JPH07291754A - 多孔質シリカ成型体及びその製法 - Google Patents

多孔質シリカ成型体及びその製法

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JPH07291754A
JPH07291754A JP6103242A JP10324294A JPH07291754A JP H07291754 A JPH07291754 A JP H07291754A JP 6103242 A JP6103242 A JP 6103242A JP 10324294 A JP10324294 A JP 10324294A JP H07291754 A JPH07291754 A JP H07291754A
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silica
molding
molded body
volume
porous silica
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JP6103242A
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English (en)
Inventor
Masao Takahashi
正男 高橋
Tamotsu Watanabe
保 渡辺
Seiji Okabayashi
誠治 岡林
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、各種形状の多孔質シリカ成形体、
特にそのリング状成形体及びその製造方法を提供する。 【構成】 電子顕微鏡観察下で表面が滑らかで、N2
着法での細孔容積が1乃至1.5cc/g、見掛比重が
0.3乃至0.5、且つ平均径が10乃至80μmであ
る球状多孔質シリカを用いて最大径が3乃至10mmで
ある各種形状の成型体を臼と杵との種々の組合わせから
なる金型を用いる圧縮成型法で造るものである。 【効果】 耐水性、耐酸性、耐熱及び熱衝撃に優れた多
孔質シリカ成型体であり、特にリング状成型体は精製、
消臭、触媒、香料、薬剤その他の薬効成分を担持させる
担体として工業的に有用な成型体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮成型法によるシリ
カ成型体に関し、より詳細には吸着剤、精製剤、消臭
剤、触媒、香料、薬剤等の担体として有用な多孔質シリ
カ成型体及びそのリング状シリカ成型体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乾燥剤、吸着剤、精製剤、及
び触媒の担体として多孔質無機化合物であるアルミナ、
シリカ、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、ゼオライト
等から成る成型体が広く用いられている。またその製造
方法としてはスプレー法、転動法、押出し造粒法、圧縮
成型法等が広く採用されている。しかしながら、その成
形体の用途及びその製法の特徴に関連して種々の制約が
ある。例えばスプレー法には形状最大径に制限があり、
せいぜいその径は2mm以下に限定される。またスプレ
ー法、転動法、押出し造粒法等はその形状が球状、顆粒
状、柱状等に限定され、しかも大きさも形状も均一なも
のを造りにくいという欠点がある。
【0003】一方、圧縮成型法の中でもタブレッティン
グ(打錠)法はシリンダー(臼)と上・下ピストン(上
杵、下杵)との組合せからなる金型の種類によって、例
えば丸型、三角型、四角型、長方型、六角型、リング
型、碁石型等のように大きさ、形状の一定した種々の成
型体を造ることができ、しかも成型体の表面が比較的き
れいであって、また用途向きにその形状を選択すること
もできることから工業的に広く用いられている方法であ
る。
【0004】また最近はタブレッティングマシン(打錠
機)1基当りの生産能力も増大し、さらにダイス、ロー
ル等などの直接粉体に接触し摩耗しやすい部分に高合金
鋼を用いることによって、高い成型圧を必要とする粉体
の成型も可能となり、食品、薬品、触媒、燃料、粉末冶
金、セラミックス、電気部品などの最終製品の造粒に広
く用いられている。
【0005】しかしながら、圧縮成型法で工業的に歩留
まり良く成型体を得るには原料粉体の粒度特性、粒子性
状、成形性等が特に重要であって、従来より最適な原料
粉体を調製するには困難を伴うものであった。特に成型
体の原料素材が多孔質シリカとなると圧縮成型法に適し
た原料シリカはほとんど知られていなく、またあったと
しても成型体の強度が不十分で成形性または成型体の強
度を高めるためにシリカ以外の助剤を使用しなければな
らないものであった。更にまた原料がシリカであれば耐
酸性に優れた多孔質成型体が得られるが、特に用途的に
耐酸性を必要とし、しかも圧縮成型法の特徴を生かした
リング状の多孔質成型体となると殆ど実用化されていな
いのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲル
