JPH07294940A - 光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料 - Google Patents

光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料

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JPH07294940A
JPH07294940A JP6086348A JP8634894A JPH07294940A JP H07294940 A JPH07294940 A JP H07294940A JP 6086348 A JP6086348 A JP 6086348A JP 8634894 A JP8634894 A JP 8634894A JP H07294940 A JPH07294940 A JP H07294940A
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浩史 長谷部
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリビニルアルコール及び一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の有機基を表わ
す)のジヒドロキシ化合物からなる配向膜形成用組成
物、及びこれを用いることを特徴とする光学異方体の製
造方法。 【効果】 この配向膜形成用組成物は、液晶の良好な配
向を与え、且つ重合性液晶組成物を用いた光学異方体の
作製に際して、基板と光学異方体の剥離特性を改善でき
る。従って、これを用いて光学異方体の製造方法によっ
て、均一で耐熱性に優れた光学異方体を、再現性良く製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学異方体の製造方法
及びそれに用いる配向膜形成材料に関し、更に詳しく
は、重合性液晶組成物を重合して成る光学異方体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ素子の表示品位
の向上と軽量化の両立に対する要求から、補償板として
内部の分子の配向構造が制御された高分子フィルムが求
められている。これに応える技術として、液晶性高分子
を用いる方法(特開平3−28822号公報、特開平4
−3022号公報、特開平4−55813号公報、特開
平5−27235号公報、特開平5−61039号公報
に記載)や、2官能液晶性アクリレート化合物又は組成
物を用いる方法(特開平3−14029号公報に記載)
が知られているが、これらの技術はフィルム内部の分子
の配向構造の均一性や、フィルムの耐熱性に問題があっ
た。この問題を解決するために本発明者等は、室温にお
いて液晶性を有する重合性液晶組成物とこの組成物を光
重合して得られる内部の配向構造が制御された高分子フ
ィルム(光学異方体)を先に提案した。
【0003】しかしながら、該発明では2枚の基板間に
挟持された重合性液晶組成物を光重合させた後に、少な
くとも1枚の基板を光学異方体から剥離して光学異方体
を製造しており、この際に基板の剥離性が悪く、歩留ま
りの低下をきたすという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、2枚の基板間に挟持された重合性液晶組成
物を光重合させた後に、少なくとも1枚の基板を剥離す
ることによって得られる光学異方体の製造方法におい
て、基板の剥離性の悪さを解消し、光学異方体製造の歩
留まりの向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決ために鋭意検討した結果、かかる課題が基板上に形
成する配向膜に起因するものであって、特にこの配向膜
に光学異方体に対する良好な剥離性を付与することによ
って解決できることを見いだした。
【0006】即ち、本発明は、(1)第1の基板上に、
ポリビニルアルコール及び一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の
有機基を表わす。)で表わされるジヒドロキシ化合物か
らなる配向層を形成する第1工程、(2)第2の基板上
に配向処理を施す第2工程、(3)第1の基板の配向層
と、第2の基板の配向処理を施した面を対向させて配置
した後、これらの基板間に重合性液晶組成物を介在させ
る第3工程、(4)光を照射することによって前記重合
性液晶組成物を重合させる第4工程、及び(5)第1の
基板を剥離する第5工程を有することを特徴とする光学
異方体の製造方法を提供する。
【0009】また、これに伴い、本発明の製造方法で使
用する、ポリビニルアルコール及び一般式(I)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の
有機基を表わす)のジヒドロキシ化合物からなる配向膜
形成用組成物を提供する。従来、ポリビニルアルコール
は液晶の配向膜として用いられてきたが、本発明の配向
膜形成用組成物は、一般式(I)で表わされるジヒドロ
キシ化合物を含有することを特徴とし、この特徴によ
り、光学異方体に対する良好な剥離性が付与されてい
る。
【0012】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の配向膜形成用組成物は、溶媒に溶解させた後、ガラ
ス基板又はプラスチック基板に塗布し、溶媒を乾燥する
ことにより薄膜を基板上に形成せしめ、次いで形成され
た薄膜にラビング処理を施すことによって、基板に対し
て液晶の水平な配向を与える配向膜として使用すること
ができる。この配向膜は、均一で安定な配向を与え、且
つ光学異方体に対し良好な剥離性が得られるという特徴
を有する。良好な剥離性が得られる理由は明かではない
が、一般式(I)のジヒドロキシ化合物のガラス基板や
プラスチック基板に対する密着性が非常に小さいためで
あると考えられる。
【0013】この配向膜形成用組成物に用いるポリビニ
ルアルコールは、液晶の安定な配向を得るため室温にお
いて固体であれば、その重合度に関係なく好適に用いる
ことができるが、その重合度は500以上が好ましい。
【0014】また、配向膜形成用組成物に用いる一般式
(I)で表わされるジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14
−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオー
ル、1,16−ヘキサデカンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを挙げることができる。これらの
一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物は、単独
又は複数の化合物を組み合わせて用いることができる。
【0015】また、配向膜形成用組成物中のポリビニル
