JPH07292242A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物

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JPH07292242A
JPH07292242A JP10745094A JP10745094A JPH07292242A JP H07292242 A JPH07292242 A JP H07292242A JP 10745094 A JP10745094 A JP 10745094A JP 10745094 A JP10745094 A JP 10745094A JP H07292242 A JPH07292242 A JP H07292242A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性が極めて高く、機械的強度,柔軟性が
良好でかつ優れた成形加工性を有する難燃性ポリアミド
樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a)ポリアミド樹脂40〜90重量%,
(b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAとオレフィ
ン系化合物重合体ブロックBとから成る重合体であっ
て、ブロックBの不飽和度が20%をこえない水素化ブ
ロック共重合体2〜36重量%,(c)前記(b)のブ
ロック共重合体に、カルボン酸基,またはその誘導体基
を含有する分子単位が結合した変性ブロック共重合体2
〜36重量%,(d)臭素含有率が50〜90重量%で
ある臭素系難燃剤2〜40重量%,及び(e)酸化アン
チモン,アンチモン酸ナトリウム,酸化スズ,酸化鉄,
酸化亜鉛,ホウ酸亜鉛の中から選ばれた少なくとも1種
の難燃助剤1〜20重量%とから成る難燃性ポリアミド
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリアミド樹脂
組成物に関し、特に、本発明は自動車分野において、高
温雰囲気下で使用されるチューブ,配管,コネクター等
の部品,電装部品等の自動車部品用途に好適に用いられ
る成形加工性に優れた難燃性ポリアミド樹脂に関する。
さらには、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形
して得られるエンジン回り等で使用される自動車電気配
線の保護及び結束用の耐熱性及び難燃性に優れたチュー
ブ及びプロテクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド樹脂は機械的強度や耐
熱性などに優れていることから、自動車部品・機械部品
・電気部品などの分野で使用されている。特に、自動車
部品用途においては近年、車輛火災問題への対応から、
難燃性に対する要求レベルが高くなり、本来ポリアミド
樹脂の有する自己消火性よりも更に高度な難燃性が要求
されている。具体的な例として、自動車エンジンルーム
内の電気配線を保護し、かつ束ねて、配線の束を収容す
るチューブ用途やプロテクター用途にナイロン11,ナ
イロン12,ナイロン6及びナイロン66/アイオノマ
ー樹脂からなる変性ポリアミド樹脂が使用される場合が
あるが、この様な使用方法においては自動車の振動等に
よって、電気配線がショートした時、配線束を収容して
いる該ポリアミド樹脂チューブやプロテクターが燃えあ
がる場合があり、難燃性の極めて高いポリアミド樹脂組
成物が求められている。
【0003】ポリアミド樹脂の難燃化については数多く
の検討がなされ、一般にはハロゲン系難燃剤を添加する
方法が取られている。
【0004】例えば、ポリアミド樹脂への塩素置換多環
式化合物の添加(特開昭48−29846号公報)や臭
素系難燃剤、たとえば、デカブロモジフェニルエーテル
の添加(特開昭47−7134号公報)、臭素化ポリス
チレンの添加(特開昭51−47044号公報、特開平
4−175371号公報)、臭素化ポリフェニレンエー
テルの添加(特開昭54−116054号公報)、臭素
化架橋芳香族重合体の添加(特開昭63−317552
号公報、特開昭56−152863号公報)、臭素化ス
チレン−無水マレイン酸重合体の添加(特開平3−16
8246号公報)等が、酸化アンチモン等の難燃助剤と
併用されて用いられてきた。
【0005】しかしながら、これらの方法で得られたポ
リアミド樹脂組成物は高い難燃レベルを有するものの、
引張伸度,アイゾット衝撃強度が低く、極めてもろい材
料となってしまい、高い信頼性の要求される自動車部品