法、沈降法及び気相法等の従来法による多孔質の非晶質
シリカ及びその球状シリカは圧縮成型法のシリカ原料と
して用いるには、種々の問題があり特に流れ性等の流動
特性、静電付着等の粒子の表面性状、圧縮時の成形性等
の種々の観点から(後述する比較例を参照)工業的に歩
留まり良く圧縮成型物を造ることができなかった。
【0007】一般的に圧縮成型を効率よく行うためには
原料シリカがホッパーから臼中にスムーズに供給され、
しかも臼中にスムーズに一定量が充填されなければなら
ない。
【0008】さらには、成型時の圧縮力と原料シリカの
充填層の見掛比重、又は空隙率との関係において、一般
的に圧縮力とともに充填層の空隙率の減少が小さくな
り、成型体の比重は原料シリカの真比重に近づき成型体
の容積が最少となる。この関係において、最初の粉粒体
の容積に対する圧縮による容積の減少率は「かさべり
度」と呼ばれ、原料粉粒体の適、不適の判断基準にされ
ている数値である。
【0009】本発明においても、臼に充填されたシリカ
を杵で圧縮して成型するのに原料シリカの「かさべり
度」が重要因子となり、一般にこの「かさべり度」が少
ないほど成形性の良い粉粒体であると言われている。
【0010】従って本発明の目的は、圧縮成型法による
多孔質シリカ成型体を造るのに適した工業的に量産する
ことのできるシリカ原料を提供し、このシリカ原料を用
いて形状、大きさの一定した種々の多孔質シリカ成型体
を造るための圧縮成型法ならびに多孔質体でありながら
優れた強度を有する多孔質シリカ成型体を提供すること
にある。
【0011】本発明の別の目的としては、特に原料素材
がシリカであるが故に耐酸性に優れ、且つ成型体の形状
がリング状であるが故に吸着剤、精製剤、消臭剤、触媒
及び、香料、薬剤、その他の薬効成分等の担体として有
用性の高いリング状の多孔質シリカ成型体を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、種々の
シリカ成形物のなかでも電子顕微鏡観察下で表面が滑ら
かで、コールターカウンター法で測定して10乃至80
μmの体積基準メジアン径を有する球状粒子で、JIS
K1464による見掛比重が0.3乃至0.5の範囲に
あり、窒素吸着法による細孔容積が1乃至1.5cc/
gの範囲にある非晶質シリカを用いて得られる成型体で
あって、その最大径が3乃至20mmの範囲にあること
を特徴とする圧縮成型法による多孔質シリカ成型体及び
その製法が提供される。
【0013】更にまた本発明によれば、水銀圧入法で測
定して細孔半径75乃至1000Åのメソポア範囲に
0.2cc/g以上の細孔容積を有することを特徴とす
る多孔質シリカ成型体が提供される。
【0014】また本発明の成型体の最も好適な形状とし
てリング状であることを特徴とする多孔質シリカ成型体
が提供される。
【0015】
【作用】本発明は圧縮成型法による多孔質シリカ成型体
に関するが、詳細には臼と杵との組合せによる金型の種
類によって、例えば丸型、三角型、四角型、長方型、六
角型、リング型、碁石型、ドーナツ型のように大きさ、
形状の一定した種々の成型体を造ることができる圧縮成
形法に適する非晶質シリカ原料に関し、且つそのシリカ
を用いた種々ある成型体の中でも吸着剤、精製剤、消臭
剤、触媒、香料、薬剤等の担体として有用性の高いリン
グ状の多孔質シリカ成型体に関する。
【0016】圧縮成型法の原理は、成型時に原料のシリ
カを充填する受け容器でもあり、しかも成型体の外観形
状を決定する臼と、この臼に圧縮力を伝達して臼中に装
填させたシリカ原料を圧縮成型した後、臼からこの成型
体を打ち出す等の役目をする杵とからなる。
【0017】したがって上記のような作業流れにそって
ホッパから一定量の原料が臼に供給され、杵で圧縮して
連続的に歩留まり良く成型体を得るために、圧縮成型に
用いるシリカ原料に求められる特性としては、例えば、
流れ性等の流動特性、静電付着等の粒子の表面性状、圧
縮時の成形性等の種々なる特性を満足するものでなけら
ばならない。
【0018】本発明によれば、上記の目的にかなうシリ
カとして、内部が多孔質でありながら、見掛け比重が大
きく、しかも粒子表面が滑らかで、表面に割れのない非
晶質シリカ球状粒子であって、下記する(1)乃至
(8)に示すこのシリカ粒子の顕著な特徴を生かすこと
によって上記の問題を解決した圧縮成型体、特にそのリ
ング状成型体とする本願発明にいたったものである。
【0019】即ち、本発明に用いるシリカ球状粒子と
は、 (1)電子顕微鏡観察下で表面が滑らかで、コールター
カウンター法で測定して10乃至80μmの体積基準メ
ジアン径を有する非晶質シリカ球状粒子である。 (2)JISK1464による見掛比重が0.3乃至
0.5の範囲にある非晶質シリカ球状粒子である。 (3)粒子の表面OH基量が2乃至6meq/gの範囲
にある非晶質シリカ球状粒子である。 (4)かさべり度が70%以下である非晶質シリカ球状
粒子である。 (5)N2 吸着法による細孔容積が1.0乃至1.5c
c/gの範囲にある非晶質シリカ球状粒子である。 (6)比表面積が200乃至400m2 /gの範囲にあ
