JPH07295615A - 多関節型ロボットの駆動制御方法 - Google Patents

多関節型ロボットの駆動制御方法

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JPH07295615A
JPH07295615A JP8289794A JP8289794A JPH07295615A JP H07295615 A JPH07295615 A JP H07295615A JP 8289794 A JP8289794 A JP 8289794A JP 8289794 A JP8289794 A JP 8289794A JP H07295615 A JPH07295615 A JP H07295615A
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JP
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joint
time
residual vibration
control method
joints
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JP8289794A
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Inventor
Yasunari Kawashima
康成 川島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、多関節型ロボットの駆動制御方法
に関し、各関節の動作終了時に発生する衝撃を分割して
残留振動の低減化を図ることができるとともに、残留振
動の低減化によってロボットの実動作時間を短縮して、
タクトタイムの短縮化および生産効率の向上を図ること
ができる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 各関節12、14、16の動作時間を個々に設定
し、その中で動作時間が一番長いものをロボットの動作
終了時間(te)となるように関節12、14、16ごとに各関
節の動作時間を設定し、各関節の動作終了時間が重なら
ないように動作プログラムを作成し、該動作プログラム
に基づいて各関節12、14、16を駆動している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多関節型ロボットの駆
動制御方法に関し、詳しくは、自動化組立用ロボットに
適用することができ、動作終了時に発生する残留振動を
低減化することができる多関節型ロボットの駆動制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボットの導入により各種作業の
自動化が図られる一方で、より一層の高精度化と共に低
価格化を図ることも要求されている。ところで、このよ
うなロボット、特に組付けを行なうロボットにあって
は、部品を把持する位置や、組付けを行なう位置におい
て位置決め(部品を装着する方向も含む)を行なうことが
重要である。
【0003】さて、一般に、ロボットの制御方法として
は、アームの始点と終点を重視するPTP(POINT TO PO
INT)制御と、動作中の起動も重視するCP(CONTINUOUS
PATH)制御が知られており、前者は、主に組付けロボッ
トに使用され、後者は塗装ロボット等で多く使用され
る。上記のうちPTP制御を使用した従来例としては特
開平5−6686号公報および特開平4−317103
号公報に記載されたようなものが知られている。
【0004】ここで、この従来公報の制御を図11に示す
2アームの水平多関節型ロボットに基づいて説明する。
図11において、水平多関節型ロボットは、架台1に取付
けられ、回転可能な第1関節2と、第1関節2に固定さ
れた第1アーム3と、第1アーム3の先端部に取付けら
れ、旋回可能な第2関節4と、第2関節4を介して第1
アーム3に取付けられた第2アーム5と、第2アーム5
の先端部に取付けられ、先端部にハンド(手先)7を有す
る回転可能な第3関節6と、これら各関節2、4、6を
制御するコントローラ9と、から構成されている。
【0005】各関節2、4、6はそれぞれ肩、肘、手首
を構成しており、コントローラ9は各関節2、4、6を
図示しないサーボモータで駆動することにより、アーム
3、5を動作可能領域内で動作させ、ハンド7によって
対象物8に対して組付けを行なうようになっている(ま
たは対象物8を被組付け部材に組付ける)。そして、上
記コントローラ9が行なう制御は例えば、前述した公報
に示されるようなものがある。前者の公報に記載された
ものは、多関節型ロボットの手先を目標位置まで移動し
たときの各関節の位置を目標値とし、該目標値となるよ
うに各関節を駆動するに際し、各関節の移動距離を計算
し、一番負荷のかかる(すなわち、最高速度で回転する)
関節を求め、この関節の加減速に合わせて他の関節の速
度を設定することにより、図12に示すように各関節の動
作が同時に終了するように制御している。
【0006】また、後者の公報に記載されたものは、第
1アーム3と第2アーム5が同方向に旋回する場合に、
図13に示すように、第1アーム3の定速旋回期間T内
に、第2関節4を駆動して第2アーム5の旋回の開始と
終了を行なうようにし、また、第2アーム5の旋回期間
T内に第3関節6を駆動してハンド7の駆動の開始と終
了を行うようにして、大きな負荷が必要な第1アーム3
の加速と減速時に、第2アーム5の旋回が重ならないよ
うに制御している。なお、図12、13において、t eはロ
ボットの動作終了時間を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
公報に記載されたものにあっては、手先の目標位置が決
定すると、制御フローに従って各関節毎の最高速度およ
び動作時間を簡単に導くことができるが、動作終了点に
各関節が同時に到達するので、関節の弾性体やアーム自
