JPH07298697A - 電動機の電気的定数のオートチューニング方法 - Google Patents

電動機の電気的定数のオートチューニング方法

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JPH07298697A
JPH07298697A JP8080594A JP8080594A JPH07298697A JP H07298697 A JPH07298697 A JP H07298697A JP 8080594 A JP8080594 A JP 8080594A JP 8080594 A JP8080594 A JP 8080594A JP H07298697 A JPH07298697 A JP H07298697A
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tuning
electric
torque
current
stator
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JP8080594A
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English (en)
Inventor
Ichiro Miki
一郎 三木
Masahiko Akiyama
雅彦 秋山
Tetsuo Yamada
哲夫 山田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 IMのすべての電気的定数を精度良くチュー
ニングできるようにしたものである。 【構成】 ベクトル制御系オートチューニング法におい
て、チューニングする制御ゲインは次式のようになる。
スリップゲインKs*=Rr/Lr:(Rrは回転子抵抗、
rは回転子インダクタンス)、トルクゲインKt*=L
r/M2:(Mは相互インダクタンス)。ステップS1で
はRs*,Ks*(0)(初期スリップゲイン)のチュー
ニングを行い、その後、ステップS2でKs*のチュー
ニングを行う。このチューニングが正確であればステッ
プS3からステップS4の処理を行う。ステップS4は
Lσ*,Ls*,Kt*のチューニングを行う。ステップ
S3でチューニングが不正確ならば処理はステップS2
に戻る。ステップS4の処理でKt*をチューニングし
たなら、ステップS5に進み、すべてのIMの電気的定
数の同定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は誘導電動機ベクトル制
御系における電動機の電気的定数のオートチューニング
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機ベクトル制御では、誘導電動
機(以下IMと称す)の電気的定数(一次抵抗、二次抵
抗、励磁インダクタンス、漏れインダクタンス)に基づ
いて制御ゲインを設定することが行われている。IMの
電気的定数を同定するためには、JEC37に基づいた
方式(この方式はインバータを用いて拘束試験、無負荷
試験を実行し、電気的定数を同定するものである。)
は、既にいくつか報告されている。(例えば、「速度セ
ンサレス制御用電動機定数の自動測定」、平成4年電気
学会全国大会No.619)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、JEC37に
よるIMの電気的定数の同定方法は手間がかかる欠点が
ある。また、拘束試験(又は、単相ロック試験)では、
同定できるのは静止状態のIMの電気的定数であり、運
転状態における定数は把握できないとともに、拘束試験
では、印加電圧も小さくなり、正確な定数を測定するこ
とは困難となる。このような背景から、拘束試験を用い
ないでIMの電気的定数を測定する方式が要求されてい
る。さらに、IMの設計定数は既知の場合もあるが、加
工精度のばらつきもあり不正確である。
【0004】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、実際にIMが運転されているベクトル制御の回転
座標系において、二次磁束の過渡応答を用いてIMのす
べての電気的定数を精度良くチューニングできるように