る非晶質シリカ球状粒子である。 (7)水銀圧入法で測定して得られる細孔半径75乃至
1000Å範囲のメソポアの細孔容積が0.2cc/g
以上を有する非晶質シリカ球状粒子である。 (8)700℃以下の温度に仮焼して、水銀圧入法によ
る細孔容積が0.7cc/g以上、比表面積が150乃
至300m2 /gである非晶質シリカ球状粒子である。 等から成る特徴を有する非晶質シリカ球状粒子である。
【0020】前記(1)に記載する特徴から電子顕微鏡
観察下で表面が滑らかで、表面に割れのない非晶質シリ
カ球状粒子であることは、原料シリカがホッパーから臼
中にスムーズに供給され、しかも臼中に一定量がスムー
ズに充填され、圧縮成型が効果的に行われるための必要
条件である。このことは「図1」の走査型電子顕微鏡写
真からすると、明らかに粒子の表面が滑らかである本発
明に用いるシリカ球状粒子はこの条件を満足しているも
のと言える。
【0021】またこのシリカ粒子がコールターカウンタ
ー法で測定される体積基準のメジアン径が10乃至80
μm、好ましくは25乃至60μmの範囲にあること
は、後述するごとく一般に圧縮成型時に生じやすい現象
であるラミネーティング障害を防止する手段の一つであ
る原料シリカの粒度調整を可能にする条件である。
【0022】即ち本発明によれば全シリカ球状粒子中、
コールターカウンター法で測定して25乃至80μmの
体積基準メジアン径を有するシリカ球状粒子が、70乃
至95容量%、特に80乃至90容量%の範囲にあるも
のは成型体の密度が高くなり、強度の高い成型体が得ら
れる事実に符合するものである。
【0023】また(2)の特徴から見掛比重が0.3乃
至0.5の範囲にあることも顕著な特徴である。従来の
ゲル法の非晶質シリカ粒子では、小さいもので0.25
g/ccのオーダーであり、大きいもので0.3g/c
cのオーダーである。これに対して本発明に用いる非晶
質シリカ球状粒子は、一般に0.3乃至0.5,特に
0.35乃至0.45の見掛比重を示すごとく多孔質で
あって嵩ばらないシリカである。これは従来のゲル法の
非晶質シリカ粒子とは異なり嵩ばらず供給性(流れ性)
はもちろんのこと充填性及び成型性にも優れているもの
と言える。
【0024】即ち粒度構成が(1)に記載するものであ
って、上記範囲の見掛比重を有する本発明に用いる非晶
質シリカ球状粒子は、その成形性の目安となる(4)に
記載する「かさべり度」が75%以下、好ましくは70
%以下、より好ましくは65%以下であることからする
と従来のゲル法の非晶質多孔質シリカ粒子の「かさべり
度」が85以上であることに比べると極めて顕著な特徴
といえるのである。
【0025】また(3)に記載するとおり本発明に用い
る非晶質シリカ球状粒子の表面OH基量が2乃至6me
q/gの範囲にあることも重要である。即ち詳細は不明
であるが粒子の表面OH基量は、圧縮成型時の粒子の密
着性及び粒子の結合状態に影響を及ぼすものと思われ、
本発明からすると用いるシリカ粒子の表面OH基量が2
meq/g以下では成型体の密度は高くならず、またそ
の強度は外径5mmの成型体で0.5kg以下であった
し、また表面OH基量が6meq/g以上では粒子の流
れ性が低下し、且つかさべり度が大きくなり良好な成型
体が得られなかった。
【0026】そこでシリカ粒子の表面には、シロキサン
(Si−O−Si)とシラノール(Si−OH)が存在
する。これは赤外分光解析による吸収スペクトルとして
波数3745〜3750cm-1 の範囲には反応性の高
い独立したシラノール基が一つ存在し、波数3650〜
3660cm-1 には独立した二つが隣接して存在し、
また波数3540〜3550cm-1にはSi原子に二つ
の水酸基を持つシラノール基があり、また高温処理にお
いて波数3650cm-1付近に内在するシラノール基も
存在する。これらのシラノール基密度の測定には種々の
方法があるが、シリカ表面のシラノール基は、加熱によ
りH2 Oとして脱水縮合して減量することから簡便法と
して灼熱減量から求められるものである。前述のとおり
シリカ表面には状況の異なる種々のシラノール基が存在
することから、シリカ粒子が圧密状態にある本発明の圧
縮成型体においては、上述のごとくシリカ粒子の表面O
H基量と成形性との事実関係から言えるように、本発明
においても重要であることが理解されるものである。
【0027】更には従来の多孔質シリカ粒子によく見ら
れる現象としてホッパ、臼、杵等の装置の壁に静電気に
よると思われる付着または粒子凝集を起こし、粒子の流
れ性のみならず充填性を阻害させる要因となっていた。
ところが本発明に用いる非晶質シリカ球状粒子において
は粒子の表面OH基量が2乃至6meq/gの範囲にあ
り、その表面OH基量が2meq/g以上においては全
くこのような付着現象は起こさず極めて取り扱いの良い
粒子と言えるものである。
【0028】更にまた本発明に用いる非晶質シリカ球状
粒子が電子顕微鏡観察下で粒子表面が滑らかで、表面に
割れのないシリカ球状粒子でありながら、この粒子を用
いて得られる本発明の成型体についての下記する乃至
