JPH07297726A - 情報符号化方法及び装置、情報復号化方法及び装置、並びに情報記録媒体及び情報伝送方法 - Google Patents

情報符号化方法及び装置、情報復号化方法及び装置、並びに情報記録媒体及び情報伝送方法

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JPH07297726A
JPH07297726A JP6084787A JP8478794A JPH07297726A JP H07297726 A JPH07297726 A JP H07297726A JP 6084787 A JP6084787 A JP 6084787A JP 8478794 A JP8478794 A JP 8478794A JP H07297726 A JPH07297726 A JP H07297726A
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 所定のウインドウ関数を用いて入力信号を順
スペクトル変換する順スペクトル変換処理と、順スペク
トル変換処理による出力スペクトル信号を符号化する符
号化処理とからなり、順スペクトル変換時に使用する所
定のウインドウ関数は、ウインドウ関数の特性を表す曲
線の傾きが両端部で小なるものである。 【効果】 MDCTのように逆変換時に両隣の波形要素
と干渉させて波形信号を構成させるような変換を用いた
場合に、効率的な符号化を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる高能率符号化
によって入力ディジタルデータの符号化を行なう情報符
号化方法及び装置と、この符号化された情報を記録する
情報記録媒体又は符号化された情報を伝送する情報伝送
方法と、これら伝送又は記録された符号化情報を再生し
復号化して再生信号を得る情報復号化方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオ或いは音声等の信
号の高能率符号化の手法には種々あるが、例えば、時間
軸の信号を所定時間単位でブロック化してこのブロック
毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクト
ル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符
号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる
変換符号化や、時間軸上のオーディオ信号等をブロック
化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する非
ブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる帯域分割
符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)等を挙
げることができる。また、上述の帯域分割符号化と変換
符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法も考えられ
ており、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化で
帯域分割を行った後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の
信号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各
帯域毎に符号化が施される。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化において
用いられる帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF
などのフィルタがあり、このQMFのフィルタは、文献
「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・
サブバンズ」("Digital coding of speech in subband
s" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,No.8
1976) に述べられている。このQMFのフィルタは、
帯域を等バンド幅に2分割するものであり、当該フィル
タにおいては上記分割した帯域を後に合成する際にいわ
ゆるエリアシングが発生しないことが特徴となってい
る。
【0004】また、文献「ポリフェイズ・クァドラチュ
ア・フィルターズ −新しい帯域分割符号化技術」("Po
lyphase Quadrature filters -A new subband coding t
echnique", Joseph H. Rothweiler, ICASSP 83, BOSTO
N) には、等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられてい
る。このポリフェイズ・クァドラチュア・フィルタにお
いては、信号を等バンド幅の複数の帯域に分割する際に
一度に分割できることが特徴となっている。
【0005】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)、離散コサイン変換(DCT)、モディフ
ァイド離散コサイン変換(MDCT)等を行うことで時
間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換があ
る。なお、上記MDCTについては、文献「時間領域エ
リアシング・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク
設計を用いたサブバンド/変換符号化」("Subband/Tran
sform Coding Using Filter Bank Designs Based on Ti
me Domain AliasingCancellation," J.P.Princen A.B.B
radley, Univ. of Surrey Royal MelbourneInst. of Te
ch. ICASSP 1987)に述べられている。
【0006】このようにフィルタやスペクトル変換によ
って帯域毎に分割された信号を量子化することにより、
量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、いわ
ゆるマスキング効果などの性質を利用して聴覚的により
高能率な符号化を行うことができる。また、ここで量子
化を行う前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにすれば、
さらに高能率な符号化を行うことができる。なお、本件
出願人は、先に特開平5−183442号公報において
MDCTを使用する高能率な符号化法について開示して
いる。
【0007】ここで、周波数帯域分割された各周波数成
分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人
間の聴覚特性を考慮した帯域幅を用いることが多い。す
なわち、一般に高域ほど帯域幅が広くなるような臨界帯
域(クリティカルバンド)と呼ばれている帯域幅で、オ
ーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割
することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符
号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、
各帯域毎に適応的なビット割当て(ビットアロケーショ
ン)による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処
理されて得られた係数データを上記ビットアロケーショ
ンによって符号化する際には、上記各ブロック毎のMD
