JPH07288036A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH07288036A
JPH07288036A JP6078404A JP7840494A JPH07288036A JP H07288036 A JPH07288036 A JP H07288036A JP 6078404 A JP6078404 A JP 6078404A JP 7840494 A JP7840494 A JP 7840494A JP H07288036 A JPH07288036 A JP H07288036A
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JP
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composition
dielectric
dielectric ceramic
temperature
ceramic composition
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JP6078404A
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Yoshio Yokoe
宣雄 横江
Yusuke Takei
裕介 武井
Naoko Ikeno
直子 池之
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 誘電体磁器組成物の割合を、xPb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −yPb(Zn1/3 Nb2/3 )O3
−zBaTiO3 (式中、x、y及びzはモル%を示
し、x+y+z=100)と表わした時、x、y、z値
が図1の三角ダイヤグラムにおいて下記の座標A、B、
C、Dの内部(但し、線分上を含む)に位置することを
特徴とする。また、かかる系に対してMnO2 を 0.3重
量%未満の割合で添加したことを特徴とする。 【効果】 比誘電率及び絶縁抵抗が高くかつそれらの温
度依存性が小さく、誘電損失が小さく、磁器強度が高
く、しかも低温焼成が可能な誘電体磁器材料が得られ、
温度特性の優れた高誘電率系積層型磁器コンデンサに好
適な誘電体磁器組成物となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比誘電率が高くかつそ
の温度特性に優れた、積層型磁器コンデンサに好適な誘
電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高誘電率系の積層型磁器(セラミック)
コンデンサ等に用いられる誘電体磁器組成物は、その特
性上、比誘電率εrが高くかつ誘電損失 tanδが低く、
更に比誘電率の温度依存性、即ち温度に対する比誘電率
の変化率が小さいことが望まれる。
【0003】従来より磁器コンデンサ用の誘電体材料と
して、BaTiO3 を主成分とした種々の誘電体磁器組
成物が多用されている。これらの内、比誘電率の温度特
性に優れた高誘電率系磁器コンデンサ材料としては、B
aTiO3 にNb2 5 、Ta2 5 、ZnO、Co
O、希土類酸化物などを 0.1〜3重量%添加した誘電体
磁器組成物が広く実用に供されている。しかし、これら
は比誘電率が高々 4,000程度であり、また焼成温度が
1,200℃以上と高いので、積層型磁器コンデンサに応用
する場合には内部電極の材料に高価なパラジウム(P
d)を多く使用しなければならず、そのため製造コスト
が高くなる等の問題点があった。
【0004】これに対して近年、低温で焼成できる鉛系
複合酸化物を主成分とした誘電体磁器組成物が提案され
ている。それらは1,000 ℃以下で焼成できる上に、比誘
電率が大きく、その値が 6,000以上と高いものもあり、
更に温度特性に優れているというものである。
【0005】例えば特開昭55-50509号には、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3の2成分系でMnO
を0.001 〜1.5 重量%添加する誘電体磁器組成物が開示
されている。この組成物によれば、比誘電率が 7,000以
上で誘電損失も0.1 〜1.5 %と小さく、絶縁抵抗も20℃
で1×1012Ω・cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特
性に優れている。
