JPH0729890B2 - 農園芸用植物病害防除液 - Google Patents
農園芸用植物病害防除液Info
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- JPH0729890B2 JPH0729890B2 JP3675291A JP3675291A JPH0729890B2 JP H0729890 B2 JPH0729890 B2 JP H0729890B2 JP 3675291 A JP3675291 A JP 3675291A JP 3675291 A JP3675291 A JP 3675291A JP H0729890 B2 JPH0729890 B2 JP H0729890B2
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Description
破壊せず、農園芸用植物に対し病害菌の増殖を抑制する
植物病害防除液を提供するものである。
させるものとして、銅、硫黄、有機塩素等を主成分とす
る殺菌剤が知られている。しかし近年の連作に伴い植物
病害が多発する傾向にあり、殺菌剤の使用頻度が増加し
ている。これらの殺菌剤は一般に速効性が高く、その効
果も強い反面、使用頻度の増加に伴って土壌の生態系の
破壊や植物生育の鈍化、そして植物や人畜に対する薬害
等の悪い影響を与える。
決した植物病害防除効果を有する薬剤の開発が望まれ、
この中にキトサン有機酸塩を利用した例が発表されてい
る。
であるフザリウム菌の抑制剤とすること、特開昭53-590
27号で抗ウィルス剤とすることが開示されている。しか
し、キトサン有機酸塩のみを有効成分とするものでは、
植物病害防除効果が高くないので、これを多量に使用し
なければならない。
の混合が考えられ、特開昭59-46208号にリファンピシン
との混合で抗菌剤とすること、特開昭59-46223号にスル
ホンアミド類との混合で抗菌剤とすること、特開平1-23
9077号にエチレンジアミンテトラ酢酸との混合で抗菌剤
とすること、及び特開平2-49704 号にメチオニンとの混
合で植物生育促進剤とすることが開示されている。
て、キトサン有機酸塩に他の有効成分を添加混合したも
のは、抗菌スペクトルが若干広がる程度の効果はあるも
のの、殺菌剤に匹敵する植物病害防除効果が確認された
例はなく、当初の目的を満足できるものではない。キト
サン有機酸塩とアルキルフェノキシポリアルキレンオキ
シアルコールは共に水に良く溶解する性能があり、これ
ら両成分を配合した水溶液に関する本発明は、生態系を
破壊することなく、殺菌剤に匹敵する植物病害防除効果
を有し、従来の欠点を解決する新規な農園芸用植物病害
防除液を提供するものである。
酸塩及びアルキルフェノキシポリアルキレンオキシアル
コールを水に溶解したことを特徴とする農園芸用植物病
害防除液に関する。
脱アセチル化度70% 以上、平均分子量1,200 〜15,000の
キトサンに、等モル量或いはそれ以上の量の有機酸を反
応させたものが用いられる。有機酸としては、例えば、
酢酸、乳酸、リンゴ酸、ギ酸等を挙げることができる
が、特に酢酸を用いた酢酸塩が好ましい。
ルキレンオキシアルコールの役割は、キトサン有機酸塩
の植物病害防除効果を相乗的に高めるところにある。こ
こで用いられるアルキルフェノキシポリアルキレンオキ
シアルコールとしては、アルキル基部分の炭素数が4〜
12のもので、アルキレン基部分の炭素数が1ないし2の
ものの単独ないし混合物が挙げられるが、中でもパラ−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ
ポリエトキシエタノールを用いることが好ましい。
ン有機酸塩とアルキルフェノキシポリアルキレンオキシ
アルコールを水に溶解したものであるが、この時のキト
サン有機酸塩とアルキルフェノキシポリアルキレンオキ
シアルコールのそれぞれの濃度は、500 倍以上に希釈し
ても十分な植物病害防除効果を得られるように、原液と
してキトサン有機酸塩の濃度を8%以上の水溶液、アル
キルフェノキシポリアルキレンオキシアルコールの濃度
を0.1 %以上の水溶液とすることが好ましいが、アルキ
ルフェノキシポリアルキレンオキシアルコールの濃度が
1%以上の水溶液になると根の生長が抑制されることか
らアルキルフェノキシポリアルキレンオキシアルコール
の濃度は、0.1 〜1 %の水溶液とすることが好ましい。
希釈して使用するものである。
ルフェノキシポリアルキレンオキシアルコールからなる
水溶液であるが、必要に応じて、例えばチッソ成分やリ
ン酸成分、カリ成分、キレート成分、ビタミン成分、ア
ミノ酸成分、植物生長調節成分、展着剤等を添加しても
良い。
剤に匹敵する程度の植物病害防除効果があり、しかも薬
害による植物生長の抑制を最小限に抑えることができ
る。又、土壌中への残留もなく、比較的速やかに生分解
される為、生態系の破壊もない。
明はこの範囲に限定されるものではない。
と酢酸30g を水1,870gに溶解反応させ、6.5%のキトサン