用途に用いるには不適であった。さらにはポリアミド樹
脂の優れた柔軟性や成形加工性をも損ってしまい、特に
チューブ用途に用いるには大きな欠点も有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
性が極めて高く、機械的強度,柔軟性が良好でかつ優れ
た成形加工性を有する難燃性ポリアミド樹脂組成物及び
該組成物を成形してなる自動車電気配線の保護及び結束
用の難燃性チューブ及びプロテクターを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ポリアミド樹脂に、特定のブロック共重合
体,特定の難燃剤及び難燃助剤を組み合わせることによ
り、その目的を達成しうることを見い出し、この知見に
基づき本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は(a)ポリアミド樹脂
40〜90重量%,(b)ビニル芳香族化合物重合体ブ
ロックAとオレフィン系化合物重合体ブロックBとから
なる重合体であって、ブロックBの不飽和度が20%を
こえない水素化ブロック共重合体2〜36重量%,
(c)前記(b)のブロック共重合体に、カルボン酸
基,またはその誘導体基を含有する分子単位が結合した
変性ブロック共重合体2〜36重量%,(d)臭素含有
率が50〜90重量%である臭素系難燃剤2〜40重量
%,及び(e)酸化アンチモン,アンチモン酸ナトリウ
ム,酸化スズ,酸化鉄,酸化亜鉛の中から選ばれた少な
くとも1種の難燃助剤1〜20重量%とから成ることを
特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物及び該難燃性ポ
リアミド樹脂組成物を成形してなる自動車電気配線の保
護及び結束用難燃性チューブ及びプロテクターに関す
る。
【0009】本発明で用いられるポリアミド樹脂(a)
とは、46ナイロン,6ナイロン,66ナイロン,61
0ナイロン,11ナイロン,12ナイロン等の脂肪族ポ
リアミド,例えば、ヘキサメチレンテレフタルアミド,
テトラメチレンイソフタルアミド,ヘキサメチレンイソ
フタルアミドなどのテレフタル酸,イソフタル酸等の芳
香族成分を含む芳香族ポリアミド、及びこれらを主たる
構成成分とする共重合ポリアミド,混合ポリアミドを示
す。好ましくは、6ナイロン,66ナイロンが特徴的に
用いられる。
【0010】本発明で用いられるビニル芳香族化合物重
合体ブロックAとオレフィン系化合物重合体ブロックB
とから成る水素化ブロック共重合体(b)は、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体
ブロックとより成るブロック共重合体の共役ジエン部分
を選択的に水素化することによって得られるものであ
る。
【0011】上記、ビニル芳香族化合物重合体ブロック
Aと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとより成るブ
ロック共重合体は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(X)と(X’)および共役ジエン系化合物重合体ブロ
ック(Y)(ただし、XとX’は同じであっても異なっ
ていてもよい。)より成るブロック共重合体で(X−
Y)n ,X−Y−X’,X−(Y−X−Y)n −X,X
−(Y−X)n −Y(式中nは1ないし10の整数であ
る。)で表わされる線状ブロック共重合体、あるいは一
般式[(Y−X)nm+2 −Z,[(X−Y)nm+2
−Z,[(Y−X)n −Y]m+2 −Z,[(X−Y)n
−X]m+2 −Z(式中mは1ないし4の整数であり、Z
は例えば四塩化ケイ素,四塩化スズなどのカップリング
剤の残基又は、多官能有機リチウム化合物等の開始剤の
残基を示す。)で表わされるラジアルブロック共重合体
が挙げられる。
【0012】ここで用いられるビニル芳香族化合物とし
て代表的な化合物には、スチレン,α−メチルスチレ
ン,ビニルキシレン,エチルビニルキシレン,ビニルナ
フタリンおよびこれらの混合物が例示され、また共役ジ
エン系化合物には、ブタジエン,イソプレン,1,3−
ペンタジエンまたは2,3−ジメチルブタジエン,およ
びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ビニル芳
香族化合物としてはスチレン、共役ジエン系化合物とし
てはブタジエンである。
【0013】これらのブロック共重合体の末端ブロック
は同じであっても異なっていてもよい。