アルコールの割合は、30〜95重量%の範囲にあるこ
とが好ましい。これより小さいと一般式(I)のジヒド
ロキシ化合物の結晶が析出して良好な配向が得られず、
またこれより大きいと良好な剥離性が得られなくなる傾
向がある。
【0016】次に、この配向膜形成用組成物を溶媒に溶
解させた後、第1の基板に塗布し、溶媒を乾燥させた
後、基板上の膜にラビング処理を施して配向膜を得る方
法について詳しく説明する。
【0017】配向膜形成用組成物を溶解させるための溶
媒としては、一般にこの技術分野で極性溶媒として認識
されるものであれば、特に制限なく用いることができる
が、乾燥の容易さから、水、メタノール、エタノール、
又はこれらの混合溶媒が特に好ましい。また配向膜形成
用組成物をこれらの溶媒に溶解させた溶液の濃度は、1
〜20重量%の範囲が好ましい。このような配向膜形成
用組成物の溶液は、ガラス基板やプラスチック基板にロ
ールコーター法、スピンコーター法、印刷法などの方法
によって塗布することができる。塗布した後の溶媒の乾
燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の方
法を単独又は組み合わせて用いることができる。どのよ
うな乾燥方法を用いたとしても、乾燥後は配向膜形成用
組成物から成る膜を、80〜150℃の温度でに加熱す
ることが好ましい。この加熱によって一般式(I)のジ
ヒドロキシ化合物がポリビニルアルコールの高分子鎖中
に均一に分散し、ジヒドロキシ化合物が析出することの
ない均一な膜を得ることができる。加熱後は室温に冷却
した後、形成された膜をレーヨン布やナイロン布等でラ
ビング処理することにより、均一な配向を与え、且つ光
学異方体に対する剥離性の良い配向膜を得ることができ
る。
【0018】次に、この配向膜形成用組成物を用いるこ
とを特徴とする光学異方体の製造方法を更に詳細に説明
する。本発明の製造方法で用いる2枚の基板のうち第1
の基板のみに、前記配向膜形成用組成物からなる配向膜
が形成されている場合は、対向する第2の基板として
は、基板をそのままラビング処理したもの、あるいは基
板上に配向膜を形成した後ラビング処理を施したものを
使用することができる。第2の基板上に配向膜を形成す
る場合には、通常この技術分野で配向膜として認識され
ているものであれば特に制限なく用いることができ、ポ
リイミドやポリビニルアルコールによる膜にラビング処
理を施すことによって使用することができる。
【0019】本発明で使用することができる基板は、有
機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体
的な例を挙げると有機材料としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、
ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリ
スルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、
また無機材料としては例えば、シリコン、ガラス等を挙
げることができる。2枚の基板がそれぞれ異なった材料
を用いてもよいが、少なくとも一方の基板には、光重合
を行うため適当な透明性が与えられていなければならな
い。またこれらの基板上に電極層を有しているものも使
用できるが、この場合には、電極層の上に配向膜を形成
した後、ラビング処理することが好ましい。
【0020】次いで、このような2枚の第1及び第2の
基板のラビング処理を施した面を一定の間隔をもって対
向させて、この基板間に重合性液晶組成物を挟持させる
と、この重合性液晶組成物は配向膜によって配向する。
この時の基板間の間隔は、得られる光学異方体の厚さに
なるが、この厚さは0.1〜100ミクロンの範囲が好
ましく、特に0.5〜50ミクロンの範囲が好ましい。
【0021】重合は重合性液晶組成物が液晶相を呈する
温度で、紫外線又は電子線等を照射して行うが、意図し
ない熱重合の誘起を避ける意味からも、できるだけ室温
に近い温度で光重合させることが好ましい。
【0022】光重合した後、この重合体から第1の基板
を剥離することによって、本発明に係わる光学異方体を
製造することができるが、第1の基板を剥離する場合、
そのまま機械的に剥離することによって容易に行える
が、その際に光学異方体と基板の両方に対する貧溶媒に
侵漬しても良い。
【0023】また、重合性液晶組成物としては、少なく
とも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として
有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキ
シ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである
単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有
し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を
使用することができる。
【0024】前記の該単官能アクリレート又は単官能メ
タクリレートとしては、一般式(II)
【0025】
【化7】
【0026】(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わ
し、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0027】
【化8】
【0028】を表わし、nは0又は1の整数を表わし、
mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独
立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−O
CH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−C
H=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH
2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2
CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わ
し、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原
子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル
基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化
合物であることを特徴とする単官能アクリレート又は単
官能メタクリレートを挙げることができる。以下にこの
ような化合物の代表的なものの例と、その相転移温度を
示すが、本発明で使用することができる重合性化合物は
