JPH07297689A - アナログ電圧切替回路及びこれを用いたヒステリシス付コンパレータ - Google Patents

アナログ電圧切替回路及びこれを用いたヒステリシス付コンパレータ

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JPH07297689A
JPH07297689A JP9266994A JP9266994A JPH07297689A JP H07297689 A JPH07297689 A JP H07297689A JP 9266994 A JP9266994 A JP 9266994A JP 9266994 A JP9266994 A JP 9266994A JP H07297689 A JPH07297689 A JP H07297689A
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Hikari Watanabe
光 渡辺
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】二つの参照電圧の一方を精度良く選択的に出力
させることのできる回路構成をバイポーラICにより実
現する。 【構成】同じ電流I1,I2を流す電流源1,2の間に
二つのダイオード5,6を直列に接続し、異なる参照電
圧V1,V2を得る参照電圧源9,10を設ける。ダイ
オード5と電流源1との接続部11と、ダイオード6と
電流源6との接続部12とにそれぞれ接続されたエミッ
タを有し、各参照電圧源9,10にそれぞれ接続された
ベースを有するトランジスタ7,8を設ける。ダイオー
ド5及び電流源1の接続部11と接地部4との間を選択
的に導通させるスイッチ13を設ける。そして、両ダイ
オード5,6の接続部をスイッチ13の作動に基づいて
切り替えられる出力電圧Voの取出部14とする。又、
その取出部14を両電流I1,I2と異なる電流I3を
流す第3の電流源15に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インタフェース回
路、発振回路及び遅延回路等において使われるコンパレ
ータに参照すべき電圧を供給したり、コンパレータに対
する参照電圧にヒステリシス特性を与えたりするために
使われるアナログ電圧切替回路に関する。併せて、その
アナログ電圧切替回路を用いてなるヒステリシス付コン
パレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロコンピュータ(マイコ
ン)を用いたシステムでは、マイコンと外部スイッチと
の間のインタフェース回路にヒステリシス特性を有する
ヒステリシス付コンパレータが用いられる。或いは、マ
イコンの発振回路や遅延回路等の多くの用途に、ヒステ
リシス付コンパレータが用いられる。そして、この種の
コンパレータにヒステリシス特性を与えるために、アナ
ログ電圧切替回路が用いられている。
【0003】一般に、MOS−FET(MOSトランジ
スタ)によれば、トランスミッションゲートを用いたア
ナログ電圧切替回路が容易に得られる。その理由は、M
OSトランジスタのゲートインピーダンスが無限大に近
く、ゲートに電流が流れず、誤差が生じ難いからであ
る。そして、MOSトランジスタよりなるアナログ電圧
切替回路を用いて二つの基準電圧を選択的に参照するこ
とにより、コンパレータの出力にヒステリシス特性を与
えることか一般的に行われている。
【0004】例えば、実開昭60−32834号公報に
は、図6に示すように、MOSトランジスタ51,52
よりなるアナログ電圧切替回路としての選択回路53
と、コンパレータ64とを備えてなる発振回路が開示さ
れている(以下、この発振回路に係る技術を「第1の従
来技術」とする)。
【0005】この発振回路は選択回路53とコンパレー
タ54の他に、参照すべき異なる二つの基準電圧VA,
VBを発生させるための電圧発生回路55を備えてい
る。電圧発生回路55は直列に接続された三つの抵抗5
6,57,58を備えている。そして、各抵抗56〜5
8の間の二つの接続部から各基準電圧VA,VBが得ら
れる。選択回路53によれば、これら二つの基準電圧V
A,VBの一方が選択的に出力される。コンパレータ5
4の一方の入力端子には、選択回路53より選択的に出
力される基準電圧VA,VBが入力される。コンパレー
タ54の出力端子には、抵抗59及びコンデンサ60等
が直列に接続されている。コンデンサ59の他端は接地
されている。抵抗59及びコンデンサ60の接続部にお
ける電圧は、コンパレータ54の他方の入力端子に入力
される。更に、コンパレータ54の出力端子は選択回路
53に接続されている。そして、コンパレータ54の出
力により選択回路53の動作が制御されることにより、
コンパレータ54の動作にヒステリシス特性が与えられ
る。又、コンパレータ54の出力により、抵抗59への
印加電圧が決定される。
【0006】一方、前記発振回路に準ずる趣旨で、ヒス
テリシス特性を与えると共にバイポーラICにより実現
可能なコンパレータとして、図7に示すような構成が考
えられる(以下、この構成に係る技術を「第2の従来技
術」とする)。
【0007】このコンパレータはコンパレート回路61
及び駆動回路62と、コンパレート回路61の出力に基
づき同回路61で参照されるべき基準電圧を変更するた
めの可変電圧回路63とを備えている。
【0008】可変電圧回路63はバッテリ64と接地と
の間に直列に接続された三つの高精度抵抗64,65,
66と、一つのバイポーラトランジスタ68より構成さ
れている。このトランジスタ68のコレクタは両抵抗6
6,65の間に接続され、エミッタは接地されている。
【0009】コンパレート回路61は六つのバイポーラ
トランジスタ70,71,72,73,74,75より
構成されている。トランジスタ70はそのエミッタがト