【0014】これらのブロック共重合体の数平均分子量
は10,000〜800,000、好ましくは20,0
00〜500,000である。
【0015】また、ブロック共重合体中のビニル芳香族
化合物の含有量は10〜70重量%が好ましく、より好
ましくは10〜55重量%である。本発明で使用する水
素化ブロック共重合体(b)は、前記ブロック共重合体
の共役ジエン部分を選択的に水素化することによって得
られるものであり、例えば、特公昭42−8704号公
報記載の方法で、つまり、n−ヘキサンとシクロヘキサ
ンの混合溶媒中でナフテン酸コバルトとトリエチルアル
ミニウムを触媒として水素を添加する方法で前記ブロッ
ク共重合体を水素化することにより、ビニル芳香族化合
物ブロックの芳香族二重結合の20%をこえない部分及
び共役ジエン化合物重合体ブロックの脂肪族二重結合の
少なくとも80%が水素添加されている水素化ブロック
共重合体が合成される。
【0016】本発明でいうブロックBの不飽和度とは、
ブロックBに含まれる炭素−炭素二重結合の割合を意味
し、通常20%を越えない範囲である。これは、核磁気
共鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(I
R)等の機器分析、ヨード滴定法等の化学分析により測
定される。
【0017】これらの水素化ブロック共重合体は一種の
みならず2種以上を混合して用いることもできる。
【0018】本発明で用いられる変性ブロック共重合体
(c)は、前記水素化ブロック共重合体に不飽和カルボ
ン酸又はその誘導体を付加させることにより得ることが
できる。水素化ブロック共重合体に付加させる不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体の例としては、マレイン酸,
無水マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,アクリル酸,
クロトン酸,シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸およびその無水物,エンド−シス−ビシクロ
[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
およびその無水物、マレインイミド等が挙げられるが、
これらの中では無水マレイン酸が特に好ましい。
【0019】上記変性ブロック共重合体(c)は、例え
ば、水素化ブロック共重合体に不飽和カルボン酸または
その誘導体を溶液状態または溶融状態において、ラジカ
ル開始剤を使用あるいは使用せずに付加せしめることに
よって得られる。これら変性ブロック共重合体(c)の
製造方法に関しては、本発明においては特に限定しない
が、得られた変性ブロック共重合体(c)がゲル等の好
ましくない成分を含んだり、その溶融粘度が著しく増大
して加工性が悪化したりする製造方法は好ましくない。
好ましい方法としては、押出機中で、ラジカル開始剤存
在下で、水素化ブロック共重合体と不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体と反応させる方法がある。
【0020】変性ブロック共重合体(c)の変性量は、
未変性の水素化ブロック共重合体100重量部あたり
0.1〜3重量部であることが必要であり、好ましくは
0.15〜1.8重量部である。変性量が0.1重量部
以上であれば、変性ブロック共重合体としての効果が十
分得られ、組成物とした場合に十分な耐衝撃性が得られ
る。変性量が3重量部以下であれば耐熱性の低下、成形
性及び成形品外観の悪化を防止できる。本発明で用いる
不飽和カルボン酸またはその誘導体は一種のみならず二
種以上混合して用いることができる。
【0021】本発明で用いる臭素系難燃剤(d)は臭素
含有率が50〜90重量%であり、好ましくは55〜8
0重量%である。臭素含有率が50重量%以上であれば
難燃効果を充分得ることができ、90重量%以下であれ
ば混練時に臭素が脱離して成形加工性が損なわれる恐れ
がない。
【0022】臭素系難燃剤(d)としては臭素化ポリス
チレン,臭素化架橋芳香族重合体,臭素化スチレン無水
マレイン酸重合体,臭素化ポリフェニレンエーテル,臭
素化エポキシ樹脂,臭素化フェノキシ樹脂等があるがこ
れらに限定されない。
【0023】上記の具体例としては、フェロ社製パイロ
チェック68PB<登録商標>,パイロチェックLM<
登録商標>,グレートレークス社製PDBS−80<登
録商標>,PDBS−10<登録商標>,マナック社製
EBR−370FK<登録商標>,グレートレークス社