身の弾性にかかる負荷が大きくなってしまった。このた
め、複雑で滑らかな加減速カーブを与えない限りロボッ
トに大きな残留振動が発生してしまうという問題があっ
た。
【0008】また、後者の公報に記載されたものにあっ
ては、多関節型ロボットの動作を上記公報のような同時
動作ではなく、多段式に動作させているため、架台1側
での非線形性成分(イナーシャ変化や遠心力等)の影響が
生じるのを防止して制御を容易に行なうことができると
ともに、動作終了と衝撃が各関節毎にずれて起こるの
で、残留振動を少なくするというメリットがある。
【0009】ところが、第1関節2により第1アーム3
が定速旋回時になってから第2アーム5側の第2関節4
を駆動するというような制御を行なっているため、多関
節になればなる程、また、動作時間が短い程手先側の関
節の動作時間が短くなり、その面で駆動源に多大な負担
がかかり、大容量な駆動源が必要になってしまうという
問題があった。また、低速時にその先に連結された関節
を動作させるので、低速旋回期間Tが短いとそれ以上多
関節にすることができないという問題も発生してしま
う。
【0010】そこで、請求項1記載の発明は、各関節の
動作終了時に発生する衝撃を分割して残留振動の低減化
を図ることができるとともに、残留振動の低減化によっ
てロボットの実動作時間を短縮して、タクトタイムの短
縮化および生産効率の向上を図ることができる多関節型
ロボットの駆動制御方法を提供することを目的としてい
る。
【0011】請求項2記載の発明は、各関節毎の動作終
了時間を容易に知ることができるようにして、各関節の
動作終了時間が重ならないように各関節のトルクおよび
速度をその最大値を越えない範囲で簡単に調整すること
ができる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供するこ
とを目的としている。請求項3記載の発明は、各関節の
減速時の衝撃による残留振動だけでなく、加速時の衝撃
による残留振動も和らげることができるようにして、各
関節の動作終了後の残留振動を効果的に低減することが
できる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供すること
を目的としている。
【0012】請求項4記載の発明は、各関節の動作時間
を設定するに際し、手先の所定の方向の加速度の波が零
に近くなったときに各関節の動作を終了することによ
り、動作終了時に剛体(アーム等)の振動による影響を受
けにくくして、残留振動を効果的に低減することができ
る多関節型ロボットの駆動制御方法を提供することを目
的としている。
【0013】請求項5記載の発明は、残留振動のもとに
なる関節を重点的に制御するようにして、残留振動を効
果的に低減することができる多関節型ロボットの駆動制
御方法を提供することを目的としている。請求項6記載
の発明は、動作終了時の手先の位置決め許容差に応じて
各関節の動作時間を設定することができ、残留振動を低
減化することができるとともに、残留振動の大きさ、方
向および位置決め制御により残留振動の待ち時間を認識
できるようにして、次の作業に効率良く移行することが
できる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供すること
を目的としている。
【0014】請求項7記載の発明は、所定の関節の負荷
が大きくて該関節の動作終了時間を早くすることができ
ない場合に、余裕のある(負荷の小さい)手先側の関節の
終了時間を早くするようにして、動作終了時の衝撃を緩
和することができ、残留振動を効果的に低減することが
できる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供すること
を目的としている。
【0015】請求項8記載の発明は、使用頻度の少ない
関節の動作終了時間を早くするようにして、該関節の駆
動源が早期に摩耗して寿命が短くなるような懸念が生じ
るのを防止しつつ、残留振動を効果的に低減することが
できる多関節型ロボットの駆動制御方法を提供すること
を目的としている。請求項9記載の発明は、早く動作が
終了した関節を、他の関節の動作が終了した時間に合わ
せて残留振動を抑制するように動作させることにより、
残留振動の低減を効果的に行なうことができる多関節型
ロボットの駆動制御方法を提供することを目的としてい
る。
【0016】請求項10記載の発明は、少なくとも2本以
上のアームのうちの停止しているアームの関節を、他の
アームの関節の動作が終了した後に残留振動を抑制する
ように動作させることにより、アーム自身の残留振動を
効果的に低減することができるとともに、ロボット本体
の振動やそれに付随したワーク供給装置、作業台等に衝
撃が加わるのを防止することができる多関節型ロボット
の駆動制御方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、多関節型ロボットの手先を
目標位置まで移動したときの各関節の位置を目標値と
し、該目標値となるように各関節を駆動することにより
多自由度を有する多関節型ロボットの駆動を制御する方
法において、各関節ごとに各関節の動作時間を設定し、
各関節の動作終了時間が重ならないように動作プログラ
ムを作成し、該動作プログラムに基づいて各関節を駆動
することを特徴としている。
【0018】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、各関節の動作
時間を設定するに際し、各関節の動作開始後に、各関節
を駆動する各モータの最大トルクTで各関節を加速する
ことによって最大速度Vで動作させたときの動作終了時
間tを、 t=θ/V+J・V/T(但し、Jは各関節からみた慣
性モーメント、θは各関節の移動距離) によって算出し、各関節の中で動作時間の一番長いもの
をロボットの動作時間とすることを特徴としている。
【0019】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、各関節の動作
