JPH07299503A - 熱間圧延における鋼片の接合方法 - Google Patents

熱間圧延における鋼片の接合方法

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JPH07299503A
JPH07299503A JP9625394A JP9625394A JPH07299503A JP H07299503 A JPH07299503 A JP H07299503A JP 9625394 A JP9625394 A JP 9625394A JP 9625394 A JP9625394 A JP 9625394A JP H07299503 A JPH07299503 A JP H07299503A
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毅 平林
Nozomi Tamura
望 田村
Hirosuke Yamada
博右 山田
Hideyuki Nikaido
英幸 二階堂
Shigeru Isoyama
茂 磯山
Toshiaki Amagasa
敏明 天笠
Kanji Hayashi
寛治 林
Kazuo Morimoto
和夫 森本
Hideo Sakamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼片幅方向端部における昇温速度が幅方向中
央部と同程度になるような加熱を可能にすることによ
り、かかる幅方向端部の接合不良に起因して接合部が破
断することを回避して、連続的な熱間圧延を安定して行
う。 【構成】 熱間圧延設備の入側にて、先行して搬送する
鋼片1a の後端とこの鋼片に引き続いて搬送する鋼片2
a の先端とを間隙を隔てて対向させ、この対向させた鋼
片の後・先端部を厚み方向に挟んで配置する少なくとも
1対の誘導加熱用コイル5から鋼片を貫く交番磁界をか
けることにより生ずる誘導電流eによって前記鋼片の後
・先端部を加熱し、互いに向けて押圧して接合するに当
たり、加熱の際、上記の対向させた鋼片の後・先端部の
少なくとも一方の両側方に、導電体6a を該鋼片と間隙
を隔てて配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間圧延における鋼
片の接合方法に関し、特に、鋼片全幅にわたる均一加熱
を行うことのできる方法を提案しようとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、熱間圧延ラインの入り側にて、先
行して搬送する鋼片(以下、先行鋼片という)の後端部
とこの鋼片に引き続いて搬送する鋼片(以下、後行鋼片
という)の先端部とを誘導加熱により加熱・接合するこ
とによって、数本〜数十本の圧延素材を連続的に圧延ラ
インに供し、かくしてライン停止といったトラブルの回
避や歩留まりの向上を図ることが試みられている。この
ような接合方法は、特開昭62−234679号公報に
て提案がある。この技術は、2枚の板材の突き合わせ面
を小ギャップをあけた非接触状態で対向させておき、こ
の領域にて前記板材の上下面に対向させて配設した直交
磁束型の一対の誘導加熱用コイルに交流電力を供給して
板材を垂直に貫通する磁界を印加することで、誘導電流
を板材に生じさせ、抵抗発熱により板材の突き合わせ面
を加熱しながら突き合わせ面同士を押圧することで接合
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭62−
234679号公報に記載された方法によれば、接合し
ようとする鋼片を上下に挟む配置になる誘導加熱用コイ
ル間の交番磁界によって鋼片に生ずる誘導電流に着目し
てみれば、対向させた鋼片の後、先端部近傍において、
幅方向端部を流れる電流が、幅方向中央部近傍における
電流に比べて小さい。そのため、突き合わせ接合面にお
いては、鋼片幅方向端部の昇温速度が、幅方向中央部近
傍の昇温速度よりも低くなり、この幅方向中央部近傍が
接合に適した温度に達したとしても、幅方向端部ではそ
の温度にまで達していないから、かような状態の鋼片を
突き合わせ押圧しても、幅方向端部は十分な強度で接合
するには至らなかった。また、幅方向端部が中央部より
も低温なため相対的に軟化していず、押圧に際して幅方
向端部がこの押圧力に抵抗するため、高温で軟化してい
る幅方向中央部へも、必要とされる接合強度を得るだけ
