JPH07291114A - 流体式リターダ装置の警報方法 - Google Patents

流体式リターダ装置の警報方法

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JPH07291114A
JPH07291114A JP11180094A JP11180094A JPH07291114A JP H07291114 A JPH07291114 A JP H07291114A JP 11180094 A JP11180094 A JP 11180094A JP 11180094 A JP11180094 A JP 11180094A JP H07291114 A JPH07291114 A JP H07291114A
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JP
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pressure
air
closed circuit
liquid
alarm
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JP11180094A
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English (en)
Inventor
Hideo Ogawa
秀夫 小川
Yoshihiko Suzuki
義彦 鈴木
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 警報によつて減圧手段、閉回路、空液変換装
置と閉回路とを接続する配管、空液変換装置等に故障が
あることを速やかに知ることができ、制動トルクが適正
に発生しない危険な状態を解消できると共に、作動液体
の漏れに伴う流体式リターダの損傷が防止される流体式
リターダ装置の警報方法の提供。 【構成】 車輪と共に回転する回転軸10に設けられ、
常時作動液体が充填される流体式リターダ11と、流体
式リターダ11の作動液体入口11aと作動液体出口1
1bとの間を接続する閉回路21と、閉回路21内の作
動液体に空気圧を作用させる空液変換装置25と、圧力
空気源4から空液変換装置25に供給する空気の圧力を
減圧する減圧手段(32,33,34)とを備え、圧力
検出手段8によつて閉回路21の圧力を検出し、閉回路
21の圧力が所定範囲にあるか否かを判断し、閉回路2
1の圧力が所定範囲にない場合に警報手段48によつて
警報する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体式リターダ装置の
警報方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】トラック、バス等の大型車
両において、流体式リターダ装置を装着するものが知ら
れている。流体式リターダ装置は、降坂時、高速からの
減速時等に制動トルクを発生させ、摩擦ブレーキ装置の
温度上昇によるフェードを防止し、車両の安全性及び摩
擦材の耐久性を向上させる。流体式リターダ装置は、プ
ロペラシャフト等の車輪と共に回転する回転軸に固定可
能なロータと、車体側に回転不可能に固定されるステー
タとを備える流体式リターダにおいて、クラッチ装置に
よつてロータを回転軸側に接続固定して、ロータによつ
て作動液体を攪拌し、作動液体の摩擦損失及びステータ
への衝突損失によつて制動トルクを発生させる。
【0003】しかして、流体式リターダ装置による制動
トルクは、流体式リターダ内の作動液体の圧力に応じて
得られ、また、作動液体の圧力を増減調節して制動トル
クが調節されるため、流体式リターダ内の作動液体に所
定の圧力が生じていない場合には、所定の制動トルクが
得られず危険であるのみならず、作動液体の漏れを伴う
ときには流体式リターダが損傷を受ける。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、車輪と
共に回転する回転軸10に設けられ、常時作動液体が充
填されると共に、ロータ16及び非回転のステータ15
を備える流体式リターダ11と、駆動装置(17)によ
つて駆動され、該ロータ16と該回転軸10とを接続又
は切断するクラッチ装置13と、該流体式リターダ11
の作動液体入口11aと作動液体出口11bとの間を接
続する閉回路21と、該閉回路21内の作動液体に空気
