JPH07282589A - 半導体集積化メモリ - Google Patents

半導体集積化メモリ

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JPH07282589A
JPH07282589A JP7092094A JP7092094A JPH07282589A JP H07282589 A JPH07282589 A JP H07282589A JP 7092094 A JP7092094 A JP 7092094A JP 7092094 A JP7092094 A JP 7092094A JP H07282589 A JPH07282589 A JP H07282589A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記憶容量が大きく、アドレス指定読み出しお
よび内容番地付け読み出しを円滑に行うことができ、か
つ低コストで作製できる半導体集積化メモリを提供す
る。 【構成】 半導体基板上に行列状に複数配されたメモリ
セル100,100,…を備える。各メモリセル100
は、エンハンスメント型に設定された選択トランジスタ
112と、エンハンスメント型またはデプレッション型
のうちいずれか一方の型に設定された第1の記憶トラン
ジスタ111と、エンハンスメント型またはデプレッシ
ョン型のうち他方の型に設定された第2の記憶トランジ
スタ113とを有する。上記3つのトランジスタ11
1,112,113は直列に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積化メモリに関
する。より詳しくは、内容番地付け読み出し(コンテン
ツ・アドレッサブル・リーディング)機能を持つメモリ
(以下「CAM」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に普及しているRAM(ランダム・
アクセス・メモリ)やROM(リード・オンリ・メモ
リ)のような半導体集積化メモリは、データを記憶する
ことを主目的として作られている。RAMもROMも、
取り扱うデータの最小単位はビットと呼ばれ、1ビット
は2値論理値を1個記憶する。また、ワードと呼ばれる
ひとかたまりのデータ毎にアドレスと呼ばれる識別番号
を付けて、ワード単位でデータを取り扱う。RAMは、
アドレスを指定することによって任意のワードのデータ
を書き換えたり、読み出したりすることができる。一
方、ROMは、アドレスを指定することによって任意の
ワードのデータを読み出すことはできるが、データの書
き換えは一般的にはできないか、あるいは読み出しに比
べて非常に時間がかかる。いずれにせよ、データを記憶
しておき、必要なときにアドレスを指定して必要なデー
タをワード毎に読み出すようになっている。
【0003】ところで、データベースシステムなどの情
報処理機器などでは、大量の記憶データの中から入力デ
ータの一部あるいは全部と一致するデータを検索するこ
とが多い。しかしながら、記憶データがRAMやROM
に記憶されていたのでは、このような一致検索を行う場
合にも、記憶データの各ワードを一つずつ順番に読み出
して、逐次、入力データとの比較を行わなければならな
い。RAMやROMははアドレスを指定することによっ
てのみ、記憶データを読み出せるからである。このた
め、記憶データのワード数が多くなればなる程、検索に
時間がかかることになる。
【0004】CAMは、このような一致検索を高速に行
うことを主目的とするメモリであり、外部からデータを
入力することによって記憶データとの一致検索を行い、
一致するデータを読み出すという内容番地付け読み出し
機能を基本としている。データの取り扱いは、CAMも
RAMやROMと同様にワード単位に行い、上記の外部
から入力されるデータもワード毎に入力される。なお、
外部から入力されたワードのことを検索ワードと呼び、
記憶されているワードのことをストアワードと呼ぶ。
【0005】CAMの内容番地付け読み出しは、検索ワ
ードと複数のストアワードとを同時並列的に比較し、一
致するワードを読み出すという並列処理機能を有してい
るので、一致検索を高速に実行できる。
【0006】CAMの並列処理機能に着目して、検索ワ
ードの全てのビットについて同時に一致検索処理を実行
すという場合をビット並列、全てのストアワードについ
て同時に一致検索処理を実行する場合をワード並列、ま
た検索ワードの各ビットについて逐次的に一致検索処理
を実行する場合をビット直列、各ストアワードについて
逐次的に一致検索処理を実行する場合をワード直列と表
現する。
【0007】最も並列性が高く、検索速度が速いワード
並列・ビット並列CAMを特に完全並列CAMと呼ぶ。
【0008】また、CAMの内容番地付け読み出しに
は、検索ワードとストアワードの一部のビット同士だけ
の一致検索を行う機能があり、マスク付一致検索と呼ば
れる。一致検索の基本的な操作は1ビットの比較処理で
あるが、マスク付一致検索では、マスクされたビットは
一致検索の比較処理で無視され、マスクされていないビ
ットだけが比較処理の対象となる。どのビットにもマス
クを行わなければ、検索ワードとストアワードの全ての
ビット同士の一致検索を行うことになる。
【0009】CAMに関する基本的な技術については、
テェー・コホーネン(T.Kohonen)著「コンテンツ・
アドレッサブル・メモリーズ」(シュプリンガー・フェ
ルラーク(Springer−Verlag)発行)に詳しく述べら
れている。ここでは、半導体技術を利用したCAMの代
表的な3つの従来例を挙げる。これらは、大容量で一致
検索能力の高い完全並列CAMを実現しようとする試み
である。
【0010】まず、第1の従来例として、CMOS(相
補型金属−酸化膜−半導体)構成のSRAM(スタティ
ック・ランダム・アクセス・メモリ)セルを変形したC
AMセル(以下「SRAMベースCAMセル」とい
う。)を持つ完全並列CAMについて説明する。
【0011】図4は一般的な構成を有するnビット×m
ワード(n,mは共に自然数)の完全並列CAMのブロ
ック構成を示している。この完全並列CAMは、CAM
アレイ210と、アドレスデコーダ211と、探索デー
タレジスタ212と、マスクレジスタ213と、応答レ
ジスタ214と、多重応答分解器215と、符号器21
6を備えている。
【0012】上記CAMアレイ210は、図5に示すよ
うに、行列状に配された複数のSRAMベースCAMセ
ル200を有している。なお、第j行,第i列(j=
0,1,…,(m−1);i=0,1,…,(n−
1))のセルには記号Cjiを付している。1個のCAM
セル200が1個の2値論理値を記憶し、1本のワード
線に接続されたn個のCAMセル200が1個のワード
を記憶する。したがって、アレイ全体では第0ワードか
ら第(m−1)ワードまでのm個のワードを記憶でき
る。
【0013】各CAMセル200は、図6に示すよう
に、一般的なCMOS型のSRAMセル201と、3個
のnMOSトランジスタT7、T8、T9とを有してい
る。SRAMセル201は、pMOSトランジスタおよ
びこれに直列接続されたnMOSトランジスタを2対有
するフリップフロップ202と、このフリップフロップ
202の記憶ノード203,204とビット線BL
(1),BL(0)との間にそれぞれ設けられ、ワード
線205によってオンオフ制御されるnMOSトランジ
スタT5,T6とからなっている。
【0014】給電線206には電位VDD(V)、接地線
207には電位VGND(V)が、それぞれ外部電源から
与えられているとする。VDDはVGNDに比べて高電位で
あり、(VDD−VGND)は、nMOSトランジスタのし
きい値電圧VTN(V)およびpMOSトランジスタのし
きい値電圧VTP(V)の絶対値|VTP|のいずれよりも
大きな値とする。即ち VDD−VGND>VTNDD−VGND>|VTP| が成り立つものとする。
【0015】CAMセル200のフリップフロップ20
2はよく知られた双安定回路であり、給電線206と接
地線207にそれぞれ上記電位が与えられている限り、
記憶ノード203と記憶ノード204の電位をそれぞれ
保持する。高電位をH、低電位をLと表すと、記憶ノー
ド203の電位がHならば記憶ノード204の電位はL
になり、記憶ノード203の電位がLならば記憶ノード
204の電位はHになる。ここで電位Hの状態を論理値
1、電位Lの状態を論理値0と定義すると、記憶ノード
203と記憶ノード204は常に、互いに論理反転の関
係にある1個の2値論理値を記憶していることになる。
【0016】従って、記憶ノード203の論理値を論理
変数sで表すとすると記憶ノード204の論理値はs_
と書くことができる。ただし、s_はsの論理反転を表
す。
【0017】CAMセル200が記憶している論理値
は、記憶ノード203と記憶ノード204のいずれか一
方の論理値と定義すればよいので、ここでは記憶ノード
203の論理値sをCAMセル200が記憶している論
理値とする。
【0018】SRAMベースCAMが実行できる基本的
な動作は、次に述べるように、書き換え、アドレス
指定読み出し、および内容番地付け読み出しの3つの
動作である。なお、CAMセル200のトランジスタT
7、T8、T9の状態がSRAMセル201の状態に影
響を及ぼすことはないので、書き換え及びアドレス指定
読み出しは一般的なSRAMと全く同様に行われる。
【0019】CAMセル200のデータ書き換えは、
外部からビット線(BL(1)とBL(0))を通じて
CAMセル200へデータを書き込むことによって達成
される。まず、ワード線205の電位をnMOSトラン
ジスタのしきい値電圧VTN(V)より高い高電位Hにす
る。一般的には給電線206と同じ電位VDD(V)にす
る。すると、nMOSトランジスタT5とT6とは共に
導通状態となり、ビット線BL(1)と記憶ノード20
3、ビット線BL(0)と記憶ノード204がそれぞれ
電気的に接続される。
【0020】このとき、CAMセル200の外部からビ
ット線BL(1)に電位H、ビット線BL(0)に電位
Lが与えられていれば、記憶ノード203は電位Hに、
記憶ノード204は電位Lになる。逆に、CAMセル外
部からビット線BL(1)に電位L、ビット線BL
(0)に電位Hが与えられていれば記憶ノード203は
電位Lに、記憶ノード204は電位Hになる。
【0021】すなわち、ビット線BL(1)に論理値
a、ビット線BL(0)に論理a を与えた場合にCA
Mセル200に論理値aが書き込まれる。
【0022】書き込みが完了すると、ワード線205の
電位をnMOSトランジスタのしきい値電圧VTN(V)
より低い電位Lにする。一般的には接地線207と同じ
電位VGND(V)にする。すると、nMOSトランジス
タT5とT6は共に遮断状態となり、ビット線BL
(1)と記憶ノード203、ビット線BL(0)と記憶
ノード204がそれぞれ電気的に切断される。
【0023】既に述べたように、nMOSトランジスタ
T5とT6が遮断状態となっても、記憶ノード203と
記憶ノード204はそれぞれ直前の電位を保持する。こ
の結果、CAMセル200は、直前にビット線対(BL
(1)とBL(0))を通して書き込まれた論理値を記
憶した状態になる。
【0024】書き込み動作前にCAMセル200が記憶
していたデータとは無関係に、ビット線対(BL(1)
とBL(0))から書き込まれた論理値を新たに記憶す
ることになるので、CAMセル200のデータは書き換
えられたことになる。すなわち、CAMセル200で
は、データの書き込みを実行した時点で記憶データは書
き換えられる。
【0025】書き込み動作中は、マッチ線208(およ
び3個のnMOSトチT7、T8、T9)の動作には意
味がない。そこで、無用な電力消費を生じさせないため
にも、通常はマッチ線208の電位は接地線207と同
じ電位VGND(V)に固定されている。
【0026】今、図5中に示したm個のワードの中のj
番目のワードにデータを書き込むとすると、ワード線W
jが電位Hに引き上げられ、他のワード線は全て電位
Lに保たれている。従って、ワード線WLjに接続され
ているn個のCAMセルCj0,Cj1,…,Cj(n-1)が書
き込み可能状態となり、これ以外の全てのCAMセル2
00は書き込みができない状態になっている。このと
き、ビット線対BL0,BL1,…,BLn-1の全てに書
き込むべきデータを与えると、ワード線WLjに接続さ
れた全てのCAMセル200にデータが書き込まれる。
【0027】CAMセル200におけるアドレス指定
読み出しは、記憶データを読み出すために、書き込み動
作と同様にワード線205の電位をHにする。すると、
nMOSトランジスタT5とT6は共に導通状態とな
り、ビット線BL(1)と記憶ノード203、およびビ
ット線BL(0)と記憶ノード204が、それぞれ電気
的に接続される。
【0028】図7に示すように、各ビット線対BL
i(1),BLi(0)(i=0,1,…,(n−1))
には、CAMアレイの外部において、例えば比較器22
0と、トライステートバッファゲートG1,G2およびG
