JPH07292340A - ボルト固定用固着剤 - Google Patents

ボルト固定用固着剤

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JPH07292340A
JPH07292340A JP11382794A JP11382794A JPH07292340A JP H07292340 A JPH07292340 A JP H07292340A JP 11382794 A JP11382794 A JP 11382794A JP 11382794 A JP11382794 A JP 11382794A JP H07292340 A JPH07292340 A JP H07292340A
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fixing
polyester resin
strength
unsaturated polyester
polycarboxylic acid
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JP11382794A
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Tomiji Ito
藤 富 二 伊
Yoshikuni Watanabe
辺 芳 邦 渡
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、固着強度において最大引抜強度と1
mm引抜強度の差が少なく、かつ耐アルカリ性にも優れ
たボルト固定用固着剤を提供することにある。 【構成】多価カルボン酸成分と多価アルコール成分より
なり、多価カルボン酸成分として3−メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸を含有する不飽和ポリエステル樹脂を主
成分とするボルト固定用固着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、岩盤等
にアンカーボルトを固着するためのボルト固定用固着剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンカーボルトの固着方法として
コンクリート等の基材に穿孔し、その孔に容器に収容し
た固着剤を装填して、ハンマードリル等に接合したアン
カーボルトに回転衝撃を与えながらアンカーボルトを挿
入し、容器を破砕し容器に収容された固着剤を硬化さ
せ、アンカーボルトを固着する方法が知られている。こ
の方法に用いられる固着剤としては、ガラス製容器中に
液状不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂を充填
し、更にこの容器中に過酸化ベンゾイル等の有機過酸化
物を主成分とする硬化剤をガラス管内に密封したものを
収容してなる固着剤が知られている。
【0003】不飽和ポリエステル樹脂は適度の粘性を持
ち、取り扱い面で優れており、かなりの固着強度を発揮
する上、不飽和ポリエステル樹脂を構成する多価カルボ
ン酸や多価アルコールを選択することによって固有の性
能が得られるので実用化されている。該固着剤の要求性
能としては、一般的に耐アルカリ性及び固着強度が挙げ
られる。
【0004】耐アルカリ性が不足すると、アンカーボル
ト固着部の樹脂硬化物がコンクリート中に含まれるアル
カリ成分によって侵食され、アンカーボルト打設後時間
の経過と共に徐々に固着力が低下していくという欠点が
生ずる。故に耐アルカリ性を改善すべく研究が重ねら
れ、ビスフェノールA型アルキレンオキサイド付加物を
縮合成分とした不飽和ポリエステル樹脂が目的に合致す
ることが見出されたが、ビスフェノールA型アルキレン
オキサイド付加物は、固着剤中の架橋性モノマーとの架
橋反応が悪く該不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする
ボルト固定用固着剤の低温硬化性及び固着強度を低下さ
せる難点を伴うのである。
【0005】該低温硬化性が不足するということは、冬
場など低温雰囲気中において、十分なボルトの固着力を
得るためにかなりの時間を要し、作業性が劣ると同時に
目標固着力に達せず、固着強度の不足は使用範囲が限定
され、更には安全面、経済面等に悪影響を及ぼし産業上
非常に不利である。一般に、架橋性モノマーと架橋反応
を起こし易いものは、耐アルカリ性が悪く、硬化性及び
固着強度と耐アルカリ性とは相反する要求物性ではある
が、これらの物性を同時に満たすことは、ボルト固定用
固着剤の実用化にあたり是非とも解決しなければならな
い課題である。この課題を解決すべく本発明者等は特開
平5−51572号公報において多価アルコール成分と
してトリシクロデカンジメタノール(以下、TCD−D
Mと略記することがある)を用いることを提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの方法
では、固着強度及び耐アルカリ性を満足することができ
たものの、固着強度においては、最大引抜強度と1mm
引抜強度の差(2ton以上)が大きくまだまだ満足の
できるものではなかった。つまり、本発明の如きボルト
固定用固着剤を新幹線の防音壁等の固定用ボルトに使用
した場合、引抜長さが1mmを越えて(例えば3mm程