【0006】また特開昭55-144611 号には、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3−Pb(Mg1/2
1/2 )O3 の3成分系で、Pb(Mn2/3 1/3 )O3
を0.05〜5.0 重量%添加する誘電体磁器組成物が開示さ
れている。この組成物によれば、比誘電率が 3,780以上
で誘電損失も0.2 〜1.7 %と小さく、絶縁抵抗も20℃で
9×1011Ω・cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特性
に優れている。
【0007】また特開昭62-31905号には、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −Pb(Zn1/3Nb2/3 )O3
PbTiO3 の3成分系で、MgOを1.0 重量%以下の
量で添加する誘電体磁器組成物が開示されている。この
組成物によれば、比誘電率が15,000以上で、誘電損失も
3%以下と小さく、絶縁抵抗も25〜85℃の範囲で1011Ω
・cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特性に優れてい
る。
【0008】更に特開昭62-216106 号には、Pb(F
e,Nd,Nb)O3 系のペロブスカイト型構造化合物
の組成物が開示されている。この組成物によれば、比誘
電体がBaTiO3 系に比べて約2倍と大きいため高容
量化が可能で、同じ容量であれば誘電体層の積層数を低
減できて小型化を図れる。また、低温で焼成できるた
め、安価な銀(Ag)−パラジウム系電極材料が使用で
きる利点も有するものである。
【0009】更にまた特開昭62-290009 号には、Pb
(Ni1/3 Nb2/3 )O3 −Pb(Zn1/3 Nb2/3
3 −Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 の3成分系で、副
成分としてPbTiO3 を0.5 〜7.0 重量部、(Pb,
Ba,Sr,Ca)(Mn1/2Nb1/2 )O3 を0.1 〜
5.0 重量部、(Pb,Ba,Sr,Ca)(Cu1/2
1/2 )O3 を5.0 重量部以下含有する誘電体磁器組成物
が開示されている。この組成物によれば、比誘電率が
6,000以上、誘電損失が1%以下、焼成温度が 900〜 1,
000℃であり、かつ静電容量の温度変化率が−25〜+85
℃において+20〜−30%を満足する誘電体磁器組成物が
得られるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
BaTiO3 を主成分とする組成物、或いは特開昭55-5
0509号、特開昭55-144611 号、特開昭62-31905号、特開
昭62-216106 号にそれぞれ開示された組成物は、比誘電
率の温度依存性が大きく、例えば特開昭62-216106 号の
組成物であっても、−30〜+85℃の温度域で、室温での
比誘電率に対して+15〜−75%と大きく変動するもので
あった。そのため、高容量コンデンサとして一般に用い
られる電解コンデンサに比較して特性が劣っており、実
用化の障壁となっていた。
【0011】また、特開昭62-290009 号の組成物によっ
ても、上記のように−25〜+85℃において+20〜−30%
を満足しており、JIS規格の磁器コンデンサのD特性
を満たすものではあったが、近年の小型大容量の積層磁
器コンデンサに対しては、更に温度変化率が小さいこと
への要求が高まっており、温度特性がより優れた高誘電
率の誘電体磁器組成物が望まれていた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて本発明者等が
鋭意研究を進めた結果完成したもので、その目的は、比
誘電率εrが大きくかつその温度変化率が小さく、誘電
損失tanδが小さく、しかも低温焼成が可能な誘電体磁
器組成物を提供することにある。
【0013】また本発明の目的は、比誘電率εrと共に
絶縁抵抗も高く、かつそれらの温度変化率が小さい、高
誘電率系磁器コンデンサに好適な誘電体磁器材料が得ら
れる誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物は、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn1/3
Nb2/3 )O3 とBaTiO3 とから成る誘電体磁器組