CT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データ
に対して、適応的な割当てビット数で符号化が行われる
ことになる。ビット割当手法としては、次の2手法が知
られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", R.Zelinski and P.Noll, IEEE Transactions of Ac
coustics, Speech, and Signal Processing, vol.ASSP-
25, No.4, August 1977)では、各帯域毎の信号の大き
さをもとに、ビット割当を行っている。この方式では、
量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギー最
小となるが、聴感覚的にはマスキング効果が利用されて
いないために実際の雑音感は最適ではない。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
ディジタル・エンコーディング・オブ・パーセプチュア
ル・リクワイアメンツ・オブ・ジ・オーディトリィ・シ
ステム」("The critical band coder --digital encod
ing of the perceptual requirements of the auditor
y system", M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴
覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号
対雑音比を得て固定的なビット割当を行う手法が述べら
れている。しかしこの手法では、サイン波入力で特性を
測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特
性値がそれほど良い値とならない。
【0010】これらの問題を解決するために、ビット割
当に使用できる全ビットが、各小ブロック毎にあらかじ
め定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロック
の信号の大きさに依存したビット配分を行う分に分割使
用され、その分割比を入力信号に関係する信号に依存さ
せ、前記信号のスペクトルが滑らかなほど前記固定ビッ
ト割当パターン分への分割比率を大きくする高能率符号
化装置が提案されている。
【0011】この方法によれば、サイン波入力のよう
に、特定のスペクトルにエネルギーが集中する場合には
そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当
てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善する
ことができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信
号に対して人間の聴覚は極めて敏感であるため、このよ
うな方法を用いる事により、信号対雑音特性を改善する
ことは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、
聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0012】ビット割り当ての方法にはこの他にも数多
くのやり方が提案されており、さらに聴覚に関するモデ
ルが精緻化され、符号化装置の能力があがれば聴覚的に
みてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】ところで、波形信号をスペクトルに変換す
る方法として上述のDFTやDCTを使用した場合に
は、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行う
とM個の独立な実数データが得られる。時間ブロック間
の接続歪みを軽減するために、通常、両隣のブロックと
それぞれM1 個のサンプルずつオーバーラップさせるの
で、平均して、DFTやDCTでは(M−M1)個のサ
ンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化す
ることになる。
【0014】これに対してスペクトルに変換する方法と
して上述のMDCTを使用した場合には、両隣の時間と
N個ずつオーバーラップさせた2M個のサンプルから、
独立なM個の実数データが得られるので平均して、MD
CTではM個のサンプルに対してM個の実数データを量
子化して符号化することになる。復号化装置において
は、このようにしてMDCTを用いて得られた符号から
各ブロックにおいて逆変換を施して得られた波形要素を
互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信
号を再構成することができる。
【0015】一般に変換のための時間ブロックを長くす
ることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり特
定のスペクトル成分にエネルギーが集中する。したがっ
て、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせて長
いブロック長で変換を行い、しかも得られたスペクトル
信号の個数が、元の時間サンプルの個数に対して増加し
ないMDCTを使用することにより、DFTやDCTを
使用した場合よりも効率の良い符号化を行うことが可能
となる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバ
ーラップを持たせることによって、波形信号のブロック
間歪みを軽減することもできる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、MDCTのように逆変換時に両隣の波形要素と干渉
させて波形信号を構成させるような変換を用いた場合に
は、スペクトル変換・逆変換のためのウィンドウが充た
すべき条件があり、この条件が充たされていないとスペ
クトルに変換した信号を逆変換して時系列信号に戻した
場合に、正しく復元されない。従来は、この条件を充た
す順スペクトル変換のウィンドウ関数として十分に滑ら
かな形状を持たないものが用いられていたため、スペク
トルに変換した場合にそのエネルギー分布の集中度が比
較的低くなり、その結果、多くの数のスペクトルを精度
良く符号化する必要があり、効率的な符号化を行うこと
が困難であった。
【0017】そこで、本発明は、MDCTのように逆変
換時に両隣の波形要素と干渉させて波形信号を構成させ
るような変換を用いた場合に、効率的な符号化を可能に
する情報符号化方法及び装置と、これに対応する情報復
号化方法及び装置、並びに符号化された情報を記録した
情報記録媒体と同じく情報を伝送する情報伝送方法の提
供を目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような実情
に鑑みてなされたものであり、MDCTのように逆変換
時に両隣の波形要素と干渉させて波形信号を構成させる
ような変換を用いた場合に、そのウィンドウの充たすべ
き制約条件を満足させる滑らかな形状の順スペクトル変
換用ウィンドウを適用することにより、効率的な符号化
を可能にするものである。
【0019】すなわち本発明の情報符号化方法及び装置
は、所定のウインドウ関数を用いて入力信号を順スペク
トル変換する順スペクトル変換と、上記順スペクトル変
換による出力スペクトル信号を符号化する符号化とを行
うものであり、上記所定のウインドウ関数は、当該ウイ
ンドウ関数の特性を表す曲線の傾きが両端部で小なるも
のであることを特徴とするものである。
【0020】ここで、上記所定のウインドウ関数は、当
該ウインドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端
