JPH07293494A - 遠心式多翼ファン及びその製法 - Google Patents
遠心式多翼ファン及びその製法Info
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Abstract
際して、製品強度の向上と成形型の加工費低減をはか
る。 【構成】 シュラウド4を遠心式多翼ファンにおいて、
このシュラウド4に、端板1の外径D2と略同等の内径
D1を持ち軸方向に延びる軸線と略平行な吸込側端部4
aと、この吸込側端部4aから半径方向外方に滑らかに
湾曲してファン吐出方向に延びる湾曲部4bとを形成
し、さらに前記シュラウド内周面の途中に、前記軸線と
略平行な前記吸込側端部4aの内周面を所定量δだけ半
径方向外方に移行させる段部4cを形成し、この段部4
cの半径方向外方端に前記湾曲部4bの内周面を接続
し、前記D1、D2を通る合わせ面Gを持つ成形型A、
Bによって前記ボス部1、前記端板2、前記ブレード3
及びシュラウド4を樹脂にて一体成形する。
Description
遠心式多翼ファン及びその製法に関するもので、自動車
用空調装置等に用いて好適なものである。
公平5−74719号公報において提案されており、こ
の従来のファンを図4、5に基づいて説明すると、図示
しないモータ等の駆動源の回転軸に結合されるボス部1
を円板状の端板2の中心部に設け、この端板2の外周側
に、前記ボス部1を中心とする1つの円上に位置するよ
うにして多数のブレード(翼)3を配置している。
前記端板2とは反対側の部位にシュラウド4を配置して
おり、このシュラウド4には、端板2の外径D2より大
きな内径D1を持ち軸方向に延びる軸線と平行な吸込側
端部4aとこの吸込側端部4aから半径方向外方に滑ら
かに湾曲してファン吐出方向に延びる湾曲部4bとを設
けている。
びシュラウド4は樹脂にて一体成形されており、この樹
脂にてファンを一体成形する上下割り型(成形金型)の
合わせ面5をシュラウド4の最小径部D1より軸心方向
に離れたブレード3上の位置と端板2の外周側(D2)
とを接続するラインによって形成することにより、シュ
ラウド4の滑らかな湾曲部4b上に合わせ面5が位置し
ないようにして、成形金型にシャープなエッジが発生す
るのを防ぎ、成形金型の寿命の延長を図っている。
来構成では、ファンを一体成形する上下割り型(成形金
型)の合わせ面5をシュラウド4の最小径部D1より所
定量だけ軸心方向に離れたブレード3上の位置と端板2
の外周側(D2)とを接続するラインによって形成して
いるので、ファン外径を一定とした場合、前記径D1と
D2の差(D1−D2)の分だけ、端板2とブレード3
との接合面積、及びブレード3とシュラウド4との接合
面積が必然的に小さくなってしまい、成型後の製品強度
が低下するという問題がある。
ード3との接合部に補強壁部aを設定する必要が生じ、
この補強壁部成形のためには、成形金型に放電加工等の
特殊な追加加工を施す必要があり、金型加工費の上昇は
避けられない。本発明は上記点に鑑み、製品強度が高
く、しかも成形金型の加工費を低減できる遠心式多翼フ
ァン及びその製法を提供することを目的とする。
するため、請求項1記載の発明では、駆動源の回転軸に
結合されるボス部1と、このボス部1が中心部に配置さ
れた円板状の端板2と、この端板2の外周側において、
前記ボス部1の回転中心を中心とする1つの円上に配置
された多数のブレード3と、このブレード3の軸方向に
おいて前記端板2とは反対側の部位に配置されたシュラ
ウド4とを備え、このシュラウド4には、前記端板1の
外径D2と略同等の内径D1を持ち軸方向に延びる軸線
と略平行な吸込側端部4aと、この吸込側端部4aから
半径方向外方に滑らかに湾曲してファン吐出方向に延び
る湾曲部4bとが形成されており、さらに前記シュラウ
ド内周面の途中に、前記軸線と略平行な前記吸込側端部
4aの内周面を所定量δだけ半径方向外方に移行させる
段部4cが形成され、この段部4cの半径方向外方端に
前記湾曲部4bの内周面が接続され、前記ボス部1、前
記端板2、前記ブレード3及びシュラウド4が樹脂にて
一体成形されているという技術的手段を採用する。
技術的手段を有しているため、シュラウド4の吸込側端
部4aの内径D1と一対の成形型A、Bの合わせ面Gの
