JPH0729129B2 - 耐サワー性に優れたオーステナイト系高合金継目無鋼管の延伸圧延方法 - Google Patents

耐サワー性に優れたオーステナイト系高合金継目無鋼管の延伸圧延方法

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JPH0729129B2
JPH0729129B2 JP9826690A JP9826690A JPH0729129B2 JP H0729129 B2 JPH0729129 B2 JP H0729129B2 JP 9826690 A JP9826690 A JP 9826690A JP 9826690 A JP9826690 A JP 9826690A JP H0729129 B2 JPH0729129 B2 JP H0729129B2
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B19/00Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work
    • B21B19/02Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work the axes of the rollers being arranged essentially diagonally to the axis of the work, e.g. "cross" tube-rolling ; Diescher mills, Stiefel disc piercers or Stiefel rotary piercers
    • B21B19/06Rolling hollow basic material, e.g. Assel mills

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐サワー性に優れたオーステナイト系高合金
継目無鋼管のエロンゲータ圧延方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
高温、高圧のH2S、CO2ガスが存在するサワーガス油井で
は、耐食性、耐応力腐食割れ性(以下、耐サワー性と呼
ぶ)に優れたオーステナイト系高合金継目無鋼管が油井
管あるいはラインパイプとして用いられるようになって
いる。これらのオーステナイト系高合金鋼は、耐サワー
性を得るため、Cr、Ni、Moを多量に含有するため、一般
に熱間加工性に乏しく熱間加工中に割れが生じやすい。
そのためオーステナイト系高合金鋼管は、管内外面に造
管割れの発生しやすい圧延法ではなく、ユージンセジュ
ルネ方式に代表される熱間押出法で製造されてきた。し
かし、熱間押出法では大型のプレス装置の設置(例え
ば、プレス能力3000ton)が必要である。また、このよ
うな大型の装置を設置しても、油井管やラインパイプと
して最近需要の高まってきている長尺管や中径、大径の
管の製造には多くの制約があり、生産能率の面からも効
率的とはいえない。従って、エロンゲータあるいはマン
ドレルミル等の圧延法によるオーステナイト系高合金継
目無鋼管の製造が望まれている。
これに対して、従来より、オーステナイト系高合金鋼ま
たはオーステナイト系ステンレス鋼の圧延法による継目
無鋼管の製造を可能とするため、 素材の熱間加工性を改善する方法(例えば特開昭60−
114554号公報)、 オーステナイト系ステンレス鋼を延性の良好な温度域
で圧延する方法(例えば、特開昭63−154205号公報) が有効であると考えられ、一応の成果を上げてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、以上の方法には、それぞれ次のような課題が存
在する。
従来技術のように、P、Sの熱間加工性に悪影響をも
たらす不純物を低減したり、Ca、REM等を添加して結晶
粒界を清浄にすることは確かに素材の熱間加工性を高め
て、造管における割れ発生の低減が期待できる。しか
し、本発明の対象とするエロンゲータ圧延は剪断変形が
大きく、造管時の割れが生じやすい圧延法であるので、
素材の熱間加工性を改善するだけでは割れの発生を皆無