部から離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大
から小に変化するものである。より具体的には、上記所
定のウインドウ関数は後述する(12)式で表すことができ
るものであり、当該(12)式中w(n) はウインドウ関数、
pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数である。ま
た、上記順スペクトル変換は逆変換時に隣接するブロッ
クと波形要素を干渉させる処理であり、例えば変更離散
コサイン変換処理を用いることができる。また、上記所
定のウィンドウ関数は値が0となる区間を含まないか若
しくは含むもののいずれをも使用することができる。さ
らに、上記所定のウィンドウ関数は、対称若しくは非対
称のいずれの形をもとることができる。また、上記入力
信号には音響信号を用いることができる。
【0021】次に、本発明の情報復号化方法及び装置
は、所定の情報符号化処理が施された符号化信号を復号
化してスペクトル信号を出力する復号化と、所定のウイ
ンドウ関数を用いて上記復号化による出力スペクトル信
号を逆スペクトル変換する逆スペクトル変換とを行うも
のであり、上記所定のウインドウ関数は、当該ウインド
ウ関数の特性を表す曲線の傾きが両端部で小なるもので
ある。
【0022】ここで、上記所定のウインドウ関数は、当
該ウインドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端
部から離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大
から小に変化するものである。より具体的には、上記所
定のウインドウ関数は後述する(12)式で表すものであ
る。また、上記逆スペクトル変換は、隣接するブロック
と波形要素を干渉させる処理であり、例えば逆変更離散
コサイン変換処理を用いることができる。また、上記所
定のウィンドウ関数は、値が0となる区間を含まないか
若しくは含むもののいずれをも用いることができる。さ
らに、上記所定のウィンドウ関数は、対称若しくは非対
称な形のいずれをもとることができる。また、扱う信号
には音響信号を用いることができる。
【0023】次に、本発明の情報記録媒体又は情報伝送
方法は、傾きが両端部で小なる曲線で表される特性の所
定のウインドウ関数を用いて入力信号を順スペクトル変
換し、上記順スペクトル変換による出力スペクトル信号
を符号化した情報を記録してなるもの又は伝送するもの
である。
【0024】本発明の情報記録媒体及び情報伝送方法に
おいても、上記所定のウインドウ関数は、当該ウインド
ウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部から離れ
るにしたがって小から大に変化し、さらに大から小に変
化するものである。また、上記所定のウインドウ関数は
後述する(12)式で表すものである。また、上記順スペク
トル変換は、逆変換時に隣接するブロックと波形要素を
干渉させる変換処理であり、例えば変更離散コサイン変
換が用いられる。さらに、上記所定のウィンドウ関数
は、値が0となる区間を含まないか若しくは含むもので
あり、対称若しくは非対称な形をとる。また、上記記録
又は伝送される入力信号は音響信号である。
【0025】
【作用】本発明によれば、入力信号を順スペクトル変換
する際のウインドウ関数として、その特性を示す曲線の
傾きが両端部で小なるものを用いることで、ウインドウ
関数の端部が滑らかになり、変換後のスペクトル分布の
拡がりを少なくすることができる。さらに、逆スペクト
ル変換でも同じウインドウ関数を使用することで、元の
信号を正確に再現することができるようになる。
【0026】また、本発明によれば、ウインドウ関数に
は所定の式で表されるものを用い、この所定の式中のp
を2近傍の値とすることで、効率のよい符号化が可能と
なっている。
【0027】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照にしながら説明する。
【0028】図1は本発明の情報符号化方法が適用され
る情報符号化装置の実施例のブロック回路図を示したも
のである。この図1において、入力端子100を介して
符号化装置に入力されたオーディオ信号は、順スペクト
ル変換手段としての機能をも有する帯域分割回路101
によって帯域分割される。この帯域分割回路101にお
ける帯域分割手段としては、前述したQMF等のフィル
タによる分割手段を用いても、また、MDCT等のスペ
クトル変換によって得られたスペクトルを帯域毎にグル
ープ化するという手段を用いてもよい。また、一旦、フ
ィルタによって幾つかの帯域に分割されたものに対して
スペクトル変換を行ない、これによって得られたスペク
トルを帯域毎にグループ化するという手段を用いてもよ
い。さらに、この帯域分割による各帯域の幅は均一であ
っても、例えば人間の聴覚特性に基づくいわゆる臨界帯
域幅に合わせるように不均一にとっても良い。なお、図
1の例では四つの帯域に分割されているが、もちろんこ
の数はさらに多くしても、或いは少なくしてもよい。
【0029】上記帯域分割回路101によって帯域分割
されたスペクトル信号は、ある時間ブロック毎に各帯域
に対応する正規化回路111,112,113,114
によって正規化が施され、ここでそれぞれ正規化係数と
被正規化信号に分解される。それぞれの被正規化信号
は、それぞれ量子化精度決定回路141の出力である量
子化精度情報に基づいて量子化回路121,122,1
23、124によって量子化され、ここで被正規化・量
子化信号へと変換される。なお、上記量子化精度決定回
路141では、前述したように人間の聴覚特性を考慮し
た聴感マスキング効果等を利用して量子化精度すなわち
ビット割当を決定している。図1においては、上記量子
化精度決定回路141からの各量子化回路121,12
2,123,124への量子化精度情報のうち、上記量
子化回路122へ送られる量子化精度情報は端子152
を介し、上記量子化回路123へ送られる量子化精度情
報は端子153を介し、上記量子化回路124へ送られ
る量子化精度情報は端子154を介してそれぞれ対応す
る回路に送られる。
【0030】上記量子化回路121,122,123,
124からの各被正規化・量子化信号と、上記正規化回
路111,112,113,114からの各正規化係数
と、上記量子化精度決定回路141からの各量子化精度
情報とは、マルチプレクサ131によって、後述するよ
うに順次符号列とされ、この符号列が端子103から出
力される。この符号列は、その後、ディスク状やテープ
状あるいは半導体などの記録媒体に記録され、または伝
送系から送信される。
【0031】ここで、図1の例においては、上記量子化
精度決定回路141は上記帯域分割回路101によって
帯域分割された各信号に基づいて上記量子化精度を計算
しているが、帯域分割前の端子100を介した信号から
計算することも可能であり、また、各正規化回路11
1,112,113,114からの正規化係数に基づい
て計算することも可能である。さらに、当該量子化精度
決定回路141での計算は、マスキング効果等の聴覚現
象に基づいて行なうことができるが、上記各量子化精度
情報は上述したようにマルチプレクサ131を介して出
力されて後に復号化装置に送られるものであるため、こ
の復号化装置で使われる聴覚モデルは任意に設定するこ
とができる。
【0032】一方、図2は本発明の情報復号化方法が適
用される図1の情報符号化装置に対応する情報復号化装
置の実施例のブロック回路図を示したものである。
【0033】この図2において、本実施例の復号化装置
の端子201に入力された符号情報(前記符号列)は、
デマルチプレクサ202に送られ、ここで各帯域毎の量
子化精度情報と、正規化係数と、被正規化・量子化信号
とに分離復元される。各帯域毎の量子化精度情報、正規
化係数、被正規化・量子化信号は、それぞれ各帯域に対
応する復号化手段としての機能をも有する信号成分構成
回路211,212,213,214に送られ、ここで