に記載する特徴から、本発明の成型体は「図2」の写
真から明らかなように表面は平滑であるが内部は原料シ
リカの特性がそのまま保持された明らかに多孔質成型体
であることを示すものである。
【0029】そこで臼と杵とからなる金型を用いる粉粒
体の圧縮成型法における成型機構は、臼中に原料の粉粒
体を充填し、杵で圧縮していくと次第に粉粒体の空隙は
減少し粒子が密着して成型されるものであり、一般的に
この過程には次の四の段階があると言われている。 第一段階:原料粒子が互いにすべり合って空隙を埋め、
密度が高くなっていく。 第二段階:さらに圧力が大きくなると、粉体内のブリッ
ジが崩され空隙が埋められ、原料自身も変形していく。 第三段階:粒子の一部が破壊され新しい面が生じ、互い
に密着した結合状態がつくられる。 例えば「図3」は、本発明によるリング状成型体の切断
面を示す走査型電子顕微鏡写真である。この写真から第
三段階の状況が明瞭に観察される。 第四段階:原料粒子の加工硬化が極限に達し、さらに圧
力を加えても容積変化が生じなくなって成形される。
【0030】この四つの段階は、実際には、はっきりと
区別されず、部分的に同時に起こっており、また原料粒
子の物性、成型体の形状、圧縮方法などによってもその
形体は変わってくるものである。
【0031】一方、圧縮成型においてこの四つの段階が
進行していく過程で、従来のシリカ原料ではラミネーテ
ィング、キャッピング、バインディング等のいろいろな
障害が発生して良好な成形体を工業的に量産することが
困難であったのである。
【0032】ラミネーティングとは第一には圧縮過程の
途中で原料粉体中に閉じ込められた空気が成型物の最も
弱い部分に集まって、充填構造上に不連続面が発生し、
層状に割れる現象である。第二には応力集中面ができ、
圧縮力が除かれたとき、内部の弾性歪みによって、この
応力集中面が割れる。第三には圧縮速度が早すぎると粉
粒の充填状態の変化する速度が追従できなくなってブリ
ッジが形成され、それ以下には加圧力が伝達されずに軟
弱な層ができて割れる。なお成型体の上面が帽子状に剥
離する現象を区別してキャッピングと称んでいる。
【0033】またバインディングとは、成型物の表面の
一部が臼に接着し成型物にすり傷を生じさせる。またス
ティッキングとは杵の面に粉が付着し、成型体の表面が
くもったり、あばたを生じたりする現象である。
【0034】以上から本発明においては、本発明に用い
た多孔質シリカ球状粒子がもつ上記(1)乃至(4)に
記載する顕著な特徴が生かされて、種々ある圧縮成型体
のなかでも形状的に複雑なリング状の成型体を成型する
にさいしてもラミネーティング、キャッピング、バイン
ディング等のいろいろな障害を起こさずに成型され、こ
のことから後述する実施例に示すとおり本発明は良好な
圧縮成型体を工業的に量産し得ることも理解されるもの
である。
【0035】また得られる成型体は使用する原料の多孔
質シリカ球状粒子がもつ上記(5)乃至(8)に示す多
孔質シリカとしての物性がそのまま生かされ、下記に示
す乃至なる多孔質特性を有する成型体となっている
のも特徴である。しかも下記に記載するごとく優れた
強度を有する成型体がえられる。これによって本発明の
圧縮成型体は吸着剤、精製剤、消臭剤、触媒、香料、薬
剤その他の薬効成分等の担体として有用であることは勿
論であるが、特に素材としてシリカ含有量の高い多孔質
シリカ成型体が提供され、しかも形状がリング状の多孔
質シリカ成型体をも工業的に量産できるという顕著な特
徴を有するものである。
【0036】更に本発明によれば、後述する実施例から
明らかなように本発明で得られたリング状成型体は、成
型直後、十分に大気中で吸湿させた後、更にはガスバー
ナ直火に充分にさらした直後に水に入れても、また特に
この逆においても成型体は全く崩壊もせず、クラックも
発生しないという、驚くほどに耐水性、耐熱衝撃性に優
れたシリカ多孔質成型体である。その詳細は不明である
が、「図3」は本成型体の破断面の電子顕微鏡写真像で
ある。
【0037】「図3」の写真像からすると、その破断面
は明らかに原料シリカ球状粒子の明確な独立した粒界構
造が圧密されたものとして観察されることから、例えば
外部からのストレスが部分的に集中、又は蓄積されるの
ではなくこの粒界周辺に平均して分散されることから、
熱的、又は機械的ショックに対して部分的な歪みによる
クッラクとか、崩壊を発生し難くしているものと想定さ
れる。
【0038】本発明の成型体は、 N2 吸着法による細孔容積が1.0乃至1.5cc/
gの範囲にある多孔質シリカ成型体である。 比表面積が200乃至400m2 /gの範囲にある
多孔質シリカ成型体である。 水銀圧入法で測定して細孔半径75乃至1000Å
に0.2cc/g以上の細孔容積を有する多孔質シリカ
成型体である。 700℃以下の温度に仮焼して、水銀圧入法による
細孔容積が0.7cc/g以上、比表面積が150乃至
300m2 /gである多孔質シリカ成型体である。 その成型体の圧壊強度は外径5mmのリング成型体
で1Kg/cm2 以上であり、しかも成型体の表面は平
滑ですべすべしている多孔質シリカ成型体である(図2