圧を作用させる空液変換装置25と、圧力空気源4から
該空液変換装置25に供給する空気の圧力を減圧する減
圧手段(32,33,34)とを備える流体式リターダ
装置の警報方法であつて、圧力検出手段8によつて前記
閉回路21の圧力を検出し、該閉回路21の圧力が所定
範囲内にあるか否かを判断し、該閉回路21の圧力が所
定範囲内にない場合に警報手段48によつて警報するこ
とを特徴とする流体式リターダ装置の警報方法である。
請求項2の発明の構成は、閉回路21に、作動液体を流
体式リターダ11の作動液体入口11aに向けて送り込
んで循環させるポンプ22が備えられ、該作動液体入口
11aとポンプ22との間の該閉回路21の圧力を、圧
力検出手段8によつて検出することを特徴とする請求項
1の流体式リターダ装置の警報方法である。請求項3の
発明の構成は、減圧手段(32,33,34)が、圧力
空気源4から空液変換装置25に供給する空気の圧力
を、低圧に減圧する第1減圧バルブ33及び高圧に減圧
する第2減圧バルブ34と、これら第1減圧バルブ33
及び第2減圧バルブ34を通して空液変換装置25に供
給する空気の圧力を切換える切換えバルブ32とを有
し、前記切換えバルブ32によつて第1減圧バルブ33
を通して空液変換装置25に低圧の空気を供給した際、
圧力検出手段8によつて前記閉回路21の圧力を検出
し、該閉回路21の圧力が所定範囲内にあるか否かを判
断し、該閉回路21の圧力が所定範囲内にない場合に警
報手段48によつて警報すると共に、前記切換えバルブ
32によつて第2減圧バルブ34を通して空液変換装置
25に高圧の空気を供給した際、圧力検出手段8による
検出値が所定範囲内にあるか否かを判断し、該閉回路2
1の圧力が所定範囲内にない場合に警報手段48によつ
て警報することを特徴とする請求項1又は2の流体式リ
ターダ装置の警報方法である。
【作用】
【0005】請求項1の発明によれば、空液変換装置2
5によつて閉回路21内の作動液体に所定の圧力を作用
させるように作動している状態で、圧力検出手段8によ
つて閉回路21の圧力を検出する。閉回路21の圧力
は、閉回路21自体の内部圧力、空液変換装置25と閉
回路21とを接続する配管内の圧力として、検出でき
る。そして、閉回路21の圧力が所定範囲内にあるか否
かを判断し、閉回路21の圧力が所定範囲内にある場合
には正常とみなし、閉回路21の圧力が所定範囲内にな
い場合には警報手段48によつて警報する。警報手段4
8による警報としては、警報音の発生、警報ランプの点
灯等がある。これにより、減圧手段(32,33,3
4)、閉回路21、空液変換装置25と閉回路21とを
接続する配管、空液変換装置25等に故障があることを
速やかに知ることができる。
【0006】請求項2の発明によれば、作動液体を流体
式リターダ11の作動液体入口11aに向けて送り込ん
で循環させるポンプ22と作動液体入口11aとの間の
閉回路21の圧力を、圧力検出手段8によつて検出す
る。しかして、ポンプ22によつて送り込まれて比較的
安定した状態の作動液体の圧力が検出されることとな
り、減圧手段(32,33,34)、閉回路21、空液
変換装置25と閉回路21とを接続する配管、空液変換
装置25等の故障が、正確に知られる。
【0007】請求項3の発明によれば、閉回路21、空
液変換装置25と閉回路21とを接続する配管、空液変
換装置25の故障が知られると共に、減圧手段(32,
33,34)の故障が、正確に知られる。すなわち、減
圧手段(32,33,34)を構成する切換えバルブ3
2、第1減圧バルブ33及び第2減圧バルブ34のそれ
ぞれの故障が、正確に知られる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1〜図3は、本発明の1実施例を示す。
流体式リターダ装置は、図1に示すように流体式リター
ダ11、クラッチ装置13及び空気圧シリンダ装置17
を含む流体式リターダユニット1、クーラ・ポンプユニ
ット2、圧力制御装置3、クラッチ制御装置6、圧力空
気源4及びリターダスイッチ5を主構成要素としてい
る。流体式リターダ11は、図外のフレームのサイドメ
ンバーやトランスミッションリヤカバー等の車体側部材
に固着されて非回転のケース11cを備え、ケース11
cの中心部には、トランスミッション出力軸、プロペラ
シャフト等に接続される回転軸10が、適宜のシール部
材及び軸受を介在させて回転自在かつ液密に貫通してい
る。しかして、回転軸10は、車輪に接続されて車輪と
