JPH07294503A - 超臨界流体による分別、分析方法および装置 - Google Patents

超臨界流体による分別、分析方法および装置

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JPH07294503A
JPH07294503A JP8284494A JP8284494A JPH07294503A JP H07294503 A JPH07294503 A JP H07294503A JP 8284494 A JP8284494 A JP 8284494A JP 8284494 A JP8284494 A JP 8284494A JP H07294503 A JPH07294503 A JP H07294503A
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Makoto Takeuchi
誠 竹内
Junpei Sugihara
順平 杉原
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学的性質に基づいて同種の化合物毎に分別
し、さらに分別した化合物のそれぞれの分子量分布を求
める方法および装置を得る。 【構成】 試料が吸着したカラムに、モディファイアを
含有した超臨界流体を供給して溶出する際に、複数のモ
ディファイア用の溶媒供給装置を溶媒切り換えコックと
逆止弁を介して超臨界流体の流路に結合され、逆止弁に
は溶媒の切換時に管路中の溶媒を排出する溶媒排出用ド
レンコックが結合され試料の分別回収部には溶媒の検出
装置および試料の検出装置を有し、溶媒の切換の検出を
可能とした装置によって分別回収を行い、分別回収した
成分をさらに分析用カラムによって超臨界流体によって
成分の分析を行う。 【効果】 分別成分毎に相互の混在量が少ない成分の分
別回収ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】化学的性質の異なる物質、ポリマ
ーあるいはオリゴマーが混在する試料をその化学的性質
に基づいて同種の化合物毎に分別し、さらに分別した化
合物のそれぞれの分子量分布を求める分別、分析方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化学的性質の異なる物質あるいは種々の
ポリマー、オリゴマー等を含有する化学物質から化学的
性質あるいは化学構造の異なる物質を化学的性質あるい
は化学構造に基づいて分別し、さらに分別したそれぞれ
の物質の分子量分布を求めることは、化学物質の製造工
程をはじめとして多くの分野で直面する分析課題であ
る。
【0003】従来は、このような分析はクロマトグラフ
ィーによって行われており、まずカラムクロマトグラフ
ィーによって、順相系カラムの場合には、例えば、トル
エン、クロロホルム、アセトン、アルコール、水等とい
う順序で溶媒を変えて溶出を行い、各溶媒によって溶出
した成分から溶媒を分離して溶媒との相溶性の異なる物
質を回収し、さらに得られた物質の分子量分布について
は、ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GP
C)またはサイズエクリュージブクロマトグラフィー
(SEC)を用いて分子量分布を求めていた。
【0004】カラムクロマトグラフィーによる方法は、 (1)カラムの活性化や溶媒置換に長時間を要し、また
置換を完全に行うことは困難であり、化学物質の分別が
明瞭ではなく、分別すべき化合物が相互に混在すること
が避けられない。 (2)分別回収した成分は、使用した大量の溶媒で希釈
されているために、そのままでは分子量の分布の測定に
おいて利用することができず、溶媒の除去に時間を要
し、また回収した試料が微量の場合には溶媒中に含まれ
ている不純物による影響を受け易いという問題がある。 (3)また、GPCやSECによる分子量分布の測定
は、充分な分離能が得られ難く、平均値や大まかな分布
は得られても、各成分の正確な分布は得られず、こと
に、同一の分子量を有する構造異性体には何等の知見も
得られないという問題があり、他の分析手段を併用する
ことが不可欠であった。
【0005】また、超臨界流体と試料との相溶性の相違
を利用して、分別するとともに、分別した試料の分子量
分布を求めることが行われている。すなわち、超臨界流
体は、臨界圧力および臨界温度を超過した状態の流体で
あって、二酸化炭素の場合には、温度31℃、圧力73
kg/cm2 以上とすることによって得られ、液体に近
い高密度と低粘性、気体に近い大きな拡散定数を有し、
多くの物質に対して優れた溶解性を有しており、物質を
溶解した超臨界流体は、臨界点以下の圧力あるいは温度
とすることによって、溶解した物質を溶媒から容易に分
離することができるという特徴を有しており、超臨界流
体抽出、超臨界流体クロマトグラフィー等の物質の分離