酢酸塩水溶液2,000gを得た。次に該キトサン酢酸塩水溶
液を4kg/cm2 の加圧空気と共に、20.0ml/min の流
速で175 〜180℃の高温雰囲気中に吐出し噴霧乾燥さ
せ、サイクロンコレクターにキトサン酢酸塩の乾燥粉末
121gを得た。ここで得たキトサン酢酸塩の乾燥粉末と、
パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェ
ノキシポリエトキシエタノールとを、下記の試験例に示
す配合比になるように、キトサン酢酸塩を0,2,4,8,16g,
パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェ
ノキシポリエトキシエタノールを0,0.001,0.01,0.1,1,1
0gの範囲で添加し、夫々の全量が100gとなるように水を
加え、完全に溶解させた各試料を調製した。これらのも
のは淡肌色から褐色を呈した粘性のない、或いは、やや
粘性のある液状を有するものであった。次にここで調製
した試料の夫々について以下の試験を実施した。
培地を調製し、培地中央に以下に示す病害菌を夫々一白
金耳接種した。これを25℃にて5日間培養した後の菌叢
直径を測定した。その結果を表1,表2,表3に示す。
um):つる割れ病害菌(IFO No.9966) 表2: ボトリチス・シネリア(Botrytis cinerea):灰色
かび病害菌(IFO No.31386) 表3:ドレチスレラ・ソロキニアーナ(Drechslera soro
kiniana): 斑点病害菌(IFO No.9795)
パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェ
ノキシポリエトキシエタノールとの両成分の配合水溶液
は、これらの単独成分と比較して相加的な効果にとどま
らず、相乗的な効果があることは明らかである。また特
に抗菌効果が認められる範囲は、原液濃度でキトサン酢
酸塩が8%以上の水溶液、パラ−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−フェノキシポリエトキシエタノー
ルが0.1%以上の水溶液であることが明らかで、500 倍に
水で希釈しても抗菌効果が認められる。
漬し、この不織布の表面にきゅうり種子(品種名:近成
山東)を4粒置き、14日間栽培した後の茎及び根の長さ
を測定し生長度を比較した。その結果について、茎の長
さを表4に、根の長さを表5に夫々示す。
とパラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フ
ェノキシポリエトキシエタノールとの両成分の配合水溶
液は、植物体に対する生長の抑制が大きくなく、特に、
原液濃度でパラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−フェノキシポリエトキシエタノールの添加量が1
%以下の水溶液であれば500 倍に水で希釈した場合にお
いて、植物体の生長抑制が極めて低いことが明らかであ
る。
と酢酸15g を水935gに溶解し、6.5%のキトサン酢酸塩水
溶液1,000gを得た。次に該キトサン酢酸塩水溶液を4kg
/cm2 の加圧空気と共に、20.0ml/min の流速で175 〜
180 ℃の高温雰囲気中に吐出し噴霧乾燥させ、サイクロ
ンコレクターにキトサン酢酸塩の乾燥粉末60g を得た。
ここで得たキトサン酢酸塩の乾燥粉末6.5gと、パラ−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ
ポリエトキシエタノール0.07g とを、水43.43gに溶解し
て、キトサン酢酸塩とパラ−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)−フェノキシポリエトキシエタノールの
水溶液50g を調製した(試料1)。このものは褐色でや
や粘性のある液状を有するものであった。又、本発明の
効果を明らかにするために、試料1と同様の操作でパラ
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキ
シポリエトキシエタノール水溶液の代わりに水を加えた
もの、即ちキトサン酢酸塩の単独水溶液(試料2)、試
料1と同様の操作で、キトサン酢酸塩の代わりに水を加
えたもの、即ちパラ−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−フェノキシポリエトキシエタノールの単独水
溶液(試料3)についても調製した。更に、既存の殺菌
剤として40% テトラクロロイソフタロニトリル(武田薬
品工業(株)製、商品名「ダコニール」)(試料4)を
用いて以下の試験を実施した。
ては1,000 倍に水で希釈したクザペック(Czapek)寒天培
地を調製し、培地中央に以下に示す病害菌を夫々一白金
耳接種した。これを25℃にて5日間培養した後の菌叢直
径を測定した。また試料を添加しない無添加区も同時に
行った。その結果を表6に示す。