共に回転する。
【0009】このようにして回転軸10の周囲に、ケー
ス11cによつて区画され、常時作動液体(油又は水)
が充填充満されたリターダ室12を液密に画成してい
る。このリターダ室12内には、回転軸10を中心とす
る放射状の羽根が形成されたステータ15が設けられる
と共に、回転軸10を中心とする放射状の羽根を有し、
ステータ15と対向して回転軸10側の部材に相対回転
不可能に固定可能なロータ16が設けられる。ステータ
15は、ケース11cと一体をなし、車体側部材に実質
的に回転不可能に固定されている。また、ケース11c
には、作動液体入口11a及び作動液体出口11bが設
けられている。
【0010】更に、ロータ16の内周部には、回転軸1
0側部材とロータ16とを接続又は切断可能な湿式多板
のクラッチ装置13を配設する。クラッチ装置13は、
円環状をなす複数枚のプレッシャプレート14と、ロー
タ16に固設され、かつ、ケース11cに第1軸受13
aを介して回転自在に支承され、適宜のプレッシャプレ
ート14をスプライン結合させて中心軸線方向のしゆう
動自在に支持する筒状の支持部材19と、一端部に位置
する可動のプレッシャプレート14を回転自在に支承す
る第2軸受13bとを備える。
【0011】このクラッチ装置13には、駆動装置であ
る空気圧シリンダ装置17が付属される。空気圧シリン
ダ装置17は、ダイアフラム17aによつて区画される
圧力室17cと、ダイアフラム17aと第2軸受13b
とを接続する接続部材17bとを備える。一方、複数枚
のクラッチプレート18は、回転軸10に軸線方向の移
動自在にスプライン結合され、それぞれプレッシャプレ
ート14間に挟装されている。
【0012】しかして、空気圧シリンダ装置17の圧力
室17cに、圧力空気源4からの圧力空気を後記する第
1切換えバルブ31を介して供給すれば、ダイアフラム
17a、接続部材17b及び第2軸受13bを介して一
端部に位置する可動のプレッシャプレート14が押し込
まれ、回転軸10と一体に回転するクラッチプレート1
8に対し各プレッシャプレート14を押し付けるので、
クラッチ装置13が接続される。これにより、ケース1
1cに第1軸受13aを介して回転自在に支持した筒状
の支持部材19が回転するので、支持部材19と一体の
ロータ16が回転軸10と一体回転する。そして、ロー
タ16とステータ15との間に充填した液体の運動エネ
ルギーが熱エネルギーに変換されて制動トルクを発生す
る。
【0013】クラッチ制御装置6は、電磁バルブからな
る第1切換えバルブ31及び減圧バルブ35を有する。
この第1切換えバルブ31は、圧力空気源4と空気圧シ
リンダ装置17の圧力室17cとの間に減圧バルブ35
を備えて介在され、圧力空気源4の圧力空気を減圧バル
ブ35を介して減圧して圧力室17cに供給する開位置
と、減圧バルブ35側を遮断し圧力室17cをドレイン
するドレイン位置とを有する。
【0014】また、圧力制御装置3は、電磁バルブから
なる第2切換えバルブ32を有する。第2切換えバルブ
32は、上流側に並列に配置した第1減圧バルブ33及
び第2減圧バルブ34を備えて、圧力空気源4と後記す
る空液変換装置25の空気室25dとの間に介在し、圧
力空気源4の圧力空気をいずれかの減圧バルブ33又は
34を介して空気室25dに供給する切換えバルブとし
ての機能を有する。このため、第2切換えバルブ32
は、第1減圧バルブ33の一方の接続口32aを開放す
る低圧位置d及び第2減圧バルブ34の他方の接続口3
2bを開放する高圧位置cをそれぞれ有する。第2切換
えバルブ32と空気室25dとの間は、配管36によつ
て接続されている。この第2切換えバルブ32は、コン
トロールユニット100からの切換え信号xが存在しな
い常態では低圧位置dを採り、切換え信号xを受けて高
圧位置cに切り換わる。37は、配管36の最高内圧を
規制するリリーフバルブである。
【0015】第1,第2減圧バルブ33,34には、大
きさの異なる設定圧が設定されているので、第2切換え
バルブ32の常態での低圧位置dにより、圧力空気源4
の圧力空気が第1減圧バルブ33によつて低い設定圧力
に減圧調整されて空液変換装置25の空気室25dに供
給される。また、第2切換えバルブ32に高圧位置cを
採らせることにより、圧力空気源4の圧力空気が第2減
圧バルブ34によつて高圧に減圧されて空液変換装置2
5の空気室25dに導入される。しかして、この第2切