これらの例に限定されるものではない。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】(上記中、シクロヘキサン環はトランスシ
クロヘキサン環を表わし、また相転移スキームのCは結
晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等
方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わす。) また、本発明で使用することができる重合性液晶組成物
には、重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合
性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添
加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物
としては、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化
合物、コレステリック液晶化合物等の通常この技術分野
で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いるこ
とができる。しかしながら、その添加量が増えるに従
い、得られる光学異方体の機械的強度が低下する傾向に
あるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0032】また、重合性官能基を有しておらず、且つ
液晶性も示さない化合物も添加することができる。この
ような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成
性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識
されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に
好ましい。
【0033】これらの液晶化合物又は重合性化合物は適
宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも
得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないよう
に、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0034】更に、本発明で使用することができる重合
性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを
目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。
ここで、使用することができる光重合開始剤としては、
例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げる
ことができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対し
て10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ま
しい。
【0035】本発明で使用することができる重合性液晶
組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定
剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定
剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアル
キルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げること
ができる。その安定剤の添加量は0.05重量%以下が
好ましい。
【0036】本発明で使用することができる重合性液晶
組成物には、光学異方体中にねじれネマチック配向、又
はコレステリック配向の螺旋構造を導入する目的で、光
学活性化合物を添加してもよい。ここで使用することが
できる光学活性化合物は、それ自体が液晶性を示す必要
はなく、また重合性官能基を有していても、有していな
くてもよい。またそのねじれの向きは使用する目的によ
って適宜選択することができる。そのような光学活性化
合物としては、例えば、光学活性基としてコレステリル
基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸
コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基
を有する「CB−15」、「C−15」(以上、BDH
社製)、「S1082」(メルク社製)、「CM−1
9」、「CM−20」、「CM」(以上、チッソ社
製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する
「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「C
M−22」(以上、チッソ社製)を挙げることができ
る。この光学活性化合物の好ましい添加量は、製造する
光学異方体の用途による。カイラルネマチック配向又は
コレステリック配向の螺旋構造を導入し、例えば液晶表
示素子の視角補償板として用いる場合には、コレステリ
ック構造に由来する選択反射光の波長が可視光領域から
はずれるように、螺旋構造のピッチ(P)を0.25ミ
クロン以下もしくは0.5ミクロン以上になるように調
整するのが好ましく、例えば特定波長の反射板として用
いる場合には、選択反射光の波長が可視光領域にあるよ
うに螺旋構造のピッチ(P)を0.25〜0.5ミクロ
ンになるように調整するのが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。 (参考例)式(a)
【0038】
【化11】
【0039】の化合物50重量部及び式(d)
【0040】
【化12】
【0041】の化合物50重量部からなる重合性液晶組
成物(A)を調製した。得られた組成物は室温でネマチ
ック相を示し、ネマチック相から等方性液体相への転移
温度は47℃であった。また25℃におけるne(異常
光屈折率)は1.65であり、no(常光屈折率)は
1.52であった。重合性液晶組成物(A)99重量部
に光重合開始剤1重量部から成る重合性液晶組成物
(B)を得た。
【0042】(実施例1)3.0gのポリビニルアルコ
ール(重合度約500)と3.0gの1,8−オクタン
ジオールを水100gとエタノール100gからなる混
合溶媒に溶解させて液晶配向処理剤用組成物の溶液を作
製した。この溶液をガラス基板上にスピンコートした。
このスピンコートで溶媒はほとんど乾燥した。この時の
ガラス基板上には1,8−オクタンジオールの析出がみ
られ、均一な膜が得られていなかった。次に、このガラ