あるいは分析手段において利用されている。
【0006】従来の超臨界流体クロマトグラフィーで
は、二酸化炭素等から得られる超臨界流体を試料中に導
入して、超臨界流体中に試料成分を溶解した後に、超臨
界流体の圧力、温度等を調整することによって超臨界流
体の試料中の成分の分離を行ったり、あるいは超臨界流
体中にエタノール等のエントレーナーあるいはモディフ
ァイアと称される有機溶剤を混合し、超臨界流体と試料
との相溶性を高めて試料を溶解させた後に、温度、圧力
の調整によって分別をした後に、クロマトグラフィーに
よって分析を行っている。ところが、これらのような超
臨界流体の温度、圧力等の調整による分別では、充分に
試料を分別することが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学的性質
の異なる物質、種々のポリマー、オリゴマー等の化合物
を含有する化学物質から化学的性質あるいは化学構造に
基づいて分別し、さらに分別したそれぞれの物質から分
子量分布を正確に求める分析手段を提供することを課題
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、超臨界流体に
よる試料の分別方法において、試料が吸着したカラムか
ら超臨界流体に溶媒をモディファイアとして加えて吸着
したカラムから成分を溶出する際に、該溶媒を順次溶媒
強度(Solvent Strength)の異なる溶
媒に変えて溶出し試料を分別回収する超臨界流体による
分別方法である。
【0009】また、超臨界流体による試料の分別回収装
置において、モディファイアとして加える複数の溶媒供
給装置を有し、溶媒供給装置は溶媒切り換えコックと逆
止弁を介して超臨界流体の流路に結合されており、逆止
弁には溶媒の切換時に管路中の溶媒を排出する溶媒排出
用ドレンコックが結合されており、試料の分別回収部に
は溶媒検出装置および試料成分検出装置を有する超臨界
流体による分別装置である。
【0010】超臨界流体による分析方法において、試料
が吸着したカラムに溶媒をモディファイアとして加えた
超臨界流体によって試料を溶出する際に、モディファイ
アとして加える溶媒を順次溶媒強度の異なる溶媒に変え
て溶出し成分を分別回収した後、分別回収した各成分を
超臨界流体が流れる分析用カラムによって分析する超臨
界流体による分析方法である。
【0011】また、超臨界流体による分析装置におい
て、モディファイアとして加える溶媒の供給装置を有
し、溶媒供給装置は溶媒切り換えコックおよび逆止弁を
介して超臨界流体の流路に結合されており、さらに逆止
弁には溶媒の切換時に管路中の溶媒を排出する溶媒排出
用ドレンコックが結合されており、試料の分別回収部に
は溶媒検出装置および試料成分検出装置を有しており、
分別回収した各成分毎に分析する分析用カラムを有する
超臨界流体による分析装置である。
【0012】
【作用】本発明は、試料の化学的性質に基づく吸着特性
の優れた充填剤を充填したカラムに、溶媒強度または溶
解度係数(Solubility Paramete
r)の大きい有機溶媒を含む二酸化炭素を、例えば33
0kg/cm2 、150℃の高圧高温下で流し、カラム
内の残存物を除去した後、さらに有機溶媒の供給を停止
した後に二酸化炭素のみをさらに流し続けることによ
り、充填剤に吸着している溶媒および水等の付着物を除
去し活性化した後に、カラム温度を40℃程度に低下さ
せた後に、試料を供給しカラムに吸着させ、次いで、高
圧下で温度を低下したことによって高密度になった二酸
化炭素によって溶出する成分を回収し、さらに溶媒強度
または溶解度係数(Solubility Param
eter)の異なる有機溶媒を順次二酸化炭素に添加し
て溶媒強度を調整した超臨界流体によって溶出する成分
を各段階毎に回収するものであり、また、二酸化炭素の
みと、各溶媒を含む超臨界流体のそれぞれの段階で回収
された成分を、次に分析用カラムを用い、温度を150
℃程度に高くするとともに、圧力を150〜200kg
/cm2 に低下することにによって、主として密度変化
に基づく溶出を行い低分子から順次高分子に向けて溶出
展開する超臨界流体流体クロマトグラムを得るものであ
り、一回の分析には、分別回収した成分の全量の1/5
0〜1/100程度が用いられるので、条件検討のため
分析を繰り返し行うことができ、また残量は核磁気共
鳴、赤外線分光分析、質量分析等の分析に供することが
できる。
【0013】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の装置の一実施例を説明する図である。
二酸化炭素ボンベ1から高純度の二酸化炭素が液体もし
くは気体状態で、気体精製装置2に導入される。気体精
製装置では、シリカ、アルミナ、活性炭等の吸着剤およ
び微細なフィルタによって二酸化炭素中に含まれている
