JPH07292278A - 摩擦材用充填剤 - Google Patents

摩擦材用充填剤

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JPH07292278A
JPH07292278A JP12476594A JP12476594A JPH07292278A JP H07292278 A JPH07292278 A JP H07292278A JP 12476594 A JP12476594 A JP 12476594A JP 12476594 A JP12476594 A JP 12476594A JP H07292278 A JPH07292278 A JP H07292278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mica
filler
latex
binder
friction material
Prior art date
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Pending
Application number
JP12476594A
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English (en)
Inventor
Yasuyoshi Suzuki
康美 鈴木
Motoomi Kawai
源臣 川井
Mikio Nishimura
幹夫 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Tohoku Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Tohoku Chemical Industries Ltd filed Critical Tohoku Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦材の硬度を増加させることなく、摩擦材
に振動吸収機能を付与する。 【構成】 摩擦材にマイカ粉末を充填することにより、
摩擦材に振動吸収機能を付与し得るが、マイカ粉末をそ
のまま使用すると、マイカ粉末の特徴的な形状のため、
摩擦材中でマイカ粉末が配向し、摩擦材の硬度が増加す
る。この現象の防止を目的として、マイカ粉末をゴム系
結合剤で造粒する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキライニング、
ディスクパッドなどの摩擦材に用いられる充填剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ブレーキライニング、ディスクパッドな
どの摩擦材の一般的な製法は、アスベストなどの繊維状
物質、各種無機物及びカシューダスト、結合剤としてフ
ェノール樹脂などを混合し、成形、加熱硬化するという
ものである。
【0003】摩擦材には、十分な摩擦係数を有すること
の他に、実用上の面から種々の特性が要求される。この
ため、前記のように摩擦材には、種々の添加剤が加えら
れる。これらは一般に摩擦性能調整剤と呼ばれ、その中
でマイカは、弾性率が極めて大きいにも拘わらず、フレ
ーク状で、アスペクト比が大きいため、可撓性を有す
る。このため、これを摩擦材に加えることにより、摩擦
材の機械的性質を向上させ、かつ、振動吸取機能をも付
与し得るが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、マイカはフ
レーク状で、形状異方性を持つため、ブレーキライニン
グやディスクパッドなどの摩擦材に充填され、成形する
際に、加圧方向に対して配向してしまう性質がある。こ
れは、金型に原料を充填した時点では、マイカ粉末は、
特定の方向を向いていることはないが、フレーク、即ち
薄板状の形状のため、一定の方向から加圧されると、個
々の粉末粒子にモーメントが作用し、結果として、粉末
の面が加圧方向に垂直に配向し易いことによる。このた
め、摩擦材全体が堅くなり、振動吸取機能が減殺され
る。また、使用中にマイカが配向した状態で摩擦材表面
に露出すると、摩擦表面のマイカの占める面積が非常に
大きくなり、結果として摩擦材表面の硬度が増加してし
まい、摩擦対面を損傷したり、摩擦時の鳴きの原因とな
る。
【0005】また、マイカには劈開性があり、摩擦時に
摩擦材表面から剥離することがある。しかし、剥離した
マイカ粉末は、摩擦材と摩擦対面の間隙に留まり、結果
的に研磨剤を付着させた状態で摩擦され、摩擦対面の損
傷を助長し、摩粍を増加させる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題の解決策を検討した結果、マイカの個々の粒子を、方
向性を持たないように接着剤を用いて集合体とする、即
ち造粒して用いることにより、成型物中で配向すること
を防ぎ、前記の課題を解決し得ることを見い出した。
【0007】また、造粒に用いる結合材として、各種ゴ
ムが極めて成型品の柔軟性、振動吸収性に有効であるこ
とを見出し、本発明をなすに至ったのである。即ち、本
発明は、フレーク状のマイカを、ゴム結合材を用いて造
粒した摩擦材用充填剤で、前記の課題を解決した摩擦材
を提供し得ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】一般に造粒用のバインダーとしては、フェノー
ルレジン、エポキシ樹脂などが多用されている。しかし
本発明の目的を達成するには、接着力の他にバインダー
が十分な柔軟性を具備していることが必要である。
【0009】本発明者らは、かかる特性を具備したバイ
ンダーとして、種々の物質を検討した結果、各種のゴム
系の材料が本発明の目的に適うものであることを見い出
した。ゴム系の原料は種々の固形もしくはラテックスの
形態で供給されるが、造粒に用いる材料として、ラテッ
クスが、次に示す特徴から本発明の目的には極めて有用
である。
【0010】(1) 低粘度であるため、少量で多量の
材料を造粒できる。
【0011】(2) 分散媒が水のため、乾燥工程で、
有害な物質が出ない。
【0012】本発明による摩擦材用充填剤の代表的な製
法は、次のような方法があるが、これに限定されるもの
ではない。
【0013】(工程−1) マイカにゴムラテックスを
添加し、十分に攪拌混合する。 (工程−2) 攪拌しながら、凝集剤を加え、ゴム分を
凝集させる。 (工程−3) 分離した水分を熱風乾燥などにより、除
去する。 (工程−4) 必要により粉砕する。
【0014】しかし、たとえば十分低粘度となるように
多量の有機溶媒に溶解したゴムなどであっても、本発明
に使用できるのは勿論である。
【0015】また、ゴム系結合材の添加量を限定した理
由は、1重量%以下では、マイカ粉末の造粒がまったく
不可能で、50重量%以上では、後述するように摩擦試
験に於ける耐フェード性が低下するためである。
【実施例による説明】以下に本発明の実施例を挙げ、さ
らに詳しく説明する。
【0016】(実施例−1) (1) マイカ造粒粉の製造 重量平均フレーク径200μm、重量平均アスペクト比