換えバルブ32及び2個の減圧バルブ33,34は、圧
力空気源4から空液変換装置25の空気室25dに供給
する空気の圧力を、低圧又は高圧に切り換え可能な減圧
手段として機能する。なお、各減圧バルブ33,34
は、2次側つまり空液変換装置25の空気室25d側の
圧力をリリーフ可能である。
【0016】このような第1切換えバルブ31及び第2
切換えバルブ32は、それぞれリターダスイッチ5にコ
ントロールユニット100を介して接続され、コントロ
ールユニット100内のリターダ制御回路によつて各バ
ルブ31又は32を選択して切換え可能になつている。
リターダスイッチ5は、流体式リターダ11をOFF作
動させる(1)位置、流体式リターダ11をON作動さ
せ、比較的小さな制動トルクを発生する(2)位置及び
大きな制動トルクを発生する(3)位置を有する。
【0017】一方、ケース11cに設けた作動液体入口
11aは、閉回路21を介してケース11cに設けた作
動液体出口11bに接続されている。この閉回路21に
は、作動液体入口11a側から順次に作動液体を循環さ
せるポンプ22及び作動液体用クーラ23が接続されて
いる。ポンプ22は、電気モータ22aによつて回転駆
動され、作動液体用クーラ23によつて冷却された作動
液体を閉回路21を介して作動液体入口11aに送り込
み、作動液体用クーラ23は電気モータ23bによつて
駆動されるファン23aにて空冷される。
【0018】また、閉回路21の適当箇所(図示の実施
例にあつては、作動液体用クーラ23の一端部)に、閉
回路21ひいては流体式リターダ11の作動液体に空気
圧を作用させる空液変換装置25が配管28を介して接
続される。空液変換装置25は、空液変換装置本体25
a内を、気密性を有して変形容易な可撓膜であるゴム膜
25bによつて作動液体を貯溜する作動液体室25cと
空気室25dとに区画して構成される。この作動液体室
25cが配管28を介して閉回路21に常時接続され、
また、空気室25dが、前述した第2切換えバルブ32
の上流側に並列に配置した2個の減圧バルブ33,34
のいずれかを介して圧力空気源4に接続され、空気室2
5dに所定圧力の圧力空気が供給されるので、閉回路2
1ひいては流体式リターダ11の作動液体の圧力を高低
調節することができる。しかして、閉回路21、配管2
8内及び作動液体室25cが、実質的に同一圧力を維持
する。なお、作動液体室25cは、作動液体のリザーバ
としても機能する。
【0019】また、作動液体室25cには、手動切換え
バルブ26を介して作動液体リザーバ27が接続され、
手動切換えバルブ26の切換え操作によつて作動液体リ
ザーバ27の作動液体を空液変換装置25の作動液体室
25cに供給することができるようになつている。
【0020】そして、流体式リターダ11の外周側半部
に備えられ、作動液体の比較的高い第1所定温度(例え
ば150℃)を検出するセンサー(又はスイッチ)から
なる第1液温検出手段41と、作動液体用クーラ23に
備えられ、第1液温検出手段41による検出温度と同じ
作動液体の第1所定温度(例えば150℃)を検出する
センサー(又はスイッチ)からなる第2液温検出手段4
2とを備えさせる。なお、上記の第1所定温度(例えば
150℃)は、瞬間的な温度上昇をも検出可能なように
オーバヒートを生ずる実際の温度よりも少し低めに設定
することが望まれる。
【0021】この第1液温検出手段41又は第2液温検
出手段42は、作動液体が前記いずれかの所定温度にま
で上昇したことをいずれか一方の液温検出手段41又は
42によつて検出した際、空気圧シリンダ装置17をド
レインさせることによつて復帰駆動させ、クラッチ装置
13を切断するように機能する。この空気圧シリンダ装
置17の復帰駆動は、実際には第1切換えバルブ31を
強制的にドレイン位置に切り換えて、図外のスプリング
によつてダイアフラム17a及び接続部材17bを復帰
させてなされる。
【0022】また、作動液体の中間の第3所定温度(例
えば120℃)を検出するセンサー(又はスイッチ)か
らなる第3液温検出手段44を設ける。この第3液温検
出手段44は、通常、流体式リターダ11に備えるが、
作動液体用クーラ23等の閉回路21に備えることもで
きる。この第3液温検出手段44は、作動液体が前記第
3所定温度にまで上昇したことを検出した際、第2切換
えバルブ32に強制的に低圧位置dを採らせ、空液変換
装置25に供給する空気の圧力を低圧側に切り換え、高
圧位置cへの切換えを禁止するように機能する。