各帯域毎に信号成分が構成される。これら各信号成分構
成回路211,212,213,214からの信号成分
は、逆スペクトル変換手段としての機能をも有する帯域
合成回路221によって合成されてオーディオ信号とし
て端子251から出力される。
【0034】次に、図3には図1の帯域分割回路101
におけるMDCTを使用した場合の順スペクトル変換手
段の具体的構成を示し、図4には図2の帯域合成回路2
21におけるIMDCT(逆MDCT)を使用した場合
の逆スペクトル変換手段の具体的構成を示している。
【0035】図3において、端子301には図1の端子
100からの信号が供給される。この信号は、順に波形
切り出し回路302、順変換ウインドウ回路303、順
スペクトル変換計算回路304に送られる。上記波形切
り出し回路302では端子301に供給された信号波形
の切り出しを行い、次の順変換ウインドウ回路303で
は(1) 式の計算を行い、順スペクトル変換計算回路30
4では(2) 式の計算を行う。
【0036】
【数7】
【0037】
【数8】
【0038】ただし、上記(1) 式、(2) 式において、J
はブロック番号、Mは出力スペクトル数、x(n) は入力
波形信号、XJ (k) はブロック毎に求まる出力スペクト
ル信号であり、w1(n)は順スペクトル変換ウィンドウ関
数である。
【0039】また、図4において、端子401には図2
の信号成分構成回路211〜214の出力信号が供給さ
れる。この信号は、順に逆スペクトル変換計算回路40
2、逆変換ウインドウ回路403、隣接ブロック合成回
路404に送られる。上記逆スペクトル変換計算回路4
02では(3) 式の計算を行い、逆変換ウィンドウ回路4
03では(4) 式の計算を行い、隣接ブロック合成回路4
04では(5) 式の計算を行う。
【0040】
【数9】
【0041】
【数10】
【0042】
【数11】
【0043】ただし、(3) 式、(4) 式、(5) 式におい
て、Jはブロック番号、Mは出力スペクトル数、X
J (k) はブロック毎に与えられた入力スペクトル信号、
y(n) は出力波形信号であり、w2(n)は逆スペクトル変
換ウィンドウ関数である。
【0044】ここで、(1) 式から(5) 式により求められ
たy(n) がx(n) と一致することは、もし符号化による
情報の損失が無い場合には元の波形信号が正しく復元さ
れることを意味しており、このことは、波形信号の符号
化、復号化手段が十分な性能を持つためには必須の条件
となる。ここで、(1) 式から(5) 式を用いて容易に求め
られるように、y(n) がx(n) と一致するためには、w
1(n)及びw2(n)は(6)式及び(7) 式の条件を充たしてい
なければならない。
【0045】
【数12】
【0046】
【数13】
【0047】また、順スペクトル変換ウインドウ関数と
逆スペクトル変換ウインドウ関数が一致、すなわち、
(8) 式の条件を充たしていると、符号化装置と復号化装
置で共通のウィンドウ情報を使用することができるの
で、特に一つの手段を切り替えて符号化または復号化を
行わせるような場合には係数情報の数を少なくすること
ができ、ハードウェア規模を小さくする上で都合が良
い。さらにこれらの共通係数情報が(9) 式で示されるよ
うに対称であると、係数情報の数を半分にすることがで
き都合が良い。このように(8) 式、(9) 式の条件を充た
すウィンドウ関数を考えると、(6) 式、(7) 式の条件
は、(10)式を充たすことと同等となる。
【0048】
【数14】
【0049】
【数15】
【0050】
【数16】
【0051】ところで、従来のMDCT、IMDCTの
変換を用いた符号化装置、復号化装置では、(10)式を充
たすウィンドウ関数として(11)式の関数が用いられてき
た。
【0052】
【数17】
【0053】図5は(11)式のウィンドウ関数を用いた場
合のスペクトル変換の結果の例をM=64として示した
もので、図5の(A)にはウィンドウ関数の形状すなわ
ち特性を表す曲線(なおここでの曲線にはサンプル値の
ような離散値に対する折線なども含まれる)を、(B)
には正弦波をサンプリングした入力波形信号を、(C)
には入力波形信号を上記ウインドウ関数を使用してMD
CTした結果得られたスペクトル信号を表している。こ
こで、一般に、順変換のウィンドウ関数の形状が十分に
滑らかでないと、このウインドウ関数を用いてスペクト
ル変換した場合には、そのスペクトルのエネルギー分布
の集中度が高まらずに拡がるようになる。したがって、
例えば両端に向かって比較的急速に0に近づく図5のよ
うなウインドウ関数では、当該関数を使用したときのス
ペクトルの分布もピークに対する裾野の方で十分小さく
なっていない。このため、このような拡がったスペクト
ル分布となる信号を精度良く符号化するためには、これ
ら拡がった多数のスペクトル信号を十分な精度で符号化
する必要があり、これは符号化効率を高める上で望まし
くない。
【0054】本発明実施例ではこのような点に鑑み、順
スペクトル変換のウィンドウ関数を、前述したような制
約条件を充たしながら、その両端においても十分滑らか
に変化するようにしている。このように両端においても
十分に滑らかに変化するウィンドウ関数の与え方として
は、例えば(12)式の関数を利用することができる。
【0055】
【数18】
【0056】この(12)式において、p=1とすると(12)
式は(11)式になるが、ここで、pを1よりも大きな値と
すると、その形状は両端において滑らかに0に変化する
(両端の傾きが徐々に小さくなる)ものとなる。
【0057】図6はそのような例としてp=2とした場
合の様子を図5と同様に示したものであるが、図5の場
合と比較して明らかなように、当該ウインドウ関数を用
いた場合のスペクトル成分はピークから遠ざかるにした
がって急速に0に近づくと共に両端において滑らかに0
に変化するものとなっているため、少ない数のスペクト
ルを精度良く符号化するだけで、元の波形信号を精度良
く符号化することができることになり、したがって、符
号化効率を上げることが可能となる。なお、ウインドウ
関数の曲線の微少単位での差分を曲線で表すと、図6の
(A)のウインドウ関数の例では当該図6の(a)に示
すような曲線が得られ、図5の(A)の例では当該図5
の(a)に示すような曲線が得られることになる。この
ことからも、図6の例の方が、ウインドウ関数の両端が
滑らかとなっていることがわかる。
【0058】上述のようにpの値をより大きくすること
により、ウィンドウ関数の両端における滑らかさを上げ
ることが可能であるが、その分、ウィンドウ関数の立ち
上がり、立ち下がり部分での傾斜が急になるので、この
pの値を無闇に大きくしても符号化効率を上げることは
できない。図7はそのような例としてp=4にした場合
の例を図5と同様に示したものであるが、この図7から
も明らかなように、そのスペクトルのエネルギー分布は
p=2の場合に比較して集中度は低くなっている。この
ように、pの値としては、p=2程度(p=2の近傍)
に選ぶことによって、効果的に符号化効率を上げること
ができる。
【0059】以上では簡単のため、変換ウィンドウ関数
の全体が(12)式で与えられるものとしたが、このような
制限は緩めることができるので、以下、これについて説
明を行う。
【0060】図8に示されるように、例えば図5の
(A)の窓関数(変換ウインドウ関数)を用いて波形信
号に順スペクトル変換を施したスペクトル信号に量子化
雑音が加わった場合において、それを逆スペクトル変換
を施して再び時間軸上の波形信号に戻した場合には、そ
の量子化雑音は変換ブロック全体に拡がってしまう。こ
こで信号波形SWが図8の(B)のように変換ブロック
の途中で急激に大きくなった場合、元の信号波形SWが
小さい区間においては、量子化雑音QNが信号波形SW
に対して大きくなってしまうため、同時マスキングが効
かず、プリエコーとして聴感上の障害になる。
【0061】図9はこのようなプリエコーによる聴感上
の障害を軽減するために考案された従来技術の一例につ