65なるマイカ95重量部と、ニトリル系ゴムラテック
ス5重量部(固形分換算)を混合槽に計量投入した。こ
れを十分に攪拌混合しながら、凝集剤である10%硫酸
アルミニウム水溶液を2重量部噴霧し、ニトリル系ゴム
ラテックスを凝固させた。その凝固させたゴムとマイカ
の造粒物を、120℃で10時間乾燥させた。これを2
0メッシュの篩を通過するまで粉砕し、マイカ造粒粉を
得た。
【0017】(2) 試験ピースの製造及び評価 表1に示す配合物を十分に混合し、室温で圧力10MP
aで予備成形した後、温度160℃圧力40MPaで1
0分間熱成形し、200℃で12時間をかけて硬化さ
せ、定形のテストピースに加工した。一方、比較例とし
て、造粒しないマイカを用い、実施例と同一条件でテス
トピースを作成した。得られたテストピースの機械的性
質を表2に示した。また、本摩擦材を用い、JIS D
−4411によりテストした場合の摩擦対面の表面粗さ
も、併せて表2に示した。
【0018】(実施例−2)重量平均フレーク径180
μm、重量平均アスペクト比58なるマイカ90重量部
と、アクリル系ゴムラテックス10重量部(固形分換
算)を混合槽に計量投入した。これを十分に攪拌混合し
ながら、凝集剤である10%硫酸アルミニウム水溶液を
4重量部噴霧し、アクリル系ゴムラテックスを凝固させ
た。その後は実施例−1と同様にして、マイカ造粒粉を
得、実施例−1と同様に試験ピースの作製、評価を行っ
た。その結果を表2に示した。
【0019】(実施例−3)実施例−2で用いたマイカ
粉末90重量部と、鉱物系のオイル添加により可塑性を
増したシリコン系ゴム10重量部を秤量し、加圧ニーダ
ーを用いて混練した。混練物を20メッシュの篩を通過
するまで粉砕し、マイカ造粒粉を得た。この造粒粉につ
いて、実施例−1と同様に試験ピースの作製、評価を行
った。その結果を表2に示した。
【0020】(実施例−4)重量平均フレーク径200
μm、重量平均アスペクト比65なるマイカに、ニトリ
ル系ゴムラテックスを、マイカ/ゴムの重量比率が、9
9/1,98/2,95/5,90/10,70/3
0,50/50となるように、それぞれ混合槽に計量投
入した。これを、十分攪拌混合しながら、凝集剤である
10%硫酸アルミニウム水溶液を、ゴムラテックス10
0重量部に対して、40重量部噴霧し、ニトリル系ゴム
ラテックスを凝固させた。その後は、実施例−1と同様
にしてマイカ造粒粉を得、実施例−1と同様に試験ピー
スの作製、評価を行った。その結果を表3に示した。ま
た、摩擦試験の摩擦係数の測定結果を表4に示した。比
較のため比較例−1のテストピースについての評価結果
も、表3,4に示した。なお、マイカ/ゴムの比率が9
5/5のものは、実施例−1とまったく同一の条件であ
る。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】以上、表2から、実施例のテストピース
は、比較例のテストピースに比べて硬度が小さい、即ち
柔軟性に富む。そして、実施例のテストピースは、対数
減衰率が大きいことから、振動吸収性能に優れているこ
とがわかる。
【0026】そして、摩擦試験に於ける摩擦対面の表面
粗さの測定結果から明かなように、本発明の摩擦材で
は、摩擦対面の損傷が少ないことが分かる。
【0027】また、表3の結果及び前記造粒テストの結
果から、ゴムラテックスの添加量は少なくとも1重量%
であることが分かる。更に詳しくは、ゴムラテックス1
重量%では、一応の効果が認められるものの、2重量%
以上のテストピースに比較すると、やや特性的に劣るこ
とから、2重量%以上のゴムラテックスを添加するのが
望ましい。
【0028】しかし、表4の結果から、ゴムラテックス
添加量50重量%では、耐フェード性の低下の傾向が現
れ、ゴムラテックス添加量の上限は、50重量%である
ことが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上に詳しく説明したように、本発明に
よれば、マイカをゴムラテックスで造粒した摩擦材用充
填剤が得られる。この充填剤の添加により、摩擦材の柔
軟性、振動吸収性能を大幅に改善することができる。よ
って、本発明が摩擦材の性能向上に寄与するところは、
非常に大きく、工業上極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーク状の充填材であるマイカ粉末
    を、マイカ粉末に対して、1〜50重量%のゴム系結合
    剤を用いて造粒することを特徴とする、摩擦材用充填
    剤。
  2. 【請求項2】 使用されるゴム系結合剤は、アクリル
    系、ニトリル系、シリコン系のゴム系結合剤であること
    を特徴とする、請求項1に記載の摩擦材用充填剤。
JP12476594A 1994-04-27 1994-04-27 摩擦材用充填剤 Pending JPH07292278A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12476594A JPH07292278A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 摩擦材用充填剤

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JP12476594A JPH07292278A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 摩擦材用充填剤

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JPH07292278A true JPH07292278A (ja) 1995-11-07

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JP12476594A Pending JPH07292278A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 摩擦材用充填剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020102625A1 (en) * 2018-11-16 2020-05-22 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wet friction materials with mica silicate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020102625A1 (en) * 2018-11-16 2020-05-22 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wet friction materials with mica silicate

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