不純物や微細なごみ等を除去し、二酸化炭素定量送液ポ
ンプ3に導入される。二酸化炭素定量送液ポンプでは、
冷却器4で0〜5℃程度に冷却するとともに、特願平4
−29393号明細書等に記載のような相互に独立して
駆動される圧縮専用ポンプとその圧縮された流体を定量
送液するポンプからなる機構を有し、圧縮率の大きな二
酸化炭素を負荷圧に依存せずに定量的な送液を可能とし
ている。定量的に送液された二酸化炭素は逆止弁5aを
介して、混合器6に送られる。
【0014】一方、試料の溶解特性が異なる複数のモデ
ィファイア用の溶媒容器13a〜13cからアルゴン等
の不活性ガスで加圧される加圧溶媒リザーバ11a〜1
1cにモディファイアが供給されて、加圧溶媒リザーバ
からコック12a〜12cを介してポンプ10に送液さ
れ、所定のモディファイアがポンプによって加圧されて
逆止弁5bから混合器6へと送液される。また、逆止弁
5bの直前にはドレンコック7が設けられており、送液
するモディファイアを切り替える際に、ドレンコック7
を開放した状態で、次に送液すべきモディファイアを加
圧して送液することによって管路に残留したモディファ
イアをポンプ内部も含めてモディファイアによって置換
することが可能となる。モディファイア用の溶媒容器は
図では3個の例を示したが、容器は分別すべき試料に応
じて任意の個数を設けることができる。
【0015】本発明の装置で分析を行う場合、試料の供
給は、試料バルブ9から行うが、試料バルブ9の直前に
はループインジェクター8が設けられている。例えば、
分析用カラム15として、内径1.7mm、長さ250
mmのカラムを用いる場合には、分析用サンプルバルブ
9の容量は1μlを用いる。また、分別用カラム14と
して、内径4.6mm、長さ100mmを用いる場合に
はループインジェクターの容量を10〜15μlとし試
料供給は試料バルブ9より行う。試料バルブ9から導入
された試料は、モディファイアを混合器6において混合
した超臨界状態の二酸化炭素中に溶解し、オーブン26
中において所定の温度に加熱した分別用カラム14ある
いは分析用カラム15に送られ、カラムを通過した試料
はオーブンの出口側に設けた紫外線分光分析装置等の溶
媒検出装置16の検出セル17に送られ、背圧制御器1
8で圧力開放されると同時に、すすぎ溶媒容器25、圧
力リザーバ24、すすぎ溶媒用ポンプ23によって構成
されるすすぎ溶媒系からすすぎ溶媒が送られて定量的に
流し出される。
【0016】減圧によって気化した二酸化炭素、すすぎ
溶媒、モディファイアおよび試料を含む流体は、分別回
収部19においてT分岐20で分岐し、一部は噴霧蒸発
光散乱検出器(ELSD)等の試料成分検出装置22に
導入され試料の分析が行われ、他の試料はバイアル21
で回収される。モディファイアを切り換えた場合には、
溶媒検出装置による検出信号によってモディファイアを
切り換えたことを知ることができるので、事前に回収用
のバイアルを取り替えることができる。
【0017】本発明の装置では、分別用カラムを用いた
場合には、試料の分別が行われ、また、分別回収した試
料を分析用カラムによって展開することによってそれぞ
れの試料についての超臨界クロマトグラフィーによる分
析が行われる。本発明の装置におけるモディファイア用
のコック、ドレンコックをはじめ各種のバルブは手動に
限らず制御装置から送られる信号によって駆動される電
気、空気圧等によって駆動されるバルブであっても良
い。また、分別用カラムと分析用カラムの切換も切換バ
ルブによって行っても良い。
【0018】また、本発明の装置によって試料から複数
の成分を分別回収する場合には、モディファイアとして
各種のものを使用することができるが、モディファイア
の選択は、使用圧力での超臨界流体の溶媒強度または溶
解度係数とモディファイアの溶媒強度または溶解度係数
を考慮して選択することができ、溶媒強度または溶解度
係数が異なるモディファイアを使用することにより溶解
特性の相違する超臨界流体を得ることができ、効率よく
試料中の成分の分別が可能となる。さらに、分別回収で
は、カラムに吸着した成分を、圧力と温度を一定として
段階的に溶出することで分別を精度良く行うことができ
る。
【0019】モディファイアとして二酸化炭素に加える
有機溶媒の種類と量の選択は、分別すべき試料の種類、
量に応じて行うことができる。例えば、L. Snyder, " A
dsorption Chromatography in Chromatography ", Heft
mann(Ed.) third edition, Reinhold, New-York, (197
5) p54に記載の溶媒強度のデータを図示した図2および
同書のデータと混合流体の溶媒強度の算出式にもとづい
て求めたモル分率と混合流体の溶媒強度の関係を示す図
3から求めることができる。これによれば、二酸化炭素
(40℃、330kg/cm2 )は、溶媒強度δ=0.