いて説明するための図である。一般に、準定常的な信号
波形に対しては、変換ブロック長を長くした方が特定の
スペクトル係数に対してエネルギーが集中するので符号
化効率は高くなるが、音の大きさが急激に変化する部分
では変換ブロック長が長いと上述のプリエコーが問題に
なる。そこで、音の大きさが急激に変化する部分では変
換ブロック長を短くすることによってプリエコーの発生
期間を十分短くすれば、これは元の信号によるいわゆる
逆向マスキングが効き、聴感上の障害が無くなる。図9
の方法ではこのことを利用して信号波形の各部分の性質
に応じて変換ブロック長を選択的に切り替えている。
【0062】また、図9の方法の変形として、図10に
示されるように、短変換部と長変換部の間に非対称なウ
ィンドウ関数を持つブロックを挟む方法も提案されてい
る。このようにすると、長変換部において両端を0にす
ることなく、変換部全域にわたるウィンドウ関数をとる
ことができるので、スペクトル変換した場合のエネルギ
ー分布の集中度が高まり、符号化効率を上げることがで
きる。なお、非対称なウインドウ関数については、公表
特許平成4年第503136号公報に開示されている。
【0063】このようなMDCTの順変換ウィンドウ関
数は、一般に図11に示されるような形状を持つものと
して表すことができ、場合によっては、高レベル部、低
レベル部L1,L2等が省略されているものと解釈する
ことができる。本発明において、ウィンドウ関数の形状
を規定しているのは、図11の過渡部E1,E2の部分
であり、この部分の形状が、(12)式をシフトしたものに
よって与えられていれば、上述したことは本発明の方法
に含まれることになる。
【0064】図12及び図13は図9に示されるように
短変換ウィンドウ関数と矛盾なく接続できるように構成
された長変換ウィンドウ関数に本発明のウインドウ関数
の形状を適用した場合の効果を説明するための図であ
る。図12には本発明との比較のために過渡部に従来の
変換ウィンドウの形状が適用されている例を示し、図1
3には過渡部に本発明による変換ウィンドウの形状が適
用されている例を示している。図12の場合に比べて、
図13の場合の方が明らかにスペクトルのエネルギー分
布の集中度が高いことがわかる。
【0065】図14及び図15は図10に示されるよう
な非対称ウィンドウ関数に本発明の方法を適用した場合
の効果を説明するための図である。図14には本発明と
の比較のために過渡部に従来の変換ウィンドウの形状が
適用されている例を示し、図15には過渡部に本発明に
よる変換ウィンドウの形状が適用されている例を示して
いる。図14の場合に比べて、図15の場合の方が明ら
かにスペクトルのエネルギー分布の集中度が高いことが
わかる。
【0066】また、上述したような本発明におけるウィ
ンドウ関数は、厳密に前記(12)式によって与えるのでな
くても、それを近似するように与えることも可能であ
る。そのようにして与えられた関数と(12)式においてp
=2として決定されるウィンドウ関数との誤差(例えば
二乗平均誤差で与えたもの)が、(11)式の関数との誤差
よりも小さいのであれば、これらの方法は当然、本発明
に含まれることになる。
【0067】また、符号化装置における変換時に順変換
のウィンドウ関数を定数倍し、復号化装置における逆変
換時にその定数で割ることによってもウィンドウ関数の
形状とスペクトルの拡がりについては上記と全く同様の
関係が成立するものであり、上記の比較はウィンドウ関
数に対してこのような定数倍の変化をすべて補正した
後、行うものであることは言うまでもない。
【0068】本発明でいう、(12)式においてp=2とし
て決定されるウィンドウ関数とは、以上のことをすべて
含んだものを示す。
【0069】次に、図16及び図17はそれぞれ、本発
明の方法を利用した符号化、復号化の処理の流れを示し
たものである。
【0070】上記図16において、先ず、ステップS1
ではブロック番号J=0とし、次のステップS2では
(1) 式の計算を行い、さらに次のステップS3では(2)
式の計算を行う。ステップS4では得られたスペクトル
信号の正規化・量子化を行い、ステップS5ではこの正
規化・量子化されたスペクトル信号の符号化を行う。ス
テップS6ではブロック番号Jをインクリメントし、ス
テップS7では終了か否かを判別し、Noのときにはス
テップS2に戻り、Yesのときには処理を終了してい
る。
【0071】また、図17において、ステップS11で
はブロック番号J=0とし、次のステップS12では正
規化・量子化されたスペクトル信号の復号化を行う。ス
テップS13では得られたスペクトル信号の逆正規化・
逆量子化を行う。次のステップS14では(3) 式の計算
を行い、その次のステップS15では(4) 式の計算を、
さらに次のステップS16では(5) 式の計算を行う。そ
の後、ステップS17では得られた波形信号の出力を行
う。次のステップS18ではブロック番号Jをインクリ
メントし、ステップS19では終了か否かを判別し、N
oのときにはステップS12に戻り、Yesのときには
処理を終了している。
【0072】以上、前記帯域分割回路101として直接
MDCTの変換を行うもの、また帯域合成回路221と
して直接IMDCTの変換を行うものについて説明を行
ったが、これらはもちろん、他の帯域分割、帯域合成の
方法をとる場合にも適用することができる。例えば、図
18には帯域分割手段として帯域分割フィルタ502と
MDCT等の順スペクトル変換回路511〜514とを
組み合わせた場合の具体例を示し、図19には帯域合成
手段としてIMDCT等の順スペクトル変換回路611
〜614と帯域合成フィルタ621とを組み合わせた場
合の具体例を示したものである。
【0073】図18において、端子501には図1の端
子100からの信号が供給される。この信号は、帯域分
割フィルタ502によって複数帯域に分割され、各帯域
の信号が順スペクトル変換回路511〜514にそれぞ
れ送られる。各順スペクトル変換回路511〜514で
は前述同様の順スペクトル変換ウインドウ関数を使用し
た順スペクトル変換処理を行い、このスペクトル変換さ
れた信号がそれぞれ対応する端子521〜524から図
1の正規化回路111〜114に送られるようになる。
【0074】また、図19において、端子601〜60
4にはそれぞれ対応する図2の信号成分構成回路211
〜214からの信号が供給され、これらが各々対応する
逆スペクトル変換回路611〜614に送られる。各逆
スペクトル変換回路611〜614では前述同様の逆ス
ペクトル変換ウインドウ関数を使用して逆スペクトル変
換処理を行い、この逆スペクトル変換された信号が、そ
れぞれ帯域合成フィルタ621に送られ、ここで合成さ
れた後、端子622から出力される。この端子622か
らの出力信号が図2の端子251に送られるようにな
る。
【0075】ここで、上記順スペクトル変換回路511
〜514としては図3の構成を、また、逆スペクトル変
換回路611〜614としては図4の構成をとることが
でき、これらの場合にも前述した本発明の方法を適用す
ることができる。
【0076】また、本発明でいう、(12)式においてp=
2として決定されるウィンドウ関数を用いた順スペクト
ル変換と、(12)式においてp=2として決定されるウィ
ンドウ関数を用いた逆スペクトル変換はこれらの場合も
含むものである。
【0077】図20は、波形信号に対して本発明の方法
を適用して得られた符号列の例を示したもので、この符
号を記録媒体に記録したり伝送路に送信することが可能
である。この例の場合、波形信号はブロック毎にMDC
Tの変換が施され、得られたスペクトル信号を正規化及
び量子化して符号化がなされている。すなわちこの図2
0に示す例において、各ブロックの符号は、量子化精度
情報と正規化係数情報とスペクトル係数情報とからなっ
ている。
【0078】以上、逆変換時に隣接するブロック間で波
形要素を干渉させるスペクトル変換としてMDCTを使
用した場合について述べた。MDCTを使用することに
