JP2801056B2 - ボルト固定用固着剤 - Google Patents

ボルト固定用固着剤

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンクリート、岩盤などにアンカーボルト
を固着するためのボルト固定用固着剤に関する。
[従来の技術] 従来、アンカーボルトの固着方法としては、コンクリ
ートなどの基盤に穿孔し、その孔に容器に収容した固着
剤を装填し、ついでハンマードリルなどに接合したアン
カーボルトを回転衝撃を与えながら挿入することによっ
て前記容器を破砕し、容器に収容された固着剤を硬化さ
せてアンカーボルトを固着する方法が知られている。
この方法に用いられる固着剤としては、ガラス製容器
中に液状不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂を
充填し、さらにこの容器中に過酸化ベンゾイルなどの有
機過酸化物を主成分とする硬化剤をガラス管内に密封し
たものを収容してなる固着剤が知られている。
[発明が解決しようとする課題] 不飽和ポリエステル樹脂は適度の粘性を持ち取り扱い
面で優れており、かなりの固着強度を発揮するうえ、不
飽和ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸や多価アルコ
ールを選択することによって固有の性能がえられるので
実用化されているのであるが、初期固着力や耐アルカリ
性を同時に満たすことができず、改善の余地がある。す
なわち、たとえばイソフタル酸やオルソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂は耐アルカリ性の改善の必要があ
り、またビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂は初
期固着力の改善が要求されている。
耐アルカリ性が不足するということはアンカーボルト
固着部の樹脂硬化物がコンクリート中に含まれるアルカ
リ成分によって侵食され、アンカーボルト打設後時間の
経過と共に徐々に固着力が低下していくという欠点とな
り、初期固着力の不足は充分なボルト固着力をうるため
に長時間が必要となって作業性が劣るという欠点とな
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記の問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、 (1)多価アルコール成分としてビスフェノールA・ア
ルキレンオキサイド付加物を有する不飽和ポリエステル
樹脂100重量部に対して、エポキシアクリレート樹脂を
5〜80重量部配合してなる樹脂成分、 (2)架橋性モノマー、および (3)硬化剤 を含んでなるボルト固定用固着剤。
がその目的を達成しうることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
[作用および実施例] 以下、本発明の固着剤を具体的に説明する。
本発明における樹脂成分(1)は特定の不飽和ポリエ
ステル樹脂とエポキシアクリレート樹脂の混合物であ
る。
不飽和ポリエステル樹脂は多塩基酸成分、多価アルコ
ール成分、および必要に応じて空乾性を付与したいとき
は多価アルコールアリルエーテル成分を縮合させて製造
されるが、本発明では本発明の効果をうるために、多価
アルコール成分としてビスフェノールA・アルキレンオ
キサイド付加物を使用する。ここでアルキレンオキサイ
ドとはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであ
る。ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物と
は、一般式: で表され、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付
加物とは、一般式: で示される化合物である。
前記一般式におけるm、n、p、qはいずれも1以上
の整数である。m、n、p、qの上限は特に制限されな
いが、実用的には1≦m、n、p、q≦3の付加物が好
適に用いられる。
本発明において前記の付加物は多価アルコール成分の
すべてを占めてもよいが、本発明の効果をうるために多
価アルコール成分全量中に占める付加物の割合が10〜80
モル%、なかんづく30〜60モル%であるのが好ましい。
多価アルコール成分としては、前記付加物以外にエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどがあげられる。
本発明における多塩基酸成分としては、無水マレイン
酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、フマー
ル酸などの不飽和多塩基酸が用いられる。
これらの不飽和多塩基酸と共に、無水フタル酸、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、シトラコン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸などの飽和多塩基酸を併用すること
もできる。
前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とは当量比1
付近で用いられ、たとえば1:0.9〜1.2当量比程度が好ま
しい。
さらに本発明においては、えられる不飽和ポリエステ
ル樹脂に空乾性を付与する必要があるときには、多価ア
ルコールアリルエーテル成分を使用する。多価アルコー