時間を設定するに際し、各関節の動作時間をずらして起
動させ、かつ、動作終了時間もずらすことを特徴として
いる。請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明において、各関節の動作時間を
設定するに際し、手先の所定方向の加速度の波が零に近
くなったときに各関節の動作を終了するようにしたこと
を特徴としている。
【0020】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、各関節の動作
時間を設定するに際し、各関節からみた剛性Kと各関節
からみた慣性モーメントJの比J/Kの最大のものを、
他の関節よりも早く動作終了するようにすることを特徴
としている。請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、各関節の動作
時間を設定するに際し、動作終了時の姿勢における手先
の残留振動方向とそのときの手先の位置ずれ許容差によ
り、振動する方向に与える影響の大きな関節の動作を他
の関節よりも早く終了させることを特徴としている。
【0021】請求項7記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、各関節の動作
時間を設定するに際し、手先側の関節の動作を他の関節
よりも早く終了させることを特徴としている。請求項8
記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1記
載の発明において、各関節の動作時間を設定するに際
し、回転量の少ない関節の動作を他の関節よりも早く終
了させることを特徴としている。
【0022】請求項9記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、早く動作が終
了した関節を、他の関節の動作が終了した時間に合わせ
て残留振動を抑制するように動作させることを特徴とし
ている。請求項10記載の発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明において、前記多関節型ロボ
ットが少なくとも2本以上のアームを備える場合に、該
アームのうちの停止しているアームの関節を、他のアー
ムの関節の動作が終了した後に残留振動を抑制するよう
に動作させることを特徴としている。
【0023】
【作用】請求項1記載の発明では、各関節ごとに各関節
の動作時間が設定され、各関節の動作終了時間が重なら
ないように動作プログラムが作成され、該動作プログラ
ムに基づいて各関節が駆動される。したがって、各関節
の動作が終了する際に発生する衝撃が分割されて、残留
振動が低減される。また、残留振動が低減されるので、
ロボットが直ちに次の動作に移行され、ロボットの実動
作時間が短縮される。このため、タクトタイムの短縮化
および生産効率の向上が図れる。
【0024】また、各関節の動作終了時間をずらして残
留振動を低減させているので、従来のように各関節の駆
動時間を根元側から手先側に順次短くする必要がなく、
ロボットの動作時間が短く、より多関節にした場合にも
手先側の動作時間を短くする必要がなく、駆動源に多大
な負担がかかることがない。請求項2記載の発明では、
各関節の動作時間を設定するに際し、各関節の動作開始
後に、各関節を駆動するモータの最大トルクTで各関節
を加速することによって最大速度Vで動作させたときの
動作終了時間tを、t=θ/V+J・V/T(但し、J
は各関節からみた慣性モーメント、θは各関節の移動距
離)によって算出し、各関節の中で動作時間の一番長い
ものをロボットの動作時間としている。
【0025】したがって、各関節毎の動作終了時間が容
易に知られ、各関節の動作終了時間が重ならないように
各関節のトルクおよび速度がその最大値を越えない範囲
で簡単に調整される。請求項3記載の発明では、各関節
の動作時間を設定するに際し、各関節の動作時間がずら
されて起動され、かつ、動作終了時間がずらされる。こ
のように設定するのは、動作時間が短いときや急加速に
よって駆動トルクが大きい場合に、加速時に生じた振動
がそのまま残って残留振動となることがあるため、この
ような事態が発生するのを防止するためである。本実施
例では、このように設定することで、各関節の減速時の
衝撃による残留振動だけでなく、加速時の衝撃による残
留振動も和らげられ、各関節の動作終了後の残留振動が
効果的に低減される。
【0026】請求項4記載の発明では、各関節の動作時
間を設定するに際し、手先の所定方向の加速度の波が零
に近くなったときに各関節の動作を終了するようにして
いる。このように設定するのは、関節に使用される減速
機やアーム等は完全な剛体ではなく弾性体であるため、
各関節の動作終了時に手先の所定方向の加速度の波が大
きくなったときに、関節の動作を終了させると弾性体の
影響によって残留振動が大きくなるため、これを防止す
るためである。本発明では手先所定の方向の加速度の波
が零に近くなったときに各関節の動作を終了することに
よって動作終了時に剛体(アーム等)の振動による影響を
受けにくくして、残留振動を効果的に低減することがで
きる。
【0027】請求項5記載の発明では、各関節の動作時
間を設定するに際し、各関節からみた剛性Kと各関節か
らみた慣性モーメントJの比J/Kの最大のものを、他
の関節よりも早く動作終了するようにしている。このよ
うに設定しているのは、多関節型ロボットの関節に使用
している減速機は完全な剛体ではなく、弾性体であるた
め、負荷を加えると撓みが生じ、また、関節と関節を連
結するアームも同様に撓みを生じるため、これが原因と
なって残留振動が発生する。そして、この剛性(ばね)K
とこの関節からみた慣性モーメントJの比J/Kによっ
て残留振動が決定するため、この影響の大きな関節を優
先的に他の関節よりも早く動作終了させることで、残留
振動が効果的に低減させることができる。
【0028】請求項6記載の発明では、各関節の動作時
