JPH07286186A - 石炭ガス化発電プラント - Google Patents

石炭ガス化発電プラント

Info

Publication number
JPH07286186A
JPH07286186A JP6081276A JP8127694A JPH07286186A JP H07286186 A JPH07286186 A JP H07286186A JP 6081276 A JP6081276 A JP 6081276A JP 8127694 A JP8127694 A JP 8127694A JP H07286186 A JPH07286186 A JP H07286186A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal
oxygen
gasification
slag
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6081276A
Other languages
English (en)
Inventor
Narihisa Sugita
成久 杉田
Atsushi Morihara
森原  淳
Zensuke Tamura
善助 田村
Toshihiko Sasaki
俊彦 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6081276A priority Critical patent/JPH07286186A/ja
Priority to CN95104239A priority patent/CN1041108C/zh
Publication of JPH07286186A publication Critical patent/JPH07286186A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
    • Y02E20/18Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]

Landscapes

  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、石炭ガス化発電プラントにお
いて石炭ガス化炉を安定に運転した上で、酸素製造に必
要な所内動力を低減させ発電効率を向上させる系統を提
供することにある。 【構成】石炭ガス化炉内部に高さの異なる複数の酸化剤
供給系統を設け、炉内温度を下部で石炭灰を溶融する以
上に高くし、上部では溶融しないよう低くするように炉
内温度を制御する手段として、スラグタップ最も近い酸
化剤供給系統から供給される酸化剤の酸素濃度を、他の
酸化剤供給系統から供給される酸化剤の酸素濃度より高
くする。 【効果】本発明によれば、石炭ガス化発電プラントにお
いて石炭ガス化炉内で石炭灰をスラグ化するに必要な温
度を確保しガス化炉を安定に運転した上で、ガス化に必
要な酸素量を減少させることができるので、酸素製造に
必要な所内動力を低減させ発電効率を向上させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭ガス化炉を用い石炭
をガス化し、ガス化した燃料ガスをガスタービンに供給
し、発電を行う石炭ガス化発電プラントに関し、特に石
炭中の灰分を溶融しスラグ状とし、このスラグ状灰分を
ガス化室下方にスラグタップを介して抜き出す流層ガス
化炉を安定に運転すると共にプラント効率を高める石炭
ガス化発電プラントの系統に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭ガス化炉には、固定層,流動層,噴
流層等の形式があるが、発電プラント用の石炭ガス化炉
としては、主に石炭灰を溶融しガス化を行う噴流層炉が
世界各国で開発されている。噴流層炉は、石炭を微粉化
し、水,蒸気,窒素,二酸化炭素,ガス化燃料ガス等の
ガスにより輸送しガス化炉に供給する。微粉炭が、ガス
化炉に噴出される部分にはバーナが設けられ、このバー
ナには石炭をガス化するのに必要な酸化剤が同時に供給
されるようになっている。噴流層炉によりガス化が行わ
れる基本原理は、バーナからガス化炉に供給した石炭と
酸化剤が反応し、その反応により発生した熱により高温
状態になり、石炭中に含まれる灰が溶融し、スラグ状に
なった灰が分離されると同時に、ガス化反応がおこり、
一酸化炭素,水素およびメタンなどで構成される可燃性
燃料ガスを発生させるものである。噴流層炉ではガス化
炉内に、石炭中の灰分を溶融させるために必要な高い温
度の領域(1000℃以上、石炭の種類により異な
る。)をガス化燃料の原燃料である石炭の燃焼によって
作り出す必要がある。灰の溶融温度が高い石炭ほど燃焼
反応を多くすることによって高温にしなければならな
く、このため石炭が持つエネルギの顕熱への変換率が多
くなり、石炭ガス化燃料としての発熱量は低下すること
になる。
【0003】石炭中灰分の溶融を容易にするため炉の温
度を高温化するためには、酸化剤として酸素を用いるこ
とが一般的であるが、ガス化炉における酸素の使用量が
増加すると酸素を空気より分離製造するための動力が大
きくなり、発電プラントとしての効率は低下することに
なる。
【0004】石炭ガス化炉において生じるもう一方の問
題は、溶融しスラグ状になった灰がガス化した燃料ガス
によって運ばれ炉内壁や下流の熱交換器等に付着するこ
とである。スラグの付着を防止する一つの方法は燃料ガ
ス温度を低下させスラグを固化し付着しにくくすること
である。
【0005】これらの問題を解決するため、ガス化炉内
に微粉炭と酸化剤を上下方向に分割して供給し、微粉炭
と酸化剤の混合比を変えることにより炉内温度を変化さ
せる方法があり、これらについては、特公平4−72877号
公報に記載されている。また、電気新聞(平成6年3月
14日)の記事には、水素製造用石炭ガス化炉において
灰分の溶融温度にあわせ、炉内の上下バーナ間温度差を
大きく取り、上部では灰は溶けず、下部で溶けて流下す
るように温度を制御することによって連続運転する方法
が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来例にはガス化炉のガス化プロセスに関する記載はあ