18、同条件の二酸化炭素:クロロホルム=600:1
50はδ=0.248、同条件の二酸化炭素:アセトン
=600:300はδ=0.452、同条件の二酸化炭
素:エタノール=600:200はδ=0.793であ
る。
【0020】また、本発明における分別用カラムには、
試料中の成分の吸着活性の高いカラムを使用することが
好ましく、また、試料の負荷量が多く溶出を短時間で行
うために内径が大きく短いカラムを用いることが好まし
い。本発明における超臨界流体の流体は、臨界点を超え
た状態の流体のみではなく、圧力は、混合流体のとりう
る組成の中での最大臨界圧力以上であって、温度が臨界
点の近傍の亜臨界状態の流体も含み、二酸化炭素以外に
も、二窒化酸素をはじめ分別あるいは分析すべき試料に
応じて各種のものを使用することができるが、安全性、
取り扱いが容易である等の理由から二酸化炭素を利用す
ることが好ましい。
【0021】実施例1 (分別回収)本発明の装置による界面活性剤Tween
40(ICI社製)の分別方法を説明する。Tween
40は、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテー
トを主成分としているが、6価のアルコールであるソル
ビトールをアルカリ触媒の存在下で脂肪酸エステル化
し、ソルビトールが分子内脱水を起こし、ソルビタン
(1脱水物)およびソルビド(2脱水物)の混合物を生
じ、さらに各種のソルビタンのモノ、ジ、トリ、テトラ
脂肪酸エステル、あるいはソルビドのモノ、ジ、トリ、
テトラ脂肪酸エステル等のかなり複雑な混合物が生じ、
これらにエチレンオキシドを付加させることによって製
造されている。
【0022】Tween40の通常の二酸化炭素を使用
した超臨界クロマトグラフィーによる分析では、図4の
ような結果が得られる。この結果から、多数の成分から
構成されていることはわかるが、その詳細を知ることは
できない。そこで、図5のフローシートで示されるよう
に、オーブン中で150℃に加熱した内径4.5mm、
長さ250mmのシリカカラムに330kg/cm2
圧力、600μl/分の流量で二酸化炭素を供給し、カ
ラムの活性化を行った後、温度を40℃に下げ、ループ
インジェクターより試料を溶解した50重量%クロロホ
ルム溶液を10μlずつ3回連続注入し、圧力330k
g/cm2 、温度40℃で、600μl/分で二酸化炭
素を流し続け背圧制御器にすすぎ溶媒としてクロロホル
ムを200μl/分でポンプで定量供給して図5のフロ
ーシートのAで示される成分の回収を行ったが試料成分
検出装置で観測される成分はほとんどなかった。
【0023】次に、二酸化炭素を流し続けた状態でドレ
ンコック7を開き、クロロホルムの溶媒容器13aに結
合した加圧溶媒リザーバ11aを加圧状態に設定する
と、ポンプ10の内部も含めてクロロホルムによって置
換されるが、二酸化炭素の送液系は逆止弁5bの作用に
よって影響を受けることはない。完全にクロロホルムに
置換されるとポンプ10を作動する。ポンプは加圧リザ
ーバの圧力である5〜7kg/cm2 から始動し、二酸
化炭素ポンプ動作圧力である330kg/cm2以上で
逆止弁5bを通過する圧力まで昇圧し、150μl/分
の流量で定量的に送液した。混合流体がカラムを通過
し、溶媒検出装置に至るとモディファイアが変化したこ
とが判明するので、バイアル21を取り替えると直ちに
この条件で溶出する成分がすすぎ溶媒とともに送られて
試料成分検出装置22に応答し、分別して溶出した成分
が図2のフローシートのB成分としてバイアルに回収さ
れる。
【0024】試料成分検出装置22の測定信号がベース
値に戻ると、バルブ12aを閉じるとともにポンプ10
を停止しモディファイアをモディファイア容器13bの
アセトンに変更し、クロロホルムをモディファイアとし
た場合と同様にドレンバルブ7を開き、アセトンによっ
て系内を完全に置換した後に、アセトンを300μl/
分の流量で供給し、モディファイアを含有した超臨界流
体がカラムを通過し、モディファイア検出器に至るとモ