参照)。 等からなる特徴を有するものである。
【0039】
【発明の好適態様】
(非晶質シリカ球状粒子)本発明に用いるような微小球
状の非晶質シリカ粒子には、シリカヒドロゾルの造粒法
によるものと、シリカヒドロゲルのスラリーの造粒法と
によるものとがあるが、前者は見掛比重が大きく、細孔
容積が小さく、一方後者は見掛比重が小さく、細孔容積
が大きい。本発明に用いる多孔質の非晶質シリカ球状粒
子は、ケイ酸アルカリ水溶液と硫酸等の酸水溶液とを瞬
間混合させてゾルのpHが2乃至6になるように反応さ
せゲル化させた後、そのゲルを解砕して水洗し、次いで
必要により100乃至150℃の温度範囲で水熱処理し
て得たシリカヒドロゲルを湿式粉砕し、得られたシリカ
ヒドロゲルのスラリーを噴霧乾燥することにより製造さ
れるが、特にシリカヒドロゲルスラリーをSiO2 濃度
が15乃至25重量%で、50℃を越えない温度で且つ
高速剪断下に粒径が3μm以下となるように湿式粉砕す
ることが重要である。
【0040】本発明の方法によればヒドロゲルの粒径が
3μm以下、好ましくは2.5μm以下、特に好ましく
は2μm以下となるように湿式粉砕することにより、前
記諸特性を満足する非晶質シリカを得ることができる。
ところでシリカヒドロゲルを前記粒径以下に湿式粉砕す
ることは、シリカヒドロゲルが一種の粘弾性体であるた
め、技術的に非常に困難を伴い、一般的には流動性のな
い粘性体になって取り扱いが著しく困難となってしま
う。
【0041】本発明においては、洗浄上がりのゲルを必
要に応じて例えばコロイドミル等で50μm以下、特に
20μm以下に粗砕したシリカヒドロゲルスラリーを、
従来全く考えられていなかったSiO2 として15乃至
25重量%、特に18乃至20重量%の高濃度とし、し
かも50℃を越えない温度で、それ自体公知の摩擦円板
ミル例えばウィリー.A.バッコーフェン社製のダイノ
ーミルが好適に使用されるが、高速剪断が可能であれば
他の湿式粉砕機を使用することができる。この方法で流
動性があって取り扱いが容易な粒径が3μm以下、特に
2μm以下に微細粉砕されたシリカヒドロゲルスラリー
を調製することができた。
【0042】このシリカヒドロゲルスラリーにおいて
は、温度の影響も顕著であり、一定温度を越えると、ま
た剪断力が小さくなると、もはや粉砕が困難となるが本
発明では、SiO2 濃度を高濃度とし、温度を50℃以
下、特に40℃以下で且つ高速剪断下に湿式粉砕するこ
とにより前記粒径の微細シリカヒドロゲルスラリーをそ
のまま噴霧乾燥造粒に賦すこともできるし、またそれ自
体公知の方法で得られる沈降法非晶質シリカのスラリー
と混合して噴霧乾燥造粒してもよい。
【0043】以上から高濃度のシリカヒドロゲルスラリ
ーを噴霧乾燥することができ装置コストやエネルギーコ
ストを低減させながら高生産性で本発明に用いる粒径が
20乃至90μm、好ましくは25乃至80μmの範囲
にある非晶質シリカ球状粒子を調製することができた。
(図1を参照)。
【0044】本発明においては成型用原料として得られ
たこのシリカ球状粒子を必要により分級し、次いで10
0乃至500℃で乾燥または仮焼して使用することもで
きる。
【0045】(圧縮成型体)種々ある圧縮成形体の中で
も形状がリング状である成型体について以下に説明をす
る。本発明においては、(株)菊水製作所製の回転式粉
末成形機(ロータリー打錠機)コレクトD555−C1
5Rを用いてリング状の多孔質シリカ成型体を造った。
このロータリー打錠機の成型機構は、水平に回転するタ
ーンテーブルの同一円周上に臼が等間隔に埋め込まれて
おり、ターンテーブルが回転する間にこの臼に原料が充
填され、杵で圧縮され、次いで杵で打出しされる。この
一連の操作が、連続的に行われる。なお下杵は臼にはめ
込まれて臼と一緒に移動し、上杵は臼と同じ位置に組み
込まれ同じく臼と一緒に回転し、且つ上・下臼はそれぞ
れ上下運動して一連の操作が行われてシリカ成型体が得
られる。
【0046】成型最大径は3乃至15mm,また最大充
填高さも3乃至15mm範囲に調節できるが、本発明に
おいては外径5mm,内径2mm、高さ6mmのリング
状の多孔質シリカ成型体を圧縮圧30kg/cm2 の範
囲で連続的に造った。
【0047】体積基準メジアン径が8乃至110μmの
範囲にあって、且つ25乃至80μmの体積基準メジア
ン径を有するシリカ球状粒子が、全シリカ球状粒子中8
0乃至95容量%になるように調整された本発明による
シリカ球状粒子100kgに1kgのステアリン酸マグ
ネシウムを加えてドラム回転混合機で良く混合したもの
をホッパーから供給し、ターンテーブルの回転が10乃
至15rpmの条件に調整して成形を行った。
【0048】なお一般的に成型体を造るにおいては、主
原料の特性を損なわぬ範囲において成形性を向上させる
ための補助剤として賦形剤、結合剤、滑沢剤等の成型助
剤が用いられるが、本発明においては賦形剤、結合剤等
は前述のとおり優れた成形性を有することから特に必要
とするものではないが、滑沢剤は成型すべき原料粉粒体
の内部摩擦および外部摩擦を減少させて充填性、圧縮
