JPH07287101A - 耐湿反射防止膜 - Google Patents

耐湿反射防止膜

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JPH07287101A
JPH07287101A JP6078694A JP7869494A JPH07287101A JP H07287101 A JPH07287101 A JP H07287101A JP 6078694 A JP6078694 A JP 6078694A JP 7869494 A JP7869494 A JP 7869494A JP H07287101 A JPH07287101 A JP H07287101A
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thickness
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Hideo Fujii
秀雄 藤井
Kiyoshi Araki
清 荒木
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高湿度雰囲気に曝されて表面に水滴が生じた
後に蒸発して残ったフローマークを簡単に拭き取ること
ができる反射防止膜を提供すること。 【構成】 光学ガラス基板上に、設計波長550nmで
光学膜厚234〜316nmのSiO2 から成る第一
層、光学膜厚43〜58nmのHfO2 又はTa2 5
から成る第二層、光学膜厚34〜46nmのSiO2
ら成る第三層、光学膜厚113〜153nmのHfO2
又はTa2 5 から成る第四層、光学膜厚115〜15
5nmのSiO2 から成る第五層及び光学膜厚5〜15
nmのパーフルオロアルキルシラザンから成る第六層を
順次形成して構成されたことを特徴とする耐湿反射防止
膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学機器を構成するレ
ンズ、プリズム等の光学部品、特に高湿度雰囲気で用い
られる光学部品に好適な反射防止膜に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、光学機器を構成する
レンズ、プリズム等の光学部品に用いられる反射防止膜
としては、例えば、光学膜厚138nmのAl2 3
ら成る第一層、光学膜厚275nmのZrO2 から成る
第二層、光学膜厚138nmのMgF2 から成る第三層
をBK7光学ガラス基板(屈折率=1.52)上に順次
形成した反射防止膜を使用していた。しかしながら、こ
のような従来の反射防止膜は、その表面に水滴が生じる
ような高湿度雰囲気では、水滴が長時間かけて蒸発した
場合に水滴が存在した部分に白い曇り状のフローマーク
が残り、このフローマークはアルコール等の溶剤で拭き
取っても簡単には落ちないという問題点があった。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記の従来技術の問題点を解
消し、高湿度雰囲気に曝されて表面に水滴が生じた後に
蒸発して残ったフローマークを簡単に拭き取ることがで
きる反射防止膜を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、耐湿性の高い高屈折率材料で
あるHfO2 又はTa2 5 と耐湿性に優れた低屈折率
材料であるSiO2 とを組み合わせて反射防止膜を構成
し、さらに最外層上に撥水性の高分子材料であるパーフ
ルオロアルキルシラザンから成る層を形成することによ
り上記目的を達成したものである。
【0005】すなわち、本発明の耐湿反射防止膜は、光
学ガラス基板上に、設計波長550nmで光学膜厚23
4〜316nmのSiO2 から成る第一層、光学膜厚4
3〜58nmのHfO2 又はTa2 5 から成る第二
層、光学膜厚34〜46nmのSiO2 から成る第三
層、光学膜厚113〜153nmのHfO2 又はTa2
5 から成る第四層、光学膜厚115〜155nmのS
iO2 から成る第五層及び光学膜厚5〜15nmのパー
フルオロアルキルシラザンから成る第六層を順次形成し
て構成されたことを特徴とする。
【0006】本発明の反射防止膜において、第六層を構
成するパーフルオロアルキルシラザンとしては、充分な
撥水性と成膜性を有するものであれば、特に制限はない
が、アルキル基の炭素数が1〜4のものが好ましい。具
体的には、パーフルオロメチルシラザンやパーフルオロ
ジエチルシラザンなどが挙げられる。
【0007】上記のように、耐湿性の高い高屈折率材料
であるHfO2 又はTa2 5 と耐湿性に優れた低屈折
率材料であるSiO2 とを用いて5層からなる反射防止
膜を形成し、さらに高湿度雰囲気に曝されても反射防止
膜表面に水滴が生じにくいように撥水性を有するパーフ
ルオロアルキルシラザンから成る第六層を最外層に形成
することによって優れた耐湿性を有する反射防止膜が得
られる。
【0008】本発明の反射防止膜を構成する各層は、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、イオンビームアシスト法など、任意の方法で形成す
ることができる。
【0009】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。
【0010】実施例1 屈折率1.52のBK7光学ガラス基板を250℃に加
熱し、真空蒸着装置により光学膜厚275nmのSiO
2 から成る第一層、光学膜厚50nmのHfO2 から成
る第二層、光学膜厚40nmのSiO2 から成る第三
層、光学膜厚133nmのHfO2 から成る第四層、光
学膜厚135nmのSiO2 から成る第五層を順次形成
した後、該ガラス基板を80℃まで冷却し、光学膜厚1
0nmのパーフルオロメチルシラザンから成る第六層を