【0023】更に、作動液体の比較的低い第4所定温度
(例えば85℃)を検出する第4液温検出手段46を設
ける。この第4液温検出手段46は、通常、作動液体用
クーラ23に備えられるが、流体式リターダ11又は閉
回路21に備えることもできる。この第4液温検出手段
46による検出信号により、電気モータ22a及びファ
ン23aを駆動させ、ポンプ22によつて閉回路21、
流体式リターダ11等の作動液体を循環させると共に、
作動液体用クーラ23を作動させるようになつている。
なお、第1液温検出手段41又は第2液温検出手段42
のうちの少なくとも一方が第1所定温度を検出した際に
は、ブザーが警報音を発するようになつている。また、
第3液温検出手段44による検出信号の発生により、黄
色ランプ等の警報ランプが点灯する。
【0024】そして、閉回路21の圧力を検出する圧力
センサーからなる圧力検出手段8と、圧力検出手段8の
検出値mが所定範囲を示すか否かを比較して判断する第
1,第2比較手段47,49と、圧力検出手段8の検出
値mが所定範囲内にない場合に、警報する警報手段48
とを備える。警報手段48は、ランプ、ブザー等であ
る。勿論、第1液温検出手段41又は第2液温検出手段
42が第1所定温度を検出した際のブザーとは音色を変
え、第3液温検出手段44による検出信号が発生した場
合の警報ランプとは色、取付位置等を変えて、区別可能
にする。
【0025】この圧力検出手段8及び警報手段48が、
電磁バルブである第2切換えバルブ32と共に、それぞ
れコントロールユニット100に接続され、コントロー
ルユニット100が、図2に示す切換え信号xの有無判
定手段52、第1比較手段47、第2比較手段49、第
1基準値設定手段50、第2基準値設定手段51として
機能する。第1基準値設定手段50の第1基準値s及び
第2基準値設定手段51の第2基準値tは、コントロー
ルユニット100内のROMに予め記憶させてある。な
お、ポンプ22の電気モータ22a、ファン23aの電
気モータ23b、第1液温検出手段41、第2液温検出
手段42、第3液温検出手段44及び第4液温検出手段
46も、それぞれコントロールユニット100に接続さ
れている。
【0026】そして、リターダスイッチ5がON作動
((2)位置又は(3)位置)された際、圧力検出手段
8によつて閉回路21の圧力を検出し、閉回路21の圧
力が所定範囲内にあるか否かを判断し、閉回路21の圧
力が所定範囲内にない場合に警報手段48によつて警報
を発する。リターダスイッチ5がON作動された場合に
は、機能が正常である限りは、第2切換えバルブ32が
第1減圧バルブ33の接続口32aを開放する低圧位置
dを採るか、或いは第2切換えバルブ32が第2減圧バ
ルブ34の接続口32bを開放する高圧位置cを採る。
【0027】いま、第2切換えバルブ32が低圧位置d
を採る場合には、圧力空気源4の圧力空気が第1減圧バ
ルブ33によつて比較的低い設定圧力に減圧調整されて
空液変換装置25の空気室25dに供給され、配管2
8、閉回路21及びリターダ室12内の作動液体に、比
較的低い圧力が発生する。そこで、この比較的低い圧力
が圧力検出手段8によつて検出されているか否かを判断
する。すなわち、圧力検出手段8による検出値mが、第
1比較手段47において第1基準値設定手段50からの
第1基準値sと比較され、閉回路21の圧力が第1基準
値s内つまり所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範
囲内にない場合に警報手段48によつて警報を与える。
第1基準値設定手段50による第1基準値sは、実際に
は、大小2つの基準値s1 ,s2 からなり、第1比較手
段47では、検出値mが、s1 <m<s2 にあるか否か
かが判断される。
【0028】また、リターダスイッチ5のON作動によ
り、第2切換えバルブ32が高圧位置cを採る場合に
は、圧力空気源4の圧力空気が第2減圧バルブ34によ
つて比較的高い設定圧力に減圧調整されて空液変換装置
25の空気室25dに供給され、配管28、閉回路21
及びリターダ室12内の作動液体に、比較的高い圧力が
発生している。そこで、この比較的高い圧力が圧力検出
手段8によつて検出されているか否かを判断する。すな
わち、圧力検出手段8による検出値mが、第2比較手段
49において第2基準値設定手段51からの第2基準値
tと比較され、閉回路21の圧力が第2基準値t内つま