ス基板を110℃で10分間加熱した後に室温まで冷却
し、1,8−オクタンジオールの析出のない均一な膜を
得た。これをラビング処理して配向膜を得た。このよう
にして配向膜を形成したガラス基板(i)を作製した。
次にガラス基板上にポリイミド配向処理剤「AL−12
54」(日本合成ゴム社製)をスピンコートした後に、
180℃で80分間保ちガラス基板上にポリイミド膜を
形成した。このポリイミド膜をラビング処理して、ポリ
イミド配向膜を形成したガラス基板(ii)を作製し
た。ガラス基板(i)とガラス基板(ii)をラビング
処理した面を対向させ、この基板間に参考例で調製した
重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時のガラス
基板間の間隔は8ミクロンに、互いのラビング方向のな
す角度は180度になるように設定した。2枚のガラス
基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の偏光板
の間において観察したところ、均一な1軸配向(ホモジ
ニアス配向)が得られていることが確かめられた。この
重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UV
P社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm
2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重
合させて硬化させた。光重合させた後に、この重合体を
挟持する基板を、2枚の偏光板の間において観察したと
ころ、光重合前の均一な1軸配向(ホモジニアス配向)
が固定化されており、均一性に優れた光学異方体が得ら
れていることが確かめられた。この光学異方体から、ガ
ラス基板(i)を機械的な力を加えて剥離してガラス基
板(ii)に担持された光学異方体を得た。この時、ガ
ラス基板(i)は容易に剥離でき、ガラス基板(i)に
光学異方体は全く付着していなかった。また剥離の際に
光学異方体への傷やひび等のダメージも全く観察されな
かった。このようにして10枚の光学異方体を作製した
が、10枚とも再現性よく剥離が容易に行え、傷やひび
等の全くない光学異方体を得ることができた。また得ら
れた光学異方体は、120℃の温度に保っても均一な配
向状態は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。
【0043】(実施例2)実施例1で得たガラス基板
(i)とガラス基板(ii)をラビング処理した面を対
向させ、この基板間に参考例で調製した重合性液晶組成
物(B)を挟持させた。この時のガラス基板間の間隔は
8ミクロンに、お互いのラビング方向のなす角度は85
度になるように設定した。2枚のガラス基板間に挟持さ
れた重合性液晶組成物を、2枚の偏光板の間において観
察したところ、均一なねじれネマチック配向が得られて
いることが確かめられた。この重合性液晶組成物に、室
温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−2
5)を用いて、160mJ/cm 2の光量の紫外線を照
射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。
光重合させた後に、この重合体を挟持する基板を、2枚
の偏光板の間において観察したところ、光重合前の均一
なねじれネマチック配向が固定化されており、均一性に
優れた光学異方体が得られていることが確かめられた。
この光学異方体から、ガラス基板(i)を機械的な力を
加えて剥離してガラス基板(ii)に担持された光学異
方体を得た。この時、ガラス基板(i)は容易に剥離で
き、ガラス基板(i)に光学異方体は全く付着していな
かった。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダ
メージも全く観察されなかった。このようにして10枚
の光学異方体を作製したが、10枚とも再現性よく剥離
が容易に行え、傷やひび等の全くない光学異方体を得る
ことができた。また得られた光学異方体は、120℃の
温度に保っても均一な配向状態は維持されており耐熱性
も何ら問題がなかった。
【0044】(比較例1)3.0gのポリビニルアルコ
ールを100gの水に溶解して溶液を調製した。この溶
液をガラス基板にスピンコートした後、ガラス基板を1
10℃に10分間加熱した。このガラス基板を室温まで
冷却後、ラビング処理をしてポリビニルアルコール配向
膜を形成したガラス基板(iii)を得た。ガラス基板
(iii)と実施例1で作製したガラス基板(ii)を
ラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例で
調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時
のガラス基板間の間隔は8ミクロンに、お互いのラビン
グ方向のなす角度は180度になるように設定した。2
枚のガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2
枚の偏光板の間において観察したところ、均一な1軸配
向(ホモジニアス配向)が得られていることが確かめら
れた。この重合性液晶組成物に、室温において紫外線ラ
ンプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、160
mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組
成物を光重合させて硬化させた。光重合させた後に、こ
の重合体を挟持する基板を、2枚の偏光板の間において
観察したところ、光重合前の均一な1軸配向(ホモジニ
アス配向)が固定化されており、均一性に優れた光学異
方体が得られていることが確かめられた。この光学異方
体から、ガラス基板(iii)を機械的な力を加えて剥
離してガラス基板(ii)に担持された光学異方体を得
ようとしたところ、剥離性が悪く、ガラス基板(ii
i)にも光学異方体が付着した。また剥離の際に光学異
方体への傷やひび等のダメージが観察された。このよう
にして10枚の光学異方体を作製したが、耐熱性は問題
なかったものの、8枚の光学異方体に傷やひび等のダメ
ージが観察され、製造の歩留まりが悪かった。
【0045】(比較例2)比較例1で作製したガラス基
板(iii)と実施例1で作製したガラス基板(ii)
をラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例
で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この
時のガラス基板間の間隔は8ミクロン、互いのラビング
方向のなす角度は85度になるように設定した。2枚の
ガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の
偏光板の間において観察したところ、均一なねじれネマ
