後、必要に応
じて可塑剤、安定剤等を添加し、界面活性剤の存在下、
脱イオン水中でホモジナイザー等を使用し機械的にエマ
ルション化した水分散液中に重合開始剤を溶解し、この
溶液中に界面活性剤を溶解した脱イオン水の水溶液とビ
ニル系モノマーとをホモジナイザー等を使用し機械的に
エマルション化した水分散液(以下プレエマルションと
称する)を滴下し、窒素雰囲気中で攪拌しながら重合せ
しめるとともに、滴下中必要に応じて重合開始剤を添加
する。このようにして得られるエマルションの粒子径
は、保存安定性、基材への浸透性の点から0.3μm以
下が望ましい。
【0027】
【発明の作用効果】本発明では、塩素化ポリオレフィン
を有機溶剤に溶解させた後、界面活性剤存在下にエマル
ション化し、該エマルション中でビニル系モノマーを重
合させることにより、塩素化ポリオレフィン含有水性塗
料組成物を得ている。このように塩素化ポリオレフィン
を含有した有機溶剤中でビニル系モノマーを重合させて
水性エマルションを形成することにより、安定な水性エ
マルションが得られる。また、従来の後乳化によるエマ
ルション形成では、塩素化ポリオレフィン及びビニル系
ポリマーを溶解させるのに多量の有機溶剤が必要であ
り、この結果多量の有機溶剤が含有されていた。
【0028】本発明では、有機溶剤の含有量を少なくす
ることができ、それにより、低臭で、かつ危険性の少な
い塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物とすること
ができる。また界面活性剤の量も従来に比べ全体として
少なくすることができるので、優れた付着性及び耐水性
を得ることができる。
【0029】本発明の水性塗料組成物は、必要により顔
料を配合する場合も含んでおり、そのような場合であっ
ても、以上で説明したような成分配合の例や各成分の好
ましい例をそのまま適用できることはいうまでもない。
また本発明の水性塗料組成物は、場合によっては中塗り
塗料や上塗り塗料として使用することもできる。
【0030】
【実施例の説明】実施例1 塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式会社製:スーパー
クロン507:塩素含有量66重量%)40gをDBE
−3(DUPONT CHEMICALS社製:アジピ
ン酸ジメチルとグルタル酸ジメチルの混合物:引火点1
02℃)35gとフタル酸ジブチル15gの混合液中に
溶解し、レベノールWZ(花王株式会社製:アニオン界
面活性剤)8g、ネオゲンSC(第一工業製薬株式会社
製:アニオン界面活性剤)4g、エマルゲン910(花
王株式会社製:ノニオン界面活性剤)6g、エピコート
823(シェル化学株式会社製:液状ビスフェノールA
型エポキシ樹脂)1gを添加し、有機溶剤溶液を形成し
た。この有機溶剤溶液をホモミキサー(特殊機化工業株
式会社製:T.K.ホモミキサーM型)にて3000r
pmの攪拌速度で攪拌しながら脱イオン水269.7g
を加えてエマルション化し、30分間分散させ均一な塩
素化ポリオレフィンの水分散液(イ)を得た。この分散
液(イ)の平均粒子径は約0.3μmであった(COU
LTER ELECTRONICS社製:COULTE
R model N4により測定)。
【0031】次に、スチレン60g、2−エチルヘキシ
ルアクリレート40g、アクリル酸4g、n−ドデシル
メルカプタン1g、レベノールWZ8g、脱イオン水5
1.6gからなる混合物をホモミキサーで乳化し、30
分間分散させプレエマルション(ロ)を作製した。攪拌
機付きの1リットル4ッ口フラスコに塩素化ポリオレフ
ィンの水分散液(イ)を仕込み、系内を十分窒素置換し
た後、ウォーターバスにてフラスコ内の液温80℃まで
昇温し、10%過硫酸アンモニウム水溶液2gを添加す
ると同時に滴下漏斗よりプレエマルション(ロ)及び2
%過硫酸アンモニウム水溶液15gを3時間かけて均等
に滴下、重合した。この間フラスコ内の温度を80℃に
保持した。さらに80℃で5時間熟成した。得られたエ
マルションを200メッシュの絹製濾布にて濾過した。
このエマルションは、不揮発分が31.0重量%、粘度
18センチポイズ、pH4.5、粒子径約0.2μmで
あった。
【0032】実施例2〜6 実施例1において、塩素化ポリオレフィンの溶解用有機
溶剤の種類のみを変更してエマルションを得た。なお、
変更した組成を表1にまとめた。また、これらのエマル
ションを使用したシーラー組成物の塗膜物性を表2にま
とめた。
【0033】実施例7〜13 実施例1と全く同じ操作、条件で塩素化ポリオレフィン
の溶解用有機溶剤の種類及び仕込み量、塩素化ポリオレ
フィンの種類及び仕込み量、塩素化ポリオレフィンの水