ルアリルエーテル成分としては、ペンタエリスリトール
トリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ト
リメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロ
ールエタンジアリルエーテル、トリメチロールエタンモ
ノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、グリ
セリンモノアリルエーテル、テトラメチロールシクロヘ
キサノールジアリルモノクロチルエーテル、ヘキサメチ
ロールメラミンジアリルジクロチルエーテル、ヘキサン
トリオールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジ
アリルクロチルエーテル、テトラメチロールシクロヘキ
サノールトリアリルエーテル、テトラメチロールシクロ
ヘキサノンジアリルエーテル、ヘキサメチロールメラミ
ンテトラアリルエーテルなど分子中に少なくとも1個の
水酸基を有するアリルエーテルが例示できる。また必要
であれば同一の目的のために、ジシクロペンタジエンも
使用することが出来る。
多価アルコールアリルエーテル成分は、アリル基とし
て、多塩基酸成分1モルに対して0.05モル以上、なかん
づく0.2モル以上用いるのが望ましく、0.05モル未満で
は空乾性が不足する。上限は0.5モル程度まで可能であ
る。
前記各成分を、常法に従い、不活性ガス雰囲気下温度
150〜250℃程度で反応させることにより、目的とする不
飽和ポリエステル樹脂が取得できる。本発明においては
分子量が1500〜4000、好ましくは2000〜3500の不飽和ポ
リエステル樹脂が好適に使用される。
つぎに本発明に用いるエポキシアクリレート樹脂と
は、ビスフェノールAエポキシ樹脂のエポキシ基にアク
リル酸またはメタクリル酸を反応させてえられる樹脂で
あり、一般式: (ここでRは水素原子またはメチル基、rは1〜3の整
数)で示される。分子量が1000以下、好ましくは500〜8
00のものが好適に使用される。
成分(1)における不飽和ポリエステル樹脂とエポキ
シアクリレート樹脂の配合割合は前者100重量部に対し
て後者5〜80重量部、好ましくは20〜80重量部でなけれ
ばならない。エポキシアクリレート樹脂が5重量部未満
では初期固着性や低温硬化性および耐アルカリ性の改善
効果が認められず、一方80重量部を超えると初期固着性
が劣るという欠点を生ずる。
成分(2)の架橋性モノマーとしては、スチレン、ビ
ニルトルエン、モノクロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ア
クリル酸エステル、メタクルリ酸エステル、メタクリル
酸グリシジル、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグ
リシジルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、メチレン
ビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビニルシ
クロヘキサンモノオキサイド、桐油、アマニ油、大豆
油、綿実油、サフラワ油、ヤシ油など公知の不飽和ポリ
エステル用の架橋性モノマーが例示できる。
成分(3)の硬化剤としては、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミムパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエ
ートなどが用いられる。
また本発明の固着剤には、必要に応じて骨材充填剤な
どを混入することができる。
骨材としては特に限定されないが、天然砕石、または
マグネシアクリンカーなどの人工石などを使用すること
ができる。
充填剤としては特に限定されないが、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、無水ケイ酸、粘土などを使用する
ことができる。
本発明では、樹脂の硬化を促進するために硬化促進剤
を用いることができる。ただし、このばあいは硬化促進
剤を硬化剤と分離しておく必要がある。硬化促進剤とし
ては、たとえばジメチルアニリン、ジエチルアニリン、
ジメチルパラトルイジンなどのアミン類、ナフテン酸コ
バルト、オクトエ酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナ
フテン酸カルシウムなどの金属石鹸類、バナジルアセチ
ルアセトネート、鉄アセチルアセトネートなどのキレー
ト化合物が使用できる。
さらに樹脂の安定性を維持するためにハイドロキノ
ン、ナフトキノンなどの重合禁止剤を加えることもでき
る。
そのほか必要に応じ、顔料(チタン白、シアニンブル
ー、クリームイエロー、ウォッチアングレッド、ベンガ
ラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブ
ルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、ク
ロームイエロー、クロームグリーンなど)、研削剤(ス
テアリン酸亜鉛、微粉タルクなど)、レベリング剤(シ
リコーン、キシレン、メタノール、エタノール、ブタノ
ール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチ
ルケトン、セルソルブ類、ジアセトンアルコールな
