JPH07281480A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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Publication number
JPH07281480A
JPH07281480A JP6059235A JP5923594A JPH07281480A JP H07281480 A JPH07281480 A JP H07281480A JP 6059235 A JP6059235 A JP 6059235A JP 5923594 A JP5923594 A JP 5923594A JP H07281480 A JPH07281480 A JP H07281480A
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JP
Japan
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polymerizable monomer
nozzle
tank
aqueous medium
droplets
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Application number
JP6059235A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sato
正之 佐藤
Joji Matsumoto
丞士 松本
Teruaki Azumaguchi
照昭 東口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07281480A publication Critical patent/JPH07281480A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性媒体に何らかの添加剤を添加することな
く、重合性モノマーの分散粒径を静電荷像現像用トナー
の用途に適した範囲に調節することができると共に、そ
の後の重合をも円滑に行うことができる、粒度分布がシ
ャープな懸濁重合法による静電荷像現像用トナーの製造
方法を提供する。 【構成】 電圧が印加されたノズルを備えた微粒化槽と
該微粒化槽に連なる連続重合槽とを配置し、該微粒化槽
に高抵抗の水性媒体を供給すると共に、前記ノズルを介
して水性媒体中に着色剤を分散させた重合性モノマーか
ら成る組成物を供給し、重合性モノマー組成物の微細液
滴の分散液を生成させ、前記分散液を懸濁安定剤と共に
連続重合槽に供給して微細液滴を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電荷像現像用トナーの
製造方法に関し、より詳細には静電微粒化法及び連続懸
濁重合法を利用した粒度分布がシャープな懸濁重合法に
よる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の分野では、静電荷像の現像に
乾式トナーが広く使用されている。この乾式トナーの内
二成分系のものでは、これを磁性キャリヤと混合し、二
成分系現像剤として使用され、複写物の作成に際して
は、磁石を備えた現像スリーブ上に二成分系現像剤の磁
気ブラシを形成させ、この磁気ブラシを静電像を有する
感光体と摺擦させてトナー像を形成し、このトナー像を
複写紙上に転写させた後、熱ローラ等によりトナー像を
複写紙上に熱定着させる。また、一成分系のものでは、
トナー中に磁性粉を含有しており、単独で上記と同様な
磁気ブラシ現像に用いる。
【0003】これらの静電荷像現像用トナーは、定着用
樹脂に着色剤及び/または磁性粉、電荷制御剤及び必要
により離型剤を配合し、この組成物を溶融混練し、粉砕
し且つ分級することにより製造されるが、分級操作に多
大の設備と手数とを必要とし、また歩留りが低い等の問
題がある。
【0004】定着用樹脂の重合工程で直接トナー粒子を
製造することも既に知られており、従来法によれば、ラ
ジカル重合開始剤、ビニル系単量体及び着色剤を少なく
とも含有するトナー形成用モノマー組成物を水性媒体中
に懸濁させ、重合を行わせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法によれば、重
合により形成される粒子は、トナーに適した粒子サイズ
に調節されているという利点を有するが、重合性モノマ
ーを一定の粒子サイズに揃える必要があるため、生成す
るトナー粒子そのものが界面活性剤や水溶性高分子等の
影響を受けており、必らずしもトナーの諸電気的特性や
耐湿性等の耐環境性にマッチしていないという問題があ
る。
【0006】即ち、従来法における重合法トナーにおい
ては、重合性モノマーとこれを分散させる水性媒体との
界面的特性を利用して、分散液の液滴サイズを調節する
ものであり、水性媒体中に種々の薬剤を添加することが
必須であり、この薬剤の影響を避けることが困難であっ
たのである。勿論、このような薬剤を外部から添加する
ことなしに、重合性モノマーを重合させることも種々試
みられているが、静電荷像現像用トナーの用途に適合す
るようなものは未だ得られていない。
【0007】従って、本発明の目的は、水性媒体に何ら
かの添加剤を添加することなく、重合性モノマーの分散