るが、ガス化炉をガスタービンその他発電機器と組み合
わせ発電するための石炭ガス化発電プラント系統に関す
る記載はない。
【0007】さらに、これら従来例では炉内上下の温度
差をつける手段としてバーナを上下に設置し、バーナに
供給する微粉炭と酸素の混合比を上下で変えることによ
り行っているが、この方法では微粉炭処理量当たりの酸
素使用量(酸素製造プラントで製造される酸素)を低減
できる効果はなく、酸素製造に必要な所内動力を低減で
きない欠点がある。
【0008】本発明の目的は、石炭ガス化発電プラント
において石炭ガス化炉を安定に運転した上で、酸素製造
に必要な所内動力を低減させ発電効率を向上させる系統
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、石炭ガス化
炉内部に高さの異なる複数の酸化剤供給系統を設け、炉
内温度を下部で石炭灰を溶融する以上に高くし、上部で
は溶融しないよう低くするように炉内温度を制御する手
段として、スラグタップ最も近い酸化剤供給系統から供
給される酸化剤の酸素濃度を、他の酸化剤供給系統から
供給される酸化剤の酸素濃度より高くすることによって
達成する。
【0010】
【作用】石炭ガス化炉における主な反応は、以下の式で
表される。
【0011】 石炭→(チャー,H2,CO,CO2,CH4) …(1) チャー+H2O→CO+H2 …(2) チャー+CO2→2CO …(3) (石炭,チャー)+O2→CO+CO2 …(4) ここで、チャーとは石炭中の揮発分が分離した後の残留
炭素を示す。ガス化反応は最初(1)式の熱分解反応に
より生じた揮発分が周囲の酸素と反応しCO2やH2
を生成し、大量の熱を発生する。この揮発分の燃焼が終
了してもなお酸素が存在する場合に(4)式によりチャ
ーが燃焼する。ここで生成された高温のCO2やH2Oが
チャーと接触し(2),(3)式で示した反応が進行す
る。
【0012】以上の反応過程が終了した時点でさらに残
留したチャーがガス化された燃料と共に炉外へ排出さ
れ、サイクロン,フィルター等によって分離され再度ガ
ス化炉内部に供給される。
【0013】ガス化炉に供給された石炭とチャーは、酸
化剤中の酸素(O2)により(4)式の反応を生じ発熱
し、この熱により石炭は(1)式の熱分解反応を生じ、
さらに(2)式および(3)式の反応により可燃性燃料
ガスを発生する。(4)式以外は吸熱反応であり、酸素
の供給量により(4)式の反応を制御し、反応温度を変
えることができる。
【0014】スラグをガス化室下部に設けたスラグ冷却
室にスラグタップを通して抜き出すためには、スラグタ
ップ近傍を石炭中の灰がスラグ化する温度以上にすれば
よい。このため、ガス化室に酸化剤を供給する複数の系
統の中でスラグタップに最も近い酸化剤供給系統の酸素
量を供給する石炭量に対して高くすることにより、
(4)式の反応を進ませ、スラグタップ近傍で最も温度
の高い領域を作り、これによって石炭中の灰分を安定的
に溶融し流動化させるようにしたのが従来の方式(特公
平4−72877号、電気新聞(平成6年3月14日))であ
る。しかしながら、この方式では酸化剤と石炭の比率を
変えて供給するだけで、酸素(酸素製造プラントで製造
される酸素)の使用量を低減できる効果はなく、酸素製
造に必要な動力を低減できる効果はない。
【0015】本発明によれば、スラグタップ近傍からは
なれた酸化剤供給系から供給される酸化剤の酸素濃度を
低くすることによって、(4)式の反応を抑制し、
(1)式から(3)式を進ませ、従来例と同様な効果を
得ることができる上に酸化剤中の酸素濃度を低下させて
いる希釈ガスの顕熱を上昇させるため余分の熱量が必要
となり、この酸化剤供給系近くのガス化室温度は従来例
よりさらに低下させることができる。このためガス化室
上方ではスラグは固化することになり、炉内に付着しに
くくすることができる。
【0016】また、酸素(酸素製造プラントで製造され
る酸素)は最低限スラグタップ近傍の酸化剤供給系のみ
の供給量ですみ、他の酸化剤としては空気,低濃度酸素
(空気と酸素の混合ガス,酸素と不活性ガス(窒素,水
蒸気)の混合ガス)が利用できるため、酸素の使用量は
低減し酸素製造に必要な動力を減少できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。
【0018】ガスタービン装置は、ガスタービン圧縮機
1,燃焼器2,ガスタービン3及びガスタービン発電機
4で構成され、ガスタービン圧縮機1入口にはガスター
ビン入口空気配管50が、ガスタービン3出口には燃焼
排ガス管55が設置されている。
【0019】石炭ガス化炉5は、ガス化室65とガス化
室65下部に設けたスラグ冷却室66およびガス化室6
5上部に設けたガス冷却装置69で構成される。ガス化
室65とスラグ冷却室66の間には、ガス化室65とス
ラグ冷却室66を貫通する孔を設けたスラグタップ67
が設置されている。ガス化室65とガス冷却装置69の
間はガス化室65の断面積より断面積が少ないガス絞り
部70で仕切られている。ガス化室65には高さの異な
る2系統の酸化剤供給系統が接続されており、スラグタ
ップ67に近い位置には第1酸化剤供給系101が設置
され、ガス化室65との接点となる第1酸化剤供給系1
01の先端にはノズルが取り付けられている。このノズ
ルには、第1酸化剤供給系101だけでなく石炭供給A
系60が接続される。第1酸化剤供給系101の上方に
は第2酸化剤供給系102が設置され、ガス化室65と
の接点となる第2酸化剤供給系102の先端にもノズル
が取り付けられている。このノズルには第2酸化剤供給
系102だけでなく石炭供給B系61が接続される。
【0020】スラグ冷却室66内には冷却水68が貯え
てあり、その底部にはスラグ排出管52が設置されてい
る。
【0021】酸素製造プラント10には、空気圧縮機1
2からの空気配管が接続されている。酸素製造プラント
10からでた酸素配管は酸素圧縮機11を経て酸素供給
管58に接続され、酸素供給管58は第1酸化剤供給系
101に接続される。また、酸素製造プラント10から
でた窒素配管は、窒素圧縮機13を経て高圧窒素供給管
64に接続される。高圧窒素供給管64は石炭供給窒素
A系62と石炭供給窒素B系63に別れ、石炭供給窒素