よって総てのブロックに対して同一の式で計算されるス
ペクトル変換を容易に実現することができ都合が良い
が、逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉さ
せるスペクトル変換として別の変換方法を採用した場合
にも本発明を適用することができる。そのようなスペク
トル変換の別の例が例えば文献「時間領域エリアシング
・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用い
た分析/合成」("Analysis/Syntehsis Filter Bank Des
ign Based on Time Domain Aliasing Cancellation",
J.Princen and A.B.Bradley, IEEE Transactions on Ac
oustics, Speech and Signal Processing, VolASSP-34
No.5, October 1986)に記載されている。
【0079】さらにまた、必ずしも逆変換時に隣接する
ブロック間で波形要素を干渉させるスペクトル変換でな
くても本発明による順変換ウィンドウ関数を用いて符号
化を行うことも可能である。
【0080】なお、以上、音響波形信号に適用した場合
について説明を行なったが、本発明の方法は他の種類の
信号に対しても適用することができ、例えば画像信号に
も適用することが可能である。しかし、本発明の方法は
特に鋭いスペクトル分布を持つ場合にその効果が顕著で
あり、音響信号の場合、聴感上、そのようなスペクトル
分布を持つ場合に特に精度の良い符号化が要求されるた
め、本発明の方法を特に有効に利用することができる。
さらに本発明の方法は、符号化された情報を記録媒体に
記録する場合だけではなく、情報を伝送する場合にも適
用可能であることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明による方法を用いれば、MDCTのようにウィンドウ
関数が所定の制約条件を充たさなければならない場合に
もスペクトル分布のエネルギーの集中度を高めることが
でき、効率的な符号化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の情報符号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図2】本発明実施例の情報復号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図3】順スペクトル変換手段の具体的構成を示すブロ
ック回路図である。
【図4】逆スペクトル変換手段の具体的構成を示すブロ
ック回路図である。
【図5】(11)式のウィンドウ関数((12)式でp=1とし
たウインドウ関数)を用いた場合のスペクトル分布の一
例を示す図である。
【図6】(12)式でp=2としたウィンドウ関数を用いた
場合のスペクトル分布の一例を示す図である。
【図7】(12)式でp=4としたウィンドウ関数を用いた
場合のスペクトル分布の一例を示す図である。
【図8】(11)式のウィンドウ関数を用いて波形信号に順
スペクトル変換を施したスペクトル信号に量子化雑音が
加わった様子を示す図である。
【図9】プリエコーによる聴感上の障害を軽減するため
に考案された従来技術のウインドウ関数一例について説
明するための図である。
【図10】短変換部と長変換部の間に非対称なウィンド
ウ関数について説明するための図である。
【図11】MDCTの順変換ウィンドウ関数の形状を説
明するための図である。
【図12】短変換ウィンドウ関数と矛盾なく接続できる
ように構成された長変換ウィンドウ関数において、過渡
部に従来の変換ウィンドウの形状を適用した場合のスペ
クトル分布について説明するための図である。
【図13】短変換ウィンドウ関数と矛盾なく接続できる
ように構成された長変換ウィンドウ関数において、過渡
部に本発明による変換ウィンドウの形状を適用した場合
のスペクトル分布について説明するための図である。
【図14】非対称ウィンドウ関数において、過渡部に従
来の変換ウィンドウの形状を適用した場合のスペクトル
分布について説明するための図である。
【図15】非対称ウィンドウ関数において、過渡部に本
発明の変換ウィンドウの形状を適用した場合のスペクト
ル分布について説明するための図である。
【図16】本発明の情報符号化方法の処理の流れを示す
フローチャートである。
【図17】本発明の情報復号化方法の処理の流れを示す
フローチャートである。
【図18】帯域分割手段として帯域分割フィルタとMD
CT等の順スペクトル変換手段とを組み合わせた場合の
具体例を示すブロック回路図である。
【図19】帯域合成手段としてIMDCT等の順スペク
トル変換手段と帯域合成フィルタとを組み合わせた場合
の具体例を示すブロック回路図である。
【図20】波形信号に対して本発明の情報符号化方法を
適用して得られた符号の例を示す図である。
【符号の説明】
101 帯域分割回路 111〜114 正規化回路 121〜124 量子化回路 131 マルチプレクサ 141 量子化精度決定回路 202 デマルチプレクサ 211〜214 信号成分構成回路 221 帯域合成回路 302 波形切り出し回路 303 順変換ウインドウ回路 304 順スペクトル変換計算回路 402 逆スペクトル変換計算回路 403 逆変換ウインドウ回路 404 隣接ブロック合成回路 502 帯域分割フィルタ 511〜514 順スペクトル変換回路 611〜614 逆スペクトル変換回路 621 帯域合成フィルタ

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のウインドウ関数を用いて入力信号
    を順スペクトル変換する順スペクトル変換処理と、 上記順スペクトル変換処理による出力スペクトル信号を
    符号化する符号化処理とからなり、 上記所定のウインドウ関数は、当該ウインドウ関数の特
    性を表す曲線の傾きが両端部で小なるものであることを
    特徴とする情報符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウイ
    ンドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部から
    離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から小
    に変化するものであることを特徴とする請求項1記載の
    情報符号化方法。
  3. 【請求項3】 上記所定のウインドウ関数は下記の数1
    の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ関
    数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数である
    ことを特徴とする請求項1記載の情報符号化方法。 【数1】
  4. 【請求項4】 上記順スペクトル変換処理は、逆変換時
    に隣接するブロックと波形要素を干渉させる順スペクト
    ル変換であることを特徴とする請求項1から請求項3の
    うちのいずれか1項に記載の情報符号化方法。
  5. 【請求項5】 上記順スペクトル変換処理は、変更離散
    コサイン変換処理であることを特徴とする請求項4記載
    の情報符号化方法。
  6. 【請求項6】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0と
    なる区間を含まないことを特徴とする請求項1から請求
    項5のうちのいずれか1項に記載の情報符号化方法。
  7. 【請求項7】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0と
    なる区間を含むことを特徴とする請求項1から請求項5
    のうちのいずれか1項に記載の情報符号化方法。