の十分な押圧力をかけ難かった。
【0004】これらの不都合から、鋼片の幅方向端部及
びその近傍においては、接合後の強度が、この領域以外
の領域、すなわち幅方向中央寄りの領域に比べて弱く、
接合後の熱間圧延の際には、接合強度が低い鋼片幅方向
端部にまず亀裂が生じ、この亀裂が中央部に向けて進展
してゆき、ついには接合部の全幅にわたって破断に至っ
てしまう結果、ラインの停止を招くという問題があっ
た。
【0005】このような鋼片幅方向端部を、接合に適す
る温度まで昇温させるために、長時間誘導加熱を行うこ
とも考えられるが、かかる場合は鋼片幅方向中央部が過
熱されて、融け落ちる問題があるばかりか、投入電力も
嵩む問題があった。
【0006】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、鋼片幅方向端部における昇温速度が幅方向中央
部と同程度になるような加熱を可能にすることにより、
かかる幅方向端部の接合不良に起因して接合部が破断す
ることを回避して、連続的な熱間圧延を安定して行うこ
とのできる熱間圧延における鋼片の接合方法を提案する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、熱間圧延設
備の入側にて、先行して搬送する鋼片の後端とこの鋼片
に引き続いて搬送する鋼片の先端とを間隙を隔てて対向
させ、この対向させた鋼片の後・先端部を厚み方向に挟
んで配置する少なくとも1対の誘導加熱用コイルから鋼
片を貫く交番磁界をかけることにより生ずる誘導電流に
よって前記鋼片の後・先端部を加熱し、互いに向けて押
圧して接合する方法において、加熱の際、上記対向させ
た鋼片の後・先端部の少なくとも一方の両側方に、導電
体を該鋼片と間隙を隔てて配置することを特徴とする熱
間圧延における鋼片の接合方法である。
【0008】この発明の好適な態様は、対向させた鋼片
の後端部及び先端部の板幅がほぼ同等の場合には各端部
にまたがらせた導電体を配置するものである。また、こ
の発明の他の好適な態様は、加熱の際、誘導加熱用コイ
ルが、導電体に重なり合う配置になるものである。さら
に、この発明の他の好適な態様は、導電体に、誘導電流
とほぼ同相の電流を外部から流すものである。
【0009】
【作用】以下、この発明を図面を用いてより具体的に説
明する。図1に、この発明に従う鋼片接合方法の一例を
模式的に示す。図中1は先行鋼片、2は後行鋼片であ
り、同図では先行鋼片1a の幅と後行鋼片2a の幅とが
同じ場合について示してある。この先行鋼片1a を、ク
ランプ3a,3b により挟持し、同様に後行鋼片2a を、
クランプ4a,4b により挟持して、先行鋼片1a の後端
部と後行鋼片2a の先端部とが小ギャップをあけて対向
するように配置する。この先行鋼片1a の後端部と後行
鋼片2a の先端部とが対向している位置に、これらの鋼
片を上下に挟むように一対の誘導加熱用コイル5を配置
し、この誘導加熱用コイル5から鋼片の厚み方向に貫く
交番磁界を印加して先行鋼片1a の後端部及び後行鋼片
2a の先端部の双方に誘導電流を生起させることによっ
て、先行鋼片1a の後端部及び後行鋼片2a の先端部と
を加熱する。この発明では、上記した加熱に際して、先
行鋼片1の後端部、後行鋼片2の先端部の少なくとも一
方の両側方に導電体6a を、鋼片とは小ギャップをあけ
て近接配置することが特徴の一つである。
【0010】このように導電体を鋼片の側方に近接配置
することにより、鋼片突き合わせ面の全幅にわたる均一
加熱が可能となる理由については、次のように考えられ
る。まず、導電体を配設することのない従来の鋼片接合
法の場合には、図2に接合端部近傍の要部を示すよう
に、鋼片の接合端面の幅方向端部では磁束量が少なく、
誘導電流eは、図示のとおり円弧を描くように流れるた
めに、表皮効果があるとしても誘導電流が流れにくかっ
た。これが幅方向端部の昇温不良の原因となって、その
結果、先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部とを突き合
わせ接合したとしても、接合部のうち鋼片幅方向端部で
は接合強度が低く、図3に示すようにその後の圧延の際
には、この部分から生じた亀裂7が幅方向中央部にまで
伝播して、結局のところ破断に至ってしまったのであ
る。
【0011】これに対して、この発明に従い、図1に示