ランジスタ71のベースに接続され、トランジスタ70
のコレクタは接地されている。そして、トランジスタ7
0のベースが入力端子76に接続されている。トランジ
スタ71のエミッタは、定電流源77を介してバッテリ
64接続されている。同様に、トランジスタ72はその
エミッタがトランジスタ73のベースに接続され、トラ
ンジスタ72のコレクタは接地されている。そして、ト
ランジスタ72のベースが、可変電圧回路63の両抵抗
64,65の間の接続部65aに接続されている。トラ
ンジスタ73はそのエミッタが定電流源77を介してバ
ッテリ64に接続されている。両トランジスタ74,7
5は、それらのベースが互いに接続され、両トランジス
タ74,75のエミッタはそれぞれ接地されている。ト
ランジスタ74のコレクタはトランジスタ71のコレク
タに、トランジスタ75のコレクタはトランジスタ73
のコレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタ7
4はコレクタとベースが短絡している。そして、両トラ
ンジスタ73,75の接続部が同回路61における出力
部78となっている。そして、この出力部78が抵抗7
9を介して、可変電圧回路63のトランジスタ68のベ
ースに接続されている。
【0010】この可変電圧回路63において、トランジ
スタ68がオフ状態である場合には、接続部65aの電
位が抵抗64と両抵抗65,66との分圧により決定さ
れる。この電位がコンパレート回路61のトランジスタ
72のベースに入力される。この状態から、コンパレー
ト回路61の出力変化に基づきトランジスタ68がオン
されることにより、接続部65aの電位が抵抗64と抵
抗65との分圧により決定され、コンパレート回路61
の参照すべき基準電圧が変更される。そして、この電位
がコンパレート回路61のトランジスタ72のベースに
入力される。
【0011】駆動回路62は二つのバイポーラトランジ
スタ80,81と、二つの抵抗82,83とを備えてい
る。トランジスタ80はそのコレクタが抵抗82を介し
て定電源84に接続され、そのエミッタが接地されてい
る。そして、このトランジスタ80のベースが、抵抗8
5を介してコンパレート回路61の出力部78に接続さ
れている。トランジスタ81はそのコレクタが抵抗83
を介して定電源84に接続され、そのエミッタが接地さ
れている。トランジスタ81のベースが、トランジスタ
80と抵抗82の間に接続されている。トランジスタ8
1と抵抗83の接続部が出力端子86に接続されてい
る。
【0012】この駆動回路62では、コンパレート回路
61の出力がトランジスタ68のベースに入力されるこ
とにより、その入力レベルが両トランジスタ80,81
の協働により増幅されて出力端子62から出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記第1の
従来技術に係る発振回路では、選択回路53に二つのM
OSトランジスタ51,52が使用されている。このよ
うなMOSトランジスタ51,52を含む各回路53,
55及びコンパレータ54の構成は、一つの集積回路
(IC)で実現するのが有利である。しかしながら、M
OS−ICは耐圧や精度の面で問題がある。一般に、M
OS−ICはゲートの耐圧が低く、外部サージに弱いと
いう傾向にある。従って、上記の各回路53,55及び
コンパレータ54を含むMOS−ICでは、高い耐圧の
要求される環境での使用には不向きである。特に、高い
信頼性の要求される自動車用マイコンシステムでの使用
には不向きである。又、一般にMOSトランジスタはそ
のスレッショルドレベル(しきい値)のバラツキが比較
的大きい傾向にある。従って、上記の発振回路では、選
択回路53からコンパレータ54に入力される基準電圧
のオフセットバラツキが大きく、コンパレータ54の動
作精度を低下させる傾向にある。
【0014】これに対し、一般にバイポーラトランジス
タを備えてなるバイポーラICは耐圧や精度の面でMO
S−ICよりも優れており、高い耐圧の要求される環境
での使用に向く。このため、上記の各回路53,55及
びコンパレータ54等を含む構成をMOS−ICで実現
する代わりに、バイポーラICで実現することが望まれ
る。しかしながら、バイポーラトランジスタを用いたア
ナログ電圧切替回路が未だ実現されていないことから、
上記のような回路をバイポーラICで実現することはで
きない。ここで、バイポーラトランジスタを用いたアナ
ログ電圧切替回路が実現されていないのは、同トランジ
スタでベース電流が流れる分だけ誤差を生じ易いからで
ある。しかも、トランジスタを飽和させてもエミッタ−
ベース間の電位降下を完全には無くせない。
【0015】そこで、前記第1の従来技術のような発振
回路を構成するのに、例えば、コンパーレータは耐圧や
精度に優れたバイポーラトランジスタで構成し、アナロ
グ電圧切替回路はベース電流に基づいた動作によらない
MOSトランジスタで構成することが考えられる。この
ような回路を同一のチップで実現したものに、Bi−C
MOSがある。Bi−CMOSはアナログ回路とデジタ
ル回路を一つのチップ上に混在させた高機能なICに使
われる論理回路である。しかし、Bi−CMOSを得る
には複雑且つ高価なプロセスを必要とする。
【0016】そこで、ヒステリシス付コンパレータをバ
イポーラICで実現する構成として、前記第2の従来技
術のコンパレータが挙げられる。しかし、このコンパレ
ータでは、コンパレート回路61のトランジスタ72に
おいて、そのコレクタ−エミッタ間の飽和電圧にバラツ
キが生じたり、その電圧が温度によって変化したりする
おそれがある。その結果、トランジスタ72のしきい値
が変動してコンパレート回路61に対する基準電圧に誤
差が生ずるおそれがある。更に、このコンパレータで
は、可変電圧回路63におけるトランジスタ68の動作