製PO64P<登録商標>,マクテシム社製F2400
<登録商標>等が挙げられる。なかでも、耐熱性,非ブ
リードアウト性の点から臭素化ポリスチレン,臭素化ポ
リフェニレンエーテル,臭素化架橋芳香族重合体が好ま
しく、特に臭素化ポリスチレン,臭素化ポリフェニレン
エーテルが好ましい。
【0024】本発明に用いる難燃助剤(e)としては、
三酸化二アンチモン,四酸化二アンチモン,五酸化二ア
ンチモン等の酸化アンチモン類;アンチモン酸ナトリウ
ム;一酸化スズ,二酸化スズ等の酸化スズ類;酸化第二
鉄,γ酸化鉄等の酸化鉄類;酸化亜鉛;2ZnO・3B
2 O・3.5H2 O等で示されるホウ酸亜鉛が挙げられ
る。
【0025】酸化アンチモンの具体例としては、日本精
鉱社製のパトックスC<登録商標>,パトックスM<登
録商標>,アポックスS<登録商標>,住友金属鉱山
(株)製の酸化アンチモンKUおよびFS<登録商標
>,第一工業製薬(株)製ピロガードAN−700,A
N−800およびAN−900<登録商標>等が挙げら
れる。
【0026】アンチモン酸ナトリウムとしては日産化学
工業(株)製サンエポックNA−1075<登録商標
>,日本精鉱社製アンチモン酸ソーダ−S等が挙げられ
る。
【0027】酸化亜鉛の具体例としては、堺化学(株)
製ZATEX特号<登録商標>,東邦亜鉛(株)製銀嶺
A<登録商標>等が挙げられる。
【0028】ホウ酸亜鉛の具体例としては、米国ボラッ
クス社製FIREBRAKE290<登録商標>(ホウ
酸亜鉛ZB2335)等が挙げられる。
【0029】これらのうちでも、難燃性効果の点から三
酸化二アンチモン,四酸化二アンチモン,五酸化二アン
チモン等の酸化アンチモン類が好ましい。これら難燃助
剤(e)は、一種単独または二種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0030】さらに、難燃性効果を上げるためには、難
燃助剤(e)としては、平均粒径が0.01〜10μm
であることが望ましい。ホウ酸亜鉛を除く難燃助剤は平
均粒径が0.1〜2μmであることがより好ましく、
0.1〜1.2μmであることが更に好ましい。平均粒
径が0.01μm以上であれば取扱い性に難がなく、生
産性の低下を招くことがなく、10μm以下であれば難
燃性の低下を防止できる。
【0031】本発明の樹脂組成物において、主体となる
ポリアミド樹脂(a)の割合は40〜90重量%の範囲
であることが必要である。好ましくは50〜80重量%
である。ポリアミド樹脂の量が40重量%以上であれ
ば、著るしい弾性率及び耐熱性の低下を防止でき、90
重量%以下であれば、難燃性と成形加工性を同時に満足
した組成物を得られる。
【0032】本発明の樹脂組成物において、水素化ブロ
ック共重合体(b)と変性ブロック共重合体(c)を併
用して用いることが必須であるが、水素化ブロック共重
合体(b)の割合は2〜36重量%の範囲であることが
必要である。好ましくは4〜30重量%である。水素化
ブロック共重合体(b)の量が2重量%以上であれば、
著るしい成形加工性の低下を防止でき、36重量%以下
であれば耐熱性の低下を防止できる。
【0033】又、変性ブロック共重合体(c)の割合は
2〜36重量%の範囲であることが必要である。好まし
くは4〜30重量%である。変性ブロック共重合体
(c)の量が2重量%以上であれば耐衝撃性の改善効果
が十分得られ、36重量%以下であれば、得られた組成
物の溶融粘度が著るしく上昇してチューブ成形時の樹脂
圧変動が大きくなり、その結果均一な肉厚を有するチュ
ーブが得られないといった問題を防止できる。
【0034】臭素系難燃剤(d)の割合は2〜40重量
%の範囲であることが必要である。好ましくは5〜30
重量%である。臭素系難燃剤(d)の量が2重量%以上
であれば、難燃効果が充分得られ、40重量%以下であ
れば、量的難燃効果が認められるばかりか、難燃剤に含
まれる揮発性オリゴマーやその分解成分による混練時や
成形時における腐食性ガスの発生や、成形金型への汚染
性物質の付着などで成形品外観不良現象を呈することを
防止できる。
【0035】難燃助剤(e)の割合は1〜20重量%の
範囲である必要がある。好ましくは3〜15重量%であ
る。1重量%以上であれば燃焼時に発生する滴下物を抑
制する効果があり、20重量%以下であれば本発明に係
る難燃性ポリアミド樹脂組成物の機械的物性の低下を防
止できるからである。
【0036】本発明の樹脂組成物は、通常の高分子物質
の混合に供され装置によって製造できる。例えば、本発
明に用いる全成分をブレンダー等で予備混合後、混合物
