JPH07286139A - 色調安定性に優れるロジンエステルの製造法 - Google Patents

色調安定性に優れるロジンエステルの製造法

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JPH07286139A
JPH07286139A JP6101852A JP10185294A JPH07286139A JP H07286139 A JPH07286139 A JP H07286139A JP 6101852 A JP6101852 A JP 6101852A JP 10185294 A JP10185294 A JP 10185294A JP H07286139 A JPH07286139 A JP H07286139A
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rosin
integer
general formula
reaction
acrylic acid
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JP6101852A
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Inventor
Hiroharu Nishigaki
博晴 西垣
Yusuke Sakamoto
祐介 阪本
Yorishige Matsuba
頼重 松葉
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Harima Chemical Inc
Original Assignee
Harima Chemical Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 淡色かつ色調安定性の良好なロジンエステル
の製造法を提供する。 【構成】 ロジン、特に精製ロジンとアクリル酸との付
加反応物を、式(I)の有機硫黄化合物の存在下にアル
コールとエステル化することにより、淡色かつ色調安定
性の良好なロジンエステルを得る。かかるロジンエステ
ルは加熱状態で保存した際の色調の安定性が極めて良好
であるため、ホットメルト接着剤成分として利用するに
適している。 (式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環などの置換芳香
族環、Rは水素、またはC1〜C20のアルキル基ある
いはシクロアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは
1〜4の整数、xは1〜4の整数、Yは0〜2の整数、
pは0〜10の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は色調安定性良好なロジン
エステル、さらに好ましくは淡色かつ色調安定性良好な
ロジンエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】ロジンエステルは、従来より
粘接着剤用樹脂(タッキファイヤー)、インキ用樹脂、
トラフィックペイント用樹脂、各種ゴムおよびプラスチ
ック用改質剤など広範な用途に使用されている。しか
し、通常のロジンエステルは黄色あるいは黄褐色に着色
しており、かつ酸化や加熱による色調の劣化が大きいた
め、淡色かつ色調の安定性が要求される分野、例えば紙
おむつなど衛生材料分野での樹脂として利用するには難
があった。このような分野では一般に水添石油樹脂が賞
用されているが、ロジンエステルには石油樹脂にない優
れた特徴、例えば接着剤用各種ベースポリマーとの広範
な相溶性や高い粘着性能などがあり、業界においては淡
色で色調安定性の良好なロジンエステルの出現が望まれ
ている。
【0003】このような要求を満たすロジンエステルと
して、水素化したロジンとアルコールから得られる水添
ロジンエステルが知られているが、その製造には水素を
有効に作用させるための高圧反応設備を必要とし、また
水素化によって無色に近いロジンが得られたとしても、
エステル化の過程である程度の着色は避けられず、経済
的観点および品質面から満足できる製品は得られにく
い。
【0004】特公昭45−33771号公報および特公
昭49−20599号公報にはロジンあるいはロジン化
合物を特定の有機硫黄化合物により不均化する方法が記
載されているが、この方法によって得られる不均化ロジ
ンをエステル化して得られるロジンエステルの色調は従
来のものよりは淡色であり改善効果を認めることはでき
るが、依然として黄色に着色しており、さらに加熱によ
る着色が激しく、ロジンエステルとしての色調安定性の
改善は満足できるものではなかった。
【0005】また、特開昭55−9605号公報には安
定性のよいロジンエステルの製造法として、不均化ロジ
ンを蒸留することにより原料ロジン中に含まれている過
酸化物から生起したと考えられる高分子量物、および原
料ロジン中にもともと存在していた不ケン化物ならびに
不均化反応中に生じた不ケン化物を除去したのち、この
蒸留精製不均化ロジンをアルコールでエステル化する方
法が記載されているが、この方法であってもエステル化
反応中に着色が進行し、得られるロジンエステルの酸
化、加熱着色に対する安定性は満足しうるものではなか
った。また、この方法は不均化反応工程、蒸留工程およ
びエステル化反応工程の3工程を要するため経済的には
不利となる難点がある。
【0006】また、特公昭63−49713号公報には