したように先行鋼片1と後行鋼片2の少なくとも一方の
突き合わせ面の両側方に導電体6a を非接触状態で近接
配置すると、鋼片を挟んで対向配置になる一対の誘導加
熱用コイル5間に生ずる交番磁界が、この導電体6a を
も貫くことになるため、この導電体6a にも誘導電流e
が発生する。この導電体6a に生じた誘導電流と鋼片に
生じた誘導電流とが互いに引きつけられる結果、鋼片に
生ずる誘導電流が、鋼片幅方向端部により近づいて流れ
るようになる。それゆえ幅方向端部における昇温速度
が、幅方向中央部の昇温速度に近くなるために、押圧・
接合の際には、突き合わせ面の幅方向端部が十分な接合
強度を持って接合するに足る温度まで昇温させることが
でき、また、接合するに十分な押圧力をかけることがで
きるようになることから、幅方向端部を含めた鋼片の全
幅にわたって完全に接合することが可能になるものと考
えられる。
【0012】この発明における導電体としては、所定の
強さの誘導電流が発生するものであれば、その目的を達
成することができ、種類は特に限定されるものではない
が、銅製の板が誘導電流による発熱が少なくかつ安価な
ために好適である。また、タングステン板やグラファイ
ト板のような高融点材料も発熱に対する耐性があるため
使用することができる。さらに、鋼板やAl板について
も、冷却手段を付設することで長時間使用することがで
きる。
【0013】また、図1では導電体6a を、先行鋼片1
と後行鋼片2とにまたがらせた例を示しているが、この
発明では同図の例に限らず、図4に他の例を示すよう
に、先行鋼片の後端部、後行鋼片の先端部のそれぞれ
に、別々の導電体6b を配設しても同様の効果が得られ
る。
【0014】さらに、導電体の幅は、小さすぎるとコイ
ルからの磁束が貫いても誘導電流が発生し難いことか
ら、誘導電流が生ずるだけの幅は必要であるが、この条
件を満たせば適宜の幅を選択することができる。導電体
の厚み及び長さは、特に限定されるものではない。導電
体と鋼片とは、鋼片上に生じた誘導電流と導電体上に生
じた誘導電流とが互いに引きつけられるだけの間隔で近
接配置する必要がある。具体的には、10mm超でもよい
が、より好ましくは3〜5mm程度である。
【0015】図5に、接合しようとする鋼片の幅が異な
る場合について示す。同図は、先行鋼片1d が広幅材
で、後行鋼片2d が狭幅材の場合を示し、先行鋼片の幅
方向中心と後行鋼片の幅方向中心とを合わせて対向さ
せ、この狭幅の後行鋼片2d の両側方に、導電体6c を
小ギャップをあけて近接配置している例である。かくし
て加熱の際には、導電体6c にコイル5より交番磁界が
貫いて、この導電体6c に誘導電流が生起することか
ら、この導電体6c に生じた誘導電流との相互作用によ
って狭幅の後行鋼片2d に生じた誘導電流は、鋼片先端
部の幅方向端部近傍を流れ、鋼片幅方向にわたる均一な
昇温が可能になる。この導電体は、狭幅鋼片の端部の両
側方のみに配置したとしても所期した目的を達成するこ
とができるが、同図に6d にて示すように広幅の鋼片の
両側方にも導電体を配置することによって、その効果の
向上を図ることができるから有利である。
【0016】さて、前述した導電体の作用効果から分か
るように、この発明においては、少なくとも一対の誘導
加熱用コイル間に生じさせる磁界が、かかる導電体を貫
くことを必要とする。すなわち、導電体は、誘導加熱用
コイル間に生ずる磁束が貫くような範囲内に配置する必
要がある。これを鋼片の幅と誘導加熱用コイルの幅との
関係でみると、この発明では、誘導加熱用コイルが、鋼
片に重なり合う配置になり、このコイルから生ずる磁束
が、鋼片ばかりでなく導電体の少なくとも一部を貫くよ
うな配置になることがより好ましい。具体的には、接合
しようとする鋼片の幅よりも広幅の誘導加熱用コイルを
使用することで、誘導加熱用コイルを鋼片より側方には
み出させ、この誘導加熱用コイルの互いに対向する磁極
が、鋼片のみならず鋼片の側方に配置した導電体に向か
い合うようにするのが好ましい。このことは、誘導加熱
用コイルにて磁束量が低下し易い幅方向端部よりも内側
に、鋼片を配することにもなるため、鋼片幅方向の均一
加熱にとって有効である。
【0017】また、他の例としては、接合しようとする
鋼片の幅が、誘導加熱用コイルの幅よりも広い場合に、
複数個の誘導加熱用コイルを鋼片幅方向に配列して、複
