JPH0728815Y2

JPH0728815Y2 - 芝刈機

Info

Publication number: JPH0728815Y2
Application number: JP11409189U
Authority: JP
Inventors: 利和滝川; 信和高橋
Original assignee: 株式会社共栄社
Priority date: 1989-09-28
Filing date: 1989-09-28
Publication date: 1995-07-05
Anticipated expiration: 2004-09-28
Also published as: JPH0354121U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、カッティングユニットが芝面の傾斜に自在に
追随して、芝を刈取ることのできる構成の芝刈機に関す
るものである。

〔従来の技術〕所定の間隔をおいて連結されている一対のサイドフレー
ムの前後端部にそれぞれ前ローラー及び後ローラーが装
着されていると共に、両ローラーの間に回転刃と固定刃
とが配置されているカッティングユニットと；前端部に
牽引ローラーが装着されているフレームと；駆動輪を備
えた車体と；から成り、前記カッティングユニットが車
体の進行方向に沿った傾斜に追随できるように、該カッ
ティングユニットの前端部が前記フレームの前端部に牽
引棹を介して連結されていると共に、前記カッティング
ユニットが車体の進行方向と直交する方向の傾斜に追随
できるように、前記フレームの後端部が車体の前部に一
本の連結ピンを介して連結されていて、カッティングユ
ニットが芝面の傾斜に自在に追随して、芝を刈取ること
のできる構成の芝刈機は知られている。

このような構成の芝刈機において、芝刈機の方向を転換
したり、芝刈機を運搬したりする場合には、カッティン
グユニットを持ち上げなければならないので、カッティ
ングユニットの後端部と、車体とが、カッティングユニ
ットの幅方向に沿って所定の間隔をおいた少なくとも二
個所で連結されていなくてはならない。しかし、芝刈り
作業時においては、カッティングユニットの後端部の自
由な動きを拘束すると、芝面の傾斜に対応してカッティ
ングユニットが追随できなくなるので、刈取り作業時に
おいて、カッティングユニットが自由に動くことのでき
るように、その後端部と車体とを連結する必要がある。

上記のような構成の従来の芝刈機は、車体の幅がカッテ
ィングユニットの幅に比較して狭く、しかも車体からカ
ッティングユニットに動力を伝達させるためのギア−ボ
ックスが、カッティングユニットの一側部に配置された
構造であるので、カッティングユニットの後端部と車体
とを連結するための二個所の連結部の幅を狭くせざるを
得ない。

この二個所の連結部の幅が狭いと、カッティングユニッ
トを持ち上げた場合に、カッティングユニットがその幅
方向に沿って大きく揺動してしまい、極めて安定性が悪
い。

また、上記のような構成の芝刈機においては、カッティ
ングユニットを持ち上げた場合に、このカッティングユ
ニットが前後方向に揺動するので、これを防止して、カ
ッティングユニットの後端部と、車体とが接触、或いは
衝突するのを回避する設計が不可欠となる。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、カッティングユニットが芝面の傾斜に自在に
追随して、芝を刈取ることのできる構成の芝刈機におい
て、カッティングユニットを持ち上げた場合に、その幅
方向、及び前後方向の双方の揺動を防止することによ
り、安定して芝刈機の方向転換、運搬などが行えるよう
にすることを課題としてなされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために本考案の採用した手段は、カ
ッティングユニットと、フレームと、車体とから成り、
カッティングユニットが芝面の傾斜に自在に追随して芝
を刈取ることのできる構成の芝刈機において、カッティ
ングユニットの各サイドフレームの後端部と、車体とを
吊上げロープを介して連結すると共に、各サイドフレー
ムと、車体とを、水平に近い状態のアームを介して該カ
ッティングユニットが車体の進行方向と直交する方向に
傾斜可能な状態で連結したことである。

〔考案の作用〕

カッティングユニットの後端部と、車体とが上記のよう
にして連結されているので、その二つの連結部の幅が、
カッティングユニットの幅とほぼ同等となって、最も広
くなる。

しかも、芝刈機の方向転換などの際に、カッティングユ
ニットを持ち上げると、その後端部は、吊上げロープに
よって車体に支えられると共に、その前端部は、牽引棹
を介してフレームの前端部に支えられ、しかも水平に近
い状態となっているアームによって、カッティングユニ
ットが前後方向に移動できないようになっているので、
持ち上げられたカッティングユニットの前後方向の揺動
が防止される。