粒径を静電荷像現像用トナーの用途に適した範囲に調節
することができると共に、その後の重合をも円滑に行う
ことができる、粒度分布がシャープな懸濁重合法による
静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電圧が
印加されたノズルを備えた微粒化槽と該微粒化槽に連な
る連続重合槽とを配置し、該微粒化槽に高抵抗の水性媒
体を供給すると共に、前記ノズルを介して水性媒体中に
着色剤を分散させた重合性モノマーから成る組成物を供
給し、重合性モノマー組成物の微細液滴の分散液を生成
させ、前記分散液を懸濁安定剤と共に連続重合槽に供給
して微細液滴を重合させることを特徴とする静電荷像現
像用トナーの製造方法が提供される。
【0009】
【作用】本発明では、電圧が印加されたノズルを備えた
微粒化槽と該微粒化槽に連なる連続重合槽とを配置し
て、重合性モノマーの懸濁重合を行う。この場合、微粒
化槽は外部からの薬剤の添加や機械的な攪拌手段なし
に、重合性モノマーの微粒化を行うものであり、一方連
続重合槽は、微粒化槽で形成された重合性モノマーの微
細液滴の分散液をその分散状態を損なうことなしに、最
終静電荷像現像用トナーの形状にまで重合せしめるもの
である。
【0010】微粒化槽での操作としては、微粒化槽に高
抵抗の水性媒体を供給すると共に、前記ノズル、即ち電
圧が印加されたノズルを介して水性媒体中に着色剤を分
散させた重合性モノマーから成る組成物を供給し、重合
性モノマー組成物の微細液滴の分散液を生成させること
が特に重要である。
【0011】微粒化槽において分散媒となる水性媒体は
電気的に高抵抗であるため、重合性モノマーの微細液
滴、特にその界面に、トナーの電気的特性や耐湿性に悪
影響を及ぼすコンタミネーションの問題を一切生じるこ
とがなく、しかもノズルと水性媒体との間に印加される
電圧により分散液滴の粒径が制御され、一旦水性媒体中
に分散した液滴は、その表面が同極性の電荷(マイナ
ス)に保持されているため、いずれ水中に放電してしま
うとしても、分散直後においては同極性反発作用により
液中で安定化しているという、分散安定性の点で好まし
い作用がある。
【0012】本発明では、この微粒化槽を重合性モノマ
ーの微細液滴の形成にのみ使用し、以後の重合は、専ら
これに連なる連続重合槽で行う。重合槽での懸濁重合に
際しては、重合しつつある液滴の合着を避け得ないが、
本発明では、懸濁安定剤を連続重合槽にのみ添加するこ
とで、微粒化槽での電気抵抗低下の悪影響を防止し、し
かも液滴の合着を防止して、円滑な重合が可能となるも
のである。
【0013】静電荷像現像用トナーの場合、重合性モノ
マー組成物の液滴の粒径を1乃至50μm、特に5乃至
10μmの範囲に制御することが、トナーの解像力及び
カブリ防止の点で好ましく、このために、微粒化槽にお
ける操作を次のように行うのがよい。
【0014】(A).微粒化槽の水性媒体の電気抵抗1
4 Ω・cm以上、特に106 Ω・cm以上とする。電
気抵抗が上記範囲よりも低いと、液滴の生成効率が低下
または生成しなくなる。
【0015】(B).ノズルの微粒化槽内部(水性媒
体)に対する電位差を−1000乃至−4000ボル
ト、特に−2500乃至−3500ボルトに維持する。
印加する電位差がプラスである場合には、図3に示すと
おり、マイナスの場合に比して、粒径が粗大になる傾向
があり、同じ粒径のものを得ようとすると、かなり大き
い電圧を必要とし、工業的でない。また、絶対値が上記
範囲以外では、トナー粒子の粒径が適当でない。
【0016】(C).ノズルの内径を50乃至500μ
m、特に100乃至300μm且つノズルの突き出し寸
法を0乃至2mm、特に0乃至1mmの範囲とする。図
4に示すとおり、ノズル内径の増大に伴って生成する液
滴の粒径は増大するが、上記の内径でトナーに適した粒
度のものが得られる。一方、ノズルの突出寸法は、図6
に示すとおり、トナー粒子の粒径と粒度分布に影響をも
たらす。突出寸法が増大すると、液滴が大きくなると共
に、粒度分布がブロードになる傾向を示す。上記の範囲
では、適正な粒度のものが適切な粒度分布で得られる。
【0017】(D).重合性モノマー組成物の粘度を1
乃至800cps、特に1乃至100cpsの範囲に制
御する。図5に示すとおり、重合性モノマー組成物の粘
度が、一定の限界値を超えると、液滴の形成が困難とな
る。この粘度の限界値は、温度に関わらずほぼ一定であ
る。このため、高粘度の液体では、微粒化の温度を上昇
させることが有効である。
【0018】(E).重合性モノマー組成物の比重が
1.0以下である場合、微粒化槽の水性媒体に対して重
合性モノマー組成物を上向きのノズルから吐出させるの
が有効であり、一方、重合性モノマー組成物の比重が
1.0より大である場合は、微粒化槽の水性媒体に対し
て重合性モノマー組成物を下向きのノズルから吐出させ
るのが有効である。
【0019】連続重合槽において、懸濁安定剤を重合性
モノマー当たり1乃至20重量%、特に3乃至10重量
%となる量比で、連続重合槽中に供給するのがよく、上
記範囲よりも少ないと、重合中に懸濁重合性モノマーが
合着する傾向があり、一方上記範囲よりも多いと形成さ
れるトナーへの悪影響がある。
【0020】懸濁安定剤としては、種々のものを使用し
うるが、燐酸3カルシウムを用いるのがよい。燐酸3カ