数個の誘導加熱用コイルを鋼片より側方にはみ出させ、
これら誘導加熱用コイルの互いに対向する磁極が、鋼片
のみならず鋼片の側方に配置した導電体の一部にも向か
い合わせるようにしたりするのが好ましい。
【0018】なお、鋼片を挟む誘導加熱用コイルの幅
が、接合しようとする鋼片の幅と同じ又は鋼片幅よりも
小さい場合であっても、鋼片の幅よりも側方で漏れ磁束
が形成されるために、この鋼片よりも側方に形成された
漏れ磁束が、その位置に配置した導電体を貫通すること
になるから、導電体がその貫通する領域にある限りにお
いて所定の効果を得ることができる。
【0019】次に、この発明のより有利な例は、導電体
に、誘導電流とほぼ同相の電流を外部から流すものであ
る。図6は、接合しようとする先行鋼片の後端部及び後
行鋼片の先端部の突き合わせ領域の要部であり、図6a
は平面図、図6b は図6c のA−A断面図、図6c は図
6a のB−B断面図をそれぞれ示している。図6におけ
る誘導加熱用コイル5は、鋼片に向かい合う一対の磁極
を互いに連絡する鉄心に導線を巻き回したものであり、
かつ先行鋼片1e 、後行鋼片2e の幅よりも広い幅とし
たものである。このような形状になる誘導加熱用コイル
は、導線7に電源8から交流を流すことによって鉄心5
に形成される磁気回路の間隙の位置に、鋼片を配置する
ことになるので、誘導加熱用コイルに発生した磁力を有
効に鋼片に付与することができる。なお、かような誘導
加熱用コイルは特開平4−89109号公報に開示され
ている。
【0020】さて、図6a 〜c に示したように、先行鋼
片1e の後端部及び後行鋼片2e の先端部の対向領域の
側方に導電体6e を配置し、この導電体6e に、外部電
源9から誘導電流と同相の交流を印加する。かくして導
電体6e には、導電体に流れる誘導電流に重畳した電流
が流れ、導電体を貫く磁束密度の如何にかわらず、鋼片
に生起する誘導電流が幅方向端部に近づけるのに必要と
する強さの誘導電流が流れるから、安定して鋼片の均一
加熱を行うことができるのである。
【0021】このように、導電体に外部電源から交流を
流す目的は、この導電体に生じる誘導電流に重畳した電
流を流すことにあるから、外部電源から流す交流は、誘
導電流とほぼ同相であることを必要とする。誘導電流と
同一周波数であっても、逆相の交流を流せば、誘導電流
と交流が打ち消し合って、導電体を配置しないのと同じ
結果となるためである。
【0022】次に、図7、図8も図6同様、導電体に外
部から電流を流すことにより、導電体に、誘導電流に重
畳した外部電流を流して、安定して鋼片の均一加熱を図
った例であって、まず図7では、図6で用いた誘導加熱
用コイルよりも幅が広い鋼片を加熱・接合する場合に、
図6で示した誘導加熱用コイル5を二組用意して、鋼片
幅方向に並べて加熱する例について示していて、図7a
は平面図、図7b は図7aのA−A断面図、図7c は図
7a のB−B断面図である。図7に示した例も、図6同
様に概略C型形状の鉄心を有する誘導加熱用コイル5
を、接合しようとする鋼片端部に配置し、この接合しよ
うとする端部の両側方に、導電体6f を鋼片とは小ギャ
ップをあけて配置するとともに、この導電体6f に、該
導電体に生ずる誘導電流と同相の電流を外部電源9から
流す例を示している。また、図8では、接合しようとす
る鋼片の対向領域に、それぞれ別体である誘導加熱用コ
イル10を配置した例であり、図8a は平面図、図8b は
図8aのA−A断面図をそれぞれ示している。
【0023】これら図6〜図8は、好適な例として、接
合しようとする鋼片の幅よりも広幅の誘導加熱用コイル
を使用しているけれども、この発明では、図示した例に
限定されることなく、鋼片の幅よりも狭い幅の誘導加熱
用コイルを用いたとしても、外部電源から印加する電流
の強度には制約が少なく、鋼片の端部が均一加熱するの
に十分な強さの電流を導電体に流すことができるから何
ら問題がない。
【0024】以上述べたような、この発明に従う鋼片の
加熱工程と、鋼片を互いに向けて押圧する工程との組み
合わせによって先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部と
を接合する。この組み合わせには、 先行鋼片の後端部及び後行鋼片の先端部を非接触状
態で近接配置して、この接合領域を接合のための目標温