このように、カッティングユニットの後端部と、車体と
の連結部の幅が最大となって、持ち上げられたカッティ
ングユニットの幅方向の揺動が防止されると同時に、上
記したアームの作用によって、同様のカッティングユニ
ットの前後方向の揺動が防止されるので、持ち上げられ
たカッティングユニットの安定性が極めて高くなり、芝
刈機の方向転換、運搬などの操作がし易くなる。

〔実施例〕

以下、実施例を挙げて、本考案を更に詳細に説明する。
最初に、カッティングユニットがほぼ任意の傾斜に自在
に追随して、芝を刈取ることのできる構成の芝刈機の概
要について説明し、次に、本考案に係わる部分について
詳細に説明する。

第１図、第２図、及び第４図において、この芝刈機は、
車体Ａと、芝を刈取るためのカッティングユニットＵ
と、このカッティングユニットＵを連結した状態で車体
Ａの前部に連結されるフレームＦとで構成される。

車体Ａは、ドラム形の駆動輪１を備えており、その幅方
向の一端部に駆動源であるエンジン２が搭載されている
と共に、その他端部に動力分配機３が取付けられ、この
動力分配機３の内側にギア−ボックス４が取付けられて
いる。エンジン２から発生する動力は、駆動軸５を介し
て動力分配機３に伝達され、この動力分配機３によっ
て、車体Ａに装着された駆動輪１を回転させるための動
力と、カッティングユニットＵを構成している後述の回
転刃11を回転させるための動力とに分配される。

カッティングユニットＵは、フレームＦを介して車体Ａ
の前部に装着され、所定の刈高で芝を刈取る部分であ
る。

カッティングユニットＵの一対のサイドフレーム６は、
所定の間隔をおいて一体に連結されており、その前端部
に、前ローラー取付け具７を介して前ローラー８が、サ
イドフレーム６に対する取付け高さ位置を調整できるよ
うにして取付けられていると共に、その後端部に、後ロ
ーラー９が取付けられている。前ローラー８と後ローラ
ー９との間に回転刃11及び固定刃12が配置されている。
前ローラー８と後ローラー９とによって、地表面に対す
る回転刃11の高さが定められて、芝の刈高が定められ、
サイドフレーム６に対する前ローラー８の取付け位置を
変えると、芝の刈高が変わる。固定刃12は、回転刃11の
下方に固定して取付けられ、両刃11,12によって芝が切
断されて刈取られる。

回転刃11には、動力分配機３から分配された動力が、ギ
ア−ボックス４内の歯車列、ユニバーサルジョイント1
4、及び左側のサイドフレーム６に装着されたギア−ボ
ックス（図示せず）内の歯車列を介して伝達されて、駆
動回転される。

フレームＦは、パイプをＵ字状にわん曲させると共に、
Ｕ字状にわん曲されてほぼ平行となって相対向している
各直線状部を、平行を維持したまま同方向にわん曲させ
た形状である。フレームＦの先端部に牽引ローラー16が
装着され、フレームＦの直線部17の中央に段差部を有す
る連結ピン18が、該直線部17と直交して、しかも傾斜し
た状態で固着されている。この連結ピン18の軸心C₁は、
フレームＦの先端部に装着されている牽引ローラー16の
軸心C₃と交叉しており、このようにしてあるのは、車体
Ａの進行方向と直交する方向の傾斜に対応してカッティ
ングユニットＵが、連結ピン18の軸心C₁を中心にして矢
印P₁の方向に回動する場合において、カッティングユニ
ットＵが、その幅方向にずれるのを防止するための設計
である。

第１図、第２図及び第６図に示されるように、車体Ａの
前部に横棹19が幅方向に沿って固着され、この横棹19の
中央部に連結パイプ固着部材21が垂直となって固着さ
れ、この連結パイプ固着部材21の上端部に連結パイプ22
が、前記連結ピン18と同方向に固着されている。

フレームＦの直線部17に傾斜して固着されている連結ピ
ン18が、車体Ａの前部に傾斜して固着されている連結パ
イプ22に挿入され、抜止めピン23によって抜け出ないよ
うにしてある。

また、フレームＦの前端部には、それぞれ牽引棹24の前
端部が枢着され、この各牽引棹24の後端部に前記前ロー
ラー取付け具７が関節球25を介して連結され、これによ
りフレームＦにカッティングユニットＵが連結される。