ルシウムは、懸濁重合に際して、液滴を安定化させる作
用が大きく、しかも水性媒体への溶解度が水100g当
たり0.0025gと著しく小さく、耐湿性の点でも優
れている。
【0021】
【発明の好適態様】
[方法及び装置]本発明に用いる装置は、ノズルを備え
た微粒化槽と、これに連なる連続重合槽とから成る。こ
の装置の一例を示す図1において、この装置は、大まか
にいって、微粒子作成槽1と、連続重合槽2とから成
る。連続重合槽2の内部には、例えば、蛇管状の反応管
3が設けられており、微粒化槽1からオーバーフローす
る液体が反応管1外に流出し、反応管外に設けられた加
熱媒体18により加熱されて所定の重合を行うようにな
っている。
【0022】微粒化槽1の底部には、ノズル4がオリフ
ィスを上にして設けられている。このノズル4に対向し
て対向電極(アース電極)5が微粒化槽1内に設けられ
ており、ノズル4は電源9に接続されてマイナスの電圧
が印加されており、一方アース電極5は、電流計15を
介して接地されている。また、ノズル4は、重合性モノ
マー組成物を収容する原料液タンク7に配管を通して接
続されており、原料液タンク7には、重合性モノマー組
成物をノズル4に供給するための手段8、例えば窒素ボ
ンベ等が付属している。
【0023】微粒化槽1には、高電気抵抗の水性媒体
(連続相)11を供給するための連続相供給ポンプ6が
設けられており、微粒化槽1からオーバーフローした分
の水性媒体11を補給するようになっている。
【0024】電圧が印加されたノズル4から、重合性モ
ノマー組成物を、高抵抗の水性媒体から成る連続相11
中に吐出することにより、静電微粒化により、重合性モ
ノマー組成物の微細液滴17が生成する。
【0025】生成した微細液滴17を連続相11中に分
散させた状態で、微粒化槽1から流出部16を通して連
続重合槽2の反応管3内に流出させるが、この流出部1
6に分散安定剤タンク10を設け、微細液滴の水性分散
液に分散安定剤を添加し、懸濁重合の過程で粒子の合着
による粒子の粗大化が生じないようにする。
【0026】連続重合槽2における反応管3の長さ及び
滞留時間は、重合性モノマー組成物の懸濁重合が終了す
るに十分なものであり、反応管3から排出される重合法
トナー粒子の分散液は、濾過部12に供給され、固液分
離操作により、固体部分は乾燥部13に送られてトナー
粉末となる。一方、分離された水性媒体はイオン交換樹
脂槽14に供給されて、溶解イオン分を除いた後、連続
相供給ポンプ6に循環する。
【0027】用いるノズル4の詳細な構造を示す図2に
おいて、このノズルは、金属製の円筒状の本体20と、
本体の外側を覆うガラス製の絶縁チューブ21とから成
る。本体20の先端は外部に露出していて、内径di及
び外径do、並びに突き出し長さlのオリフィス兼電極
22となっている。
【0028】ノズル本体20の根本23は径が増大して
おり、重合性モノマー組成物の供給口24と、電源9へ
の接続端子25となっている。ノズル4は、微粒化槽1
の底壁26に対して、チューブコネクター乃至ホルダー
27により液密状に保持されている。
【0029】微粒化槽の水性媒体の電気抵抗、ノズルの
微粒化槽内部に対する電位差、ノズルの内径di、ノズ
ルの突き出し寸法l等は、既に指摘した範囲にあるのが
よい。
【0030】アース電極は、導電性で通液性がある限
り、任意の形状であってよく、例えば、中心部に孔を設
けたドーナツ状乃至リング状電極、金網電極の任意のも
のであってよい。アース電極とノズルとの間隔は、1乃
至10cm程度で両者間の電位傾度はノズル先端に電界
が集中するような装置条件であれば任意の値でよい。
【0031】本発明において、重合性モノマー組成物の
比重が1.0以下である場合には、図1に示すとおり、
微粒化槽の水性媒体に対して重合性モノマー組成物を上
向きのノズルから吐出させるのがよいが、重合性モノマ
ー組成物の比重が1.0より大である場合には、図7や
図8に示すとおり、微粒化槽の水性媒体に対して重合性
モノマー組成物を下向きのノズルから吐出させるのがよ
い。この場合、図8に示すとおり、ノズル4の先端と連
続相液面との間に、エアギャップを設けてもよいことが
理解されるべきである。
【0032】図1及び図7に示した具体例では、1個の
ノズルを使用しているが、微細液滴の生成量を増大させ
るため、図8に示すとおり、多数のノズルを配置して使
用できることが了解されるべきである。
【0033】微粒化槽1の素材としては、電気絶縁性の
ものや導電性のもののいずれも使用できる。この意味で
プラスチック材料や内面を絶縁性材料でコート乃至ライ
ニングしたものや金属製のものが使用できる。ガラスラ
イニング、フッ素樹脂ライニングは、微細液滴の付着か
らくる汚れを防止するのに適している。また金属製のも
のを使用すると、容器自体をアース電極として使用する
ことも可能である。
【0034】[重合性モノマー組成物]この組成物の主
体となる単量体は、生成重合体がトナーに要求される定
着性と検電性とを有するものであり、エチレン系不飽和
結合を有する単量体の1種又は2種以上の組み合わせが
使用される。
【0035】このような単量体の適当な例は、アクリル
系単量体、モノビニル芳香族単量体、ビニルエステル系
単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量