ど)、熱可塑性樹脂(ニトロセルロース、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、
ブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂など)などを
配合することもできる。
本発明のボルト固定用固着剤の配合組成は用途に応じ
て広範囲に変化するが、通常は成分(1)の樹脂100重
量部に対して成分(2)の架橋性モノマー30〜50重量
部、好ましくは35〜45重量部、成分(3)の硬化剤0.5
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、さらに骨材およ
び(または)充填剤0〜500重量部程度が実用的であ
る。
本発明の固着剤の形態は、容器と、該容器内に収容さ
れた樹脂成分(1)および架橋性モノマー(2)と、該
成分(1)、(2)とは隔離されて該容器内に収容され
た硬化剤(3)とからなる構成である。
固着剤の前記構成は、広範囲に設計可能であり特に限
定されるものではないが、たとえば破砕可能な外容器と
破砕可能な内容器とからなり、硬化剤(3)を密封した
内容器と、樹脂成分(1)および架橋性モノマー(2)
と、必要に応じて骨材などを外容器に収容し密封したも
の、あるいは樹脂成分(1)および架橋性モノマー
(2)を密封した内容器と、硬化剤(3)と、必要に応
じて骨材などを外容器に収容し密封したものなどがあげ
られる。なお、骨材などは樹脂または硬化剤のいずれに
混在させてもよい。
さらには、前記以外の構成として容器に樹脂成分
(1)および架橋性モノマー(2)と、必要に応じて骨
材などを収容し密封し、該容器の外壁に硬化剤(3)を
塗布したものもあげられる。
本発明に用いることのできる容器は、運搬または保管
時に破壊されず、アンカーボルト挿入時に簡単に破壊さ
れ細片となる容器であり、たとえばガラス、陶磁気、合
成樹脂製のものなどが使用できる。合成樹脂製容器は硬
質のものでも、フィルムなどからつくった軟質のもので
あってもよい。
つぎに実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
不飽和ポリエステル樹脂の製造 [樹脂I] 攪拌器、還流冷却器付きのフラスコに無水マレイン酸
1モル、エチレングリコール0.55モルおよびビスフェノ
ールA・プロピレンオキサイド付加物(p=1、q=
1)0.55モルを仕込み、200℃にて酸価が20mg KOH/gに
なるまで反応を行った。
ついで冷却しながらスチレンモノマーを添加し、組成
モル比が無水マレイン酸/エチレングリコール/付加物
=1/0.51/0.51である樹脂のスチレン溶液をえた。樹脂
の分子量は2490であった。
同様にしてつぎのごとき不飽和ポリエステル樹脂をえ
た。
[樹脂II] 組成モル比が無水マレイン酸/プロピレングリコール
/ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物(p
=1、q=1)=1.0/0.7/0.45である不飽和ポリエステ
ル樹脂で、分子量が2400のもの。
[樹脂III] 組成モル比が無水マレイン酸/エチレングリコール/
ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物(p=
1、q=2)=1.0/0.55/0.70よりなる不飽和ポリエス
テル樹脂で、分子量が2550のもの。
[樹脂IV](比較例) 組成モル比が無水マレイン酸/オルソフタル酸/プロ
ピレングリコール=0.7/0.3/1.15である不飽和ポリエス
テル樹脂で、分子量が2100のもの。
エポキシアクリレート樹脂 以下のものを準備した。
[樹脂A] ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレー
ト(r=1、分子量520) [樹脂B] ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレ
ート(r=1、分子量560) [樹脂C] ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレー
ト(r=2、分子量800) 実施例1〜7および比較例1〜4 [初期固着強度および最大固着強度] 前記樹脂を用いて第1表に示される組成の固着剤を調
製し、それらについて初期固着強度および最大固着強度
を測定した。
外径5mm、長さ70mmのガラス製内容器に硫酸カルシウ
ムで30%重量濃度に希釈した硬化剤を密封し、これの外
径13mm、長さ85mmのガラス製容器に収容し、さらに直径
2mmの天然ケイ砂と不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂、またはそれらの混合物と架橋性モノ
マーおよびジメチルアニリンを充填し、ナイロン製キャ
ップで密封して固着剤を調製した。実施例1〜7は、前
記不飽和ポリエステル樹脂とエポキシアクリレート樹脂
を本発明の範囲内で配合しブレンドしたものであり、比
較例1〜4は、その範囲外の配合としたものである。
圧縮強度210kg/cm2のコンクリートに内径14.5mm、長
さ100mmの穿孔を行い、その孔内に前記の各固着剤を挿
入した後、先端45度カットのM12全ネジSCM435ボルトを
電動ドリルに装着し、回転衝撃を与えながら孔底まで挿
入した。
つぎに初期固着力のテストとして常温で30分養生後の
引抜荷重を測定した。また充分な硬化養生後の固着力の
テストとして1日養生後の引抜荷重を測定した。その結
果を第1表に示す。
引抜荷重の測定は、第1図に示すように、カプラー
