JPH07285212A - 複層式オフセット輪転機 - Google Patents

複層式オフセット輪転機

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JPH07285212A
JPH07285212A JP6078377A JP7837794A JPH07285212A JP H07285212 A JPH07285212 A JP H07285212A JP 6078377 A JP6078377 A JP 6078377A JP 7837794 A JP7837794 A JP 7837794A JP H07285212 A JPH07285212 A JP H07285212A
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Yuji Ijichi
右治 伊地知
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4層式オフセット輪転機において、走行紙の
幅方向の広がりをなくして紙幅方向の印刷見当精度を向
上させることができるとともに、ゴミにより印刷面上に
画線が現われることがないようにすること。 【構成】 2層目以降のそれぞれの印刷ユニット4,
5,6の印刷胴9,10,11の走行紙入口側で該印刷胴に
接近した位置に走行紙を巻き掛けて案内する1対のロー
ラ15,16を走行紙7の走行方向に隣接して配置してい
る。これらローラの少なくとも走行紙の走行方向上流側
のローラ16の表面にローラ軸線に対して所定角度傾斜し
た螺旋状の突条を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速新聞オフセット
輪転機、特にブランケット対ブランケット方式の複層式
オフセット輪転機に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年新聞のカラー面が増加す
る傾向にあり、複数の印刷ユニットを積み重ねて積層し
た複層式、例えば4層式の新聞オフセット輪転機が普及
しつつあるが、この4層式オフセット輪転機の場合、従
来の共通圧胴の回りに4色の印刷カップルが配置して構
成されるサテライト型印刷機と比較して、印刷品質、特
に走行紙紙幅方向の印刷見当精度が不十分な難点があ
る。すなわち、サテライト型印刷機の場合、走行紙は金
属製の共通圧胴に巻き付いていることと、各印刷ユニッ
ト間の距離が短いことによって、印刷見当精度は非常に
安定している。これに対して、ブランケット対ブランケ
ット方式の4層式オフセット輪転機の場合は、各印刷ユ
ニット間の距離が長いこと、そしてその間の走行紙は空
気中でフリーであり、オフセット印刷の湿し水の影響も
あって、1層目の印刷ユニットから順次4層目の印刷ユ
ニットへと走行紙幅が広がる傾向にある。この走行紙幅
の広がりに対する一般的な補正法として、版胴に対する
刷版の取付位置を予め1層目の印刷ユニットから順次4
層目の印刷ユニットへと広げて取付けるなどの工夫もな
されるが、用紙の特性の差もあって、何れも十分ではな
い。
【0003】そこでこの発明は、前記のような複層式オ
フセット輪転機において、走行紙の幅方向の広がりをな
くして紙幅方向の印刷見当精度を向上させることができ
るとともに、ゴミにより印刷面上に画線が現われること
がないオフセット輪転機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、前記のような複層式オフセット
輪転機において、2層目以降のそれぞれの印刷ユニット
の印刷胴の走行紙入口側で該印刷胴に接近した位置に走
行紙を巻き掛けて案内する1対のローラを走行紙の走行
方向に隣接して配置し、これらローラの少なくとも走行
紙の走行方向上流側のローラの表面にローラ軸線に対し
て所定角度傾斜した螺旋状の突条を形成している。
【0005】請求項2の発明は、請求項1において、螺
旋状の突条に代えてローラ軸線に対して所定角度傾斜し
た環状の突条を軸方向に間隔をおいて複数個形成してい
る。請求項3の発明は、請求項1又は2において、突条
と突条間の表面に滑らかに凹状となった溝を形成してい
る。
【0006】
【作用】印刷ユニットの印刷胴の軸心と直角に送出され
た走行紙がこれを案内する1対のローラに巻き掛ると、