A系62は石炭供給A系60に接続し、石炭供給窒素B
系63は石炭供給B系61に接続される。
【0022】ガスタービン圧縮機1の出口には抽気空気
配管51が設けられ、ブースト圧縮機59を経て第2酸
化剤供給系102に接続される。
【0023】ガス冷却装置69内には石炭ガス化炉蒸発
器38が設けてあり、ガス化炉5出口からは、粗製燃料
ガス配管53が粗製燃料ガス熱回収ボイラー6に接続さ
れ、粗製燃料ガス熱回収ボイラー6にも蒸発器39、さ
らにエコノマイザー36,過熱器40が設置される。粗
製燃料ガス熱回収ボイラー40出口からの配管は、ガス
=ガス熱交換器7を通りガス精製装置8へ接続される。
ガス精製装置8からの精製燃料ガス供給管54は再びガ
ス=ガス熱交換器7に入り、ガスタービン燃料配管9を
通りガスタービン装置の燃焼器2に接続される。
【0024】ガスタービン3から燃焼排ガス管55が、
排熱回収ボイラー14に接続され、排熱回収ボイラ14
出口には燃焼排ガス排出管56が接続される。排熱回収
ボイラー14には、低圧エコノマイザー30,低圧ドラ
ム31,低圧蒸発器32,高圧エコノマイザー33,高
圧ドラム34,高圧蒸発器35,過熱器45,再熱器4
6,加圧ポンプ23が設置されている。
【0025】蒸気タービン系は、高圧蒸気タービン1
5,再熱蒸気タービン16,低圧タービン17,蒸気タ
ービン発電機18,復水器19,給水ポンプ20で構成
されている。復水器19からの給水管路57は、給水ポ
ンプ20を通り排熱回収ボイラー14内の低圧エコノマ
イザー30に接続される。低圧エコノマイザー30の出
口は低圧ドラム31に接続されると同時に、加圧ポンプ
23へ接続される。加圧ポンプ23出口の配管は、高圧
エコノマイザー33につながり高圧ドラム34へ接続さ
られる。さらに、加圧ポンプ23出口から粗製燃料ガス
熱回収ボイラー6のエコノマイザー36にも接続される
配管が設けられる。低圧ドラム31は低圧蒸発器32を
備え、高圧ドラム34は高圧蒸発器35を備えている。
高圧ドラム34は過熱器45に接続され、この過熱器の
途中には、粗製燃料ガス熱回収ボイラー6の過熱器40
からの配管が接続される。
【0026】粗製燃料ガス熱回収ボイラー6のエコノマ
イザー36の出口は高圧ドラム37につながり、このド
ラムからはガス化炉5内の蒸発器38及び、粗製燃料ガ
ス熱回収ボイラー6の蒸発器39に接続されると同時
に、過熱器40に接続される。排熱回収ボイラー14内
の過熱器45からの配管は高圧蒸気タービン15に接続
され、高圧蒸気タービン15出口からは排熱回収ボイラ
ー14内の再熱器46へ配管が接続される。また、この
配管には低圧ドラム31からの配管も接続される。再熱
器46出口からは再熱蒸気タービン16へ配管が接続さ
れ、再熱蒸気タービン16出口からは低圧タービン17
へ管路が接続され低圧蒸気タービン17出口からは、復
水器19に管路が接続される。蒸気タービン発電機18
は、高圧蒸気タービン15,再熱蒸気タービン16,低
圧蒸気タービン17に接続されている。
【0027】以下、本実施例の動作を説明する。
【0028】酸素製造プラント10には空気圧縮機12
によって圧縮された空気が供給される。空気圧縮機12
は一般には中間冷却器付きの圧縮機を用いて圧縮動力の
低減を計っている。空気圧縮機12を出た高圧空気は酸
素製造プラント10内で酸素と窒素に分離され、酸素製
造プラント10出口では、酸素と窒素が得られる。発電
用のガス化では、製鉄などの産業用酸素濃度ほど純粋な
酸素濃度は必要でなく約95%以上の酸素濃度で十分で
あり、本発明中での酸素とは、この高酸素濃度(約95
%以上)のガスを示す。
【0029】酸素製造プラント10で空気より分離され
た窒素ガスは、窒素圧縮機13で昇圧され高圧窒素供給
管64を通って石炭供給窒素A系62と石炭供給窒素B
系63に分けられる。石炭供給窒素A系62を流れる窒
素ガスは、石炭供給A系60内の微粉炭を搬送し、第1
酸化剤供給系101先端のノズルに供給される。酸素製
造プラント10で空気と分離された酸素は、酸素圧縮機
11で昇圧され酸素供給管58を通って第1酸化剤供給
系101に供給され第1酸化剤供給系101先端のノズル
にて微粉炭と混合しガス化室65に噴射される。
【0030】石炭供給窒素B系63を流れた窒素ガス
は、石炭供給B系61内の微粉炭を搬送し、第2酸化剤
供給系102先端のノズルに供給する。このノズルへは
ガスタービン圧縮機1出口から抽気空気配管51を通っ
て抽気し、ブースト圧縮機59で昇圧された空気が第2
酸化剤供給系102を通って供給され、ノズル部分で微
粉炭と混合しガス化室65に噴射される。
【0031】ガス化室65内では、第1酸化剤供給系1
01先端のノズルから供給された酸素と微粉炭が反応す
る。酸素濃度が高いため(4)式の酸化反応が進み発熱
し、(1),(2),(3)式の反応により微粉炭をガス化
すると同時に、微粉炭中に含まれる灰を溶かしスラグ状
にする。スラグとなった灰は、スラグタップ67を通っ
てスラグ冷却室66の底部に溜めてある冷却水68中に
落下し、急冷により破砕される。この図には示していな
いが一般に冷却水68中には、固化し破砕されたスラグ
をさらに微細にする破砕機があり、固化したスラグをさ
らに細かくする。細かくなったスラグは、スラグ排出管
52から石炭ガス化炉5外部へと排出される。
【0032】第1酸化剤供給系101上部の第2酸化剤
供給系102から供給された微粉炭と空気は、第1酸化
剤供給系101から供給された微粉炭と酸素の反応熱を
受けガス化反応を起こすが、酸素濃度が低く酸素量が不
足するため(4)式の反応より(1)〜(3)式の反応
が進む。さらに空気中には不活性な窒素ガスが含まれて
おり、この窒素ガスの顕熱も高める必要があるため温度
は下部と比較し低くなる。したがって、石炭中の灰は溶
融することができなくガス化室65下部に落ちるか、ガ
ス化された粗製ガスに運ばれガス絞り部70を通ってガ
ス冷却装置69に運ばれる。
【0033】ガス化室65下部に落ちた灰は、下部が高
温であるため溶融しスラグとなる。ガス冷却装置69に
入った灰は、石炭ガス化炉蒸発器38や炉内部に付着し
たりするが、温度が低いことにより、容易に剥離でき
る。粗製ガスに運ばれガス化炉外に運びだされた灰は、