した電動機の電気的定数のオートチューニング方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】この発明は、
上記の目的を達成するために、第1発明はインバータ装
置により誘導電動機をベクトル制御するシステムにおい
て、励磁分電流とトルク分電流のステップ指令に対する
誘導電動機の端子電圧を測定し、この測定値をチューニ
ングして電気的定数を算出することを特徴とするもので
ある。
【0006】第2発明は測定値をチューニングする手段
が、固定子抵抗指令値と初期スリップゲイン指令値のチ
ューニングを行った後、次にスリップゲインのチューニ
ングを行い、そのチューニングが不正確なら正確になる
まで行ってから、漏れインダクタンス、固定子インダク
タンスおよびトルクゲインの各指令値のチューニングを
行ってすべての誘導電動機の電気的定数を同定する工程
からなるものである。
【0007】第3発明はトルク分電流を零とし、励磁分
電流をステップ状に流し、そのときの固定子d軸分電圧
dsを測定して初期スリップゲインと固定子抵抗指令値
を算出することを特徴とするものである。
【0008】第4発明は励磁分電流を流している状態
で、ステップ状のトルク分電流を流し、トルク分電流を
零に急変した後、固定子d軸分電圧Vdsを測定して、ス
リップゲイン指令値を算出することを特徴とするもので
ある。
【0009】第5発明はスリップゲイン指令値算出工程
を数回繰り返し行ったことを特徴とするものである。
【0010】第6発明はスリップゲイン指令値を算出し
た後、ステップ状のトルク分電流を流し、そのときの電
気角速度qωrと固定子d軸分電圧Vdsの関係より漏れ
インダクタンスLσ*と固定子、回転子インダクタンス
s*,Lr*を算出することを特徴とするものである。
【0011】第7発明はトルクゲインKt*、回転子抵
抗Rr*および相互インダクタンスM*を次式により算
出したことを特徴とする。
【0012】Kt*=1/(Ls*−Lσ*) Rr*=Ks*・Lr* M*=√(Lr*/Kt*)
【0013】
【実施例】以下この発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの発明の一実施例であるベクトル制御
系オートチューニングシステム構成図で、図1におい
て、11はIM、12はPWMインバータ装置、13は
タコジェネレータからなる回転数検出器である。14は
偏差検出器で、この偏差検出器14はIM11の回転数
指令値ωr*と、回転数検出器13が検出した回転数実
測値ωrとの偏差出力を得るものである。偏差検出器1
4で得られた偏差出力はPI制御器15に入力され、そ
の出力にはトルク指令値が得られる。このトルク指令値
はトルク電流演算部16で演算され、その演算値は除算
器17で励磁分電流指令値Ids*で除算されてトルク分
電流指令値Iqs*として電流制御部18に入力される。
電流制御部18には励磁分電流指令値Ids*が入力され
る。19はトルク分電流指令値を励磁分電流指令値で除
算する除算器で、この除算器19の出力はスリップゲイ
ンKs*(二次時定数の逆数)演算部20に入力され
る。スリップゲインKs*演算部20の出力には滑り角
周波数ωs*を送出する。この滑り角周波数は加算部2
1の一方の入力に供給され、加算部21の他方の入力に
は乗算部22の出力が供給される。乗算部22は極対数
qと回転数実測値ωrとを乗算するものである。加算部
21の加算出力は積分部23に与えられ、積分部23の
出力には二次磁束の角度θが得られる。この角度θは電
流制御部18とd,q軸回転座標変換部24に供給され
る。回転座標変換部24にはPWMインバータ12の出
力電流が供給され、前記角度θによって出力にトルク分
電流と励磁分電流IqsとIdsを得る。両電流は電流制御
部18に供給される。
【0014】25はPWMインバータ12の出力電圧が
供給されるd,q軸回転座標変換部で、この回転座標変
換部25の出力はローパスフィルタ26を通してオート
チューニングシステム27に入力される。このオートチ
ューニングシステム27により出力に電気的定数である
スリップゲインKs、トルクゲインKt,固定子抵抗
s、回転子抵抗Rr、固定子インダクタンスLs、回転
子インダクタンスLr、相互インダクタンスMを得る。
