JPH0729076Y2 - 紙葉類の幅寄せ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 本考案による紙葉類の幅寄せ機構は、紙葉類の幅寄せを
行う時は紙葉類を搬送するための搬送ローラを紙葉類に
接触しない位置まで退避させ、紙葉類の搬送を行う時は
紙葉類の幅寄せを行うための羽根車を紙葉類に接触しな
い位置まで退避させる構成になっていることから、紙葉
類の幅寄せと搬送をそれぞれ安全に行うことができる。

〔産業上の利用分野〕

本考案は紙葉類搬送装置等に装備される紙葉類の幅寄せ
機構に関する。

〔従来の技術〕

第３図は従来の紙葉類幅寄せ機構の構成例を示す要部側
断面図である。

第３図に示すように、従来の紙葉類幅寄せ機構は、紙面
方向から紙背方向に搬送される紙葉類２の搬送方向に沿
つて設けられた基準面５と、該基準面に対して直交する
方向，つまり矢印Ｃ−Ｃ′方向に移動可能に配設された
幅寄せレバー９とによって構成されている。図中、３は
搬送面、4aは紙葉類２を搬送する搬送ローラである。

そして、紙葉類２の幅寄せ及び斜行修正（以後幅寄せと
呼ぶ）は、幅寄せレバー９を矢印Ｃ方向に移動させて紙
葉類２の一方の端面2aを押圧し、それによって他方の端
面2aを基準面５に当接させる、といった方法で行ってい
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の幅寄せ機構は、紙葉類２を搬
送ローラ4aによって搬送しつつ、幅寄せレバー９により
基準面５に突き当てる方式であるため、腰の弱い紙葉の
場合は、折れたり、曲がったりするといった問題点があ
る。また紙葉類の大きさに応じて幅寄せレバー９の移動
量を制御しなくてはならないので幅寄せ操作が複雑化す
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による紙葉類の幅寄せ機構は、第１図の原理図と
第２図の実施例図に示すように、紙葉類２に当接するこ
とによってこれを所定方向に搬送する搬送ローラ4aを装
備してなる紙葉類搬送手段４と、紙葉類２に接触するこ
とによってこれを紙葉類搬送方向と直交する方向に移動
させて幅寄せを行う羽根車１を装備してなる幅寄せ手段
10と、紙葉類２の幅寄せを行う時は前記搬送ローラ4aを
紙葉類２に接触しない位置に退避させ、前記紙葉類２の
搬送を行う時は前記羽根車１を紙葉類２に接触しない位
置に退避させる切換手段７を具備する。図中、３は搬送
面、４は紙葉類搬送手段をそれぞれ示す。

〔作用〕

本考案による紙葉類の幅寄せ機構（以下幅寄せ機構と称
する）はソフトタッチで紙葉類２に接触する羽根車１に
よって紙葉類２の幅寄せを行うことから、幅寄せ中に紙
葉類２を損傷する危険性が極めて少ない。特にこの幅寄
せ機構は、紙葉類の搬送手段４と紙葉類の幅寄せ手段10
が交互に作動するようになっていることから、紙葉類幅
寄せの安全性と信頼性が極めて高い。

〔実施例〕

以下実施例図に基づいて本考案を詳細に説明する。

第２図は本考案の一実施例を示す要部側断面図である
が、前記第１図，第３図と同一部分には同一符号を付し
ている。

第２図に示すように、本考案による紙葉類の幅寄せ機構
は、中心軸1aとその外周面に植立された羽根状部材1bと
より成る二つの羽根車１と、該羽根車１を紙葉類２の搬
送方向と直交する方向，つまり矢印Ｂ方向に回動させる
羽根車駆動部11とを装備してなる幅寄せ手段10と、基準
面５上に配設された一対の紙葉位置検知手段６と、紙葉
類２を搬送する搬送ローラ4aとそれを駆動するローラ駆
動部14とを装備してなる紙葉搬送手段４と、前記幅寄せ
手段10と該紙葉搬送手段４を交番的に駆動する（紙葉類
２の幅寄せを行う時は搬送ローラ4aを矢印Ａ方向に移動
させてこれを紙葉類２に接触しない位置に退避させ、紙
葉類２の搬送を行う時は羽根車１を矢印Ａ′方向に退避
させてこれを紙葉類２に接触しない位置に退避させる）
切換手段７と、これらの動作を総合的に制御する制御手
段20とによって構成されている。なお、本実施例の場合
は二つの羽根車１によって幅寄せ手段10を構成している
が、この配設数については設計段階において決定され
る。