間を設定するに際し、動作終了時の姿勢における手先の
残留振動方向とそのときの手先の位置ずれ許容差によ
り、振動する方向に与える影響の大きな関節の動作を他
の関節よりも早く終了させている。このように設定すれ
ば、ロボットのそのときの姿勢によって手先に最も振動
を与える関節を優先的に動作終了させることで残留振動
の低減化が図れる。また、残留振動の大きさ、方向およ
び位置決め許容差によって残留振動の待ち時間が決定さ
れるのでこれを利用する。すなわち、残留振動している
方向の位置決め許容差が大きい場合、残留振動の待ち時
間が少なくなり、逆の場合にはロボットの構造面(関
節、アームの剛性または質量の調整)の変更で振動方向
を変えたり、作業対象物の位置、方向を調整することで
待ち時間を減少できるので、次の作業に効率良く移行す
ることができる。
【0029】請求項7記載の発明では、各関節の動作時
間を設定するに際し、手先側の関節の動作を他の関節よ
りも早く終了させている。このように設定するのは、あ
る関節の負荷が大きくて動作終了時間を速くすることが
できない場合、駆動負荷の少ない手先側の関節だけでも
早く終了させることで動作終了時の衝撃を分割して残留
振動を効果的に低減させるためである。
【0030】請求項8記載の発明では、各関節の動作時
間を設定するに際し、回転量の少ない関節の動作を他の
関節よりも早く終了させるようにしている。したがっ
て、使用頻度の少ない、すなわち、回転量が少ない関節
の駆動源が早期に摩耗して寿命が短くなるような懸念が
生じるのを防止しつつ、残留振動が効果的に低減され
る。
【0031】請求項9記載の発明では、早く動作が終了
した関節を、他の関節の動作が終了した時間に合わせて
残留振動を抑制するように動作させるようになってい
る。このように設定するのは、普通ならば動作が終了し
た関節は他の関節の動作が終了するまでそのままの状態
で待機していなければならないが、この関節を積極的に
使用することによって残留振動を低減するようにするた
めである。すなわち、先に動作が終了した関節を、後に
動作が終了する関節によって発生する振動の位相と反対
なるように衝撃を発生させて残留振動を低減させたり、
先に動作終了した関節を駆動するサーボ系を調整してダ
ンパとして使用することによって残留振動を低減する。
【0032】請求項10記載の発明では、多関節型ロボッ
トが少なくとも2本以上のアームを備える場合に、該ア
ームのうちの停止しているアームの関節を、他のアーム
の関節の動作が終了した後に残留振動を抑制するように
動作させるようになっている。このように動作させるの
は、ロボットがアームを2本以上有する場合には、何れ
かのアームの動作が終了したときに発生する残留振動が
停止しているアームを介してロボット本体を振らすこと
になるのを防止するためである。
【0033】このため、停止しているアームの関節を後
に動作が終了する関節によって発生する振動の位相と反
対なるように衝撃を発生させて残留振動を低減させた
り、先に動作終了した関節を駆動するサーボ系を調整し
てダンパとして使用することによって残留振動を低減す
ることにより、ロボット本体およびロボット本体に取付
けられた付属装置、例えば、ワークを支える作業台や部
品を供給する装置に余計な振動が伝達するのを防止する
ことができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜5は請求項1または2何れかに記載の発明
に係る多関節型ロボットの駆動制御方法の一実施例を示
す図であり、本発明を水平多関節型ロボットに適用した
例を示している。
【0035】図1において、水平多関節型ロボットは、
架台11に取付けられ、回転可能な第1関節12と、第1関
節12に固定された第1アーム13と、第1アーム13の先端
部に回転自在に設けられた第2関節14と、第2関節14に
取付けられた第2アーム15と、第2アーム15の先端部に
取付けられ、先端部にハンド(手先)17を有する回転可能
な第3関節16と、を備えている。
【0036】各関節12、14、16は肩、肘、手首を構成し
ており、それぞれに設けられた図示しないサーボモータ
によって駆動されることにより、アーム13、15を旋回さ
せたり、ハンド17を回転させるようになっている。ま
た、架台11内にはシリンダが設けられており、第1関節
12はシリンダによって上下動するようになっている。コ
ントローラ19はメモリを内蔵しており、このメモリには
多関節型ロボットの動作プログラムが格納されており、
コントローラ19はこの動作プログラムに基づいて所定の
目標値となるように各関節12、14、16のサーボモータを
駆動することにより、アーム13、15およびハンド17を動
作可能領域18内で上下駆動および旋回駆動して、ハンド
17によって対象物18に対して組付けを行なうようになっ
ている(または対象物18を被組付け部材に組付ける)。
また、各サーボモータにはエンコーダが取付けられてお
り、このエンコーダによって現在の回転角が検出される
ようになっているため、コントローラ19はこのエンコー
ダからの検出情報に基づいてハンド17を目標値になるよ
うに動作制御する。
【0037】また、コントローラ19のメモリには各関節
12、14、16の動作時間を設定し、各関節12、14、16の動
作終了時間が重ならないように作成された動作プログラ
ムが格納されており、コントローラ19はこの動作プログ
ラムに基づいて各関節12、14、16のサーボモータを駆動
するようになっている。具体的に、各関節12、14、16の
動作時間の設定方法を説明する。各関節12、14、16の動
作開始後に、各関節12、14、16を駆動するサーボモータ
の最大トルクTで各関節12、14、16を加速することによ
って最大速度Vで動作させたときの動作終了時間tを、 t=θ/V+J・V/T(但し、Jは各関節12、14、16
からみた慣性モーメント、θは各関節12、14、16の移動
距離) によって算出し、各関節の中で動作時間の一番長いもの
をロボットの動作時間に設定している。