ここには示していないが、サイクロンやフィルターによ
り粗製ガスと分離される。
【0034】また、ガス化室65からは未反応なチャー
が発生し、粗製ガスによってガス絞り部70,ガス冷却
装置69を通ってガス化炉外部に排出されるが、このチ
ャーもサイクロンやフィルターにより粗製ガスと分離さ
れ、再度ガス化室65に供給されるのが一般的である
が、この実施例には示していない。
【0035】ガス化炉5でつくられた粗製ガスは温度が
高いため粗製燃料ガス熱回収ボイラー6におくられ排熱
回収ボイラー14の加圧ポンプ23から送られた高圧給
水をボイラー6内のエコノマイザー36で加熱し、ドラ
ム37に送り、蒸発器39及びガス化炉の蒸発器38で
蒸発させ、さらに過熱器40で過熱する。
【0036】粗製燃料ガス熱回収ボイラー6をでた粗製
ガスはガス=ガス熱交換器7にはいって、ガス精製装置
8を出て精製燃料ガス供給管54を通ってきた精製燃料
ガスを加熱しガス精製装置8にはいる。ガス精製装置で
は、粗製ガス中の不純物、特に硫黄を含む硫化物が除去
される。
【0037】ガス精製装置8を出て精製燃料ガス供給管
54を通ってきた精製燃料ガスはガス=ガス熱交換器7
にはいって加熱された後にガスタービン燃料配管9を通
ってガスタービン燃焼器2に供給され燃焼する。
【0038】ガスタービン装置では、ガスタービン入口
空気配管50を通って空気がガスタービン圧縮機1に吸
入され昇圧され燃焼器2に送られる。ガスタービン圧縮
機1出口には抽気空気配管51が設置され、空気を第2
酸化剤供給系102に抽気する。燃焼器2に送られた空
気は、ガスタービン燃料配管9を通ってきた燃料ガスを
燃焼させ高温の燃焼ガスを発生させる。燃焼器2をでた
高温の燃焼ガスはガスタービン3に供給され膨張し動力
を発生する。ガスタービン3は空気圧縮機1及びガスタ
ービン発電機4を駆動し電力を発生する。ガスタービン
を出た燃焼ガスは燃焼排ガス管55を通って、排熱回収
ボイラー14に供給される。
【0039】排熱回収ボイラー14では、復水器19か
ら給水ポンプ20で送られてきた給水を給水配管57を
通して、低圧エコノマイザー30に供給し、低圧ドラム
31,低圧蒸発器32,高圧エコノマイザー33,高圧
ドラム34,高圧蒸発器35,過熱器45を通して加
熱,蒸発,過熱を行い、過熱蒸気を高圧蒸気タービン1
5に供給する。低圧エコノマイザー30出口では、加圧
ポンプ23で昇圧が行われ、高圧給水は高圧エコノマイ
ザー33及び粗製燃料ガス熱回収ボイラー6のエコノマ
イザー36に送られる。
【0040】過熱器45の途中では、粗製燃料ガス熱回
収ボイラー6で発生した過熱蒸気が混入する。高圧蒸気
タービン15の戻り蒸気は低圧ドラム31で発生した蒸
気と混ざり再熱器46へおくられ、再度昇温され、再熱
蒸気タービン16,低圧蒸気タービン17へおくられ
る。各蒸気タービンで発生した動力により蒸気タービン
発電機18が駆動され電力を発生する。
【0041】排熱回収ボイラー14を出た燃焼排ガスは
燃焼排ガス排出管56を通って外部に排出される。
【0042】図9は、図1の実施例においてガス化炉
5,酸素製造プラント10の関係をより詳細に示したも
のである。この実施例の酸素製造プラント10は高圧及
び低圧からなる二塔式精留塔を備えた方式である。この
方式による酸素製造の原理を以下簡単に説明する。
【0043】外部の空気を空気圧縮機12で約6ata に
圧縮し供給する、圧縮された空気は吸着塔901に送ら
れる。吸着塔901では、空気中の水分及び二酸化炭素
を吸着し空気より分離する。吸着塔901をでた空気は
空気熱交換器902で外部に排出される低温の酸素や窒
素と熱交換を行い約−170℃の液体空気903となり
精留塔高圧部904に供給される。二塔式精留塔は、下
塔が高圧部904,上塔が低圧部911になっている。
精留塔高圧部904内の圧力は5.7ataで、供給された
液体空気903は、酸素と窒素の沸点差により、上部に
低沸点成分である窒素ガスが、下部に高沸点成分である
酸素を多く含んだ液体空気が分離する。窒素ガスは精留
塔高圧部904上部に設けられた精留塔熱交換器912
に入り、精留塔低圧部911下部と熱交換を行い精留塔
低圧部911下部の液体酸素に熱を与え蒸発させると共
に冷却され凝縮し液体窒素となる。
【0044】精留塔高圧部904からは、液体空気配管
905により液体空気が、液体窒素配管906により液
体窒素が抜き出され、低温熱交換器907において精留
塔低圧部911から廃窒素配管909を通り抜き出され
た不純窒素により冷却された後、約1.3ataに減圧され
精留塔低圧部911に供給される。精留塔低圧部911で
は酸素と窒素の沸点差により分離が行われ、上部から低
沸点媒体である窒素ガス(高濃度の窒素ガス、一般には
酸素1%以下)および不純窒素ガス(数%の酸素を含む
窒素ガス)が、下部から高沸点媒体である酸素ガスを発
生する。この酸素ガスは、酸素ガス配管908を通り、
空気熱交換器902で空気を冷却し酸素製造プラント1
0外に排出される。この酸素ガスは、ほぼ常圧(1.0
3ata)であり、酸素圧縮機11に送られ石炭ガス化炉
5のガス化室65に供給可能な圧力に昇圧され酸素供給
管58から第1酸化剤供給系101に供給される。
【0045】窒素ガスは窒素配管910を通って低温熱
交換器907に入って他の媒体を冷却し、さらに空気熱
交換器902で空気を冷却した後酸素製造プラント10
外に設置した窒素圧縮機13に送られ昇圧され高圧窒素
供給管64を通って石炭供給窒素A系62と石炭供給窒
素B系63に分けられ、石炭供給窒素A系62を通って
供給された窒素ガスは石炭供給A系60に供給された石
炭を搬送しガス化室65に供給し、石炭供給窒素B系6
3を通って供給された窒素ガスは石炭供給B系61に供
給された石炭を搬送しガス化室65に供給する。
【0046】不純窒素ガスは、廃窒素配管909を通り
低温熱交換器907で他の媒体を冷却し、さらに空気熱
交換器902で空気を冷却した後吸着塔901に入り、
吸着塔901内で吸着された水分及び二酸化炭素を脱着
させ酸素製造分離プラント10系外に排出される。
【0047】このように酸素製造プラントでは、常圧の
酸素を得るために空気を約6ataまで空気圧縮機により
昇圧しなければならないため、大きな動力を必要とす
る。