ロジンをリチウム化合物および特定の有機硫黄化合物の
存在下にエステル化することにより、淡色かつ耐熱性の
良好なロジンエステルを得る方法が記載されているが、
水添石油樹脂と比較した場合初期色調および色調安定性
の点で不十分であることは否めない。
【0007】そこで本発明者らは、ロジンエステルの着
色がロジン中に含まれる高分子量物に大きく起因する
が、蒸留精製法で高分子量物を除去しても、加熱着色成
分を完全には除去できず、そのためエステル化反応中に
着色する事実、ロジンエステルの耐老化性不良はアビエ
チン酸型役二重結合を有する樹脂酸とロジン中の高分子
量物に起因する事実、及びロジンの不均化反応とエステ
ル化反応はほぼ同じ温度で進行する事実に着目し、種々
の検討を行った結果、特定の有機硫黄化合物をエステル
化反応系中に共存させることにより、ロジンの蒸留精製
工程とエステル化反応工程との2工程のみで、淡色であ
り、かつ、酸化、加熱着色に対する安定性に優れたロジ
ンエステルを得る方法を提案した(特公平2−5294
3号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の特
定の有機硫黄化合物をエステル化反応系中に共存させる
方法を鋭意検討中、エステル化反応前にロジンをα,β
−不飽和カルボン酸で強化するにあたり、特にアクリル
酸を使用し、その付加反応物をエステル化すると、他の
α,β−不飽和カルボン酸に比して優れた色調安定性が
得られることを見出した。すなわち、本発明は上記着眼
点に基づいて淡色かつ色調安定性に優れるロジンエステ
ルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、色調安定性の
良好なロジンエステルを製造するための方法であって、
ロジンにα,β−不飽和カルボン酸としてアクリル酸を
付加反応させ、次いで該付加反応物を反応系中に下記一
般式で示される化合物の群から選ばれた1種または2種
以上の化合物の共存下にアルコールとエステル化させる
ことを特徴とする色調安定性に優れるロジンエステルの
製造方法にある。一般式(I) 式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環などの置換芳香族
環、Rは水素、またはC1 〜C20のアルキル基あるい
はシクロアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1
〜4の整数、xは1〜4の整数、Yは0〜2の整数、p
は0〜10の整数を示す。
【0010】上記ロジンエステルを製造するにあたって
は、ロジンにアクリル酸およびアルコールを添加して付
加反応させ、次いで該付加反応混合物を反応系中に上記
一般式で示される化合物の群から選ばれた1種または2
種以上の化合物の共存下にエステル化させるようにして
もよい。
【0011】上記ロジンとしては、精製ロジンを用いる
ことにより、淡色かつ色調安定性に優れたロジンエステ
ルを得ることができる。本発明において使用される精製
ロジンとしては、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオ
アビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロ
アビエチン酸などの樹脂酸を主成分とするガムロジン、
ウッドロジン、トールロジンなどを精製して得られるも
のがある。特に、精製ロジンが蒸留により高沸点物を除
去されたガムロジンであるのが好ましい。
【0012】ロジンの精製法としては蒸留、吸着、溶媒
抽出、晶析など種々の方法が利用可能であるが、処理の
簡便さおよび経済性の観点からは蒸留による精製が特に
好ましい。蒸留は通常50mmHg以下の圧力で200〜3
00℃のスチル温度で実施され、通常の単蒸留をはじめ
薄膜蒸留や精留などの方法が適用され、通常の蒸留条件
下では仕込みロジンに対し2〜10重量%の高分子量物
がピッチ分として除去される。また、高軟化点のロジン
エステルを目的とする場合は、2〜10重量%の初留分
を同時に除去することが好ましい。
【0013】本発明では、上記精製ロジンとアルコール
とのエステル化反応に先立ち、精製ロジンにα,β−不
飽和カルボン酸として特にアクリル酸を部分付加するこ
とを特徴とする。その付加率は精製ロジンに対して2〜
40モル%が適当であるが、最終的に得られるエステル
の用途を考慮すれば4〜25モル%が好ましい。アクリ
ル酸の付加率が低いと、得られるエステルの初期色調へ
の影響は少ないものの色調安定性が低下する。一方、付
加率が高すぎると、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重
合物)やSIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重
合物)などの粘接着剤用ベースポリマーとの相溶性が悪
くなる。また、アクリル酸の付加率を加減することによ
って、最終的に得られるエステルの軟化点を調整するこ
とができる。すなわち、アクリル酸の付加率が高いほ
ど、最終的に得られるエステルの軟化点は高くなる。精
製ロジンへのアクリル酸の付加反応は、公知の方法で行
うことができる。例えば原料ロジンを加熱溶融し、これ
にアクリル酸を添加することにより実施できる。また反
応は、加圧下、常圧下いずれで行ってもよい。
【0014】本発明において使用されるアルコールとし