このため、第１図に示されるように、カッティングユニ
ットＵは、連結ピン18の軸心C₁を中心にして車体Ａに対
して矢印P₁の方向に回動すると共に、左右の関節球25の
中心を結ぶ仮想軸心C₂を中心にしてフレームＦに対して
矢印P₂の方向に回動することになる。従って、カッティ
ングユニットＵは、互いに直交する二つの平面内におい
て、それぞれ独立して回動する構造となるので、芝面の
ほぼ任意の傾斜に追随して、芝を刈取ることが可能とな
る。

第１図ないし第４図において、車体Ａの両側部にもサイ
ドフレーム26が取付けられており、このサイドフレーム
26の間隔は、カッティングユニットＵのサイドフレーム
６の間隔とほぼ等しくなっている。各サイドフレーム6,
26には、第７図及び第８図に断面図で示されるようにし
て、アーム27及び吊上げロープ28の連結部が設けられて
いる。即ち、異径部を有するボルトピン29をサイドフレ
ーム6,26の内側から外側に突出させ、このボルトピン29
のねじ部29aにナット30をねじ込んでサイドフレーム6,2
6に固定し、そのピン部29bをアーム27の両端部に設けら
れた穴27a、及び吊上げロープ28の両端部に設けられた
連結体31の穴31aに挿入して、アーム27及び吊上げロー
プ28の両端部分を連結している。なお、座金32及び抜止
めピン33によって、アーム27、及び吊上げロープ28の連
結体31がボルトピン29から抜け出ないようになってい
る。

カッティングユニットＵのサイドフレーム６の前後方向
のほぼ中央であって、しかも上端の部分と、車体Ａのサ
イドフレーム26の前端部とが、アーム27で連結されてい
る。このアーム27は、剛性を有していて、両サイドフレ
ーム6,26を連結した状態では、ほぼ水平になっている。

また、アーム27におけるカッティングユニットＵのサイ
ドフレーム６との連結部分の穴27aは、長穴状となって
いる。これは、刈取り作業時において、車体Ａの進行方
向に沿った芝面の傾斜に対応して、カッティングユニッ
トＵを仮想軸心C₂を中心にして矢印P₂の方向に回動させ
る必要があるので、アーム27の穴27aを長穴にして、カ
ッティングユニットＵの上記した動きを拘束しないよう
にするための設計である。

また、カッティングユニットＵのサイドフレーム６の後
端であって、しかも下端の部分と、車体Ａのサイドフレ
ーム26とが可撓性を有する吊上げロープ28で連結されて
いる。このように、カッティングユニットＵを構成して
いるサイドフレーム６の部分において、カッティングユ
ニットＵと車体Ａとを連結しているので、二つの連結部
の幅が、カッティングユニットＵの幅とほぼ等しくなっ
て、最も広くなる。第２図に示されるように、刈取り作
業時においては、この吊上げロープ28は、所定の弛みを
有している。

そして、芝の刈取り作業時においては、第１図及び第２
図に示されるように、吊上げロープ28が弛んでいると共
に、上述したようにアーム27とサイドフレーム26との連
結部分の穴27aが長穴状となっているために、カッティ
ングユニットＵの仮想軸心C₂を中心とする矢印P₂の方向
の回動が全く阻害されることがない。また、第４図及び
第７図に示されるように、左右一対のアーム27の両端部
をカッティングユニットＵのサイドフレーム６及び車体
Ａのサイドフレーム26にそれぞれ連結しているボルトピ
ン29のピン部29bは所定の長さを有していて、該一対の
アーム27は、該ボルトピン29の軸方向（車体Ａの進行方
向と直交する方向）に移動可能になっているため、前記
カッティングユニットＵが車体Ａの進行方向と直交する
方向に傾斜した芝面の刈取りを行う場合には、左右一対
のアーム27は、ボルトピン29の軸方向に微動しながら、
その一方の先端部が上昇すると共に、その他方の先端部
が下降することにより、該一対のアーム27は捩じられな
くなって、該カッティングユニットＵは、連結ピン18の
軸心C₁を中心にして所定方向にスムーズに回動する。こ
のため、カッティングユニットＵは、前述したように、
互いに直交する二つの平面内において、それぞれ独立し
て回動して、芝面のほぼ任意の傾斜に自在に対応して、
芝を刈取ることができる。

また、芝刈機の方向を転換する場合には、第３図に示さ
れるように、車体Ａのハンドル34を押し下げると、駆動
輪１を中心にしてフレームＦが持ち上げられることによ
り、カッティングユニットＵが持ち上げらる。