【0015】次に、上記実施例のオートチューニングシ
ステム27によりIMの電気的定数を得る作用について
述べる。オートチューニングは回転座標系(dq座標
系)上において実行される。図1において、外側の制御
ループは、それより内側の制御ループの影響を受けるの
で、内側の制御ループから順にチューニングを行う。図
2はモータドライブのオートチューニングの手順を示す
フローチャートで、内側のステップS1から順に外側の
ステップS4の処理を行うことを示している。この実施
例はステップS3のベクトル制御系チューニングの処理
を行うものである。
【0016】図3は、ベクトル制御系オートチューニン
グに用いるチューニング信号である。
【0017】これらの信号を指令したときに二次磁束変
動により生じるIMの端子電圧応答を測定してオートチ
ューニングを行う。一般に二次時定数は1ms〜1sで
あり、図3のA期間、C(C1あるいはC2)期間はそ
れよりも十分長い2sとする。B(B1あるいはB2)
期間は、それぞれ次の(1)及び(2)式を満足する期
間とする。
【0018】 qωr+ωs*≦0.5ω0 ……(1) qωr+ωs*≧−0.5ω0 ……(2) 但し、qは極対数、ωrは回転子速度、ωs*は滑り周波
数の設定値 ω0は電源角周波数 (1)および(2)式は、オートチューニング時におい
て、スリップゲインKs*の設定ミスに伴う磁束レベル
の上昇により生じる電源容量の不足を避けるためのもの
である。
【0019】ベクトル制御系オートチューニング法の基
本式であるIMの回転座標系における電圧電流方程式を
(3)式として示す。
【0020】
【数1】
【0021】図4はベクトル制御系オートチューニング
法のフローチャートで、図4において、チューニングす
る制御ゲインを示すと次式のようになる。
【0022】 スリップゲイン Ks*=Rr/Lr ………(5) トルクゲイン Kt*=Lr/M2 ………(6) ステップS1では上記(5)、(6)式のRs*,Ks
(0)(初期スリップゲイン)のチューニングを行い、
その後、ステップS2でKs*のチューニングを行う。
このチューニングが正確であればステップS3からステ
ップS4の処理を行う。ステップS4はLσ*,L
s*,Kt*のチューニングを行うものである。
【0023】ステップS3でチューニングが不正確なら
ば処理はステップS2に戻る。ステップS4の処理でK
t*をチューニングしたなら、ステップS5に進み、す
べてのIMの電気的定数の同定を行う。これによりIM
の電気的定数のすべてを同定することができる。このチ
ューニング法は電流制御系チューニングが終了している
ことを仮定し、電流整定後に行う、すなわち、Ids=I
ds*,Iqs=Iqs*,PIds*=0,PIqs*=0が成立
する。
【0024】次にStep1としてRs*,Ks*(0)
(初期スリップゲイン)のチューニングについて述べ
る。Rs*,Ks*(0)のチューニングは、図3に示し
たA期間において行う。Rs*は二次磁束が定常状態の
とき、また、Ks*(0)は二次磁束が過渡状態のときの
IMにおける端子電圧応答を測定することによりチュー
ニングする。
【0025】A期間において、Iqs*=0、ω0=qωr
+ωs*=0であるから(3)式より次式が成り立つ。
【0026】
【数2】
【0027】A期間終了直前(t=tB1-)において、
二次磁束は定常状態(Pφdr=0)で次式となる。な
お、Vdsは固定子d軸分電圧である。
【0028】Vds(tB1-)=Rsds* ……(8) (a)Rs*のチューニング A期間終了時直前(tB1-)のVdsを何点かサンプルし
て、その平均を取る。したがって、(8)式より、Rs
のチューニング値Rs*は次式で求めることができる。
【0029】
【数3】
【0030】(b)Ks*(0)のチューニング A期間開始直後(電流整定後)にVdsをいくつかサンプ
ルし、それぞれについて次式に示すΔVdsを計算する。
【0031】
【数4】
【0032】ここで、A期間はIqs*=0、ωs*=0で
あるので、この条件を(3)式の第3行目に代入する
と、二次磁束φdsは次式となる。
【0033】
【数5】
【0034】(11)式を(10)式に代入すると、
(12)式のようになる。
【0035】
【数6】