【0048】石炭ガス化炉5のガス化室65は、断熱層
920で覆われ、断熱層920内には冷却のために水冷
壁921が配置されている。スラグ冷却室66内の冷却
水68は、冷却水供給管922からの供給水により循環
されている。
【0049】第1酸化剤供給系101および空気供給管
202は、それぞれガス化室65の側面に複数配置され
たノズルを持ち、ガス化室65の反応時間を長くするた
め、第1酸化剤供給系101に供給された酸素と石炭,
空気供給管202に供給された空気と石炭が、それぞれ
のノズルによりそれぞれ旋回され供給される。
【0050】本実施例によれば、ガス化炉ないスラグタ
ップ近くの温度を石炭灰をスラグ化する温度以上に保つ
ことができ、炉の安定な運転を可能にできると同時に、
酸素の使用量を低減することができ、酸素製造に必要な
動力が減少するためプラントの発電効率を高めることが
できる。
【0051】さらに、酸化剤として空気を利用すること
によってガス化燃料中に、酸化剤として供給された空気
中の窒素が残り、酸化剤として酸素を利用する場合と比
較しガス化燃料の発熱量は低下することになり、ガスタ
ービン燃焼器において燃焼時に発生するNOx量を低減
できる効果がある。
【0052】また、本実施例および以下の実施例では、
簡単のため酸化剤供給系統を2系統としているが、高さ
方向に異なる酸化剤供給系統を3系統以上にした場合で
あっても本発明の効果が得られることは明らかであろ
う。系統を増加するとシステム機器が増えて複雑になる
反面、ガス化室内の温度をそれぞれの系統から供給され
る酸素濃度により制御できる。
【0053】本実施例では、酸素製造プラントとして二
塔式のものを例として説明したが、他の方式,一塔式,
高圧方式,膜分離方式などによる酸素製造プラントであ
っても本発明が適用できる。
【0054】本発明の他の実施例を図2に示す。図2の
実施例が図1の実施例と異なるのは、図1では第2酸化
剤供給系102へガスタービン圧縮機1出口から抽気空
気配管51を設けていたのに対して、補助空気圧縮機2
01を新たに設け、補助空気圧縮機201出口から第2
酸化剤供給系102に空気供給管202を接続した点で
ある。
【0055】補助空気圧縮機201は、空気を昇圧し空
気供給管202を通して第2酸化剤供給系102に供給
する。第2酸化剤供給系102の先端に取り付けられた
ノズルでは、この空気と石炭供給窒素B系63を通って
供給された窒素ガスにより搬送された微粉炭が混合しガ
ス化室65に噴射される。
【0056】この実施例では、図1の実施例の効果に加
えて、ガス化炉への酸化剤供給系とガスタービン系を独
立にできるため運用性が向上すると共に、同じガスター
ビン圧縮機を用いた図1の実施例と比較し、補助空気圧
縮機201によりガス化炉に供給される空気流量の分ガ
スタービンの流量が増加し、発電プラントの出力を増加
できる効果がある。
【0057】本発明の他の実施例を図3に示す。図3の
実施例が図2の実施例と異なるのは、図3の実施例では
図2の実施例に加えて空気供給管202の途中から補助
燃料空気供給管301を分岐し、スラグ冷却室66に接
続し、さらにスラグ冷却室66に補助燃料供給管302
を接続している点である。
【0058】ガス化炉の起動時には、ガス化炉内部を微
粉炭が反応する温度以上に高める必要があると同時に、
スラグタップの温度もスラグが固化しない温度以上に高
める必要があり、従来では起動時にスラグタップ下部よ
り補助燃料によって予熱し、昇温することが行われてい
た。酸素酸化のガス化炉では、発電プラント内にこの補
助燃料を酸化するための空気圧縮機を備えていないた
め、酸化剤として酸素製造プラントにて製造された酸素
を用いていた。このため、酸素製造プラントの起動以前
にガス化炉の起動を行うことができず、プラントの起動
時間が長くなっていた。この実施例によれば、ガス化炉
の起動時に補助空気圧縮機201により補助燃料供給管
302を通して空気を供給し、補助燃料供給管302か
ら供給される補助燃料を燃焼させることができる。炉の
昇温が完了した後には、補助空気圧縮機201からの空
気は第2酸化剤供給系102に供給される。
【0059】本実施例によれば、プラント起動時に酸素
製造プラント10の起動を待つことなしに、石炭ガス化
炉5を昇温することができ、発電プラント全体としての
起動時間を短縮できる効果がある。
【0060】本発明の他の実施例を図4に示す。図4の
実施例では図1の実施例に加えて、酸素製造プラント1
0より窒素供給管401をガスタービン入口空気配管5
0に接続してある。
【0061】空気の約21%(体積比)が酸素であり、
残りはほとんど窒素である。したがって、酸素製造プラ
ント10で製造された酸素の約4倍の窒素が酸素製造プ
ラント10で余剰になる。そのうちの一部は窒素圧縮機
13によって昇圧され、微粉炭の搬送用として使われる
が、大部分は外部に捨てられる。図4の実施例では酸素
製造プラント10からガスタービン入口空気配管50に
窒素供給管401を設置し、酸素製造プラント10で余
剰となった窒素ガスを窒素供給管401を通してガスタ
ービン入口空気配管50に供給し、ガスタービン入口空
気配管50内で空気と混合し、ガスタービン圧縮機1で
昇圧し燃焼器2に供給する。
【0062】本実施例によれば、燃焼器2に供給される
空気の酸素濃度を窒素の希釈により低減でき、燃焼器2
において発生するNOxを低減できる効果がある。
【0063】本発明の他の実施例を図5に示す。図5の
実施例では図1の実施例に加えて、粗製ガス熱回収ボイ
ラ6の過熱器40から排熱回収ボイラ14の過熱器45
に蒸気を供給する配管から、蒸気供給配管501を分岐
して、この蒸気供給配管501を第2酸化剤供給系10
2に接続している。
【0064】粗製ガス熱回収ボイラ6の粗製ガス熱回収
ボイラー過熱器40で発生した過熱蒸気が蒸気供給配管
501を通して第2酸化剤供給系102に供給され抽気
空気配管51を通って供給された空気と混合し、第2酸
化剤供給系102から供給される酸化剤の酸素濃度をさ
らに低下させることができる。
【0065】本実施例では、第2酸化剤供給系102か
ら水蒸気が供給され(2)式の反応が進み水素および一
酸化炭素の発生量が多くなるため、ガス化炉の冷ガス効
率が高くなり発電プラントの効率をより向上させる効果