る割れ病害菌(IFO No.9966) ボトリチス・シネリア(Botrytis cinerea):灰色かび病
害菌(IFO No.31386) ドレチスレラ・ソロキニアーナ(Drechslera sorokinian
a): 斑点病害菌(IFO No.9795)
無添加区や試料2の500 倍希釈培地、試料3の500 倍希
釈培地と比較して菌叢直径が小さく、また試料2の500
倍希釈培地と試料3の500 倍希釈培地の相加的な効果に
とどまらず、相乗的な効果があり、しかも既存の殺菌剤
である試料4の1,000 倍希釈培地と同等ないしそれ以上
の植物病害防除効果があることが明らかである。 試験例4 25℃に保たれた室内で不織布に栽培したきゅうり幼苗
(品種名:近成山東播種後14日のもの)に、試料1,試
料2,試料3の水500 倍希釈溶液と、試料4の水1,000
倍希釈溶液とを、1苗ごとに夫々5mlずつ不織布上に噴
霧した後、以下に示す病害菌の胞子懸濁液を1苗ごとに
夫々1mlずつ接種させた。その後、10日間栽培した後、
発病状態を観察した。また同時に胞子懸濁液のみ接種し
た無処理区も同時に行った。なお各試料の試験数は7苗
とし、発病した苗の割合から無処理区との比率を算出し
た。その結果を表7に示す。
る割れ病害菌(IFO No.9966 83個/ml) ボトリチス・シネリア(Botrytis cinerea):灰色かび病
害菌(IFO No.31386 63個/ml) エルビニア・キャロットボーラ(Erwinia carotovora):
軟腐病害菌(IFO No.3830247個/ml))
無処理区や試料2の500 倍希釈溶液、試料3の500 倍希
釈溶液と比較して発病率が低く、また試料2の500 倍希
釈溶液と試料3の500 倍希釈溶液の相加的な効果にとど
まらず、相乗的な効果があり、しかも既存の殺菌剤であ
る試料4の1,000 倍希釈溶液と同等ないしそれ以上の植
物病害防除効果があることが明らかである。
水1,000 倍希釈溶液に夫々不織布を浸漬し、この不織布
の表面にきゅうり種子(品種名:近成山東)を4粒置
き、14日間栽培した後の茎及び根の長さを測定し生長度
を比較した。また水に浸漬した不織布による無添加区も
同時に行った。その結果の平均値を表8に示す。
は、既存の殺菌剤である試料4の1,000 倍希釈溶液に見
られるような生長度の低下がなく、薬害の低い事が明ら
かである。
は、キトサン有機塩酸とアルキルフェノ キシポリアルキ
レンオキシアルコールとの相乗効果により、500 倍以上
の希釈溶液としても、従来の殺菌剤と同等の植物病害防
除効果を有し、その効果は生態系を破壊せずに、むしろ
利用した形で行われるため、安全性に優れ、植物生長に
与える影響も極めて低いものであることから、農園芸用
植物を栽培するのに適した効果を発揮する。
Claims (1)
- 【請求項1】 キトサン有機酸塩及びアルキルフェノキ
シポリアルキレンオキシアルコールを水に溶解したこと
を特徴とする農園芸用植物病害防除液
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3675291A JPH0729890B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 農園芸用植物病害防除液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3675291A JPH0729890B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 農園芸用植物病害防除液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04253901A JPH04253901A (ja) | 1992-09-09 |
JPH0729890B2 true JPH0729890B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12478471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3675291A Expired - Fee Related JPH0729890B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 農園芸用植物病害防除液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729890B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-06 JP JP3675291A patent/JPH0729890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04253901A (ja) | 1992-09-09 |
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