成物であって、これらの成分割合を xPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −yPb(Zn1/3
2/3 )O3 −zBaTiO3 (式中、x、y及びzはモル%を示し、x+y+z=1
00)で表わした時、x、y、z値が図1の三角ダイヤ
グラムにおいて下記の座標A、B、C、Dの内部(但
し、線分上を含む)に位置することを特徴とするもので
ある。 A(45.6、26.9、27.5) B(52.0、30.5、17.5) C(14.5、58.0、27.5) D(14.0、56.0、30.0)。
【0015】また本発明の誘電体磁器組成物は、上記組
成の誘電体磁器組成物に対して、MnO2 を0.3重量
%未満の割合で添加したことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物(以下、本組成物と
略す)は、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn
1/3 Nb2/3 )O3 とBaTiO3 とを含む複合酸化物
主成分を、上記所定の割合で調整することにより、比誘
電率が高くかつその温度変化率が小さく、絶縁抵抗が高
くかつその温度変化率も小さく、しかも誘電損失が小さ
く、低温焼成が可能な誘電体磁器材料となる。
【0017】また本組成物は、上記所定の割合で調整さ
れた複合酸化物主成分に対して、MnO2 を0.3重量
%未満の割合で添加することにより、比誘電率の温度変
化率が更に小さな誘電体磁器材料となる。
【0018】本組成物の成分組成割合を示す図1の三角
ダイヤグラムにおいて、その組成が、上記座標A、B、
C、Dで囲まれる領域に対して、線分ABを越える場
合、即ちx値が大きい場合は、比誘電率の温度変化率が
+85℃で大きくなる傾向がある。線分BCを越える場
合、即ちy値が大きくz値が小さい場合は、比誘電率の
−25℃での温度変化率が大きくなる傾向がある。線分C
Dを越える場合、即ちx値が小さい場合は、比誘電率の
−25℃での温度変化率が大きくなる傾向がある。線分A
Dを越える場合、即ちz値が大きい場合は、比誘電率の
温度変化率が+85℃で大きくなる傾向がある。
【0019】また、上記組成割合で構成される複合酸化
物主成分に対して、MnO2 を0.3重量%未満の割合で
添加することにより、比誘電率の温度変化率が−25℃及
び+85℃共に小さくなり、それにより比誘電率の温度変
化率を更に小さくして十分に平坦化できることを見出し
た。このMnO2 の添加量が0.3 重量%を越えると、比
誘電率の温度変化率は小さくなるが、比誘電率が小さく
なってしまい、更に、絶縁抵抗が低くなってしまう傾向
があるため望ましくない。
【0020】また、本組成物によれば、BaTiO3
17.5モル%以上含まれるので、磁器の破断モードは粒内
モードとなり、良好な磁器強度を有する誘電体磁器が得
られる。
【0021】以上により本組成物は、比誘電率εrが
5,000以上と高く、かつその−25℃〜+85℃の温度範囲
における変化率が、+20℃での比誘電率を基準として±
15%以内(−15%〜+15%)と小さな誘電体磁器を得る
ことができるものとなる。また、+25℃及び+ 125℃に
おける絶縁抵抗が共に十分大きく、絶縁抵抗の温度変化
率も小さい誘電体磁器を得ることができるものとなる。
また、良好な磁器強度を有する誘電体磁器を得ることが
でき、積層型磁器コンデンサへの応用が可能になる。更
に、焼成を 1,030℃以下の低温で行なうことができるの
で、内部電極材料として銀の含有率の高い安価なAg−
Pd材料を使用でき、積層型磁器コンデンサの製造コス
トを低減することができる。
【0022】従って本組成物を、例えば積層型磁器コン
デンサに用いると、比誘電率が高くかつその温度変化率
が小さく、室温及び高温時の絶縁抵抗が高く、誘電損失
も小さい、小型大容量で温度特性の優れた磁器コンデン
サを得ることができる。また、低温焼成が可能で安価な
電極材料が使用できるので、上記諸特性の優れた安価な
積層型磁器コンデンサを得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の誘電体磁器組成物を、実施例
に基づいて詳述する。 〔例1〕本組成物の出発原料として、PbO、BaCO
3 、MgO、Nb2 5 、ZnO及びTiO2 の各酸化
物粉末を用意した。各酸化物は、純度が99.5%以上のも
のを用いた。
【0024】各酸化物粉末を表1に示した各組成になる
ように秤量し、ボールミルで混合して調合した。なお、