り所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にない
場合に警報手段48によつて警報を与える。第2基準値
設定手段51による第2基準値tは、実際には、大小2
つの基準値t1 ,t2 からなり、第2比較手段49で
は、検出値mが、t1 <m<t2 にあるか否かかが判断
される。このように第1基準値s及び第2基準値tにそ
れぞれ所定の幅を持たせる理由は、閉回路21の圧力が
脈動、車両走行振動等の影響を受けて若干変動し、ま
た、圧力検出手段8の検出値mにも若干の誤差を含むた
めである。
【0029】このように、リターダスイッチ5がON作
動して第2切換えバルブ32が低圧位置dを採る場合と
高圧位置cを採る場合とで、それぞれ個別に閉回路21
の圧力を検出し、閉回路21の圧力が所定範囲内にある
か否かを判断し、所定範囲内にない場合に警報手段48
によつて警報を与えるように制御する。このために、図
2に示すようにリターダスイッチ5がON作動した際
に、第2切換えバルブ32への切換え信号xの有無を切
換え信号xの有無判定手段52によつて判断し、第2切
換えバルブ32が低圧位置dを採る場合であるのか、高
圧位置cを採る場合であるのかを識別するようになつて
いる。
【0030】次に、上記実施例の作用について説明す
る。リターダスイッチ5を例えば(2)位置に切り換え
れば、圧力空気源4からの圧力空気が、空気圧シリンダ
装置17の圧力室17cに第1切換えバルブ31を介し
て導入され、クラッチ装置13が接続する。すなわち、
第1切換えバルブ31に開位置を採らせて圧力室17c
に圧力空気源4からの圧力空気を導入すれば、ダイアフ
ラム17aを介して接続部材17bが押し込まれるの
で、回転軸10と一体に回転するクラッチプレート18
に対し、第2軸受13bにて支持されるプレッシャプレ
ート14が押し付けられ、クラッチ装置13が接続され
る。
【0031】これにより、ケース11cに第1軸受13
等を介して回転自在に支持した支持部材19が回転する
ので、支持部材19と一体のロータ16が回転軸10と
一体回転を開始する。その際、第2切換えバルブ32は
低圧位置dを採つたままであり、圧力空気源4の圧力空
気が第1減圧バルブ33によつて比較的低い設定圧力に
減圧調整されて空液変換装置25の空気室25dに供給
され、比較的低い設定圧力に応じた比較的小さな制動ト
ルクが流体式リターダ11に発生する。すなわち、ロー
タ16の自己ポンプ作用によつて、冷却を兼ねた作動液
体が作動液体入口11aから流入して作動液体出口11
bから流出する循環状態において、ロータ16の攪拌に
よつて運動エネルギーが与えられた作動液体がステータ
15に衝突し、作動液体に熱として伝えられながら制動
作用が得られる。同時に、作動液体によつてクラッチ装
置13の冷却も図られる。
【0032】次に、リターダスイッチ5を(3)位置に
切り換えれば、クラッチ装置13が接続したままで、第
2切換えバルブ32が切換え信号xを受けて高圧位置c
に切換えられる。これにより、圧力空気源4の圧力空気
が第2減圧バルブ34によつて高い設定圧力に減圧調整
されて空液変換装置25の空気室25dに供給され、高
い設定圧力に応じた大きな制動トルクが流体式リターダ
11に発生する。リターダスイッチ5を(1)位置に切
り換えてOFF作動すれば、クラッチ装置13が切断さ
れ、ロータ16の回転が停止すると共に、高圧位置cを
採る第2切換えバルブ32は低圧位置dに復帰する。
【0033】圧力検出手段8、警報手段48及びコント
ロールユニット100の作用について、図3に示すフロ
ーチャートを参照しながら説明する。リターダスイッチ
5が(2)位置又は(3)位置にON作動されたなら、
P1ステップにおいて第2切換えバルブ32の切換え信
号xを読み込み、P2ステップにおいて切換え信号xの
有無を判断し、切換え信号xが存在しない場合(第2切
換えバルブ32が低圧位置dを採る場合)には、P3ス
テップに移行し、閉回路21の圧力を圧力検出手段8に
よつて検出し、検出値mを読み込む。次に、P4ステッ
プにて検出値mが所定範囲にあるか否かを判断し、閉回
路21の圧力が所定範囲内にない場合に警報手段48に
よつて警報を与える。
【0034】このように、リターダスイッチ5のON作
動により、第2切換えバルブ32が第1減圧バルブ33
の接続口32aを開放する低圧位置dを採る場合には、
圧力空気源4の圧力空気が第1減圧バルブ33によつて