3とからなる回路が接続されている。書き込み動作時に
は、書き込み信号WEがHレベルになって、トライステ
ートバッファゲートG2およびG3を通してビット線対B
i(1),BLi(0)に外部からの入力電位が与えら
れる。一方、読み出し動作時には、書き込み信号WEは
Lレベルにされ、トライステートバッファゲートG2
よびG3は高インピーダンス状態になるので、各ビット
線対BLi(1),BLi(0)の電位は、選択されたC
AMセル200の記憶ノードの電位によって決定され
る。
【0029】比較器220は各ビット線対BL
i(1),BLi(0)の電位を比較し、どちらの電位が
高いかによってHまたはLを出力する。このとき読み出
し信号REをHレベルにしておくと、トライステートバ
ッファゲートG1を通じて記憶データがCAMセルアレ
イの外部へ読み出される。
【0030】内容番地付け読み第し動作の時には、図
6に示したワード線205は低電位L、一般的にはV
GND(V)に保たれ、マッチ線208は一旦、高電位
H、一般的には給電線206と同じ電位VDD(V)まで
充電される。
【0031】(i)ここでまず、CAMセル200が記憶
している論理値が1であるものとする。すなわち、記憶
ノード203の電位はH、記憶ノード204の電位はL
である。
【0032】nMOSトランジスタT5とT6はいずれ
も遮断状態なので、nMOSトランジスタT7,T8の
ゲート電極にはそれぞれ記憶ノード204と記憶ノード
203の電位が印加され、これに応じてnMOSトラン
ジスタT7は遮断状態、nMOSトランジスタT8は導
通状態になる。この結果、nMOSトランジスタT9の
ゲート電極には、導通状態のnMOSトランジスタT8
を通じてビット線BL(0)の電位が与えられる。
【0033】ここで、ビット線対BL(1),BL
(0)への入力データの論理値が1ならばnMOSトラ
ンジスタT9のゲート電極にLが与えられ、nMOSト
ランジスタT9は遮断状態となる。従って、マッチ線2
08と接地線207は電気的に遮断され、マッチ線20
8の電位はHに保持される。一方、ビット線対BL
(1),BL(0)への入力データの論理値が0ならば
nMOSトランジスタT9のゲート電極にHが与えら
れ、nMOSトランジスタT9は導通状態となる。従っ
て、マッチ線208と接地線207は電気的に接続さ
れ、マッチ線208の電位はLに下げられる。
【0034】(ii)次に、CAMセル200が記憶してい
る論理値が0であるものとする。すなわち、記憶ノード
203の電位はL、記憶ノード204の電位はHであ
る。
【0035】この場合、上記(i)の場合とは逆に、nM
OSトランジスタT7は導通状態、nMOSトランジス
タT8は遮断状態となる。この結果、nMOSトランジ
スタT9のゲート電極には、導通状態のnMOSトラン
ジスタT7を通じてビット線BL(1)の電位が与えら
れる。
【0036】ここで、ビット線対BL(1),BL
(0)への入力データの論理値が1ならばnMOSトラ
ンジスタT9のゲート電極にHが与えられ、nMOSト
ランジスタT9は導通状態となる。従って、マッチ線2
08と接地線207は電気的に接続され、マッチ線20
8の電位はHに保持される。一方、ビット線対BL
(1),BL(0)への入力データの論理値が0ならば
nMOSトランジスタT9のゲート電極にLが与えら
れ、nMOSトランジスタT9は遮断状態となる。従っ
て、マッチ線208と接地線207は電気的に遮断さ
れ、マッチ線208の電位はHに保持される。
【0037】上記(i),(ii)の結果をまとめると、CA
Mセル200が記憶している論理値と入力データの論理
値が一致している場合には、マッチ線208の電位はH
に保持され、CAMセル200が記憶している論理値と
入力データの論理値が不一致の場合にはマッチ線208
の電位はLに引き下げられる。
【0038】従って、マッチ線208の電位を観測する
ことによって、CAMセル200が記憶している論理値
と入力データの論理値が一致しているか否かを判定する
ことができる。
【0039】また、内容番地付け読み出し動作の時に
は、CAMセル200は1ビットのマスク付き比較処理
を実行することができる。
【0040】まず、ビット線対BL(1),BL(0)
への入力段階において、前処理が施される。即ち、入力
データの論理値が1であっても0であっても、マスクワ
ードの対応するビットの論理値が1の場合、ビット線B
L(1),ビット線BL(0)には共にLが与えられ
る。
【0041】先に述べたように、nMOSトランジスタ
T9のゲート電極は、CAMセル200が記憶している
論理値が1の場合(上記(i))にはビット線BL
(0)、CAMセル200が記憶している論理値が0の
場合(上記(ii))にはビット線BL(1)と電気的に接
続される。
【0042】このことから、ビット線BL(0)とビッ
ト線BL(1)との両方に電位Lを与えた場合、CAM
セル200が記憶している論理値とは無関係に、常にn
MOSトランジスタT9のゲート電極には電位Lが与え
られる。この結果、このCAMセル200は、マッチ線
208の電位を保持することになり、比較処理を実行し
ない。
【0043】図5に示したCAMセルアレイにおいて、
同じワードに属するCAMセル200はマッチ線208
を共有している。例えば、j番目のワードに属する全て
のCAMセル200は1本のマッチ線MLjを共有して
いる。従って、上記CAMセル200における1ビット
の比較処理動作によって、j番目のワードに属するCA
Mセル200のうち少なくとも1つのCAMセル200
において不一致が生じると、マッチ線MLjの電位がL
に引き下げられる。
【0044】また、全てのワードのi番目のCAMセル
200はビット線BLiを共有している。従って、ビッ
ト線対BL0,BL1,…,BLn-1の全てに入力データ
を与えたとき、全てのワードのマッチ線ML0,ML1
…,MLm-1において、入力ワードとストアワードとの
マスク付き比較処理の結果が同時並列的に得られる。
【0045】次に、第2の従来例としてPLA(プログ
ラマブル・ロジック・アレイ)のAND平面を用いた完
全並列CAM(以下「PLAベースCAM」という。)
について説明する。
【0046】PLAは一般に、任意の論理関数を実現で
きるLSI(大規模集積回路)としてAND平面および
OR平面と呼ばれる2つのスイッチマトリクスから構成
されている。AND平面は完全並列CAMとして利用す
ることができる。なお、PLAについては、例えば、シ
ー・ミード(C.Mead),エル・コンウェイ(L.Co
nway)共著「イントロダクション・ツー・VLSIシス
テムズ」(アディソン・ウエスレイ(Addison Wesle
y)発行、p.79−p.88、p.102−p.108)
等に詳しく解説されている。
【0047】図8に示すように、PLAベースCAMセ
ルアレイは、PLAのAND平面と同様に構成され、行
列状に配された複数のCAMセル300を有している。
CAMセル300は、図9に示すように、ビット線対3
02と、接地線303と、マッチ線304と、nMOS
トランジスタ301を含んでいる。nMOSトランジス
タ301のソース電極は接地線303に接続され、ドレ
イン電極はマッチ線304に接続されている。nMOS
トランジスタ301のゲート電極はビット線対302の
いずれか一方、すなわちビット線BL(1)またはビッ
ト線BL(0)に接続されている。
【0048】nMOSトランジスタ301は、ゲート電
極に、そのしきい値電圧VTN(V)以上の電位Hが加え
られると、マッチ線304と接地線303とを電気的に
接続する。一般的にはHは電源電位VDD(V)である。
逆に、ゲート電極にVTN(V)以下の電位Lが加えられ
ると、マッチ線304と接地線303とを電気的に遮断
する。一般的にはLは接地電位VGND(V)である。
【0049】CAMセル300は、nMOSトランジス
タ301のゲート電極が接続されているビット線がビッ
ト線対302のうちいずれであるかによって1ビットの
データを記憶している。
【0050】このPLAベースCAMが実行できる基本
的な動作は、次に述べるように、内容番地付け読み出し
である。なお、LSIの製造時に作られたトランジスタ
の接続情報を記憶データとして利用しているため、電気
信号によるデータの書き換えは行えない。また、アドレ
ス指定読み出しも実行できない。
【0051】PLAベースCAMにおける内容番地付け
読み出しは、まず、マッチ線304を高電位Hに充電す
る。一般的には電源電位VDD(V)まで充電する。次に
ビット線対302に入力データを与える。
【0052】今、SRAMベースCAMセルの時と同様
に、ビット線BL(1)に電位H、ビット線BL(0)
に電位Lを与えた場合の入力データの論理値を1、逆に
ビット線BL(1)に電位L、ビット線BL(0)に電
位Hを与えた場合の入力データの論理値を0と定義す
る。
【0053】また、各CAMセル300においてnMO
Sトランジスタ301のゲート電極がビット線BL
(1)に接続されているとき、そのCAMセル300が
記憶しているデータの論理値を0と定義する。逆に、ト
ランジスタ301のゲート電極がビット線BL(0)に
接続されているとき、そのCAMセル300が記憶して
いるデータの論理値を1と定義する。
【0054】(i)CAMセル300が記憶している論理
値が1の場合、nMOSトランジスタ301のゲート電
極はビット線BL(0)に接続されている。したがっ
て、入力データの論理値が1ならば、nMOSトランジ
スタ301は遮断状態になるので、マッチ線304と接
地線303とが電気的に遮断され、マッチ線304の電
位はHに保持される。一方、入力データの論理値が0な
らば、nMOSトランジスタ301は導通状態になるの
で、マッチ線304と接地線303とが電気的に接続さ
れ、マッチ線304の電位はLに引き下げられる。
【0055】(ii)また、CAMセル300が記憶してい
る論理値が0の場合、nMOSトランジスタ301のゲ
ート電極はビット線BL(1)に接続されている。した
がって、入力データの論理値が1ならば、nMOSトラ
ンジスタ301は導通状態になるので、マッチ線304
の電位はLに引き下げられる。一方、入力データの論理
値が0ならば、nMOSトランジスタ301は遮断状態
になるので、マッチ線304の電位はHに保持される。
【0056】上記(i),(ii)の結果、SRAMベースC
AMセルの場合と同様に、CAMセル300が記憶して
いる論理値と入力データの論理値が一致している場合に
はマッチ線304の電位はHに保持され、CAMセル3
00が記憶している論理値と入力データの論理値が不一
致の場合にはマッチ線304の電位はLに引き下げられ
る。
【0057】従って、マッチ線304の電位を観測する
ことによってCAMセル300が記憶している論理値と
入力データの論理値が一致しているか否かを判定するこ
とができる。
【0058】また、マスク付き比較処理の動作では、ビ
ット線BL(0)とビット線BL(1)との両方に電位
Lを与えた場合、CAMセル200が記憶している論理
値とは無関係に、常にnMOSトランジスタT9のゲー
ト電極には電位Lが与えられる。この結果、このCAM
セル200は、マッチ線208の電位を保持することに
なり、比較処理を実行しない。
【0059】しかも、図8に示したように、同じワード
に属するCAMセル300はマッチ線304を共有し、
全てのワードのi番目のCAMセル200はビット線B
iを共有している。
【0060】したがって、このPLAベースCAMは、
SRAMベースCAMの場合と全く同様に、マスク付き
比較処理を実行することができる。
【0061】また、第3の従来例として、特開平5−7
4176号公報に開示されたEEPROM(エレクトリ
カル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリ
・メモリ)を用いた完全並列CAM(以下「EEPRO
MベースCAM」という。)について説明する。
【0062】EEPROMは電気的に記憶データの書き
換えが可能な半導体集積化メモリとして広く使われてい
る。記憶容量は大きいが読み出し速度に比べて書き換え
速度は非常に遅いので、データの書き換えが頻繁には必
要でないような場合によく使われる。EEPROMにつ
いては、例えば、飯塚哲哉編「CMOS超LSIの設
計」(培風館発行)、p.167−p.173に解説され
ている。
【0063】図11に示すように、EEPROMベース
CAMセルアレイは、行列状に配された複数のCAMセ
ル400,401,…を備えている。
【0064】例えばCAMセル400は、MONOS
(メタル−オキサイド−ナイトライド−オキサイド−セ
ミコンダクタ)構造を持つ一対の不揮発性メモリセル4
00a,400bを有している。1ビットの不揮発性メ
モリセル400a,400bは各々、データを記憶する
記憶トランジスタ413と、選択トランジスタ414を
含んでいる。記憶トランジスタ413を構成する窒化珪
素膜中に電子をトラップするか否かによって、記憶トラ
ップ413はエンハンスメント型かデプレッション型の
トランジスタ特性を示す。選択トランジスタ414は通