径D3(D3=D2)とを同等に設定しても、すなわち
D3=D1=D2と設定しても、前記所定量δの分だけ
下型Bの上端部に半径方向の厚みを持たせることがで
き、この所定量δに相当した厚みにより下型Bの上端部
の磨耗損傷を防止して、成形型の寿命向上を図ることが
できる。
部aを形成する必要がなくなるので、成形型に放電加工
等の特殊な追加工を施す必要がなく、そのため成形型の
加工費を低減できる。しかも、上記のごとくD3=D1
=D2の関係を設定することにより、図4の従来装置に
おけるD1−D2の差の分だけ、同一ファン径におい
て、シュラウド4とブレード3の接合面積及びブレード
3と端板2の接合面積を増大でき、その結果成型後の製
品強度を図4の従来装置に比して向上できる。
あるいは形状限定により、上記請求項1記載の発明の効
果をより効果的に発揮できる。請求項5記載の発明によ
れば、上記請求項1記載の発明のファンを良好に製造で
きる。
する。図1〜図3は本発明の一実施例を示すもので、1
は円筒状のボス部で、その内周側に図示しないモータ等
の駆動源の回転軸が挿入され、結合されるものである。
2はこのボス部1が中心部に配置された円板状の端板、
3はこの端板2の外周側において、前記ボス部1の回転
中心を中心とする1つの円上に等間隔で配置された多数
のブレードで、その断面形状は周知の若干湾曲した翼形
状となっている。
向において前記端板2とは反対側の部位に配置されてい
る。このシュラウド4には、前記端板2の外径D2と略
同等の内径D1を持ち軸方向に延びる軸線と平行な円筒
状の吸込側端部4aが形成されている。そして、この吸
込側端部4aの空気下流側から半径方向外方に滑らかに
湾曲してファン吐出方向(矢印ロ方向)に延びる湾曲部
4bが形成されている。この湾曲部4bの全体形状は径
が滑らかに拡大するラッパ状になっている。ここで、シ
ュラウド4は矢印イ方向から円筒状の吸込側端部4aの
開口端に吸入される空気を滑らかにブレード3側へ案内
するためのものである。
に、前記軸線と平行な前記吸込側端部4aの内周面を所
定量δ(図1、3参照)だけ半径方向外方に移行させる
リング状の段部4cが形成されており、この段部4cの
半径方向外方端に前記湾曲部4bの内周面が接続されて
いる。前記したボス部1、端板2、ブレード3及びシュ
ラウド4は樹脂にて一体成形されている 上記段部4cの所定量δは、本例では1mmであり、吸
込側端部4aの厚さt(t=2mm)の1/2に設定さ
れている。
多翼ファンの成形方法を説明する。図2は金属製の一対
の成形型を示しており、Aはその上型で、Bは下型であ
る。Cはボス部1成形用の空間、Dは端板2成形用の空
間、Eはシュラウド4成形用の空間をそれぞれ示す。な
お、ブレード3の成形用空間Fは図面作成上の都合から
2点鎖線で示してある。
3部分における合わせ面(型割れ位置)Gの設定方法に
特徴を有しているので、この点について詳述すると、上
型Aの型抜き方向は図2のハ方向で、下型Bの型抜き方
向は図2のニ方向であるので、合わせ面Gの径D3は下
型Bのニ方向への型抜きのために端板2の外径D2と同
等以上に設定する必要がある。
ウド4内周面の途中に、前記軸線と平行な前記吸込側端
部4aの内周面を所定量δ(図1、3参照)だけ半径方
向外方に移行させるリング状の段部4cを形成し、この
段部4cの半径方向外方端に前記湾曲部4bの内周面を
接続している。そのため、シュラウド4の吸込側端部4
aの内径D1を合わせ面Gの径D3(D3=D2)と同
等に設定しても、すなわちD3=D1=D2と設定して
も、前記所定量δの分だけ下型Bの上端部に半径方向の
厚みを持たせることができ、この所定量δに相当した厚
みにより下型Bの上端部の磨耗損傷を防止して、成形型
の寿命向上を図ることができる。
場合に、上記のごとくD3=D1=D2の関係に設定す
ると、下型Bの上端部がシュラウド4の湾曲部4bの内
周面に沿ったシャープなエッジが発生してしまい、この
シャープなエッジ部分が使用開始後、短時間で磨耗し
て、金型の寿命が短くなるという問題が生じるが、本発
明では、上記のごとく吸込側端部4aの内周面を所定量
δ(図1、3参照)だけ半径方向外方に移行させるリン
グ状の段部4cを形成し、この段部4cの半径方向外方