体、モノオレフィン系単量体等である。
【0036】アクリル系単量体としては、例えば一般式
(1)、 式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基、R2 は水素
原子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒドロキシアルキル
基である、 のアクリル系単量体、特にアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸−2−エチルヘキシル、γ−ヒドロキシアク
リル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル等が
挙げられる。
【0037】モノビニル芳香族単量体としては、例えば
一般式(2) 式中、R3 は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子であり、R4は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等であり、Φ
はフェニレン基である、 のモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、
o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン
等の単独又は2種以上の組合せを挙げることができる。
【0038】更に他の単量体としては以下の一般式
(3),(4),(5)或いは(6)のものが夫々挙げ
られる。 CH2 =CH−OOCR5 ‥‥ (3) 式中、R5 は水素原子又は低級アルキル基である、 のビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等。 CH=CH−O−R6 ‥‥ (4) 式中、R6 は炭素数12迄の1価炭化水素基である、 のビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニ
ルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル
等。 式中、R7 、R8 、R9 の各々は水素原子、低級アルキ
ル基又はハロゲン原子である、 のジオレフィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等。 式中、R10及びR11の各々は水素原子又は低級アルキル
基である, のモノオレフィン類、特にエチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペン
テン−1等。
【0039】本発明に用いる単量体は、スチレン系或い
はアクリル系の単量体が特に適している。
【0040】本発明の重合性モノマー組成物は、着色剤
(顔料)を含有するが、その適当な例は次の通りであ
る。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0041】上記着色剤は、定着用樹脂媒質100重量
部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で
使用する。
【0042】本発明は、所謂磁性トナーにも適用するこ
とができる。磁性材料顔料としては、従来磁性トナーに
使用されている磁性粉、例えば、四三酸化鉄(Fe3
4 )、三二酸化鉄(γ−Fe2 3 )、酸化鉄亜鉛(Z
nFe2 4 )、酸化鉄イットリウム(Y3 Fe
5 12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2 4 )、酸化
鉄ガドリウム(Gd3 Fe5 12)、酸化鉄銅(CuF
24 )、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッ
ケル(NiFe2 4 )、酸化鉄ネオジウム(NdFe
3 )、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe2 4 )、酸化鉄マンガン(Mn
Fe2 4 )、酸化鉄ランタン(LaFeO3 )、鉄粉
(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等
を用いることができる。
【0043】好適な磁性粉は微粒子状四三酸化鉄(マグ
ネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面体状
で、粒子径が0.05乃至1.0μmのものである。こ
のマグネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン
系カップリング剤等で表面処理されていてもよい。
【0044】本発明で用いる重合性モノマー組成物に
は、それ自体公知のトナー用添加剤乃至助剤を配合する
ことができる。かかる添加剤には、電荷制御剤や離型剤
が挙げられる。
【0045】電荷制御剤としては、油溶性染料(正電荷
制御剤)や、金属錯塩染料(負電荷制御剤を)を使用す
ることもできるが、アニオン性またはカチオン性の極性
基を有する共単量体や開始剤を組成物中に含有させて、
樹脂中に組み込むことにより、電荷制御機能を発現させ
ることもできる。
【0046】アニオン性極性基としては、カルボン酸、
