JPH0729432B2 - 液体噴射記録ヘツドの作成方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘツドの作成方法

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JPH0729432B2
JPH0729432B2 JP61045286A JP4528686A JPH0729432B2 JP H0729432 B2 JPH0729432 B2 JP H0729432B2 JP 61045286 A JP61045286 A JP 61045286A JP 4528686 A JP4528686 A JP 4528686A JP H0729432 B2 JPH0729432 B2 JP H0729432B2
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/14088Structure of heating means
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液体噴射記録ヘッドの作成方法、特に熱エネル
ギー発生手段を有する液体噴射記録ヘッドの作成方法に
関する。
〔従来の技術〕
現在知られている各種の記録法のなかでも、記録時に騒
音の発生がほとんどないノンインパクト記録方法であっ
て且つ高速記録が可能であり、しかも普通紙に特別の定
着処理を必要とせずに記録の行なえるいわゆる液体噴射
記録法(インクジェット記録法)は、極めて有用な記録
方法である。この液体噴射記録法については、これまで
にも様々な方法が提案され改良が加えられて商品化され
たものもあれば現在もなお実用化への努力が続けられて
いるものもある。
液体噴射記録法は、インクと称される記録液の液滴(dr
oplet)を種々の作用原理で飛翔させ、それを紙などの
被記録材に付着させて記録を行なうものである。
そして、本件出願人もかかる液体噴射記録法に係わる新
規方法について既に提案を行っている。この新規方法は
特開昭52−118798号公報において提案されており、その
基本原理は次に概説する通りである。つまり、この液体
噴射記録法は、記録液を収容することのできる作用室中
に導入された記録液に対して情報信号として熱的パルス
を与え、これにより記録液が蒸気泡を発生し自己収縮す
る過程で生ずる作用力に従って前記作用室に連通せる液
体吐出口より前記記録液を吐出して小液滴として飛翔せ
しめ、これを被記録材に付着させて記録を行なう方法で
ある。
ところで、この方法は高密度マルチアレー構成にして高
速記録、カラー記録に適合させやすく、実施装置の構成
が従来のそれに比べて簡略であるため、記録ヘッドとし
て全体的にはコンパクト化が図れ且つ量産に向くこと、
半導体分野において技術の進歩と信頼性の向上が著しい
IC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に利用するこ
とで長尺化が容易であること等の利点があり、適用範囲
の広い方法である。
上記液体噴射記録法に用いる液体噴射記録装置の特徴的
な記録ヘッドには、液体吐出口より記録液を吐出して飛
翔的液滴を形成するための熱エネルギー発生手段が設け
られている。
該熱エネルギー発生手段は、発生する熱エネルギーを効
率良く記録液に作用させること、記録液への熱作用のON
−OFF応答速度を高めること等のために、記録液に直接
接触する様に設けられるのが望ましいとされている。
しかしながら、前記の熱エネルギー発生手段は通電され
ることによって発熱する発熱抵抗層と該発熱抵抗層に通
電するための一対の電極とで基本的には構成されている
ために、発熱抵抗層が直に記録液に接触する状態である
と、記録液の電気抵抗値如何によっては該液を通じて電
気が流れたり、記録液を通じての流れによって記録液自
身が電気分解したり、あるいは発熱抵抗層への通電の際
に該発熱抵抗層と記録液とが反応して、発熱抵抗層の腐
食による抵抗値の変化や発熱抵抗層の破損あるいは破壊
が起こったりする場合があった。
そのために、従来においては、NiCr等の合金やZrB2、Hf
B2等の金属ホウ化物等の発熱抵抗材料としての特性に比
較的に優れた無機材料で発熱抵抗層を構成すると共に、
該材料で構成された発熱抵抗層上にSiO2等の耐酸化性に
優れた材料で構成された保護層を設けることで発熱抵抗
層が記録液に直に接触するのを防止して、前記の諸問題
を解決し信頼性と繰返し使用耐久性の向上を図ろうとす
ることが提案されている。
ところで、このような液体噴射記録ヘッドの熱エネルギ
ー発生手段を形成するに際しては、上記発熱抵抗層を所