端に前記湾曲部4bの内周面を接続しているので、上記
のごとくD3=D1=D2の関係を設定しても成形型に
シャープなエッジが発生せず、成形型の寿命を向上でき
る。
関係を設定することにより、図4の従来装置におけるD
1−D2の差の分だけ、同一ファン径において、シュラ
ウド4とブレード3の接合面積及びブレード3と端板2
の接合面積を増大でき、その結果成型後の製品強度を図
4の従来装置に比して向上できる。本発明者らの実験検
討によれば、段部4cの所定量δは、成形型の寿命確保
から1mm以上に設定することが望ましい。また、吸込
側端部4aの厚さtに対しては所定量δを1/2tに設
定することが、シュラウド4の形状設定の点から望まし
い。
を、前記吸込側端部4aの内周面から所定量δだけ半径
方向外方に直線的に延びる形状に形成しているが、段部
4cを湾曲部4bへ向かって若干丸み(円弧状)を持た
せたり、テーパ状に傾斜させた形状にしてもよい。ま
た、本発明の対象とする遠心式多翼ファンは送風空気の
吐出方向が完全な半径方向に向いているものだけに限定
されず、送風空気の吐出方向が半径方向より若干、軸方
向へ向いた、一般に斜流ファンと称されるタイプのもの
にも全く同様に適用できる。
面図である。
である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 駆動源の回転軸に結合されるボス部と、 このボス部が中心部に配置された円板状の端板と、 この端板の外周側において、前記ボス部の回転中心を中
心とする1つの円上に配置された多数のブレードと、 このブレードの軸方向において前記端板とは反対側の部
位に配置されたシュラウドとを備え、 このシュラウドには、前記端板の外径と略同等の内径を
持ち軸方向に延びる軸線と略平行な吸込側端部と、 この吸込側端部から半径方向外方に滑らかに湾曲してフ
ァン吐出方向に延びる湾曲部とが形成されており、 さらに前記シュラウド内周面の途中に、前記軸線と平行
な前記吸込側端部の内周面を所定量だけ半径方向外方に
移行させる段部が形成され、 この段部の半径方向外方端に前記湾曲部の内周面が接続
され、 前記ボス部、前記端板、前記ブレード及び前記シュラウ
ドが樹脂にて一体成形されていることを特徴とする遠心
式多翼ファン。 - 【請求項2】 前記段部の所定量は、前記吸込側端部の
厚さの略1/2であることを特徴とする請求項1記載の
遠心式多翼ファン。 - 【請求項3】 前記段部の所定量は、1mm以上である
ことを特徴とする請求項1記載の遠心式多翼ファン。 - 【請求項4】 前記段部は、前記吸込側端部の内周面か
ら所定量だけ半径方向外方に略直線的に延びる形状に形
成されていることを特徴とする請求項1記載の遠心式多
翼ファン。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1つに記載
の遠心式多翼ファンの製法であって、前記シュラウドの
前記吸込側端部の内径近傍と前記端板の外径近傍を通る
合わせ面を持つ一対の成形型によって、前記ボス部、前
記端板、前記ブレード及び前記シュラウドを樹脂にて一
体成形することを特徴とする遠心式多翼ファンの製法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6087055A JP2985656B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 遠心式多翼ファン及びその製法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07293494A true JPH07293494A (ja) | 1995-11-07 |
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ID=13904264
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1994
- 1994-04-26 JP JP6087055A patent/JP2985656B2/ja not_active Expired - Lifetime
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