JPH07299839A - 複合射出成形体の製造方法 - Google Patents

複合射出成形体の製造方法

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JPH07299839A
JPH07299839A JP9497994A JP9497994A JPH07299839A JP H07299839 A JPH07299839 A JP H07299839A JP 9497994 A JP9497994 A JP 9497994A JP 9497994 A JP9497994 A JP 9497994A JP H07299839 A JPH07299839 A JP H07299839A
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thermoplastic
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Hideki Takahashi
橋 英 樹 高
Yasuo Kitani
谷 安 生 木
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14778Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the article consisting of a material with particular properties, e.g. porous, brittle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋させるための熱処理工程なしに、架橋ゴ
ム材料と熱可塑性軟質重合体とを強固に接着させて、複
雑な形状や、比較的大きな成形体も製造することができ
る複合射出成形体の製造方法を提供する。 【構成】 架橋ゴム成形体を金型に挿入し、次いで、こ
れに熱可塑性軟質重合体を射出成形して複合射出成形体
を製造する方法において、前記架橋ゴム成形体が、該架
橋ゴム成形体の表面の熱可塑性軟質重合体と接触する部
分に、予め、酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体
系又は同オレフィン重合体系プライマーを塗布したもの
であることを特徴とする複合射出成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ゴム材料と熱可塑
性軟質重合体材料からなる複合射出成形体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の架橋ゴム製品の製造方法として
は、単純な形状のものでは、押出架橋法が、比較的小型
の形状のものでは、射出成形後に架橋させるための熱処
理を行なう方法等が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記押出架橋
法では、複雑な形状の成形品を製造することはできず、
また、射出成形後に架橋させるための熱処理を行なう方
法では、比較的大型の形状のものでは、ショートショッ
トとなって成形することができないといった問題があっ
た。そこで、この様な問題を解決する方法として、先
ず、単純な形状の部分を架橋ゴム材料を用いた押出架橋
法により成形し、次いで、それを金型内に装着して、複
雑な形状の部分を架橋ゴム材料の未架橋のもので射出成
形し、その後、その未架橋の部分を架橋させるための熱
処理を行なうことによって製造する方法が用いられてき
た。そのため、押出成形、射出成形、熱処理と、製造工
程数が三工程になる上に、自動化が困難となるとの問題
や、比較的大型の形状のものの熱処理を行なうにあたっ
ては、一時的な保管場所が必要となるいった問題や、大
型熱処理設備が必要となるいった問題があった。これら
の問題点を解消する目的で、該未架橋ゴム材料の代わり
に熱可塑性樹脂を射出成形する方法が最近になって提案
されている(特開平6−47816号公報参照)。しか
し、この方法では架橋ゴムと熱可塑性樹脂の接着性を向
上させるために、架橋ゴム接合面をサンドペーパーでブ
ラスト処理してから、接着剤と熱可塑性樹脂粉末を付着
させることを提案しているが、ブラスト処理等の煩雑な
工程を必要とするために能率的な方法ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]そこで本発明者らは上記課題に鑑みて、
架橋ゴム材料の代わりに熱可塑性軟質重合体を射出成形
することにより、問題の多い熱処理工程を削減し、か
つ、特定のプライマーを用いることにより、前記熱処理
工程なしに架橋ゴム材料と熱可塑性軟質重合体との強固
な接着性を持たせることができ、複雑な形状を持ち、か
つ、比較的大型の形状の複合射出成形体をも製造できる
との知見を得て、本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明の複合射出成形体の製造方法は、
架橋ゴム成形体を金型に挿入し、次いで、これに熱可塑
性軟質重合体を射出成形して複合射出成形体を製造する
方法において、前記架橋ゴム成形体が、該架橋ゴム成形
体の表面の熱可塑性軟質重合体と接触する部分に、予
め、酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体系又は同