ては、n-オクチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコ
ール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステア
リルアルコールのような1価のアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルなどの2価のアルコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなどの3価のアルコール、ペンタエリスリト
ール、ジグリセリンなどの4価のアルコール、ジペンタ
エリスリトール、ソルビトールなどの6価のアルコール
が挙げられる。淡色化効果と経済性の観点から、これら
の中では特にペンタエリスリトールが好適である。
【0015】上記エステル化反応は、公知の方法、すな
わち不活性ガスの雰囲気下にロジンとアルコールとを2
00〜300℃に加熱し、生成した水を系外に除去する
ことによって行う。アクリル酸を付加した精製ロジンに
対するアルコールの過剰率は任意ではあるが、一般には
0.5〜1.5が好ましい。またエステル化に際し、反
応を促進するためにリン酸、p-トルエンスルホン酸、水
酸化リチウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化亜鉛、酢酸カルシウムなどの公知の触媒を用いるこ
とができる。
【0016】上記エステル化反応においては、ロジン重
量に基づいて0.01〜5重量%の上記一般式(I)で
示される化合物を反応系中に存在させる。上記一般式
(I)で示される化合物として下記のものが挙げられる
が、特にアクリル酸を付加させたロジンとアルコール
(ペンタエリスリトール)とのエステル化反応を行うに
あたっては4,4’−ビス(6−t−ブチルメタクレゾ
ール)スルフィド(モンサント社製 santonox)、t−ア
ミルフェノールジスルフィドオリゴマー(Pennwalt Cor
p.社製 Vultac 2)、ノニルフェノールジスルフィドオリ
ゴマー(Ethyl Corp. 社製 ETHANOX 323)を用いるのが
好ましいことが見出されている。
【0017】エステル化反応の際に反応系内に共存させ
る前記一般式で示された化合物の例としては、 4,4'- ビス(フェノール)スルフィド 4,4'- ビス(フェノール)スルフォキシド 4,4'- ビス(フェノール)スルフォン 4,4'- ビス(フェノール)チオールスルフィナート 4,4'- ビス(フェノール)チオールスルフォナート 2,2'- ビス(p-クレゾール)スルフィド 2,2'- ビス(p-クレゾール)スルフォキシド 2,2'- ビス(p-クレゾール)スルフォン 2,2'- ビス(p-t-ブチルフェノール)スルフィド 2,2'- ビス(p-t-ブチルフェノール)スルフォキシド 2,2'- ビス(p-t-ブチルフェノール)スルフォン 4,4'- ビス(6-t-ブチルメタクレゾール)スルフィド 4,4'- ビス(6-t-ブチルメタクレゾール)スルフォキシ
ド 4,4'- ビス(6-t-ブチルメタクレゾール)スルフォン 4,4'- ビス(6-t-ブチルオルトクレゾール)スルフィド 4,4'- ビス(6-t-ブチルオルトクレゾール)スルフォキ
シド 4,4'- ビス(6-t-ブチルオルトクレゾール)スルフォン 4,4'- ビス(レゾルシノール)スルフィド 4,4'- ビス(レゾルシノール)スルフォキシド 4,4'- ビス(レゾルシノール)スルフォン 1,1'- ビス(β- ナフトール)スルフィド 1,1'- ビス(β- ナフトール)スルフォキシド 1,1'- ビス(β- ナフトール)スルフォン 4,4'- ビス(α- ナフトール)スルフィド 4,4'- ビス(α- ナフトール)スルフォキシド 4,4'- ビス(α- ナフトール)スルフォン 5,5'- ビス(ピロガロール)スルフィド 5,5'- ビス(ピロガロール)スルフォキシド 5,5'- ビス(ピロガロール)スルフォン t-アミルフェノールジスルフィドオリゴマー ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー p-クレゾールと塩化チオニルとを反応させて得られるポ
リスルフォキシド などが挙げられるが、これらの中でベンゼン環に結合し
た水酸基が立体障害を受けた化合物が好ましく、有機硫
黄化合物としてはスルフィドが好ましい。以下これらの
有機硫黄化合物を淡色化剤と称する。
【0018】上記の淡色化剤の添加量は精製ロジンに対
して0.01〜5重量%使用できるが、淡色効果、経済
性の点から考慮すれば、0.05〜1重量%の添加が特
に好ましい。この淡色化剤はロジンのエステル化反応中
に同時にロジンの不均化反応をも進行させる目的による
ものであるから、多くの場合エステル化反応の初期に添
加するのが好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ロジン、特に精製ロジ
ンを原料とし、他方α,β−不飽和カルボン酸としてア
クリル酸を用いてその付加反応を行うと、ロジン中の二
重結合にアクリル酸が結合して着色成分を安定化させる
ためか、引き続き一般式(I)で示された有機硫黄化合
物の存在下にアルコールとのエステル化反応を実施する
にあたり、他のα,β−不飽和カルボン酸を用いる場合
に比し加熱変色を受けず、淡色かつ色調安定性に優れた
ロジンエステルを製造することができる。また、水素添
加など特殊な手続きによることがないので、きわめて廉
