JPH07290459A - 金型温調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型と温調機を接続する循環路の復路側で温
調媒体の漏れを検出することで警報と停止の両方を行え
るようにし、これにより温調媒体の漏れによる成形不良
や工場内浸水等を防止する。 【構成】 金型１２と温調機１１とを往路１３と復路１
４とにより接続する。温調機１１からの温調媒体を金型
内流路１５に循環供給する。復路１４の温調機１１に近
接した個所に温調媒体の漏れ検出センサー１６を配設す
る。漏れ検出センサー１６の出力信号により作動して、
温調媒体の供給を停止させる制御手段１７と警報手段２
０とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂の成形機に用
いられている金型の温度を所定温度に調整する装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】射出成形機等の合成樹脂を成形する機械
では、成形に使用される材料樹脂の種類、成形品の形状
等に応じて、金型温度を水、油などによる温調媒体によ
り調整している。

【０００３】図２は通常の金型温調装置の概略を示すも
ので、温調機１と金型２とを可撓性のパイプやゴムホー
ス等による往路３と復路４とにより接続し、温調機１か
らポンプ（図示せず）により往路３に吐出した冷却媒体
が金型２に内設した温調流路５を通過する間に、金型２
を所定温度に調整したのち、復路４を経て温調機１の給
排路を備えたタンク１ａに還流する構成よりなる。この
還流した温調媒体はタンク１ａに設けたヒータ１ｂによ
り設定温度に昇温され、またヒータ１ｂの温度はヒータ
コントローラ１ｃにより制御している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような金型温調装
置では、コストの点から市販のゴムホースや継手を多用
して温調機と金型とを循環接続している。このため接続
可能な範囲ではあるがゴムホースと継手に寸法差がある
場合も多々有り、またゴムホースの強度が以外に弱い場
合もあるなどのことから、長期間にわたる使用では温調
媒体の移送圧力により継手が緩んで漏れが生じ、或いは
ゴムホースが外れたり破裂して温調媒体の多量流出が生
ずることすらある。

【０００５】このような事故は作業員により見付け得る
ものであるが、事故発生と同時に見付けて直ちに温調媒
体の供給停止と成形機の停止とを行い得るものではな
く、その殆どが時間を経過した後の事故発見となるた
め、その間の成形は不良となる。特に無人化された工場
では、そのような事故の発見は困難で、場合によっては
工場内が浸水に見舞われるおそれすらある。

【０００６】本発明は上記従来の金型温調装置の課題を
解決するために考えられたものであって、その目的は最
も簡単な手段により温調媒体の漏れを検出することで警
報と停止の両方を行えるようにし、これにより温調媒体
の漏れによる成形不良や工場内浸水等を防止することが
できる新たな構成の金型温調装置を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的による本発明の
特徴は、金型と温調機とを往路と復路とにより接続し、
温調機からの温調媒体を金型内流路に循環供給する金型
温調装置において、上記復路の温調機に近接した個所に
温調媒体の漏れ検出センサーを配設するとともに、該漏
れ検出センサーの出力信号により作動して温調媒体の供
給を停止させる制御手段と、警報手段とを設けてなるこ
とにある。

【０００８】上記漏れ検出センサーとしてはフロースイ
ッチ、プレッシャスイッチ、流量計などを採用すること
ができる。

【０００９】

【作用】上記構成では、復路の温調機に近接した個所に
温調媒体の漏れ検出センサーを配設したことから、温調
機の吐出端から漏れ検出センサーまでの間の温調媒体の
もれが全て検出され、漏れが検出されると漏れ検出セン
サーから電気信号が出力されて警報が作動し、また制御
手段が作動して温調媒体の供給停止と、成形機及び付帯
機器の運転が停止される。これにより温調媒体の漏れが
収まり、自動的に漏れによる成形不良が防止され、工場
内浸水などの事故も防止される。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示すもので、図２
に示す従来構造と同様に金型温調装置は、温調機１１と
金型１２とを可撓性のパイプやゴムホース等による往路
１３と復路１４とにより接続し、温調機１１から往路１
３に吐出した水または油の冷却媒体が金型１２に内設し
た温調流路１５を通過する間に、金型１２を所定温度に
調整したのち、復路１４を経て温調機１１の給排路を備
えたタンク（図は省略）に還流する構成よりなる。また
還流した温調媒体はタンクに設けたヒータにより設定温
度に昇温され、ヒータの温度はヒータコントローラによ
り制御している。

【００１１】上記復路１４の温調機１１に近接した個所
には、フロースイッチなどによる温調媒体の漏れ検出セ
ンサー１６が配設してある。また漏れ検出センサー１６
には温調機１１に設けた制御装置１７が回路１８により
電気的に接続してあり、その制御装置１７は成形機１９
の警報装置２０及び運転制御装置２１と電気的に接続し
ている。

【００１２】上記構造では、温調機１１から往路１３に
吐出した温調媒体の還流量が復路１４側の上記漏れ検出
センサー１６により常時監視され、吐出側の設定量より
も還流量が少なく検出されると、その減量は温調媒体の
漏れとして検出し、異常事態として漏れ検出センサー１
６から電気信号が出力される。この出力信号は上記回路
１８を経て制御装置１７に入力され、制御装置１７は直
ちに温調機１１を止めて金型１２への温調媒体の供給を
停止する。同時に制御装置１７は成形機１９の運転制御
装置２１や、図では省略したが周辺機器の制御装置にも
出力して、成形機１９と一緒に金型交換機、製品取出機
等を停止させることができる。

【００１３】上記警報手段としては、ブザー、ランプ表
示、画面表示など以外にも、生産管理コンピュータに検
出信号を異常信号として入力し、警報を行うといった適
宜手段が選択可能であり、回路構成によっては成形機本
体側に警報手段を配設することも可能である。

【００１４】

【発明の効果】上述のように、本発明によれば、復路の
温調機に近接した個所に配設した漏れ検出センサーによ
り温調媒体の漏れを直ちに検出することができ、その検
出により温調媒体の供給停止と成形機の運転停止とを自
動的に行い得るので、温調媒体の漏れによる金型の温調
不調が原因となる成形不良を防止でき、また温調媒体の
漏れによる工場内浸水をも防止できるので、工場が無人
操業の状態にあっても漏水などによる後始末を後に作業
員が行うこともなく、警報により漏水事故を他の場所に
いる作業員に報知することもできるので、事故の回復も
早く済み、稼働時間のロスを短縮できるなどの利点を有
する。

【００１５】したがって、オペレータの作業負担が軽減
されるばかりでなく、製品の品質も一定に維持されると
ともに、工場のＦＡ化、無人化に大いに役立つなどの効
果をも有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の金型温調装置の一実施例の説明図で
ある。

【図２】 従来例の金型温調装置の説明図である。

【符号の説明】

１１ 温調機 １２ 金型 １３ 往路 １４ 復路 １５ 温調流路 １６ 漏れ検出センサー １７ 制御装置 １８ 回路 １９ 成形機 ２０ 警報装置 ２１ 運転制御装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型と温調機とを往路と復路とにより接
   続し、温調機からの温調媒体を金型内流路に循環供給す
   る金型温調装置において、上記復路の温調機に近接した
   個所に温調媒体の漏れ検出センサーを配設するととも
   に、該漏れ検出センサーの出力信号により作動して温調
   媒体の供給を停止させる制御手段と、警報手段とを設け
   てなる金型温調装置。