オレフィン重合体系プライマーを塗布したものであるこ
とを特徴とするものである。
【0005】[発明の具体的説明] [I] 原材料 (1) 架橋ゴム成形体の材料ゴム材料 上記架橋ゴム成形体に用いられるゴム材料としては、具
体的には、天然ゴム(NR)、天然ゴムの誘導体、合成
ゴム等を挙げることができる。上記合成ゴムとしては、
ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム
(SBR)、ニトリルゴム(アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム、NBR)、イソプレンゴム(合成天然ゴム、
IR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム;
ブチルゴム(イソブチレン・イソプレン共重合体、II
R)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン
・プロピレン・非共役ジエンゴム(EPDM)、エチレ
ン・ブテンゴム(EBM)、エチレン・プロピレン・ブ
テン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(C
SM)、塩素化ポリエチレン(CPE)等のオレフィン
系ゴム等を挙げることができる。これら使用されるゴム
材料は、単独の成分で用いても、複数の成分の併用であ
っても良い。
【0006】架橋剤 上記架橋ゴム成形体において、上記ゴム材料を架橋させ
るための架橋剤としては、硫黄又は2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ジクミルパーオキシシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t
ert−ブチルクミルパーオキシド、ジイソプロピルベ
ンゾヒドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ
−tert−ブチルパーオキシド等の芳香族系又は脂肪
族系の過酸化物等が単独で又は併用して配合される。
【0007】配合剤 上記架橋ゴム成形体の材料には、ポリプロピレン、ポリ
エチレンといった熱可塑性樹脂や、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、或いは、
タルクや炭酸カルシウム等のフィラー、パラフィンオイ
ル、液状ポリブテン等の可塑剤、加硫促進剤、過酸化
物、架橋助剤、素練り促進剤、スコーチ防止剤、発泡
剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
中和剤、滑剤、潤滑剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、
分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加剤等
を配合したコンパウンド物とすることもできる。
【0008】(2) 熱可塑性軟質重合体 本発明において用いられる熱可塑性軟質重合体として
は、射出可能な流動性を有し、JIS−K6301によ
るJIS−A硬度が、一般に98以下、中でも95以
下、特に90〜20のものが好ましい。この様な熱可塑
性軟質重合体としては、具体的には、オレフィン系熱可
塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラ
ストマー(TPS)、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性
エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、軟質塩
化ビニル重合体等を挙げることができる。これらの中で
も、熱可塑性エラストマーを使用することが好ましく、
特にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)又は
スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)を使用する
ことが好ましい。これらの熱可塑性軟質重合体は、単独
成分ばかりでなく、複数の成分の併用であっても良い。
【0009】配合剤 上記熱可塑性軟質重合体には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重
合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテ
ン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体等の他のエラ
ストマーや樹脂;タルク、炭酸カルシウム、マイカ、硝
子繊維、酸化チタン、カーボンブラック等のフィラー;
パラフィン油、シリコーン油等の可塑剤;その他の成分
として、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、防
菌剤、着色剤、難燃剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を、
本発明の効果を著しく損なわない範囲内で配合すること
ができる。