チック配向が得られていることが確かめられた。この重
合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP
社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm2
の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合
させて硬化させた。光重合させた後に、この硬化物を、
2枚の直交する偏光板の間において観察したところ、光
重合前の均一なねじれネマチック配向が固定化されてお
り、均一性に優れた光学異方体が得られていることが確
かめられた。この光学異方体から、ガラス基板(ii
i)を機械的な力を加えて剥離してガラス基板(ii)
に担持された光学異方体を得ようとしたところ、剥離性
が悪く、ガラス基板(iii)にも光学異方体が付着し
た。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダメー
ジが観察された。このようにして10枚の光学異方体を
作製したが、耐熱性は問題なかったものの、9枚の光学
異方体に傷やひび等のダメージが観察され、製造の歩留
まりが悪かった。
【0046】
【発明の効果】本発明の配向膜形成用組成物は、液晶の
良好な配向を与え、且つ重合性液晶組成物を重合して成
る光学異方体と基板の剥離特性を改善できる。従って、
この配向膜形成用組成物を用いた光学異方体の製造方法
によって、これまで問題となっていた剥離による歩留ま
りの低下を改善することができ、均一で耐熱性に優れた
光学異方体を、再現性良く、容易に製造することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)第1の基板上に、ポリビニルアル
    コール及び一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の有機基を表わ
    す。)で表わされるジヒドロキシ化合物からなる配向層
    を形成する第1工程、(2)第2の基板上に配向処理を
    施す第2工程、(3)第1の基板の配向層と、第2の基
    板の配向処理を施した面を対向させて配置した後、これ
    らの基板間に重合性液晶組成物を介在させる第3工程、
    (4)光を照射することによって前記重合性液晶組成物
    を重合させる第4工程、及び(5)第1の基板を剥離す
    る第5工程を有することを特徴とする光学異方体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 第1工程において、ポリビニルアルコー
    ル及び一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物か
    らなる配向膜形成用組成物を第1の基板上に塗布した
    後、加熱処理することによって配向層を形成することを
    特徴とする請求項1記載の光学異方体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2工程において、第2の基板上に配向
    膜を形成した後、ラビング処理を施すことを特徴とする
    請求項1又は2記載の光学異方体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合性液晶組成物が、少なくとも2つの
    6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状
    アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物の
    アクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アク
    リレート又は単官能メタクリレートを含有し、液晶相を
    示すことを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学異
    方体の製造方法。
  5. 【請求項5】 単官能アクリレート又は単官能メタクリ
    レートが、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環
    A、B及びCはそれぞれ独立的に、 【化3】 を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4
    の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結
    合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C
    OO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−
    CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2
    −、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2
    −又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素
    原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20の
    アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニ
    ルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物であること
    を特徴とする請求項4記載の光学異方体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)において、6員環A、B及
    びCはそれぞれ独立的に、 【化4】 を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1及びY2
    それぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表わし、Y
    3はハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のア
    ルキル基又はアルコキシ基を表わすことを特徴とする請
    求項5記載の光学異方体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール及び請求項1記載
    の一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物からな
    る配向膜形成用組成物。
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