分散液(イ)を作製する際に使用する水の仕込み量を変
更した以外は全く同様に実施してエマルションを得た。
なお変更した組成を表1にまとめた。また、これらのエ
マルションを使用したシーラー組成物の塗膜物性を表2
にまとめた。
【0034】比較例1 実施例1の(イ)363.7gとアクリルエマルション
YC−400(サイデン化学株式会社製:スチレン/
アクリル=60/40:不揮発分40重量%)250g
とを混合攪拌し、水で31重量%に不揮発分を調製し、
塩素化ポリオレフィンとアクリル系樹脂との比率が実施
例1と同じ値になるようにした。
【0035】比較例2 実施例1において塩素化ポリオレフィンの塩素含有量が
45重量%のものを使用した以外は全く同様に実施し、
エマルションを得た。
【0036】比較例3 実施例1において塩素化ポリオレフィンの仕込み量を
7.5g(塩素化ポリオレフィン100重量部に対しビ
ニル系モノマー1333重量部)及び塩素化ポリオレフ
ィンの水分散液(イ)を作製する際に使用する水の仕込
み量を変更した以外は全く同様に実施し、エマルション
を得た。
【0037】比較例4 実施例1において塩素化ポリオレフィンの溶解用有機溶
剤をキシレン(引火点25.6℃)に変更した以外は全
く同様に実施し、エマルションを得た。
【0038】比較例5 実施例1において塩素化ポリオレフィンの溶解溶剤をセ
ロソルブアセテート(水に対する溶解度22.9%)に
変更した以外は全く同様に実施した。得られたエマルシ
ョンは1日後に一部沈降した。
【0039】比較例6 実施例1において、DBE−3を12.8g(塩素化ポ
リオレフィンに対し、32重量部)に変更した以外は全
く同様に実施したところ、塩素化ポリオレフィン(スー
パークロン507)をDBE−3に溶解する際、高粘度
及び溶解不十分となり、塩素化ポリオレフィンの水分散
液(イ)を得ることができず、本発明の目的とする塩素
化ポリオレフィン含有アクリル系エマルションを得るに
至らなかった。
【0040】比較例7 実施例1において、DBE−3を124g(塩素化ポリ
オレフィンに対し、310重量部)に変更した以外は全
く同様に実施し、エマルションを得た。
【0041】以上の実施例及び比較例の組成を表1にま
とめた。また、これらのエマルションを使用したシーラ
ー組成物の塗膜物性を表2にまとめた。
【0042】
【表1】
【0043】(1)塩素化ポリオレフィン 507:スーパークロン507、日本製紙株式会社製、
塩素化ポリエチレン、塩素含有量66重量% A:試作品、日本製紙株式会社製、塩素化ポリエチレ
ン、塩素含有量52重量% B:スーパークロン814H、日本製紙株式会社製、塩
素化ポリプロピレン60%トルエン溶液、製品からトル
エンを去留したもの。塩素含有量41重量% C:スーパークロン406、日本製紙株式会社製、塩素
化ポリプロピレン、塩素含有量66重量% D:CR−5、日本製紙株式会社製、塩化ゴム、塩素含
有量66重量%
【0044】(2)有機溶剤 DBE−3:DUPONT CHEMICALS社製、
アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル混合溶剤(引
火点:102℃) ソルフィットAC:クラレ株式会社製、3−メチル−3
−メトキシブチルアセテート(引火点73℃) メトアセ:ダイセル化学株式会社製、3−メトキシブチ
ルアセテート(引火点:76℃) DBE−5:DUPONT CHEMICALS社製、
グルタル酸ジメチル(引火点107℃) DBE−6:DUPONT CHEMICALS社製、
アジピン酸ジメチル(引火点102℃) EEP:EKTAPRO EEP SOLVENT、E
ASTMAN CHEMICAL社製、エチル3−エト
キシプロピオネート(引火点:58℃) MMPG−Ac:ダイセル化学株式会社製、メトキシプ
ロピルアセテート(引火点:45℃) セロソルブアセテート:試薬,エチレングリコールモノ
エチルアセテート(引火点:51℃)
【0045】(3)水仕込み量:塩素化ポリオレフィン
の有機溶剤溶液エマルション化時の水量
【0046】
【表2】
【0047】(1)引火点:セタ密閉式引火点測定装置
により測定 (2)初期付着性:エマルションの固形分を25%に調
整し、厚み5mmの市販ストレート板に60〜80g/
2 刷毛塗りし、室温で2〜3時間乾燥して下塗り塗膜
を形成させた後、上塗りとして低PVCエマルション塗
料(日本ペイント株式会社製:ニッペDANユニ)を厚
み1mmに塗布し、室温にて7日間乾燥させて試験板と
した。これに、2mm間隔にクロスカットを入れセロフ
ァンテープにより引き剥がすクロスカット試験及び爪に
よるピーリング試験を行った。 判定基準: ○=剥がれなし △=若干の剥がれあ