【0010】(3) 酸基及び/又は水酸基含有スチレン
系重合体系又は同オレフィン系プライマー 本発明において用いられる酸基及び/又は水酸基含有ス
チレン系重合体系又は同オレフィン系プライマーとして
好適なものは、例えば、下記のグラフト変性重合体(A)
を重合体成分として含有するプライマーがある。
【0011】(A) グラフト変性重合体(A) を含有するプ
ライマー (a) グラフト変性重合体(A) 成分 (a) ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体
の水素添加物、α−オレフィン重合体、及び、これらの
塩素化物の群から選ばれた少なくとも一種の重合体と、
(b) α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び、
水酸基含有α,β−不飽和化合物の群から選ばれた少な
くとも1つの化合物とをグラフト反応条件に付して得ら
れるグラフト変性重合体(A) が好ましい。
【0012】(b) グラフト変性重合体(A) 成分の製造(a) 成分 上記(a) 成分のビニル芳香族化合物・共役ジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物としては、スチレンとブタジエ
ン又はイソプレンとのブロック共重合体の水素添加物が
好適であり、いわゆる、SEBS(スチレン・エチレン
・ブチレン・スチレン共重合体)又はSEPS(スチレ
ン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体)等があ
る。また、(a) 成分のα−オレフィン重合体としては、
α−オレフィン単独重合体、α−オレフィン同志の共重
合体、α−オレフィンと共役ジエン又は非共役ジエンと
の共重合体、α−オレフィンと不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体との共重合体、α−オレフィンと不飽和エステ
ルとの共重合体等のゴム状又は樹脂状の重合体を挙げる
ことができる。具体的には、エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ノルボル
ネン共重合体、エチレン・プロピレン・シクロペンタジ
エン共重合体、ポリプロピレン等が好適である。
【0013】(b) 成分 上記(b) 成分のα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロロマレイン
酸、ジメチルマレイン酸、及びこれらの酸無水物、エス
テル、アミド、イミド、金属塩等を挙げることができ
る。これらの中でもα,β−不飽和カルボン酸又はその
誘導体、特に無水マレイン酸を使用することが好まし
い。具体的には、(b) 成分のα,β−不飽和カルボン酸
エステルである、水酸基含有α,β−不飽和化合物とし
て、例えば、(メタ)アクリル酸のエチレンオキシド1
〜20モル付加物、メタアクリル酸のプロピレンオキシ
ド1〜20モル付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの環状ラクトン1〜10モル付加物、(メ
タ)アリルアルコール等を挙げることができるが、これ
らの中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、及び、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートのε−カプロラクトン1〜4モル
付加物(ダイセル(株)製商品名プラクセルFA−1〜
FA−4)を使用することが好ましい。
【0014】量 比 上記(a) 成分に(b) 成分をグラフト反応せしめることに
よって得られる。変性重合体(A) 中の(b) 成分のグラフ
ト量は特に限定されないが、0.01〜20%の範囲内
であるのが好ましい。グラフト量が0.01未満では本
発明のプライマー塗膜の付着性の低下が見られ易くな
り、また20%を超える場合には、その製造が困難とな
り易くなる上に、密着性が低下する虞れがある。
【0015】グラフト重合 上記(a) 成分に(b) 成分をグラフト重合させる方法に関
しては、例えば、特開昭61−192743号等に開示
されている。具体的には、(a) 成分にラジカル重合開始
剤の存在下、(b) 成分をグラフト重合することにより得
られる。グラフト重合方法としては、例えば、押出機を
用いてこれらの原料を溶融混練し75〜400℃、好ま
しくは100〜300℃の温度でグラフト重合させる方
法や、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の有機溶
剤中でこれらを加熱溶解して50〜300℃、好ましく
は50〜200℃の温度で0.1〜20時間グラフト重
合させる方法等を挙げることができる。上記グラフト重
合の際に用いられるグラフト重合開始剤としては、通常
のラジカル開始剤のいずれでも良く、ジターシャリーブ
チルパーオキシド、ターシャリーブチルハイドロパーオ
キシド等のアルキルパーオキシド、ジクミルパーオキシ
ド、クミルハイドロパーオキシド等のアリルパーオキシ
ド、ジラウロイルパーオキシド等のアシルパーオキシ
ド、ジベンゾイルパーオキシド等のアロイルパーオキシ
ド、メチルエチルケトンパーオキシド等のケトンパーオ