比較的低い設定圧力に減圧調整されて空液変換装置25
の空気室25dに供給され、配管28、閉回路21及び
リターダ室12内の作動液体に、比較的低い圧力が発生
しているはずである。この比較的低い圧力が圧力検出手
段8によつて検出され、この検出値mが第1比較手段4
7において第1基準値設定手段50からの第1基準値s
と比較され、閉回路21の圧力が第1基準値s内つまり
所定範囲内にあれば正常であるので、リターンし、所定
範囲内にない場合に警報手段48によつて警報を与え
る。前述したように第1基準値設定手段50による第1
基準値sは、実際には、大小2つの基準値s1 ,s2
らなるので、第1比較手段47では、検出値mが、s1
<m<s2 を充足する場合に所定範囲内にあつて正常で
あると判断される。
【0035】一方、P2ステップにて切換え信号xが存
在すると判断された場合には、P5ステップに移行す
る。切換え信号xが存在する場合には、第2切換えバル
ブ32が第2減圧バルブ34の接続口32bを開放する
高圧位置cを採り、圧力空気源4の圧力空気が第2減圧
バルブ34によつて比較的高い設定圧力に減圧調整され
て空液変換装置25の空気室25dに供給され、配管2
8、閉回路21及びリターダ室12内の作動液体に、比
較的高い圧力が与えられているはずである。そこで、閉
回路21の圧力を圧力検出手段8によつて検出し、検出
値mを読み込む。次に、P6ステップにて検出値mが所
定範囲にあるか否かを第2比較手段49において第2基
準値設定手段51からの第2基準値tと比較して判断
し、所定範囲内にある場合には正常とみなしてリターン
し、所定範囲内にない場合にはP7ステップに移行して
警報手段48によつて警報を与える。上述したように第
2基準値設定手段51による第2基準値tは、実際に
は、大小2つの基準値t1 ,t2からなり、第2比較手
段49では、検出値mが、t1 <m<t2 を充足する場
合に所定範囲内にあると判断する。
【0036】なお、第2切換えバルブ32が第1減圧バ
ルブ33の接続口32aを開放する低圧位置dを採る場
合には、閉回路21の圧力が所定値以下にあるか否かの
みを判断し、所定値以下の場合に正常であると判定する
こともできる。しかし、その場合には第2切換えバルブ
32、配管28,36等が故障して、閉回路21に所定
値s未満の著しく低い圧力が発生している場合でも正常
と判断される。
【0037】かくして、警報手段48による警報音の発
生、警報ランプの点灯等により、第2切換えバルブ3
2、第1減圧バルブ33、第2減圧バルブ34、閉回路
21、配管28、空液変換装置25等に故障があること
を知ることができる。このような制御は、リターダスイ
ッチ5がON作動され、閉回路21の圧力が安定するよ
うに若干の時間を経過した後に開始することが望まし
く、その後は、所定時間毎(例えば、1秒毎)に繰り返
し行う。ただし、リターダスイッチ5によつて第2切換
えバルブ32が切り換えられ、第1減圧バルブ33と第
2減圧バルブ34との作用が切り換えられた際には、直
ちに上記制御を開始することが望ましい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る流体式リターダ装置の警報方法によれば、
警報手段による警報によつて閉回路の圧力が所定範囲内
にないこと、ひいては減圧手段、閉回路、空液変換装置
と閉回路とを接続する配管、空液変換装置等に故障があ
ることが知れるので、速やかに故障に対処することがで
きる。その結果、流体式リターダ内の作動液体の圧力に
応じて得られる制動トルクが適正に発生せず危険な状態
を速やかに修理解消できると共に、作動液体の漏れに伴
う流体式リターダの損傷が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係る流体式リターダ装置
を示す概略図。
【図2】 同じく構成要素の配置図。
【図3】 同じくフローチャートを示す図。
【符号の説明】
1:流体式リターダユニット、2:クーラ・ポンプユニ
ット、3:圧力制御装置、4:圧力空気源、5:リター
ダスイッチ、6:クラッチ制御装置、8:圧力検出手
段、10:回転軸、11:流体式リターダ、11a:作
動液体入口、11b:作動液体出口、11c:ケース、
12:リターダ室、13:クラッチ装置、13a:第1
軸受、13b:第2軸受、14:プレッシャプレート、
15:ステータ、16:ロータ、17:空気圧シリンダ
装置(駆動装置)、17a:ダイヤフラム、17c:圧