走行紙は該ローラの走行紙の走行方向上流側のローラの
表面の螺旋状の突条によって局部的で、かつ強い圧力で
支えられ極めて滑りにくい状態となり、前記上流側のロ
ーラの回転に伴って幅方向の複数個所に強力なクライミ
ング作用を受けて、該ローラの軸心と直角に正確に直行
して幅方向に広がることなく、案内される。また、螺旋
の突条が走行紙と接する点が紙幅方向で一定の位置でな
くなり、常に接する位置が移動するため、ゴミにより印
刷面上に画線が現われることがない。
【0007】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示し、アーチ型
両面印刷ユニットを4層積み重ねて構成した両面4色刷
り可能な新聞輪転機の正面図、図2は図1の側面図であ
る。図1,2において1はアーチ型両面印刷ユニット
で、床面2の上に下方から1層目の印刷ユニット3、2
層目の印刷ユニット4、3層目の印刷ユニット5、4層
目の印刷ユニット6の順に積み重ねて構成されている。
走行紙7は1層目の印刷ユニット3から順次4層目の印
刷ユニット6へとそれぞれ印刷胴8,9,10,11を通過
するときに印刷される。2層目以降のそれぞれの印刷ユ
ニット4,5,6の印刷胴9,10,11の走行紙入口側で
該印刷胴に接近した位置には走行紙直行案内装置12,1
3,14が設置されている。
【0008】この走行紙直行案内装置12,13,14は走行
紙7の走行方向に隣接して配置され、走行紙7を巻き掛
けて案内する1対のローラ、すなわち案内ローラ15と走
行紙直行ローラ16を、走行紙直行ローラ16が走行紙7の
走行方向上流側となるように具えている。これら案内ロ
ーラ15と走行紙直行ローラ16は印刷胴8,9,10,11と
同様に機枠19に図示省略の軸受により回転可能に支持さ
れている。走行紙直行ローラ16の表面には図3にその一
部を拡大して示すように、ローラ軸線aに対して所定角
度傾斜した螺旋状の突条17が形成されている。螺旋状の
突条17と突条17間の表面は突条17を頂点としてそこから
徐々に滑らかに凹状となった溝18に形成されている。こ
の例のように突条17は細く、かつ滑らかな凹状の溝18は
汚れ難さと清掃の易さの点で好ましい。溝18の深さは略
1mmで、溝18の間隔が略10mm程度が汚れと清掃の易さの
点で好ましい。このような構成にすると、走行紙7の直
行作用、すなわち走行紙7を軸心に直角に運ぶ作用に優
れている。
【0009】この走行紙直行ローラ16の製造に際して
は、例えば表面をNC旋盤で成形した後、バフ仕上げを
して硬質クロームメッキを行ない表面を滑らかにして、
汚れ難さと清掃を易くする。あるいはNC旋盤で成形し
た後、バフ仕上げをして、適宜な表面仕上げをした後
に、硬質セラミックスの熔射によって突条17を粗つかせ
て走行紙7との滑りを少なくするとともに、耐摩耗性を
高めるようにする。
【0010】次に、この実施例の作用を図4を参照して
説明する。1層目の印刷ユニット3の印刷胴8の軸心と
直角に2層目の印刷ユニット4方向へ送出された走行紙
7が走行紙直行ローラ16に巻き掛ると、走行紙7は走行
紙直行ローラ16の表面の螺旋状の突条17によって局部的
で、かつ強い圧力で支えられ極めて滑りにくい状態とな
る。図4の矢印はこの状態を示している。そして、走行
紙7は走行紙直行ローラ16の回転に伴って幅方向の複数
個所に強力なクライミング作用を受け、走行紙直行ロー
ラ16の軸心と直角に正確に直行して幅方向に広がること
なく、案内ローラ15を経て2層目の印刷ユニット4の印
刷胴9へ案内される。2層目の印刷ユニット4の印刷胴
9から3層目の印刷ユニット5の印刷胴10、3層目の印
刷ユニット5の印刷胴10から4層目の印刷ユニット6の
印刷胴11の間も同様である。
【0011】この走行紙直行ローラ16の場合は、螺旋の
突条17が走行紙7と接する点が紙幅方向で一定の位置で
なくなり、常に接する位置が移動することになる。その
ため、ローラ軸線aに対して傾斜することなく直角に交
差する従来の突条のように走行紙7の幅方向に常に決ま
った位置で接するものにあっては、突条に集まった紙粉
などのゴミが走行紙7を介して印圧によってブランケッ
トの決まった位置に集積転移し、インキを受け取り走行
紙7に転写し、それが印刷面上に線となって現われると
いう難点があるが、前記の螺旋状の突条17の場合はゴミ