性、特に圧縮開放時に外力による成型体への応力集中を
抑制するなどの目的で打錠前に通常原料に対して0.5
乃至1%添加されるものである。
【0049】内部摩擦を小さくする滑沢剤としては、タ
ルク、エアロジル、澱粉、酸化マグネシウム、ケイ酸塩
などが用いられている。一方外部摩擦を小さくするもの
としてタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カリウム、シリコンオイル、流動パラフィン、ポリエチ
レングルコール等が用いられ、本発明ではステアリン酸
マグネシウムを用いた。
【0050】また必要において無機質の賦形剤、結合剤
としてカオリン、ハロイサイト、木節粘土、蛙目粘土等
のカオリン族粘土鉱物、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、バイデライト等のモンモリロナイト族粘土鉱物、又
はサポナイト、スチブンサイト、ヘクトライト等の三−
八面体層型粘土鉱物の粉末をシリカ原料に対して0.1
乃至10重量%の範囲で使用しても良い。
【0051】更にまた本発明における圧縮成型法による
成型体は上記したリング状に限定されるものではなくシ
リンダー(臼)と上・下ピストン(上杵、下杵)との組
合せからなる金型の種類によって、例えば丸型、三角
型、四角型、長方型、六角型、リング型、碁石型等も可
能であり、しかも前記ロータリー打錠機を用いることに
より最大成型径は一般に3乃至30mmの範囲まで成型
物を提供することができるものである。
【0052】また本発明においては、主原料がシリカ単
独に限定されるものではなく、必要に応じて周期率表第
II族のMg,Zn,第IV族のTi,Zr,第V族のN
b,Sb,Bi、第VIII族のFe,Co,Ni,第I族
のCu,Ag,第III 族のAl,B等の水酸化物、酸化
物をシリカ原料に対して0.1乃至30%の範囲で使用
しても良い。
【0053】(用途)以上から本発明の圧縮成型法によ
れば、金型の種類によって、例えば丸型、三角型、四角
型、長方型、六角型、リング型、碁石型等の大きさ、形
状の一定した種々の成型体を造ることができ、しかも用
いる多孔質シリカ原料の特性が保持されたままの成型体
が得られ、特にリング状の多孔質シリカ成型体に関して
はそれ自体、吸着剤、精製剤、触媒として用いられるば
かりでなく、例えば精製、消臭、触媒、香料、薬剤その
他の薬効等の成分を担持させる担体として利用すること
が出来る。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、電子顕微鏡観察下で表
面が滑らかで、コールターカウンター法で測定して10
乃至80μmの体積基準メジアン径を有する球状粒子
で、見掛比重が0.3乃至0.5の範囲にあり、N2
着法による細孔容積が1乃至1.5cc/gの範囲にあ
る非晶質シリカを、シリンダー中に充填し、ピストンで
圧縮する圧縮成型法で成形最大径が3乃至10mm範囲
にある各種の形状からなる成型体を効率よく工業的に造
ることができた。その大きな要因は本発明に用いた球状
シリカ粒子のかさべり度が30kg/cm2 荷重におい
て75%以下という極めて成形性に優れた特徴を有して
いるためと想定され、また得られた多孔質シリカ成型体
はメソポアの細孔容積が0.2cc/g以上、700℃
以下の温度に仮焼したものでも細孔半径18乃至220
×104 Å範囲において0.7cc/g以上の細孔容積
を有する耐水性、耐酸性、耐熱及び熱衝撃に優れた多孔
質シリカ成型体である。特に工業的に有用性の高いリン
グ状シリカ成型体においてはそれ自体、吸着剤、精製
剤、触媒として用いられるばかりでなく、例えば精製、
消臭、触媒、香料、薬剤その他の薬効成分を担持させる
担体として有用な成型体を提供できた。
【0055】
【実施例】本発明を次の例で説明をする。ゲル法シリカ
ゲル(A法)及び沈降法シリカ(B法)で得られた非晶
質シリカゲルを湿式粉砕して得られたシリカヒドロゲル
スラリーをスプレードライヤーで噴霧造粒し、圧縮(打
状)成型用原料とした。 〔ゲル法シリカゲル(A法)〕SiO2 として22wt
%の3号ケイ酸ソーダと45wt%硫酸とを反応させて
シリカヒドロゾルを調製して、ついで放置させてゲル化
させて得られた寒天状のシリカヒドロゲルを2〜5mm
大に解砕した後十分に水洗した。ついで135℃の熱水
下で4hr熟成させたこのゲルを奈良式粉砕機M−4型
を用いて粗粉砕してSiO2 として20wt%の水性ス
ラリーとした後、スラリーをシンマルエンタープライゼ
ス社製のダイノミルで高速剪断下に湿式粉砕をし、平均
粒径2.0μのシリカヒドロゲルスラリーを調製した。
【0056】〔沈降法シリカ(B法)〕15wt%の食
塩水溶液中にSiO2 として22wt%の3号ケイ酸ソ
ーダと10wt%の塩酸とを同時注加させる。なお同時
注加中はpH=4に維持しながら、2hrの熟成を行っ
た。ついで濾過、水洗して非晶質シリカゲルを得た。 同時注加温度:50〜85℃ 熟成温度:50〜85℃ 次いで得られた沈降法シリカ(B法)のシリカヒドロゲ