に基づいて基準電圧が変えられる。そのため、例えば、
同一チップ上に同一規格のコンパレータを複数個設けよ
うとした場合には、基準電圧を決めるための可変電圧回
路63を各コンパレータ毎に個別に設けなければならな
い。しかも、同回路63の高精度抵抗64〜66は、I
Cチップ上でトランジスタよりも大きな面積を占める。
このため、複数のコンパレータのための高精度抵抗64
〜66を設けるために、ICチップが大型化するばかり
でなく、全抵抗64〜66での消費電力が大きくなり、
省電力化の要望に反する。
【0017】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その第1の目的は、二つの参照電圧の一
方を精度良く選択的に出力させ得る回路構成をバイポー
ラICにより実現可能にしたアナログ電圧切替回路を提
供することにある。
【0018】この発明の第2の目的は、第1の目的のア
ナログ電圧切替回路を用いて参照電圧の入力を切り替え
ることによりヒステリシス特性を得ることを可能にする
と共に、その回路構成をバイポーラICにより実現可能
にしたヒステリシス付コンパレータを提供することにあ
る。
【0019】この発明の第3の目的は、複数組みの回路
構成を同一のICチップ上で実現しようとした場合に、
そのチップの小型化と省電力化を図ることを可能にした
アナログ電圧切替回路及びそれを用いたヒステリシス付
コンパレータを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、請求項1に記載の第1の発明は、ほぼ同じ
大きさの電流を流す第1及び第2の電流源と、それら両
電流源の間に直列に接続され、第1の電流源の電流出口
に接続された第1のダイオード及び第2の電流源の電流
入口に接続された第2のダイオードと、異なる大きさの
二つの参照電圧を選択的に得るための第1及び第2の参
照電圧源と、第1のダイオードと第1の電流源との接続
部と、第2のダイオードと第2の電流源との接続部とに
それぞれ接続されたエミッタを有し、第1の参照電圧源
と第2の参照電圧源とにそれぞれ接続されたベースを有
する第1及び第2のトランジスタと、両参照電圧源とは
異なる所定の電圧源と、第3の電流源と、第1のダイオ
ード及び第1の電流源の接続部、又は第2のダイオード
及び第2の電流源の接続部と、所定の電圧源との間を選
択的に導通させるためのスイッチング手段とを備え、両
ダイオードの接続部をスイッチング手段の作動に基づい
て切り替えられる出力電圧の取出部とすると共に、その
取出部を第3の電流源に接続したことを趣旨としてい
る。
【0021】上記第2の目的を達成するために、請求項
2に記載の第2の発明においては、第1の発明のアナロ
グ電圧切替回路に接続されたコンパレート回路を備え、
取出部より出力される電圧を参照電圧としてコンパレー
ト回路に入力すると共に、同コンパレート回路の出力に
基づいてスイッチング手段の作動を切り替えるように構
成したことを趣旨としている。
【0022】
【作用】上記第1の発明の構成において、第1のダイオ
ードと第1のトランジスタとが電気的に整合がとられ、
同じく第2のダイオードと第2のトランジスタとが電気
的に整合がとられているとする。又、第1の電流源の電
流と第2の電流源の電流とが同じ大きさに設定され、且
つ、その電流よりも第3の電流源の電流のほうが小さく
設定されているとする。
【0023】ここで、スイッチング手段により、第1の
ダイオード及び第1の電流源の接続部、又は第2のダイ
オード及び第2の電流源の接続部と、所定の電圧源との
間が非導通で、両トランジスタが共にオフ状態にあると
する。このとき、取出部には第1及び第3の電流源の電
流の和が流れる。従って、この電流和が第2の電流源の
電流よりも大きいことから、取出部の出力電圧が上昇し
て、第1のトランジスタがオンする。そして、第1のト
ランジスタには第1の電流源の電流に相当する分のエミ
ッタ電流が流れ、同トランジスタの状態が安定化する。
このとき、第1のダイオードには、第1のトランジスタ
のエミッタ電流と同じ分の電流が流れる。従って、第1
のダイオードにおける電圧が、第1のトランジスタにお
けるベース−エミッタ間の電圧と等しくなり、取出部か
らは、第1の参照電圧源による参照電圧が出力電圧とし
て出力される。
【0024】一方、第1のトランジスタがオンしている
ときに、スイッチング手段により、第1のダイオード及
び第1の電流源の接続部と所定の電圧源との間が導通し
たとする。このとき、第1のトランジスタにおけるエミ
ッタ電位がそのベース電位より小さくなることにより、
第1のトランジスタがオフする。これにより、取出部に
は第3の電流源の電流が流れる。この電流は第2の電流
源のそれよりも小さいことから、取出部の出力電圧が低
下して第2のトランジスタがオンする。そして、第2の
トランジスタには、第3の電流源の電流に相当する分の
エミッタ電流が流れ、同トランジスタの状態が安定化す
る。このとき、第2のダイオードには、第3の電流源の
電流と同じ電流が流れ、それと同等の電流が第2のトラ
ンジスタにエミッタ電流として流れる。従って、第2の
ダイオードにおける電圧が、第2のトランジスタにおけ
るベース−エミッタ間の電圧と等しくなり、取出部から
は第2の参照電圧源による参照電圧が出力電圧として得
られる。
【0025】このように、電圧切替回路からは異なる二
つの参照電圧が出力電圧として選択的に出力される。し
かも、両トランジスタはベース電流によることなく動作
する。又、両参照電圧源はそれらの参照電圧が単に選択
的に参照されるだけである。そのため、同一ICチップ
上に複数の電圧切替回路を設けた場合には、それらの回
路に対して両参照電圧源を共用することが可能となる。
【0026】上記第2の発明の構成によれば、アナログ
電圧切替回路の取出部より選択的に出力される電圧が参
照電圧としてコンパレート回路に入力され、そのコンパ