ディファイアが変化したことが判明するので、バイアル
21を取り替えると直ちにこの条件で溶出する成分が試
料成分検出器21によって測定され、分別して溶出した
成分が図5のフローシートのC成分としてバイアルに回
収される。
【0025】同様にして、モディファイアをモディファ
イア容器13cのエタノールに変更し、エタノールを2
00μl/分の流量で供給し、モディファイアの変化を
確認した後に、バイアル21を取り替えると直ちにこの
条件で溶出する成分が試料成分検出器22によって測定
され、分別して溶出した成分が図5のフローシートのD
成分としてバイアルに回収される。以上の過程を図6に
示す。
【0026】以上の如くして回収した分別成分はすすぎ
溶媒をクロロホルムとしたので、それぞれクロロホル
ム、クロロホルムとアセトンの混合溶液、クロロホルム
とエタノールとの混合溶液として回収されるが、40〜
50℃の熱板上で乾燥二酸化炭素を吹き付けることによ
って溶媒を容易に除去することができる。次いで、他の
試料を同様に分別回収する場合には、最終段階でモディ
ファイアとしたエタノールの量を多くするとともにカラ
ムを150℃に加熱し、カラム内残存物を除き、エタノ
ールの送液を停止し、さらに二酸化炭素のみでカラムの
活性化を行い、図5に示すフローシートにしたがって操
作をすることによって同様に分別回収することができ
る。
【0027】(分析)分別回収した成分A、B、C、D
のそれぞれに、クロロホルム200μlを加えて溶解し
て分析用試料とする。分別回収はおいて用いた分別用カ
ラムを、分析用カラム15に切り換えた。分析用カラム
は、1.7mm×250mm ODS−5(日本電子モ
ーレ製 SFPAK ODS05S25)を用い、二酸
化炭素流量200μl/分とし、モディファイアのエタ
ノールの量を75μl/分から200μl/分まで40
分間で増加させるモディファイアグラジエント法によっ
てカラム温度150℃、背圧180kg/cm2 で分析
を行った。
【0028】得られたクロマトグラムを図7に示す。回
収成分Aについては応答がなく、回収成分B、C、Dの
クロマトグラムをそれぞれ、B、C、Dとして示す。
B、C、Dはそれぞれ異なる成分であり、それらは図4
に示すクロマトグラムに含まれていた成分であることが
クロマトグラムのパターンから明瞭である。また、回収
成分B、C、Dは、化学種毎の分別が達成されているの
で、核磁気共鳴測定、赤外線分光分析等によって、エス
テル化の程度とエチレンオキサイド付加量の差違を推定
することができ、また質量分析装置によって測定するこ
とにより分子量を確定することができる。
【0029】実施例2 製造方法や製造条件から判断すると、分子末端にケイ素
原子結合メチル基やケイ素原子結合プロピルオキシエタ
ノール基を持つジメチルポリシロキサン混合物は、通常
の二酸化炭素を使用した超臨界クロマトグラフィーによ
る分析では、構成種の組成の割合やそれぞれのオリゴマ
ーの分子量分布を正確に求めることはできなかった。こ
の混合物を実施例1と同様な手順で分別溶出を行い、二
酸化炭素のみで溶出した成分Aと二酸化炭素にクロロホ
ルムを600:150の割合で混合した混合流体で溶出
する成分をB、そして二酸化炭素にエタノールを60
0:200の割合で加えた混合流体で溶出する成分をC
として回収し、同様にして分子量別展開をすると図8の
ような結果が得られた。核磁気共鳴や質量分析等による
分析で、A、B、Cはそれぞれ両末端にケイ素原子結合
メチル基を有するジメチルポリシロキサン、片末端にケ
イ素原子結合プロピルオキシエタノール基(−CH2
2CH2OCH2CH2OH)を持つジメチルポリシロキ
サン、そして両末端にケイ素原子結合プロピルオキシエ
タノール基を持つジメチルポリシロキサンであることが
判明した。図8から、この3種の成分が相互に混合する
ことなく分別されていることがわかる。また、各成分の
分子量分布がいずれも同様であった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、溶媒強度の異なる溶媒を段階
