JPH0728658Y2 - 水流スイッチフラッパー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水流を検出して信号を発する水流スイッチに
おいて、水流により回動される水流スイッチフラッパー
に関する。

〔従来技術〕 従来、両端に流入口と流出口とが形成された流通室の内
部に、板状体で形成されたフラッパーの基端を回動自在
に枢着し、流入口から流出口への水流によりフラッパー
が回動され、このフラッパーの回動によって流通室の内
部または外部に設置されたスイッチが動作する水流スイ
ッチが一般に知られている。

このような水流スイッチに用いられているフラッパーと
しては、例えば第３（ａ）図に示すように、フラッパー
100は略矩形の平坦部101と、平坦部101の一端側の基端
部102と、基端部102の両側に形成された軸支ブラケット
103とから成り、平坦部101が水流を受けて回動力を発生
するもの、或いは第３（ｂ）図に示すように、フラッパ
ー200は略矩形の平坦部201と、平坦部201の一端側に形
成された折り曲げ部202と、平坦部201の他端側の基端部
203と、基端部203の両側に形成された軸支ブラケット20
4とから成り、平坦部201と折り曲げ部202が水流を受け
て回動力を発生するものが知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の水流スイッチフラッパーは、
水流を充分にキャッチすることができないから、水流ス
イッチが安定して動作するためには大きな流量の水流が
必要であるという難点があった。

この難点を解決して作動流量を低下させるためには、水
流スイッチフラッパーの重量を軽量化する、或いは平坦
部または平坦部と折り曲げ部との受圧面積を大きくする
ことが知られているが、水流スイッチフラッパーを軽量
化する、或いは受圧面積を大きくすると、流通室の内部
で水流スイッチフラッパーが引っ掛かりやすくなり、誤
作動を生じる恐れがあるという問題があった。

本考案の目的は、上記問題点を解決し、低流量において
も安定した作動をする水流スイッチフラッパーを提供す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案の水流スイッチフラッ
パーは、板状体で略矩形に形成された平坦部と、平坦部
の一端を平坦部と所定の角度をもって折り曲げて形成さ
れた折曲部と、折曲部と略Ｖ字形を成して平坦部から立
設された折り返し部と、折曲部と折り返し部とで形成す
る略Ｖ字形の溝の両端側に、折曲部と折り返し部の端部
との間に所定の間隙をおいて、折曲部及び折り返し部と
同方向に立設された側壁部と、平坦部の他端に形成され
た基端部と、基端部の両側端に立設された軸支フランジ
とから形成されている。

〔作用〕

上記のとおり構成された本考案の水流スイッチフラッパ
ーは、通水初期においては流入口からの水流が折曲部を
押圧して水流スイッチフラッパーを押し上げる。

水流スイッチフラッパーがある程度押し上げられると、
水流が折曲部に加えて折り返し部にも衝突し、確実に水
流スイッチフラッパーが回動されるものであり、折り返
し部で水流を受ける際に、平坦部が板状体であるために
水流からの圧力を確実に受けるものである。

さらに水流スイッチフラッパー１が回動されると、スイ
ッチがオンされる。

この時、側壁部は折曲部及び折り返し部に衝突する水流
が横に逃げるのを防ぎ、水流の押圧力を確実に受けるよ
うにするとともに、通水停止時には側壁部と折曲部及び
折り返し部との間に形成された受圧ポケット内の水が、
折曲部及び折り返し部の端部と側壁部との間隙から流出
するから、水中に含まれる塵、ゴミ等が溜まることがな
く、また水垢が付着しにくくなる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、水流スイッチフラッパー１は、略矩形
の平坦部10と、平坦部10の一端を平坦部10と所定の角度
をもって折り曲げて形成された折曲部11と、折曲部11と
略Ｖ字形を成して平坦部10から立設された折り返し部12
と、折曲部11と折り返し部12とで形成する略Ｖ字形の溝
の両端部に立設された側壁部13、14と、平坦部10の他端
に形成された基端部15と、基端部15の両端に立設された
軸支フランジ16とから成り、折曲部11と折り返し部12の
両端と側壁部13、14との間に間隙Ｗが形成されている。