度に到達するまで電力を投入した後、電力投入を止めて
押圧する方法、また、 同じく接合領域を非接触状態で近接配置して、この
領域の温度が目標温度に達したならば、スパークが生じ
ない程度に投入電力を低下して加熱を継続させたままで
押圧を開始する方法 等がある。
【0025】
【実施例】
実施例1 熱間圧延の圧延設備の入側にて、図1に示したような、
先行鋼片の幅と後行鋼片の幅とが等しい鋼片同士を接合
した。この先行鋼片、後行鋼片はいずれも極低炭素鋼で
あり、鋼片サイズは厚み30mm、幅1000mm、長さ6000mmで
ある。かかる先行鋼片と後行鋼片との間に微小ギャップ
(5mm)を形成した状態で両鋼片を対向させ、かつ、先
行鋼片と後行鋼片の両幅端部に、導電体として銅板を微
小ギャップ:5mmをあけて近接配置し、図示したような
誘導加熱用コイルに交流を通電して両鋼片を垂直方向に
貫通する交番磁界を印加して加熱を行った。この加熱前
の鋼片温度は1000℃、先行鋼片及び後行鋼片に差し渡し
た銅板のサイズは、厚み30mm、幅200 mm、長さ600 mmで
あり、誘導加熱用コイルの鉄心の寸法は、鋼片と平行な
断面寸法で長さ240 mm、幅1000mmである。鋼片の鉄心と
の距離は、上側が90mm、下側が90mm、交番磁界の周波数
は1000Hz、投入電力は980 kWとした。このような誘導加
熱を10秒間行った後、先行鋼片と後行鋼片とをクランプ
により押圧力50tにて互いに向けて押圧を加えて接合を
完了させた。一方、比較例として、銅板を両鋼片の側方
に配設しなかったこと以外は上記実施例と同一条件で鋼
片の接合を行った。
【0026】これら実施例及び比較例について、接合し
ようとする端部近傍における昇温速度を測定し、幅方向
中央部を1としたときの幅方向端部近傍の昇温速度比を
図9に示す。この温度測定は、鋼片の長手方向端から2
mmの位置にK型シース温度計を埋設して行ったものであ
る。同図から明らかなように、この発明に従い、導電体
を鋼片側方に近接配置した実施例は、幅方向端部の昇温
速度が中央部の昇温速度に近づいた。これは、誘導加熱
用コイルの鉄心の直上直下に発生する誘導電流が、接合
端部における幅方向端部にまで流れるためであり、かく
して、この接合端部における幅方向端部が、接合後に十
分な強度を持つように接合するに足る温度まで昇温する
ことができ、また、接合端部における幅方向端部が十分
に軟化した。その結果、幅方向端部を含めた全幅にわた
って接合することが可能となり、その後に圧延に供した
ところ、当該接合部から亀裂が進展して破断に至ること
がなくなり、良好な通板が確保できた。
【0027】実施例2 図4に示したように、先行鋼片の両側方、後行鋼片の両
側方に、それぞれ別個の銅板を近接配置した。銅板のサ
イズは、いずれも厚み30mm、幅200 mm、長さ300 mm、鋼
片と銅板とのギャップは全て5mmであった。その他の接
合条件については、先行鋼片、後行鋼片の鋼種、サイ
ズ、誘導加熱用コイルのサイズ、投入電力及びその周波
数等、全て実施例1と同一とした。加熱中の鋼片接合端
部近傍における昇温速度を測定し、幅方向中央部に対す
る幅方向端部の昇温速度比を調べたところ、実施例1と
同じ結果が得られた。また、接合部は幅方向端部を含め
た全幅にわたって接合しており、その後の圧延によって
も、亀裂の発生、進展がなく、良好な通板が可能であっ
た。
【0028】実施例3 図5に示したように、先行鋼片と後行鋼片とで幅が相異
なる場合について接合を行った。先行鋼片の幅は、1150
mm、後行鋼片の幅は1000mmであった。導電体としてこれ
ら先行鋼片の両側方、後行鋼片の両側方のそれぞれに別
個の銅板を近接配置した。銅板のサイズは、いずれも厚
み30mm、幅200 mm、長さ300 mm、鋼片と銅板とのギャッ
プは全て5mmであった。その他の接合条件すなわち、先
行鋼片、後行鋼片の鋼種、誘導加熱用コイルのサイズ、
投入電力及びその周波数は、全て実施例1と同一とし
た。
【0029】加熱中の後行鋼片の接合端部近傍における
昇温速度を測定し、幅方向中央部に対する幅方向端部の
昇温速度比を調べたところ、実施例1と同一であり、幅
方向端部の昇温速度が中央部の昇温速度に近づいてい
た。かくして、この後行鋼片の接合端部における幅方向
端部が、接合後に十分な強度を持つように接合するに足
る温度まで昇温することができ、また、コーナー部分が