常のエンハンスメント型のnMOSトランジスタであ
る。図中、記憶トランジスタ413のゲート電極配線は
省略されている。
【0065】EEPROMベースCAMが実行できる基
本的な動作は、次に述べるように、書き換え、アド
レス指定読み出し、および内容番地付け読み出しの3
つの動作である。なお、書き換え動作とアドレス指定読
み出し動作は通常のEEPROMと同様に行われる。
【0066】CAMセルのデータ書き換え動作は、一
旦記憶データの消去を行ったのちに入力データの書き込
みを行うことによって達成される。まず、消去動作時に
は、記憶トランジスタ413のゲート電極に負のプログ
ラム電位VP(V)を与える一方、基板に正の電位、た
とえば電源電位VDD(V)を与える。記憶トランジスタ
413のゲート電極と基板との間に大きな負の電圧が印
加される結果、同じワードに属する記憶トランジスタ4
13は全てデプレッション型トランジスタになる。これ
を消去状態と呼び、同じワードに属する全ての記憶トラ
ンジスタ413は論理値0になっている。
【0067】書き込み時には、記憶トランジスタ413
のゲート電極に正の電位、たとえば電源電位VDD(V)
を与える一方、論理値1を書き込みたいビットのデータ
線(例えばデータ線421)と基板とに負のプログラム
電位VP(V)を与える。記憶トランジスタ413のゲ
ート電極と、基板および選択されたデータ線421との
間には大きな正の電圧が印加される。この結果、記憶ト
ランジスタのゲート電極に対してデータ線413から電
子が供給され、記憶トランジスタ413はエンハンスメ
ント型トランジスタになる。図11中、−を付した記憶
トランジスタ413はエンハンスメント型であることを
示し、+を付した記憶トランジスタ413はデプレッシ
ョン型であることを示している。
【0068】アドレス指定読み出し時には、全ての記
憶トランジスタ413のゲート電極に接地電位V
GND(V)を与え、選択されたワード線430には電源
電位VDD(V)を与える。記憶トランジスタ413のゲ
ート電極と、マッチ線413には共に接地電位V
GND(V)を与える。データ線421,データ線422
に接続された図示しないアンプによって、メモリセル4
00aあるいは400bが導通状態、遮断状態のうちい
ずれの状態にあるかが検出される。これにより、記憶ト
ランジスタの内容が読み出される。
【0069】内容番地付け読み出しは、メモリセル4
00aとメモリセル400bの2ビット1組を1つのC
AMセルとして取り扱うことによって可能になる。CA
Mセル400の2つのメモリセル400aと400bに
は互いに相反するデータが書き込まれている。図11の
例ではCAMセル400の記憶データは論理値0で、C
AMセル401の記憶データは論理値1である。内容番
地付け読み出しを行うにはまず、マッチ線431を高電
位H、通常は2.0(V)程度まで充電する。
【0070】入力データの論理値が0の場合、データ線
421には低電位L、一般的には接地電位VGND(V)
が入力される一方、データ線422には高電位H、一般
的には2.0(V)程度の電位が入力される。メモリセ
ル400bの記憶トランジスタ413,メモリセル40
1aの記憶トランジスタ413はいずれもデプレッショ
ン型トランジスタであるから、それらのソースドレイン
間は導通状態にある。ワード線430の電位を適切に選
ぶことによって、それぞれメモリセル400bの選択ト
ランジスタ414が遮断状態、メモリセル401aの選
択トランジスタ414が導通状態になるようにする(こ
の点についての問題は後述する)。すると、記憶データ
と入力データとが一致しているCAMセル400におい
ては、マッチ線431とデータ線421とが電気的に遮
断され、マッチ線431の電位はHに保たれる。一方、
記憶データと入力データが不一致のCAMセル401に
おいては、マッチ線431とデータ線421とが電気的
に導通し、マッチ線431の電位はLに引き下げられ
る。
【0071】結果として、マッチ線431の電位を観測
しておくことによって、記憶データの論理値と入力デー
タの論理値とが一致しているか否かを判定することがで
きる。
【0072】
【発明が解決しようとする課題】具体的な問題点を指摘
する前に、まず、CAMにおいて実現しようとしている
マスク付き一致処理の論理演算処理について説明する。
【0073】CAMにおけるデータ検索の基本的な操作
は1ビットの比較処理である。変数x,yは共に2値変
数のブール代数値(以下「論理値」という。)を表すと
する。xとyが論理的に一致している場合を1(真)、
そうでない場合を0(偽)とするブール関数(以下「論
理関数」という。)は論理一致と呼ばれ、次の論理式
(1)で表される。
【0074】 (x≡y)=(x∧y)∨(x_∧y_) …(1) ただし、≡は論理一致 ∧は論理積 ∨は論理和 x_,y_はそれぞれx,yの論理反転 を表している。なお、論理一致はEX−NOR(排他的
NOR)、論理積はAND、論理和はOR、論理反転は
NOTとも呼ばれる。以下、同じ表記法を用いる。
【0075】また、xとyの論理値が不一致である時を
1とする論理関数は排他的論理和と呼ばれ、次の論理式
で表される。
【0076】 (x○y)=(x∧y_)∨(x_∧y) …(2) ただし、○は排他的論理和を表している。以下、同じ表
記法を用いる。
【0077】排他的論理和はEX−OR(排他的OR)
とも呼ばれ、論理一致の否定論理になっているので、一
致検索の場合には式(1)の代わりに式(2)を用いる
こともできる。
【0078】さて今、メモリにはm個のワードが記憶さ
れており、それぞれのワードはnビットのメモリセルで
構成されているものとする。1ビットのメモリセルは一
つの論理値を記憶できる。
【0079】j番目のストアワードをSjとすると、Sj
はn個の論理値からなるn項組であるから、 Sj=(sjo,sj1,…,sj(n-1)) …(3) と表すことができる。Sjの各要素sjo,sj1,…,s
j(n-1)はそれぞれストアワードSjを構成する論理値を
示している。
【0080】また、外部から与えられる検索ワードを
A、マスクワードをCとすると A=(a0,a1,…,an-1) …(4) C=(c0,c1,…,cn-1) …(5) と表すことができる。Aの各要素a0,a1,…,an-1
はそれぞれ検索ワードAを構成する論理値、Cの各要素
0,c1,…,cn-1はそれぞれマスクワードCを構成
する論理値を示している。マスクワードのi番目の要素
iが論理値1であることはi番目のビットをマスクす
ることを意味し、ciが論理値0であることはi番目の
ビットをマスクしないことを意味する。
【0081】j番目のストアワードSjのi番目の要素
jiが探索ワードAのi番目の要素aと一致するとき
を1(真)とし、マスクワードCのi番目の要素ci
論理値1のときにはsjiの論理値やaiの論理値に関係
なく1(真)とする論理関数mjiを1ビットのマスク付
比較処理と言う。mjiは次の論理式で表される。
【0082】 mji=(ai≡sji)∨ci …(6) マスクワードCによってマスクされた要素以外の全ての
要素において、j番目のストアワードSjと探索ワード
Aとが一致するときを1(真)とする論理関数mjは、
各要素に対するマスク付比較処理mjiの論理積となり、
【数1】 と表される。
【0083】CAMに与えるべきマスク付き比較処理機
能は上記式(7)の論理演算を実行できればよく、個々
のCAMセルにおいては上記式(6)の論理演算を実行
できればよい。
【0084】式(1)により論理一致(ai≡sji)=
(ai∧sji)∨(ai_∧sji_)であるから、式
(6)は mji=((ai∧ci_)∧sji_)∨((ai_∧ci_)∧sji) …(8) と変形できる。
【0085】ここで、bi(1)=ai∧ci_、b
i(0)=ai_∧ci_という論理変数を新たに導入す
ると、式(8)は mji=(bi(1)∧sji_)∨(bi(0)∧sji) …(9) と表すことができる。
【0086】従来例と同様に、マスク処理をCAMセル
外部で行い、CAMセルには論理変数bi(1)とb
i(0)に対応するデータを供給することにすれば、C
AMセルは式(9)の論理処理を実行できればよいこと
になる。
【0087】マッチ線MLjの論理値mjをワイアドOR
論理で得ることにすれば、式(7)は
【数2】 と表される。
【0088】以上がCAMにおいて実現しようとしてい
るマスク付き比較処理の論理演算処理である。
【0089】さて、第1の従来例であるSRAMベース
CAMの場合には、フリップフロップ202を用いて1
ビットのデータを記憶し、記憶ノード203と記憶ノー
ド204からそれぞれ論理値sjiとsji_を取り出して
いる。すなわち、1ビットのデータ記憶と、論理値sji
およびsji_の生成のために、トランジスタを4個使用
している。更に、式(9)を実現するためにトランジス
タT7とトランジスタT8を使用し、トランジスタT9
によって式(10)を実現している。
【0090】この場合、回路動作上の問題はない。しか
し、SRAMセル201の面積はDRAMなどに比べて
大きいため、CAMセル200の面積は相当大きくな
る。このため、実用的な記憶容量を達成できないという
問題がある。
【0091】第2の従来例であるPLAベースCAM
は、上記第1の従来例の問題点を解決して、大記憶容量
を達成しようとしている。
【0092】すなわち、このPLAベースCAMでは、
上記第1の従来例の如く論理値sjiおよびsji_を一旦
生成することはせず、式(9)が 論理値sji=0ならばmji=bi(1)∧sji_ 論理値sji=1ならばmji=bi(0)∧sji …(11) となることを利用して、トランジスタ301の接続関係
だけで論理値sjiおよびsji_を記憶し、式(9)およ
び式(10)を同時に実現している。これにより、セル
面積を低減して大記憶容量を達成している。
【0093】しかしながら、PLAベースCAMは一致
検索処理のみに着目したものであり、既に述べたように
記憶データの書き換え動作ができないという問題があ
る。
【0094】また、PLAベースCAMでは、次に述べ
る理由により、アドレス指定読み出し動作もできない。
【0095】すなわち、図8に示したPLAベースCA
Mにおいてアドレス指定読み出しを行おうとする場合、
接地線303を読み出し線、マッチ線304をワード線
としてそれぞれ利用する。これは、各CAMセル300
において、ビット線対302はトランジスタ301のゲ
ート電極に接続されているか、もしくは何も接続されて
いないので、データの読み出し線としては使えないから
である。まず、全てのビット線対302を電位Lにし
て、全ての接地線303を電位Hに充電する。今、j番
目のワードの記憶データを読み出したいとすると、マッ
チ線304のうち、j番目のマッチ線MLだけを電位
Lにし、残りのマッチ線304は全て電位Hにする。こ
こで、全てのビット線対302のBL(1)だけを電位
Hにすると、論理値0を記憶しているCAMセル300
(トランジスタ301のゲート電極がビット線BL
(1)に接続されているセル)においては接地線303
とマッチ線304とが導通し、接地線303の電荷が引
き抜かれて電位が低下する。これにより、読み出しが正
常に実行できるかのように見える。
【0096】しかしながら、図10に示すように、読み
出すべきCAMセル300aが論理値0を記憶し、これ
と同じ接地線313に接続されたCAMセル300bが
論理値0を記憶している場合、重大な不具合が生じるこ
とが分かる。つまり、上に述べた読み出し動作では、マ
ッチ線304b、接地線313、ビット線315の電位
が全てHに設定されるから、CAMセル300bのトラ
ンジスタ301bのゲート電極は0バイアスとなり、ト
ランジスタ301bはオフ状態になる。一方、読み出す
べきワードのマッチ線304aは電位Lに設定されるの
で、CAMセル300aのトランジスタ301aのゲー
ト電極には、ビット線315の電位Hとマッチ線304
aの電位Lとの差(H−L)が印加される。この差(H
−L)がしきい値電圧VTN(V)より高ければトランジ
スタ304aはオン状態となる。この結果、接地線31
3の電荷はマッチ線304aに引き抜かれて、接地線3
13の電位は低下する。接地線313の電位がH’まで
低下したとすると、トランジスタ301bのゲート電極
には、ビット線315の電位Hと接地線313の電位
H’との差(H−H’)が印加される。この値(H−
H’)がしきい値電圧VTN(V)より大きくなれば、ト
ランジスタ301bはオン状態になって、マッチ線30
4bからマッチ線304aへ電流が流れる。これは致命
的な欠陥であり、PLAベースCAMではアドレス指定
読み出し動作を正常に行うことができない。
【0097】このようにPLAベースCAMでは、デー
タの書き換え動作、アドレス指定読み出し動作を実行で
きないという問題がある。
【0098】第3の従来例であるEEPROMベースC
AMは、上記第1の従来例と第2の従来例の問題点を解
決し、大記憶容量を実現するとともに、記憶データの書
き換えおよびアドレス指定読み出しも実行できるCAM