価に製造可能である。また、アクリル酸の使用量を加減
することにより種々の軟化点および相溶性を有するエス
テルが得られ、用途に合わせたエステルの設計が可能で
ある。すなわち、本発明の方法により得られるロジンエ
ステルは在来のロジンエステルに比してきわめて淡色、
かつ酸化、加熱着色に対して安定であるので、感圧性接
着剤、ホットメルト接着剤、インキ用樹脂、トラフィッ
クペイント用樹脂、シーリング材料、ヒートシール性プ
ラスチックなどの原材料として好適に使用される。な
お、ロジンエステルとしてさらに高度の安定性が要求さ
れる場合には、フェノール系酸化防止剤や亜リン酸エス
テル系の安定剤を併用してもよい。また、特に色調の安
定性が重要である場合には、ペンタエリスリトール・テ
トラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)(例え
ば、Sumilizer TP-D、住友化学工業)を併用することが
望ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づき説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、色数はガードナー比色計、軟化点は環球法
(JIS K−5902)による測定値である。
【0021】(実施例1) (1)ロジンの精製 温度計および空冷管を付した3L容量の蒸留フラスコに
中国産ガムロジンを1800g仕込み、窒素気流下に溶
融後、2mmHgの圧で減圧蒸留を行った。表1に各留分の
恒数を示す。 (2)エステル化 温度計、攪拌機、水抜き管、窒素導入管を付した500
mLのガラス製反応容器に表1に示した主留250gを
仕込み、窒素気流下にこれを溶融し、160℃にて2.
5gのアクリル酸(98%)と32.8gのペンタエリ
スリトールを添加し、攪拌しながら3時間かけて275
℃まで昇温した。275℃に温度が到達した時点で、淡
色化剤としてt-アミルフェノールジスルフィドオリゴマ
ー(商品名:Vultac 2、Pennwalt Corp.)を1g加え、
この温度で12時間反応した。反応の終点で酸化防止剤
としてIRGANOX 1010(Ciba-Geigy Corp.)を0.3g添
加した。表3に示すように、この方法で得られたロジン
エステルの色数は1以下でほぼ無色であった。
【0022】(実施例2)表1に示した主留250gを
用い、アクリル酸(98%)の量を10.0g、ペンタ
エリスリトールの量を33.6gに増やして、実施例1
に記載の手順に従って反応を行った。淡色化剤および酸
価防止剤の処方は実施例1に準じた。表3に示すよう
に、この反応によって色数1以下、軟化点112℃のほ
ぼ無色のロジンエステルが得られた。
【0023】(実施例3)表1に示した主留250gを
用い、アクリル酸(98%)の量を12.5g、ペンタ
エリスリトールの量を34.9gに増やして、実施例1
に記載の手順に従って反応を行った。淡色化剤としては
ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(商品名: E
THANOX 323、Ethyl Corp.)を1g使用した。酸化防止剤
としては、ペンタエリスリトール・テトラキス(β−ラ
ウリルチオプロピオネート)(商品名:Sumilizer TP-
D、住友化学工業(株)を0.3g用いた。表3に示す
ように、この反応によって色数1以下、軟化点120℃
のほぼ無色のロジンエステルが得られた。
【0024】(実施例4) (1)ロジンの精製 実施例1〜3で用いたガムロジンに替えてトールロジン
を用いた。トールロジン(ハートール R−X、ハリマ
化成(株)を実施例1に示した手順に基づき蒸留し、表
2に示す留分に分離した。 (2)エステル化 表2に示した主留250gに対してアクリル酸(98
%)を10.0g、ペンタエリスリトールを33.8
g、淡色化剤としてETHANOX 323 を1g使用して、実施
例1に記載の装置、手順に従って反応を行った。酸化防
止剤には、ETHANOX330 (Ethyl Corp.) を0.3g使用
した。表3に示すように、この反応によって色数2の樹
脂が得られた。
【0025】(実施例5)蒸留精製していない中国産ガ
ムロジン250gに対して、アクリル酸(98%)を1
0.0g、ペンタエリスリトールを31.7g、Vultac
2を1g用いて、実施例1に記載の装置、方法に従って
エステル化反応を実施した。表3に示すように、得られ
たロジンエステルの色数は3であった。
【0026】(比較例1)表1に記載の主留250gを
用い、アクリル酸を添加することなく、実施例2の処方
に準じてエステル化反応を行った。ただし、ペンタエリ
スリトールの使用量のみ31.4gとした。表3に示す
ように、得られたロジンエステルの色数は1で、実施例
2の場合よりやや劣った。
【0027】(比較例2)蒸留精製していないトールロ
ジン(ハートール R−X、ハリマ化成(株)を用い、
アクリル酸を添加することなく、実施例4の処方に準じ
てエステル化反応を行った。ただし、ペンタエリスリト
ールの使用量のみ28.0gとした。得られたロジンエ
ステルの色数は6で、実施例4の場合より劣った。
【0028】(比較例3)表1に示した主留250gに
対して、フマル酸を7.5g、ペンタエリスリトールを
33.3g、淡色化剤としてVultac 2を1g、酸化防止
剤としてIRGANOX1010を0.3g用いて、実施例1に記