【0038】次に、作用を説明する。まず、図2のフロ
ーチャートに示すように、例えば、ハンド17をA点から
B点に移動せよ等の動作指令がなされると(ステップ
1)、各関節12、14、16のそれぞれのX、Y、Z方向の
移動目標値θ1、θ2、θ3を座標変換した後(ステップS
2)、A−B点における逆運動学解析を実施してA−B間
の軌跡補間を行ない、各目標値θ1〜θ3に対して補間し
た目標値θ1e、θ2eおよびθ3eを設定して(ステップ
3、S4、S7、S8およびS11、S12)、現在の関節角
度(現在位置)と目標関節角度(目標位置)を算出する。
【0039】次いで、各関節12、14、16毎のサーボモー
タを駆動して各関節12、14、16を目標値に向かって動作
させる(ステップS5、S6、S9、S10およびステップS
13、S14)。各関節12、14、16にはエンコーダが設けら
れているため、コントローラ19はエンコーダからの出力
情報に基づいて関節12、14、16を動作させる。また、ス
テッS4、S8およびS12では、各関節12、14、16の動作
終了時間が重ならないように、動作の終了時間を設定す
る。
【0040】ここで、本実施例の速度プロフィールを図
3に示す。従来では、図12、13に示すように動作終了時
間はte=t3となるが、動作終了時間teになっても直
ちに次の作業に移行できるわけではなく、残留振動の停
止を待たなくてはならない(但し、精度が悪い粗い場合
には、揺れながらでも作業はできるがこれでは当然のこ
とながら高精度な作業ができない)。
【0041】一般に残留振動の原因となるものは、加速
度が加わったときの慣性力によるものが大きいため、減
速時に各関節の動作時間を揃えた図12のものでは、慣性
力にによる衝撃が重なって残留振動が大きくなってしま
う。一般に、動作が終了してから次の作業を行なうこと
ができるまで残留振動が収る時間をtzとすると、実際
の動作時間はtT=te+tzとなり、特に組付け精度が
高い場合には図12に示すものは、待ち時間が増大してタ
クトタイムが長くなってしまう。
【0042】また、図13に示すものは動作時間の短縮の
みを図っているため、肩側の関節により第1アームが定
速旋回時になってから肘側の関節を駆動するため、多関
節になればなる程、また、動作時間が短い程先端側の関
節の動作時間が短くなり、その面で駆動源に多大な負担
がかかり、大容量な駆動源が必要になってしまう。本実
施例では、図3に示すように、各関節12、14、16の動作
時間を個々に設定し、その中で動作時間が一番長いもの
(t3)をロボットの動作終了時間(te)となるように関
節12、14、16ごとに各関節の動作時間を設定し、各関節
の動作終了時間が重ならないように動作プログラムを作
成し、該動作プログラムに基づいて各関節12、14、16を
駆動している。すなわち、各関節12、14、16の動作時間
36、t9のそれぞれをt3>t6、t9とし、t6≠t9
に設定している。
【0043】このため、関節12、14、16の動作が終了す
る際に発生する衝撃を分割することができ、残留振動を
低減することができる。また、残留振動を低減すること
ができるので、ロボットを直ちに次の動作に移行するこ
とができ、ロボットの実動作時間を短縮して、タクトタ
イムの短縮化および生産効率の向上を図ることができ
る。
【0044】また、各関節12、14、16の動作終了時間を
ずらして残留振動を低減させているので、図13に示す従
来のように各関節の駆動時間を根元側から手先側に順次
短くするのを不要にして、ロボットの動作時間が短く、
より多関節にした場合にもハンド17側の動作時間を短く
するのを不要にでき、駆動源に多大な負担がかかること
がない。
【0045】ここで、本実施例の具体的な効果を図4に
基づいて説明する。図4(a)は従来のように、各関節の
動作を同時に終了させた場合と(実線で示す)本実施例の
ように肩側の関節12の動作を速く終了させた場合(破線
で示す)のハンド17のX方向の変位を示す図である。同
図(a)から明らかなように、関節12を他の関節14、16よ
りも早く動作終了させた場合には、従来のものに比べて
ハンド17のX方向の変位は少なく、残留振動が従来のも
のよりも低減されることが分る。
【0046】また、本実施例では、肩側の関節12を他の
関節14、16よりも早く動作終了しているが、図4(b)に
示すように、肘側の関節14の動作を他の関節よりも早く
終了させるようにしても残留振動が低減される。次に、
図5に基づいて各関節12、14、16の動作速度と駆動トル
クの算出方法について説明する。
【0047】まず、各関節の動作時間をt(加・減速時
間=ta、定速時間をtb)、動作速度をθvとすると、関
節の移動距離(移動角度)θは次式のようになる。
【0048】
【数1】
【0049】これによって動作時間を求める。
【0050】
【数2】
【0051】また、駆動源のトルクをT、その関節から
みた慣性モーメントをJとすると、加速度αは、α=T
/Jとなり、またα=θv/taともなる。このため、動
作時間は、t=θ/θv+J・θv/T(クレームでいう
t=θ/V+J・V/Tに相当)となる。
【0052】したがって、本実施例では、移動距離θ、
動作速度θv(V)、その関節からみた慣性モーメント
J、駆動トルクTから動作時間(換言すれば動作終了時
間)を得ることができ、この動作時間の中で一番長い関
節のものを制御プログラムの動作終了時間にして、この
動作終了時間に基づいて、動作終了時間が重ならないよ
うに各関節12、14、16の動作速度θvとトルクTをその
最大値を越えない範囲で簡単に調整することができる。
【0053】図6は請求項3記載の発明に係る多関節型
ロボットの駆動制御方法の一実施例を示す図である。本
実施例では、コントローラ19に格納された制御プログラ
ムに特徴があり、ロボットの構成は上記実施例と同様で
あるため、図1に示す部材番号を用いて説明する。本実
施例では、各関節12、14、16の動作時間を設定するに際
し(本実施例では、説明の便宜上関節16を省略する)、関