  8. 【請求項8】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な形
    をとることを特徴とする請求項1から請求項7のうちの
    いずれか1項に記載の情報符号化方法。
  9. 【請求項9】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称な
    形をとることを特徴とする請求項1から請求項7のうち
    のいずれか1項に記載の情報符号化方法。
  10. 【請求項10】 上記入力信号は音響信号であることを
    特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項
    に記載の情報符号化方法。
  11. 【請求項11】 所定のウインドウ関数を用いて入力信
    号を順スペクトル変換する順スペクトル変換手段と、 上記順スペクトル変換手段による出力スペクトル信号を
    符号化する符号化手段とを有し、 上記所定のウインドウ関数は、当該ウインドウ関数の特
    性を表す曲線の傾きが両端部で小なるものであることを
    特徴とする情報符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウ
    インドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部か
    ら離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から
    小に変化するものであることを特徴とする請求項11記
    載の情報符号化装置。
  13. 【請求項13】 上記所定のウインドウ関数は下記の数
    2の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ
    関数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数であ
    ることを特徴とする請求項11記載の情報符号化装置。 【数2】
  14. 【請求項14】 上記順スペクトル変換手段は、逆変換
    時に隣接するブロックと波形要素を干渉させる順スペク
    トル変換を行うことを特徴とする請求項11から請求項
    13のうちのいずれか1項に記載の情報符号化装置。
  15. 【請求項15】 上記順スペクトル変換手段は、変更離
    散コサイン変換処理を行うことを特徴とする請求項14
    記載の情報符号化装置。
  16. 【請求項16】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含まないことを特徴とする請求項11から
    請求項15のうちのいずれか1項に記載の情報符号化装
    置。
  17. 【請求項17】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含むことを特徴とする請求項11から請求
    項15のうちのいずれか1項に記載の情報符号化装置。
  18. 【請求項18】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な
    形をとることを特徴とする請求項11から請求項17の
    うちのいずれか1項に記載の情報符号化装置。
  19. 【請求項19】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称
    な形をとることを特徴とする請求項11から請求項17
    のうちのいずれか1項に記載の情報符号化装置。
  20. 【請求項20】 上記入力信号は音響信号であることを
    特徴とする請求項11から請求項19のうちのいずれか
    1項に記載の情報符号化装置。
  21. 【請求項21】 所定の情報符号化処理が施された符号
    化信号を復号化してスペクトル信号を出力する復号化処
    理と、 所定のウインドウ関数を用いて上記復号化処理による出
    力スペクトル信号を逆スペクトル変換する逆スペクトル
    変換処理とからなり、 上記所定のウインドウ関数は、当該ウインドウ関数の特
    性を表す曲線の傾きが両端部で小なるものであることを
    特徴とする情報復号化方法。
  22. 【請求項22】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウ
    インドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部か
    ら離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から
    小に変化するものであることを特徴とする請求項21記
    載の情報復号化方法。
  23. 【請求項23】 上記所定のウインドウ関数は下記の数
    3の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ
    関数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数であ
    ることを特徴とする請求項21記載の情報復号化方法。 【数3】
  24. 【請求項24】 上記逆スペクトル変換処理は、隣接す
    るブロックと波形要素を干渉させる逆スペクトル変換で
    あることを特徴とする請求項21から請求項24のうち
    のいずれか1項に記載の情報復号化方法。
  25. 【請求項25】 上記逆スペクトル変換処理は、逆変更
    離散コサイン変換処理であることを特徴とする請求項2
    4記載の情報復号化方法。
  26. 【請求項26】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含まないことを特徴とする請求項21から
    請求項25のうちのいずれか1項に記載の情報復号化方
    法。
  27. 【請求項27】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含むことを特徴とする請求項21から請求
    項25のうちのいずれか1項に記載の情報復号化方法。
  28. 【請求項28】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な
    形をとることを特徴とする請求項21から請求項27の
    うちのいずれか1項に記載の情報復号化方法。
  29. 【請求項29】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称
    な形をとることを特徴とする請求項21から請求項27
    のうちのいずれか1項に記載の情報復号化方法。
  30. 【請求項30】 扱う信号は音響信号であることを特徴
    とする請求項21から請求項29のうちのいずれか1項
    に記載の情報復号化方法。
  31. 【請求項31】 所定の情報符号化処理が施された符号
    化信号を復号化してスペクトル信号を出力する復号化手
    段と、 所定のウインドウ関数を用いて上記復号化手段による出
    力スペクトル信号を逆スペクトル変換する逆スペクトル
    変換手段とを有し、 上記所定のウインドウ関数は、当該ウインドウ関数の特
    性を表す曲線の傾きが両端部で小なるものであることを
    特徴とする情報復号化装置。
  32. 【請求項32】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウ
    インドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部か
    ら離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から
    小に変化するものであることを特徴とする請求項31記