【0036】次に(12)式の対数をとると、(13)
式のようになる。
【0037】
【数7】
【0038】(13)式において最小二乗法を用い、そ
の傾きRr/LrをKs*(0)とする。
【0039】A期間におけるIMの端子電圧応答を図5
に示す。しかし、Ks*(0)は精度良く検出することは
難しい。そこでKs*を正確にチューニングするため
に、次のStep2を行う。
【0040】Step2:Ks*のチューニング ここでは、Ks*のチューニングを速く行うために、S
tep1で求めた平均値Vds(tB1-)とKs*(0)を
用いる。この方法はスリップゲインKs*の設定ミスに
よる二次磁束の過渡現象から生じるIMの端子電圧応答
に着目する。
【0041】C(C1あるいはC2)期間の電圧電流方
程式は、この期間においてIqs*=0、ω0=qωr(ωs
*=0)であるから、(3)式より次式となる。
【0042】
【数8】
【0043】ここで、Vds_errを次式で定義する。
【0044】
【数9】
【0045】Ks*が正しい値のとき、pφdr=0、φqr
=0(二次磁束は定常状態でd軸に一致)より、Vds_
err=0となる。したがって、Vds_err→0とすることに
よりKs*を正確にチューニングできることになる。
【0046】(a)C(C1あるいはC2)期間のKs
*/KsとVds_errとの相関関係 まず、C期間における二次磁束ベクトルφdqr(以下二
次磁束は表示しないがベクトル値である)の挙動につい
て考察する。C期間直前tC-(t=tC1-,tC2-)の二
次磁束φdqr(tC-)は定常状態に近い状態なので
(3)式において微分演算子pをp=0として二次磁束
のd軸成分φdrとq軸成分φqrについてそれぞれ解き、
極座標表示すると、φdqr(t=C-)は次式となる。
【0047】
【数10】
【0048】また、C期間の終了時tB-(t=B2-,t
B1-)には、二次磁束は理想状態(二次磁束がd軸に
一致)となり、Iqs*=0,ωs*=0という条件により
(3)式の第3および第4行より次式が得られる。
【0049】
【数11】
【0050】したがって、C期間において、二次磁束は
φdqr(tC-)からφdqr(tB-)となる。Ks*が正確
な値のとき、C期間直前tC-(t=tC1-,t=tC2-
の二次磁束φdqr(t=C-)は次式のような理想状態に
ある。
【0051】
【数12】
【0052】したがって、二次磁束φdqrは変化しない
(19式)。
【0053】
【数13】
【0054】Ks*がミス設定のとき、C期間において
二次磁束φdqrは変化する。
【0055】
【数14】
【0056】したがって、二次磁束の過渡現象が生じ、
C期間のおいて二次磁束の誤差分「φdqr(t=C-)−
φdqr(t=B-)」は、二次時定数の一次遅れで0に近づ
く。(16)および(17)式より、二次磁束の誤差分
は次式となる。
【0057】
【数15】
【0058】Ks*/Ksと二次磁束の誤差分Δφdr,Δ
φqrとの関係を図6に示す。図6において、C1期間直
前とC2期間直前において、Δφqrは大きさが等しく符
号が反対である。そして、C1期間では回転子速度ωr
はωr>0,C2期間ではωr<0となっている。C期間に
おいて、Ks*がミス設定のとき、二次磁束は二次時定
数の一次遅れで(17)式に示す二次磁束の理想状態に
なる。したがって、Δφdr>0のとき二次磁束のd軸成
分は、二次時定数の一次遅れで減少し、(17)式に示
す二次磁束の理想状態に近づき、pφdr<0となる。
(Δφdr<0のときはpφdr>0となる。)以上のことよ
り、(15)式のVds_errは表1に示すようにまとめら
れる。
【0059】
【表1】
【0060】表1よりKs*/Ks=1を境にしてVds_
errの符号が変わる。例としてこの表に対応するIMの
端子電圧応答を図7に示す。
【0061】(b)Ks*の修正法 図7よりIMの端子電圧値にはリプルがあり、またC期
間において時間が経過するとVds_errは0となる。した
がって、Vds_errのサンプルしたその瞬時値をKs*の
修正に用いるのには問題がある。この問題点を克服する
ため、C期間においてVds_errの積分を計算し、これを
s*の設定ミスの特徴量Fとして用いるとFは(2
2)式のようになる。