を単軸又は2軸押出機,ニーダー,バンバリーミキサ
ー,等の公知の溶融混練機を用いて製造する方法等があ
げられる。又、ポリアミド樹脂(a)/水素化ブロック
共重合体(b)/変性ブロック共重合体(c)からなる
溶融樹脂中に難燃剤(d),難燃助剤(e)をサイドフ
ィードして溶融混練する方法や、水素化ブロック共重合
体(b)/変性ブロック共重合体(c)をあらかじめ溶
融混合して用いる方法でも良く、特に各成分の混練順序
については制約はない。
【0037】尚、本発明の樹脂組成物には、その成形
性,物性を損わない限りにおいて、他の成分、例えば顔
料,染料,補強材,充填剤,熱安定剤,酸化劣化防止
剤,耐候剤,核材,滑剤,可塑剤,帯電防止剤,他の樹
脂等を添加することができる。
【0038】本発明の樹脂組成物は、射出成形,押出成
形,ブロー成形など一般の熱可塑性樹脂の公知の成形に
供され、これらの成形方法によって各種成形品、例えば
プロテクターが得られる。
【0039】次に、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成
物を成形してなるチューブについて説明する。
【0040】本発明のチューブを作成するに当って、そ
の成形方法については特に制限はないが、一般に押出成
形やブロー成形が用いられる。例えば、前述した方法で
得られた難燃性ポリアミド樹脂組成物を押出機のホッパ
ーに投入し、スクリュー回転により樹脂組成物を溶融し
ながらスクリュー先端部に送り、ダイ部より円筒形のパ
リソンを押出し、冷却することによりチューブが得られ
る。この際、所望に応じ金型を用いてコルゲート状にす
ることもできる。チューブの形状については特に制限は
ないが、通常は円筒形に作られる。特に好ましいのはコ
ルゲート状のチューブであるが、その外、スリットの入
ったチューブとすることもできる。
【0041】本発明のチューブは従来のチューブとして
使用できるほか、特に自動車のエンジンルーム内の高温
雰囲気下で使用されるチューブとして好適である。さら
に本発明のチューブは高いレベルの難燃性と強靭性を有
している為、特に自動車電気配線の保護及び結束用のチ
ューブとして最適である。
【0042】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明をさらに
詳しく説明する。なお、実施例に於ける諸特性の測定は
次の様にして行った。
【0043】曲げ強度・曲げ弾性率:ASTM−D7
90に従った。
【0044】アイゾット衝撃強度:ASTM−D25
6に従った。
【0045】熱変形温度(4.6kg/cm2 ):A
STM−D648に従った。
【0046】難燃性:成形片を水平に保ち、バーナの
火を15秒間接炎させた後、炎を取り除き、成形片に着
火した火が消えるか調べた。
【0047】チューブ柔軟性:チューブを180°屈
曲させてその状態を観察した。
【0048】チューブ成形性:チューブ状に成形した
時のチューブの肉厚変動の有無を肉眼で観察した。
【0049】また、実施例及び比較例において、(a)
ポリアミド樹脂,(b)水素化ブロック共重合体,
(c)変性ブロック共重合体,(d)臭素系難燃剤及び
(e)難燃助剤は以下に示すものを用いた。
【0050】(a)ポリアミド樹脂 ナイロン66;旭化成工業製レオナ1402<登録商標
> (b)水素化ブロック共重合体 水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体;旭化成工
業製タフテックH1052<登録商標>,スチレン成分
約20重量%,ブタジエンブロックの不飽和度10% (c)変性ブロック共重合体 水素添加した無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン
共重合体;旭化成工業製タフテックM1953<登録商
標>,スチレン成分約40重量%,無水マレイン酸付加
量約1.2重量部 (d)臭素系難燃剤 ポリジブロモフェニルエーテル;グレートレークス社製
PO64P<登録商標>,臭素含有率約62重量% (e)難燃助剤 三酸化二アンチモン;日本精鉱社製パトックスM<登録
商標>,平均粒子径0.6μm
【0051】実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示す割合で、原料をタンブラー型ブレンダーにて
ブレンドした後、これをシリンダー温度280℃に設定
した二軸押出機(池貝鉄工社製PCM45)に供給し、
溶融混練後、ストランド状に取り出し、水冷後カッター
で造粒してペレット状の組成物を得た。得られたペレッ
