JPH07296381A - カードの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速にカードを製造すること。 【構成】 連続状プラスチック原反３０に基準穴３９を
穿設した後、原反３０の磁気層４２上に、磁気パターン
４５および打抜きマーク３８を印刷する。次に磁気パタ
ーン４５上に隠ぺい層４３および情報記録層４４を順次
コーティングにより形成する。連続状原反３０を複数枚
の磁気カード３２に対応する所定形状にシートカットし
て枚葉原反３５を形成する。枚葉原反３５の磁気パター
ン４５と反対側の面に、絵柄層４６および／又は保護層
４７を印刷し、その後枚葉原反３５から各々の磁気カー
ド３２を打ち抜く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプラスチック樹脂製のカ
ードの製造方法に係り、とりわけ迅速に磁気カードを製
造することができる磁気カードの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プラスチック樹脂製巻き取り状原
反からプリペイドカード等のカードが製造されている。
この場合、まずプラスチック樹脂製原反をシートカット
して、複数枚のカードに対応する所定形状の枚葉原反を
形成する。次に枚葉原反を精度良く断裁した後、枚葉原
反に対して磁気バーコードを印刷するとともに、磁気バ
ーコード上に隠ぺい層およびサーマル層をコーティング
する。次に枚葉原反の磁気バーコードと反対側の面に、
絵柄層および保護層を印刷する。次に絵柄層および保護
層が印刷された枚葉原反から各々の磁気カードが打抜か
れ、このようにして磁気カードが製造される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
磁気カードは枚葉原反の一方の面に磁気バーコード、隠
ぺい層およびサーマル層を印刷するとともに、枚葉原反
の他方の面に絵柄層および保護層を印刷し、印刷済枚葉
原反を打抜くことにより製造される。しかしながら、枚
葉原反に対して各種印刷を施す場合、枚葉原反をいちい
ち位置決めしながら印刷する必要があり、煩雑であると
ともに印刷工程に時間がかかり、大量の磁気カードを精
度良く、迅速に製造することは難しく、少量多品種の製
造に対しても各工程に時間がかかるという問題がある。

【０００４】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、大量生産だけでなく、少量多品種の製造に
対しても、迅速に磁気カードを製造することができるカ
ードの製造方法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
一面に予め磁気層が形成された連続状プラスチック製原
反の磁気層上であって磁気カードに対応する領域内に、
磁気パターンを印刷する工程と、前記連続状原反の磁気
パターン上に隠ぺい層および情報記録層をコーティング
により形成する工程と、所定枚数の磁気カードに対応す
る所定形状に前記連続状原反をシートカットして枚葉原
反を形成する工程と、シートカットされた枚葉原反の磁
気パターンと反対側の面に、絵柄層および／又は保護層
を印刷する工程と、絵柄層および／又は保護層が印刷さ
れた枚葉原反から各々の磁気カードを打ち抜く工程と、
を備えたことを特徴とするカードの製造方法である。

【０００６】請求項２記載の発明は、プラスチック製基
材上に磁気層が形成された連続状原反の磁気層上に磁気
パターンを印刷する工程と、連続状原反の磁気パターン
上に隠ぺい層および情報記録層をコーティングにより形
成する工程と、連続状原反の磁気パターンと反対側の面
に、絵柄層および／又は保護層を印刷する工程と、絵柄
層および／又は保護層が印刷された連続状原反から各々
の磁気カードを打ち抜く工程と、を備えたことを特徴と
するカードの製造方法である。

【０００７】請求項３記載の発明は、一面に予め磁気層
が形成された連続状プラスチック製原反に対して印刷用
見当マークを穿設する工程と、前記見当マークが設けら
れた前記連続状プラスチック製原反の磁気層上に、打抜
マークおよび磁気カード毎の磁気パターンを前記見当マ
ークを基準に印刷する工程と、前記連続状原反の磁気パ
ターン上に、隠ぺい層および情報記録層を前記見当マー
クを基準としてコーティングにより形成する工程と、所
定枚数の磁気カードに対応する所定形状に前記連続状原
反を前記見当マークを基準としてシートカットして枚葉
原反を形成する工程と、絵柄層および／又は保護層が印
刷された枚葉原反から各々の磁気カードを打ち抜く工程
と、を備えたことを特徴とするカードの製造方法であ
る。

【０００８】

【作用】請求項１記載の発明によれば、連続状原反に磁
気パターンを印刷により形成するとともに、その後連続
状原反に隠ぺい層および情報記録層を順次コーティング
により形成し、シートカットするので、迅速に磁気パタ
ーン、隠ぺい層および情報記録層が形成された枚葉原反
を得ることができる。