度で)最大強度を発揮したとしても、引抜長さが3mm
の状態(防音壁が基礎台より3mm浮いている状態)で
は、列車の振動等により防音壁自体に大きな揺れを生じ
てその荷重が直接ボルトにかかり、それを支えるために
より大きな固着強度が要求されるが、引抜長さが1mm
以下においては、防音壁の浮きもほとんどなくボルトに
かかる荷重も比較的少なくて済み、その時点で最大強度
に近い強度が発現すれば該固着剤がもっている固着強度
を最大限発揮することができ、耐久性に優れたアンカー
固着剤と言えるのである。
【0007】即ち、できるだけ引抜長さが少ない(1m
m以下)時点で最大強度に近い強度を発揮することが望
ましいのである。また、該公報には、多価カルボン酸成
分としてテトラヒドロ無水フタル酸等が記載されている
が、本発明者等が詳細に検討した結果、これらのカルボ
ン酸成分では、上記の最大引抜強度と1mm引抜強度の
差は縮まるものの耐アルカリ性が低下してしまい不適当
であることが判明した。そこで、固着強度においては、
最大引抜強度と1mm引抜強度の差が少なく、かつ耐ア
ルカリ性にも一層優れたボルト固定用固着剤が望まれて
いるのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等は上
記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、多価カル
ボン酸成分と多価アルコール成分よりなり、多価カルボ
ン酸成分として3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸を
含有する不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするボルト
固定用固着剤が、かかる目的を達成し得ることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0009】本発明におけるボルト固定用固着剤は、不
飽和ポリエステル樹脂に多価カルボン酸成分として3−
メチルテトラヒドロ無水フタル酸を導入したことが最大
の特徴で、これにより、固着強度において最大引抜強度
と1mm引抜強度の差が少なく、かつ耐アルカリ性の悪
化も少なく優れた特性を示すことが判明した。
【0010】以下、本発明の固着剤を具体的に説明す
る。本発明の固着剤の主成分である不飽和ポリエステル
樹脂は多価カルボン酸、多価アルコール成分及び必要に
応じて空乾性を付与したい時は多価アルコールアリルエ
ーテル成分を縮合させて製造されるが、本発明の効果を
得るために、多価カルボン酸成分として3−メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸が使用される。該3−メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸の代わりにテトラヒドロ無水フタ
ル酸等の無水フタル酸を使用しても前述の如く本発明の
効果を得ることはできない。本発明における3−メチル
テトラヒドロ無水フタル酸の配合量は、多価カルボン酸
成分中に10〜55モル%が好ましく、更に好ましくは
25〜40モル%で該配合量が10モル%未満の場合
は、固着強度が低下し、逆に55モル%を越えると耐ア
ルカリ性が低下する傾向にある。
【0011】本発明においては、多価カルボン酸成分と
して上記の3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸を用い
ることが必須要件であるが、これ以外に多価カルボン酸
成分として、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコ
ン酸、イタコン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、シトラコン酸などの不
飽和多価カルボン酸や無水フタル酸、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの
飽和多価カルボン酸を併用することもできる。これらの
中でもフマール酸、無水マレイン酸、マレイン酸等が重
要である。
【0012】多価アルコール成分としては、ビスフェノ
−ルA型アレキレンオキサイド付加物、TCD−DM、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメ
チロ−ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトールなどが挙げられるが、本発明
においては、耐蝕性及び硬化収縮性の点から多価アルコ
ール成分としてビスフェノ−ルA型アレキレンオキサイ
ド付加物や1,4−シクロヘキサンジメタノール、TC
D−DM等の脂環式ジアルコールを用いることが望まし
い。
【0013】ビスフェノールA型・エチレンオキサイド
付加物とは、化1で表され、アルキレンオキサイドとは
エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであり、ビ
スフェノールA型・プロピレンオキサイド付加物とは、
化2で示される化合物である。ここでn,mはいずれも
1以上の整数を示し、n,mの上限は特に制限されない
が、実用的には1≦n,m≦3の付加物が好適に用いら
れる。
【0014】
【化1】