望の基体上に形成した後、電極および保護層を順次積層
していくのが一般的であり、このような熱エネルギー発
生手段の保護層には、上記のような発熱抵抗層の破損防
止あるいは電極間の短絡防止などの保護層としての各種
の機能を十分に果たすべく、これら発熱抵抗層や電極の
所要部をピンホールなどの層欠陥を有することなく一様
に覆う(カバー)ことが要求される。
また、このような液体噴射記録ヘッドでは、前述したよ
うに、一般には電極が発熱抵抗層上に形成されるため、
電極および発熱抵抗層間に段差(ステップ)が生じる
が、このような段差部には、層厚の不均一などが発生し
易いため、露出部分を生じることがないように該段差を
十分に覆う(ステップカバイレージ)ように層形成が実
施されねばならない。すなわち、ステップカバレージが
不十分な状態では、発熱抵抗層の露出部分と記録液とが
直に接触して、記録液が電気分解されたり、記録液と発
熱抵抗層が反応して発熱抵抗層が破壊されてしまうこと
があった。また、このような段差部には、膜質の不均一
なども生じやすく、このような膜質の不均一は、熱発生
の繰り返しによって保護層に生じる熱ストレスの部分集
中を招き、保護層に亀裂(クラック)を生じる原因とも
なり、このクラックから記録液が侵入して、上記のよう
な発熱抵抗層る破壊に至ることもあった。更には、ピン
ホールから記録液が侵入して発熱抵抗層が破壊されるこ
ともあった。
従来、このような問題の解決にあたっては、保護層の層
厚を厚くし、ステップカバレージの向上やピンホールの
減少をはかることが一般に行なわれている。しかしなが
ら、保護層を厚くすることは、ステップカバレージやピ
ンホールの減少に寄与するものの、保護層を厚くするこ
とによって記録液への熱供給が阻害され、以下のような
新たな問題を生じることになった。
すなわち、発熱抵抗層に発生する熱は保護層を通じて記
録液に伝達される訳であるが、この熱の作用面であると
ころの保護層表面と発熱抵抗層との間の熱的抵抗が保護
層層厚を厚くすることで大きくなり、このため発熱抵抗
層に必要以上の電力負荷をかける必要を生じ、 省電力化が不利である、 必要以上の熱が基体に蓄熱し、熱応答性が悪くなる、 必要以上の電力のため発熱抵抗層の耐久性が悪くなる と言った問題を生じるのである。
このような問題は、保護層を薄くすれば克服できるので
あるが、該層の形成に例えばスパッタリングあるいは蒸
着などの膜形成方法を用いる従来の液体噴射記録ヘッド
の作成方法では、ステップカバレージ不良などのため、
前述のような耐久上の欠点があり、保護層を薄くするこ
とが困難であった。
また、上記の如き液体噴射記録ヘッドにおける記録の際
には、一般には記録液の急速加熱を行なうほど記録液の
発泡安定性が向上することが知られている。すなわち、
熱エネルギー発生手段に印加する電気信号、一般には矩
形の電気パルスであるが、このパルス幅を短くすればす
るほど記録液の発泡安定性が良くなり、これによって飛
翔液滴の吐出安定性が向上して記録品位が向上するので
ある。しかしながら、従来の液体噴射記録ヘッドにおい
ては、前述の如く保護層層厚を厚くしなければならず、
このため保護層の熱的抵抗が大きくなり、必要以上の熱
を熱エネルギー発生手段で発生させねばならないことか
ら耐久性の劣化や熱応答性の低下を生じ、このためパル
ス幅を短くするのも困難であり、記録品位の向上にはお
のずと限度があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上述した従来例の問題点に鑑みてなされたもの
で、省電力、高耐久性および高速応答性を達成し、更に
は記録品質の向上をもはかることが可能な新規な液体噴
射記録ヘッドの作成方法を提供することを主たる目的と
する。
〔問題点を解決するための手段〕
前記目的を達成する本発明は、基板上に記録液を吐出す
るために利用される熱エネルギーを発生する発熱抵抗層
を形成する工程と、該発熱層上に高融点材料からなり前
記発熱抵抗層に電気的に接続する電極層を形成する工程
と、該電極層上に低融点ガラスからなる保護層を形成す
る工程と、該保護層を500〜800℃で加熱し、前記保護層
を再溶融する工程と、を有することを特徴とする液体噴
射記録ヘッドの作成方法である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を詳細に
説明する。
第1図乃至第2図は、本発明の方法を適用して得られる
液体噴射記録ヘッドの一例を説明する図であり、それぞ
れ第1図には該ヘッドの熱エネルギー発生手段付近の部
分平面図が、また第2図には第1図のX−Y断面図が示
されている。
第1図乃至第2図に例示される如く、本発明の適用され