表1の組成は固溶体の組成として示してあり、各固溶体
組成欄において、PMNはPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 を、PZNはPb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 を、BT
はBaTiO3 を表わしている。また、各組成はモル%
(mol%)で示している。次いで、調合した各粉末をアル
ミナ磁器製ルツボに入れて、900 ℃で仮焼した。仮焼後
に粗砕して、さらにジルコニアボールを用いてボールミ
ルで粉砕した。その後、酢酸ビニール樹脂を3%添加し
て造粒し、直径約12mm、厚さ約 1.5mmの円板状に加
圧成形した。この円板状成形体をマグネシア製こう鉢に
入れ、大気中にて700 ℃で脱脂した後に、大気中で 970
〜 1,030℃で2時間焼成した。
【0025】このようにして得られた各焼結体の電気的
特性を評価するために、各焼結体の両主面にAg電極を
形成して円板状コンデンサを作製し、試料1〜10とし
た。
【0026】各試料についての電気的特性の測定は、以
下のように行なった。まず、基準温度25℃で周波数1kH
z、測定電圧1.0 Vrms の信号を入力し、デジタルLC
Rメータ(YHP製4274A)を用いて静電容量及び誘電
損失 tanδを測定し、比誘電率εrを試料の寸法を考慮
して算出した。また、比誘電率εrを−25℃〜+85℃の
温度範囲で測定し、+20℃における値を基準として、−
25℃及び+85℃における温度変化率を求めた。更に絶縁
抵抗率は、絶縁抵抗計を用いて直流電圧50Vを1分間印
加した時の+25℃及び+ 125℃における絶縁抵抗値を測
定し、得られた絶縁抵抗値と電極の直径及び磁器厚さと
から算出した。
【0027】これらの測定結果に対しては、以下の値を
評価基準とした。比誘電率εrは、小型で高誘電率のコ
ンデンサを作製するための重要な特性であり、その値が
5,000を越えるものを良好とした。比誘電率εrの温度
変化率は、−25℃〜+85℃の温度範囲において、±15%
以内であれば良好とした。なお、誘電損失 tanδは、誘
電体磁器のグリーンシートの薄膜化を実現して小型かつ
大容量の積層型磁器コンデンサを作製するための重要な
特性であり、小さい値が望ましい。
【0028】これらの測定結果を表1に示す。表中にお
いて、比誘電率温度変化率の結果は、いずれも−25℃及
び+85℃において最大値を示したので、両温度における
値を%表示で示した。また、表中において*を付した試
料番号のものは、本発明の範囲外の結果を示す比較例で
ある。
【0029】なお、試料番号1、2、3及び4は、図1
の三角ダイヤグラムの座標(x、y、z)が、それぞれ
本発明の範囲を規定する座標A、B、C及びD上に位置
している。また、表1の評価欄における○は各測定結果
が全て良好であったことを示し、×は評価基準に対して
劣る結果であったことを示している。
【0030】
【表1】
【0031】試料番号1〜7のように、x、y、zの各
々が本発明の範囲内にある場合は、全ての結果が良好な
特性を示した。これらの結果より、比誘電率εrが 5,0
00以上と高くしかもその温度変化率が−25℃〜+85℃の
温度範囲において±15%以内と非常に小さく、更に+25
℃及び+ 125℃での絶縁抵抗が十分に高く、誘電損失も
小さな、優れた誘電体磁器組成物が得られることが分か
る。
【0032】これに対してx、y、zが本発明の範囲内
にない場合、試料番号8及び9のようにy値が大きくz
値が小さい場合には、比誘電率の温度変化率が−の温度
側で大きくなる傾向が見られる。一方、試料番号10のよ
うに、z値が大きい場合には、比誘電率の温度変化率が
+の温度側で大きくなる傾向が見られて、いずれも比誘
電率の温度変化率を十分に平坦化できなくなる。
【0033】また、本発明の範囲内にある上記各組成物
の磁器強度について、3mm×4mm×長さ40mmの角
柱試料を作製し、JISのR1601に準拠して4点曲げ法
で曲げ強度を測定した結果、いずれも10kgf/mm2 以上で
あり、優れた実用性を有することが確かめられた。
【0034】〔例2〕本組成物の出発原料として、〔例
1〕の各酸化物粉末に加えて、MnO2 の酸化物粉末を
用意した。このMnO2 も、純度が99.5%以上のものを
用いた。
【0035】表1に示した試料番号6及び7の組成を基
にして、MnO2 添加量が表2に示した各組成になるよ
うに秤量し、ボールミルで混合して調合した。また、M