【化2】
【0015】ビスフェノールA型アルキレンオキサイド
付加物の配合量は、多価アルコール成分中に5〜40モ
ル%が好ましく、更に好ましくは10〜30モル%であ
り、該付加物が過少になるとコスト的に不利となり、逆
に過多になると粘度が高くなり、作業性の問題により分
子量が抑制されるため固着強度の低下が大きくなる傾向
にあり好ましくない。
【0016】また、TCD−DM(特にトリシクロ
[5,2,1,02.6]シクロデカンジメタノール)や
1,4−シクロヘキサンジメタノールの多価アルコール
成分中の配合量は、10〜55モル%が好ましく、更に
好ましくは20〜40モル%であり、該成分が過少にな
ると耐アルカリ性或いは固着強度が低下し、逆に過多に
なると不飽和ポリエステル樹脂の白化や強度低下を招く
恐れがあり好ましくない。
【0017】更に本発明においては、得られる不飽和ポ
リエステル樹脂に空乾性を付与する必要がある時には、
多価アルコールアリルエーテル成分を使用する。多価ア
ルコールアリルエーテル成分としては、ペンタエリスリ
トールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジア
リルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリ
メチロールエタンジアリルエーテル、トリメチロールエ
タンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテ
ル、グリセリンモノアリルエーテル、テトラメチロール
シクロヘキサノールジアリルモノクロチルエーテル、ヘ
キサメチロールメラミンジアリルジクロチルエーテル、
ヘキサントリオールジアリルエーテル、ペンタエリスリ
トールジアリルクロチルエーテル、テトラメチロールシ
クロヘキサノールトリアリルエーテル、テトラメチロー
ルシクロヘキサノンジアリルエーテル、ヘキサメチロー
ルメラミンテトラアリルエーテルなど分子中に少なくと
も1個の水酸基を有するアリルエーテルが例示できる。
また必要であれば同一の目的のために、ジシクロペンタ
ジエンも使用することが出来る。
【0018】多価アルコールアリルエーテル成分は、ア
リル基として、多塩基酸成分1モルに対して0.05モ
ル以上、好ましくは0.2モル以上用いることが望まし
く、0.05モル未満では空乾性が不足する。上限は反
応限界まで可能である。上記各成分は、常法に従い、不
活性ガス雰囲気下温度180〜220℃程度で反応させ
ることにより、目的とする不飽和ポリエステル樹脂が取
得できる。本発明においては数平均分子量500以上、
好ましくは1500〜3000の不飽和ポリエステル樹
脂が好適に使用される。本発明の固着剤は上記の不飽和
ポリエステル樹脂に架橋性モノマー及び硬化剤が配合さ
れる。
【0019】架橋性モノマーとしては、スチレン、ビニ
ルトルエン、モノクロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、メタクリル
酸グリシジル、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグ
リシジルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、メチレン
ビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビニル
シクロヘキサンモノオキサイド、桐油、アマニ油、大豆
油、綿実油、サフラワ油、やし油など公知の不飽和ポリ
エステル用の架橋性モノマーが例示できる。
【0020】硬化剤としては、メチルエチルケトンパー
オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート
などが用いられる。また本発明の固着剤には、必要に応
じて骨材又は充填剤を混入することができる。骨材とし
ては特に限定されないが、天然砕石又はマグネシアクリ
ンカー等の人工石等を使用することができる。充填剤と
しては特に限定されないが、炭酸カルシウム、硫酸カル
シウム、無水ケイ酸、粘土等を使用することができる。
【0021】また樹脂の硬化を促進するために硬化促進
剤を用いることができる。但し、この場合は硬化促進剤
は硬化剤と分離しておく必要がある。硬化促進剤は、例
えばジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジメチルパ
ラトルイジン等のアミン類、ナフテン酸コバルト、オク
トエ酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カル
シウム等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネー
ト、鉄アセチルアセトネート等のキレート化合物であ
る。更に樹脂の安定性を維持するためにハイドロキノ
ン、ナフトキノン等の重合禁止剤を加えることもでき
る。
【0022】そのほか必要に応じ、顔料(チタン白、シ
アニンブルー、クリームイエロー、ウォッチングレッ
ド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、
マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザ
レッド、クロームイエロー、クロームグリーンなど)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛、微粉タルクなど)、レベリ
ング剤(シリコーン、キシレン、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、
メチルエチルケトン、セロソルブ類、ジアセトンアルコ
ールなど)、熱可塑性樹脂(ニトロセルロース、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル
樹脂、ブチル化メラミン、ブチル化尿素など)、を配合
することもできる。
【0023】本発明のボルト固定用固着剤の配合組成は
用途に応じて広範囲に変化するが、通常は不飽和ポリエ
ステル樹脂100重量部に対して、架橋性モノマー25
〜70重量部、好ましくは30〜60重量部、硬化剤
0.5〜10重量部好ましくは1〜5重量部、骨材又は
充填剤0〜500重量部程度が実用的である。本発明の
固着剤の形状は、容器と該容器内に収容された不飽和ポ
リエステル樹脂、架橋性モノマーと該不飽和ポリエステ
ル樹脂、架橋性モノマーとは隔離され該容器内に収容さ
れた硬化剤とからなる構成である。固着剤の構成は、広
範囲に設計可能であり特に限定されるものではないが、
例えば破砕可能な外容器と破砕可能な内容器とからな
り、硬化剤を密封した内容器と、不飽和ポリエステル樹
脂及び架橋性モノマーと必要に応じて骨材を外容器に収
容し密封したもの、あるいは不飽和ポリエステル樹脂及
び架橋性モノマーを密封した内容器と、硬化剤と必要に
応じて骨材を外容器に収容し密封したもの等が挙げられ
る。
【0024】但し、骨材は樹脂又は硬化剤のいずれに混
在させてもよい。更には、これ以外の構成として容器に
不飽和ポリエステル樹脂及び架橋性モノマーと必要に応
じて骨材を収容し密封、容器の外壁に硬化剤を塗布した
ものも挙げられる。本発明に用いることのできる容器
は、運搬又は保管時に破壊されず、アンカーボルト挿入
時に簡単に破壊され細片となる容器であり、ガラス、陶
磁器、合成樹脂又は合成樹脂フイルムからなるものであ
る。
【0025】
【作 用】本発明においては、多価カルボン酸成分と
して3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸を導入した不
飽和ポリエステル樹脂を用いることによって、固着強度
において最大引抜強度と1mm引抜強度の差が少なく、
かつ耐アルカリ性にも優れたボルト固定用固着剤が得ら
れ、更には、ハンマー打撃方式のみ(従来は回転と打撃
の両方が必要であった)で容易に施工できるケミパンチ
(ケミカルアンカー・パンチタイプ)にも大変有用であ
る。
【0026】
【実 施 例】
実施例1 [固着剤の製造]撹拌器、還流冷却器付きのフラスコに
フマール酸4.3モル、3−メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸1.84モル、ビスフェノ−ルA型プロピレンオ
キサイド付加物1.53モル、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール1.53モル、ネオペンチルグリコール
0.61モル、プロピレングリコール3.44モル、及
びヒドロキノンを総仕込み量の0.02重量%になるよ
うに仕込み、窒素気流中で230℃にて酸価が約20m
gKOH/gになるまで反応を行ない、不飽和ポリエス
テル樹脂を得た。上記不飽和ポリエステル樹脂1000
重量部にスチレンモノマー490重量部、ジエチルアニ
リン8重量部、メチルハイドロキノン0.15重量部添
加して粘度2660cps/20℃、酸価13.4mg
KOH/g、加熱残分66.5重量%の不飽和ポリエス
テル樹脂を調製した。
【0027】[固着強度]外径5mm、長さ70mmの
ガラス製内容器に硫酸カルシウムで50%に希釈したベ
ンゾイルパーオキシド0.45重量部を密封して、外径
16mm、長さ100mmのガラス製容器に収容し、更
に直径2mmの天然けい砂と上記で得た不飽和ポリエス
テル樹脂8.8重量部を充填し、ナイロン製キャップで
密封し固着剤を作製した。次に圧縮強度150kg/c
のコンクリートに内径19mm、長さ110mmの
穿孔を行い、その孔内に前記の固着剤を挿入した後、先
端45度カットのM16全ネジSCM435ボルトを電
動ドリルに装着し、回転衝撃を与えながら孔底まで挿入
した。
【0028】次に常温での固着力のテストとして24時
間養生後の最大の引抜強度及び1mm引抜強度を測定し
た。測定方法は図1に示すように、カプラー2を介して
固着したボルト1の頭部にテンションバー(高張力綱
棒)3を固定し、ロードセル4、ラム5及びダイヤルゲ
ージ7を取り付け、次に油圧ポンプ6の油圧を上げ、ラ
ム5及びテンションバー3を介してボルト1に引抜荷重
をロードセル4により検知し、デジタル測定器8に表示
する。 [耐アルカリ性]コンクリート中に埋め込まれた固着剤
の樹脂硬化物は、コンクリートの持つ強アルカリ性によ
り時間の経過と共に物性が低下することが予想されるの
で、上記で得た不飽和ポリエステル樹脂100重量部、
ベンゾイルパーオキシド2重量部を加えて、10×70
×3mmの硬化成型物を作製し、100℃で100時
間、10%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、その重