【0062】
【数16】
【0063】さらに、Ks*を次式で修正することにし
た。これはKs*を特徴量Fが0になる方向に修正するこ
とを示している(表1参照)。つまり、(23)式は、
F>0(Ks*/Ks>1)のときに0<N-F<1となり
s*を小さくする方向へ、また、F<0(Ks*/Ks
<1)のときに1<N-FとなりKs*を大きくする方向
へ修正する。
【0064】 Ks*[n]=N-Fs*[n−1] ……(23) 但し、N:修正ゲイン(N>1) (23)式を用いることにより、修正されたKs*は負
の値をもつことはない。(Ks*は二次時定数の逆数で
あるので、Ks*が負の値をもつことは不合理であ
る。) Step3 Lσ*,Ls*,Kt*のチューニング Step3では、B(B1あるいはB2)期間のIMの
端子電圧の測定値(時間領域)を電気角速度qωrと端
子電圧との関係(電気角速度領域)に直し、最小二乗法
でその傾きを求めることにより、Kt*をチューニング
する。Ks*が正しい値のとき、二次磁束は理想状態に
ある。したがって、pφdr=0,pφqr=0,φqr=0が
成り立ち、(3)式より、(24)、(25)式が得ら
れる。
【0065】
【数17】
【0066】(24)および(25)式において、右辺
第1項目かっこ内は定数、第2項目の−LσIqs*、L
sds*は電気角速度領域において、それぞれの傾きを
示す。ここで、時間と電圧の関係(時間領域)を図8
に、電気角速度qωrと電圧の関係(電気角速度領域)
を図9に示す。この図9に示す電気角速度領域におい
て、最小二乗法を用いてそれぞれの傾きの絶対値G(V
ds*)、G(Vqs*)を求めれば、次式のようになる。
なお、Vqsは固定子q軸分電圧である。
【0067】 G(Vds*)=Lσ*Iqs* ……(26) G(Vqs*)=Ls*Ids* ……(27) となり、これよりLσ,Lsのチューニング値Lσ*,
s*は次式により求めることができる。
【0068】
【数18】
【0069】以上の結果を用いて、トルクゲインKt
は(4)式より次式となる。
【0070】
【数19】
【0071】Step4IMのすべての電気的定数の同
定 すでに求めたLr*,Ls*,Kt*より、Rr,Mのチュ
ーニング値Rr*,M*を計算する。
【0072】
【数20】
【0073】この方法でStep1〜Step4によ
り、IMのすべての電気的定数を求めることができる。
【0074】次にシミュレーション結果を示すと、Ks
*/Ksと特徴量Fとの関係は図10のようになる。オ
ートチューニングの結果をしめすと、次のようになっ
た。Ks*の修正回数を20回としてシミュレーション
を行った。また、修正ゲインNはN=2.0とした。Ks
*のチューニング状態を図11、図12および表2に示
す。
【0075】
【表2】
【0076】初期スリップゲインKs*(0)が正確にチ
ューニングできているため、Ks*の修正量は図11に
示すように少ない。したがって、図12に示すように少
ない修正回数で二次磁束は理想状態になっていることが
分かる。表2に示すように、すべてのIMの電気的定数
を2%未満の精度でチューニングできている。
【0077】次に、初期スリップゲインKs*(0)のチ
ューニング精度が悪い場合を考える。
【0078】Ks*(0)が実際値の0.1倍(誤差率=−
90%)のときのオートチューニングの状態を図13、
図14および表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】図13より5回程度の修正回数でKs*良
好な精度でチューニングができている。また、少ない修
正回数のとき、Ks*は正確にチューニングされていな
いので、二次磁束の過渡応答が生じているが、修正回数
が増えるにつれて徐々に小さくなり、図14に示すよう
に理想状態に近づいている。表3が示すように、すべて
のIMの電気的定数を2%未満の精度でチューニングで
きている。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ベクトル制御を行う座標系において、二次磁束の過渡応
答に着目したので、ベクトル制御系の制御ゲイン、およ
びIMのすべての電気的定数を精度良くチューニングで
きる利点がある。特に、運転中のIMの電気的定数が測