キシド、パーオキシカーボネート、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾニトリル等を挙げることができる。こ
れらの中でもアルキルパーオキシド、アリルパーオキシ
ドを用いることが好ましい。本グラフト重合の反応混合
物中には、(a) 成分と(b) 成分の反応生成物であるグラ
フト変性重合体(A) 、及び、場合により、未反応の(b)
成分を含有している。更に、使用に際しては、これら未
反応の(b) 成分は精製により除去してもしなくても良
い。
【0016】(b) 溶剤(B) 成分 上記グラフト変性重合体(A) 成分を必須成分とするプラ
イマーは、該グラフト変性重合体(A) 成分を溶解或いは
分散し得る溶媒(B) 中に、溶解或いは分散させてプライ
マーとして使用される。溶解し得る溶媒 上記グラフト変性重合体(A) 成分を溶解し得る溶媒とし
ては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族
炭化水素、テトラリン、ミネラルスピリット、ヘプタ
ン、テトラヒドロフラン等の溶解性溶媒の単独又は混合
溶媒、或いは、これらとメチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレング
リコールジメチルエーテル、メチルセロソルブアセテー
ト、セロソルブ、エタノール、プロパノール等の各種極
性溶媒との混合溶媒を挙げることができる。
【0017】分散し得る溶媒 また、上記グラフト変性重合体(A) 成分を分散し得る溶
媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、セロソ
ルブ、エタノール、プロパノール、水等の各種極性溶媒
を挙げることができる。
【0018】使用量 これらのグラフト変性重合体(A) 成分を溶解又は分散し
得る溶剤(B) の使用量には特別な制限はないが、取扱い
のし易さや作業性等から、通常、固形分濃度が1〜70
重量%の範囲で使用するのが望ましく、特に4〜60%
の範囲で使用するのが好ましい。上記使用量が、1重量
%未満の場合には1回の塗装で必要塗膜を得るのが困難
となり易く、また、70重量%を超える場合には粘度が
高すぎて作業性が悪化し易くなる。
【0019】(B) 添加剤 上記酸基及び/又は水酸基含有スチレン系重合体系又は
同オレフィン系プライマーには、各種の顔料、染料、充
填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、チクソト
ロピー付与剤、増粘剤、レベリング剤、界面活性剤、乳
化剤、防腐剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電
防止剤、粘着性付与剤等の各種添加剤;ポリイソシアネ
ート化合物、ブロックイソシアネート、ポリエポキシ
ド、アルキルエーテル化メラミンホルマリン樹脂、シラ
ンカップリング剤、ラジカル硬化性多官能(メタ)アク
リレート等の各種架橋剤;アミン化合物、有機錫化合物
等の各種架橋促進剤;塩素化ポリプロピレン、アクリル
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
ルキッド樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド樹脂等の各種
塗工用樹脂;を添加して用いることができる。
【0020】[II] 複合射出成形体の製造 (1) 架橋ゴム成形体の製造 本発明において用いられる架橋ゴム成形体としては、硫
黄又は過酸化物等を配合したゴム材料を、各種形状に成
形加工した後、加熱処理することにより前記硫黄又は過
酸化物等によって架橋して硬化したゴム材料成形体であ
る。具体的には、上記ゴム材料に硫黄又は過酸化物等を
配合して、押出成形、射出成形、真空成形等の各種成形
法を用いて目的とする各種形状に成形加工した後、加熱
処理することにより、前記ゴム材料中に含有する硫黄又
は過酸化物等によって架橋して、硬化させたゴム材料成
形体を挙げることができる。これら架橋ゴム成形体の中
でも、押出成形により得られた押出成形体を使用するこ
とが特に好ましい。
【0021】(2) 架橋ゴム成形体のプライマー処理 上記の様にして得られた架橋ゴム成形体は、その表面の
射出される熱可塑性軟質重合体と接触する部分に、予
め、上記酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体系又
は同オレフィン重合体系プライマー組成物を塗布してお
くことが重要である。 (a) 塗 工(塗布) 本発明における酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合
体系又は同オレフィン重合体系プライマー組成物の塗工
量は、要求性能や対象物により異なるが、通常は乾燥被
膜の厚みが0.01〜100μm、好ましくは0.1〜
80μmとなるように、スプレー、刷毛、コーター、印
刷機等を用いて行なわれる。塗工後に乾燥が行なわれ
る。
【0022】(3) 熱可塑性軟質重合体の射出成形 (a) 架橋ゴム成形体の金型内の挿入 上記酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体系又は同
オレフィン重合体系プライマー組成物が塗工された架橋