る液体噴射記録ヘッドは、例えばガラス、セラミックス
あるいはプラスチック等の所望の材質からなる基体(一
般には、各種形状の基板1)上に、発熱抵抗層2および
該層2に電気的に接続する少なくとも一対の電極3、4
とからなる熱エネルギー発生手段の少なくとも一組以上
と該手段上に保護層5となる上部層を形成した後、該上
部層を再溶融(リフロー)して得られる保護層5を有し
ている。尚、6は、電極3、4間に形成される発熱抵抗
層2の熱発生部6aに電力供給して発生した熱を記録液に
伝える熱作用面であり、7が発熱抵抗層2と電極3、4
との間に生じる段差(ステップ)である。
第10図は、上記第1図乃至第2図にその一部を示した本
発明の方法を適用して得られる液体噴射記録ヘッドの一
例の完成した状態における模式的断面図であり、21が記
録液を吐出させるだめの液体吐出口である。
この液体噴射記録ヘッドは、基板1上に前述の如き保護
層5を有する熱エネルギー発生手段を形成した後、該熱
エネルギー発生手段のそれぞれに対応する作用室と該作
用室に連通する液体吐出口21とを設けるべく形成された
溝を有する第9図に例示の如き天板16を、基板1に接合
して得られたものである。尚、第9図において、17が作
用室であるところの液体流路を形成するための溝であ
り、19は該液流路17に記録液を供給するための共通液室
となる溝である。該共通液室19には、必要に応じて例え
ば第10図に例示の如き液供給管20が接続され、該液供給
管20を通じてヘッド外部から記録液が導入される。ま
た、天板16を接合するに際しては、熱エネルギー発生手
段のそれぞれが、液流路17のそれぞれに対応するように
十分な位置合せが行なわれることが望ましい。
このような液体噴射記録ヘッドを作成するに際し、第3
図に例示の如き従来例の液体噴射記録ヘッドでは、前述
の如く保護層5にピンホールなどの層欠陥を生じ易く、
特にステップ7には露出部分を生じ易いために、保護層
層厚を必要以上に厚く(通常は、電極厚みの2倍以上)
しなければならなかった。しかしながら、本発明では、
保護層5が該層5となる上部層を形成後、該上部層を再
溶融し、必要に応じて上部層の積層の再溶融を繰り返し
実施して得られるため、上記ピンホールやクラックの発
生の原因となる膜質の不均一などの層欠陥を解消できる
のである。
また、上部層の積層と再溶融が必要に応じて繰り返し実
施されるため、保護層層厚を任意に設定することがで
き、前述の如き層欠陥の解消やステップカバレージの向
上を目的とした保護層5の厚膜化に伴なう問題点が解消
され、省電力は言うに及ばず、高耐久かつ高速熱応答性
をも有する液体噴射記録ヘッドを提供できるのである。
ちなみに、本発明では、保護層層厚は電極厚みの1.5倍
以下で十分であった。
本発明において、上記発熱抵抗層並びに電極は、それぞ
れ周知の原料を用い、例えば高周波(RF)スパッタリン
グ等のスパッタリング法、化学気相体積(CVD)法、真
空蒸着法等の周知の膜形成方法などを特に限定すること
なく用いて形成される。また、上部層に関しても、周知
の原料および上記同様の膜形成方法などを用いて形成す
ることができるが、再溶融を考慮すると、例えば低融点
ガラス、具体的にはPbO−SiO2系ガラス等の加熱により
比較的容易に溶融するリフロー性に優れたものが好まし
いものである。より具体的には、リフロー温度が500℃
〜800℃程度のものが好ましい。これは、リフロー温度
が500℃より低い場合はヒーター駆動時に急速加熱を行
うと発熱部が高温になりやすいため保護層が軟化して保
護層の耐久性が低下する虞が有り、また、リフロー温度
が800℃より高い場合は、高温のため発熱抵抗層が化学
変化を起こしやすくなり、酸化等で抵抗値が変化してし
まう虞があるためである。そして、このようなリフロー
温度を有するものとしては、例えば上記PbO−SiO2系ガ
ラスの他、GeO2−SiO2系ガラス等が好ましく用いられる
ものである。
本発明における上部層の再溶融は、例えば加熱炉、レー
ザ光などの周知の加熱手段等を特に限定することなく用
いて行なわれる。レーザ光等の選択加熱が可能なものを
用いる場合には、上部層のみの加熱によって該層の再溶
融を行なってもよいし、加熱炉等の特には選択加熱を行
なえないものを用いる場合には、上部層を含む基板全体
の加熱によってもよい。このような上部層の再溶融は、
上部層の材質等に応じた所望の条件で行なえばよいので
あるが、リフロー温度の高いものを用いる場合には、上
記上部層以外の電極等についても耐熱性の良好なものを
用いることが好ましい。
以下、第4図(a)〜第4図(c)に基づいて、本発明
の液体噴射記録ヘッドの作成方法の一例を説明する。
まず、第4図(a)に示す如くに所望の基板1上に、例