節12に対して関節14の動作時間をεだけずらして起動
し、かつ、動作終了時間をずらすような動作プログラム
にしている。
【0054】このように設定するのは、動作時間が短い
ときや急加速によって駆動トルクが大きい場合に加速時
に生じた振動がそのまま残って残留振動となることがあ
るため、このような自体が発生するのを防止するためで
ある。本実施例では、動作プログラムをこのように設定
することで、各関節12、14、16の減速時の衝撃による残
留振動だけでなく、加速時の衝撃による残留振動も和ら
げることができ、各関節12、14、16の動作終了後の残留
振動を効果的に低減させることができる。
【0055】図7、8は請求項4記載の発明に係る多関
節型ロボットの駆動制御方法の一実施例を示す図であ
る。本実施例では、コントローラ19に格納された制御プ
ログラムに特徴があり、ロボットの構成は上記実施例と
同様であるため、図1に示す部材番号を用いて説明す
る。本実施例では、各関節12、14、16の動作時間を設定
するに際し、ハンド17のX方向の加速度の波が零に近く
なったときに各関節の動作を終了するようにしているこ
とを特徴とするものである。
【0056】具体的には、図7(a)に示すように、例え
ば、関節12、14を図7(b)のように動作させた場合につ
いて、ハンド17のX方向の加速度の波が大きくなったと
きに関節12、14、16のうち何れかを最終的に動作終了さ
せた場合(図8(b)の破線で示す波)と、加速度の波が零
に近くなったとき関節12、14、16のうち何れかを最終的
に動作終了させた場合(図8(b)で示す実線で示す波)の
残留振動の実験を行なった。
【0057】ここで、関節12、14、16に使用される減速
機やアーム13、15等は関是な剛体ではなく弾性体である
ため、各関節12、14、16の動作終了時にハンド17のX方
向の加速度の波が大きくなったときに、関節12、14、16
の動作を終了させると、図8(b)の実線で示すように剛
体(弾性体)の応答がなくなるが、この剛体の影響によっ
て残留振動が大きくなる。
【0058】これに対して、ハンド17のX方向の加速度
の波が零に近くなったときに各関節の動作を終了すれ
ば、動作終了時に剛体の振動による影響を受けにくくし
て、残留振動を効果的に低減することができる。図9は
請求項5記載の発明に係る多関節型ロボットの駆動制御
方法の一実施例を示す図である。本実施例では、コント
ローラ19に格納された制御プログラムに特徴があり、ロ
ボットの構成は上記実施例と同様であるため、図1に示
す部材番号を用いて説明する。
【0059】本実施例では、多関節型ロボットの関節に
使用している減速機は完全な剛体ではなく、弾性体であ
るため、負荷を加えると撓みが生じ、また、関節と関節
を連結するアームも同様に撓みを生じるため、これが原
因となって残留振動が発生し、この剛性(ばね)Kとこの
関節からみた慣性モーメントJの比J/Kによって残留
振動が決定されることに着目して、J/Kの最大の関節
を、他の関節よりも早く動作終了するよう制御プログラ
ムを設定することを特徴とするものである。
【0060】すなわち、図9に示すように、例えば、関
節12の剛性(ばね)K1にはJ1+J2の慣性モーメントが
加わり、関節14側にはJ2の慣性モーメントが加わるた
め、この比J1+J2/K1とJ2/K2を比較して比が大
きい方が大きく振動するので(すなわち、撓みやすいの
で)、この比の大きい方の関節を他の関節よりも早く動
作終了させる。
【0061】このように残留振動の影響の大きな関節を
優先的に他の関節よりも早く動作終了させることによ
り、残留振動を効果的に低減させることができ、残留振
動の待ち時間tzを短くすることができる。図10は請求
項6記載の発明に係る多関節型ロボットの駆動制御方法
の一実施例を示す図である。本実施例では、コントロー
ラ19に格納された制御プログラムに特徴があり、ロボッ
トの構成は上記実施例と同様であるため、図1に示す部
材番号を用いて説明する。
【0062】本実施例では、各関節の動作時間を設定す
るに際し、動作終了時の姿勢におけるハンド17の残留振
動方向とそのときのハンド17の位置ずれ許容差により、
振動する方向に与える影響の大きな関節の動作を他の関
節よりも早く終了させることを特徴とするものである。
一般的には、ロボットの姿勢および剛性の大きさで残留
振動の方向が決定され、この残留振動の大きさ、方向お
よび位置決め許容差によって残留振動の待ち時間が決定
される。ここで、図10に示すようにアーム13、15をそれ
ぞれ動作させた場合には、関節12からみた剛性(ばね)K
1が弱いとX方向に、関節14からみた剛性(ばね)K2が弱
いとY方向の振動が大きくなる。
【0063】そこで、位置ずれ許容差(例えば、通常ス
ライド部品の組付けはX方向またはY方向のうちの何れ
かの方向にのみ厳しくなっている)に対して影響の大き
い関節に着目してこの関節を優先的に動作終了させるこ
とで、残留振動の低減化を図ることができる。また、残
留振動の大きさ、方向および位置決め許容差によって残
留振動の待ち時間tzが決定されるため、残留振動して
いる方向の位置決め許容差が大きい場合、残留振動の待
ち時間を少なくすることができ、逆の場合にはロボット
の構造面(関節、アームの剛性または質量の調整)の変更
で振動方向を変えたり、作業対象物の位置、方向を調整
することで待ち時間を減少できるので、次の作業に効率
良く移行することができる。
【0064】なお、上記各実施例では、関節の動作時間
をそれぞれ効果的に設定しているが、これに限らず、次
に示すように動作時間を設定しても良い。 ハンド17側の関節16の動作を他の関節12、14よりも早
く終了させる。このように設定するのは、ある関節の負
荷が大きくて動作終了時間を速くすることができない場
合、駆動負荷の少ないハンド側の関節16だけでも早く終
了させることで動作終了時の衝撃を分割して残留振動を
効果的に低減させるためである。
【0065】また、このようにすれば、根元側の関節を