ゴム成形体は金型内に挿入し、固定される。 (b) 熱可塑性軟質樹脂材料の射出成形 上記金型内に挿入された架橋ゴム成形体に対して、該熱
可塑性軟質樹脂材料が射出成形される。それによって、
該架橋ゴム成形体の酸基及び/又は水酸基含有スチレン
重合体系又は同オレフィン重合体系プライマー組成物が
塗工された部分に射出された熱可塑性軟質樹脂材料が接
着し、目的の該架橋ゴムと熱可塑性軟質樹脂材料との複
合成形体を製造することができる。
【0023】[III] 複合射出成形体 この様な複合射出成形体の製造方法によって得られる複
合射出成形体は、複雑な形状や、比較的大きな複合射出
成形体までをも製造することができるので、架橋ゴムが
主に使用される自動車のウインドウシールドガスケット
やウェザーストリップ、或いは、建材用の各種ガスケッ
ト等の分野における部品や製品用として用いることがで
きる。
【0024】
【実施例】本発明の複合射出成形体の製造方法につい
て、更に詳細に説明するため、以下に本発明の実施例及
び比較例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例及び
比較例にて使用した原材料及び評価方法は、以下に示す
通りである。 [I] 原材料 (1) 熱可塑性軟質樹脂材料 TPO−1:三菱油化(株)製「サーモラン 3980
B」(部分架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、JIS−A硬度93) TPO−2:三菱油化(株)製「サーモラン 3920
B」(未架橋のオレフィン系熱可塑性エラストマー、J
IS−A硬度96) TPO−3:三菱油化(株)製「サーモラン 3602
B」(部分架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、JIS−A硬度70) TPS−1:三菱油化(株)製「ラバロン SJ840
0B」(スチレン系熱可塑性エラストマー、JIS−A
硬度85)
【0025】(2) 架橋ゴム成形体 EP−1:市販の架橋EPDM製シート SBR−1:市販の架橋SBR製シート
【0026】(3) プライマー P−1:グラフト重合 攪拌機、還流冷却管、滴下ロート及び温度計を備えたガ
ラス製フラスコに、(a) 成分として水添スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体(以下単に「SEB
S」と略記する。)100部(クレイトンG−165
2、シェルケミカル社製)、キシレン250部を仕込
み、系内を窒素置換して、125℃の温度に昇温した
後、(b) 成分として無水マレイン酸6部と、グラフト重
合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.8部をキシ
レン100部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。
グラフト反応液を大量のアセトン中に加えて、無水マレ
イン酸のグラフトしたSEBSを再沈して、これを濾過
して採取したウェットケーキを、更に、大量のアセトン
で洗浄、濾過した後、乾燥することにより、未反応の無
水マレイン酸を除去した微黄色のグラフト変性重合体が
得られた。なお、このグラフト変性重合体の無水マレイ
ン酸のグラフト率は、赤外線スペクトル測定及び中和滴
定の結果から、1.2%と判明した。プライマー(P−1)の調製 このグラフト変性重合体15部をトルエン60部、キシ
レン12.5部、及びメチルエチルケトン12.5部に
加熱溶解して、本発明のプライマー(P−1)を得た。
【0027】P−2:グラフト重合 SEBSの代わりにSEPS(クラレ(株)製セプトン
2002)100部、無水マレイン酸の代りにプラクセ
ルFA−1を用いて実施例1と同様にグラフト反応を行
ない、グラフト率が1.8%のグラフト変性体(A−
2)の15%溶液を得た。プライマー(P−2)の調製 次いで、このグラフト変性体(A−2)溶液500部
に、酸化チタン30部及びカーボンブラック1部を加え
て練肉し、更に、ヘキサメトキシメチルメラミン5部及
びメチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメ
チレンイソシアネートの環状三量体を加えてプライマー
(P−2)を得た。
【0028】P−3:グラフト重合 プロピレン含量60モル%のエチレン・プロピレン共重
合体100部を、500部のキシレンに加熱溶解し、無
水マレイン酸の使用量30部及びジクミルパーオキシド
5部を用いて実施例1と同様にグラフト反応を行なっ
て、グラフト率が3.1%のグラフト変性体(A−3)
を得た。プライマー(P−3)の調製 次いで、このグラフト変性体(A−3)8部をトルエン
46部、キシレン37部、n−ブタノール9部に加熱溶
解してプライマー(P−3)を得た。
【0029】P−4:グラフト重合 塩素含量30%の塩素化ポリプロピレン100部、無水
マレイン酸10部及びクロロベンゼン300部を110
℃の温度で加熱溶解した後、ベンゾイルパーオキシド1
0部のクロロベンゼン溶液を6時間で添加した。その後
3時間熟成した後、クロロベンゼン及び未反応の無水マ
レイン酸を減圧下に加熱留去して、グラフト率が8.2
%、塩素含量27.5%のグラフト変性体(A−4)を