的に超臨界流体中に混合し、超臨界流体の溶解度特性を
変化させることによって、各段階において成分の異なる
試料を分別回収することができ、溶媒の変更時には、新
しい溶媒で完全に置換した後に分別するので、分別回収
する試料相互には成分が混合されておらず、精度の高い
分別回収が可能となり、また、分別回収した試料を分析
用カラムを使用して超臨界クロマトグラフィーに供する
ことによって成分の分析、分子量に応じた分画を行った
り、あるいは他の分析手段に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例を説明する図である。
【図2】溶媒強度を説明する図である。
【図3】混合流体の溶媒強度を説明する図である。
【図4】従来の超臨界クロマトグラフィーによる測定結
果を示す図である。
【図5】本発明の分別方法の手順を説明する図である。
【図6】混合流体の分別過程を説明する図である。
【図7】本発明による分別結果を説明する図である。
【図8】本発明による分別結果を説明する図である。
【符号の説明】
1…二酸化炭素ボンベ、2…気体精製装置、3…二酸化
炭素定量送液ポンプ、4…冷却器、5a、5b…逆止
弁、6…混合器、7…ドレンコック、8…ループインジ
ェクター、9…試料バルブ、10…ポンプ、11a〜1
1c…加圧溶媒リザーバ、12a〜12c…コック、1
3a〜13c…溶媒容器、14…分別用カラム、15…
分析用カラム、16…溶媒検出装置、17…検出セル、
18…背圧制御器、19…分別回収部、20…T分岐、
21…バイアル、22…試料成分検出装置、23…すす
ぎ溶媒用ポンプ、24…圧力リザーバ、25…すすぎ溶
媒容器、26…オーブン
フロントページの続き (72)発明者 杉原 順平 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界流体による試料の分別方法におい
    て、試料が吸着したカラムから超臨界流体に溶媒をモデ
    ィファイアとして加えて吸着したカラムから成分を溶出
    する際に、該溶媒を順次溶媒強度の異なる溶媒に変えて
    溶出し試料を分別回収することを特徴とする超臨界流体
    による分別方法。
  2. 【請求項2】 超臨界流体による試料の分別回収装置に
    おいて、モディファイアとして加える複数の溶媒供給装
    置を有し、溶媒供給装置は溶媒切り換えコックと逆止弁
    を介して超臨界流体の流路に結合されており、逆止弁に
    は溶媒の切換時に管路中の溶媒を排出する溶媒排出用ド
    レンコックが結合されており、試料の分別回収部には溶
    媒検出装置および試料成分検出装置を有することを特徴
    とする超臨界流体による分別装置。
  3. 【請求項3】 超臨界流体による分析方法において、試
    料が吸着したカラムに溶媒をモディファイアとして加え
    た超臨界流体によって試料を溶出する際に、モディファ
    イアとして加える溶媒を順次溶媒強度の異なる溶媒に変
    えて溶出し成分を分別回収した後、分別回収した各成分
    を超臨界流体が流れる分析用カラムによって分析するこ
    とを特徴とする超臨界流体による分析方法。
  4. 【請求項4】 超臨界流体による分析装置において、モ
    ディファイアとして加える溶媒の供給装置を有し、溶媒
    供給装置は溶媒切り換えコックおよび逆止弁を介して超
    臨界流体の流路に結合されており、さらに逆止弁には溶
    媒の切換時に管路中の溶媒を排出する溶媒排出用ドレン
    コックが結合されており、試料の分別回収部には溶媒検
    出装置および試料の成分検出装置を有し、さらに分別回
    収した各成分毎に分析する分析用カラムを有することを
    特徴とする超臨界流体による分析装置。
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