ルをSiO2 として12重量%のスラリーに調製した。
またこのシリカヒドロゲルスラリーの平均粒径は4.3
μであった。A法、B法によるシリカヒドロゲルスラリ
ーを用いて、打状成型用原料を調製し、その性状と打状
成型品について表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】(サンプルA−1乃至A−3)A法により
得られたスラリー単味をアシザワニロ社製SD−25の
スプレードライヤーを用いて噴霧(入口温度240℃、
出口温度100℃)させて、「表1」に示した平均粒径
の非晶質球状シリカゲルを調製した。
【0059】(試験方法) 1.BET比表面積(m2 /g) カルロエルバ(CARLO−ERBA)社製の自動N2
吸着装置(Sorptomatic Series 1
800)を用い、BET式で算出する。 2.細孔容積 カルロエルバ(CARLO−ERBA)社製の自動N2
吸着装置(Sorptomatic Series 1
800)を用い、10-2mmHg以下、250℃で2h
r脱気後、液体窒素温度下、N2 圧力735mmHgで
のN2 吸着量から標準状態のN2 吸着量(VO)を算出
し、下記式から細孔容積を求めた。
【数1】細孔容積(V)=VO×1.555×10
-3(ml/g)
【0060】3.見掛比重 150℃で3時間乾燥した所定重量(Wg)の試料を5
00mlのメスシリンダーに入れ、よくたたき込みをし
たあと、試料の充填容積(Vml)を測り、下記式より
見掛比重(BD)を求めた。
【数2】見掛比重(BD)=W/V 4.平均粒径、粒度 コールターカウンター法(Coulter Count
er,ModelTA−2型)によって得られた累積粒
度曲線の体積分布50%点から求められる粒径を平均粒
径とした。粒度(%)とは全粒度範囲において、25〜
100μ間でしめる割合を示す。
【0061】5.水銀圧入による細孔容積測定 測定装置は、Micromeritics Auto
pore 2.9220型を使用。水銀の接触角14
1.3°、水銀の表面張力480dyne/cm。試料
に対する水銀の圧P(atm)に対応して、使用の細孔
半径r(A)はr=75000/Pの関係式よりPに対
応する細孔半径に圧入された水銀の容積V(cc/g)
を読みとり細孔容積:V(cc/g)を求める。r=7
5Å〜1000Åの細孔容積:Vl(cc/g)とす
る。r=18Å〜220×10000Åの全細孔容積:
V2(cc/g)とする。
【0062】6.かさべり度測定 内径5mm,高さ20mmの容器に、各種シリカ粉末を
高さ17mmまで流し込み、内径4.95mm長さ60
mmのピストンにより粉末充填層に荷重(30kg/c
2 )をかける。30kg/cm2 の荷重に対応して、
粉末充填層高さは減少する。 荷重をかける前の粉末充填層高さをH0 (mm) 荷重をかけた後の粉末充填層高さをH1 (mm)とする
とある特定の荷重、W(kg/cm2 )でのかさべり度
は次に示される。
【数3】かさべり度(%)=(H1/H0)×100
【0063】7.圧壊強度 アイコーエンジニアリング製卓上加重測定器(加重20
0kg用)、Model 1310Dを用いる。成型品
20個の平均値を圧壊強度と定義する。成型品の一例と
しては、外径5mm,2mm,高さ6mmである。 8.非晶質球状シリカゲルの表面OH基量測定方法 各非晶質球状シリカゲルを110℃、3hr乾燥後、乾
燥品重量基準で950℃、3hrでのIg Loss
(Ig %)を求める。次式によりOH基量(meq/
g)を求める。
【数4】OH基(meq/g)=Ig×(34/18) ×(1/100) ×(1/17)
×103
【0064】(サンプルB−1乃至B−3)サンプルB
−1乃至B−3の非晶質球状シリカゲル製造方法につい
ては、SiO2 基準の重量比で 〔ゲル法シリカゲル(A法)〕:〔沈降法シリカ(B法)〕 =70:30(サンプルB−1) 50:50(サンプルB−2) 30:70(サンプルB−3) になるように混合したものを、サンプルA−1と同様の
製造方法により球状非晶質球状シリカゲルを得た。A:
Bの混合割合に応じてサンプルB−1,サンプルB−
2,サンプルB−3とし、各非晶質球状シリカゲルの性
状を「表1」に示す。
【0065】(サンプルB−4)12重量%濃度の沈降
法シリカ(B法)のスラリーをサンプルA−1と同様の
製造方法で非晶質球状シリカゲルを得た。
【0066】(サンプルB−5)非晶質球状シリカゲル
製造方法は、2Lの3号ケイ酸ソーダ溶液(SiO2
して22.3wt%,Na2 Oとして7%)を471g
採取し、純水327mL加えた後20℃に調節した恒温
槽に入れ、攪拌しながら全SiO2 分に対しポリアクリ
ロアマイド無水物として28%になるようにアクリロア
マイドポリマー水溶液(10wt%水溶液、平均分子量
50万)を加えた。ついで7%硫酸402gを加え(注
加終了のPHは10.7であった)注加終了後攪拌を止
め(全液中のSiO2 濃度として7.0%に相当す
る)、そのまま12hr静置させた後濾過し、得られた
シリカケーキを純水中に再分散させ、PHは3.0にな