により印刷面上に画線が現われることがない。
【0012】図5は走行紙直行ローラの別の実施例で、
この走行紙直行ローラ16aの表面にはローラ軸線aに対
して所定角度傾斜した環状の突条17aが軸方向に間隔を
おいて複数個形成されている。このローラ16aの環状の
突条17aと突条17a間にも前記溝18と同様な溝18aが形
成されている。溝18,18aは必ずしも必要でなく、ロー
ラ16,16aの表面に突条17,17aのみ形成したものでも
よい。
【0013】この環状の突条17aが形成された走行紙直
行ローラ16aでも図1〜4に示した前記実施例の走行紙
直行ローラ16と同様の作用を奏する。すなわち、走行紙
直行ローラ16aに走行紙7が巻き掛ると、走行紙7は該
ローラの表面の環状の突条17aによって局部的で、かつ
強い圧力で支えられ極めて滑りにくい状態となり、走行
紙直行ローラ16aの回転に伴って幅方向の複数個所に強
力なクライミング作用を受け、ローラ16aの軸心と直角
に正確に直行して幅方向に広がることなく、案内ローラ
15を経て2層目の印刷ユニット4の印刷胴9へ案内され
る。前記クライミング作用に際して、走行紙7は走行紙
直行ローラ16aから左右方向の力を受けず、ローラ16a
の軸心に対して直角方向に走行する作用のみ受ける。ま
た、環状の突条17aが走行紙7に接する点も常に移動
し、ゴミにより印刷面上に画線が現われることがない。
【0014】図6,7は1層目の印刷ユニット3の印刷
胴8の走行紙入口側で該印刷胴に接近した位置にさらに
走行紙7の紙幅を伸長する可変式走行紙伸長装置21を設
置した別の実施例を示すものである。可変式走行紙伸長
装置21はこの出願人が先に提案した実願平4−37812号
に記載したものと同様であるので、以下には簡略して説
明することとする。すなわち、可変式走行紙伸長装置21
は走行紙7を巻き掛けて案内する1対の案内ローラ22,
23を具えている。案内ローラ22は円筒状に形成されてい
る。案内ローラ23は図7に拡大して示すように、軸心が
長さ方向中央部において屈曲した屈曲軸24を有し、この
屈曲軸24の両端部は機枠19に設けた軸受25でその屈曲部
27を走行紙7の幅方向中央部においてその走行方向に向
けられるよう回転可能に支持されている。屈曲軸24には
両端が開口した金属製の円錐管28,29が互いに小径部を
屈曲部27に向けて回転自在に、かつ図示しないストッパ
カラーにより軸方向に移動不能に嵌挿されている。31,
32は円錐管28,29の小径部側内面、大径部側内面に設け
られた軸受である。また、35は機枠19に揺動可能に取付
けられ、屈曲軸24を回転して屈曲部27の向きを変える油
圧シリンダで、この油圧シリンダ35のロッド先端にはレ
バー36の基端部が固着され、このレバー36の先端部には
レバー37の先端部がピン38で枢支され、このレバー37の
大径円筒状の基端部37aは屈曲軸24の一端部に固着され
ている。図6で40,41は1層目、4層目の印刷ユニット
3,6の紙幅検知器である。
【0015】この実施例においては前記実施例の走行紙
直行案内装置12,13,14による走行紙7の直行案内作用
の前に検知器40で検知された走行紙7の紙幅より紙幅検
知器41で検知された走行紙7の紙幅が広いとき、図示し
ない制御手段からの信号により走行紙伸長装置21のシリ
ンダ35が作動し、屈曲軸24を屈曲部27の向きが走行紙7
側を向くように回転する。これにより走行紙7はその幅
方向中央部が屈曲部27の山部に当たって幅方向両側が伸
ばされ、伸長強化される。一方、紙幅検知器40で検知さ
れた走行紙7の紙幅より紙幅検知器41で検知された走行
紙7の紙幅が狭いとき、前記制御手段からの信号により
走行紙伸長装置21のシリンダ35が作動し、屈曲軸24を屈
曲部27の向きが走行紙7と反対側を向くように回転す
る。これにより走行紙7はその幅方向中央部が屈曲部27
の谷部に当たって幅方向両側が幅方向中央部へ寄せら
れ、伸長弱化される。このように印刷直前の走行紙7の
紙幅を走行紙伸長装置21で広げておくことにより、1層
目の印刷ユニット3から4層目の印刷ユニット6へと走
行紙幅が広がるのを防止する。
【0016】前記の各実施例では印刷ユニットを4層と
したが、複数層であれば、その層数は問わない。また、
走行紙直行案内装置の設置数を3つとしてが、必要な個