速く旋回させることに比べ、ハンド17に加わる外力(遠
心力等)を少なくできるので、搬送時の把持力を必要以
上に高くする必要がなく、関節速度を速くすることがで
きる。 各関節12、14、16の動作時間を設定するに際し、回転
量の少ない(すなわち、使用頻度の低い)関節の動作を他
の関節よりも早く終了させる。このように設定するの
は、回転量が少ない関節は駆動源にとっても大きな負担
にはならないからである。また、組立作業をするロボッ
トでは連続して動作する必要があり、回転量の大きい関
節の速度を速くして動作終了時間を早めると寿命面で不
安があるのに対して、回転量が少ない関節の動作終了を
早くすると、この関節の駆動源が早期に摩耗して寿命が
短くなるような懸念が生じるのを防止しつつ、残留振動
を効果的に低減することができる。 早く動作が終了した関節を、他の関節の動作が終了し
た時間に合わせて残留振動を抑制するように動作させ
る。このように設定するのは、普通ならば動作が終了し
た関節は他の関節の動作が終了するまでそのままの状態
で待機していなければならないが、この関節を積極的に
使用することによって残留振動を低減するようにするた
めである。
【0066】すなわち、先に動作が終了した関節を、後
に動作が終了する関節によって発生する振動の位相と反
対なるように衝撃を発生させて残留振動を低減させた
り、先に動作終了した関節を駆動するサーボ系を調整し
てダンパとして使用する、例えば、サーボモータの駆動
を徐々に小さくするように駆動することによって残留振
動を低減する。 多関節型ロボットが本実施例のように、2本以上のア
ーム13、15を備える場合に、該アーム13、15のうちの停
止しているアーム13、15の関節12、14または16を、他の
アームの関節の動作が終了した後に残留振動を抑制する
ように動作させる。
【0067】このように動作させるのは、ロボットがア
ーム13、15を2本以上有する場合には、アーム13または
15の何れかの動作が終了したときに発生する残留振動が
停止しているアーム15または13の何れかを介してロボッ
ト本体を振らすことになるのを防止するためである。こ
のため、停止しているアーム13または15の関節を後に動
作が終了する関節12、14または16によって発生する振動
の位相と反対なるように衝撃を発生させて残留振動を低
減させたり、先に動作終了した関節を駆動するサーボ系
を調整してダンパとして使用することによって残留振動
を低減することにより、ロボット本体およびロボット本
体に取付けられた付属装置、例えば、ワークを支える作
業台や部品を供給する装置に余計な振動が伝達するのを
防止することができる。
【0068】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、各関節の
動作が終了する際に発生する衝撃を分割して、残留振動
を低減することができる。また、残留振動を低減するこ
とができるので、ロボットを直ちに次の動作に移行させ
ることができ、ロボットの実動作時間を短縮することが
できる。このため、タクトタイムの短縮化および生産効
率の向上を図ることができる。
【0069】また、各関節の動作終了時間をずらして残
留振動を低減させているので、従来のように各関節の駆
動時間を根元側から手先側に順次短くする必要がなく、
ロボットの動作時間が短く、より多関節にした場合にも
手先側の動作時間を短くする必要がなく、駆動源に多大
な負担がかかることがない。請求項2記載の発明によれ
ば、各関節毎の動作終了時間を容易に知ることができ、
各関節の動作終了時間が重ならないように各関節のトル
クおよび速度をその最大値を越えない範囲で簡単に調整
することができる。
【0070】請求項3記載の発明によれば、各関節の減
速時の衝撃による残留振動だけでなく、加速時の衝撃に
よる残留振動も和らげることができ、各関節の動作終了
後の残留振動を効果的に低減することができる。請求項
4記載の発明によれば、手先の所定方向の加速度の波が
零に近くなったときに各関節の動作を終了することによ
って動作終了時に剛体(アーム等)の振動による影響を受
けにくくして、残留振動を効果的に低減することができ
る。
【0071】請求項5記載の発明によれば、剛性Kとこ
の関節からみた慣性モーメントJの比J/Kが大きい関
節を優先的に他の関節よりも早く動作終了させること
で、残留振動を効果的に低減することができる。請求項
6記載の発明によれば、ロボットのそのときの姿勢によ
って手先に最も振動を与える関節を優先的に動作終了さ
せることで残留振動の低減化を図ることができる。ま
た、残留振動の大きさ、方向および位置決め許容差によ
って残留振動の待ち時間が決定されるので、残留振動し
ている方向の位置決め許容差が大きい場合、残留振動の
待ち時間を少なくすることができ、逆の場合にはロボッ
トの構造面(関節、アームの剛性または質量の調整)の変
更で振動方向を変えたり、作業対象物の位置、方向を調
整することで待ち時間を減少できるので、次の作業に効
率良く移行することができる。
【0072】請求項7記載の発明によれば、ある関節の
負荷が大きくて動作終了時間を速くすることができない
場合、駆動負荷の少ない手先側の関節だけでも早く終了
させることで動作終了時の衝撃を分割して残留振動を効
果的に低減させることができる。請求項8記載の発明に
よれば、使用頻度の少ない、すなわち、回転量が少ない
関節の駆動源が早期に摩耗して寿命が短くなるような懸
念が生じるのを防止しつつ、残留振動を効果的に低減す
ることができる。
【0073】請求項9記載の発明によれば、早く動作が
終了した関節を、他の関節の動作が終了した時間に合わ
せて残留振動を抑制するように動作させて残留振動を低
減することができる。請求項10記載の発明では、多関節
型ロボットが少なくとも2本以上のアームを備える場合
に、該アームのうちの停止しているアームの関節を、他
のアームの関節の動作が終了した後に残留振動を抑制す
るように動作させてロボット本体およびロボット本体に
取付けられた付属装置、例えば、ワークを支える作業台