を提供しようとしている。
【0099】すなわち、このEEPROMベースCAM
では、第2の従来例と同じく論理関数mjiとしての式
(11)を利用する。ただし、 論理値sji=0ならばbi(0)∧sji=0 論理値sji_=0ならばbi(1)∧sji_=0 …(12) の部分が、第2の従来例では接続トランジスタ301が
存在しないことによって実現されていたのに対し、この
EEPROMベースCAMでは、図11に示したよう
に、記憶トランジスタ413をエンハンスメント型トラ
ンジスタにすることによって実現している。さらに記憶
トランジスタ413をデプレッション型トランジスタに
することによって式(11)を実現している。これによ
り、第1の従来例であるSRAMベースCAMに比べて
はるかに大きな記憶容量を実現している。
【0100】また、この記憶トランジスタ413をMO
NOSトランジスタにすることによって記憶データの書
き換えを可能としている。さらに、データ線421とデ
ータ422はそれぞれ、不揮発性メモリセル400aと
不揮発性メモリセル400bの記憶トランジスタ413
のソース電極に接続されており、選択トランジスタ41
4を選択することによってアドレス指定読み出しも可能
である。
【0101】しかしながら、このEEPROMベースC
AMでは、内容番地付け読み出し動作に致命的な不具合
がある。すなわち、図11の例で、CAMセル400の
記憶データと入力データとが一致していても、不一致の
CAMセル401によってマッチ線431の電位が下が
ると、CAMセル400の選択トランジスタ414が導
通状態となる。このため、一致CAMセル400を通し
てデータ線422からCAMセル401のデータ線42
1へ電流パスが生じてしまうという問題がある。
【0102】前述の特開平5−74176号公報には、
これを回避するために、一致検索を有効にするためのワ
ード線430の電位を低くするか、選択トランジスタ4
14のしきい値電圧を通常のnMOSトランジスタに比
べて極めて高い値に設定するという手段を提案してい
る。
【0103】しかし、一致検索時のワード線430の電
位を低くすると、CAMとしての動作速度が低下すると
いう新たな問題が生じる。
【0104】また、選択トランジスタ414のしきい値
電圧を極めて高い値に設定しようとすれば、そのために
工程を追加しなければならず、LSIチップ全体の製造
工程が長くなってコストアップを招くという問題が生じ
る。LSIチップとしてEEPROMベースCAMを作
製する場合、CAMセルアレイ外部に探索レジスタやア
ドレスデコーダ等の周辺回路を多数、同時に作り込むわ
けであるが、これらの周辺回路はそのような高いしきい
値電圧のトランジスタでは構成できず、結局、同一チッ
プ上にしきい値電圧の異なる2種類のnMOSトランジ
スタを作製しなければならないからである。
【0105】なお、このEEPROMベースCAMにお
いて、内容番地付け読み出し時に、一致CAMセル40
0を通して電流パスが生じるという問題は、不揮発性メ
モリセル400aや400bが導通/遮断を決定してい
るデータ線421,422とマッチ線431との全て
が、入力データと記憶データの論理値によって変化して
しまうために、選択トランジスタ414のソース電位が
変動してしまうことが根本的原因である。したがって、
上記提案された解決手段は根本的な解決手段ではないと
考えられる。
【0106】そこで、この発明の目的は、記憶容量が大
きく、アドレス指定読み出しおよび内容番地付け読み出
しの動作を円滑に実行でき、かつ低コストで作製できる
半導体集積化メモリを提供することにある。
【0107】また、併せて記憶データの書き換え動作を
実行できる半導体集積化メモリを提供することにある。
【0108】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の半導体集積化メモリは、半導体基
板上に行列状に複数配されたメモリセルを備え、上記各
メモリセルは、エンハンスメント型に設定された選択ト
ランジスタと、エンハンスメント型またはデプレッショ
ン型のうちいずれか一方の型に設定された第1の記憶ト
ランジスタと、エンハンスメント型またはデプレッショ
ン型のうち他方の型に設定された第2の記憶トランジス
タとを有し、かつ上記3つのトランジスタは直列に接続
されており、行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記選択ト
ランジスタのゲート電極に接続された行方向に延びるワ
ード線と、列方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3つのト
ランジスタの組の一端にそれぞれ接続された列方向に延
びるビット線と、行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3
つのトランジスタの組の他端にそれぞれ接続された行方
向に延びるマッチ線と、列方向に並ぶ各メモリセルの上
記第1の記憶トランジスタのゲート電極にそれぞれ接続
された列方向に延びる第1のデータ線と、列方向に並ぶ
各メモリセルの上記第2の記憶トランジスタのゲート電
極にそれぞれ接続された列方向に延びる第2のデータ線
とを備えたことを特徴としている。
【0109】また、請求項2に記載の半導体集積化メモ
リは、請求項1に記載の半導体集積化メモリにおいて、
上記第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジ
スタは、上記基板とゲート電極との間に浮遊ゲートを有
し、この浮遊ゲートに蓄積される電荷量に応じてエンハ
ンスメント型またはデプレッション型に設定されるよう
になっていることを特徴としている。
【0110】また、請求項3に記載の半導体集積化メモ
リは、半導体基板上に行列状に複数配されたメモリセル
を備え、上記各メモリセルは、エンハンスメント型に設
定された選択トランジスタと、この選択トランジスタに
直列に接続されるとともに、上記基板とゲート電極との
間に浮遊ゲートを有し、この浮遊ゲートに蓄積される電
荷量に応じて上記選択トランジスタのしきい値と実質的
に同一または高いしきい値のいずれか一方のしきい値に
設定された第1の記憶トランジスタと、この第1の記憶
トランジスタに並列に接続されるとともに、上記基板と
ゲート電極との間に浮遊ゲートを有し、この浮遊ゲート
に蓄積される電荷量に応じて上記実質的に同一または高
いしきい値の他方のしきい値に設定された第2の記憶ト
ランジスタとを有し、行方向に並ぶ各メモリセル毎に上
記選択トランジスタのゲート電極に接続された行方向に
延びるワード線と、列方向に並ぶ各メモリセル毎に上記
3つのトランジスタの組の一端にそれぞれ接続された列
方向に延びるビット線と、行方向に並ぶ各メモリセル毎
に上記3つのトランジスタの組の他端にそれぞれ接続さ
れた行方向に延びるマッチ線と、列方向に並ぶ各メモリ
セルの上記第1の記憶トランジスタのゲート電極にそれ
ぞれ接続された列方向に延びる第1のデータ線と、列方
向に並ぶ各メモリセルの上記第2の記憶トランジスタの
ゲート電極にそれぞれ接続された列方向に延びる第2の
データ線とを備えたことを特徴としている。
【0111】なお、記憶トランジスタのしきい値が選択
トランジスタのしきい値実質的に同一に設定されている
とは、両者に同じバイアス条件が与えられたとき、とも
にオン状態またはオフ状態になるという意味である。ま
た、記憶トランジスタのしきい値が、選択トランジスタ
のしきい値よりも高いしきい値に設定されているとは、
後述する読み出し動作時に与えられるバイアス条件で
は、上記記憶トランジスタがオン状態になることはな
く、オフ状態を維持するという意味である。
【0112】
【作用】請求項1の半導体集積化メモリは、次のように
動作する。
【0113】まず、内容番地付け読み出しの動作につ
いて説明する。
【0114】各メモリセルにおいて、第1のデータ線に
電位L、第2のデータ線に電位Hを与えた場合の入力デ
ータの論理値を0、第1のデータ線に電位H、第2のデ
ータ線に電位Lを与えだ場合の入力データの論理値を1
と定義する。また、メモリセルをマスクする場合は、論
理値M(マスク)を入力、すなわち第1のデータ線,第
2のデータ線にいずれも電位Lを印加するものとする。
全てのビット線は電位Lに固定される。全てのマッチ線
は電位Hまで予備充電される。また、全てのワード線は
最初、電位Lに設定される。全てのデータ線対にそれぞ
れ入力データに対応した電位を与えた後、全てのワード
線の電位をHにする。これにより、全ての選択トランジ
スタをオン状態とする。
【0115】マスクされたメモリセルでは、記憶してい
る論理値が1または0のいずれであっても、第1のデー
タ線および第2のデータ線に電位Lが印加されるので、
第1の記憶トランジスタまたは第2の記憶トランジスタ
のうちエンハンスメントタイプに設定された一方の記憶
トランジスタが必ずオフ状態となる。したがって、マッ
チ線の電位は保持され、比較処理は行われない。また、
記憶している論理値と入力データの論理値とが一致した
メモリセル(以下「一致CAMセル」という。)では、
エンハンスメントタイプに設定された一方の記憶トラン
ジスタが必ずオフ状態となる。したがって、マッチ線の
電位はHに保持される。これに対して、記憶している論
理値と入力データの論理値とが不一致であったメモリセ
ル(以下「不一致CAMセル」という。)では、第1の
記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジスタとの両
方がオン状態となる。この結果、マッチ線の電位はLに
引き下げられる。したがって、マッチ線の電位を観測す
ることによって、メモリセルが記憶している論理値と入
力データの論理値とが一致しているか否かが判定され
る。
【0116】しかも、各メモリセルにおいて上記3つの
トランジスタが直列に接続されているので、図11に示
した第3の従来例と異なり、内容番地付け読み出し時に
メモリセルにおいて選択トランジスタが選択的にオンし
なければならないという問題は生じない。すなわち、不
一致CAMセルでマッチ線の電位が下がったとしても、
一致CAMセルでは、エンハンスメントタイプに設定さ
れた一方の記憶トランジスタが、他方の記憶トランジス
タと選択トランジスタの状態には関係なく、常にオフ状
態にあるので、一致CAMセルを通して無用な電流パス
が生じることは無い。なお、この内容番地付け読み出し
時にはビット線は常に電位Lに設定されているので、選
択トランジスタのソース電極側(ビット線側)の電位は
安定している。
【0117】次に、アドレス指定読み出しの動作につ
いて説明する。
【0118】アドレス指定読み出しの際には、全てのマ
ッチ線は接地電位に固定される。第1のデータ線を全て
電位H、第2のデータ線を全て電位Lに設定する。ま
た、全てのワード線を最初、電位Lに設定する。全ての
ビット線を電位Hまで予備充電した後、読み出すべきワ
ードに属するワード線のみを電位Hに引き上げる。その
ワード線に制御される選択トランジスタはすべてオン状
態となる。
【0119】論理値0を記憶しているメモリセルでは、
第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジスタ
がいずれもオン状態となる。この結果、ビット線に予備
充電された電荷はそのセルを通してマッチ線へ引き抜か
れ、ビット線の電位は接地電位に低下する。一方、論理
値1を記憶しているメモリセルでは、エンハンスメント
タイプに設定された一方の記憶トランジスタが必ずオフ
状態となる。したがって、ビット線に予備充電された電
荷はマッチ線へ引き抜かれることはなく、ビット線は初
期の電位Hを保持する。このようにして、指定されたワ
ードの記憶データが読み出される。
【0120】しかも、この半導体集積化メモリでは、第
2の従来例と異なり、アドレス指定読み出し時に、非選
択のワードに属するメモリセルが無用な電流パスを生じ
させるようなことが無い。すなわち、読み出し動作中、
非選択のワード線は接地電位に保たれるから、非選択の
ワードに属するメモリセルの選択トランジスタは常にオ
フ状態となる。したがって、そのメモリセルが論理値0
または1にいずれを記憶していたとしても、ビット線と
マッチ線との間を導通させることはなく、無用な電流パ
スを生じさせるようなことが無い。
【0121】この半導体集積化メモリでは、各メモリセ
ルを高々3個のトランジスタで構成し得るので、従来に
比して、メモリセル当たりの占有面積が低減される。し
たがって、集積度を高めて、記憶容量を増大させること
が可能となる。
【0122】また、エンハンスメントタイプに設定され
る一方の記憶トランジスタのしきい値は、選択トランジ
スタのしきい値と同一に設定され得るので、メモリセル
を構成するために特別に工程を追加する必要はない。し
たがって、この半導体集積化メモリは低コストで作製さ
れる。
【0123】請求項2の半導体集積化メモリでは、上記
第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジスタ
は、上記基板とゲート電極との間に浮遊ゲートを有し、
この浮遊ゲートに蓄積される電荷量に応じてエンハンス
メント型またはデプレッション型に設定されるようにな
っているので、次に述べるように、さらに記憶データの
書き換え動作が可能となる。
【0124】このCAMのデータ書き換え動作は、一旦
記憶データの消去を行ったのちに入力データの書き込み
を行うことによって達成される。
【0125】まず、消去動作時には、第1の記憶トラン
ジスタと第2の記憶トランジスタとの両方のゲート電極
に第1のデータ線,第2のデータ線を通して負のプログ
ラム電位VP(例えば|VP|=6.0(V))を与える
一方、消去すべきワードに属するマッチ線を通して基板
に正の電位、たとえば電源電位VDD(V)を与える。第
1の記憶トランジスタ,第2の記憶トランジスタのゲー
ト電極と基板との間に大きな負の電圧が印加される結
果、第1の記憶トランジスタ,第2の記憶トランジスタ
は全てデプレッション型トランジスタになる(消去状
態)。
【0126】書き込み時には、各メモリセルにおいて、
第1の記憶トランジスタ,第2の記憶トランジスタのう
ちエンハンスメント型に設定すべき一方の記憶トランジ
スタのゲート電極に第1のデータ線または第2のデータ
線を通して正の電位、たとえば電源電位VDD(V)を与
えるとともに、マッチ線を通して基板に負のプログラム
電位VP(V)を与える。なお、第1の記憶トランジス
タ,第2の記憶トランジスタのうちデプレッション型に
設定すべき他方の記憶トランジスタのゲート電極には、
上記負のプログラム電位VP(V)を与える。エンハン
スメント型に設定すべき一方の記憶トランジスタのゲー
ト電極と、基板およびマッチ線との間には大きな正の電
圧が印加される。この結果、上記一方の記憶トランジス
タの浮遊ゲートに対して基板側から電子が供給され、上
記一方の記憶トランジスタはエンハンスメント型トラン
ジスタになる。第1の記憶トランジスタ,第2の記憶ト
ランジスタのうち他方の記憶トランジスタは、デプレッ
ション型のまま残される。このようにして記憶データの
書き換えが実行される。
【0127】また、この半導体集積化メモリを作製する
場合、一般的なEEPROMを作製する場合に比して、
メモリセルを構成するために特別に工程を追加する必要
はない。したがって、この半導体集積化メモリは低コス
トで作製される。
【0128】請求項3の半導体集積化メモリは、次のよ
うに動作する。
【0129】まず、記憶データの書き換え動作につい
て説明する。
【0130】この半導体集積化メモリのデータ書き換え
動作は、一旦記憶データの消去を行ったのちに入力デー
タの書き込みを行うことによって達成される。
【0131】まず、消去動作時には、第1の記憶トラン
ジスタ,第2の記憶トランジスタの両方のゲート電極に
第1のデータ線,第2のデータ線を通して接地電位V
GND(V)を与える一方、消去すべきワードに属するマ
ッチ線を通して基板に正のプログラム電位VP1(例えば
P1=12.0(V))を与える。第1の記憶トランジ
スタ,第2の記憶トランジスタのゲート電極と基板との
間に負の電圧が印加される結果、第1の記憶トランジス
タ,第2の記憶トランジスタは、全て選択トランジスタ
と同一のしきい値に設定される(消去状態)。
【0132】書き込み時には、各メモリセルにおいて、
第1の記憶トランジスタ,第2の記憶トランジスタのう
ち高いしきい値に設定すべき一方の記憶トランジスタの
ゲート電極に第1のデータ線または第2のデータ線を通
して正のプログラム電位VP1(V)を与えるとともに、
マッチ線を通して基板に接地電位VGND(V)を与え
る。なお、第1の記憶トランジスタ,第2の記憶トラン
ジスタのうち選択トランジスタと同一のしきい値に設定
すべき他方の記憶トランジスタのゲート電極には、接地
電位VGND(V)を与える。また、ビット線には、例え
ば電位VP2=6.0(V)を与える。上記高いしきい値
に設定すべき一方の記憶トランジスタのゲート電極と、
基板およびマッチ線との間には大きな正の電圧が印加さ
れる。この結果、上記一方の記憶トランジスタの浮遊ゲ
ートに対して基板側から電子が供給され、上記一方の記
憶トランジスタは高いしきい値に設定される。第1の記
憶トランジスタ,第2の記憶トランジスタのうち他方の
記憶トランジスタは、選択トランジスタと同一のしきい
値のまま残される。
【0133】次に、内容番地付け読み出し、アドレ
ス指定読み出しの動作を説明する。,で、入力デー
タの論理値の定義は請求項1の場合と同様とする。ま
た、第1,第2のデータ線、ビット線、マッチ線および
ワード線に与える電位も請求項1の場合と同様とする。
【0134】内容番地付け読み出し動作では、ワード
線に与えられた電位に応じて選択トランジスタはオン状
態にある。
【0135】マスクされたメモリセルでは、記憶してい
る論理値が1または0のいずれであっても、第1のデー
タ線および第2のデータ線に電位Lが印加されるので、
第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジスタ
の両方が必ずオフ状態となる。したがって、マッチ線の
電位は保持され、比較処理は行われない。また、一致C
AMセルでは、第1の記憶トランジスタおよび第2の記
憶トランジスタの両方が必ずオフ状態となる。したがっ
て、マッチ線の電位はHに保持される。これに対して、
不一致CAMセルでは、第1の記憶トランジスタおよび
第2の記憶トランジスタのうち選択トランジスタと同一
のしきい値に設定された一方の記憶トランジスタがオン
状態となる。この結果、マッチ線の電位はLに引き下げ
られる。したがって、マッチ線の電位を観測することに
よって、メモリセルが記憶している論理値と入力データ
の論理値とが一致しているか否かが判定される。
【0136】しかも、請求項1と同様に、各メモリセル
において上記3つのトランジスタが直列に接続されてい
るので、図11に示した第3の従来例と異なり、内容番
地付け読み出し時にメモリセルにおいて選択トランジス
タが選択的にオンしなければならないという問題は生じ
ない。すなわち、不一致CAMセルでマッチ線の電位が
下がったとしても、一致CAMセルでは、第1の記憶ト
ランジスタおよび第2の記憶トランジスタの両方が常に
オフ状態にあるので、一致CAMセルを通して無用な電
流パスが生じることは無い。なお、この内容番地付け読
み出し時にはビット線は常に電位Lに設定されているの
で、選択トランジスタのソース電極側(ビット線側)の
電位は安定している。
【0137】次に、アドレス指定読み出しの動作につ
いて説明する。読み出すべきワード線に制御される選択
トランジスタはすべてオン状態となっている。
【0138】論理値0を記憶しているメモリセルでは、
第1の記憶トランジスタまたは第2の記憶トランジスタ
のうち選択トランジスタと同一のしきい値に設定された
一方の記憶トランジスタがオン状態となる。この結果、
ビット線に予備充電された電荷はそのセルを通してマッ
チ線へ引き抜かれ、ビット線の電位は接地電位に低下す
る。一方、論理値1を記憶しているメモリセルでは、両
方の記憶トランジスタた一方の記憶トランジスタが必ず
オフ状態となる。したがって、ビット線に予備充電され
た電荷はマッチ線へ引き抜かれることはなく、ビット線
は初期の電位Hを保持する。このようにして、指定され
たワードの記憶データが読み出される。
【0139】しかも、この半導体集積化メモリでは、第
2の従来例と異なり、アドレス指定読み出し時に、非選
択のワードに属するメモリセルが無用な電流パスを生じ
させるようなことが無い。すなわち、読み出し動作中、
非選択のワード線は接地電位に保たれるから、非選択の
ワードに属するメモリセルの選択トランジスタは常にオ
フ状態となる。したがって、そのメモリセルが論理値0
または1にいずれを記憶していたとしても、ビット線と
マッチ線との間を導通させることはなく、無用な電流パ
スを生じさせるようなことが無い。
【0140】この半導体集積化メモリでは、各メモリセ
ルを高々3個のトランジスタで構成し得るので、従来に
比して、メモリセル当たりの占有面積が低減される。し
たがって、集積度を高めて、記憶容量を増大させること
が可能となる。
【0141】また、この半導体集積化メモリを作製する
場合、一般的なEEPROMを作製する場合に比して、
メモリセルを構成するために特別に工程を追加する必要
はない。したがって、この半導体集積化メモリは低コス
トで作製される。
【0142】
【実施例】以下、この発明の半導体集積化メモリを実施
例により詳細に説明する。
【0143】図1は本発明の第1実施例のCAMの要部
を示している。なお、CAMの全体は図4に示したもの
と同様に構成されている。
【0144】このCAMは、CAMセルアレイ内に、行
列状に配された複数のメモリセルとしてのCAMセル1
00,100,…を備えている。図1は、j番目のワー
ドについて、3ビット分の(i−1)番目,i番目,
(i+1)番目のCAMセルCj(i-1),Cji,Cj(i+1)
を示している。CAMセルCj(i-1)は、図において左端
から第1の記憶トランジスタ111と、選択トランジス
タ112と、第2の記憶トランジスタ113とを順に直
列接続して構成されている。CAMセルCjiは、CAM
セルCj(i-1)と図において左右対称に構成され、C
j(i+1)はCj(i-1)と同じ向きに構成されている。このよ
うに、左右対称に構成されたCAMセルが行方向に交互
に配置されている。
【0145】このCAMセルアレイでは、各CAMセル
100の記憶トランジスタ111,113のゲート電極
に、それぞれ列方向に延びる第1のデータ線121,第
2のデータ線122が接続されている。同一行に属する
選択トランジスタ112のゲート電極は、行方向に延び
る同一のワード線130に接続されている。各CAMセ
ル100の記憶トランジスタ111側の一端に列方向に
延びるビット線120が接続され、各CAMセル100
の記憶トランジスタ113側の他端に行方向に延びるマ
ッチ線131が接続されている。
【0146】各CAMセル100において、3つのトラ
ンジスタ111,112,113はいずれもnMOSト
ランジスタである。選択トランジスタ112はエンハン
スメントタイプに設定される。記憶トランジスタ111
はエンハンスメントタイプまたはデプレッションタイプ
のうちいずれか一方の型に設定され、記憶トランジスタ
113はエンハンスメントタイプまたはデプレッション
タイプのうち他方の型に設定される。このトランジスタ
のタイプの設定の仕方がデータ値に対応する。すなわ
ち、記憶トランジスタ111がデプレッションタイプ、
記憶トランジスタ113がエンハンスメントタイプであ
るとき、そのCAMセルが記憶しているデータの論理値
は1に対応する。逆に、記憶トランジスタ111がエン
ハンスメントタイプ、記憶トランジスタ113がデプレ
ッションタイプであるとき、そのCAMセルが記憶して
いるデータの論理値は0に対応する。
【0147】この例では、CAMセルCj(i-1)は、記憶
トランジスタ111がデプレッションタイプ、記憶トラ
ンジスタ113がエンハンスメントタイプに設定されて
おり、これにより論理値1を記憶している。CAMセル
jiは、記憶トランジスタ111がエンハンスメントタ
イプ、記憶トランジスタ113がデプレッションタイプ
に設定されており、これにより論理0を記憶している。
CAMセルCj(i+1)は、CAMセルCjiと同様に、記憶
トランジスタ111がエンハンスメントタイプ、記憶ト
ランジスタ113がデプレッションタイプに設定されて
おり、これにより論理0を記憶している。
【0148】記憶トランジスタ111,113をエンハ
ンスメントタイプまたはデプレッションタイプのいずれ
に設定するかは、いわゆるマスクROMと呼ばれる一般
的なLSI(大規模集積回路)と同様に、製造工程中に
決定される。エンハンスメントタイプに設定される記憶
トランジスタのしきい値は、選択トランジスタ112の
しきい値と同一に設定される。
【0149】各ビット線120は所定の電位を設定する
ための定電圧源に接続され、マッチ線131は電圧検出
型のアンプに接続されている。
【0150】まず、内容番地付け読み出しの動作につ
いて説明する。
【0151】各CAMセル100において、データ線1
21に電位L、データ線122に電位Hを与えた場合の
入力データの論理値を0、データ線121に電位H、デ
ータ線122に電位Lを与えだ場合の入力データの論理
値を1と定義する。また、CAMセル100をマスクす
る場合は、論理値M(マスク)を入力、すなわちデータ
線121,122にいずれも電位Lを印加するものとす
る。なお、読み出しの動作では、データ線121,12
2等の各線に与える電位Hは、通常通りVDD=5.0
(V)に設定する。電位Lは通常通り接地電位VGND
0(V)である。
【0152】理解を助けるために、図1中の「比較/マ
スク」と示された欄に、内容番地付け読み出し時に各部
に与えられる電位状態の例が記入されている。全てのビ
ット線120は電位Lに固定される。全てのマッチ線1
31は電位Hまで予備充電(プリチャージ。図中「P.