所のみに設置してもよい。また、走行紙直行案内装置を
案内ローラ15と走行紙直行ローラ16で構成したが、案内
ローラ15に代えて走行紙直行ローラ16と同様な走行紙直
行ローラとしてもよい。この場合、両走行紙直行ローラ
16を突条17が対向するように配置してもよいし、一方の
ローラ16の突条17が他方のローラ16の溝18の中央となる
ように配置してもよい。
【0017】
【発明の効果】請求項1又は2の発明は前記のようであ
って、1層目の印刷ユニットから順次2層目以降の印刷
ユニットへと送出される走行紙が螺旋状又は環状の突条
により直行するように案内され、幅方向に広がることな
く印刷されて、印刷見当精度は非常に安定して、印刷品
質の向上と不良印刷紙の減少を図ることができることは
勿論のこと、ゴミにより印刷面上に画線が現われること
がないという効果がある。請求項3の発明は、さらに走
行紙が接触しない走行紙直行ローラの表面、すなわち溝
にインキや紙粉等が付着しにくいし、付着しても簡単に
拭き取って清掃することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示し、アーチ型両面印刷
ユニットを4層積み重ねて構成した両面4色刷り可能な
新聞輪転機の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2のA部の拡大正面図である。
【図4】作用説明図である。
【図5】走行紙直行ローラの別の実施例を示す拡大正面
図である。
【図6】別の実施例を示す新聞輪転機の正面図である。
【図7】同上の一方の案内ローラの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アーチ型両面印刷ユニット 3,4,5,6 1〜4層目の印刷ユニット 7 走行紙 8,9,10,11 印刷胴 12,13,14 走行紙直行案内装置 15 案内ローラ 16,16a 走行紙直行ローラ 17,17a 突条 18,18a 溝 21 可変式走行紙伸長装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の印刷ユニットを積み重ねて積層し
    た複層式オフセット輪転機において、2層目以降のそれ
    ぞれの印刷ユニットの印刷胴の走行紙入口側で該印刷胴
    に接近した位置に走行紙を巻き掛けて案内する1対のロ
    ーラを走行紙の走行方向に隣接して配置し、これらロー
    ラの少なくとも走行紙の走行方向上流側のローラの表面
    にローラ軸線に対して所定角度傾斜した螺旋状の突条を
    形成したことを特徴とする複層式オフセット輪転機。
  2. 【請求項2】 螺旋状の突条に代えてローラ軸線に対し
    て所定角度傾斜した環状の突条を軸方向に間隔をおいて
    複数個形成した請求項1記載の複層式オフセット輪転
    機。
  3. 【請求項3】 突条と突条間の表面に滑らかに凹状とな
    った溝を形成した請求項1又は2記載の複層式オフセッ
    ト輪転機。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0479855U (ja) * 1990-11-26 1992-07-13
JPH05178511A (ja) * 1991-12-26 1993-07-20 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd ウェブ料紙調幅装置及びウェブ料紙調幅方法及びウェブ料紙調幅装置を有する平版輪転印刷機
JPH05246003A (ja) * 1992-03-04 1993-09-24 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd ガイドローラー

Patent Citations (3)

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JPH05246003A (ja) * 1992-03-04 1993-09-24 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd ガイドローラー

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