レート回路の出力に基づいてスイッチング手段の動作が
切り替えられる。そして、参照電圧の切り替えに伴い、
コンパレート回路の出力が切り替えられるべき電圧レベ
ルが切り替えられる。又、両参照電圧源はそれらの参照
電圧が単に選択的に参照されるだけである。そのため、
同一ICチップ上に複数のコンパレータを設けた場合に
は、それらのコンパレータに対して両参照電圧源を共用
することが可能となる。
【0027】
【実施例】
(第1実施例)以下、第1の発明におけるアナログ電圧
切替回路を具体化した第1実施例を図1に基づいて詳細
に説明する。
【0028】この実施例における電圧切替回路は一つの
集積回路(IC)を構成するチップ上に形成され、ほぼ
同一の大きさの電流I1,I2を流すための第1の定電
流源1及び第2の定電流源2を備えている。第1の定電
流源1の電流入口は所定の大きさの電源電圧Vccを有
する定電源3に接続されている。第2の定電流源2の電
流出口は接地部4に接続されている。両定電流源1,2
の間には、互いに直列に接続された第1のダイオード5
及び第2のダイオード6が接続されている。第1のダイ
オード5のアノードは第1の定電流源1の電流出口に接
続され、第2のダイオード6のカソードは第2の定電流
源2の電流入口に接続されている。ここで、両ダイオー
ド5,6は、それらの占有面積を小さくするために、チ
ップ上にて複合素子よって同一の島内に形成されてい
る。
【0029】この電圧切替回路は、更に、第1のトラン
ジスタ7及び第2のトランジスタ8と、互いに異なる大
きさの第1及び第2の参照電圧V1,V2を得るための
第1の参照電圧源9及び第2の参照電圧源10とを備え
ている。第1のトランジスタ7はPNP型のバイポーラ
トランジスタよりなり、第2のトランジスタ8はNPN
型のバイポーラトランジスタよりなる。第1のトランジ
スタ7のエミッタは、第1のダイオード5と第1の定電
流源1との接続部11に接続され、そのコレクタは接地
部4に接続されている。又、第1のトランジスタ7のベ
ースは第1の参照電圧源9に接続されている。第2のト
ランジスタ8のエミッタは、第2のダイオード6と第2
の定電流源2との接続部12に接続され、そのコレクタ
は定電源3に接続されている。又、第2のトランジスタ
8のベースは第2の参照電圧源10に接続されている。
【0030】第1のダイオード5及び第1の定電流源1
の接続部11は所定の電圧源としての接地部4に接続可
能であり、その間にはスイッチング手段としてのスイッ
チ13が接続されている。そして、両ダイオード5,6
の接続部がスイッチ13の作動に基づいて切り替えられ
る出力電圧Voの取出部14となっている。この取出部
14には第3の定電流源15の電流出口が接続され、そ
の電流入口は定電源3に接続されている。
【0031】ここで、各定電流源1,2の電流I1,I
2は互いに等しい大きさに設定されている。第3の定電
流源15の電流I3の大きさは他の電流I1,I2の半
分に設定されている。この実施例において、各定電流源
1,2,15には、カレントミラー回路よりなる能動負
荷が使用されている。一方、第1の参照電圧V1は第2
の参照電圧V2よりも大きく設定されている。各参照電
圧源9,10は、各トランジスタ7,8におけるベース
電流の程度では電位が変動しないような出力インピーダ
ンスを有している。更に、第1のダイオード5における
電圧と第1のトランジスタ7におけるベース−エミッタ
間の電圧とが同じ大きさになるように設定されている。
同じく、第2のダイオード6における電圧と第2のトラ
ンジスタ8におけるベース−エミッタ間の電圧とが同じ
大きさになるように設定されている。
【0032】次に、上記のように構成したアナログ電圧
切替回路の作用を説明する。今、スイッチ13がオフさ
れており、第1のダイオード5及び第1の定電流源1の
接続部11と接地部4との間が切り離され、両トランジ
スタ7,8が共にオフされた状態であるとする。
【0033】このとき、取出部14には第1及び第3の
定電流源1,15の電流I1,I3の和が流れ、接地部
4には第2の定電流源2の電流I2のみが流れる。従っ
て、この電流I1,I3の和が電流I2よりも大きいこ
とから、取出部14における出力電圧Voが上昇して第
1のトランジスタ7がオンする。そして、第1のトラン
ジスタ7には第3の定電流源15の電流I3に相当する
分のエミッタ電流IE1が流れ、同トランジスタ7の状
態が安定化する。このとき、第2のトランジスタ8はオ
フの状態のままである。又、第1のダイオード5には、
第1のトランジスタ7のエミッタ電流IE1と同じ分の
電流が流れる。従って、第1のダイオード5における電
圧VD1が、第1のトランジスタ7におけるベース−エ
ミッタ間の電圧VBE1と等しくなり、取出部14から
は、第1の参照電圧V1が出力電圧Voとして得られ
る。
【0034】一方、上記のように第1のトランジスタ7
がオンしている状態で、スイッチ13がオンされること
により、接続部11と接地部4との間が導通したとす
る。このとき、第1のトランジスタ7におけるエミッタ
電位はベース電位より小さくなることから、第1のトラ
ンジスタ7はオフする。このとき、第2のトランジスタ
8は最初、オフ状態であることから、取出部14には電
流I3が流れ、接地部4へは電流I3よりも大きい電流
I2が流れる。その結果、取出部14の出力電圧Voが
低下して、第2のトランジスタ8がオンする。そして、
第2のトランジスタ8には電流I3に相当する分のエミ
ッタ電流IE2が流れ、同トランジスタ8の状態が安定
化する。このとき、第1の定電流源1の電流I1はスイ
ッチ13へ全て流れることから、第2のダイオード6に
は、第3の電流源15の電流I3と同じ分の電流が流れ
る。そして、それと同等の電流が第2のトランジスタ8
にエミッタ電流IE2として流れる。従って、第2のダ
イオード6における電圧VD2が、第2のトランジスタ