にすることは困難であり、後述するように第2図に示す
ような割れが生じる。
一方、従来技術の特開昭63−154205号公報ではオース
テナイト系ステンレス鋼のマンドレルミル圧延の下限温
度を素材の熱間加工性より決定し、割れの発生を防止し
ている。しかし、オーステナイト系高合金鋼では、高温
脆化温度がステンレス鋼よりも低くなるので圧延下限温
度のみならず圧延上限温度の規制が必要となる。このこ
とは、特開昭63−154205号公報の実施例においてもSUS3
47について指摘されている。また、エロンゲータ圧延で
は剪断変形が大きい上に、オーステナイト系高合金鋼の
変形抵抗が大きいため加工発熱量が大きく、この点から
も圧延上限温度の規制が必要となる。さらに、剪断変形
が大きいエロンゲータ圧延では圧延下限温度、圧延上限
温度内であっても変形量がある限界を越せば、割れが発
生してしまう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記従来技術の欠点を有利に解消するもので、
化学成分の調整により素材の熱間加工性を良好にした上
で、エロンゲータ圧延の温度と圧延歪を適性範囲内に規
制して造管中の割れの発生を防止するというものであ
る。
すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で、C
≦0.03%、Si≦0.50%、Mn≦0.50%、Cr:20〜25%、Ni:
20〜40%、Mo:2.5〜4.5%、Cu≦2.0%、Ti≦1.5%、Al
≦0.07%、P≦0.02%、S≦0.0020%、N≦0.03%、Ca
≦0.0060%、O≦0.0050%を含み、残部鉄及び不可避的
不純物よりなる高合金継日無鋼管の圧延に際し、穿孔後
のシェル内外面温度を、延伸圧延前に、内面は1050℃以
下、外面は950℃以上とし、かつ次式 ここで、 ε=1n(t2/t1) ε=1n(l2/l1) εθ=−(ε+ε) で、 t1:延伸圧延前のシェル厚み(mm) t2:延伸圧延後のシェル厚み(mm) l1:延伸圧延前のシェル長さ(mm) l2:延伸圧延後のシェル長さ(mm) で表す圧延歪εを1.0以下として圧延することを特徴と
する耐サワー性に優れたオーステナイト系高合金継目無
鋼管の延伸圧延方法にある。
〔作 用〕
本発明者らは、第1表に示すようにオーステナイト系高
合金鋼のエロンゲータ圧延試験を繰り返して行い、オー
ステナイト系高合金鋼に生じる割れは第2図(a)、
(b)に示す割れに分類できることを確認した。第2図
(a)は、管の内部の内表面側から内表面にかけて管が
二重管状に剥離する割れで、第2図(b)は圧延のメタ
ルフローに沿って外面に生じた割れである。割れ部の金
属組織の詳細な観察の結果、第2図(a)の割れは加工
発熱により結晶粒界が溶融して生じた高温脆化型の割れ
で、第2図(b)の割れは管外面の温度が低下して圧延
材の変形能が低下したことにより生じた低温脆化型の割
れであることが判明した。そこで、第2表に示したオー
ステナイト系高合金鋼について高温脆化型及び低温脆化
型の割れが生じないエロンゲータ圧延温度条件を検討し
た結果、高温脆化型の割れはエロンゲータ圧延開始前の
管内面温度の上限(Tmax)を、低温脆化型の割れはエロ
ンゲータ圧延開始前の管外面温度の下限(Tmin)をそれ
ぞれ規制することにより防止可能であることを見出し
た。その結果、エロンゲータ圧延では第1図に示すよう
に割れの生じない適性温度範囲として、TmaxとTminで決
まる温度範囲が存在することを見出した。
第1図は、 ここで、 ε=1n(t2/t1) ε=1n(l2/l1) εθ=−(ε+ε) で、 t1:延伸圧延前のシェル厚み(mm) t2:延伸圧延後のシェル厚み(mm) l1:延伸圧延前のシェル長さ(mm) l2:延伸圧延後のシェル長さ(mm) で表す圧延歪εが1.0以下となる条件で求めたものであ
る。このεは一般に相当歪と呼ばれる歪で、本発明では
簡単のため、肉厚方向歪ε、長手方向歪εから、変
形前後での体積一定条件により周方向歪εθを求め、こ
れらの3つの歪から算出したものである。以後本発明に
おいてεは本定義に従うものとする。