スルホン酸、ホスホン酸等の任意の極性基が挙げられる
が、カルボン酸型のものが特に好適である。一方、カチ
オン性の極性基としては、1級、2級、3級のアミノ基
や第4級有機アンモニウム基、アミド基、イミノ基、イ
ミド基、ヒドラジノ基、グアニジノ基、アミジノ基等の
塩基性窒素含有基等の任意のカチオン性基を有するもの
があげられるが、アミノ基や第4級アンモニウム基が特
に好適である。
【0047】カルボン酸型のものとしては、エチレン系
不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマー
ル酸、マレイン酸或いはフマール酸等の低級アルキルハ
ーフエステル等が挙げられる。
【0048】スルホン酸型のものとしては、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸等が挙げられる。
【0049】ホスホン酸型のものとしては、2−アシッ
ドホスホキシプロピルメタクリレート、2−アシッドホ
スホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシ
ッドホスホキシプロピルメタクリレート、等が挙げられ
る。
【0050】これらのアニオン性極性基含有単量体単位
は、遊離の酸であっても、またナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、カルシュウム、マグネシュウム等のア
ルカリ土類金属、亜鉛等で中和されていてもよい。
【0051】また、カチオン性アクリル単量体として
は、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチル
アミノプロピルアクリレート、ジブチルアミノエチルメ
タクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−アミノエチ
ルメタクリレート、3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピルジメチルアミン、並びにこれらの第4級ア
ンモニウム塩が挙げられる。
【0052】カチオン性極性基含有ビニル単量体として
は、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、
ビニルトリメチルアンモニウムクロリド、N−ビニルカ
ルバゾール、2−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロ
ール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン、
第4級ビニルピリジウムが挙げられる。
【0053】本発明ではまた、カチオン性極性基含有重
合開始剤を使用して、形成される重合体の末端にカチオ
ン性極性基を導入したものを使用することもできる。そ
の重合開始剤としては次のものが例示される。
【0054】アゾアミジン乃至アゾアミド化合物;例え
ば、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプ
ロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{N
−(4−クロロフェニル)−2−メチル}プロピオンア
ミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−メチル}プロピオンアミジ
ン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{N−(4−アミノ
フェニル)−2−メチル}プロピオンアミジン)2塩酸
塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(フェニル
メチル)プロピオンアミジン}2塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス(2−メチル−N−プロペニルプロピオンアミジ
ン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピ
オンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{N−
(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル}プロピオンア
ミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(5−メ
チル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン}2塩酸
塩、2,2’−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2
−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジ
アゼピン−2−イル)プロパン}2塩酸塩、2,2’−
アゾビス{2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミ
ジン−2−イル)プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾ
ビス{2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン−2−イル)プロパン}2塩酸塩、
2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}2塩酸
塩、2,2’−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン}、2,2’−アゾビス{2−メチル
−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒド
ロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビ
ス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス
{2−メチル−N−[2−ヒドロキシエチル]プロピオ
ンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチルプロピオ
ンアミド}2水和物。
【0055】離型剤としては、例えば数平均分子量70
00以上のポリプロピレンを使用する。この離型剤は、
重合性モノマー中に予め含有させておく。
【0056】本発明では、モノマーを重合せしめるため
に、ラジカル重合開始剤を含有させる。本発明で用いる
ラジカル重合開始剤は、それ自体公知のラジカル重合開
始剤、例えばアゾ化合物系、ハイドロパーオキサイド
系、パーオキサイド系、過酸型開始剤を使用する。油溶
性の開始剤が好ましい。
【0057】開始剤としては、前述したものの他、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,
2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサ
ンカルボニトリル)等を例示することができる。
【0058】[重合法]本発明によれば、静電微粒化法
により、重合性モノマー組成物の液滴の粒径を1乃至5
0μm、特に5乃至10μmの範囲に分散させた水性分
散液を製造し、これを連続重合槽に供給して懸濁重合を
行う。重合性モノマー組成物を安定化させた状態で、懸
濁重合を行うために、分散安定剤を連続重合槽に供給す
る際添加する。分散安定剤としては、媒体中に可溶の高
分子は避けるべきであり、ノニオン性或いはイオン性界
面活性剤を使用してもよいが、リン酸3カルシウム等の
実質上水に不溶な無機粉末を用いるべきである。分散安
定剤は、系中に1乃至20重量%、特に3乃至10重量
%の量で加えることが好ましい。尚、トナー形成用組成
物中における開始剤の量は、単量体を基準にして、0.3
乃至30重量%、特に0.5 乃至10重量%とするのがよ
い。
【0059】重合に際しては、反応系を窒素等の不活性
ガスで置換し、前述した懸濁状態を維持しつつ、40乃
至100℃、特に50乃至90℃の温度で重合を行わせ
る。重合時間は、温度等によっても相違するが、一般に
3乃至30時間が適当である。
【0060】反応後の重合生成物は前述した粒度範囲の
粒状物の形で得られるので、生成粒子を濾過し、必要に
より水又は適当な溶剤で洗浄し、乾燥して、トナー粒子
とする。このトナー粒子には、必要により、アルミナ、
疎水性シリカ等をまぶして、最終トナーとする。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によって詳細
に説明する。本実施例で用いた微粒子液滴作成及び連続
重合装置を図1に示す。またノズル部4の拡大図を図2
に示す。ノズルは図2のように、金属の円筒状のものに
ガラス管をかぶせて絶縁したもので、ガラス管の部分で
装置本体1に固定する。また装置本体1はアクリル樹脂
でできており、2はステンレス製である。図1のアース
電極5はリング状のステンレスで装置の中央に保持し、
装置1は絶縁ガラスで構成されている。
【0062】[実施例1]図1の微粒子液滴作成部を用
いて液滴の安定作成を行った。原料液としてカーボンブ
ラックを5%含有したスチレンモノマー液を用意し、d
i =250μm、do =500μm、l=1mmに設定
した。連続相媒体として蒸留水(比抵抗106 Ωcm)
を用い、反応管3に流れ出るぎりぎりの所まで満した後
は、連続相の供給はストップした。この条件で、直流電
圧Vと生成した液滴の平均粒子径の関係を調べた。平均
粒子径の測定はピペットにより生成液滴を採取し、光学
顕微鏡(オリンパス光学社製VANOX)観察すること
で決定した。
【0063】得られた結果を図3のグラフに示す。以上
から正電圧印加は負電圧印加の場合に比べて、液滴の平
均粒子径は1ケタ程度大きくなることがわかる。通常の
トナー粒子径は5〜15μmであることから負電圧印加
では約−3000Vですむのに対し、正電圧印加では6
000V以上要することがわかる。また、液滴生成時に
流れる電流量は、正電圧印加で約6mAに対し、負電圧
印加では1.3mAであり、負電圧を印加する方が省エ
ネルギーで効率的に液滴を生成することがわかる。
【0064】[実施例2]印加電圧を−3000Vに設
定しdi を変化させる以外は実施例1と同様に実験した
結果を、図4のグラフに示す。図4からdi が小さくな
る程生成する液滴粒子の径も小さくなっていくことがわ
かる。
【0065】[実施例3]印加電圧を−3000Vに設
定し、原料液粘度を変化させる以外は実施例1と同様に