8におけるベース−エミッタ間の電圧VBE2と等しく
なり、取出部14からは、第2の参照電圧V2が出力電
圧Voとして得られる。
【0035】このように、本実施例のアナログ電圧切替
回路によれば、二つの参照電圧源9,10の異なる参照
電圧V1,V2が出力電圧Voとして選択的に得られ
る。しかも、両トランジスタ7,8はそれらのベース電
流によらないで動作する。このことは、両トランジスタ
7,8の動作の上で、ベース電流による誤差分を無視で
きることにつながる。
【0036】そして、この電圧切替回路では、各電流I
1,I2,I3の比が「2:2:1」であり、第1のト
ランジスタ7の電圧VBE1と第1のダイオード5の電
圧VD1との整合、第2のトランジスタ8の電圧VBE
2と第2のダイオード6の電圧VD2との整合がそれぞ
れとられている。従って、この電圧切替回路によれば、
理論上、誤差を含むことなく、二つの参照電圧V1,V
2を正確に切り替えて他の回路へ正確に伝えることがで
きる。即ち、この電圧切替回路によれば、二つの参照電
圧V1,V2の一方を精度良く選択的に出力することが
でき、そのための回路構成を各トランジスタ7,8を含
むバイポーラICにより実現することができる。このよ
うなバイポーラICよりなるアナログ電圧切替回路の実
現は新規のことである。
【0037】このようなバイポーラICよりなる電圧切
替回路の利点は、従来のMOS−ICよりなる電圧切替
回路との比較の上で明らかである。即ち、一般に、MO
S−ICはゲートの耐圧が低く、外部サージにも弱い傾
向があり、それを用いてなる電圧切替回路は高い耐圧の
要求される環境での使用に不向きである。これに対し、
バイポーラICは耐圧や精度の面でMOS−ICよりも
優れており、それを用いてなる電圧切替回路は耐圧と精
度の面で有利である。しかも、電圧切替回路を構成する
各トランジスタ7,8の動作の上でベース電流による誤
差を無視できることから、回路自体の誤動作を防止する
ことができる。その意味から、高精度なアナログ電圧切
替回路を実現することができる。
【0038】更に、上記の電圧切替回路を実現できるこ
とから、同一のICチップ上に他の回路をバイポーラト
ランジスタで容易に構成することができる。このこと
は、製造プロセスの簡略化にもつながり、電圧切替回路
を含むICチップの量産化の点で有利である。
【0039】加えて、この実施例における両参照電圧源
9,10は、それらの参照電圧V1,V2が選択的に参
照されるだけである。そのため、同一ICチップ上に複
数のアナログ電圧切替回路を設けるような場合には、そ
れらの回路に対して両参照電圧源9,10を共用するこ
とが可能となり、複数組みの参照電圧源9,10を設け
る必要がない。その結果、参照電圧源9,10に要する
面積を小さくすることができ、ICチップを小型化する
ことに寄与できる。併せて、この実施例の構成によれ
ば、一組の参照電源9,10を設けるだけでよいので、
複数組みの参照電源9,10を設ける場合と比べて消費
電力を少なくすることができる。
【0040】尚、上記のようなアナログ電圧切替回路の
用途として、後述するヒステリシス付コンパレータに用
いることができる他に、例えば、回路の状態によってコ
ンパレータの基準電圧を切り替えるようにした回路にも
応用することができる。例えば、前記第1の従来技術で
説明したような発振回路にも応用することができる。
【0041】(第2実施例)次に、この発明におけるア
ナログ電圧切替回路を具体化した第2実施例を図2に従
って説明する。
【0042】この実施例における電圧切替回路の構成要
素は前記第1実施例のそれと基本的に同じであり、それ
らの接続関係において第1実施例のそれと異なってい
る。即ち、スイッチ13は、第2の定電流源2及び第2
のダイオード6の接続部12と定電源3との間に接続さ
れている。更に、第3の定電流源15は、取出部14と
接地部4との間に接続されている。この電圧切替回路に
おける各電流I1〜I3及び各参照電圧V1,V2等に
係る設定は、前記第1実施例のそれと基本的に同じであ
る。
【0043】従って、この実施例のアナログ電圧切替回
路についても、前記第1実施例のそれと同様の作用及び
効果を得ることができる。 (第3実施例)次に、この発明におけるアナログ電圧切
替回路を具体化した第3実施例を図3に従って説明す
る。
【0044】この実施例における電圧切替回路の構成は
前記第1実施例のそれと基本的に同じであるが、以下の
点で異なる。即ち、第1のダイオード5は、第1のトラ
ンジスタ7と同じトランジスタを使用し、そのコレクタ
とベースとの間を短絡させることにより構成されてい
る。同様に、第2のダイオード6は、第2のトランジス
タ8と同じトランジスタを使用し、そのコレクタとベー
スとの間を短絡させることにより構成されている。更
に、スイッチ13がバイポーラトランジスタより構成さ
れ、そのベースにスイッチングのための切り替え信号が
入力される。この電圧切替回路における各電流I1〜I
3及び各参照電圧V1,V2等に係る設定は、前記第1
実施例のそれと基本的に同じである。
【0045】従って、この実施例におけるアナログ電圧
切替回路についても、前記第1実施例のそれと同様の作
用及び効果を得ることができる。加えて、第1のトラン
ジスタ7と第1のダイオード5とが同じトランジスタで
構成されていることから、両者7,5におけるベース−
エミッタ間の電圧特性を正確に整合させることができ
る。その結果、この電圧切替回路では、第1の参照電圧
V1を出力電圧Voとして精度良く取り出すことができ
る。同様に、第2のトランジスタ8と第2のダイオード
6についても、両者8,6におけるベース−エミッタ間
の電圧特性を正確に整合させることができる。その結
果、この電圧切替回路では、第2の参照電圧V2を出力
電圧Voとして精度良く取り出すことができる。つま
り、この電圧切替回路によれば、参照電圧V1,V2の