がある。
【0066】本発明の他の実施例である図6では、図1
の実施例に加えて、排熱回収ボイラ14の加圧ポンプ2
3出口から高圧給水配管601を設置し、高圧給水配管
601を第2酸化剤供給系102に接続している。
【0067】排熱回収ボイラ14の低圧エコノマイザ−
30で昇温され、加圧ポンプ23で高圧となった高圧給
水が高圧給水配管601を通って第2酸化剤供給系10
2に供給され、第2酸化剤供給系102合流部では、高
圧給水は急激に圧力降下し、フラッシュしブースト圧縮
機59を出た空気と混合することによって図5の実施例
と同様に酸化剤の酸素濃度を低下させることができる。
【0068】本実施例では、図5の実施例と比較し、高
圧蒸気に変わり高圧給水を供給することができるため、
より効率を向上させることができる。
【0069】本発明の他の実施例を図7に示す。この実
施例では、図1の実施例に加え、酸素製造プラント10
から窒素供給配管702を抽気空気配管51に接続し、
窒素供給配管702上に窒素ブースト圧縮機703を設
置している。また、ガスタービン圧縮機1出口から酸素
製造プラント10に空気分離装置用抽気空気配管701を
設置してある。
【0070】酸素製造プラント10で酸素を製造するた
めの原料空気はガスタービン圧縮機1出口から空気分離
装置用抽気空気配管701を通して抽気する。酸素製造
プラント10出口の空気は高圧であるため、酸素製造プ
ラント10を高圧化し出口で加圧された酸素および窒素
を得ることができる。酸素製造プラント10で余剰とな
った窒素ガスは、窒素供給配管702を通って窒素ブー
スト圧縮機703で昇圧されたのち抽気空気配管51に
供給され、ブースト圧縮機59を流れてきた抽気空気と
混合する。酸素製造プラント10からの余剰窒素ガスの
混合により第2酸化剤供給系102から供給される酸化
剤の酸素濃度はより低下することになる。
【0071】本実施例によれば、酸素製造プラント10
の余剰窒素をガス化燃料ガス中に混合することができ、
ガスタービン燃料としてガスタービン燃料配管9から燃
焼器2へ供給される燃料ガスの発熱量を低減できるの
で、燃焼器2におけるNOx低減させる効果がある。
【0072】本発明の他の実施例を図8に示す。この実
施例は、比較的低温度で溶融可能な灰を持つ石炭に対す
る本発明の実施例を示したものである。低温度で溶融可
能な灰を持つ石炭をガス化する場合には、炉内の最大温
度を灰の溶融温度まで低くすれば良いため酸化剤として
高濃度の酸素を用い高温にする必要はない。
【0073】図8の実施例が図1に示した実施例と異な
る点を以下に示す。
【0074】ガスタービン圧縮機1出口に設けられた抽
気空気配管51は、ブースト圧縮機59出口で空気供給
管A802と空気供給管B803に分岐される。空気供
給管A802は第1酸化剤供給系101に接続される。
空気供給管A802の途中には酸素製造プラント10か
ら、酸素圧縮機11を経由し、高圧酸素配管801が接
続される。空気供給管B803は、第2酸化剤供給系1
02と接続される。
【0075】ガスタービン圧縮機1出口で抽気され抽気
空気配管51を流れブースト圧縮機59にて昇圧された
空気は、空気供給管A802および空気供給管B803
に分岐され、空気供給管B803はガス化室65上方に
位置した第2酸化剤供給系102と接続され、空気供給
管A802はガス化室65のスラグタップ67近くの第
1酸化剤供給系101に供給される。酸素製造プラント
10で製造された酸素は酸素圧縮機11で昇圧され高圧
酸素配管801を通って空気供給管A802で空気と混
合し第1酸化剤供給系101からガス化室65に供給さ
れる。高圧酸素配管801からの酸素の混合によって第
1酸化剤供給系101から供給される酸化剤の酸素濃度
は高められ、スラグタップ67近傍での炉内温度を上昇
させることができる。
【0076】本実施例によれば、比較的溶融温度の低い
灰を持つ石炭のガス化を行うとき、使用する酸素量を最
少に抑えることができ、発電プラントの効率を高める効
果がある。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、石炭ガス化発電プラン
トにおいて石炭ガス化炉内で石炭灰をスラグ化するに必
要な温度を確保しガス化炉を安定に運転した上で、ガス
化に必要な酸素量を減少させることができるので、酸素
製造に必要な所内動力を低減させ発電効率を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例図。
【図2】本発明の一実施例図。
【図3】本発明の一実施例図。
【図4】本発明の一実施例図。
【図5】本発明の一実施例図。
【図6】本発明の一実施例図。
【図7】本発明の一実施例図。
【図8】本発明の一実施例図。
【図9】図1の実施例の詳細図。
【符号の説明】
1…ガスタービン圧縮機、2…燃焼器、5…石炭ガス化
炉、10…酸素製造プラント、11…酸素圧縮機、51
…抽気空気配管、61…石炭供給B系、62…石炭供給
窒素A系、65…ガス化室、66…スラグ冷却室、67
…スラグタップ、69…ガス冷却装置、101…第1酸
化剤供給系、102…第2酸化剤供給系、201…補助
空気圧縮機、202…空気供給管、301…補助燃料空
気供給管、302…補助燃料供給管、401…窒素供給
管、501…蒸気供給配管、601…高圧給水配管、70
2…窒素供給配管、703…窒素ブースト圧縮機、80
1…高圧酸素配管、802…空気供給管A、803…空
気供給管B。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 俊彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化剤を用い石炭から可燃性ガスを生成す
    ると共に石炭中の灰分を溶融させスラグ状とし、このス
    ラグ状灰分をガス化室下方のスラグ冷却室にガス化室下
    方に設けたスラグタップを介して抜き出す石炭ガス化
    炉,この石炭ガス化炉で発生した石炭ガス化燃料により
    駆動されるガスタービン,空気を分離して酸素を製造す
    る酸素製造プラントからなる石炭ガス化発電プラントに
    おいて、石炭ガス化炉のガス化室に酸化剤を供給する酸