C.」と表す。)される。また、全てのワード線130
は最初、電位Lに設定される。全てのデータ線対121
と122にそれぞれ入力データに対応した電位を与えた
後、全てのワード線130の電位をHにする。
【0153】今、入力データとして、CAMセルC
j(i-1)(記憶論理値1)とCAMセルCji(記憶論理値0)
には論理値0が入力され、CAMセルCj(i+1)(記憶論
理値0)には論理値M(マスク)が入力されるものとす
る。すなわち、CAMセルCj(i-1)(記憶論理値1)では
記憶データと入力データとが不一致、CAMセルC
ji(記憶論理値0)では記憶データと入力データとが一
致、CAMセルCj(i+1)(記憶論理値0)はマスクされる
場合を想定する。
【0154】(i)マスクされたCAMセルCj(i+1)(記憶
論理値0)において、論理値Mの入力により、データ線
DLi+1(1)とデータ線DLi+1(0)はいずれも電位Lに
ある。また、ビット線BLi+1は接地電位VGND(V)にあ
る。この結果、このセルでエンハンスメントタイプに設
定された記憶トランジスタ111のゲート電極には(L
−VGND)(V)の電圧が与えられる。電位LはVGND(V)
であるから、この記憶トランジスタ111はオフ状態と
なる。したがって、このCAMセルCj(i+1)は、記憶ト
ランジスタ113,選択トランジスタ112の状態には
関係なく、j行目のマッチ線MLjとビット線BLi+1
の間を電気的に遮断する。この結果、このCAMセルC
j(i+1)はマッチ線MLjの電位を保持することになり、
比較処理を実行しない。
【0155】なお、このCAMセルCj(i+1)の記憶論理
値が1である場合は、エンハンスメントタイプに設定さ
れた記憶トランジスタ113がオフ状態となる。したが
って、このCAMセルCj(i+1)は、記憶トランジスタ1
13,選択トランジスタ112の状態には関係なく、j
行目のマッチ線MLとビット線BLi+1との間を電気
的に遮断する。この結果、このCAMセルCj(i+1)はマ
ッチ線MLの電位を保持することになり、比較処理を
実行しない。
【0156】(ii)CAMセルCji(記憶論理値0)では、
入力データが論理値0であるから、データ線DLi(1)
には電位Lが、データ線DLi(0)には電位Hが与えら
れる。このセルでエンハンスメントタイプに設定された
記憶トランジスタ111のゲート電極にはデータ線DL
i(1)の電位Lが与えられる。この記憶トランジスタ1
11のソース電極側のビット線120は接地電位V
GND(V)にある。この結果、この記憶トランジスタ11
1はオフ状態となる。したがって、記憶データと入力デ
ータと一致しているCAMセルCjiでは、記憶トランジ
スタ113と選択トランジスタ112の状態には関係な
く、マッチ線MLとビット線BLiが電気的に遮断さ
れ、マッチ線MLの電位がHに保持される。
【0157】(iii)CAMセルCj(i-1)(記憶論理値1)
では、入力データが論理値0であるから、データ線DL
i-1(1)には電位Lが、データ線DLi-1(0)には電位H
が与えられる。このセルでデプレッションタイプに設定
された記憶トランジスタ111は、データ線DL
i-1(1)の電位Lとは無関係に常にオン状態にある。こ
のセルの選択トランジスタ112のソース電極側は、オ
ン状態の記憶トランジスタ111を通じてビット線BL
i-1に電気的に接続される。ワード線130が電位Hに
なった時点で、選択トランジスタ112のゲート電極に
は(H−VGND)(V)の電圧が印加され、このセルの選
択トランジスタ112はオン状態となる。このセルの記
憶トランジスタ113のソース電極側はビット線BL
i-1と電気的に接続される。この結果、CAMセルC
j(i-1)の記憶トランジスタ113のゲート・ソース間に
は(H−VGND)(V)の電圧が印加され、記憶トランジ
スタ113もオン状態になる。結局、CAMセルC
j(i-1)では、記憶トランジスタ111と113および選
択トランジスタ112はすべてオン状態となって、マッ
チ線MLとビット線BLi-1を導通させる。したがっ
て、マッチ線MLの充電電荷はビット線BLi-1へ引
き抜かれ、マッチ線MLの電位はLまで引き下げられ
る。
【0158】上記(i),(ii),(iii)の結果をまとめる
と、マスクされたCAMセルでは、記憶している論理値
が1または0のいずれであっても、マッチ線131の電
位を保持し、比較処理を行わない。また、記憶している
論理値と入力データの論理値とが一致したCAMセル
(以下「一致CAMセル」という。)100では、マッ
チ線131の電位はHに保持され、記憶している論理値
と入力データの論理値とが不一致であったCAMセル
(以下「不一致CAMセル」という。)100では、マ
ッチ線131の電位はLに引き下げられる。したがっ
て、マッチ線131の電位を観測することによって、C
AMセルが記憶している論理値と入力データの論理値と
が一致しているか否かを判定することができる。
【0159】論理関数としての式(11),(12)を
実現するという観点からは、記憶トランジスタ111と
記憶トランジスタ113のいずれか一方が論理関数とし
ての式(12)を実現し、もう一方が論理関数としての式
(11)を実現している。例えばCAMセル100の記憶
データの論理値が1だとすれば、記憶トランジスタ11
1が論理関数としての式(12)を実現し、記憶トランジ
スタ113が論理関数としての式(11)を実現してい
る。すると、記憶トランジスタ111はデータ線121
の入力電位に関係なく常に導通状態なので、データ線1
22との入力電位によってマッチ線131とビット線1
20の間の導通/遮断状態を決定することができる。
【0160】しかも、このCAMでは、各CAMセル1
00において記憶トランジスタ対111,113と選択
トランジスタ112が直列に接続されているので、図1
1に示した第3の従来例と異なり、内容番地付け読み出
し時にCAMセルにおいて選択トランジスタ112が選
択的にオンしなければならないという問題は生じない。
例えば、不一致CAMセルCj(i-1)によってマッチ線M
の電位が下がったとしても、一致CAMセルCji
は、エンハンスメントタイプに設定された記憶トランジ
スタ111が、記憶トランジスタ113と選択トランジ
スタ112の状態には関係なく、常にオフ状態にあるの
で、一致CAMセルCjiを通して無用な電流パスが生じ
ることは無い。
【0161】次に、アドレス指定読み出しの動作につ
いて説明する。
【0162】図1中の「読み出し」と示された欄にアド
レス指定読み出し時に各部に与えられる電位状態の例が
記入されている。アドレス指定読み出しの際には、全て
のマッチ線131は接地電位VGND(V)に固定される。
【0163】記憶トランジスタ111を制御するデータ
線121,121,…を全て電位H、記憶トランジスタ
113を制御するデータ線122,122,…を全て電
位Lに設定する。
【0164】また、全てのワード線130を最初、電位
Lに設定する。全てのビット線120を電位Hまで予備
充電(P.C.)した後、読み出すべきワードに属するワ
ード線130のみを電位Hに引き上げる。
【0165】今、図1に示されたj行目のワード線WL
jが選択されて電位Hになったとすると、ワード線WLj
に制御されるj行目の選択トランジスタ112はすべて
オン状態となる。
【0166】論理値0を記憶しているCAMセルCji
j(i+1)では、記憶トランジスタ111は、エンハンス
メントタイプに設定されているが、データ線121が電
位Hに設定されることによってオン状態となっている。
また、記憶トランジスタ113はデプレッションタイプ
に設定されているからオン状態にある。したがって、論
理値0を記憶しているCAMセルCji,Cj(i+1)では、
記憶トランジスタ111,113および選択トランジス
タ112がいずれもオン状態となる。この結果、ビット
線BLi,BLi+1に予備充電された電荷はセルを通して
マッチ線MLへ引き抜かれ、ビット線BLi,BLi+1
の電位はそれぞれ接地電位VGND(V)に低下する。
【0167】一方、論理値1を記憶しているCAMセル
j(i+1)では、記憶トランジスタ111,選択トランジ
スタ112がオン状態となっている。しかし、このセル
の記憶トランジスタ113は、エンハンスメントタイプ
に設定されており、しかもデータ線122に電位Lが印
加されているからオフ状態となっている。したがって、
論理値1を記憶しているCAMセルCj(i+1)では、ビッ
ト線BLi-1に予備充電された電荷はマッチ線ML
引き抜かれることはなく、ビット線BLi-1は初期の電
位Hを保持する。
【0168】このように、論理値0を記憶しているCA
Mセル100につながるビット線120は電位が低下
し、論理値1記憶しているCAMセル100ではビット
線120の電位は予備充電された電位Hに保持される。
したがって、指定されたワードの記憶データを読み出す
ことができる。
【0169】しかも、このCAMでは、第2の従来例と
異なり、アドレス指定読み出し時に、非選択のワードに
属するCAMセルが無用な電流パスを生じさせるような
ことが無い。すなわち、読み出し動作中、非選択のワー
ド線130は接地電位VGND(V)に保たれるから、非選
択のワードに属するCAMセルの選択トランジスタ11
2は常にオフ状態となる。したがって、そのCAMセル
が論理値0または1にいずれを記憶していたとしても、
ビット線120とマッチ線131との間を導通させるこ
とはなく、無用な電流パスを生じさせるようなことが無
い。
【0170】また、各CAMセル100を高々3個のト
ランジスタ111,112,113で構成しているの
で、従来に比して、CAMセル当たりの占有面積を低減
することができる。したがって、集積度を高めることが
でき、記憶容量を増大させることができる。
【0171】また、エンハンスメントタイプに設定され
る記憶トランジスタ111または113のしきい値は、
選択トランジスタ112のしきい値と同一に設定される
ので、CAMセル100を構成するために特別に工程を
追加する必要はない。したがって、このCAMは低コス
トで作製することができる。
【0172】なお、各CAMセル100を構成する3個
のトランジスタ111,112,113は直列に接続さ
れていれば良く、その接続順序を入れ替えても良い。例
えば、各CAMセル100内で、選択トランジスタ11
2を左端または右端に設けても良い。この場合も、上述
の場合と全く同様に動作し、同じ効果を奏することがで
きる。
【0173】図2は、上記CAMを変形した第2実施例
のCAMを示している。
【0174】このCAMは、アレイ内に、行列状に配さ
れた複数のメモリセルとしてのCAMセル100′,1
00′,…を備えている。図1に示したCAMに対し
て、各CAMセル内で、第1の記憶トランジスタ11
1′,第2の記憶トランジスタ113′を、基板とゲー
ト電極との間に浮遊ゲートを持つMONOS構造のトラ
ンジスタとし、第1の記憶トランジスタ111′と選択
トランジスタ112′との位置を入れ替えた点のみが異
なっている。すなわち、CAMセルCj(i-1)は、図にお
いて左端から選択トランジスタ112′と、MONOS