得た。プライマー(P−4)の調製 次いで、このグラフト変性体(A−4)10部と実施例
1にて得られたグラフト変性体10部をトルエン36
部、キシレン36部及び酢酸ブチル8部に加熱溶解して
本発明のプライマー(P−4)を得た。
【0030】[II] 評価方法 (1) 成形方法 市販の架橋ゴム製シート(厚み3mm)を幅30mm、
長さ100mmに正確に裁断し、インサート成形体を作
成する。次に、該インサート成形体の射出性経済量との
接着面をイソプロピルアルコールで拭き、埃や汚れを取
り除いた後に、プライマーを刷毛で2〜3回程塗布し、
室温下で十分に溶媒を乾燥させる。次に、該インサート
成形体を金型(100mm×100mm×3mmのシー
ト成形用)の可動側きキャビティーに固定し、熱可塑性
軟質材料を射出成形して、複合テストピースを得る。 (2) 評価用サンプルの作成 該複合テストピース1枚から、評価用サンプル(75m
m×25mm×3mm)を各3本づつ打ち抜く。 (3) 接着強度の評価 該評価用サンプルを、引張試験機(引張速度500mm
/分)を用いて、接着強度の測定を行なう。測定値とし
てはその平均値を用いる。
【0031】[II] 実験例 実施例1〜8及び比較例1〜5 (1) インサート成形体の作成 表−1及び表−2に示す市販の架橋ゴム製シート(厚み
3mm)を幅30mm、長さ100mmの大きさに正確
に裁断し、インサート成形体を作成した。 (2) プライマー塗布 次いで、該インサート成形体の射出成形材料との接着面
をイソプロピルアルコールで拭き、埃や汚れを取り除い
た後に、表−1及び表−2に示すプライマーを刷毛で2
〜3回程度塗布して、室温下で十分に溶媒を乾燥させ、
肉厚が5μmのプライマー層を形成した。 (3) 成 形 上記インサート成形体を、金型(100mm×100m
m×3mmのシート成形用)の可動側きキャビティー内
に固定し、次いで、表−1及び表−2に示す熱可塑性軟
質材料を射出成形して、図1に示す様な形状の複合射出
成形体を製造した。 (4) 評価用サンプルの作成 該複合射出成形体(テストピース)1枚から、図1に示
す様な形状の評価用サンプル(75mm×25mm×3
mm)を各々3本づつ打ち抜いた。 (5) 接着強度の評価 該評価用サンプルを、引張試験機(引張速度500mm
/分)を用いて、接着強度の測定を行なった。測定値と
しては、それらの平均値を用いた。接着強度の測定結果
を表1〜表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】このような本発明の複合射出成形体の製
造方法は、酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体系
又は同オレフィン重合体系プライマー組成物を介して、
架橋ゴム材料と熱可塑性軟質重合体とを強固に接着させ
ることができるので、複雑な形状や、比較的大きな複合
射出成形体までをも製造することができる。また、問題
の多い架橋させるための熱処理工程やブラスト処理等の
煩雑な工程を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の複合射出成形体より打ち抜く評
価用サンプル(テストピース)の寸法を表わす平面図で
ある。
【符号の説明】
1 複合射出成形体 2a〜2c テストピース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 21:00 23:00 25:00 105:24 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋ゴム成形体を金型に挿入し、次いで、
    これに熱可塑性軟質重合体を射出成形して複合射出成形
    体を製造する方法において、前記架橋ゴム成形体が、該
    架橋ゴム成形体の表面の熱可塑性軟質重合体と接触する
    部分に、予め、酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合
    体系又は同オレフィン重合体系プライマーを塗布したも
    のであることを特徴とする複合射出成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性軟質重合体が、オレフィン系又は
    スチレン系エラストマーである、請求項1に記載の複合
    射出成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合体
    系又は同オレフィン重合体系プライマーが、(a) ビニル
    芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体の水素添加
    物、α−オレフィン重合体及びこれらの塩素化物の群か
    ら選ばれた少なくとも1つの重合体と、(b) α,β−不
    飽和カルボン酸又はその誘導体、及び、水酸基含有α,
    β−不飽和化合物の群から選ばれた少なくとも1つの化
    合物とをグラフト反応条件に付して得られた変性重合体
    (A) を含有した酸基及び/又は水酸基含有スチレン重合
    体系又は同オレフィン重合体系プライマーである、請求
    項1に記載の複合射出成形体の製造方法。
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