    化剤供給系統をガス化室内で供給高さが異なるように少
    なくとも2系統以上設けると共に、スラグタップに最も
    近い酸化剤供給系統に供給される酸化剤の酸素濃度を、
    他の酸化剤供給系統に供給される酸化剤酸素濃度より高
    いことを特徴とする石炭ガス化発電プラント。
  2. 【請求項2】酸化剤を用い石炭から可燃性ガスを生成す
    ると共に石炭中の灰分を溶融させスラグ状とし、このス
    ラグ状灰分をガス化室下方のスラグ冷却室にガス化室下
    方に設けたスラグタップを介して抜き出す石炭ガス化
    炉,この石炭ガス化炉で発生した石炭ガス化燃料により
    駆動されるガスタービン,空気を分離して酸素を製造す
    る酸素製造プラントからなる石炭ガス化発電プラントに
    おいて、石炭ガス化炉のガス化室に酸化剤を供給する酸
    化剤供給系統をガス化室内で供給高さが異なるように少
    なくとも2系統以上設けると共に、スラグタップに最も
    近い酸化剤供給系統のみに酸素製造プラントからの酸素
    供給管を接続することを特徴とする石炭ガス化発電プラ
    ント。
  3. 【請求項3】酸化剤を用い石炭から可燃性ガスを生成す
    ると共に石炭中の灰分を溶融させスラグ状とし、このス
    ラグ状灰分をガス化室下方のスラグ冷却室にガス化室下
    方に設けたスラグタップを介して抜き出す石炭ガス化
    炉,この石炭ガス化炉で発生した石炭ガス化燃料により
    駆動されるガスタービン,空気を分離して酸素を製造す
    る酸素製造プラントからなる石炭ガス化発電プラントに
    おいて、石炭ガス化炉のガス化室に酸化剤を供給する酸
    化剤供給系統をガス化室内で供給高さが異なるように少
    なくとも2系統以上設けると共に、スラグタップに最も
    近い酸化剤供給系統に酸素製造プラントから酸素供給管
    を接続し、他の酸化剤供給系統には空気供給装置からの
    空気供給配管を接続することを特徴とする石炭ガス化発
    電プラント。
  4. 【請求項4】酸化剤を用い石炭から可燃性ガスを生成す
    ると共に石炭中の灰分を溶融させスラグ状とし、このス
    ラグ状灰分をガス化室下方のスラグ冷却室にガス化室下
    方に設けたスラグタップを介して抜き出す石炭ガス化
    炉,この石炭ガス化炉で発生した石炭ガス化燃料により
    駆動されるガスタービン,空気を分離して酸素を製造す
    る酸素製造プラントからなる石炭ガス化発電プラントに
    おいて、石炭ガス化炉のガス化室に酸化剤を供給する酸
    化剤供給系統をガス化室内で供給高さが異なるように少
    なくとも2系統以上設けると共に、この酸化剤供給系統
    に酸素製造プラントからの酸素供給管を接続し、さらに
    スラグタップに最も近い酸化剤供給系統以外の酸化剤供
    給系統に空気供給装置からの空気供給配管を接続するこ
    とを特徴とする石炭ガス化発電プラント。
  5. 【請求項5】酸化剤を用い石炭から可燃性ガスを生成す
    ると共に石炭中の灰分を溶融させスラグ状とし、このス
    ラグ状灰分をガス化室下方のスラグ冷却室にガス化室下
    方に設けたスラグタップを介して抜き出す石炭ガス化
    炉,この石炭ガス化炉で発生した石炭ガス化燃料により
    駆動されるガスタービン,空気を分離して酸素を製造す
    る酸素製造プラントからなる石炭ガス化発電プラントに
    おいて、石炭ガス化炉のガス化室に酸化剤を供給する酸
    化剤供給系統をガス化室内で供給高さが異なるように少
    なくとも2系統以上設けると共に、この酸化剤供給系統
    に空気供給装置からの空気供給配管を接続し、さらにス
    ラグタップに最も近い酸化剤供給系統に酸素製造プラン
    トから酸素供給管を接続することを特徴とする石炭ガス
    化発電プラント。
  6. 【請求項6】請求項3において、空気供給装置がガスタ
    ービンの空気圧縮機であることを特徴とする石炭ガス化
    発電プラント。
  7. 【請求項7】請求項3において、空気供給装置として別
    置の補助空気圧縮機を備えたことを特徴とする石炭ガス
    化発電プラント。
  8. 【請求項8】請求項7において、空気供給装置として別
    置に備えた補助空気圧縮機出口とガス化炉のスラグ冷却
    室を結ぶ補助燃料空気供給管を備えたことを特徴とする
    石炭ガス化発電プラント。
  9. 【請求項9】請求項2において、酸素製造プラントから
    の余剰窒素をガスタービン圧縮機入口に供給することを
    特徴とする石炭ガス化発電プラント。
  10. 【請求項10】請求項1において、スラグタップから最
    も近い酸化剤供給系統に供給される酸化剤の酸素濃度を
    高める手段として、酸素製造プラントで製造された酸素
    を用いることを特徴とする石炭ガス化発電プラント。
  11. 【請求項11】請求項1において、スラグタップから最
    も近い酸化剤供給系統に供給される酸化剤の酸素濃度よ
    り酸化剤の酸素濃度を低くする手段として、空気,蒸
    気,酸素製造プラントで余剰となった窒素の少なくとも
    何れかを用いることを特徴とする石炭ガス化発電プラン
    ト。
JP6081276A 1994-04-20 1994-04-20 石炭ガス化発電プラント Pending JPH07286186A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6081276A JPH07286186A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 石炭ガス化発電プラント
CN95104239A CN1041108C (zh) 1994-04-20 1995-04-20 煤气化发电系统

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6081276A JPH07286186A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 石炭ガス化発電プラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07286186A true JPH07286186A (ja) 1995-10-31