第２（ａ）図において、ケーシング２に形成された流通
室20内に、軸支フランジ16により水流スイッチフラッパ
ー１が回動可能に支持されており、流通室20の一端下部
に開口された流入口21に折曲部11と折り返し部12及び側
壁部13、14が対向している。

流通室20の他端上部に流出口22が形成されており、流通
室20の底壁は流入口21から流出口22に向かって円滑に隆
起するように形成され、上壁にはストッパ23が突設され
ている。

動作について説明すると、通水初期においては（第２
（ａ）図）、流入口21からの水流Ｆが折曲部11の折り返
し部12側面を押圧して水流スイッチフラッパー１を押し
上げる。

水流スイッチフラッパー１がある程度押し上げられる
と、水流Ｆが折曲部11に加えて折り返し部12の折曲部11
側面にも衝突し（第２（ｂ）図）、確実に水流スイッチ
フラッパー１が回動される。

さらに水流スイッチフラッパー１が回動されると、スト
ッパ23に当接し（第２（ｃ）図）、スイッチ（図示せ
ず）がオンされる。

側壁部13、14は、折曲部11及び折り返し部12に衝突する
水流Ｆが横に逃げるのを防ぎ、水流Ｆの押圧力を確実に
受けるようにする。

なお、折曲部11と折り返し部12の両端と側壁部13、14と
の間に形成された間隙Ｗにより、通水停止時には側壁部
13,14と折曲部11及び折り返し部12との間に形成された
受圧ポケット内の水が上記間隙Ｗから流出するから、水
中に含まれる塵、ゴミ等が付着して詰まることがなく、
また水垢が付着しにくくなる。

上記の構成により、水流Ｆを折曲部11に加えて折り返し
部12でも受けるように構成され、側壁部13、14が折曲部
11及び折り返し部12に衝突する水流Ｆが横に逃げるのを
防いでいるから、流通室20内で引っ掛かる等のリスクを
負うことなく、低流量での安定した動作を確保すること
ができる。

〔考案の効果〕

本考案は上述のとおり構成されているから、以下に述べ
るとおりの効果を奏する。

水流を水流スイッチフラッパーの折曲部に加えて折り返
し部でも受けるように構成され、両側の側壁部が折曲部
及び折り返し部に衝突する水流が横に逃げるのを防いで
いるから、通水初期等の低流量での安定した動作を確保
することができるとともに、流量が増大して水流スイッ
チフラッパーがある程度回動すると、折り返し部で水流
を受けるから常に適正な角度で水流が当たることにな
り、確実な動作が得られる。

また、通水停止時には、側壁部と折曲部及び折り返し部
との間に形成された受圧ポケット内の水が、折曲部及び
折り返し部の端部と側壁部との間隙から流出するから、
水中に含まれる塵、ゴミ等が付着して詰まることがな
く、また水垢が付着しにくくなる。

【図面の簡単な説明】 図は本考案の実施例を示すもので、第１図は本考案に係
る水流スイッチフラッパーの斜視図、第２（ａ）図乃至
第２（ｃ）図は動作説明図、第３（ａ）図及び第３
（ｂ）図はそれぞれ従来の水流スイッチフラッパーの斜
視図である。 １……水流スイッチフラッパー、10……平坦部、11……
折曲部、12……折り返し部、13,14……側壁部、15……
基端部、16……軸支フランジ、Ｗ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状体から成る平坦部と、該平坦部の一端
   を折り曲げた折曲部と、折曲部と略Ｖ字形を成して平坦
   部から立設された折り返し部と、折曲部と折り返し部で
   形成する溝の両端側に、折曲部と折り返し部の端部との
   間に所定の間隙をおいて、折曲部及び折り返し部と同方
   向に立設された側壁部と、平坦部の他端に形成された基
   端部と、基端部の両側端に立設された軸支フランジとか
   ら成ることを特徴とする水流スイッチフラッパー。