図中、7aは幅寄せ手段10と紙葉搬送手段４とを結合する
切換ロッドであるが、該切換ロッド7aは切換手段７によ
って矢印Ａ−Ａ′方向に駆動されるようになっている。

なお、羽根車１の中心軸1aの外周面に植立された羽根状
部材1bは、例えばウレタンゴム等のように弾力性を有
し、且つ柔軟性に優れた材料で形成されるが、これを鳥
の羽根等で構成するようにしても良い。また、切換手段
７は、例えばソレノイド等で構成される。

以下第２図を用いて本考案の動作説明を行う。

．制御手段20の指令によって切換手段７が作動し、切
換ロッド7aを矢印Ａ方向に駆動する。

．これによって幅寄せ手段10及び紙葉搬送手段４がそ
れぞれ矢印Ａ方向に移動して幅寄せ手段10は動作状態
（羽根車１と搬送面３とが当接する状態）となり、紙葉
搬送手段４は非動作状態（搬送ローラ4aの外周面が搬送
面３から退避して紙葉類２に接触しなくなる状態）とな
る。

．羽根車１が矢印Ｂ方向に回動し、紙葉類２を掃き寄
せるようにしてこれを矢印Ｃ方向に移動させる。

．移動させられた紙葉類２の端面2aが基準面５に当接
すると、例えば光センサ等で構成された紙葉位置検知手
段６が作動して制御手段20に幅寄せ終了信号を送る。

．この幅寄せ終了信号によって制御手段20が作動し、
切換手段７を介して幅寄せ手段10と紙葉搬送手段４とを
矢印Ａ′方向に移動させ、それぞれを元の位置（搬送ロ
ーラ4aと紙葉類２とは接触，羽根車１と紙葉類２とは非
接触となる位置）に戻す。

．紙葉類搬送手段４による紙葉類搬送が再開され、紙
葉類２は基準面５側に、“幅寄せ”された状態で搬送さ
れる。

このように本考案の幅寄せ機構は、紙葉類２が基準面５
側に完全に幅寄せされるまでは，つまり紙葉類２の端面
2aが基準面５に当接するまでは紙葉類２の搬送動作を停
止しておく方式であるために“幅寄せ”の信頼性が高
い。また、この幅寄せ機構は紙葉類２の幅寄せを行って
いる時は搬送ローラ4aが紙葉類２に接触しない位置に退
避し、紙葉類２の搬送中は羽根車１が紙葉類２に接触し
ない位置に退避する構成になっていることから、紙葉類
２が同時に２方向（搬送方向と幅寄せ方向）の力を受け
てジャムる（損傷する）危険性が全く無い。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案による紙葉類の
幅寄せ機構は、紙葉類の搬送中は羽根車と紙葉類が接触
せず、しかも紙葉類の幅寄せ中は搬送ローラと紙葉類が
接触しないことから、紙葉類が搬送中，或いは幅寄せ中
に損傷する危険性が極めて少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理を示す要部側断面図、 第２図は本考案の一実施例を示す要部側断面図、 第３図は従来の紙葉類幅寄せ機構の構成例を示す要部側
断面図である。 図中、１は羽根車、２は紙葉類、３は搬送面、４は紙葉
類搬送手段、５は基準面、６は紙葉位置検知手段、７は
切換手段、10は幅寄せ手段、11は羽根車駆動部、14はロ
ーラ駆動部、20は制御手段、 をそれぞれ示す。

フロントページの続き (72)考案者 田和 哲夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特公 昭43−769（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭49−41777（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】紙葉類搬送装置等に装備される紙葉類の幅
   寄せ機構であって、 紙葉類（２）に当接することによってこれを所定方向に
   搬送する搬送ローラ（4a）を装備してなる紙葉類搬送手
   段（４）と、 紙葉類（２）に接触することによってこれを紙葉類搬送
   方向と直交する方向に移動させて幅寄せを行う羽根車
   （１）を装備してなる幅寄せ手段（10）と、 紙葉類（２）の幅寄せを行う時は前記搬送ローラ（4a）
   を紙葉類（２）に接触しない位置まで退避させ、前記紙
   葉類（２）の搬送を行う時は前記羽根車（１）を紙葉類
   （２）に接触しない位置まで退避させる切換手段（７）
   と、 を具備してなることを特徴とする紙葉類の幅寄せ機構。