nO2 添加量は重量%( wt%)で示している。そして、
〔例1〕と同様にして試料11〜15を作製し、各特性を測
定した。
【0036】これらの測定結果を表2に示す。なお、表
2においても、*を付した試料番号のものは本発明の範
囲外の結果を示す比較例であり、評価欄における○は各
測定結果が全て良好であったことを示し、×は評価基準
に対して劣る結果であったことを示している。
【0037】
【表2】
【0038】試料番号11〜14のように、x、y、z及び
MnO2 添加量の各々が本発明の範囲内にある場合は、
全ての結果が良好な特性を示した。これらの結果より、
比誘電率εrが 5,000以上と高く、しかもその温度変化
率が更に小さくなった、優れた誘電体磁器組成物が得ら
れることが分かる。
【0039】これに対して試料番号15のようにMnO2
添加量が 0.2重量%を越えて大きくなると、比誘電率の
温度変化率は小さくなるものの、比誘電率が小さくなっ
てしまい、また、絶縁抵抗も小さくなってしまう傾向が
見られる。
【0040】また、本例においても本発明の範囲内にあ
る各組成物の磁器強度について、〔例1〕と同様に曲げ
強度を測定した結果、いずれも10kgf/mm2 以上であり、
優れた実用性を有することが確かめられた。
【0041】従って上記の各実施例より分かるように、
本発明の誘電体磁器組成物によって、比誘電率εrが
5,000以上と高く、かつその温度変化率が−25℃〜+85
℃の温度範囲において±15%以内と非常に小さく、しか
も+25℃及び+ 125℃での絶縁抵抗が十分に高く、誘電
損失 tanδも小さく、更に10kgf/mm2 以上と良好な曲げ
強度を有する、優れた特性の誘電体磁器組成物が得られ
る組成物とするには、上記本組成物の組成構成における
x、y、zの座標並びにMnO2 の添加量を本発明の範
囲内に設定することが重要である。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の誘電体磁
器組成物によれば、比誘電率εrが大きく、かつその温
度変化率が非常に小さく、誘電損失 tanδが小さく、更
に良好な磁器強度を有し、しかも低温焼成が可能な誘電
体磁器組成物を提供することができた。
【0043】そして、本組成物を用いることにより、比
誘電率εrが 5,000以上と大きく、かつその温度依存性
が−25〜+85℃の温度範囲において±15%以内と小さ
く、絶縁抵抗が+25℃及び+ 125℃において共に十分大
きく、しかも誘電損失 tanδが小さく、更に良好な磁器
強度を有する、優れた特性を有する良好な誘電体磁器が
得られ、高誘電率系で小型大容量の積層型磁器コンデン
サへの応用に好適となった。
【0044】また、本組成物によれば、誘電体磁器を
1,030℃以下の低温で焼成できるので、安価な銀の含有
率が高いAg−Pd電極が使用でき、経済性にも優れた
誘電体磁器組成物を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘電体磁器組成物の主成分組成を示
す、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Zn1/3
2/3 )O3 、BaTiO3 の三角ダイヤグラムであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb
    (Zn1/3 Nb2/3 )O3 とBaTiO3 とから成る誘
    電体磁器組成物であって、これらの成分割合を xPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −yPb(Zn1/3
    2/3 )O3 −zBaTiO3 (式中、x、y及びzはモル%を示し、x+y+z=1
    00)で表わした時、x、y、z値が図1の三角ダイヤ
    グラムにおいて下記の座標A、B、C、Dの内部(但
    し、線分上を含む)に位置することを特徴とする誘電体
    磁器組成物。 A(45.6、26.9、27.5) B(52.0、30.5、17.5) C(14.5、58.0、27.5) D(14.0、56.0、30.0)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器組成物に対し
    て、MnO2 を0.3重量%未満の割合で添加したこと
    を特徴とする誘電体磁器組成物。
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