量変化を測定した。
【0029】実施例2〜5及び比較例1〜3 表1に示す多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分
を用いて、実施例1に準じて不飽和ポリエステル樹脂を
調製し、得られた樹脂を用いて実施例1に従い各物性を
測定した。実施例及び比較例の測定結果を表2に示す。
【0030】
【表1】 多価カルボン酸成分 多価アルコール成分 FA 3MTHPA THPA PO 1.4CHDM NPG PG 1.2BG DMH TCD-DM 実施例1 4.30 1.84 − 1.53 1.53 0.61 3.44 − − − 〃 2 3.52 2.35 − 1.47 2.35 − 2.93 − − − 〃 3 4.92 1.23 − 1.54 1.54 − 3.39 − 0.62 − 〃 4 4.31 1.85 − 1.54 1.54 − 3.08 0.92 − − 〃 5 5.21 2.23 − − 2.61 0.74 2.98 − − 2.26 比較例1 6.14 − − 1.53 1.53 0.61 3.44 − − − 〃 2 7.44 − − − 2.61 0.74 2.98 − − 2.26 〃 3 4.30 − 1.84 1.53 1.53 0.61 3.44 − − − 註)表中の略語は以下の通り。 FA;フマール酸,3MTHPA;3−メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸,THPA;テトラヒドロ無水フタル
酸,PO;ビスフェノ−ルA型プロピレンオキサイド付
加物,1.4CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール,NPG;ネオペンチルグリコール,PG;プロ
ピレングリコール,1.2BG;1,2−ブタンジオー
ル,DMH;2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール,TCD−DM;トリシクロ[5,2,
1,02.6]デカンジメタノール
【0031】
【表2】 固着強度(ton) 耐アルカリ性 最大引抜 1mm引抜 強度差 (%) 実施例1 9.2 7.8 1.4 4.3 〃 2 8.0 7.0 1.0 6.1 〃 3 8.1 6.8 1.3 4.1 〃 4 8.3 6.8 1.5 4.8 〃 5 8.4 7.1 1.3 6.0 比較例1 6.3 5.0 1.3 2.2 〃 2 6.8 4.6 2.2 5.6 〃 3 8.5 7.2 1.3 34.0 註)強度差とは、(最大引抜強度−1mm引抜強度)の
差を表す。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、多価カルボン酸成分
として3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸を導入した
不飽和ポリエステル樹脂を用いることによって、固着強
度において最大引抜強度と1mm引抜強度の差が少な
く、かつ耐アルカリ性にも優れたボルト固定用固着剤が
得られ、更には、ハンマー打撃方式のみ(従来は回転と
打撃の両方が必要であった)で容易に施工できるケミパ
ンチ(ケミカルアンカー・パンチタイプ)にも大変有用
である。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】ボルトの引抜強度の測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1・・・・固着したボルト、2・・・・カプラー、3・
・・・テンションバー、4・・・・ロードセル、5・・
・・ラム、6・・・・油圧ポンプ、7・・・・ダイヤル
ゲージ、8・・・・デジタル測定器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価カルボン酸成分と多価アルコール成
    分よりなり、多価カルボン酸成分として3−メチルテト
    ラヒドロ無水フタル酸を含有する不飽和ポリエステル樹
    脂を主成分とすることを特徴とするボルト固定用固着
    剤。
  2. 【請求項2】 多価カルボン酸成分中に含有される3−
    メチルテトラヒドロ無水フタル酸が10〜40モル%で
    あることを特徴とする請求項1記載のボルト固定用固着
    剤。
  3. 【請求項3】 多価アルコール成分としてビスフェノー
    ル系ジアルコール及び/又は脂環式ジアルコールを用い
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のボルト固定
    用固着剤。
  4. 【請求項4】 ビスフェノール系ジアルコールがビスフ
    ェノールA型アルキレンオキサイド付加物、脂環式ジア
    ルコールがトリシクロデカンジメタノール又は1,4−
    シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする請
    求項3記載のボルト固定用固着剤。
JP11382794A 1994-04-27 1994-04-27 ボルト固定用固着剤 Pending JPH07292340A (ja)

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