や部品を供給する装置に余計な振動が伝達するのを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1または2何れかに記載の発明に係る多
関節型ロボットの駆動制御方法の一実施例を示す図であ
り、(a)はその制御方法を実施するための制御ロボット
の側面図、(b)はその上面図である。
【図2】一実施例のコントローラで実行される動作プロ
グラムのフローチャートである。
【図3】一実施例の各関節の速度プロフィールを示す図
である。
【図4】(a)は一実施例の第1関節の動作を最後に終了
したときのハンドのX方向の変位と全ての関節を動作を
同時に終了した従来のハンドのX方向の変位の比較を示
す図、(b)は第2関節の動作を最後に終了したときのハ
ンドのX方向の変位と全ての関節を動作を同時に終了し
た従来のハンドのX方向の変位の比較を示す図である。
【図5】一実施例の動作時間の設定方法を示す図であ
る。
【図6】請求項3記載の発明に係る多関節型ロボットの
駆動制御方法の一実施例を示す図であり、そのコントロ
ーラで実行される関節の速度プロフィールである。
【図7】請求項4記載の発明に係る多関節型ロボットの
駆動制御方法の一実施例を示す図であり、(a)の直線状
態にあるアームの概略構成図、(b)は同図(a)の状態か
らくの字状に動作されたアームの概略構成図である。
【図8】(a)は関節の動作終了時間を変えた場合の一実
施例と従来例の手先のX方向の加速度と変位時間の関係
を示す図、(b)は剛体の応答と従来の動作終了時間での
手先のX方向の加速度と変位時間の関係を示す図であ
る。
【図9】請求項5記載の発明に係る多関節型ロボットの
駆動制御方法の一実施例を示す図であり、各関節の剛性
と慣性モーメントを説明するための図である。
【図10】請求項6記載の発明に係る多関節型ロボットの
駆動制御方法の一実施例を示す図であり、各関節の剛性
を説明するための図である。
【図11】従来のロボットの構成図である。
【図12】従来の各関節の速度プロフィールを示す図であ
る。
【図13】従来の各関節の速度プロフィールを示す図であ
る。
【符号の説明】
12 第1関節(関節) 13 第1アーム(アーム) 14 第2関節(関節) 15 第2アーム(アーム) 16 第3関節(関節) 17 ハンド(手先)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多関節型ロボットの手先を目標位置まで移
    動したときの各関節の位置を目標値とし、該目標値とな
    るように各関節を駆動することにより多自由度を有する
    多関節型ロボットの駆動を制御する方法において、 各関節ごとに各関節の動作時間を設定し、各関節の動作
    終了時間が重ならないように動作プログラムを作成し、
    該動作プログラムに基づいて各関節を駆動することを特
    徴とする多関節型ロボットの駆動制御方法。
  2. 【請求項2】各関節の動作時間を設定するに際し、各関
    節の動作開始後に、各関節を駆動する各モータの最大ト
    ルクTで各関節を加速することによって最大速度Vで動
    作させたときの動作終了時間tを、 t=θ/V+J・V/T(但し、Jは各関節からみた慣
    性モーメント、θは各関節の移動距離) によって算出し、各関節の中で動作時間の一番長いもの
    をロボットの動作時間とすることを特徴とする請求項1
    記載の多関節型ロボットの駆動制御方法。
  3. 【請求項3】各関節の動作時間を設定するに際し、各関
    節の動作時間をずらして起動させ、かつ、動作終了時間
    もずらすことを特徴とする請求項1記載の多関節型ロボ
    ットの駆動制御方法。
  4. 【請求項4】各関節の動作時間を設定するに際し、手先
    の所定方向の加速度の波が零に近くなったときに各関節
    の動作を終了するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の多関節型ロボットの駆動制御方法。
  5. 【請求項5】各関節の動作時間を設定するに際し、各関
    節からみた剛性Kと各関節からみた慣性モーメントJの
    比J/Kの最大のものを、他の関節よりも早く動作終了
    するようにすることを特徴とする請求項1記載の多関節
    型ロボットの駆動制御方法。
  6. 【請求項6】各関節の動作時間を設定するに際し、動作
    終了時の姿勢における手先の残留振動方向とそのときの
    手先の位置ずれ許容差により、振動する方向に与える影
    響の大きな関節の動作を他の関節よりも早く終了させる
    ことを特徴とする請求項1記載の多関節型ロボットの駆
    動制御方法。
  7. 【請求項7】各関節の動作時間を設定するに際し、手先
    側の関節の動作を他の関節よりも早く終了させることを
    特徴とする請求項1記載の多関節型ロボットの駆動制御
    方法。
  8. 【請求項8】各関節の動作時間を設定するに際し、回転
    量の少ない関節の動作を他の関節よりも早く終了させる
    ことを特徴とする請求項1記載の多関節型ロボットの駆
    動制御方法。
  9. 【請求項9】早く動作が終了した関節を、他の関節の動
    作が終了した時間に合わせて残留振動を抑制するように
    動作させることを特徴とする請求項1記載の多関節型ロ
    ボットの駆動制御方法。
  10. 【請求項10】前記多関節型ロボットが少なくとも2本以
    上のアームを備える場合に、該アームのうちの停止して
    いるアームの関節を、他のアームの関節の動作が終了し
    た後に残留振動を抑制するように動作させることを特徴
    とする請求項1記載の多関節型ロボットの駆動制御方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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