この状態では、カッティングユニットＵの後端部は、吊
上げロープ28を介して車体Ａに支えられていると共に、
その前端部は、牽引棹24を介してフレームＦの前端部に
支えられており、アーム27がない場合には、カッティン
グユニットＵは、前後方向に移動してしまう。ところ
が、カッティングユニットＵと、車体Ａとは、上記した
ようにしてアーム27で連結されているので、このアーム
27によって、カッティングユニットＵが前後方向に移動
できなくなっており、これによりカッティングユニット
Ｕの前後方向の揺動が防止されるのである。

このように、カッティングユニットＵと車体Ａとの二つ
の連結部の幅が、カッティングユニットＵの幅とほぼ等
しくなって、最も広くなっていると共に、ほぼ水平状態
となっているアーム27の作用によって、カッティングユ
ニットＵが前後方向に揺動するのが防止されているの
で、持ち上げられたカッティングユニットＵは、その幅
方向及び前後方向の双方に揺動しなくなる。よって、持
ち上げ状態におけるカッティングユニットＵの安定性が
極めて高くなり、芝刈機の方向転換の作業を行い易くな
る。このことは、芝刈機を運搬する場合についても言え
る。

〔考案の効果〕本考案は、カッティングユニットと、フレームと、車体
とから成り、カッティングユニットが芝面の傾斜に自在
に追随して芝を刈取ることのできる構成の芝刈機におい
て、カッティングユニットの各サイドフレームの後端部
と、車体とを吊上げロープを介して連結すると共に、各
サイドフレームと、車体とを、水平に近い状態のアーム
を介して連結してあるので、カッティングユニットの後
端部と、車体との二つの連結部の幅が、カッティングユ
ニットの幅とほぼ同等となって、最も広くなり、カッテ
ィングユニットを持ち上げた場合に、カッティングユニ
ットがその幅方向に揺動するのを防止できると同時に、
水平に近い状態のアームの作用によって、カッティング
ユニットが前後方向に揺動するのも防止される。

このように、持ち上げられたカッティングユニットが、
その幅方向及び前後方向の双方に沿って揺動するのを防
止できるので、持ち上げられたカッティングユニットの
安定性が極めて高くなり、芝刈機の方向転換、運搬など
の操作がし易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係わる芝刈機の斜視図、第２図及び
第３図は、それぞれ刈取り作業時、及びカッティングユ
ニットＵの持ち上げ時における芝刈機の右側面図、第４
図は、刈取り作業時における芝刈機のカッティングユニ
ットＵ及び車体Ａの部分の概略平面図、第５図は、カッ
ティングユニットＵのサイドフレーム６と、車体Ａのサ
イドフレーム26とが吊上げロープ28で連結されている部
分の平面図、第６図は、フレームＦと車体Ａとの連結部
の断面図、第７図及び第８図は、それぞれサイドフレー
ム６と、アーム27及び吊上げロープ28との連結部分の拡
大断面図である。本考案を構成している主要部分の符号の説明は以下の通
りである。 A:車体、F:フレーム U:カッティングユニット、1:駆動輪 6:カッティングユニットのサイドフレーム 8:前ローラー、9:後ローラー 11:回転刃、12:固定刃 16牽引ローラー、18:連結ピン 22:連結パイプ、25:関節球 24:牽引棹、26:車体のサイドフレーム 27:アーム、28:吊上げロープ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】所定の間隔をおいて連結されている一対の
サイドフレームの前後端部にそれぞれ前ローラー及び後
ローラーが装着されていると共に、両ローラーの間に回
転刃と固定刃とが配置されているカッティングユニット
と；前端部に牽引ローラーが装着されているフレーム
と；駆動輪を備えた車体と；から成り、前記カッティン
グユニットが車体の進行方向に沿った傾斜に追随できる
ように、該カッティングユニットの前端部が前記フレー
ムの前端部に牽引棹を介して連結されていると共に、前
記カッティングユニットが車体の進行方向と直交する方
向の傾斜に追随できるように、前記フレームの後端部が
車体の前部に一本の連結ピンを介して連結されていて、
カッティングユニットが芝面の傾斜に自在に追随して、
芝を刈取ることのできる構成の芝刈機であって、前記カッティングユニットの各サイドフレームの後端部
と、車体とが、吊上げロープを介して連結されていると
共に、各サイドフレームと、車体とが、水平に近い状態
のアームを介して該カッティングユニットが車体の進行
方向と直交する方向に傾斜可能な状態で連結されている
ことを特徴とする芝刈機。
【請求項２】アームにおけるカッティングユニットのサ
イドフレーム、又は車体との連結部に、長穴が設けられ
ていることを特徴とする請求項１に記載の芝刈機。