伝達精度を更に向上させることができる。
【0046】(第4実施例)次に、第1及び第2の発明
におけるアナログ電圧切替回路を用いたヒステリシス付
コンパレータを具体化した第4実施例を図4,5に従っ
て説明する。
【0047】図4はこの実施例のヒステリシス付コンパ
レータの構成を示す電気回路図である。このコンパレー
タはアナログ電圧切替回路21と、コンパレート回路2
2と、そのコンパレート回路22の出力を増幅して出力
するための駆動回路23とを備えている。各回路21〜
23は一つのバイポーラICのチップ上に設けられてい
る。
【0048】電圧切替回路21の構成は、前記第3実施
例のそれと基本的に同じである。前記第3実施例と同一
の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略
する。但し、第1及び第2の参照電圧源9,10は、所
定の大きさのバッテリ電圧Vbを有するバッテリ20と
接地部4との間に直列に接続された三つの高精度抵抗2
4,25,26より構成されている。そして、電圧切替
回路21における第1のトランジスタ7のベースが、両
抵抗24,25の接続部27に接続され、第2のトラン
ジスタ8のベースが両抵抗25,26の接続部28に接
続されている。上記のような接続関係により、第1のト
ランジスタ7のベースに対する第1の参照電圧V1が得
られると共に、第2のトランジスタ8のベースに対する
第2の参照電圧V2が得られる。
【0049】この実施例では、第1及び第2の参照電圧
源9,10を共用して、各々一つの電圧切替回路21、
コンパレート回路22及び駆動回路23を一組とするヒ
ステリシス付コンパレータが複数組み設けられている。
図4では一組のヒステリシス付コンパレータのみが図示
されているだけで、他の組みに係る図示は省略されてい
る。
【0050】コンパレート回路22はPNP型のバイポ
ーラトランジスタより四つのトランジスタ29,30,
31,32と、NPN型のバイポーラトランジスタより
なる二つのトランジスタ33,34とから構成されてい
る。PNP型の第3のトランジスタ29はそのエミッタ
が第4のトランジスタ30のベースに接続されている。
第3のトランジスタ29のコレクタは接地部4に接続さ
れている。そして、第3のトランジスタ29のベースが
コンパレート回路22の入力端子35に接続されてい
る。入力端子35には、他の回路から所定の信号(入力
電圧Vin)が入力される。又、第4のトランジスタ3
0のエミッタは、所定の電流I4を流すための第4の定
電流源36を介してバッテリ20に接続されている。
【0051】同様に、PNP型の第5のトランジスタ3
1はそのエミッタが第6のトランジスタ32のベースに
接続されている。第5のトランジスタ31のコレクタは
接地部4に接続されている。そして、第5のトランジス
タ31のベースが、電圧切替回路21における取出部1
4に接続されている。又、第6のトランジスタ32はそ
のエミッタが第4の定電流源36を介してバッテリ20
に接続されている。NPN型の第7及び第8のトランジ
スタ33,34は、それらのベースが互いに接続されて
いる。両トランジスタ33,34のエミッタはそれぞれ
接地部4に接続されている。第7のトランジスタ33の
コレクタは第4のトランジスタ30のコレクタに、第8
のトランジスタ34のコレクタは第6のトランジスタ3
2のコレクタにそれぞれ接続されている。又、第7のト
ランジスタ33はコレクタとベースが短絡している。そ
して、第8のトランジスタ34と第6のトランジスタ3
2の接続部が同回路22における出力部37となってい
る。この出力部37は抵抗38を介して、電圧切替回路
21のスイッチ13のベースに接続されている。
【0052】このコンパレート回路22は、第5のトラ
ンジスタ31のベースに入力される電圧切替回路21の
出力電圧Voと、入力端子35に入力される所定の入力
電圧Vinとに基づいて作動し、出力部37からの出力
が決定される。
【0053】駆動回路23はNPN型のバイポーラトラ
ンジスタよりなる二つのトランジスタ39,40と、二
つの抵抗41,42とを備えている。第9のトランジス
タ39はそのコレクタが抵抗41を介して定電源3に接
続され、そのエミッタが接地部4に接続されている。そ
して、このトランジスタ39のベースが、抵抗43を介
し、コンパレート回路22の出力部37に接続されてい
る。第10のトランジスタ40はそのコレクタが抵抗4
2を介して定電源3に接続され、そのエミッタが接地部
4に接続されている。又、そのトランジスタ40のベー
スが、第9のトランジスタ39と抵抗41との接続部4
4に接続されている。更に、第10のトランジスタ40
と抵抗42との接続部45が、同回路23の出力端子4
6に接続されている。
【0054】この駆動回路23では、コンパレート回路
22の出力が第9のトランジスタ39のベースに入力さ
れることにより、その入力レベルが両トランジスタ3
9,40の協働により増幅されて出力端子46から出力
される。
【0055】次に、上記のヒステリシス付コンパレータ
の作用を説明する。コンパレート回路22は第5のトラ
ンジスタ31のベースに電圧切替回路21から出力され
る出力電圧Voと、入力端子35に入力される入力電圧
Vinとに基づいて動作する。
【0056】図5は電圧切替回路21より出力される出
力電圧Vo(第1及び第2の参照電圧V1,V2)と、
それに対するコンパレート回路22の入力端子35にお
ける入力電圧Vinと、駆動回路23の出力端子46に
おける出力電圧Voutとの関係を示すタイムチャート
である。
【0057】今、時刻t1から時刻t2の間で、コンパ
レート回路22の入力端子35における入力電圧Vin
のレベルが、電圧切替回路21の出力電圧Vo(第1の
参照電圧V1)のレベルよりも相対的に低いとする。こ
の場合には、コンパレート回路22の出力部37の電位