構造を持つ第1の記憶トランジスタ111′と、MNO
NS構造を持つ第2の記憶トランジスタ113′とを順
に直列接続して構成されている。CAMセルCjiは、C
AMセルCj(i-1)と図において左右対称に構成され、C
j(i+1)はCj(i-1)と同じ向きに構成されている。このよ
うに、左右対称に構成されたCAMセルが行方向に交互
に配置されている。その他は図1に示したCAMと同様
に構成されている。
【0175】上記記憶トランジスタ111′,113′
のエンハンスメントタイプまたはデプレッションタイプ
への設定は、次に述べる書き換え動作によって行われ
る。
【0176】このCAMのデータ書き換え動作は、一
旦記憶データの消去を行ったのちに入力データの書き込
みを行うことによって達成される。
【0177】まず、消去動作時には、記憶トランジスタ
111′,113′の両方のゲート電極にデータ線12
1,122を通して負のプログラム電位VP(例えば|
P|=6.0(V))を与える一方、消去すべきワード
に属するマッチ線131を通して基板に正の電位、たと
えば電源電位VDD(V)を与える。記憶トランジスタ1
11′,113′のゲート電極と基板との間に大きな負
の電圧が印加される結果、記憶トランジスタ111′,
113′は全てデプレッションタイプトランジスタにな
る(消去状態)。
【0178】書き込み時には、各CAMセル100′に
おいて、記憶トランジスタ111′,113′のうちエ
ンハンスメントタイプに設定すべき一方の記憶トランジ
スタのゲート電極にデータ線121または122を通し
て正の電位、たとえば電源電位VDD(V)を与えるとと
もに、マッチ線131(例えばマッチ線MLj)を通し
て基板に負のプログラム電位VP(V)を与える。な
お、記憶トランジスタ111′,113′のうちデプレ
ッションタイプに設定すべき他方の記憶トランジスタの
ゲート電極には、上記負のプログラム電位VP(V)を
与える。エンハンスメントタイプに設定すべき一方の記
憶トランジスタのゲート電極と、基板およびマッチ線1
31との間には大きな正の電圧が印加される。この結
果、上記一方の記憶トランジスタの浮遊ゲートに対して
基板側から電子が供給され、上記一方の記憶トランジス
タはエンハンスメントタイプトランジスタになる。記憶
トランジスタ111′,113′のうち他方の記憶トラ
ンジスタは、デプレッションタイプのまま残される。図
2中、−印を付した記憶トランジスタはエンハンスメン
トタイプであることを示し、+印を付した記憶トランジ
スタはデプレッションタイプであることを示している。
【0179】また、内容番地付け読み出し動作および
アドレス指定読み出し動作は、図1に示したCAMと
全く同様の手順で実行することができる。簡単のため、
その説明は省略する。なお、読み出しの動作では、デー
タ線121,122等の各線に与える電位Hは、記憶ト
ランジスタ111′,113′のゲート中のトラップ電
子に影響を及ぼさないように、2.0(V)程度に抑えら
れる。電位Lは通常通り接地電位VGND(V)である。
【0180】図1に示したCAMと全く同様に、このC
AMでは、各CAMセル100′において記憶トランジ
スタ対111′,113′と選択トランジスタ112′
が直列に接続されているので、内容番地付け読み出し時
にCAMセルにおいて選択トランジスタ112′が選択
的にオンしなければならないという問題は生じない。ま
た、同様の理由により、アドレス指定読み出し時に、非
選択のワードに属するCAMセルが無用な電流パスを生
じさせるようなことが無い。
【0181】また、各CAMセル100′を高々3個の
トランジスタ111′,112′,113′で構成して
いるので、従来に比して、CAMセル当たりの占有面積
を低減することができる。したがって、集積度を高める
ことができ、記憶容量を増大させることができる。
【0182】また、このCAMを作製する場合、一般的
なEEPROMを作製する場合に比して、CAMセル1
00′を構成するために特別に工程を追加する必要はな
い。したがって、このCAMは低コストで作製すること
ができる。
【0183】なお、各CAMセル100′を構成する3
個のトランジスタ111′,112′,113′は直列
に接続されていれば良く、その接続順序を入れ替えても
良い。例えば、各CAMセル100′内で、選択トラン
ジスタ112′を左端または右端に設けても良い。この
場合も、上述の場合と全く同様に動作し、同じ効果を奏
することができる。
【0184】図3は本発明の第3実施例のCAMの要部
を示している。
【0185】このCAMは、CAMセルアレイ内に、行
列状に配された複数のメモリセルとしてのCAMセル1
00″,100″,…を備えている。図3は、j番目の
ワードについて、3ビット分の(i−1)番目,i番
目,(i+1)番目のCAMセルCj(i-1),Cji,C
j(i+1)を示している。
【0186】CAMセルCj(i-1)は、選択トランジスタ
としてnMOSトランジスタ112″と、MONOS構
造を持ち並列接続された一対の第1の記憶トランジスタ
111″,第2の記憶トランジスタ113″とを直列に
接続して構成されている。セル内では、図において左端
にnMOSトランジスタ112″が配置され、中央に第
2の記憶トランジスタ113″、右端に記憶トランジス
タ111″が配置されている。CAMセルCjiは、CA
MセルCj(i-1)と図において左右対称に構成され、C
j(i+1)はCj(i-1)と同じ向きに構成されている。このよ
うに、左右対称に構成されたCAMセルが行方向に交互
に配置されている。
【0187】このCAMセルアレイでは、各CAMセル
100″の記憶トランジスタ111″,113″のゲー
ト電極に、それぞれ列方向に延びる第1のデータ線12
1,第2のデータ線122が接続されている。同一行に
属する選択トランジスタ112″のゲート電極は、同一
のワード線130に接続されている。各CAMセル10
0″の記憶トランジスタ111″側の一端に列方向に延
びるビット線120が接続され、各CAMセル100″
の記憶トランジスタ113″側の他端に行方向に延びる
マッチ線131が接続されている。
【0188】各CAMセル100″において、nMOS
トランジスタ112″はエンハンスメントタイプに設定
され、しきい値VTNLを持っている。記憶トランジスタ
対111″,113″は、ゲート絶縁膜界面に電子をト
ラップする量の大小によって、通常のエンハンスメント
タイプnMOSトランジスタ112″と実質的に同一の
しきい値(以下「通常のしきい値」という。)VTNL
たはそれよりも高いしきい値VTNHのいずれかに設定さ
れる。このトランジスタのしきい値の設定の仕方がデー
タ値に対応する。すなわち、記憶トランジスタ111″
が通常のしきい値VTNL、記憶トランジスタ113″が
高いしきい値VTNHであるとき、そのCAMセルが記憶
しているデータの論理値は1に対応する。逆に、記憶ト
ランジスタ111″が高いしきい値VTNH、記憶トラン
ジスタ113″が通常のしきい値VTNLであるとき、そ
のCAMセルが記憶しているデータの論理値は0に対応
する。なお、高いしきい値VTNHを持つ記憶トランジス
タは、後述する読み出し動作時にオン状態になることは
ない。
【0189】この例では、CAMセルCj(i-1)は、記憶
トランジスタ111″が通常のしきい値VTNL、記憶ト
ランジスタ113″が高いしきい値VTNHに設定されて
おり、これにより論理値1を記憶している。CAMセル
jiは、記憶トランジスタ111″が高いしきい値V
TNH、記憶トランジスタ113″が通常のしきい値VTNL
に設定されており、これにより論理0を記憶している。
CAMセルCj(i+1)は、CAMセルCjiと同様に、記憶
トランジスタ111″が高いしきい値VTNH、記憶トラ
ンジスタ113″が通常のしきい値VTNLに設定されて
おり、これにより論理0を記憶している。
【0190】各ビット線120は所定の電位を設定する
ための定電圧源に接続され、マッチ線131は電圧検出
型のアンプに接続されている。
【0191】まず、記憶データの書き換え動作につい
て説明する。
【0192】このCAMのデータ書き換え動作は、一旦
記憶データの消去を行ったのちに入力データの書き込み
を行うことによって達成される。
【0193】まず、消去動作時には、記憶トランジスタ
111″,113″の両方のゲート電極にデータ線12
1,122を通して接地電位VGND(V)を与える一
方、消去すべきワードに属するマッチ線131を通して
基板に正のプログラム電位VP1(例えばVP1=12.0
(V))を与える。記憶トランジスタ111″,11
3″のゲート電極と基板との間に負の電圧が印加される
結果、記憶トランジスタ111″,113″は全て通常
のしきい値VTNLに設定される(消去状態)。
【0194】書き込み時には、各CAMセル100″に
おいて、記憶トランジスタ111″,113″のうち高
いしきい値VTNHに設定すべき一方の記憶トランジスタ
のゲート電極にデータ線121または122を通して正
のプログラム電位VP1(V)を与えるとともに、マッチ
線131(例えばマッチ線MLj)を通して基板に接地
電位VGND(V)を与える。なお、記憶トランジスタ1
11″,113″のうち通常のしきい値VTNLに設定す
べき他方の記憶トランジスタのゲート電極には、接地電
位VGND(V)を与える。また、ビット線120には、
例えば電位VP2=6.0(V)を与える。高いしきい値
TNHに設定すべき一方の記憶トランジスタのゲート電
極と、基板およびマッチ線131との間には大きな正の
電圧が印加される。この結果、上記一方の記憶トランジ
スタの浮遊ゲートに対して基板側から電子が供給され、
上記一方の記憶トランジスタは高いしきい値VTNHに設
定される。記憶トランジスタ111″,113″のうち
他方の記憶トランジスタは、通常のしきい値VTNLのま
ま残される。図3中、L印を付した記憶トランジスタは
通常のしきい値VTNLに設定されていることを示し、H
印を付した記憶トランジスタは高いしきい値VTNLに設
定されてていることを示している。
【0195】次に、内容番地付け読み出しの動作につ
いて説明する。
【0196】各CAMセル100″において、データ線
121に電位L、データ線122に電位Hを与えた場合
の入力データの論理値を0、データ線121に電位H、
データ線122に電位Lを与えだ場合の入力データの論
理値を1と定義する。また、CAMセル100″をマス
クする場合は、論理値M(マスク)を入力、すなわちデ
ータ線121,122にいずれも電位Lを印加するもの
とする。なお、読み出しの動作では、データ線121,
122等の各線に与える電位Hは、記憶トランジスタ1
11″,113″のゲート中のトラップ電子に影響を及
ぼさないように、2.0(V)程度に抑えられる。電位L
は通常通り接地電位VGND(V)である。
【0197】理解を助けるために、図3中の「比較/マ
スク」と示された欄に、内容番地付け読み出し時に各部
に与えられる電位状態の例が記入されている。全てのビ
ット線120は電位Lに固定される。全てのマッチ線1
31は電位Hまで予備充電(プリチャージ。図中「P.