力室、18:クラッチプレート、19:支持部材、2
1:閉回路、22:ポンプ、22a:電気モータ、2
3:作動液体用クーラ、25:空液変換装置、25a:
空液変換装置本体、25b:ゴム膜、25c:作動液体
室、25d:空気室、31:第1切換えバルブ、32:
第2切換えバルブ(減圧手段)、33:第1減圧バルブ
(減圧手段)、34:第2減圧バルブ(減圧手段)、4
8:警報手段、100:コントロールユニット、c:高
圧位置、d:低圧位置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転する回転軸(10)に設
    けられ、常時作動液体が充填されると共に、ロータ(1
    6)及び非回転のステータ(15)を備える流体式リタ
    ーダ(11)と、駆動装置(17)によつて駆動され、
    該ロータ(16)と該回転軸(10)とを接続又は切断
    するクラッチ装置(13)と、該流体式リターダ(1
    1)の作動液体入口(11a)と作動液体出口(11
    b)との間を接続する閉回路(21)と、該閉回路(2
    1)内の作動液体に空気圧を作用させる空液変換装置
    (25)と、圧力空気源(4)から該空液変換装置(2
    5)に供給する空気の圧力を減圧する減圧手段(32,
    33,34)とを備える流体式リターダ装置の警報方法
    であつて、圧力検出手段(8)によつて前記閉回路(2
    1)の圧力を検出し、該閉回路(21)の圧力が所定範
    囲内にあるか否かを判断し、該閉回路(21)の圧力が
    所定範囲内にない場合に警報手段(48)によつて警報
    することを特徴とする流体式リターダ装置の警報方法。
  2. 【請求項2】 閉回路(21)に、作動液体を流体式リ
    ターダ(11)の作動液体入口(11a)に向けて送り
    込んで循環させるポンプ(22)が備えられ、該作動液
    体入口(11a)とポンプ(22)との間の該閉回路
    (21)の圧力を、圧力検出手段(8)によつて検出す
    ることを特徴とする請求項1の流体式リターダ装置の警
    報方法。
  3. 【請求項3】 減圧手段(32,33,34)が、圧力
    空気源(4)から空液変換装置(25)に供給する空気
    の圧力を、低圧に減圧する第1減圧バルブ(33)及び
    高圧に減圧する第2減圧バルブ(34)と、これら第1
    減圧バルブ(33)及び第2減圧バルブ(34)を通し
    て空液変換装置(25)に供給する空気の圧力を切換え
    る切換えバルブ(32)とを有し、前記切換えバルブ
    (32)によつて第1減圧バルブ(33)を通して空液
    変換装置(25)に低圧の空気を供給した際、圧力検出
    手段(8)によつて前記閉回路(21)の圧力を検出
    し、該閉回路(21)の圧力が所定範囲内にあるか否か
    を判断し、該閉回路(21)の圧力が所定範囲内にない
    場合に警報手段(48)によつて警報すると共に、前記
    切換えバルブ(32)によつて第2減圧バルブ(34)
    を通して空液変換装置(25)に高圧の空気を供給した
    際、圧力検出手段(8)による検出値が所定範囲内にあ
    るか否かを判断し、該閉回路(21)の圧力が所定範囲
    内にない場合に警報手段(48)によつて警報すること
    を特徴とする請求項1又は2の流体式リターダ装置の警
    報方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8012928B2 (en) 2008-12-19 2011-09-06 The Research Foundation Of State University Of New York Truncated PAP2 and methods of making and using same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8012928B2 (en) 2008-12-19 2011-09-06 The Research Foundation Of State University Of New York Truncated PAP2 and methods of making and using same

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