が下がり、駆動回路23では、その出力端子46の出力
電圧Voutがロウレベルとなる。
【0058】そして、時刻t2において、入力電圧Vi
nのレベルが第1の参照電圧V1のレベル以上になる
と、出力部37の電位が上がる。その結果、出力端子4
6の出力電圧Voutがハイレベルとなり、電圧切替回
路21の出力電圧Voが第2の参照電圧V2のレベルに
切り替わる。
【0059】その後、入力電圧Vinのレベルが徐々に
下がって第2の参照電圧V2のレベル以下になると、出
力部37の電位が再び上がる。その結果、出力端子46
の出力電圧Voutがロウレベルとなり、電圧切替回路
21の出力電圧Voが第1の参照電圧V1のレベルに切
り替わる。
【0060】このように、このコンパレータでは、入力
電圧Vinの上昇時にそのレベルが第1の参照電圧V1
に達すると、出力電圧Voutがハイレベルとなり、入
力電圧Vinの下降時にそのレベルが第2の参照電圧V
2(<V1)に達すると、出力電圧Voutがロウレベ
ルとなる。つまり、コンパレート回路22の動作に基づ
いてスイッチ13が作動が切り替えられることにより、
電圧切替回路21より出力されるべき二つの参照電圧V
1,V2が切り替えられ、それに伴い、コンパレート回
路22の出力が切り替えられるべき電圧レベルが切り替
えられる。
【0061】そして、このコンパレータでは、前記第3
実施例と同じ構成のアナログ電圧切替回路21より出力
電圧Vo(第1の参照電圧V1、第2の参照電圧V2)
が選択的に出力され、その出力電圧Voがコンパレート
回路22にて参照される。従って、電圧切替回路21に
より二つの参照電圧V1,V2を正確に切り替えて、コ
ンパレート回路22へ正確に伝えることができる。その
結果、コンパレート回路22の動作精度を向上させるこ
とができ、延いては、駆動回路23の動作精度を向上さ
せることができる。
【0062】つまり、この実施例のコンパレータでは、
前記第3実施例と同じ構成のアナログ電圧切替回路21
を用いて二つの参照電圧V1,V2の入力を切り替える
ことにより、正確なヒステリシス特性を得ることができ
る。しかも、電圧切替回路21を構成する各トランジス
タ7,8の動作の上でベース電流による誤差を無視でき
ることから、同回路21の誤動作を防止することができ
る。
【0063】更に、この実施例では、コンパレータの回
路構成全体を一つのバイポーラICにより実現すること
ができる。そのため、上記の構成を、バイポーラトラン
ジスタ及びMOSトランジスタを混在させたBi−CM
OSでつくる必要がなく、その意味で製造プロセスの簡
略化にもつながり、コンパレータを含むICチップの量
産化の点で有利である。
【0064】加えて、この実施例における参照電圧源
9,10は、それらの参照電圧V1,V2が選択的に参
照されるだけである。そのため、この実施例のように、
同一ICチップ上に複数のコンパレータを設けるに際し
て、それらのコンパレータに対して一組の参照電圧源
9,10を共用することができ、複数組みの参照電圧源
9,10を設ける必要がない。その結果、参照電圧源
9,10に要する面積を小さくすることができ、ICチ
ップを小型化することができる。併せて、一組の参照電
源9,10を設けるだけでよいので、複数組みの参照電
源9,10を設ける場合と比べて消費電力を小さく抑え
ることができる。
【0065】尚、この発明は次のような別の実施例に具
体化することもできる。以下の各実施例においても前記
各実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記第4実施例では、アナログ電圧切替回路21
に前記第3実施例のそれと同じ構成を使用したが、これ
に前記第1又は第2の実施例におけるアナログ電圧切替
回路と同じ構成を使用してもよい。
【0066】(2)前記各実施例では、各定電流源1,
2,15として、カレントミラー回路よりなる能動負荷
を使用したが、これらを単に抵抗負荷としてもよい。 (3)前記各実施例において、各参照電圧源9,10や
取出部14のインピーダンスを小さくするために、回路
にボルテージフォロアを構成してもよい。
【0067】以上、本発明の各実施例について説明した
が、上記各実施例には、特許請求の範囲に記載した技術
的思想に係る次のような各種の実施態様が含まれること
を、以下にその効果と共に記載する。
【0068】(イ)請求項1に記載のアナログ電圧切替
回路において、前記第1及び第2のダイオードのそれぞ
れを、トランジスタのコレクタとベースとを短絡させて
構成し、それら各トランジスタに前記第1及び第2のト
ランジスタと同じ特性のものを使用してなるアナログ電
圧切替回路。この構成によれば、第1のダイオードと第
1のトランジスタとのベース−エミッタ間の電圧特性、
第2のダイオードと第2のトランジスタとのベース−エ
ミッタ間の電圧特性のそれぞれを正確に整合させること
ができ、アナログ電圧切替回路を高精度に動作させるこ
とができる。
【0069】(ロ)請求項1に記載のアナログ電圧切替
回路において、前記第1及び第2の参照電圧源のそれぞ
れを、他の少なくとも一つの回路に共用してなるアナロ
グ電圧切替回路。
【0070】この構成によれば、同一ICチップ上に複
数のアナログ電圧切替回路を設けた場合に、参照電圧源
に要する面積を小さくすることができ、チップを小型化
することができ、参照電源に要する消費電力を少なくす
ることができる。
【0071】(ハ)請求項2に記載のコンパレータにお
いて、前記第1及び第2の参照電圧源のそれぞれを、直
列に接続された三つの抵抗を電源に接続することにより
構成し、それら第1及び第2の参照電圧源のそれぞれ
を、アナログ電圧切替回路を含んでなる他の少なくとも
一つのコンパレータに共用してなるヒステリシス付コン
パレータ。
【0072】この構成によれば、同一ICチップ上に複
数のコンパレータを設けた場合に、参照電圧源に要する