るまで7%硫酸を加え十分攪拌した後、濾過、水洗し、
さらに110℃で乾燥した後サンプルミルで粉砕し、次
いで同様にして「表1」に示した非晶質球状シリカゲル
を得た。
【0067】リング状圧縮(打状)成型方法 非晶質球状シリカゲルを原料とした打錠成型方法は、打
錠機は、(株)菊水製作所、粉末成型機、コレクトD5
55−C15Rを用い、各臼、杵に550℃焼成基準と
して充填高さ17〜24mm、充填重量75mgになる
ように非晶質球状シリカゲルを供給し、リング状に打錠
後、リング打錠成型体として(550℃、2hr焼成基
準)外径5mm,内径2mm,高さ6mmになるように
荷重(30kg/cm2 )をかけた。打錠成型品を55
0℃、3hr大気中で焼成後、下記に記載している試験
方法により、Hg圧入細孔容積、圧壊強度(6mmの高
さ方向)を求める。サンプルA−1乃至A−3の非晶質
シリカゲルを用いて得られ、リング状打錠成型品を実施
例1〜3とし、サンプルB−1〜B−5を用いて得られ
たものを比較例1〜5とする。なお実施例1には、外径
5mm,10mmの成型を行った。
【0068】
【表2】
【0069】以上の結果、特に実施例と比較例とを比較
すると、原料非晶質シリカの見掛比重及びかさべり度等
に圧縮成型性に及ぼす優位差を理解することが出来る。
更に実施例1、実施例3の成型体について、ガスバーナ
直火の熱処理後、ただちに水中に浸漬する方法で、各サ
ンプルの耐熱衝撃性を試験した結果、本発明の実施例に
相当する実施例1,実施例3はこの試験をくり返し行っ
ても、クッラクも崩壊もしないが、比較例3及び4は1
回の試験で崩壊してしまった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いた微小球非晶質シリカの粒子構
造を表す顕微鏡写真である。
【図2】 本発明のリング状成型体破断面の表面状態を
表す顕微鏡写真である。
【図3】 本発明のリング状成型体の外観を示す写真像
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 21/08 Z 35/02 301 A 35/08 Z C01B 33/18 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子顕微鏡観察下で表面が滑らかで、コ
    ールターカウンター法で測定して10乃至80μmの体
    積基準メジアン径を有する球状粒子で、JISK146
    4による見掛比重が0.3乃至0.5の範囲にあり、窒
    素吸着法による細孔容積が1.0乃至1.5cc/gの
    範囲にある非晶質シリカを用いて得られる成型体で最大
    径が3乃至30mmの範囲にあることを特徴とする多孔
    質シリカ成型体。
  2. 【請求項2】 前記記載の非晶質シリカの比表面積が2
    00乃至400m2 /gの範囲にあることを特徴とする
    請求項1記載の多孔質シリカ成型体。
  3. 【請求項3】 水銀圧入法で測定して細孔半径75乃至
    1000Åのメソポアを有し、細孔容積が0.2cc/
    g以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔質シ
    リカ成型体。
  4. 【請求項4】 700℃以下の温度で仮焼して、水銀圧
    入法による全細孔容積が細孔半径が18乃至220×1
    4 Å範囲において0.7cc/g以上を有する請求項
    1記載の多孔質シリカ成型体。
  5. 【請求項5】 多孔質シリカ成型体がリング状であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4記載の多孔質シリカ成型
    体。
  6. 【請求項6】 電子顕微鏡観察下で表面が滑らかで、コ
    ールターカウンター法で測定して10乃至80μmの体
    積基準メジアン径を有する球状粒子で、JISK146
    4による見掛比重が0.3乃至0.5g/ccの範囲に
    あり、窒素吸着法による細孔容積が1.0乃至1.5c
    c/gの範囲にある非晶質シリカをシリンダー中に充填
    し、ピストンで圧縮して最大径が3乃至30mmの範囲
    にある成型体とすることを特徴とする圧縮成型法による
    多孔質シリカ成型体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリカ球状粒子のかさべり度が30
    kg/cm2 荷重において70%以下であることを特徴
    とする請求項6記載の多孔質シリカ成型体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記の非晶質シリカがコールターカウン
    ター法で測定して10乃至80μmの体積基準メジアン
    径を有するシリカ球状粒子が、全シリカ球状粒子中80
    乃至95容量%である請求項6記載の多孔質シリカ成型
    体の製造方法。
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