十分に軟化した。その結果、狭幅の後行鋼片は、幅方向
端部を含めた全幅にわたって接合することが可能とな
り、その後に圧延に供したところ、当該接合部から亀裂
が進展して破断に至ることがなくなり、良好な通板が確
保できた。
【0030】実施例4 この実施例では、誘導加熱用コイルの対向する一対の磁
極が導電体に重なり合う配置になる例を示す。先行鋼
片、後行鋼片として、幅が共に1900mmの鋼片の接合を行
った。この場合に、図7に示すように概略C形になる鉄
心を有する誘導加熱用コイル(鋼片に平行な断面サイ
ズ:長さ1000mm,幅240 mm)を鋼片幅方向に二組を用い
て加熱を行った。先行鋼片、後行鋼片の鋼種は極低炭素
鋼、加熱前の温度は900 ℃であり、この先行鋼片の後端
部と後行鋼片の先端部を差し渡すように該鋼片の両側方
に導電体を近接配置した。この導電体は銅製であり、サ
イズは、厚み30mm、幅200 mm、長さ600 mmであった。ま
た、交番磁界の周波数は1000Hz、投入電力は1860kWとし
た。このような誘導加熱を10秒間行った。その後、先行
鋼片と後行鋼片とをクランプにより押圧力95tにて互い
に向けて押圧を加えて接合を完了させた。
【0031】加熱中の後行鋼片の接合端部近傍における
昇温速度を測定し、幅方向中央部に対する幅方向端部の
昇温速度比を調べたところ、実施例1よりもさらに幅方
向端部の昇温速度が中央部の昇温速度に近づいていた。
かくして、この後行鋼片の接合端部における幅方向端部
が、接合後に十分な強度を持つように接合するに足る温
度まで昇温することができ、また、コーナー部分が十分
に軟化した。その結果、狭幅の後行鋼片は、幅方向端部
を含めた全幅にわたって接合することが可能となり、そ
の後に圧延に供したところ、当該接合部から亀裂が進展
して破断に至ることがなくなり、良好な通板が確保でき
た。
【0032】実施例5 この実施例は、導電体に、誘導電流と同相の電流を外部
から流す例を示す。図6に示したように、先行鋼片、後
行鋼片として、幅が共に800 mmの鋼片の接合を行った。
この加熱の際、概略C型になる鉄心を有する誘導加熱用
コイル(鋼片に平行な断面サイズ:長さ1000mm,幅240
mm)を用い、導電体である銅板と誘導加熱用コイルの一
対の磁極が重なり合うような配置とした。先行鋼片、後
行鋼片の鋼種はSUS 304 、加熱前の温度は900 ℃であ
り、この先行鋼片の後端部と後行く鋼片の先端部を差し
渡すように該鋼片の両側方に導電体を近接配置した。こ
の導電体のサイズは、厚み30mm、幅200 mm、長さ600 mm
であった。また、交番磁界の周波数は、500 Hz〜10 kHz
の間の種々の周波数として、500 Hz、1kHz及び10kHz を
用い、投入電力は780 kWとした。このような誘導加熱を
10秒間行った。その後、先行鋼片と後行鋼片とをクラン
プにより押圧力40tにて互いに向けて押圧を加えて接合
を完了させた。
【0033】各周波数における加熱中の後行鋼片の接合
端部近傍における昇温速度を測定し、その平均値として
幅方向中央部に対する幅方向端部の昇温速度比を調べた
ところ、実施例1よりもさらに幅方向端部の昇温速度が
中央部の昇温速度に近づいていた。かくして、この後行
鋼片の接合端部における幅方向端部が、接合後に十分な
強度を持つように接合するに足る温度まで昇温すること
ができ、また、コーナー部分が十分に軟化した。その結
果、狭幅の後行鋼片は、幅方向端部を含めた全幅にわた
って接合することが可能となり、その後に圧延に供した
ところ、当該接合部から亀裂が進展して破断に至ること
がなくなり、良好な通板が確保できた。
【0034】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、誘導加熱用
コイルから鋼片厚み方向に貫く交番磁界を印加すること
により鋼片を誘導加熱し、この加熱工程と押圧工程とを
組み合わせて鋼片同士を接合するに当たり、接合しよう
とする先行鋼片の後端部、後行鋼片の先端部のうち少な
くとも一方、好ましくは両方の両側方に、導電体を小ギ
ャップを開けて近接配置することにより、該鋼片端部の
幅方向にわたって均一な昇温加熱が可能となり、全幅に
わたって十分な接合強度で接合することが可能となっ
て、圧延による破断トラブルが解消した。
【0035】また、かかる誘導加熱用コイルが導電体に
重なり合うような配置にすることにより、導電体に直接