【０００９】請求項２記載の発明によれば、連続状原反
に磁気パターンを印刷により形成するとともに、その後
印刷状原反に隠ぺい層および情報記録層を順次コーティ
ングにより形成し、さらに連続状原反の磁気パターンと
反対側の面に、絵柄層および／又は保護層を印刷するこ
とにより、迅速に原反に磁気パターン、隠ぺい層、情報
記録層、絵柄層および／又は保護層を形成することがで
きる。

【００１０】請求項３記載の発明によれば、印刷用見当
マークを基準として連続状プラスチック製原反に打抜マ
ークおよび磁気パターンを印刷するとともに、この見当
マークを基準として隠ぺい層および情報記録層をコーテ
ィングしてシートカットするので、磁気パターンの印
刷、隠ぺい層および情報記録層のコーティング、および
シートカットの各工程相互間における位置決めを精度良
く行うことができる。また磁気パターンとともに印刷さ
れた打抜マークを基準として枚葉原反から各々の磁気カ
ードを打ち抜くことにより、磁気カード内に磁気パター
ンを精度良く配置することができる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図１乃至図３は本発明による磁気カードの
製造方法の一実施例を示す図である。

【００１２】図１および図２に示すように、まずＰＥＴ
等のプラスチック製基材４１の一面に予め磁気層４２が
形成された連続状のプラスチック製原反３０を準備す
る。ここで連続状のプラスチック製原反３０とは、長手
方向に連続する原反３０をいう。次に連続状のプラスチ
ック製原反３０に基準穴３９を穿設し、その後プラスチ
ック製原反３０の磁気層４２上に、磁気パターンとし
て、磁気バーコード４５をシルクスクリーン印刷により
形成する。この場合、磁気バーコード４５は、連続状原
反３０の磁気層４２上であって、製造されるべき個々の
磁気カード３２に対応する領域内に印刷される。磁気バ
ーコード４５を印刷する際、同時に連続状原反３０に打
抜きマーク３８をシルクスクリーン印刷により形成して
おく。この磁気パターンは、後工程で隠ぺいされ、その
上から磁気特性を機械読取りするため、インキ盛量を一
定にして、精度良く印刷しなければならず、オフセット
印刷やグラビア印刷、活版印刷等では十分なインキ盛量
が得られず、この場合はシルクスクリーン印刷が最も適
している。

【００１３】次に連続状原反３０に磁気バーコード４５
および打抜きマーク３８をシルクスクリーン印刷する工
程について図３により詳述する。

【００１４】図３に示すように、プラスチック基材４１
の一面に予め磁気層４２が形成された連続状原反３０が
ロール状に巻かれ、給紙部１１にセットされる。次にロ
ール状に巻かれた原反から連続状原反３０が繰り出さ
れ、見当マーク形成部２０で見当マークとして連続状原
反３０に基準穴３９が開けられる。次に検出部１４で基
準穴３９及び原反エッジが検出されて、連続状原反３０
が所定位置に位置決めされる。

【００１５】次に連続状原反３０に対して、印刷機１２
においてシルクスクリーン印刷が施され、印刷機１２に
より磁気バーコード４５および打抜きマーク３８が形成
される。次に連続状原反３０は乾燥機１３内において乾
燥され、バッファ１５を経て巻取部２２において連続的
に巻取られる。このようにして連続状原反３０上に磁気
バーコード４５および打抜きマーク３８が形成される。

【００１６】次に図１および図２に示すように、連続状
原反３０の磁気バーコード４５上に、隠ぺい層４３およ
び情報記録層としてサーマル層４４がコーティング装置
により順次コーティングされる。コーティングの際の位
置決めも、基準穴３９を基準として行われる。隠ぺい層
４３は磁気バーコード４５を隠ぺいするものであり、ま
た、サーマル層４４は図示しない加熱ヘッドにより文字
等が出現するものである為、インキ中に十分なＵＶ樹
脂、発色剤等を含有させると共に、表面を平滑にしなけ
ればならず、オフセット印刷やグラビア印刷、シルクス
クリーン印刷等ではそれらが再現できず、ロールによる
コーティングが最も適しており、これにより隠ぺい層４
３およびサーマル層４４を均等の厚みで精度良く形成す
ることができる。

【００１７】隠ぺい層４３およびサーマル層４４を形成
した後、連続状原反３０を複数枚（例えば２８枚）の磁
気カード３２に対応する所定形状にシートカットして、
枚葉原反３５を形成する。連続状原反３０をシートカッ
トする際の位置決めは基準穴３９により行われる。

【００１８】次にシートカットされた枚葉原反３５の３
辺に対して化粧断裁を施す。この場合は、枚葉原反３５
の基準縁３５ａを基準として、基準縁３５ａに対向する
縁３５ｂ、および両側の縁３５ｃ，３５ｄの順に断裁し
て枚葉原反３５の３辺を整える。この化粧断裁によっ
て、枚葉原反３５の基準穴３９が除去される。