    載の情報復号化装置。
  33. 【請求項33】 上記所定のウインドウ関数は下記の数
    4の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ
    関数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数であ
    ることを特徴とする請求項31記載の情報復号化装置。 【数4】
  34. 【請求項34】 上記逆スペクトル変換手段は、隣接す
    るブロックと波形要素を干渉させる逆スペクトル変換を
    行うことを特徴とする請求項31から請求項33のうち
    のいずれか1項に記載の情報復号化装置。
  35. 【請求項35】 上記逆スペクトル変換手段は、逆変更
    離散コサイン変換処理を行うことを特徴とする請求項3
    4記載の情報復号化装置。
  36. 【請求項36】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含まないことを特徴とする請求項31から
    請求項35のうちのいずれか1項に記載の情報復号化装
    置。
  37. 【請求項37】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含むことを特徴とする請求項31から請求
    項35のうちのいずれか1項に記載の情報復号化装置。
  38. 【請求項38】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な
    形をとることを特徴とする請求項31から請求項37の
    うちのいずれか1項に記載の情報復号化装置。
  39. 【請求項39】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称
    な形をとることを特徴とする請求項31から請求項37
    のうちのいずれか1項に記載の情報復号化装置。
  40. 【請求項40】 扱う信号は音響信号であることを特徴
    とする請求項31から請求項39のうちのいずれか1項
    に記載の情報復号化装置。
  41. 【請求項41】 傾きが両端部で小なる曲線で表される
    特性の所定のウインドウ関数を用いて入力信号を順スペ
    クトル変換し、上記順スペクトル変換による出力スペク
    トル信号を符号化した情報を記録してなることを特徴と
    する情報記録媒体。
  42. 【請求項42】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウ
    インドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部か
    ら離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から
    小に変化するものであることを特徴とする請求項41記
    載の情報記録媒体。
  43. 【請求項43】 上記所定のウインドウ関数は下記の数
    5の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ
    関数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数であ
    ることを特徴とする請求項41記載の情報記録媒体。 【数5】
  44. 【請求項44】 上記順スペクトル変換は、逆変換時に
    隣接するブロックと波形要素を干渉させる順スペクトル
    変換処理であることを特徴とする請求項41から請求項
    43のうちのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  45. 【請求項45】 上記順スペクトル変換は、変更離散コ
    サイン変換処理であることを特徴とする請求項44記載
    の情報記録媒体。
  46. 【請求項46】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含まないことを特徴とする請求項41から
    請求項45のうちのいずれか1項に記載の情報記録媒
    体。
  47. 【請求項47】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含むことを特徴とする請求項41から請求
    項45のうちのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  48. 【請求項48】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な
    形をとることを特徴とする請求項41から請求項47の
    うちのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  49. 【請求項49】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称
    な形をとることを特徴とする請求項41から請求項47
    のうちのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  50. 【請求項50】 上記入力信号は音響信号であることを
    特徴とする請求項41から請求項49のうちのいずれか
    1項に記載の情報記録媒体。
  51. 【請求項51】 傾きが両端部で小なる曲線で表される
    特性の所定のウインドウ関数を用いて入力信号を順スペ
    クトル変換し、上記順スペクトル変換による出力スペク
    トル信号を符号化した情報を伝送することを特徴とする
    情報伝送方法。
  52. 【請求項52】 上記所定のウインドウ関数は、当該ウ
    インドウ関数の特性を表す曲線の傾きが、上記両端部か
    ら離れるにしたがって小から大に変化し、さらに大から
    小に変化するものであることを特徴とする請求項51記
    載の情報伝送方法。
  53. 【請求項53】 上記所定のウインドウ関数は下記の数
    6の式で表すものであり、当該式中w(n) はウインドウ
    関数、pは2近傍の値、及びMは出力スペクトル数であ
    ることを特徴とする請求項51記載の情報伝送方法。 【数6】
  54. 【請求項54】 上記順スペクトル変換は、逆変換時に
    隣接するブロックと波形要素を干渉させる順スペクトル
    変換処理であることを特徴とする請求項51から請求項
    53のうちのいずれか1項に記載の情報伝送方法。
  55. 【請求項55】 上記順スペクトル変換は、変更離散コ
    サイン変換処理であることを特徴とする請求項54記載
    の情報伝送方法。
  56. 【請求項56】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含まないことを特徴とする請求項51から
    請求項55のうちのいずれか1項に記載の情報伝送方
    法。
  57. 【請求項57】 上記所定のウィンドウ関数は、値が0
    となる区間を含むことを特徴とする請求項51から請求
    項55のうちのいずれか1項に記載の情報伝送方法。
  58. 【請求項58】 上記所定のウィンドウ関数は、対称な
    形をとることを特徴とする請求項51から請求項57の
    うちのいずれか1項に記載の情報伝送方法。
  59. 【請求項59】 上記所定のウィンドウ関数は、非対称
    な形をとることを特徴とする請求項51から請求項57
    のうちのいずれか1項に記載の情報伝送方法。
  60. 【請求項60】 上記入力信号は音響信号であることを
    特徴とする請求項51から請求項59のうちのいずれか
    1項に記載の情報伝送方法。
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