Family

ID=13741854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6081276A Pending JPH07286186A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 石炭ガス化発電プラント

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH07286186A (ja)
CN (1) CN1041108C (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044412A1 (fr) * 1996-05-20 1997-11-27 Hitachi, Ltd. Appareil de gazeification du charbon, procede de gazeification et centrale integree de production d'energie a gazeification de charbon a cycle combine
JP2001159317A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 発電システム
JP2002001103A (ja) * 2000-06-14 2002-01-08 Osaka Gas Co Ltd 2段反応装置の制御方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4745940B2 (ja) * 2006-11-09 2011-08-10 三菱重工業株式会社 石炭ガス化複合発電システム及びその運転制御方法
DE102009038323A1 (de) * 2009-08-21 2011-02-24 Krones Ag Verfahren und Vorrichtung zur Verwertung von Biomasse
CN110257108A (zh) * 2019-06-28 2019-09-20 中科聚信洁能热锻装备研发股份有限公司 一种调节煤气化炉火层偏烧工况的装置和方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044412A1 (fr) * 1996-05-20 1997-11-27 Hitachi, Ltd. Appareil de gazeification du charbon, procede de gazeification et centrale integree de production d'energie a gazeification de charbon a cycle combine
JP2001159317A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 発電システム
JP2002001103A (ja) * 2000-06-14 2002-01-08 Osaka Gas Co Ltd 2段反応装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1041108C (zh) 1998-12-09
CN1112155A (zh) 1995-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6588212B1 (en) Combustion turbine fuel inlet temperature management for maximum power outlet
US6786050B1 (en) System and method for oil fuel burning integrated combined cycle power generation
KR101643792B1 (ko) 2단계 건조 공급 기화 시스템 및 공정
JPS59176391A (ja) 石炭ガス化炉
JP5130459B2 (ja) 石炭熱分解ガス化炉の操業方法
JPH0463914B2 (ja)
JPH0771272A (ja) 動力を発生させるための方法
CA2715493C (en) Methods and systems for integrated boiler feed water heating
US20100024432A1 (en) Method for improved efficiency for IGCC
JPH0967582A (ja) 水素・一酸化炭素混合ガスの製造方法及び製造装置
JPH07286186A (ja) 石炭ガス化発電プラント
US6051048A (en) Production of fuel gas
EP0086504B1 (en) A process for generating mechanical power
CN105143638B (zh) 气化发电设备的控制装置、气化发电设备、及气化发电设备的控制方法
HUT58784A (en) Process for producing combustible gases in melting-gasifying apparatus
CN105164386B (zh) 气化发电设备的控制装置、气化发电设备以及气化发电设备的控制方法
JPH05523B2 (ja)
JPH08291291A (ja) ガス化プラント及びガス化発電プラント
WO2003068894A1 (fr) Procede et dispositif de gazeification
JP3354640B2 (ja) 石炭ガス化方法
JP2001348578A (ja) 炭素系化石燃料とバイオマスのガス化装置およびガス化方法
JPH0678535B2 (ja) 噴流層型石炭ガス化炉の運転方法
JP2759190B2 (ja) 噴流層型石炭ガス化装置
JPH10330767A (ja) 石炭ガス化装置及び該装置の制御方法
JP3225940U (ja) 省発電設備型石炭ガス化複合発電設備