【００１９】次にシートカットされた枚葉原反３５の磁
気バーコード４５と反対側の面に、絵柄層４６および保
護層４７がオフセット印刷により順次形成される。この
場合、オフセット印刷は枚葉原反３５の基準縁３５ａを
基準として行われる。

【００２０】次に、絵柄層４６および保護層４７が形成
された枚葉原反３５から、各々の磁気カード３２が打抜
かれる。枚葉原反３５を打抜く場合の位置決めは、打抜
きマーク３８を基準として行われる。このようにして、
各々の磁気カード３２が得られる。

【００２１】以上説明したように、本実施例によれば、
連続状原反３０に磁気パターンとして磁気バーコード４
５をシルクスクリーン印刷により形成するとともに、そ
の後連続状原反３０に隠ぺい層４３および情報記録層と
してサーマル層４４を順次コーティングにより形成する
ので、枚葉原反に対して印刷およびコーティングを施す
場合に比較して迅速に印刷およびコーティングを施すこ
とができる。このため迅速に大量の磁気カードを製造す
ることができる。

【００２２】なお、上記実施例において、連続状原反３
０に対して隠ぺい層４３およびサーマル層４４を形成し
た後、連続状原反３０をシートカットして枚葉原反３５
とし、この枚葉原反３５に対して絵柄層４６および保護
層４７をオフセット印刷により形成した例を示したが、
これに限らず隠ぺい層４３およびサーマル層４４が形成
された連続状原反３０に対して、シートカットすること
なく絵柄層４６および保護層４７を形成してもよい。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、連続状原
反に磁気パターン、隠ぺい層および情報記録層を迅速に
形成することができ、これにより迅速に多品種のカード
を製造することができる。

【００２４】請求項２記載の発明によれば、連続状原反
に磁気パターン、隠ぺい層、情報記録層、絵柄層および
／又は保護層を迅速に形成することができ、これにより
迅速に大量のカードを製造することができる。

【００２５】請求項３記載の発明によれば、連続状プラ
スチック製原反に対する磁気パターンの印刷、隠ぺい層
および情報記録層のコーティング、およびシートカット
の各工程相互間における位置決めを精度良く行うことが
でき、また磁気カード内に磁気パターンを精度良く配置
することができる。このため、精度良くカードを大量に
製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカードの製造方法の一実施例を示
す概略図。

【図２】磁気カードの層構成を示す図。

【図３】連続状原反に磁気バーコードを印刷する印刷機
を示す側面図。

【符号の説明】

３０ 連続状原反 ３２ 磁気カード ３５ 枚葉原反 ３８ 打抜きマーク ３９ 基準穴 ４１ 基材 ４２ 磁気層 ４３ 隠ぺい層 ４４ 情報記録層 ４５ 磁気パターン ４６ 絵柄層 ４７ 保護層

フロントページの続き (72)発明者 男 澤 英 敏 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一面に予め磁気層が形成された連続状プラ
   スチック製原反の磁気層上であって磁気カードに対応す
   る領域内に、磁気パターンを印刷する工程と、 前記連続状原反の磁気パターン上に隠ぺい層および情報
   記録層をコーティングにより形成する工程と、 所定枚数の磁気カードに対応する所定形状に前記連続状
   原反をシートカットして枚葉原反を形成する工程と、 シートカットされた枚葉原反の磁気パターンと反対側の
   面に、絵柄層および／又は保護層を印刷する工程と、 絵柄層および／又は保護層が印刷された枚葉原反から各
   々の磁気カードを打ち抜く工程とを備えたことを特徴と
   するカードの製造方法。
2. 【請求項２】プラスチック製基材上に磁気層が形成され
   た連続状原反の磁気層上に磁気パターンを印刷する工程
   と、 連続状原反の磁気パターン上に隠ぺい層および情報記録
   層をコーティングにより形成する工程と、 連続状原反の磁気パターンと反対側の面に、絵柄層およ
   び／又は保護層を印刷する工程と、 絵柄層および／又は保護層が印刷された連続状原反から
   各々の磁気カードを打ち抜く工程と、 を備えたことを特徴とするカードの製造方法。
3. 【請求項３】一面に予め磁気層が形成された連続状プラ
   スチック製原反に対して印刷用見当マークを設ける工程
   と、 前記見当マークが設けられた前記連続状プラスチック製
   原反の磁気層上に、打抜マークおよび磁気カード毎の磁
   気パターンを前記見当マークを基準に印刷する工程と、 前記連続状原反の磁気パターン上に、隠ぺい層および情
   報記録層を前記見当マークを基準としてコーティングに
   より形成する工程と、 所定枚数の磁気カードに対応する所定形状に前記連続状
   原反を前記見当マークを基準としてシートカットして枚
   葉原反を形成する工程と、 絵柄層および／又は保護層が印刷された枚葉原反から各
   々のカードを打ち抜く工程と、 を備えたことを特徴とするカードの製造方法。