り ×=全面剥離
【0048】(3)耐温水試験:(2)と同様に作成し
た試験板を40℃の温水に7日間浸漬した後、塗膜のブ
リスター、剥がれ等の外観を観察。さらに1日乾燥した
後、クロスカット試験を実施した。 判定基準は上記に同じ。 (4)臭気:○=良好 △=若干の臭気あり ×=
臭気全く不快
【0049】表2から明らかなように、本発明に従う実
施例1〜11の水性シーラー組成物は、臭気がなく、多
孔質基材、旧塗膜、及び上塗り塗料に対して優れた付着
性を示すとともに、耐水性に優れ、安定性に優れたもの
であることがわかる。
【0050】なお、比較例6においては、有機溶剤の仕
込量が少なく、エマルションを形成することができなか
った。また比較例7では有機溶剤の仕込量が多く、1日
後に沈降した。このように安定なエマルションを形成す
るためには適当な有機溶剤量を用いることが必要であ
る。このような有機溶剤の適当量は、使用する塩素化ポ
リオレフィン、界面活性剤、ビニル系モノマーやエマル
ション形成条件及び重合反応条件により変化するもので
あり、これらにより適宜設定されるものである。
フロントページの続き (72)発明者 竹下 裕男 埼玉県浦和市辻7丁目14番2号 サイデン 化学株式会社浦和工場内 (72)発明者 星野 一夫 埼玉県浦和市辻7丁目14番2号 サイデン 化学株式会社浦和工場内 (72)発明者 渡辺 浩一 埼玉県浦和市辻7丁目14番2号 サイデン 化学株式会社浦和工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有量が50〜71重量%の塩素化
    ポリオレフィンを、水に対する溶解度が18.5%以下
    である有機溶剤に溶解させた後、界面活性剤の存在下に
    エマルション化し、該エマルション中でビニル系モノマ
    ーを重合反応させて得られることを特徴とする塩素化ポ
    リオレフィン含有水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化ポリオレフィン100重量部に対
    し、有機溶剤が33〜300重量部、ビニル系モノマー
    が5〜1000重量部である請求項1に記載の塩素化ポ
    リオレフィン含有水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 有機溶剤が二塩基酸ジメチルエステルで
    ある請求項1に記載の塩素化ポリオレフィン含有水性塗
    料組成物。
  4. 【請求項4】 塩素含有量が50〜71重量%の塩素化
    ポリオレフィンを、水に対する溶解度が18.5%以下
    である有機溶剤に溶解させた後、界面活性剤の存在下に
    エマルション化し、該エマルション中でビニル系モノマ
    ーを重合反応させて得られることを特徴とする塩素化ポ
    リオレフィン含有水性エマルション。
  5. 【請求項5】 塩素化ポリオレフィン100重量部に対
    し、有機溶剤が33〜300重量部、ビニル系モノマー
    が5〜1000重量部である請求項4に記載の塩素化ポ
    リオレフィン含有水性エマルション。
  6. 【請求項6】 有機溶剤が二塩基酸ジメチルエステルで
    ある請求項4に記載の塩素化ポリオレフィン含有水性エ
    マルション。
  7. 【請求項7】 塩素含有量が50〜71重量%の塩素化
    ポリオレフィンを、水に対する溶解度が18.5%以下
    である有機溶剤に溶解する工程と、 前記有機溶剤の溶液を界面活性剤の存在下にエマルショ
    ン化する工程と、 前記エマルション中でビニル系モノマーを重合反応させ
    る工程とを備える塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組
    成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶剤が塩素化ポリオレフィン100
    重量部に対し33〜300重量部用いられ、ビニル系モ
    ノマーが塩素化ポリオレフィン100重量部に対し5〜
    1000重量部用いられることを特徴とする請求項7に
    記載の塩素化ポリオレフィン含有水性塗料組成物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 有機溶剤が二塩基酸ジメチルエステルで
    ある請求項7に記載の塩素化ポリオレフィン含有水性塗
    料組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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