(2)を介して固着したボルト(1)の頭部にテンショ
ンバー(高張力鋼棒)(3)を固定し、ロードセル
(4)、ラム(5)およびダイヤルゲージ(7)を取り
付け、つぎに油圧ポンプ(6)の油圧を上げ、ラム
(5)およびテンションバー(3)を介してボルト
(1)の引抜荷重をロードセル(4)により検知し、デ
ジタル測定器(8)に表示することによって行なった。
前記試験の結果より、固着剤の初期固着力については
実施例1〜7の30分養生におけるすべての引抜強度が比
較例1の不飽和ポリエステル樹脂のみの強度より倍近く
大きく、比較例2のエポキシアクリレート樹脂のみとほ
ぼ同等であり、不飽和ポリエステル樹脂とエポキシアク
リレート樹脂とのブレンドが有効であることが明らかで
ある。また、充分な硬化養生後の固着力については、そ
の最大引抜強度は、実施例1〜7の強度が比較例1の不
飽和ポリエステル樹脂のみの強度および比較例2のエポ
キシアクリレート樹脂のみの強度よりも約2割増大して
おり、さらに引抜時の荷重と変形量より算出したアンカ
ーの初期剛性においても、実施例1〜7の剛性値は、比
較例1の不飽和ポリエステル樹脂のみの剛性値よりもは
るかに大きいことから、適切な範囲でブレンドされた樹
脂はそれぞれの樹脂を単独で用いるよりもはるかに優れ
ていることが明らかである。また、比較例4の耐アルカ
リ性に劣ると言われるオルソフタル系不飽和ポリエステ
ル樹脂のブレンドされた樹脂も固着力については良好な
性能がえられている。
実施例8および比較例5〜6 [低温固着力] 前記実施例4および比較例1、2の固着剤を用いて低
温下での固着力をつぎのようにして調べた。すなわちマ
イナス5℃の環境下で前記施工仕様でボルトを固着し、
1日養生後に引抜強度を測定した。その結果は第2表の
通りであった。
この試験結果より、実施例8のブレンドされた樹脂
が、比較例5の不飽和ポリエステル樹脂のみ、あるいは
比較例6のエポキシアクリレート樹脂のみよりもはるか
に優れていることがわかる。また、この結果は常温での
1日養生の結果と同様の傾向であるが、より大きな差と
なっている。
実施例9〜13および比較例7〜10 [耐アルカリ性] コンクリート中に埋め込まれた固着剤の樹脂硬化物
は、コンクリートのもつ強アルカリ性により時間の経過
と共に物性が低下することが予想されるので、実施例3
〜7および比較例1〜4に使用した樹脂について、硬化
剤を5部加え、大きさが10mm×70mm×3mmの硬化成型物
を作製し、これを100℃で100時間、10重量%水酸化ナト
リウム水溶液中に浸漬し、その重量変化(重量減少率)
を測定した。その結果を第3表に示す。
この試験の結果より、樹脂硬化物の耐アルカリ性につ
いては、本発明の範囲内である実施例9〜13のブレンド
された樹脂は、比較例7のビスフェノール系の不飽和ポ
リエステル樹脂のみと同程度であり、比較例8のエポキ
シアクリレート樹脂のみよりも優れていることがわか
る。また、固着力において比較的良好な性能を発揮した
比較例4のオルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂の
ブレンドについては比較例10に示されるように耐アルカ
リ性能が大きく劣り、アンカーとしての長期的な使用が
危惧される。
実施例14 樹脂Iのばあいと同様にしてつぎの不飽和ポリエステ
ル樹脂を製造した。
[樹脂V] 組成モル比が無水マレイン酸/エチレングリコール/
ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物(m=
1、n=1)=1.0/0.7/0.45である不飽和ポリエステル
樹脂で、分子量が2500のもの。
実施例1において樹脂IIにかえて前記樹脂Vを用いた
ほかは実施例1と同様にして固着剤を調製し、それにつ
いて実施例1と同様にしてアンカー固着力を測定した。
結果はつぎのとおりであった。
引抜荷重: 30分後 6.0トン 1日後 7.1トン 1日後引抜のアンカー初期剛性値: 14.1トン/分 [発明の効果] 本発明においては、ビスフェノールA・アルキレンオ
キサイド付加物を縮合成分とする不飽和ポリエステル樹
脂とエポキシアクリレート系樹脂を併用することによっ
て、初期固着力および耐アルカリ性の向上されたボルト
固定用固着剤がえられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で用いたボルトの引抜荷重の測定装置を
示す説明図である。 (図面の主要符号) (1):固着したボルト (3):テンションバー (5):ラム (7):ダイヤルゲージ (8):デジタル測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 167/06 C08F 290/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)多価アルコール成分としてビスフェ
    ノールA・アルキレンオキサイド付加物を有する不飽和
    ポリエステル樹脂100重量部に対して、エポキシアクリ
    レート樹脂を5〜80重量部配合してなる樹脂成分、 (2)架橋性モノマー、および (3)硬化剤 を含んでなるボルト固定用固着剤。
  2. 【請求項2】容器と、該容器内に収容された樹脂成分
    (1)および架橋性モノマー(2)と、該成分(1)お
    よび(2)とは隔離されて該容器内に収容された硬化剤
    (3)とからなる請求項1記載のボルト固定用固着剤。
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