的に磁束が貫くため、導電体に誘導電流を確実かつ安定
して生じさせることができ、さらなる安定した加熱が可
能となる。
【0036】さらに、かかる導電体に生ずる誘導電流と
同相の交流を外部電源からかかる導電体に流すことによ
り、誘導電流に重畳した電流が導電体に流れることか
ら、さらなる均一加熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う鋼片接合方法の一例を説明する
模式図である。
【図2】従来の鋼片接合方法を説明する模式図である。
【図3】従来の鋼片接合方法によって接合された鋼片に
おける、圧延による亀裂の進展を説明する図である。
【図4】この発明に従う鋼片接合方法の他の例を説明す
る模式図である。
【図5】幅が異なる鋼片を接合する場合について、この
発明に従う鋼片接合方法の他の例を説明する模式図であ
る。
【図6】この発明に従う鋼片接合方法の他の例を説明す
る、先行鋼片の後端部及び後行鋼片の先端部の突き合わ
せ領域の要部を示す図である。
【図7】この発明に従う鋼片接合方法の他の例を説明す
る、先行鋼片の後端部及び後行鋼片の先端部の突き合わ
せ領域の要部を示す図である。
【図8】この発明に従う鋼片接合方法の他の例を説明す
る、先行鋼片の後端部及び後行鋼片の先端部の突き合わ
せ領域の要部を示す図である。
【図9】幅方向中央部に対する幅方向端部の昇温速度比
を、実施例及び比較例で示すグラフである。
【符号の説明】
1a 〜1g 先行鋼片 2a 〜2g 後行鋼片 3a ,3b クランプ 4a ,4b クランプ 5 誘導加熱用コイル 6a 〜6g 導電体 7 導線 8 電源 9 外部電源 10 誘導加熱用コイル
フロントページの続き (72)発明者 平林 毅 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田村 望 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 博右 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 磯山 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 天笠 敏明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 林 寛治 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 森本 和夫 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 坂本 秀夫 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延設備の入側にて、先行して搬送
    する鋼片の後端とこの鋼片に引き続いて搬送する鋼片の
    先端とを間隙を隔てて対向させ、この対向させた鋼片の
    後・先端部を厚み方向に挟んで配置する少なくとも1対
    の誘導加熱用コイルから鋼片を貫く交番磁界をかけるこ
    とにより生ずる誘導電流によって前記鋼片の後・先端部
    を加熱し、互いに向けて押圧して接合する方法におい
    て、 加熱の際、上記対向させた鋼片の後・先端部の少なくと
    も一方の両側方に、導電体を該鋼片と間隙を隔てて配置
    することを特徴とする熱間圧延における鋼片の接合方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、対向させ
    た鋼片の後端部及び先端部にまたがらせた導電体を配置
    することを特徴とする熱間圧延における鋼片の接合方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の方法において、加
    熱の際、誘導加熱用コイルが、導電体に重なり合う配置
    になることを特徴とする熱間圧延における鋼片の接合方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の方法において、導
    電体に、誘導電流とほぼ同相の電流を外部から流すこと
    を特徴とする熱間圧延における鋼片の接合方法。
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