実験した結果を図5のグラフに示す。原料液粘度の変化
はカーボンブラックの含有量を変化させて行った。
【0066】図5から、粘度が高くなるにつれて、生成
する粒子径は大きくなり、800cpsを越えると液滴
粒子自体が生成されなくなることがわかる。また、一般
的な電子写真トナーのカーボンブラック含有量は5〜2
0%であることから、温度を調整することで、十分、本
方法による微粒化が可能であることがわかる。
【0067】[実施例4] 原料液:カーボンブラック 5% 含有スチレン液 di :250μm do :500μm l : 1mm 印加電圧:−3000V 上記条件で、連続相媒体の比抵抗を変化させて微粒化実
験を行った。比抵抗の変化は、純水(106 Ωcm)に
電解質(NaCl)を溶解させていくことで行った。そ
の結果104 Ωcm未満の比抵抗では液滴を生成しない
ことがわかった。
【0068】[実施例6]印加電圧を−3000V設定
し、突き出し長さlを変化させて実施例1と同様の実験
を行った。その結果を図6のグラフに示す。以上から突
き出し長さlが小さい程シャープな粒子径分布を与える
ことがわかる。
【0069】[実施例7] di :100μm do :300μm l : 0mm 印加電圧:−2500V 原料液 カーボンブラック 5% }含有スチレン液 V−65 3% (重合開始剤) 連続相 蒸留水(比抵抗106 Ωcm) 上記条件で微粒子液滴を作成した所、粒度分布6±1μ
mのシャープな分布をもつ液滴が作成できた。またこの
時の原料液の送り出しスピードは0.45ml/min
であった。
【0070】この分散液を連続に調製し、重合させるた
め、連続相供給ポンプ6より蒸留水を毎分5mlのスピ
ードで液滴作成槽1に供給しながら、微粒化槽1からオ
ーバーフローして連続重合槽2に流れ出してくる微粒子
液滴を含んだ連続相中に、分散安定剤をタンク10から
0.45ml/min のスピードで加えていく。ここで分
散安定剤はCa3 (PO4 2 の10%水溶液(スラリ
ー状)のものを用いた。連続重合装置内の反応管は80
℃に設定してあり約5hrかけて通過する。その間に重
合が完了し、ろ過部12でろ過し乾燥部13で乾燥後微
粒子液滴のときと同じ大きさのトナー粒子を得ることが
できた。
【0071】ろ液の方はCa3 (PO4 2 が溶解して
おり、液の比抵抗も低くなっていることから、そのまま
ポンプ6を通して装置1中へ戻すことはできないので、
イオン交換槽14を通してから戻すことになる。又はそ
のまま戻さず捨てても良い。
【0072】[実施例7]図7に示す微粒子液滴作成装
置を用い以下の条件で実験を行った。 di :250μm do :500μm l : 0mm 印加電圧:−3000V 原料液 カーボンブラック 5% }含有スチレン液 フェライト磁性粉 5% 連続相 蒸留水(比抵抗105 Ωcm) 図7のようにノズルを下向きに微粒化するのは、原料液
の比重が1を越えるためである。平均粒子径22μmの
液滴を作成することができた。
【0073】[実施例8]図1の微粒子作成槽1にノズ
ル4を10個1cm間隔で並べた(図8の(a))。ま
た対応するアース電極部を1cm正方のあみ型電極5´
とした。網型電極はφ1mmのステンレス製で、網型電
極の正方型の中心にノズル4が配置するように設定した
(図8の(b))。なお、図9は上からみた図である。
【0074】以上の装置を用いて実施例7と同じ条件で
微粒化実験を行った所、粒度分布6±1μmのシャープ
な分布をもつ液滴が得られた。このときの各ノズルの原
料液の送り出しスピードは0.45ml/minと一定
であり、全体の送り出しスピードは4.5ml/min
であった。連続相(蒸留水)を供給ポンプ6により毎分
4.5mlのスピードで1に供給しながら連続重合槽に
流れ出してくる液滴を含んだ連続相中に分散安定剤(C
3 (PO42 の10%水溶液)をタンク10から
4.5ml/minのスピードで加えていく。連続重合
装置内の反応管(所面積2cm2 )は90℃に設定して
あり、約4hrかけて通過する。その間に重合が終了し
ろ過、乾燥後、液滴粒子と同じ大きさのトナー粒子を得
た。また、トナー粒子生成量もノズルの数に比例し、実
施例7のときの10倍の量を生成した。以上から装置中
のノズルをマルチノズル化しトナー粒子の生成量を増加
させることができることがわかった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、電圧が印加されたノズ
ルを備え且つ高抵抗水性媒体を収容した微粒化槽を用い
て、重合性モノマーの微細液滴の分散液を形成させるこ
とにより、重合性モノマーの微細液滴、特にその界面
に、トナーの電気的特性や耐湿性に悪影響を及ぼすコン
タミネーションの問題を一切生じることがなく、しかも
ノズルと水性媒体との間に印加される電圧により分散液
滴の粒径が制御され、一旦水性媒体中に分散した液滴
は、しばらくその表面が同極性の電荷(マイナス)に保
持されているため、同極性反発作用により液中で安定化
しているという、分散安定性の点で好ましい利点があ
る。
【0076】本発明では、この微粒化槽を重合性モノマ
ーの微細液滴の形成にのみ使用し、以後の重合は、専ら
これに連なる連続重合槽で行う。重合槽での懸濁重合に
際しては、重合しつつある液滴の合着を避け得ないが、
本発明では、懸濁安定剤を連続重合槽にのみ添加するこ