載の装置、手順に従って反応を行った。表3に示すよう
に、蒸留ロジンを使用しているにもかかわらず、得られ
たロジンエステルの色数は3と、実施例1の場合より悪
かった。
【0029】(比較例4)表1に示した主留250gに
対して、無水マレイン酸を7.5g、ペンタエリスリト
ールを34.1g、淡色化剤としてETHANOX 323 を1
g、酸化防止剤としてIRGANOX 1010を0.3g用いて、
実施例1に記載の装置、手順に従って反応を行った。表
3に示すように、得られたロジンエステルの色数は4
で、実施例2に記載のアクリル酸添加の場合よりもかな
り劣った。
【0030】表4に実施例、比較例で示したロジンエス
テルの加熱安定性試験のデータを示す。試験方法として
は、内径11mm×高さ90mmの試験管に樹脂を入れ、ふ
たをせずに180℃の熱風乾燥器中に保存し、24時間
毎に色数を測定した。実施例1〜4で示したロジンエス
テルは初期色調が良好であるばかりでなく、加熱時の色
調安定性も良好であることがわかる。また、実施例5で
示したロジンエステルは初期色調はさほど良くないもの
の、加熱安定性は非常に良好である。実施例1〜5で示
したロジンエステルはホットメルト接着剤用タッキファ
イヤーとして好適に使用できる。例えば、実施例3に示
したロジンエステル40部に対して、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合物(EVAFLEX #220、三井・デュポンポリケミ
カル(株)40部、パラフィンワックス(140°F、
日本製蝋(株)20部(全て重量部)からなるホットメ
ルト接着剤組成物は、調製時にはほとんど無色に近く、
(色数1以下)、加熱状態で保存した際の色調の安定性
もきわめて良好である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色調安定性の良好なロジンエステルを製
    造するための方法であって、ロジンにα,β−不飽和カ
    ルボン酸としてアクリル酸を付加反応させ、次いで該付
    加反応物を反応系中に下記一般式で示される化合物の群
    から選ばれた1種または2種以上の化合物の共存下にア
    ルコールとエステル化させることを特徴とする色調安定
    性に優れるロジンエステルの製造方法。一般式(I) 式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環などの置換芳香族
    環、Rは水素、またはC1 〜C20のアルキル基あるい
    はシクロアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1
    〜4の整数、xは1〜4の整数、Yは0〜2の整数、p
    は0〜10の整数を示す。
  2. 【請求項2】 色調安定性の良好なロジンエステルを製
    造するための方法であって、ロジンにアクリル酸および
    アルコールを添加して付加反応させ、次いで該付加反応
    混合物を反応系中に下記一般式で示される化合物の群か
    ら選ばれた1種または2種以上の化合物の共存下にエス
    テル化させることを特徴とする色調安定性に優れるロジ
    ンエステルの製造方法。一般式(I) 式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環などの置換芳香族
    環、Rは水素、またはC1 〜C20のアルキル基あるい
    はシクロアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1
    〜4の整数、xは1〜4の整数、Yは0〜2の整数、p
    は0〜10の整数を示す。
  3. 【請求項3】 上記ロジンとして精製ロジンを用い、淡
    色かつ色調安定性に優れたロジンエステルを得る請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 精製ロジンに対するアクリル酸の付加率
    が2〜40モル%である請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 ロジン重量に基づいて0.01〜5重量
    %の一般式(I)で示される化合物を存在させる請求項
    1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 精製ロジンが蒸留により高沸点物を除去
    されたガムロジンである請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルコールがペンタエリスリトールであ
    る請求項1または2記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記一般式(I)で示される化合物とし
    て4,4’−ビス(6−t−ブチルメタクレゾール)ス
    ルフィド、t−アミルフェノールジスルフィドオリゴマ
    ー、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマーを用いる
    請求項1または2記載の方法。
JP6101852A 1994-04-15 1994-04-15 色調安定性に優れるロジンエステルの製造法 Pending JPH07286139A (ja)

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