定でき、しかも、拘束試験を用いないで、漏れインダク
タンスや二次定数が測定できるので、運転モードに近い
IM定数が測定できる。また、電動機を回転させて定数
を測定するため、印加電圧も高くできるので測定精度が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すベクトル制御系オー
トチューニングシステムのブロック図。
【図2】電動機駆動のオートチューニングの手順のフロ
ーチャート。
【図3】実施例の動作を述べるチューニング信号説明
図。
【図4】ベクトル制御系オートチューニングのフローチ
ャート。
【図5】図3のA期間におけるIMの端子電圧応答説明
図。
【図6】Ks*/Ksと二次磁束の誤差分との関係を示す
特性図。
【図7】図3のC期間におけるIMの端子電圧応答説明
図。
【図8】図3のB期間におけるIMの端子電圧応答(時
間領域)説明図。
【図9】図3のB期間におけるIMの端子電圧応答(電
気角速度領域)説明図。
【図10】Ks*/Ksと特徴量Fとの関係を示す特性図
【図11】Ks*のチューニング結果を示す特性図。
【図12】チューニング時の二次磁束応答を示す特性
図。
【図13】Ks*のチューニング結果を示す特性図。
【図14】チューニング時の二次磁束応答を示す特性
図。
【符号の説明】
11…誘導電動機 12…PWMインバータ装置 13…回転数検出器 18…電流制御部 20…スリップゲイン演算部 21…加算部 22…乗算部 23…積分部 24、25…回転座標変換部 27…オートチューニングシステム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ装置により誘導電動機をベク
    トル制御するシステムにおいて、励磁分電流とトルク分
    電流のステップ指令に対する誘導電動機の端子電圧を測
    定し、この測定値をチューニングして電気的定数を算出
    することを特徴とする電動機の電気的定数のオートチュ
    ーニング方法。
  2. 【請求項2】 前記測定値をチューニングする手段は、
    固定子抵抗指令値と初期スリップゲイン指令値のチュー
    ニングを行った後、次にスリップゲインのチューニング
    を行い、そのチューニングが不正確なら正確になるまで
    行ってから、漏れインダクタンス、固定子インダクタン
    スおよびトルクゲインの各指令値のチューニングを行っ
    てすべての誘導電動機の電気的定数を同定する工程から
    なる請求項1記載の電動機の電気的定数のオートチュー
    ニング方法。
  3. 【請求項3】 トルク分電流を零とし、励磁分電流をス
    テップ状に流し、そのときの固定子d軸分電圧Vdsを測
    定して初期スリップゲインと固定子抵抗指令値を算出す
    ることを特徴とする請求項2記載の電動機の電気的定数
    のオートチューニング方法。
  4. 【請求項4】 励磁分電流を流している状態で、ステッ
    プ状のトルク分電流を流し、トルク分電流を零に急変し
    た後、固定子d軸分電圧Vdsを測定して、スリップゲイ
    ン指令値を算出することを特徴とする請求項2記載の電
    動機の電気的定数のオートチューニング方法。
  5. 【請求項5】 スリップゲイン指令値算出工程を数回繰
    り返し行ったことを特徴とする請求項4記載の電動機の
    電気的定数のオートチューニング方法。
  6. 【請求項6】 スリップゲイン指令値を算出した後、ス
    テップ状のトルク分電流を流し、そのときの電気角速度
    qωrと固定子d軸分電圧Vdsの関係より漏れインダク
    タンスLσ*と固定子、回転子インダクタンスLs*,
    r*を算出することを特徴する請求項4、5記載の電
    動機の電気的定数のオートチューニング方法。
  7. 【請求項7】 トルクゲインKt*、回転子抵抗Rr*お
    よび相互インダクタンスM*を次式により算出したこと
    を特徴とする請求項6記載の電動機の電気的定数のオー
    トチューニング方法。 Kt*=1/(Ls*−Lσ*) Rr*=Ks*・Lr* M*=√(Lr*/Kt*)
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