えば真空蒸着あるいはスパッタリング法などを用いて発
熱抵抗層2を形成する。尚、本例では説明を簡略化する
ために特に示さなかったが、基板1上には例えば後述す
る第5図乃至第6図に例示の如き蓄熱層9等の機能層を
設けてもよいものである。
次に、この発熱抵抗層2上に電極3、4を形成すべく、
該抵抗層2上に電極層を真空蒸着あるいはスパッタリン
グ法などを用いて所望の厚さに一様に形成する。その
後、周知のフォトリソ(フォトリソグラフィ)技法を用
いて該電極層および発熱抵抗層2にパターニングを施
し、基体1上に所望のパターンに形成された発熱抵抗層
2および電極3、4からなる熱エネルギー発生手段を得
る。
次いで、第4図(b)に示す如く上記熱エネルギー発生
手段上に保護層を形成すべく、例えば前述の低融点ガラ
ス等からなる上部層5aを、上記同様の真空蒸着、スパッ
タリングあるいはCVD法などを用いて電極3、4の約2
倍程度の厚さに形成する。
その後、上部層5aを再溶融すべく該層2aをリフロー温度
以上(例えば前述のPbO−SiO2系ガラスであれば400℃程
度以上)に加熱し、第4図(c)に示すように所望厚み
に形成された保護層5を得る。
尚、上記においては特に説明しなかったが、保護層5形
成時には第4図(b)に示したような凸部7aや凹部7bが
ステップ7に生じ易い。そのような凹凸は層欠陥の発生
原因となるばかりか、記録液への熱供給の阻害原因とも
なるので、除去することが望ましいのであるが、従来法
ではこのような凸部7aや凹部7bの有効除去は行なえなか
った。しかしながら、本発明では、上部層5aの積層後に
該層5aを再溶融するために、凸部7aが溶融除去されるの
みならず、該溶融によって凹部7bが埋められ、例えば第
4図(c)に示す如くステップ部分に上記のような凹凸
のない均一かつ良質の保護層5を層厚を厚くすることな
く形成することができるのである。
このような上部層5aの形成と再溶融は、一度行なえば十
分であるが、保護層5の機能を更に優れたものとする等
の目的で、該層5aの形成と再溶融を必要に応じて繰り返
し実施し、保護層5を形成することは一向に差しつかえ
ないものである。もちろん、このような繰り返しを行な
う場合には、繰り返し形成される上部層5aのすべてを再
溶融する必要はなく、再溶融は少なくとも再下層の上部
層5aに行なえばよいものである。また、保護層5は、単
一材質のものとする必要はなく、例えば耐キャビテーシ
ョン(熱エネルギー発生手段の駆動によって生じる気泡
に起因する保護層5の耐久性のこと)性の向上をはかる
等の目的で、2種以上の材質からなる複層構成のものと
してもよいものである。
以上のようにして保護層5を形成した熱エネルギー発生
手段を有する基板1上に、前述の如き溝を有する第9図
に例示の如き天板16を十分な位置合わせを行なった後に
接合し、これに不図示の液供給系から供給される記録液
をヘッド内部に導入するための液供給管20を接続して、
第10図に例示の如き液体噴射記録ヘッドを完成する。
尚、上記においては特に説明しなかったが、液体吐出口
や液流路等の形成は、上記第9図に例示の如き溝付き板
によることは必ずしも必要ではなく、感光性樹脂のパタ
ーニング等により形成してもよい。また、本発明は、上
述したような複数の液体吐出口を有するマルチアレータ
イプの液体噴射記録ヘッドのみに限定されるものではな
く、液体吐出口が1つのシングルアレータイプの液体噴
射記録ヘッドにも、もちろん適用できるものである。
〔作用〕
このように、本発明では、上部層の形成と再溶融、必要
に応じてこれを繰り返し実施して保護層を形成するた
め、層厚が薄くても、ピンホールなどの層欠陥がなく、
またステップカバレージも良好な保護層を有する液体噴
射記録ヘッドを得ることができ、省電力は言うに及ば
ず、高耐久かつ高速熱応答性をも達成し、更には記録品
質にも優れた液体噴射記録ヘッドを提供できるのであ
る。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 第10図に例示の液体噴射記録ヘッドを、以下のように作
成した。
まず、第5図乃至第6図に示したようなSi板8に厚さ5
μmのSiO2からなる熱酸化蓄熱層9を形成した基板1を
作成した。この基板1上に、HfB2からなる発熱抵抗層10
をスパッタリング法により1300Åの厚みに形成した。
次に発熱抵抗層10上に、電極11、12となる耐熱性の良好
なMo層を真空蒸着法により約5000Åの厚みに形成した。
その後、該Mo層および発熱抵抗層10にフォトリソ工程に
よるパターニングを施し、熱発生部13の大きさが幅30μ
m×長さ150μmで、Mo電極11、12を含めた抵抗値が100