C.」と表す。)される。また、全てのワード線130
は最初、電位Lに設定される。全てのデータ線対121
と122にそれぞれ入力データに対応した電位を与えた
後、全てのワード線130の電位をHにする。
【0198】今、入力データとして、CAMセルC
j(i-1)(記憶論理値1)とCAMセルCji(記憶論理値0)
には論理値0が入力され、CAMセルCj(i+1)(記憶論
理値0)には論理値M(マスク)が入力されるものとす
る。すなわち、CAMセルCj(i-1)(記憶論理値1)では
記憶データと入力データとが不一致、CAMセルC
ji(記憶論理値0)では記憶データと入力データとが一
致、CAMセルCj(i+1)(記憶論理値0)はマスクされる
場合を想定する。
【0199】(i)マスクされたCAMセルCj(i+1)(記憶
論理値0)において、論理値Mの入力により、データ線
DLi+1(1)とデータ線DLi+1(0)はいずれも電位Lに
ある。また、ビット線BLi+1は接地電位VGND(V)にあ
る。この結果、このセルで高いしきい値VTNHに設定さ
れた記憶トランジスタ111″、通常のしきい値VTNL
に設定された記憶トランジスタ113″のゲート電極に
はそれぞれ(L−VGND)(V)の電圧が与えられる。電
位LはVGND(V)であるから、この記憶トランジスタ1
11″,113″はオフ状態となる。したがって、この
CAMセルCj(i+1)は、選択トランジスタ112″の状
態には関係なく、j行目のマッチ線MLとビット線B
i+1との間を電気的に遮断する。この結果、このCA
MセルCj(i+1)はマッチ線MLの電位を保持すること
になり、比較処理を実行しない。
【0200】なお、このCAMセルCj(i+1)の記憶論理
値が1である場合は、通常のしきい値VTNLに設定され
た記憶トランジスタ111″、高いしきい値VTNHに設
定された記憶トランジスタ113″がオフ状態となる。
したがって、記憶論理値が0である場合と同様に、この
CAMセルCj(i+1)はマッチ線MLの電位を保持する
ことになり、比較処理を実行しない。
【0201】(ii)CAMセルCji(記憶論理値0)では、
入力データが論理値0であるから、データ線DLi(1)
には電位Lが、データ線DLi(0)には電位Hが与えら
れる。このセルで通常のしきい値VTNLに設定された記
憶トランジスタ113″のゲート電極にはデータ線DL
i(1)の電位Lが与えられる結果、この記憶トランジス
タ111″はオフ状態となる。また、このセルの記憶ト
ランジスタ111″のゲート電極にはデータ線DL
i(1)の電位Hが与えられるが、この記憶トランジスタ
111″は、高いしきい値VTNHに設定されているの
で、オフ状態となる。したがって、記憶データと入力デ
ータと一致しているCAMセルCjiでは、選択トランジ
スタ112″の状態には関係なく、マッチ線MLとビ
ット線BLiが電気的に遮断され、マッチ線MLの電
位がHに保持される。
【0202】(iii)CAMセルCj(i-1)(記憶論理値1)
では、入力データが論理値0であるから、データ線DL
i-1(1)には電位Lが、データ線DLi-1(0)には電位H
が与えられる。ワード線130が電位Hになった時点
で、選択トランジスタ112″のゲート電極には(H−
GND)(V)の電圧が印加され、このセルの選択トラン
ジスタ112″はオン状態となる。このセルで高いしき
い値VTNHに設定された記憶トランジスタ113″のゲ
ート電極にはデータ線DLi-1(1)の電位Lが与えられ
る結果、オフ状態となる。しかし、このセルで通常のし
きい値VTNLに設定された記憶トランジスタ111″の
ゲート電極にはデータ線DLi-1(0)の電位Hが与えら
れるので、オン状態となる。したがって、マッチ線ML
の充電電荷は記憶トランジスタ111″,選択トラン
ジスタ112″を通してビット線BLi-1へ引き抜か
れ、マッチ線MLの電位はLまで引き下げられる。
【0203】上記(i),(ii),(iii)の結果をまとめる
と、マスクされたCAMセルでは、記憶している論理値
が1または0のいずれであっても、マッチ線131の電
位を保持し、比較処理を行わない。また、一致CAMセ
ル100″では、マッチ線131の電位はHに保持さ
れ、不一致CAMセル100″では、マッチ線131の
電位はLに引き下げられる。したがって、マッチ線13
1の電位を観測することによって、CAMセルが記憶し
ている論理値と入力データの論理値とが一致しているか
否かを判定することができる。
【0204】しかも、このCAMでは、各CAMセル1
00″において並列接続された記憶トランジスタ対11
1″,113″と、選択トランジスタ112″が直列に
接続されており、一致CAMセルでは記憶トランジスタ
対111″,113″が同時にオフ状態となるので、図
11に示した第3の従来例と異なり、内容番地付け読み
出し時にCAMセルにおいて選択トランジスタ112″
が選択的にオンしなければならないという問題は生じな
い。
【0205】次に、アドレス指定読み出しの動作につ
いて説明する。
【0206】図3中の「読み出し」と示された欄にアド
レス指定読み出し時に各部に与えられる電位状態の例が
記入されている。アドレス指定読み出しの際には、全て
のマッチ線131は接地電位VGND(V)に固定される。
【0207】記憶トランジスタ111″を制御するデー
タ線121,121,…を全て電位H、記憶トランジス
タ113″を制御するデータ線122,122,…を全
て電位Lに設定する。
【0208】また、全てのワード線130を最初、電位
Lに設定する。全てのビット線120を電位Hまで予備
充電(P.C.)した後、読み出すべきワードに属するワ
ード線130のみを電位Hに引き上げる。
【0209】今、図1に示されたj行目のワード線WL
jが選択されて電位Hになったとすると、ワード線WLj
に制御されるj行目の選択トランジスタ112″はすべ
てオン状態となる。
【0210】論理値0を記憶しているCAMセルCji
j(i+1)では、高いしきい値VTNHに設定された記憶ト
ランジスタ111″のゲート電極に、データ線121の
電位Lが与えられる。この結果、記憶トランジスタ11
1″はオフ状態となっている。しかし、通常のしきい値
TNLに設定された記憶トランジスタ113″は、ゲー
ト電極にデータ線122の電位Hが与えられる結果、オ
ン状態となる。したがって、ビット線BLi,BLi+1
予備充電された電荷は、選択トランジスタ112″,記
憶トランジスタ113″を通してマッチ線MLへ引き
抜かれる。この結果、ビット線BLi,BLi+1の電位は
それぞれ接地電位VGND(V)に低下する。
【0211】一方、論理値1を記憶しているCAMセル
j(i+1)では、通常のしきい値VTN Lに設定された記憶
トランジスタ111″のゲート電極に、データ線122
の電位Lが与えられる。この結果、記憶トランジスタ1
11″はオフ状態となっている。また、このセルの記憶
トランジスタ113″は、データ線122に電位Hが印
加されるが、高いしきい値VTNHに設定されているの
で、オフ状態となる。したがって、論理値1を記憶して
いるCAMセルCj(i+1)では、ビット線BLi-1に予備
充電された電荷はマッチ線MLへ引き抜かれることは
なく、ビット線BLi-1は初期の電位Hを保持する。
【0212】このように、論理値0を記憶しているCA
Mセル100″につながるビット線120は電位が低下
し、論理値1記憶しているCAMセル100″ではビッ
ト線120の電位は予備充電された電位Hに保持され
る。したがって、指定されたワードの記憶データを読み
出すことができる。
【0213】しかも、このCAMでは、第2の従来例と
異なり、アドレス指定読み出し時に、非選択のワードに
属するCAMセルが無用な電流パスを生じさせるような
ことが無い。すなわち、読み出し動作中、非選択のワー
ド線130は接地電位VGND(V)に保たれるから、非選
択のワードに属するCAMセルの選択トランジスタ11
2″は常にオフ状態となる。したがって、そのCAMセ
ルが論理値0または1にいずれを記憶していたとして
も、ビット線120とマッチ線131との間を導通させ
ることはなく、無用な電流パスを生じさせるようなこと
が無い。
【0214】また、各CAMセル100″を高々3個の
トランジスタ111″,112″,113″で構成して
いるので、従来に比して、CAMセル当たりの占有面積
を低減することができる。したがって、集積度を高める
ことができ、記憶容量を増大させることができる。
【0215】また、このCAMを作製する場合、一般的
なEEPROMを作製する場合に比して、CAMセル1
00″を構成するために特別に工程を追加する必要はな
い。したがって、このCAMは低コストで作製すること
ができる。
【0216】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の半
導体集積化メモリでは、各メモリセルは、エンハンスメ
ント型に設定された選択トランジスタと、エンハンスメ
ント型またはデプレッション型のうちいずれか一方の型
に設定された第1の記憶トランジスタと、エンハンスメ
ント型またはデプレッション型のうち他方の型に設定さ
れた第2の記憶トランジスタとを有し、かつ上記3つの
トランジスタは直列に接続されているので、アドレス指
定読み出しおよび内容番地付け読み出しを円滑に行うこ
とができ、メモリセルを通して無用な電流パスを生じさ
せることが無い。しかも、各メモリセルを高々3個のト
ランジスタで構成し得るので、従来に比して、メモリセ
ル当たりの占有面積を低減できる。したがって、集積度
を高めて、記憶容量を増大させることができる。
【0217】また、エンハンスメントタイプに設定され
る一方の記憶トランジスタのしきい値は、選択トランジ
スタのしきい値と同一に設定され得るので、メモリセル
を構成するために特別に工程を追加する必要はない。し
たがって、この半導体集積化メモリは低コストで作製す
ることができる。
【0218】請求項2の半導体集積化メモリでは、上記
第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジスタ
は、上記基板とゲート電極との間に浮遊ゲートを有し、
この浮遊ゲートに蓄積される電荷量に応じてエンハンス
メント型またはデプレッション型に設定されるようにな
っているので、さらに記憶データの書き換え動作を実行
することができる。
【0219】また、この半導体集積化メモリを作製する
場合、一般的なEEPROMを作製する場合に比して、
メモリセルを構成するために特別に工程を追加する必要
はない。したがって、この半導体集積化メモリは低コス
トで作製することができる。
【0220】また、請求項3に記載の半導体集積化メモ
リでは、各メモリセルは、エンハンスメント型に設定さ
れた選択トランジスタと、この選択トランジスタに直列
に接続されるとともに、上記基板とゲート電極との間に
浮遊ゲートを有し、この浮遊ゲートに蓄積される電荷量
に応じて上記選択トランジスタのしきい値と実質的に同
一または高いしきい値のいずれか一方のしきい値に設定
された第1の記憶トランジスタと、この第1の記憶トラ
ンジスタに並列に接続されるとともに、上記基板とゲー
ト電極との間に浮遊ゲートを有し、この浮遊ゲートに蓄
積される電荷量に応じて上記実質的に同一または高いし
きい値の他方のしきい値に設定された第2の記憶トラン
ジスタとを有しているので、記憶データの書き換え、ア
ドレス指定読み出しおよび内容番地付け読み出しを円滑
に行うことができ、メモリセルを通して無用な電流パス
を生じさせることが無い。 しかも、各メモリセルを高
々3個のトランジスタで構成し得るので、従来に比し
て、メモリセル当たりの占有面積を低減できる。したが
って、集積度を高めて、記憶容量を増大させることがで
きる。
【0221】また、この半導体集積化メモリを作製する
場合、一般的なEEPROMを作製する場合に比して、
メモリセルを構成するために特別に工程を追加する必要
はない。したがって、この半導体集積化メモリは低コス
トで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のCAMの要部を示す図
である。
【図2】 本発明の第2実施例のCAMの要部を示す図
である。
【図3】 本発明の第3実施例のCAMの要部を示す図
である。
【図4】 一般的な完全並列CAMの全体構成を示すブ
ロック図である
【図5】 従来のSRAMベースCAMのCAMアレイ
を示す図である。
【図6】 上記SRAMベースCAMのCAMセルの構
成を示す図である。
【図7】 上記SRAMベースCAMのCAMアレイに
対する入出力回路の構成を示す図である。
【図8】 従来のPLAベースCAMのCAMアレイを
示す図である。
【図9】 上記PLAベースCAMのCAMセルの構成
を示す図である。
【図10】 上記PLAベースCAMの不具合を説明す
る図である。
【図11】 従来のEEPROMベースCAMを示す図
である。
【符号の説明】
100,100′,100″ CAMセル 111,111′,111″ 第1の記憶トランジスタ 112,112′,112″ 選択トランジスタ 113,113′,113″ 第2の記憶トランジスタ 121 第1のデータ線 122 第2のデータ線 130 ワード線 131 マッチ線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に行列状に複数配されたメ
    モリセルを備え、 上記各メモリセルは、エンハンスメント型に設定された
    選択トランジスタと、エンハンスメント型またはデプレ
    ッション型のうちいずれか一方の型に設定された第1の
    記憶トランジスタと、エンハンスメント型またはデプレ
    ッション型のうち他方の型に設定された第2の記憶トラ
    ンジスタとを有し、かつ上記3つのトランジスタは直列
    に接続されており、 行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記選択トランジスタの
    ゲート電極に接続された行方向に延びるワード線と、 列方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3つのトランジスタ
    の組の一端にそれぞれ接続された列方向に延びるビット
    線と、 行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3つのトランジスタ
    の組の他端にそれぞれ接続された行方向に延びるマッチ
    線と、 列方向に並ぶ各メモリセルの上記第1の記憶トランジス
    タのゲート電極にそれぞれ接続された列方向に延びる第
    1のデータ線と、 列方向に並ぶ各メモリセルの上記第2の記憶トランジス
    タのゲート電極にそれぞれ接続された列方向に延びる第
    2のデータ線とを備えたことを特徴とする半導体集積化
    メモリ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体集積化メモリに
    おいて、 上記第1の記憶トランジスタおよび第2の記憶トランジ
    スタは、上記基板とゲート電極との間に浮遊ゲートを有
    し、この浮遊ゲートに蓄積される電荷量に応じてエンハ
    ンスメント型またはデプレッション型に設定されるよう
    になっていることを特徴とする半導体集積化メモリ。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に行列状に複数配されたメ
    モリセルを備え、 上記各メモリセルは、エンハンスメント型に設定された
    選択トランジスタと、この選択トランジスタに直列に接
    続されるとともに、上記基板とゲート電極との間に浮遊
    ゲートを有し、この浮遊ゲートに蓄積される電荷量に応
    じて上記選択トランジスタのしきい値と実質的に同一ま
    たは高いしきい値のいずれか一方のしきい値に設定され
    た第1の記憶トランジスタと、この第1の記憶トランジ
    スタに並列に接続されるとともに、上記基板とゲート電
    極との間に浮遊ゲートを有し、この浮遊ゲートに蓄積さ
    れる電荷量に応じて上記実質的に同一または高いしきい
    値の他方のしきい値に設定された第2の記憶トランジス
    タとを有し、 行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記選択トランジスタの
    ゲート電極に接続された行方向に延びるワード線と、 列方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3つのトランジスタ
    の組の一端にそれぞれ接続された列方向に延びるビット
    線と、 行方向に並ぶ各メモリセル毎に上記3つのトランジスタ
    の組の他端にそれぞれ接続された行方向に延びるマッチ
    線と、 列方向に並ぶ各メモリセルの上記第1の記憶トランジス
    タのゲート電極にそれぞれ接続された列方向に延びる第
    1のデータ線と、 列方向に並ぶ各メモリセルの上記第2の記憶トランジス
    タのゲート電極にそれぞれ接続された列方向に延びる第
    2のデータ線とを備えたことを特徴とする半導体集積化
    メモリ。
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