次にTmaxとTminで決まる温度範囲に及ぼすεの影響を調
べたところ、εを1.0以下としても第1図の範囲が若干
拡大される程度である。しかし、εが1.0を越すと、た
とえ第1図に示す適正温度範囲でも、加工発熱が大きく
なり高温脆化型の割れが生じるとともに、適正温度範囲
内の低温域で低温脆化型の割れが生じやすくなる。ま
た、圧延荷重の面からも変形負荷が大きくなるので、事
実上圧延は困難になることも知見するに至った。
すなわち、本発明は耐サワー性と熱間加工性に優れた合
金成分にエロンゲータ圧延における適正な温度、歪条件
を適用することを骨子とする耐サワー性に優れたオース
テナイト系高合金継目無鋼管の延伸圧延方法である。
次に本発明における成分の限定理由について述べる。
Cは、粒界に炭化物を析出することにより、サワー環境
中で耐応力腐食割れ性を低下する。このため、炭化物の
析出温度域に保持されたとき短時間で析出しない含有量
である0.03%以下に低減する。
Si及びMnは脱酸成分として必要な成分であるが、それぞ
れ0.50%を越えて添加する鋼中に非金属介在物が残存し
熱間加工性を低下するので上限を0.50%とした。
Crはサワー環境中での耐食性を向上させる元素であり、
孔食を防ぐために20%以上の添加が必要である。一方25
%を越して添加してもその効果は飽和する上、フェライ
トが生成すればかえって耐応力腐食割れ性を低下するの
で20〜25%に限定する。
Niはサワー環境中での耐食性を向上させる元素である
が、20%未満では耐応力腐食割れ性が十分ではなく、一
方40%を越せばその効果が飽和し、いたずらにコスト増
を招くため20〜40%に限定する。
Moは応力腐食割れ性の発生、伝播を抑制する。2.5%未
満の添加では効果が小さく、4.5%を越して添加すれば
フェライトを形成して逆に耐応力腐食割れ性を劣化する
ので2.5〜4.5%に限定する。
Cuはサワー環境中での隙間腐食の発生を抑制する効果が
ある。しかし、その効果は2.0%を越えると飽和するの
で2.0%以下とする。
Tiは脱酸剤として添加する。また、TiはCを固定し、粒
界に炭化物が析出するのを防止するので鋭敏化防止元素
としても添加する。しかし、多量に添加すると熱間加工
性を阻害するので1.5%以下とする。
Alは有効な脱酸元素である。しかし、0.07%を越して添
加すると耐応力腐食割れ性を劣化するので0.07%以下と
する。
Pは熱間加工性及びサワー環境中での耐応力腐食割れ性
を低下する。しかし、0.02%以下であれば実用上問題な
いので0.02%以下とする。
Sは本発明で対象とする高合金鋼の熱間加工性を著しく
劣化する。0.0020%を越せば、圧延中の割れの発生を防
止することが困難となるので0.0020%以下とする。
Nは熱間での変形抵抗を増大し、高合金鋼の圧延を困難
にするため0.03%以下とする。
Caは脱酸剤として使用するとともに硫化物の形態を制御
して熱間加工性を向上する有効な元素である。しかし、
多量に添加すると鋼中の非金属介在物量が増大し、かえ
って熱間加工性を低下するので0.0060%以下とする。
Oは酸化物系介在物を生成して応力腐食割れの起点とな
るとともに熱間加工性を劣化させるので、0.0050%以下
とする。
次ぎに、本発明における延伸圧延前の温度条件と延伸圧
延における歪条件について述べる。
本発明で対象とした高合金鋼では、エロンゲータ圧延
で、第2図に示すように高温脆化型と低温脆化型の割れ
が生じる。高温脆化型の割れは加工発熱とロール、プラ
グへの熱移動により、管内部が局所的に溶融脆化温度に
達し、これに剪断歪が加わって生じる。この高温脆化型
の割れを防止するには、εが1.0以下の場合、第1図に
示すように加工発熱を考慮して延伸圧延前の管内面温度
を1050℃以下にすることが必要である。一方、低温脆化
型の割れは管外表面の温度が低下し、変形能が低下する
ことにより、管外面にメタルフローに沿って生じる。こ
の低温脆化型の割れを防止するには、εが1.0以下の場
合、第1図に示すように延伸圧延前の管外面温度を950
℃以上にすることが必要である。
また、本発明では延伸圧延における歪εを1.0以下にす
る。これはεが1.0を越すと、エロンゲータ圧延で割れ