トを射出成形機(東芝機械IS50EP)で物性測定用
の試験片に成形した。そして前記の評価方法にて諸物性
を測定した。その結果を表1に示す。また同様にして得
られたペレットを肉厚0.5mm,外径10mmφのチ
ューブに成形し得る紡口を先端に付した50mmφ単軸
押出機に供給し、押出成形する際、中空部にエアーを導
入して円筒状チューブにした後、コルゲート状の金型の
付いたチューブ引取り機で引き取りながら、図1に示す
コルゲートチューブを連続で得た。得られたチューブの
柔軟性及び肉厚変動の有無を調べた。その結果を表1に
示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の組成物は耐熱性,耐衝撃性,柔
軟性及び難燃性に優れる為、高温雰囲気下で使用される
自動車部品,電気部品等の用途に用いることができる。
特に本発明組成物から得られたチューブは高い難燃性と
耐熱性の要求される自動車電気配線の保護及び結束用の
チューブとして用いることが出来る。又、本発明で得ら
れたプロテクターも高い難燃性と耐衝撃性を有している
為、エンジンルーム内で用いられるプロテクターとして
最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られるコルゲートチューブを示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 77/00 101:04)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリアミド樹脂40〜90重量
    %,(b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAとオレ
    フィン系化合物重合体ブロックBとから成る重合体であ
    って、ブロックBの不飽和度が20%をこえない水素化
    ブロック共重合体2〜36重量%,(c)前記(b)の
    ブロック共重合体に、カルボン酸基,またはその誘導体
    基を含有する分子単位が結合した変性ブロック共重合体
    2〜36重量%,(d)臭素含有率が50〜90重量%
    である臭素系難燃剤2〜40重量%,及び(e)酸化ア
    ンチモン,アンチモン酸ナトリウム,酸化スズ,酸化
    鉄,酸化亜鉛,ホウ酸亜鉛の中から選ばれた少なくとも
    1種の難燃助剤1〜20重量%とから成ることを特徴と
    する難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリアミド樹脂40〜90重量
    %,(b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAとオレ
    フィン系化合物重合体ブロックBとから成る重合体であ
    って、ブロックBの不飽和度が20%をこえない水素化
    ブロック共重合体2〜36重量%,(c)前記(b)の
    ブロック共重合体に、カルボン酸基,またはその誘導体
    基を含有する分子単位が結合した変性ブロック共重合体
    2〜36重量%,(d)臭素含有率が50〜90重量%
    である臭素系難燃剤2〜40重量%,及び(e)酸化ア
    ンチモン,アンチモン酸ナトリウム,酸化スズ,酸化
    鉄,酸化亜鉛,ホウ酸亜鉛の中から選ばれた少なくとも
    1種の難燃助剤1〜20重量%とからなる樹脂組成物を
    成形してなる自動車電気配線の保護及び結束用難燃性チ
    ューブ及びプロテクター。
  3. 【請求項3】 前記(d)の臭素系難燃剤が臭素化ポリ
    スチレン,臭素化ポリフェニレンエーテル,臭素化架橋
    芳香族重合体から選ばれた少なくとも一種の臭素系難燃
    剤であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリア
    ミド樹脂組成物及び請求項2記載の難燃性チューブ及び
    プロテクター。
  4. 【請求項4】 前記(c)の変性ブロック共重合体に結
    合した、カルボン酸基または、その誘導体を含有する分
    子単位の量が、変性前のブロック共重合体100重量部
    に対して0.1〜3.0重量部であることを特徴とする
    請求項1記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物及び請求項
    2記載の難燃性チューブ及びプロテクター。
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