面積を小さくすることができ、チップを小型化すること
ができ、参照電源に要する消費電力を少なくすることが
できる。
【0073】尚、この明細書において、発明の構成に係
る手段及び部材等は、以下のように定義されるものとす
る。 (a)バイポーラ集積回路(バイポーラIC)とは、バ
イポーラトランジスタを能動素子とし、これらに抵抗あ
るいはコンデンサを接続して構成した集積回路をいう。
【0074】(b)MOSトランジスタとは、ゲート・
ソース間に加えられる電圧により酸化膜直下の半導体表
面に形成される実効的な導電層の電気伝導度を変化さ
せ、ドレン・ソース間の電流を制御する固体電子部品を
いう。
【0075】(c)MOS−集積回路(MOS−IC)
とは、MOSトランジスタにより構成した集積回路をい
う。 (d)コンパレータとは、二つの入力信号の大小に応じ
て、予め定めた二つの値の信号のいずれかを出力信号と
する演算器をいう。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明の構成
によれば、両トランジスタがベース電流によることなく
動作して異なる二つの参照電圧が出力電圧として選択的
に出力される。その結果、二つの参照電圧の一方を精度
良く選択的に出力させることができ、その回路構成をバ
イポーラICにより実現することができる。加えて、同
一ICチップ上に複数のアナログ電圧切替回路を設けた
場合には、それらの回路に対して両参照電圧源を共用す
ることが可能となる。その結果、そのチップの小型化と
省電力化を図ることができるという優れた効果を発揮す
る。
【0077】第2の発明の構成によれば、第1の発明に
おけるアナログ電圧切替回路によりコンパレート回路に
入力されべき参照電圧が切り替えられ、そのコンパレー
ト回路の出力に基づいてスイッチング手段の動作が切り
替えられる。又、参照電圧の切り替えに伴い、コンパレ
ート回路の出力が切り替えられるべき電圧レベルが切り
替えられる。その結果、ヒステリシス特性を得ることが
でき、その回路構成をバイポーラICにより実現するこ
とができる。加えて、同一ICチップ上に複数のコンパ
レータを設けた場合には、それらのコンパレータに対し
て両参照電圧源を共用することが可能となる。その結
果、そのチップの小型化と省電力化を図ることができる
という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明を具体化した第1実施例におけるア
ナログ電圧切替回路を示す電気回路図である。
【図2】同じく第1の発明を具体化した第2実施例にお
けるアナログ電圧切替回路を示す電気回路図である。
【図3】同じく第1の発明を具体化した第3実施例にお
けるアナログ電圧切替回路を示す電気回路図である。
【図4】第2の発明を具体化した第4実施例におけるヒ
ステリシス付コンパレータを示す電気回路図である。
【図5】第4実施例において、電圧切替回路より出力さ
れる出力電圧Vo(第1及び第2の参照電圧V1,V
2)と、それに対するコンパレート回路における入力電
圧Vinと、駆動回路における出力電圧Voutとの関
係を示すタイムチャートである。
【図6】第1の従来技術における発振回路を示す電気回
路図である。
【図7】第2の従来技術におけるコンパレータを示す電
気回路図である。
【符号の説明】
1…第1の定電流源、2…第2の定電流源、4…接地
部、5…第1のダイオード、6…第2のダイオード、7
…第1のトランジスタ、8…第2のトランジスタ、9…
第1の参照電圧源、10…第2の参照電圧源、13…ス
イッチング手段としてのスイッチ、14…取出部、15
…第3の定電流源、21…アナログ電圧切替回路、22
…コンパレート回路、I1,I2,I3…電流、V1…
第1の参照電圧、V2…第2の参照電圧、Vo…出力電
圧、Vin…入力電圧、Vout…出力電圧。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ同じ大きさの電流を流す第1及び第
    2の電流源と、 前記両電流源の間に直列に接続され、前記第1の電流源
    の電流出口に接続された第1のダイオード及び前記第2
    の電流源の電流入口に接続された第2のダイオードと、 異なる大きさの二つの参照電圧を選択的に得るための第
    1及び第2の参照電圧源と、 前記第1のダイオードと前記第1の電流源との接続部
    と、前記第2のダイオードと前記第2の電流源との接続
    部とにそれぞれ接続されたエミッタを有し、前記第1の
    参照電圧源と前記第2の参照電圧源とにそれぞれ接続さ
    れたベースを有する第1及び第2のトランジスタと、 前記両参照電圧源とは異なる所定の電圧源と、 第3の電流源と、 前記第1のダイオード及び前記第1の電流源の接続部、
    又は前記第2のダイオード及び前記第2の電流源の接続
    部と、前記所定の電圧源との間を選択的に導通させるた
    めのスイッチング手段とを備え、前記両ダイオードの接
    続部を前記スイッチング手段の作動に基づいて切り替え
    られる出力電圧の取出部とすると共に、その取出部を前
    記第3の電流源に接続したことを特徴とするアナログ電
    圧切替回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアナログ電圧切替回路
    に接続されたコンパレート回路を備え、前記取出部より
    出力される電圧を参照電圧として前記コンパレート回路
    に入力すると共に、同コンパレート回路の出力に基づい
    て前記スイッチング手段の作動を切り替えるように構成
    したことを特徴とするアナログ電圧切替回路を用いたヒ
    ステリシス付コンパレータ。
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