Ωの回路パターンを有する熱エネルギー発生手段を基板
上に形成した。尚、本例では、熱エネルギー発生手段の
それぞれを選択加熱し得るように、入力側の電極12を個
別電極としてあるが、帰路側の電極11は電極構成を簡略
化するため共通電極としてある。
次に、第7図乃至第8図に示すように熱エネルギー発生
手段上に、SiO2:B2O3:PbO:ZnO=5:15:64:16の組成比を
有する低融点ガラス(リフロー温度;約600℃)からな
る上部層14をRFスパッタリング装置を用いて約5000Åの
厚さに形成した。形成条件は、RFパワー;1kW、圧力;1×
10-3Torrで行なった。
その後、圧力;1×10-5Torrに保持した真空加熱炉中で約
800℃、1時間の条件で上部層14を再溶融し、層厚約500
0Åの上記低融点ガラスからなる第1の保護層14を形成
した。尚、加熱温度は上部層の急激な流動を生じること
がなく、且つステップ部分の凹凸がならされるまでの時
間と言うことで、本例では上記の値を採用した。
その後、第1の保護層14の耐キャビテーション性を向上
させる目的で、該層14上にTaからなる第2の保護層15を
上記同様のRFスパッタリング装置を用いて約5000Åの厚
さに形成し、第1および第2の全層厚が約10000Åの保
護層を有する基板を得た。こうして得られた保護層は、
ステップカバレージが良好で、ピンホール等の層欠陥も
ない良質のものであった。
以上の様にして保護層が形成された基板に、前述した第
9図の如き溝を有する天板16(材質;ガラス)を十分な
位置合せを行なった後に接合し、これに更に液供給管20
を接続して第10図の如き液体噴射記録ヘッドを作成し
た。
尚、第9図において、液流路17(幅40μm、高さ40μ
m)および共通液室19となる溝は、天板16にマイクロカ
ッターを用いて切削形成した。また、第10図において、
個別電極12および共通電極11には、ヘッド外部から所望
のパルス信号を印加するための電極リードを有する不図
示のリード基板が付設され、該信号に基づいて記録が行
なわれる。
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドは、従来
のものよりも、 (1)消費電力において約50%程度の減少、 (2)熱応答性において約40%程度の向上、 (3)従来よりも短いパルス幅での駆動において耐久が
良好である といった性能の向上が認められた。また、短幅パルスの
駆動による発泡安定性に基づいて、記録液の吐出安定性
が良化し、記録品質の向上がはかれた。
〔発明の効果〕
以上に説明したように本発明によって、液体噴射記録ヘ
ッドの省電力化は言うに及ばず、熱応答性の高速化、耐
久性の向上、吐出安定性の向上ならびに記録品位の向上
等をはかれるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を適用して得られる液体噴射記
録ヘッドの一例の部分平面図、第2図は第1図X−Y断
面図、第10図は第1図乃至第2図に示した液体噴射記録
ヘッドの完成した状態における模式的斜視図、第3図は
従来例の液体噴射記録ヘッドの一例、第4図(a)〜
(c)は本発明の方法の一例を説明する図、第5図乃至
第8図は実施例で作成した液体噴射記録ヘッドの作成手
順を説明する図であり、第5図乃至第6図には保護層形
成前の基板構成が、また第7図乃至第8図には保護層形
成後の基板構成が示されており、第9図は第10図の液体
噴射記録ヘッドに用いる天板の一例である。 1:基板、2、10:発熱抵抗層 3、4、11、12:電極 5、14、15:保護管、16:天板 20:液供給管、21:液体吐出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に記録液を吐出するために利用され
    る熱エネルギーを発生する発熱抵抗層を形成する工程
    と、該発熱層上に高融点材料からなり前記発熱抵抗層に
    電気的に接続する電極層を形成する工程と、該電極層上
    に低融点ガラスからなる保護層を形成する工程と、該保
    護層を500〜800℃で加熱し前記保護層を再溶融する工程
    と、を有することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの作
    成方法。
  2. 【請求項2】前記低融点ガラスが、PbO−SiO2系ガラス
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    液体噴射記録ヘッドの作成方法。
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