が生じない温度域が極めて限られ、事実上圧延が困難と
なるためである。
〔実施例〕
第2表に化学成分を示す高合金鋼を溶解能力10tonの真
空溶解炉で溶製し、連続鋳造で□280mmの角ブルームを
製造した。分塊圧延により□215mmまで圧延し、穿孔圧
延の素材とした。穿孔は、押し込み穿孔法のプレスロー
ルピアサーで行った。穿孔後のシェル(素管)のサイズ
は、外径256mm、肉厚64.8mmで、これを2ロールタイプ
のエロンゲータで延伸した。
第1表に、第2表でA、B、C、Dで示した各高合金鋼
に本発明の延伸圧延条件を適用した場合の条件と割れの
発生状況を比較例とともに示す。
延伸圧延前の温度コントロールはプレスロールピアサー
とエロンゲータ間の冷却床にて行った。自然放冷だけで
は所望の温度コントロールが困難であるため、場合に応
じて、シェル内面の冷却装置及びシェル外面の加熱、保
温装置を設置して温度を変化させた。また、延伸圧延歪
εは主として肉厚方向の圧下率と長手方向の延伸率を変
えることにより変化させた。
本発明1〜4では熱間加工性に優れた化学成分の選定と
延伸圧延における適正な温度と歪の制御により、圧延時
に割れの発生がなく、良好な表面品質の継目無鋼管が得
られた。
しかし、比較例1−1、2−1、3−1、4−1では延
伸圧延前管内面温度が1050℃よりも高いため、エロンゲ
ータ圧延時にいずれも高温脆化型の割れが生じた。ま
た、比較例1−2、2−2、3−2、4−2では延伸圧
延前管外面温度が950℃よりも低いため、エロンゲータ
圧延時にいずれも低温脆化型の割れが生じた。さらに、
比較例1−3、2−3、3−3、4−3、では延伸圧延
歪が1.0よりも大きいため、比較例1−3、2−3では
低温脆化型の割れが、比較例3−3、4−3では高温脆
化型の割れと低温脆化型の割れの両方が生じた。
〔発明の効果〕 本発明により、従来は熱間押出法によらなければ製造が
困難であった耐サワー性に優れたオーステナイト系高合
金継目無鋼管を圧延法により製造でき、しかも割れの発
生のない表面品質の良好な鋼管が得られるので工業的効
果は甚だしく大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は延伸圧延における歪εが1.0以下の場合、延伸
圧延開始前の管内面温度を1050℃以下、管外面温度を95
0℃以上とすれば圧延時に割れが生じず、延伸圧延開始
前の管内面温度が1050℃を越せば圧延中に高温脆化型の
割れが、延伸圧延開始前の管外面温度が950℃未満とな
れば低温脆化型の割れが生じることを模式的に示した図
面である。 また、第2図は高合金鋼管の延伸圧延において生じる2
つのタイプの割れを示した管断面模式図で、(a)は加
工発熱により管内部の内表面側が高温脆性温度に達し、
1で示す二重管状の割れが生じることを、(b)は管外
面の温度低下により変形能が低下し、2で示すメタルフ
ローに沿った割れが生じることを示す図面である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C≦0.03% Si≦0.50% Mn≦0.50% Cr:20〜25% Ni:20〜40% Mo:2.5〜4.5% Cu≦2.0% Ti≦1.5% Al≦0.07% P≦0.02% S≦0.0020% N≦0.03% Ca≦0.0060% O≦0.0050% を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる高合金継日
    無鋼管の圧延に際し、穿孔後のシェル(素管)内外面温
    度を、延伸圧延前に、内面は1050℃以下、外面は950℃
    以上とし、かつ、次式で表す圧延歪εを1.0以下に規制
    して圧延することを特徴とする耐サワー性に優れたオー
    ステナイト系高合金継目無鋼管の延伸圧延方法。 ここで、 ε=1n(t2/t1) ε=1n(l2/l1) εθ=−(ε+ε) で、 t1:延伸圧延前のシェル厚み(mm) t2:延伸圧延後のシェル厚み(mm) l1:延伸圧延前のシェル長さ(mm) l2:延伸圧延後のシェル長さ(mm)
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