とで、微粒化槽での電気抵抗低下の悪影響を防止し、し
かも液滴の合着を防止して、円滑な重合が可能となるも
のである。
【0077】形成されるトナーは、粒径が均整で、トナ
ー飛散やカブリがなく、解像力に優れた画像形成を行う
ことができ、現像時の流動性にも優れているという利点
を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた微粒子液滴作成及び連続重合
装置を示す配置図である。
【図2】図1の装置で用いるノズル部の拡大図である。
【図3】ノズルへの印加電圧と、液滴の平均粒子径との
関係を示すグラフである。
【図4】ノズルの内径と、液滴の平均粒子径との関係を
示すグラフである。
【図5】重合性モノマー組成物中のカーボン量と、原料
液粘度及び液滴の平均粒子径との関係を示すグラフであ
る。
【図6】ノズルの突き出し長さを変化させて、液滴の粒
子径と頻度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例7で用いた微粒子液滴作成を示す配置図
である。
【図8】実施例8で用いた微粒子液滴作成装置のノズル
の配置を示す上面配置図である。
【符号の説明】
1 微粒子作成槽 2 連続重合槽 3 反応管 4 ノズル 5 アース電極 6 連続相供給ポンプ 7 原料液タンク 8 N2 ボンベ 9 電源 10 分散安定剤タンク 11 連続相 12 ろ過部 13 乾燥部 14 イオン交換樹脂槽 15 電流計 16 流出部 17 重合性モノマー組成物の微細液滴 18 加熱媒体 20 ノズル本体 21 絶縁チューブ 22 オリフィス兼電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東口 照昭 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧が印加されたノズルを備えた微粒化
    槽と該微粒化槽に連なる連続重合槽とを配置し、該微粒
    化槽に高抵抗の水性媒体を供給すると共に、前記ノズル
    を介して水性媒体中に着色剤を分散させた重合性モノマ
    ーから成る組成物を供給し、重合性モノマー組成物の微
    細液滴の分散液を生成させ、前記分散液を懸濁安定剤と
    共に連続重合槽に供給して微細液滴を重合させることを
    特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 重合性モノマー組成物の液滴の粒径を1
    乃至50μmの範囲に制御する請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 微粒化槽の水性媒体の電気抵抗が104
    Ω・cm以上である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ノズルの微粒化槽内部に対する電位差を
    −1000乃至−4000ボルトに維持する請求項1記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ノズルの内径を50乃至500μm且つ
    ノズルの突き出し寸法を0乃至2mmの範囲とする請求
    項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合性モノマー組成物の粘度を20乃至
    800cpsの範囲に制御する請求項1記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 重合性モノマー組成物の比重が1.0以
    下であり、微粒化槽の水性媒体に対して重合性モノマー
    組成物を上向きのノズルから吐出させる請求項1記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 重合性モノマー組成物の比重が1.0よ
    り大であり、微粒化槽の水性媒体に対して重合性モノマ
    ー組成物を下向きのノズルから吐出させる請求項1記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 懸濁安定剤を重合性モノマー当たり1乃
    至20重量%となる量比で、連続重合槽中に供給する請
    求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 懸濁安定剤が燐酸3カルシウムである
    請求項1記載の製造方法。
JP6059235A 1994-03-29 1994-03-29 静電荷像現像用トナーの製造方法 Pending JPH07281480A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081639A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー、樹脂粒子、及び、樹脂微粒子重合装置
JP2016514047A (ja) * 2013-03-06 2016-05-19 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ 比較的単分散の液滴を形成するためのデバイスおよび方法

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