形成して反射防止膜を作製した。
【0011】実施例2 屈折率1.52のBK7光学ガラス基板を250℃に加
熱し、真空蒸着装置により光学膜厚275nmのSiO
2 から成る第一層、光学膜厚50nmのTa25 から
成る第二層、光学膜厚40nmのSiO2 から成る第三
層、光学膜厚133nmのTa2 5 から成る第四層、
光学膜厚135nmのSiO2 から成る第五層を形成し
た後、該ガラス基板を80℃まで冷却し、光学膜厚10
nmのパーフルオロメチルシラザンから成る第六層を順
次形成して反射防止膜を作製した。
【0012】比較例1 屈折率1.52のBK7光学ガラス基板を250℃に加
熱し、真空蒸着装置により光学膜厚138nmのAl2
3 から成る第一層、光学膜厚275nmのZrO2
ら成る第二層、光学膜厚138nmのMgF2 から成る
第三層を順次形成して反射防止膜を作製した。
【0013】比較例2 屈折率1.52のBK7光学ガラス基板を250℃に加
熱し、真空蒸着装置により光学膜厚138nmのAl2
3 から成る第一層、光学膜厚275nmのZrO2
ら成る第二層、光学膜厚138nmのMgF2 から成る
第三層を順次形成した後、該ガラス基板を80℃まで冷
却し、第三層上に光学膜厚10nmのパーフルオロメチ
ルシラザンから成る第四層を形成して反射防止膜を作製
した。
【0014】比較例3 屈折率1.52のBK7光学ガラス基板を250℃に加
熱し、真空蒸着装置により光学膜厚275nmのSiO
2 から成る第一層、光学膜厚50nmのHfO2 から成
る第二層、光学膜厚40nmのSiO2 から成る第三
層、光学膜厚133nmのHfO2 から成る第四層、光
学膜厚135nmのSiO2 から成る第五層を順次形成
して反射防止膜を作製した。
【0015】実施例1、実施例2及び比較例1で得られ
た反射防止膜の分光反射率特性をそれぞれ図1、図2及
び図3に示す。これらの図から明らかなとおり、反射防
止膜は、いずれも設計波長550nmを中心に波長幅1
50〜290nmで反射率0.5%以下という5°入射
分光反射率特性を示している。
【0016】耐湿試験 上記の実施例及び比較例で得た各反射防止膜上に純水か
ら成る水滴を載せ、温度65℃、相対湿度95%の雰囲
気中に14時間放置した後、その膜面の外観を観察し
た。次いで、その膜面をアルコールで拭き取り、膜面の
外観を評価した。外観は、下記の基準で評価し、結果を
表1に示す。
【0017】水滴蒸発後の外観 ×:大きなフローマークが残る。 ○:小さなフローマークが残る。 アルコール拭き取り後の外観 ×:変化なし。 △:フローマークが殆ど見えない。 ○:フローマークは見えない。
【0018】
【表1】
【0019】表1から判るように、耐湿性に優れた高屈
折率材料であるHfO2 又はTa25 と耐湿性に優れ
た低屈折率材料であるSiO2 とを組み合わせて反射防
止特性を付与し、さらにパーフルオロアルキルシラザン
から成る最外層を用いた撥水性を付与した本発明の反射
防止膜は、従来の反射防止膜に比べて著しく耐湿性が向
上している。
【0020】
【発明の効果】本発明の反射防止膜は、設計波長550
nmを中心に波長幅150nmで反射率0.5%以下
の、高い反射防止効果を示すと共に優れた耐湿効果を有
しているので、高湿度雰囲気で用いられる光学部品への
反射防止膜に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した反射防止膜の分光反射率特
性図である。
【図2】実施例2で作製した反射防止膜の分光反射率特
性図である。
【図3】比較例1で作製した反射防止膜の分光反射率特
性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス基板上に、設計波長550n
    mで光学膜厚234〜316nmのSiO2 から成る第
    一層、光学膜厚43〜58nmのHfO2 又はTa2
    5 から成る第二層、光学膜厚34〜46nmのSiO2
    から成る第三層、光学膜厚113〜153nmのHfO
    2 又はTa2 5 から成る第四層、光学膜厚115〜1
    55nmのSiO2 から成る第五層及び光学膜厚5〜1
    5nmのパーフルオロアルキルシラザンから成る第六層
    を順次形成して構成されたことを特徴とする耐湿反射防
    止膜。
  2. 【請求項2】 パーフルオロアルキルシラザンのアルキ
    ル基が、炭素数1〜4のアルキル基である請求項1記載
    の耐湿反射防止膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09258004A (ja) * 1996-03-25 1997-10-03 Ulvac Japan Ltd 反射防止多層膜とその成膜方法並びにその成膜装置
US5851674A (en) * 1997-07-30 1998-12-22 Minnesota Mining And Manufacturing Company Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
US6277485B1 (en) 1998-01-27 2001-08-21 3M Innovative Properties Company Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
US6660392B2 (en) * 2000-12-08 2003-12-09 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Anti-reflection film and optical members using the same

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